特許7358290IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

排ガス通路内壁面の付着物厚み推定方法及び装置に係り、特に、付着物厚みを高精度で推定して連続操業時間を延ばし、稼働率を上げることが可能な排ガス通路内壁面の付着物厚み推定方法及び装置

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

実際の付着対策として最終的には、設備の稼働を停止して清掃(掻き取り)を行っているが、付着物の付着状況に関しては、特に廃棄物を対象としている場合、毎回同じようなものではなく、量と質の両面で大きく異なっている場合がある。このような場合、清掃作業に際して準備する要員数や器具類、所要日数などに過不足が生じるため、結果として準備過剰や不良になり、無駄が生じている。従って、設備の稼働を停止して剥離作業を行う場合、付着状況を予め推定することによって、清掃日、要員数、器具類、作業日数等のより適正な予測ができるため無駄をなくす効果は大きい。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

発明者らは、放射性Csを含む廃棄物の焼却・溶融設備で発生した飛灰の放射能計測を行い、環境放射能を遮蔽しコリメーターを設置することにより、シンチレーション検出器や、半導体検出器でエネルギーレベル別にγ線強度の測定ができることを確認した。また、GM管検出器でも、測定時間は長くなり、感度は低下するが、γ線の検出が可能であることを確認した。同時に、シンチレーション検出器を用いて放射性Csについて測定・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る

発明の効果[発明の詳細な説明]から抜粋

放射能濃度と付着量に一定の関係があったことから、排ガス処理系の各部において放射能濃度により付着量が推定できることになる。この推定結果から、(イ)容器や配管の付着物の付着状況、(ロ)付着物の落下による衝撃の程度、(ハ)配管や塔槽部の偏流の程度、を把握することができ、操業を停止して清掃する時期を従来より的確に決めることができる。又、場所と付着量の関係が把握できるため、必要な足場や安全具、作業道具の準備も従来より迅速に行うことが可能となる。更に、これらのデータを操業データと組み合わせて、付着しやすさと付着しにくさの操業条件による違いを判断したり、人工知能(AI)により機械学習させることによって、原料の種類や組合せ、処理量、処理条件等を制御して一連続単位の操業時間を長くし、付着物の清掃を効率化すると共に、安全性を高めるうえで効果的な操業が可能となる。これらにより、省エネ、省力、安全性向上、低コスト化を図ることができる。

一方、付着物の除去技術に関しては、前述のとおり、ハンマリングやエアブロー等を壁面に設置して使用するのが一般的である。しかし、実際の効果についてはリアルタイムでの効果の把握ができないため、例えばハンマリングの場合、機械的衝撃を与える際の強度や間隔と効果の関係が把握できないために、経験値で適当に決めて行うしかなく、たまたま効果がある場合もあるが、気休め程度の場合もあった。又、除去方法についても、ハンマリングがよいのかエアブローがよいのかの判断もできなかった。

この問題点については、放射能測定器を設置して除去設備の稼働前後を測定することで、効果を簡単に判定できることがわかった。更に、除去設備単体の強度や頻度等の稼働条件や設置個所と必要個数を判断することができるようになった。

通常、廃棄物焼却炉は100t~200t/日程度の処理規模のものがよく用いられている。操業は1日単位で立ち上げから立ち下げを行うもの、平日操業土日停止のサイクルで動かすもの、目詰まり等で清掃作業が必要になるまで連続操業するもの等がある。1日あるいは週単位で操業するものも、停止時は立ち上げを考慮して加熱保温しておくのが一般的である。溶融炉は、規模は焼却炉と同等かやや小さい。こちらは一旦起動すると、目詰まり等で清掃作業が必要になるか、耐火物用の部品が摩耗か劣化により交換が必要になるまで連続操業するのが一般的である。特に、炉出口等の小径配管が詰まりやすいため、自動清掃設備を設置したり、清掃しやすいように直管部の両端にフランジを設ける等の設備の工夫を行ったりしている。

なお、焼却炉と溶融炉のどちらについても、操業の効率は時間当たりの処理量や設備のメンテナンスの頻度や設備寿命、使用ユーティリティ量、操業に必要な担当者数等によって左右される。又、効率を比較するにあたり、連続操業か夜間停止か土日停止かは、作業者の確保のしやすさや労賃によって左右されるので、操業を固定する必要がある。そこで、現実的かつ効果が明確になりやすい溶融炉の連続操業を対象として説明する。溶融炉を連続操業した場合、方式にもよるが、コークス等の燃料を使用する溶融炉の場合、通常の連続運転は数か月程度は継続可能である。

一方で、排ガス処理系での付着や閉塞で問題が出る期間は、処理対象物にもよるが、短い場合は数週間、長い場合でも1か月程度である。

例えば、連続操業2週間の場合、炉の停止から冷却に1.5日、清掃に2日、立上げに1.5日の合計5日必要であり、この場合、操業9日に対して休みが5日で稼働率は64%(9÷14)となる。

これに対して、本発明による付着物厚み推定技術を用いると、特に問題となる部分の推定が可能となり、操業を1週間程度は延ばせる可能性がある。この場合の稼働率は76%(16÷21)となり、20%程度稼働率を上げることができる。又、稼働率に加えて、付着場所と付着物厚みが推定できるので、適切な足場の設置の仕方や清掃機具の準備ができることにより、清掃時間の大幅な短縮が期待できる。この点は、特に付着物が放射能を帯びている場合の業務において、法で決められた作業時間より短時間で作業を済ませることができるため、要員を削減できる可能性もある。又、対象物や処理条件と放射能計測値との対比を行えば、稼働時間をより長くできる条件を見出せる可能性が高まるため、更に稼働率を上げられる可能性が高まる。

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】 本発明が対象とするプロセスの一例と本発明が対象とする工程の範囲を示すブロック図
【図2】 図1において排ガスを冷却する工程の変形例を示すブロック図
【図3】 図1において排ガスを冷却する工程の他の変形例を示すブロック図
【図4】 図1の減温塔に付着した付着物を示す縦断面図
【図5】 図4の減温塔で放射能を測定している状態を示す縦断面図
【図6】 本発明の原理を説明するための、Csを測定した場合とKを測定した場合の校正曲線を比較して示す線図
【図7】 本発明の実施形態における付着物厚みの予測処理の構成を示すブロック図
【図8】 本発明の実施形態における処理手順を示す流れ図
【図9】 本発明の実施形態で用いる3Dセンサの配置例を示す減温塔の縦断面図
【図10】 本発明の実施形態で用いる3Dセンサの死角を説明するための(A)(B)水平断面図及び(C)縦断面図
【図11】 本発明の実施形態における学習方法を示す図

代表図 図1本件の代表的な図

t…付着物厚み 8…付着物 10…焼却炉または溶融炉 12…二次燃焼炉 14…減温塔 22…ボイラ 30…放射能計測器 31…放射能測定による付着物厚み推定データ(放射能推定データ) 32、32A、32B…3次元光センサ(3Dセンサ) 33…付着物厚み実測データ 40…操業(計画)データ 42…操業(実測)データ 50…学習用データセット 100…コンピュータ 110…データ蓄積学習部 112…学習用プログラム 114…学習前パラメータ 116…ハイパーパラメータ 120…付着物厚み予測モデル 122…学習済モデル 124…学習済パラメータ 126…推論プログラム 128…入力データ 130…付着物厚み予測部 140…付着物厚み(決定)出力部

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