特許6545653IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

複数本の横取りレールが互いに数度の角度で非平行に敷設されている場合において、これらのレールを用いて長尺の橋桁を目的の方向に横取り移送するための橋桁の横取り方法及び装置に関するものである。

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

図10に示す方法は、障害物11を避けるために一方のレール12aが横取り方向と角度θをもって斜めに敷設されており、これらの一方のレール12aと他方のレール12bとによって横取りするものである。
しかるに、この従来の方法は、他方のレール12b側では、横送り装置20により橋桁10と直交する方向にだけ横取りすればよいが、一方のレール12a側では、横送り装置20と縦送り装置21を連動して制御しなければならない。具体的には、他方のレール12b側の横送り装置20の単位時間当たりの移送距離をxとすれば、一方のレール12a側の横送り装置20と縦送り装置21の単位時間当たりの移送距離zとyは、それぞれz=x/cosθ、y=xtanθとなるように制御しなければならない。 このように、単位時間当たりの送り装置の移送距離を細かに制御しなければ、円滑な横移送ができないという問題があった。また、斜めに敷設された一方のレール12aには、縦送り装置21を荷重受け盤19と橋桁10との間に介在しなければならず、装置としての機械高さが高くなり、安全性に若干の問題があるばかりか、縦送り装置21を有しない他方のレール12b側にも高さ調整部材を介在させる必要がある。さらに、橋桁10の下面に縦送り装置21を取り付けて縦移送するということは、橋桁10の下面に凹凸や傾斜面の変断面がある場合、これに対応するブラケット等を介在して水平にするが、他方のレール12b側にも不要な高さ調整ブラケットを、介在させなければならないという問題があった。また、斜めに敷設されたレールが複数本あると、それぞれに縦送り装置を取り付け、それぞれについて単位時間当たりの送り装置の移送距離を細かに制御しなければ、円滑な横移送ができないという問題があった。 本発明は、互いに数度の角度で異なる方向に敷設した複数本の横取りレールを用いて橋桁を横取り力のみで目的の方向に横取りする方法及びその装置であって、機高を低くでき、安全性、経済性に優れた方法及び装置を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明は、互いに数度の非平行な複数本の横取りレール26の上に橋桁10を載せて横取りする橋桁の横取り方法において、 複数本の横取りレール26の中から横取り方向に略一致する少なくとも1本を基準の横取りレール26aとして設定するとともに、残りを基準以外の横取りレール26nとして設定する工程と、 前記基準の横取りレール26aと基準以外の横取りレール26nのそれぞれの上に、横取り方向のみ移動可・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
請求項1記載の発明は、
互いに数度の非平行な複数本の横取りレールの上に橋桁を載せて横取りする橋桁の横取り方法において、
複数本の横取りレールの中から横取り方向に略一致する少なくとも1本を基準の横取りレールとして設定するとともに、残りを基準以外の横取りレールとして設定する工程と、
前記基準の横取りレールと基準以外の横取りレールのそれぞれの上に、横取り方向のみ移動可能な横取りシップを設置する工程と、
前記基準の横取りレールの上の横取りシップと前記基準以外の横取りレールの上の横取りシップのそれぞれの上に、前記橋桁の荷重を受ける荷重受け盤を設ける工程と、
前記橋桁の下面に、前記基準の横取りレール側の荷重受け盤の水平移動を制限する位置保持用滑り装置を設ける工程と、
前記橋桁の下面に、前記基準以外の横取りレール側の荷重受け盤の橋軸方向の移動のみを可能にする橋軸方向滑り装置を設ける工程と
からなることを特徴とする橋桁の横取り方法としたので、
基準の横取りレール上では、橋桁が橋軸方向に移動せず、しかも、基準の横取りレール以外での橋軸方向の移動は、横取り力に伴う分力で橋軸方向滑り装置によって行われ、全体の水平力もほとんど打ち消され、細かな制御なしで非平行な複数本のレールによる横移動を安全、かつ正確に制御でき、所期の目的を短時間に達成することができる。 請求項2記載の発明は、複数本の横取りレールの中から仮の基準の横取りレールを選択し、選択されなかった横取りレールの橋軸方向移動量を演算し、この橋軸方向移動量の総和が最も少ないレールを基準の横取りレールとして設定したので、基準のレールを容易に設定できる。 請求項3記載の発明は、基準の横取りレールと基準以外の横取りレールは、それぞれ橋脚の上に敷設され、前記基準の横取りレールは、前記橋脚の上に移送方向と一致する方向に敷設したので、古い橋桁と新設橋桁の交換が新たな架設用構造物をほとんど建設することなく可能となる。 請求項4記載の発明は、横取りレールの上面と横取りシップの下面の間にステンレス板と低摩擦材からなる横取り方向滑り装置を介在し、荷重受け盤の上面と橋桁側滑り装置の下面との間にステンレス板と低摩擦材からなる橋桁側滑り装置を介在したので、橋軸方向の縦送り装置を必要とせず、摩擦力の低下により、補強設備も不要となり、また、安価に橋桁の設置ができる。 請求項5記載の発明によれば、基準以外の横取りレール26nの桁方向移動量は、基準の横取りレール26aの移動量と基準以外の横取りレール26nの設置角度により演算するようにしたので、横取りの際の各レール間の水平力を最小限に抑え、安全に工事ができる。 請求項6記載の発明は、
互いに数度の非平行な複数本の横取りレールの上に橋桁を載せて横取りする橋桁の横取り装置において、
複数本の横取りレールの中から選択され、横取り方向に略一致する方向に敷設された少なくとも1本の基準の横取りレールと、
前記基準の横取りレールを除く残りの基準以外の横取りレールと、
前記基準の横取りレールと前記基準以外の横取りレールのそれぞれの上に、横取り方向のみ移動可能に設置された横取りシップと、
前記基準の横取りレールの上の横取りシップと前記基準以外の横取りレールの上の横取りシップのそれぞれの上に設けられ、前記橋桁の荷重を受ける荷重受け盤と、
前記橋桁の下面に設けられ、前記基準の横取りレール側の荷重受け盤の水平移動を制限する位置保持用滑り装置と、
前記橋桁の下面に設けられ、前記基準以外の横取りレール側の荷重受け盤の橋軸方向の移動のみを可能にする橋軸方向滑り装置と
からなるので、簡便な装置で安全に橋桁の設置や交換ができる。 請求項7記載の発明は、横取りシップは、ジャッキ台座により鉛直ジャッキを設け、この鉛直ジャッキに荷重受け盤を設けたので、橋桁、横取りレール等に移送中の歪や湾曲するなどが生じたとき、鉛直ジャッキで調整しながら安全、かつ、短時間に横取り工事ができる。 請求項8記載の発明は、横取りレールの上面と横取りシップの下面の間に介在したステンレス板と低摩擦材からなる横取り方向滑り装置と、荷重受け盤の上面と橋桁側滑り装置の下面との間に介在したステンレス板と低摩擦材からなる橋桁側滑り装置を具備したので、橋軸方向の移動手段を必要とせずに非平行のレールによる橋桁の横取りができる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】本発明による橋桁の横取り方法及び装置の実施例1の概略を説明する平面から見た模式図である。

【図2】図1の詳細な平面図である。

【図3】図1及び図2における本発明による橋桁の横取り方法及び装置の側面図である。

【図4】図3の平面図である。

【図5】図2におけるA-A線断面図である。

【図6】図2におけるB-B線断面図である。

【図7】本発明の橋桁の横取り方法及び装置を制御するための油圧回路図である。

【図8】本発明による橋桁の横取り方法及び装置における基準の横取りレールを設定する方法の説明図である。

【図9】本発明による橋桁の横取り方法及び装置の制御のためのフローチャートである。

【図10】従来の横取り装置を示す模式図である。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

10…橋桁、11…障害物、12…レール、13…クランプ装置、14…テンションバー、15…油圧ジャッキ、16…おしみ用クランプ、17…水平ジャッキ装置、18…連結杆、19…荷重受け盤、20…横送り装置、21…縦送り装置、22…鉛直ジャッキ、23…橋桁、24…既設路、25…橋脚、26…横取りレール、27…横取りシップ、28…レール中心線、29…鉛直ジャッキ、30…連結材、31…水平ジャッキ装置、32…クランプ装置、33…横取り方向滑り装置、34…ジャッキ台座、35…ステンレス板、36…低摩擦材、37…ガイド板、38…橋桁側の滑り装置(38a…位置保持用滑り装置、38n…橋軸方向滑り装置)、39…ガイド板、40…ステンレス板、41…低摩擦材、42…荷重受け盤、43…球面座、44…CPUなどの集中制御盤、45…計測制御用パソコン、46…油圧制御回路、47…基準レール以外用油圧制御回路、48…横取りジャッキ用ポンプユニット、49…横取り用センサー、50…水平用センサー、51…バルブ。

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