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公報発行日 2024年3月13
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本発明者らは、炭素源として特定の糖質(「糖」、「糖分」又は「糖類」等の語が、同義を表すために用いられることがある)を利用し、さらに求められる物性によって糖質の種類を好適に選択することによりの課題が解決されることを見出した。
本発明によれば、特定の糖質を炭素源として含有させることにより重量平均分子量が361万を超え、500万を超えることも可能な超高分子量共重合体としてのPHBVが提供される。かかるPHAは補強材、超高強度繊維など従来の分子量では適用できなかった用途への応用が可能である。
PHAとして分子量が400万を超えるPHBHや(特許文献1)分子量が1000万を超えるP(3HB)(非特許文献8)については知られている。しかしながら公知のPHBVの分子量はせいぜい361万である。すなわちこれまでに分子量が361万を超えるPHBVは知られていなかった。
これに対して本願発明によれば、361万より大きい分子量を有するPHBVが与えられる。
本発明の製造方法によれば、PHAについて求められる物性又はコストに応じて、例えば100万から600万の適切な分子量にPHAの分子量を制御することができる。
本発明の製造方法のうち、炭素源としてのフルフラール系化合物を添加することをさらに含む製造方法によれば、さらに広範囲な分子量にPHAの分子量を制御することができる。フルフラール系化合物を添加することをさらに含む本発明の製造方法によれば、得られるPHAの分子量制御をさらに容易にして、所望の量のPHAを得ることができる。すなわち、フルフラール系化合物を添加することをさらに含む本発明の製造方法においては、該添加により生じるPHAの生産量の変化は小さい。
本発明の製造方法によれば、原料及び炭素源となる糖質の種類を適宜選択することにより、PHAの分子量のみならず第2成分のモル分率も制御できる。
また本発明の製造方法によれば、分子量制御のための炭素源として中性であり水溶解度が高い糖質が用いられるため、培養液を中和する必要がなく、また高密度培養も可能になる。カルボン酸で微生物を培養した場合、高濃度で培養すると培養液が酸性となり、プラントを腐食してしまうおそれがある上に、酸性下では微生物が生育できないという問題がある。かかる問題を解決するためには培養液を中和する必要があるが、そのための操作には手間がかかるうえに水酸化ナトリウムなどの塩基を大量に用いることになるため、工業的には採用しがたい手法である。本発明の製造方法によれば、このようなカルボン酸を用いることに伴う問題を生じさせることなくPHAの製造を行うことができるといった効果も奏される。
本発明の製造方法のうち、高度好塩菌(「ハロアーキア」(Haloarchaea)と称されることもある)を用いるものによれば、PHAの製造・回収を低コストで行うことができる。
高濃度塩化ナトリウム水溶液中でのみ生きる高度好塩菌と呼ばれるタイプの中にもPHAを生産する微生物がいることが知られている。高濃度塩化ナトリウム水溶液中でPHAを生産する菌体は、生産後低濃度塩化ナトリウム水溶液中又は水中で溶菌し、中に蓄えているPHAを取り出せることが知られている(特許文献4)。通常、PHAは菌体から回収する際に有機溶媒や界面活性剤などを大量に使用するが、高度好塩菌の場合は水のみで回収できるため、コスト面でのメリットが大きい。
高度好塩菌でのPHA生産において分子量を制御する先行技術としては、例えば、Anna Ferre-Guellらはカルボン酸を炭素源としたHaloferax
mediterraneiでの超高分子量体の製造方法を提供し、さらに46万~361万までの間で幅広い分子量をもつPHBVの生産方法を発表した(非特許文献6)。この方法では、分子量を制御するときに炭素源として、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸が用いられている。
非特許文献1には炭素源としてグルコースが用いられ、Haloferax
mediterraneiによりPHAの製造が行われたことが報告されている。しかしながら同文献にはPHAとしてPHBVについての開示はないし、PHAの分子量についての記載もなされていない。
特許文献1には特定の微生物を用いることにより分子量が400万を超えるPHBHが生産された旨記載されている。しかしながら同文献に記載されているのは高分子量のPHAを合成する方法に留まり、同文献には高分子量のPHAを、分子量を制御しつつ得ることやそのための手法については記載されていない。
本発明の製造方法においては、PHAの分子量を広範囲に制御しつつ該PHAを得ることができることは、従来技術からは予測不能な優れた効果である。
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