特許6924653IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

大容量の液体に小容量の液体を添加して混合する混合装置及び混合方法

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

大容量の主液に対し、小容量で高濃度の添加液を添加して行う液−液混合は、特許文献1に記載されるような流加培養の他にも、各種の工程で実施されている。主液に添加される添加液は、主液中に細胞が存在しない場合にも、混合の目的や主液の種類等によっては、濃度による影響を生じる場合がある。例えば、バイオ医薬品の製造においては、抗体医薬等、細胞が産生した物質を製剤化する過程で、溶液がウイルス不活化処理されることがある。 酸処理によるウイルス不活化処理は、抗体等を含む溶液に酸性溶液が混合されることにより行われている。そして、処理後の溶液は、アルカリ性溶液が混合されて中和されている。これらの操作では、酸性溶液やアルカリ性溶液の添加によって、溶液中に局所的な濃度変化が生じるため、高濃度の領域において、溶液に含まれている抗体、高分子等が変性ないし凝集化し、製品の品質が低下する場合がある。 添加液の添加による濃度の影響は、攪拌を適切に行い、局所的な濃度変化を迅速に解消することにより低減することができる。但し、そのための攪拌性能としては、均質化、攪拌動力、攪拌時間等、攪拌効率の観点だけでなく、適切な剪断力や吐出力の考慮も要求される。例えば、主液中に細胞が存在する場合には、攪拌により細胞が死滅、損傷する等の可能性があるし、抗体、高分子等が存在する場合には、攪拌により起泡、変性が生じる等の可能性がある。したがって、過剰な攪拌力が作用しない程度に、過不足が無い適切な攪拌速度で混合を行うことが望まれる。 特に、近年では、細胞培養に際して、シングルユース(ディスポーザブル)の容器が利用されるようになっている。シングルユースの容器は、攪拌翼を容器の下部側に取り付ける構造であることが多く、液面側ほど流速が遅くなる傾向がある。そのため、添加液の添加により液面付近で生じる濃度等の状態変化を、適切な攪拌力で速やかに解消するための手段が求められている。 そこで、本発明は、液−液混合時、液体を添加したときに生じる濃度等の状態変化を、適切な攪拌力で迅速に解消できる混合装置及び混合方法を提供することを目的とする。 前記課題を解決するために本発明に係る混合装置は、液体を添加するための添加口を上部に有し、内部に貯留されている第1液体に前記添加口から第2液体を添加して混合する容器と、前記容器の下部に配置され、前記容器内の液体を攪拌する回転攪拌機と、前記容器に貯留される液体の量を計測する液量計測器と、前記容器内の液質を計測する液質センサと、前記回転攪拌機の回転速度を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記第2液体の添加量を、前記容器内の液質について予め設定された目標値と前記液質センサによる計測値との差分に基づいて制御し、前記回転攪拌機の回転速度を、前記添加量の下で、前記容器に貯留される液体の量及び前記容器内の液質に応じて求められた前記容器内の液面における拡散分布と前記回転攪拌機の回転速度との予め設定された関係と、前記液量計測器による計測と、前記液質センサによる計測と、に基づいて導かれた前記容器内の液面における拡散分布が所定の分布となる回転速度に制御する。または、前記第2液体の添加量を、前記容器内の液質について予め設定された目標値と前記液質センサによる計測値との差分に基づいて制御し、前記回転攪拌機の回転速度を、前記添加量の下で、前記容器内の液面の高さと前記回転攪拌機の回転速度との予め設定された関係と、前記液量計測器による計測によって求められる前記容器内の液面の高さと、前記液質センサによる計測と、に基づいて導かれた前記容器内の液面における拡散分布が所定の分布となる回転速度に制御する。 また、本発明に係る混合方法は、液体を添加するための添加口を上部に有し、内部に貯留されている第1液体に前記添加口から第2液体を添加して混合する容器と、前記容器の下部に配置され、前記容器内の液体を攪拌する回転攪拌機と、前記容器に貯留される液体の量を計測する液量計測器と、前記容器内の液質を計測する液質センサと、を備える混合装置において、前記容器内の液面における拡散分布と前記回転攪拌機の回転速度との関係を、流れ場及び拡散場を模擬的に解析して予め設定し、前記第1液体に前記第2液体を混合している間に、前記容器内の液質を計測し、前記回転攪拌機の回転速度を、前記容器内の液質について予め設定された目標値と前記液質センサによる計測値との差分に基づいて制御される前記第2液体の添加量の下で、前記容器に貯留される液体の量及び前記容器内の液質に応じて求められた前記容器内の液面における拡散分布と前記回転攪拌機の回転速度との予め設定された関係と、前記液量計測器による計測と、前記液質センサによる計測と、に基づいて導かれた前記容器内の液面における拡散分布が所定の分布となる回転速度に制御し、予め設定された前記関係、前記液量計測器による計測及び前記液質センサによる計測に基づいて前記回転速度を変更しながら混合を行う。または、前記容器内の液面の高さと前記回転攪拌機の回転速度との関係を、流れ場及び拡散場を模擬的に解析して予め設定し、前記第1液体に前記第2液体を混合している間に、前記容器内の液面の高さを計測し、前記回転攪拌機の回転速度を、前記容器内の液質について予め設定された目標値と前記液質センサによる計測値との差分に基づいて制御される前記第2液体の添加量の下で、前記容器内の液質に応じて求められた前記容器内の液面の高さと前記回転攪拌機の回転速度との予め設定された関係と、前記液量計測器による計測によって求められる前記容器内の液面の高さと、前記液質センサによる計測と、に基づいて導かれた前記容器内の液面における拡散分布が所定の分布となる回転速度に制御し、予め設定された前記関係、前記容器内の液面の高さ及び前記液質センサによる計測に基づいて前記回転速度を変更しながら混合を行う。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

【発明の効果】
本発明に係る混合装置及び混合方法は、液−液混合時、液体を添加したときに生じる濃度等の状態変化を、適切な攪拌力で迅速に解消することができる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】本発明の混合装置の構成を示す模式図である。

【図2】混合装置を使用して行う液体の混合方法の一例を示すフロー図である。

【図3】混合装置を使用して行う液体の混合方法の他例を示すフロー図である。

【図4】本発明の変形例に係る混合装置の構成を示す模式図である。

【図5】本発明の第1実施例に係る混合装置の構成を示す模式図である。

【図6】本発明の第2実施例に係る混合装置の構成を示す模式図である。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

1,2,3,4 混合装置   10,10A 混合容器(容器)   11 主液流量センサ(液量計測器)   12 添加液流量センサ(液量計測器)   16 無菌コネクタ   18 バルブ   20 攪拌翼(回転攪拌機)   30 添加液容器   40 定量ポンプ   50 流入部   60 液質センサ   70 解析装置   80 制御装置   110 主液流入ライン(第1液体流入ライン)   120 添加液流入ライン(第2液体流入ライン)   130 混合液流出ライン

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