特許6975760IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

自己相関器および受信機に関し、詳しくは、シングルキャリアブロック伝送におけるシンボルタイミングを生成するための自己相関器、および、これを用いた受信機

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

特許文献1に開示されているように、自己相関演算は、信号自身の繰り返しパターンを利用して、受信信号のみから相関を求めるものであり、一般的に、自己相関は反射やフェーディングに強く、回路構成上も小規模に実現できるという利点がある。しかし、プリアンブル以外の周期性を持ったデータや雑音でも相関を示してしまうという特性上の欠点がある。一方、相互相関演算は、あらかじめ既知の信号自身のデータ列を受信側に保持して、受信信号と期待値との相関を取るものであり、相互相関は、雑音や無関係なデータに対して、ほとんど相関を検出せず、低C/N(キャリア信号/雑音)のガウス雑音伝送路でも高精度なタイミング同期が実現できるという利点がある。しかし、大きな受信周波数のずれや、反射やフェーディングなどで受信波形が変化すると、各ピークが小さくなり、同期特性が劣化する欠点がある。 これまでの送電線用ディジタル電力線搬送装置で用いているシンボルレートは数十キロbps程度であるため、受信信号に遅延波が存在していても相関器からの相関ピーク位置には大きなズレは無く、また相関ピーク位置にズレが生じタイミング位置がズレたとしても等化器で許容できるズレ幅であるのでBER特性には大きな影響は与えていなかった。しかし、方式が広帯域伝送となりシンボルレートが数百キロbps程度になった場合、これまでDPLLの特性に影響を与えていなかった遅延波の影響が顕著に表れ、遅延波の位相特性によっては相関器からの相関ピーク位置は大きくズレが生じることになる。このため、等化器では対応できずBER特性が大きく劣化してしまうことになる。送信シンボルタイミングを高精度に推定するためには、シンボル間の時間幅が短くなるため、高精度にシンボルタイミングを抽出するためには、より高レートでのオーバーサンプリング数が要求される。 例えば、受信側ロールオフフィルタの出力の信号をシンボルレートの、128倍オーバーサンプリング程度でインタポレーションを行う必要がある。このため、128倍オーバーサンプリングで動作をする複素数の相関器が必要となるが、高いサンプリングレートでタップ数が多い相関器を用いた場合、FPGA(Field Programmable Gate Array)の規模が大きくなってしまうことが懸念される。 例えば、128倍オーバーサンプリングを用いた場合、64タップでは、FPGAに乗算数が256でDSP(Digital Signal Processing:ディジタル信号処理)ブロックが64モジュールを必要とし、32タップでは、乗算数が128でDSPブロックが32モジュール必要となる。また、16タップでは、乗算数が64でDSPブロックが16モジュールを必要とし、タップ数が2倍になると回路規模も比例して大きくなる事が分かる。これがオーバーサンプリング時に相関器を適用する場合の課題であり、相関器がFPGAに割当てられるモジュール数(例えば274モジュール)の多くを占有するため、FFT(Fast Fourier Transform)処理など他の処理で行なえるモジュール数をひっ迫してしまう。このことから、相関器は極力小さなタップ数の相関で構成することが望まれる。しかしながら、相関器のタップ数を小さくした場合、相関ピーク電力値や相関特性が必要とするタイミングで出現できないという問題が生じる。 本発明は、これらの実情に鑑みてなされたものであり、送電線用広帯域ディジタル電力線搬送方式に対応するための相関器として、相関器のタップ数の規模を小さくした場合でも、所要の相関ピーク電力値が確保できる自己相関器、および、この自己相関器を有する受信機を提供することをその目的とする。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、シングルキャリアブロック伝送におけるシンボルタイミングを生成する自己相関器であって、Zadoff−Chu系列が配置されたトレーニングシーケンスを有する受信データから、Zadoff−Chu系列の偶対称を利用して自己相関値出力を算出する自己相関器であり、前記トレーニングシーケンスは、データブロックの先頭と後方に配置されており、前記自己相関値出力・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
本発明によれば、送電線用広帯域ディジタル電力線搬送方式に対応するための相関器として、相関器のタップ数の規模を小さくした場合でも、所要の相関ピーク電力値が確保できる相関器を得ることができる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】本発明に係る自己相関器が用いられる受信機側の構成の一部を示す図である。

【図2】本発明に用いる広帯域ディジタル電力線搬送用のブロック伝送データの構成例を示す図である。

【図3】本発明に係る自己相関器の例を示す図である。

【図4】本発明に係る自己相関器における、Zadoff−Chu系列が配置されたトレーニングシーケンス自己相関測定の関係を説明するための図である。

【図5】相互相関器の例を示す図である。

【図6A】本発明に係る自己相関器(タップ=16)の時間特性を示す図である。

【図6B】本発明に係る自己相関器(タップ=20)の時間特性を示す図である。

【図6C】本発明に係る自己相関器(タップ=24)の時間特性を示す図である。

【図7A】比較例としての相互相関器(タップ=16)の時間特性を示す図である。

【図7B】比較例としての相互相関器(タップ=32)の時間特性を示す図である。

【図7C】比較例としての相互相関器(タップ=64)の時間特性を示す図である。

【図8】本発明に係る自己相関器と比較例としての相互相関器の各相関器の相関ピーク応答特性を示す図である。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

11…復調器、12…1/dデシメーション部、13…ナイキストフィルタ(ロールオフフィルタ)部、14…エコーキャンセル部、15…k倍インタポレーション部、16…シンボルデータ生成部、17…補正部、18…等化器、20…DPLL、21…自己相関器、22…相関ピーク探索部、23…相関ピーク位置算出部、24…補正値制御部、25…シンボルタイミング生成部、31…相互相関器、A1…加算器、A2…加算器、D…遅延器、W…乗算器。

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