特許6984544IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

エンジンとそのエンジンの回転速度を制御可能な回転機とを備えたハイブリッド車両に関するものである。

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

ところで、例えばエンジンを間欠的に作動させることが可能なハイブリッド車両では、静粛性の要求が高いと考えられる為、停車から中車速程度までの車両状態でのエンジン始動時にエンジンノイズが問題となり易い。特に、有段変速のようにエンジン回転速度を変化させる車両の場合には、そのときのギヤ段に応じた目標エンジン回転速度が高くされると、エンジン始動時にエンジン回転速度の急上昇を招き、エンジンノイズが大きくなり易いので、停車から中車速程度までの車両状態でそのエンジンノイズが問題となる可能性がある。 本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、エンジン始動時に有段変速のようにエンジンの回転速度を上昇させるに際して、駆動力の応答性への影響を抑制しつつ、エンジンノイズを抑制することができるハイブリッド車両を提供することにある。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

第1の発明の要旨とするところは、(a)エンジンと、前記エンジンの回転速度を制御可能な回転機と、前記エンジンの回転速度を有段変速のように変化させる変速制御が可能な制御装置とを備えたハイブリッド車両であって、(b)前記制御装置は、前記エンジンを始動して停止状態から運転状態へ移行させるときには、前記回転機の運転制御及び前記エンジンの出力制御を行って、前記エンジンの回転速度が前記変速制御によって定め・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
前記第1の発明によれば、エンジンを始動して停止状態から運転状態へ移行させ、エンジンの回転速度を有段変速のように変化させる変速制御によって定められるエンジンの運転状態への移行後の目標エンジン回転速度となるようにエンジンの回転速度を上昇させるときに、車速が所定車速以下であり、且つ、運転者の出力要求量が所定出力要求量よりも低いという抑制条件が成立した場合には、前記抑制条件が成立していない場合と比べて、エンジンの始動開始から所定時間が経過するまで、エンジンの回転速度の上昇速度が抑制されるので、エンジンノイズが問題となり易い停車から中車速程度までの車両状態でのエンジン始動時にエンジンノイズが抑制される。この際、エンジンの回転速度の上昇速度が抑制されるのは運転者の出力要求量が所定出力要求量よりも低いときであるので、運転者は加速不足感を感じ難い為、エンジンの出力が抑制されて駆動力の応答性が低下したとしても問題となり難い。見方を換えると、運転者の出力要求量が所定出力要求量以上であるときはエンジンの回転速度の上昇速度が抑制されないので、運転者に加速意思があるときは駆動力の応答性が低下し難くされる。よって、エンジン始動時に有段変速のようにエンジンの回転速度を上昇させるに際して、駆動力の応答性への影響を抑制しつつ、エンジンノイズを抑制することができる。 また、前記第2の発明によれば、始動時のエンジンの回転速度の上昇速度を抑制すると空燃比がストイキから外れてリッチ側になりエミッション(=エンジンからの排気)に影響する可能性があることに対して、エンジンからの排気を浄化する触媒が暖機された状態となっている可能性が高いときであるエンジンの初回の始動ではないときにエンジンの回転速度の上昇速度が抑制されるので、エミッションへの影響が抑制される。 また、前記第3の発明によれば、エンジンの運転状態から停止状態への移行中に要求されたエンジンの始動は、急ぎエンジンの出力が必要となったときであり、エンジンの回転速度の上昇速度が抑制されると加速のもたつきが生じ易いことに対して、そのようなエンジンの始動ではないときにエンジンの回転速度の上昇速度が抑制されるので、駆動力の応答性への影響が抑制される。 また、前記第4の発明によれば、エンジンの冷間時つまりエンジンの冷却水の温度が低いときは燃料噴射量が増量される為、始動時のエンジンの回転速度の上昇速度を抑制するとよりリッチ側になり易いことに対して、エンジンの冷却水の温度が所定冷却水温よりも高いときにエンジンの回転速度の上昇速度が抑制されるので、エミッションへの影響が抑制される。 また、前記第5の発明によれば、有段式の自動変速機の変速制御において自動変速機への入力トルクや入力回転速度の変化に合わせた係合装置の係合タイミングにてダウンシフトが進行させられる場合、エンジンの回転速度の上昇速度が抑制されると係合装置の係合タイミングが合い難くされてショックが発生する可能性があることに対して、自動変速機のダウンシフト中ではないときにエンジンの回転速度の上昇速度が抑制されるので、係合装置の係合タイミングが合わないことでの駆動力の応答性への影響が抑制され、又、ショックが抑制される。 また、前記第6の発明によれば、差動機構と備えるようなハイブリッド車両において、エンジン始動に際して、駆動力の応答性への影響を抑制しつつ、エンジンノイズを抑制することができる。又、エンジンの出力を抑制することでエンジンの回転速度の上昇速度を抑制するときに、必要な駆動力が得られるようにエンジンの出力を抑制した分が第2回転機の出力で補われるので、エンジンノイズが問題となり易い車両状態のときに、必要な駆動力を満たしつつ、エンジンノイズを抑制することができる。 また、前記第7の発明によれば、差動機構と有段式の自動変速機と直列に備えるようなハイブリッド車両において、自動変速機のダウンシフト中ではないときにエンジンの回転速度の上昇速度が抑制されるので、係合装置の係合タイミングが合わないことでの駆動力の応答性への影響が抑制され、又、係合装置の係合タイミングが合わないことでのショックが抑制される。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】本発明が適用されるハイブリッド車両に備えられた車両用駆動装置の概略構成を説明する図であると共に、ハイブリッド車両における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。

【図2】図1で例示した機械式有段変速部の変速作動とそれに用いられる係合装置の作動の組み合わせとの関係を説明する作動図表である。

【図3】電気式無段変速部と機械式有段変速部とにおける各回転要素の回転速度の相対的関係を表す共線図である。

【図4】複数のATギヤ段に複数の模擬ギヤ段を割り当てたギヤ段割当テーブルの一例を説明する図である。

【図5】図3と同じ共線図上に有段変速部のATギヤ段と複合変速機の模擬ギヤ段とを例示した図である。

【図6】複数の模擬ギヤ段の変速制御に用いる模擬ギヤ段変速マップの一例を説明する図である。

【図7】電子制御装置の制御作動の要部すなわちエンジン始動時に有段変速のようにエンジン回転速度を上昇させるに際して駆動力の応答性への影響を抑制しつつエンジンノイズを抑制する為の制御作動を説明するフローチャートである。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

10:ハイブリッド車両   14:エンジン   20:機械式有段変速部(有段式の自動変速機)   28:駆動輪   30:中間伝達部材(伝達部材)   32:差動機構   90:電子制御装置(制御装置)   CB:係合装置   MG1:第1回転機(回転機)   MG2:第2回転機

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