技術分野
三次元網状の微小流路を有する微小流路構造体、特に毛細血管網様の微小流路を有する微小流路構造体の製造方法
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
前記の通り、毛細血管網様の形状を有する微小流路を形成させるいくつかの手段が知られている。しかしながら、公知の手段には改善の余地が存在した。
非特許文献1に記載の方法の場合、緻密な形状を有する流路を形成させるために数日を要する。この期間、ゲル内に配置された臓器細胞に十分な量の酸素及び栄養素を供給することが困難となるため、臓器細胞が死滅する可能性がある。
非特許文献2に記載の方法の場合、作製される流路の直径は、ゼラチンゲルファイバーの直径によって変動し得る。当該文献に記載のゼラチンゲルファイバーは、100 μm以上の直径を有する。このため、結果として得られる流路も、100 μm以上の直径を有する。このような大きい直径を有する流路は、人工臓器において毛細血管網として機能することは困難である。また、3Dプリント技術によって、毛細血管網のような緻密な形状を作製するためには、非常に長い時間を要する。
非特許文献3に記載の方法の場合、PMMAファイバーを溶解するために、ジクロロメタンのような脂溶性有機溶媒を使用する。脂溶性有機溶媒の使用は、生体適合性を有する人工臓器の製造において好ましくない。
特許文献1に記載の方法の場合、アルギン酸ナトリウムとタンパク質の混合液をゲル化して繊維状ゲルを形成した後、タンパク質を化学的に架橋し、次いでアルギン酸を除去して繊維状タンパク質を作製する。しかしながら、化学的に架橋された繊維状タンパク質は、再び溶解させることは困難である。また、タンパク質を化学的に架橋することなく繊維状タンパク質の強度を向上させるために、タンパク質の含有量を増大させることが考えられる。この場合、アルギン酸の除去が不十分となって、繊維状タンパク質中にアルギン酸が残存し得る。繊維状タンパク質中にアルギン酸が残存すると、タンパク質を溶解させても、繊維状のアルギン酸が残存する可能性がある。このため、特許文献1に記載の方法で得られる繊維状タンパク質を、例えば非特許文献2又は3に記載の方法におけるファイバーとして適用しても、流路の鋳型として使用することは困難である。加えて、特許文献1に記載の方法では、微小な直径の繊維状タンパク質を得るために、微細加工技術を用いて作製された特殊且つ複雑な形状を有する微小流路構造体を使用する必要がある。このため、当該文献に記載の方法は、実施するためのコストが高くなる可能性がある。
それ故、本発明は、毛細血管網様の微小流路を有する微小流路構造体を短時間で形成させる手段を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
本発明者らは、前記課題を解決するための手段を種々検討した。本発明者らは、ゼラチンを含む芯成分と、アルギン酸のアルカリ金属塩を含む鞘成分とを、特定の条件下で二価陽イオンを含む繊維形成液中に共押出することにより、ゼラチンを含む芯部とアルギン酸の二価陽イオン塩を含む鞘部とを有するゼラチン芯鞘繊維を得られることを見出した。また、本発明者らは、キレート剤のようなアルギン酸除去剤を用いて前記ゼラチン芯鞘・・・ 続きを
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【発明の効果】
本発明により、毛細血管網様の微小流路を有する微小流路構造体を短時間で形成させる手段を提供することが可能となる。
前記以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】 図1は、本発明の一態様に係る微小流路構造体の一実施形態を示す模式図である。
【図2】 図2は、本発明の一態様に係る微小流路構造体の製造方法に含まれるゼラチン芯鞘繊維紡糸工程の一実施形態の模式図である。A:ゼラチン芯鞘繊維紡糸工程の一実施形態の概略、B:ゼラチン芯鞘繊維紡糸工程で使用される装置の一実施形態の断面図。
【図3】 図3は、共押出における芯成分及び鞘成分の総押出流量に対する芯成分の押出流量の比(押出流量比)と、結果として得られたゼラチン芯鞘繊維の直径及び芯部の直径との関係を示すグラフである。黒塗り四角:ゼラチン芯鞘繊維の直径、黒塗り丸:ゼラチン芯鞘繊維の芯部の直径。
【図4】 図4は、得られたゼラチン芯鞘繊維の位相差顕微鏡写真である。A:押出流量比が0.167の場合に得られたゼラチン芯鞘繊維、B:押出流量比が0.000833の場合に得られたゼラチン芯鞘繊維。
【図5】 図5は、得られたゼラチン繊維の実体顕微鏡及び走査型電子顕微鏡写真である。A:ゼラチン繊維の全体の外観を示す写真、B:ゼラチン繊維の拡大写真。
【図6】 図6は、線状の微小流路を有する微小流路構造体の作製の概略を示す模式図である。
【図7】 図7は、得られた線状の微小流路を有する微小流路構造体の蛍光顕微鏡写真である。
【図8】 図8は、毛細血管網様の微小流路を有する微小流路構造体の作製の概略を示す模式図である。
【図9】 図9は、ラットの血液を注入した毛細血管網様の微小流路を有する微小流路構造体の外観を示す写真である。A:注入開始5秒後の写真、B:注入開始10秒後の写真。
1…微小流路構造体
11…ゲル
12…微小流路
21…芯成分と鞘成分とを共押出する手段
22…繊維形成液槽
23…引取手段
24…中心部吐出口
25…外周部吐出口
26…芯成分押出手段
27…鞘成分押出手段
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