特許6610848IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

車両の操舵系を運転者が操舵するに際して、操舵系にアシスト力を付与するモータを制御するアシストモードと、車両が自律走行するに際して車両から随時与えられる目標操舵角に応じてモータを制御する自動モードとを有する電動パワーステアリング装置であって、速度制御部(例えば、PI(Proportional-Integral)制御、P制御、PID(Proportional-Integral-Differential)制御、比例先行型PI制御)を用い、更にモータ角速度に基づいてモータ電流補償値をモータ電流指令値に付加することによって、速度制御部のゲインを大きくした場合でも、高周波の振動を抑え、モータ速度指令に対するモータ角速度の追従性を高めることができる電動パワーステアリング装置に関する。また、フィルタ(ハンドル振動除去部及びハンドル制振部)を用いることにより、自動モード中にトーションバーのバネ性とステアリングホイールの慣性モーメントによる振動(バネ慣性系に起因する振動)を除去することができる電動パワーステアリング装置

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

特許文献1に記載された電動パワーステアリング装置では、速度PI制御(比例先行型PI制御)を用いた舵角追従制御を行っていた車両において舵角制御を行う場合、走行車速、摩擦や路面反力の変化によって実舵角の応答が変わるため、目標舵角に対し追従性が不足し、またステアリングホイールのバネ慣性系が考慮されていないために発生するハンドル振動がドライバに違和感を与えるという問題が生じる。また、速度PI制御のゲインが大きくなった場合、高域の発振及び振動が発生するという問題が生じる。 特許文献2〜3に記載された電動パワーステアリング装置では、レートリミッタを備えているため、目標操舵角が急操舵であっても、円滑に操舵することができ、低車速においても良好な応答性を奏するが、ステアリングホイールのバネ慣性系の共振周波数に対する設計がされていないために発生するハンドル振動を除去することは困難である。 本発明は上述のような事情に基づいてなされたものであり、本発明の目的は、速度制御部(PI(Proportional-Integral)制御、P制御、PID(Proportional-Integral-Differential)制御、比例先行型PI制御)を用いて、更にモータ角速度に基づいてモータ電流補償値をモータ電流指令値に付加することによって、速度制御部のゲインを大きくした場合でも、高周波の振動を抑え、モータ速度指令に対するモータ角速度の追従性を高めることにある。また、応答特性起因の振動を除去すると共に、レートリミッタ及びフィルタ(ハンドル振動除去部)を用いていることにより、自動モード中にトーションバーのバネ性とステアリングホイールの慣性モーメントによる振動(バネ慣性系に起因する振動)を除去することができる電動パワーステアリング装置を提供することにある。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明の目的は、車両の操舵系を操舵する操舵部を用いて前記車両が自律走行するに際して、前記車両から随時与えられる目標操舵角に応じてモータを制御する自動操舵モードを有する電動パワーステアリング装置において、前記目標操舵角、第1の操舵状態信号、第2の操舵状態信号及び第3の操舵状態信号に基づいて第1のモータ電流指令値を算出する舵角制御部を備え、前記舵角制御部は、前記第1の操舵状態信号及び前記目標・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
本発明の電動パワーステアリング装置に拠れば、速度制御部(PI制御、P制御、PID制御、比例先行型PI制御)を用い、更にモータ角速度、トーションバートルク又はコラム角に基づいてモータ電流補償値をモータ電流指令値に付加する安定化補償部を備えることによって、速度制御部のゲインを大きくした場合でも、高周波の振動を抑え、モータ速度指令に対するモータ角速度の追従性を高めることができる。また、応答特性起因の振動を除去するとともに、フィルタ(ハンドル振動除去部及びハンドル制振部)を用いていることにより、自動モード中にトーションバーのバネ性とステアリングホイールの慣性モーメントによる振動(バネ慣性系に起因する振動)を除去することが可能となる。 更に、モータ速度指令フィードフォワードフィルタ(以下、モータ速度指令FFフィルタとする。)によって、目標舵角に対する実舵角の制御帯域を高周波側まで広げ、舵角制御の応答性を向上させることができる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

知財ポータルサイト IP Force にログインして確認する (無料)

この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】電動パワーステアリング装置の概要を示す構成図である。

【図2】センサの装着例及びコラム角、ハンドル角の関係を示す図である。

【図3】トーションバーとハンドル角、コラム角の関係を示す機構図である。

【図4】本発明の第1実施形態における、電動パワーステアリング装置の制御系の構成例を示すブロック図である。

【図5】本発明の第1実施形態における、舵角制御部の構成例を示すブロック図である。

【図6】本発明の第1実施形態における、レートリミッタの一例を示すブロック図である。

【図7】本発明の第1実施形態における、レートリミッタによる目標操舵角の平滑化の例を示す図である。

【図8】本発明の第1実施形態において、安定化補償部を設けなかった場合における、モータ角速度(細線)及び舵角制御部が出力するモータ電流指令値(太線)の時間変化(0〜2秒)を示す図である。

【図9】本発明の第1実施形態において、安定化補償部を設けた場合における、モータ角速度(細線)及び舵角制御部が出力するモータ電流指令値(太線)の時間変化(0〜2秒)を示す図である。

【図10】本発明の第1実施形態の変形例1における、電動パワーステアリング装置の制御系の構成例を示すブロック図である。

【図11】本発明の第1実施形態の変形例1における、舵角制御部の構成例を示すブロック図である。

【図12】本発明の第1実施形態の変形例2における、電動パワーステアリング装置の制御系の構成例を示すブロック図である。

【図13】本発明の第1実施形態の変形例2における、舵角制御部の構成例を示すブロック図である。

【図14】本発明の第2実施形態における、舵角制御部の構成例を示すブロック図である。

【図15】本発明の第2実施形態における、ハンドル振動除去部のゲイン及び位相の周波数特性を示す特性図である(12.5[Hz]を中心としたノッチフィルタの特性図である。)。

【図16】本発明の第2実施形態における、目標操舵角θrefからハンドル舵角θhまでの、全体のブロック線図である。

【図17】目標操舵角からトーションバートルクが発生するまでの伝達関数について、図17(A)は従来例におけるゲインの周波数特性を示す図であり、図17(B)は本発明の第1実施形態における伝達関数のゲインの周波数特性を示す図であり、図17(C)は従来例における位相の周波数特性を示す図であり、図17(D)は本発明の第1実施形態における伝達関数の位相の周波数特性を示す図である。

【図18】トーションバートルクの時間応答を示す図であって、波形(A)はハンドル振動除去部が無い場合のトーションバートルクの時間応答であり、波形(B)はハンドル振動除去部が有る場合のトーションバートルクの時間応答である。

【図19】ハンドル舵角の時間応答を示す図であって、波形(A)は、ハンドル振動除去部が無い場合にける目標操舵角に追従するハンドル舵角の時間応答であり、波形(B)は、ハンドル振動除去部が有る場合にける目標操舵角に追従するハンドル舵角の時間応答であり、波形(C)は、目標操舵角の時間変化である。

【図20】本発明の第2実施形態の変形例3における、舵角制御部の構成例を示すブロック図である。

【図21】本発明の第2実施形態の変形例4における、舵角制御部の構成例を示すブロック図である。

【図22】本発明の第3実施形態における、電動パワーステアリング装置の制御系の構成例を示すブロック図である。

【図23】本発明の第3実施形態における、舵角制御部の構成例を示すブロック図である。

【図24】(A)は、ハンドル制振部のゲインの周波数特性を示す図である。(B)は、ハンドル制振部の位相の周波数特性を示す図である。

【図25】本発明の第3実施形態における、目標操舵角θrefからハンドル舵角θhまでの、全体のブロック線図である。

【図26】本発明の第3実施形態における、目標操舵角θrefからハンドル舵角θhまでの、等価変換した全体のブロック線図である。

【図27】本発明の第3実施形態における、目標操舵角θrefからハンドル舵角θhまでの、等価変換した全体のブロック線図である。

【図28】ハンドル舵角の時間応答を示す図であって、波形(A)は、目標操舵角の時間変化であり、波形(B)は、目標操舵角を入力したときのハンドル舵角θhの時間応答であり、波形(C)は、ハンドル制振部及びハンドル振動除去部の両方が有る場合のハンドル舵角θhの時間応答である。

【図29】ハンドル舵角の時間応答を示す図であって、波形(A)はハンドル制振部、ハンドル振動除去部等の補償が無い場合の目標操舵角に対するハンドル舵角の時間応答であり(細線)、波形(B)はハンドル振動除去部のみが有る場合の目標操舵角に対するハンドル舵角θhの時間応答であり(点線)、波形(C)はハンドル制振部及びハンドル振動除去部の両方が有る場合の目標操舵角に対するハンドル舵角θhの時間応答である(太線)。

【図30】本発明の第3実施形態の変形例5における、電動パワーステアリング装置の制御系の構成例を示すブロック図である。

【図31】本発明の第3実施形態の変形例5における、舵角制御部の構成例を示すブロック図である。

【図32】本発明の第3実施形態の変形例6における、電動パワーステアリング装置の制御系の構成例を示すブロック図である。

【図33】本発明の第3実施形態の変形例6における、舵角制御部の構成例を示すブロック図である。

【図34】本発明の第4実施形態における舵角制御部の構成例を示すブロック図である。

【図35】目標舵角及び実操舵角の時間応答を示す図であって、波形(A)は、目標舵角の時間応答であり、波形(B)は、モータ速度指令FFフィルタが無い場合における実操舵角の時間応答であり、波形(C)は、モータ速度指令FFフィルタが有る場合における実操舵角の時間応答である。

【図36】本発明の第4実施形態の変形例7における舵角制御部の構成例を示すブロック図である。

【図37】本発明の第4実施形態の変形例8における舵角制御部の構成例を示すブロック図である。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

2 コラム軸(ハンドル軸)   2A 入力シャフト   2B 出力シャフト   20 モータ   23 トーションバー   100 コントロールユニット   130 車両側のECU   131 切換指令部   132 目標操舵角生成部   140、140A EPS側のECU   240、240A EPS側のECU   340、340A EPS側のECU   141 トルク制御部   142 切換部   143 モータ駆動部   150 モータ   151 回転センサ   152 舵角センサ   201、201X、201Y、201Z 舵角制御部   202、202X、202Y、202Z 舵角制御部   203、203X、203Y、203Z 舵角制御部   211 レートリミッタ   212 ハンドル振動除去部   213A、213B、213C 減算部   213D、213E、213F 加算部   214 位置制御部   215 速度制御部   215a 積分部(ゲインKiv倍)   215b 比例部(Kpv)   216 ハンドル制振部   217 リミッタ   218 モータ速度指令FFフィルタ   220 安定化補償部   311 レートリミッタ   312 ハンドル振動除去部   313a、313b、313c、313d 減算部   313e 加算部   314 比例部(Kpp)   315a 積分部(ゲインKiv)   315b 比例部(Kpv)   316 モータトルク変換部(Kt)   317 トーションバー部   318a コラム慣性部   318b 積分部(1/s)   319 微分部(s)   320a 遅延部   320b ハンドル慣性部   320c 積分部

全ての図面はログインすると無料で閲覧できます。ログイン・ユーザー登録

[広告欄]

ログインすれば広告は減ります

ログインすれば広告は減ります