特許6977947IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

鉄道車両、自動車、産業機械などに用いられる樹脂製の転がり軸受用保持器、この製造に用いる射出成形用金型、および該金型を用いた保持器の製造方法

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

しかしながら、特許文献1のように金型内に固定形状で凸状などを設けるため、樹脂材料や射出成形条件などの調整が複雑になり、使用条件に対して所望されるウェルド部の強度(引張強度)を確保した軸受保持器を製造することは容易ではない。また、特許文献2のように、ウェルドラインに線部材を設けるものでは、部品点数が多くなり製品コストが高くなる。製造コストの増加を避けるため、より簡易な製造上の手法でこの強度向上を図ることが望まれる。 本発明はこのような背景に鑑みてなされたものであり、ウェルド部での強度に優れる軸受用保持器、この製造に用いる射出成形用金型、および該金型を用いた保持器の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明の軸受保持器は、樹脂組成物の射出成形体である円環状の軸受保持器であって、該保持器は、転動体を保持する複数のポケット部と、各ポケット部の間に位置する柱部と、該柱部を軸方向両側で固定する両リング部とを備えてなり、少なくとも一方のリング部において、周方向の1箇所または複数箇所にウェルドラインを有し、該ウェルドラインが周方向の一方側に凸状とされていることを特徴とする。ここで「ウェルドラインが周・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
本発明の軸受保持器は、樹脂組成物の射出成形体である円環状の軸受保持器であり、転動体を保持する複数のポケット部と、各ポケット部の間に位置する柱部と、該柱部を軸方向両側で固定する両リング部とを備えてなり、少なくとも一方のリング部において、周方向の1箇所または複数箇所にウェルドラインを有し、該ウェルドラインが周方向の一方側に凸状とされているので、ウェルド部での接合面積を増加させることができ、別部材などを設けることなしにウェルド部の強度に優れる保持器となる。 軸受保持器が、円すいころ軸受用の保持器であり、リング部として大径リング部と小径リング部とを有し、大径リング部および小径リング部の一方のリング部に、周方向の一方側に凸状とされたウェルドラインを有するので、一方のリング部側にウェルドラインが形成される円すいころ軸受用保持器において、該ウェルド部の強度向上が図れる。 本発明の軸受保持器用金型は、円環状の軸受保持器を樹脂組成物の射出成形で製造するための軸受保持器用金型であり、その成形キャビティは、軸受保持器の形状であり、少なくとも一方のリング部において周方向の1箇所または複数箇所にウェルドラインが形成されるようにゲートが配置され、このウェルドラインがあるリング部を形成するキャビティ部分に連結して、該ウェルドラインとは異なる位置に樹脂だまりが2個以上配置されており、この樹脂だまりは、容積変化による成形キャビティからの樹脂の引き込み、および/または、成形キャビティへの樹脂の再注入が可能な機構を有するので、射出充填時(保圧時含む)に樹脂だまりの容量を変化させることができ、樹脂の引き込みや、一旦取り込んだ樹脂のキャビティ内への再注入が可能となる。これにより、ウェルドラインが樹脂流れ方向に沿うように調整できる。この結果、ウェルドラインが周方向の一方側に凸状とされた樹脂製の保持器が得られる。 また、この金型において、ゲートが、ウェルドラインをリング部の複数個所に形成するように配置され、1つの樹脂だまりが、2つのウェルドラインの間に配置され、1つのウェルドラインが1つの樹脂だまりにのみ隣接するので、複数のウェルドラインが形成される円環状のリング部において、効率的にウェルドラインの改善が図れる。 本発明の軸受保持器の製造方法は、上述の金型を用いており、射出充填工程において、樹脂だまりの容積を拡張して溶融樹脂を引き込み、および/または、樹脂だまりの容積を圧縮して溶融樹脂を成形キャビティに再注入し、リング部におけるウェルドラインを周方向の一方側に凸状とできるので、ウェルド部の強度に優れる保持器を製造できる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】本発明の円すいころ軸受用の保持器を示す斜視図等である。

【図2】本発明の軸受保持器用金型の概略図である。

【図3】図2の金型で成形された保持器の一部斜視図である。

【図4】樹脂だまりによる成形機構の概要を示す図である。

【図5】保持器引張試験結果を示す図である。

【図6】吸水率と引張強度との関係を示す図である。

【図7】ウェルド部における樹脂の様子を示す模式図である。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

1 軸受保持器   2 小径リング部   3 大径リング部   4 柱部   5 ポケット部   6 樹脂部   7 繊維状充填材   8 ウェルド部   11 金型   12 固定型   13 可動型   14 成形キャビティ   15 ゲート   16 樹脂だまり   17 ピストン   18 成形キャビティ   19 溶融樹脂   20 ランナー   21 ゲート   22 ウェルド部

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