特許6893395IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

処理方法および積層体の製造方法に関するものである。ここでいう積層体は、たとえば多層配線基板であってよい。

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

荷電粒子密度が高い大気圧プラズマ雰囲気下では、電子がきわめて高頻度に気体原子と衝突するので、雷状のアーク放電が起こりやすい。誘電体バリア放電は、一対の電極の間に誘電体を挿入して交流電圧を印加する方式であり、過度の放電電流を抑制する効果、すなわち、アーク放電を抑制する効果がある。誘電体バリア放電において、空隙に作用する電圧が放電開始電圧に達すると絶縁破壊が生じ、ストリーマと呼ばれる直径約100μmの微細放電柱が時間・空間的にランダムに生成および消滅を繰り返し、電極間の広い範囲でガスの電離が起こる。誘電体に蓄積した電荷が逆電界を形成するので、ストリーマは1〜10ナノ秒のきわめて短い時間で消滅する。誘電体はストリーマを電極間に広く分散させる働きをしているといえる。 ところで、プラズマはイオンおよび電子の集合体であり、導電性を有するといえる。当然、金属も良導体である。ただし、金属においては電流がすべて電子流であるのに対して、プラズマでは電流は電子流とイオン流との和で表されるという点において異なる。上述の誘電体バリア放電においても、仮に放電空間中に金属などの良導体が存在する場合、プラズマ中の電子流が金属に集中的に流れ、その部分にストリーマが局在化しやすくなる。仮にストリーマが消滅したとしても、そこには残留イオンによる導電性のチャネルが取り残されており、同じ場所でストリーマが発生しやすい状態が生まれる。すなわち、アーク放電に移行してしまう。 このような観点から、大気圧下での誘電体バリア放電が行なわれる空間に、金属が表面に露出した対象物を直接配置するといういわゆるダイレクト型を採用すれば、アーク放電を誘発することとなり、大変危険である。この場合、均一な表面処理は困難となる。したがって、大気圧下で、金属などの良導体を含む処理対象物表面を改質しようとする場合には、リモート型と呼ばれる方法が一般的であった。これは、電極間で発生したプラズマ活性種を推進ガスの勢いで電極間の外に噴出させ、処理対象物表面に照射するという方法である。しかし、ラジカルなどの活性種の寿命は短く、電極間の外に噴出されるとたちまち失活してしまうことから、ダイレクト型に対して数十分の1程度の処理効果しか得られないのが通常である。 多層配線基板の製造方法におけるデスミアについても同様のことがいえる。ポリイミドフィルムを両面から銅箔でサンドイッチした構造の積層シートで、片面側からビアホールが形成されており、ポリイミド層がごくわずかに残渣として残っている場合のデスミアを想定する。これを大気圧下の誘電体バリア放電で除去しようとする場合、高い効果を望むのであれば、本来、ダイレクト型を採用することが好ましい。しかし、表面に銅箔が露出した対象物を電極間に入れて処理しようとすれば、アーク放電への移行は必至であり、十分なデスミア効果が得られないばかりか危険である。一方で、リモート型ではデスミア速度がきわめて遅く、生産に実用的なレベルには達しない。 そこで、本発明は、導電体層および樹脂層を含む積層体を製造する際に、アーク放電の発生を抑えつつ樹脂層に起因するデスミアを行なうことができる処理方法および積層体の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

目的を達成するため、本発明に基づく処理方法は、第1貫通孔または第1凹部を有する樹脂層、第2貫通孔を有する導電体層、第3貫通孔を有する絶縁体層がこの順に積層された部分を含み、第1貫通孔または第1凹部と、第2貫通孔と、第3貫通孔とが連通している対象物に対する処理方法であって、対象物を用意する工程と、大気圧中で、少なくとも一対の電極の間に電圧を印加することによって放電プラズ・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
本発明によれば、アーク放電を避けて良好なプラズマ処理を行なうことができる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

知財ポータルサイト IP Force にログインして確認する (無料)

この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】本発明に基づく実施の形態1における処理方法のフローチャートである。

【図2】本発明に基づく実施の形態1における処理方法の第1の工程の説明図である。

【図3】本発明に基づく実施の形態1における処理方法の第2の工程の説明図である。

【図4】本発明に基づく実施の形態1における処理方法の第3の工程の説明図である。

【図5】本発明に基づく実施の形態1における処理方法の第4の工程の説明図である。

【図6】本発明に基づく実施の形態1における処理方法の第5の工程の説明図である。

【図7】図6の一部分を拡大した図である。

【図8】貫通孔に代えて凹部が形成されている例の断面図である。

【図9】本発明に基づく実施の形態1における処理方法の第6の工程の説明図である。

【図10】本発明に基づく実施の形態1における処理方法の第7の工程の説明図である。

【図11】本発明に基づく実施の形態2における処理方法の第1の説明図である。

【図12】本発明に基づく実施の形態2における処理方法の第2の説明図である。

【図13】本発明に基づく実施の形態3における処理方法の途中段階の説明図である。

【図14】本発明に基づく実施の形態4における処理方法の途中段階の説明図である。

【図15】実験で用いたプラズマ処理装置の第1の例の概念図である。

【図16】実験で用いたプラズマ処理装置の第2の例の概念図である。

【図17】実験で用いたプラズマ処理装置の第3の例の概念図である。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

2 放電ガス、5 残存部、6a,6b,6c,6d スミア、8 プラズマ、10,12 導電体層、11 樹脂層、13 絶縁体層、20 凹部、19,21,22,23 貫通孔、51,52 石英板、53,54 電極、55,56 シリコンパテ、57 高周波電源、61,62 フィードロール、63 アース電極兼搬送ロール、64,65,73 高圧電極、66 ガスノズル、71 搬送ロール、72 アース電極、91,92,93a,93b,94,95,96,97 矢印、101,102,103 対象物。

全ての図面はログインすると無料で閲覧できます。ログイン・ユーザー登録

[広告欄]

ログインすれば広告は減ります

ログインすれば広告は減ります