特許7824653IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

アンチセンス核酸及びその使用に関する。具体的には、本発明は、アンチセンス核酸、TDP-43 mRNAのイントロン6の選択的スプライシング亢進剤、医薬組成物、TDP-43 mRNAのイントロン6の選択的スプライシング亢進剤のスクリーニング方法、及びTDP-43プロテイノパチーの予防又は治療の候補化合物のスクリーニング方法に関する。 本願は、2020年11月30日に、日本に出願された特願2020-198595号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明は、事情に鑑みてなされたものであって、TDP-43 mRNAのイントロン6の選択的スプライシングを亢進する新規のアンチセンス核酸を提供する。また、前記アンチセンス核酸を用いた、TDP-43 mRNAのイントロン6の選択的スプライシング亢進剤、及び医薬組成物を提供する。また、TDP-43 mRNAのイントロン6の選択的スプライシング亢進剤のスクリーニング方法、及びTDP-43プロテイノパチーの予防又は治療の候補化合物のスクリーニング方法を提供する。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明者らは、目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、TDP-43 mRNAのアイソフォームに着目し、イントロン6の選択的スプライシングを特異的に亢進するアンチセンス核酸を用いて、これらのアイソフォームの発現の比率を調製することで、TDP-43プロテイノパチーの病態を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。

発明の効果[発明の詳細な説明]から抜粋

態様のアンチセンス核酸によれば、TDP-43 mRNAのイントロン6の選択的スプライシングを亢進することができる。態様の選択的スプライシング亢進剤は、前記アンチセンス核酸を含み、TDP-43 mRNAのイントロン6の選択的スプライシングを亢進することができる。態様の医薬組成物は、前記アンチセンス核酸を含み、TDP-43プロテイノパチーを予防又は治療することができる。態様のスクリーニング方法によれば、TDP-43 mRNAのイントロン6の選択的スプライシング亢進剤をスクリーニングすることができる。態様のスクリーニング方法によれば、TDP-43プロテイノパチーの予防又は治療の候補化合物をスクリーニングすることができる。

この特許の権利範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】 TDP-43 mRNAのアイソフォーム(4種類)を示す概略構成図である。
【図2】 TDP-43タンパク質の凝集性及び機能性を説明する図である。
【図3A】 実施例1におけるTDP-43 mRNAの配列内の各モルフォリノアンチセンスオリゴヌクレオチド(AS1、AS2.1、AS2、AS3、AS4、AS5、AS5.1、AS5.2、AS6、AS6.1、及びAS7)の標的位置、並びに、U2AF1及びHNRNPA1の結合位置を模式的に示した図である。
【図3B】 実施例1における各モルフォリノアンチセンスオリゴヌクレオチドを導入したヒトHEK293T細胞から抽出されたRNAを用いた逆転写PCR法によるPCR産物のアガロースゲル電気泳動像である。
【図3C】 実施例1における各モルフォリノアンチセンスオリゴヌクレオチドを導入したヒトHEK293T細胞でのイントロン6が保持されているmRNAの発現量に対する、イントロン6が選択的にスプライシングされたmRNAの発現量の比を示すグラフである。(グラフ中、*:p<0.05、**:p<0.01、***:p<0.001(コントロール群との比較、Dunnett検定)。)
【図3D】 実施例1における各モルフォリノアンチセンスオリゴヌクレオチドを導入し、シクロヘキシミド処理したヒトHEK293T細胞から抽出されたRNAを用いた逆転写PCR法によるPCR産物のアガロースゲル電気泳動像である。
【図3E】 実施例1における各モルフォリノアンチセンスオリゴヌクレオチドを導入し、シクロヘキシミド処理したヒトHEK293T細胞でのイントロン6が保持されているmRNAの発現量に対する、イントロン6が選択的にスプライシングされたmRNAの発現量の比を示すグラフである。(グラフ中、**:p<0.01、***:p<0.001(コントロール群との比較、Dunnett検定)。)
【図3F】 実施例1におけるCSE1LをノックダウンしたヒトHEK293T細胞の核画分と細胞質画分におけるウエスタンブロッティングである。
【図3G】 実施例1におけるCSE1Lをノックダウンした後、各モルフォリノアンチセンスオリゴヌクレオチドを導入し、シクロヘキシミド処理したヒトHEK293T細胞から抽出されたRNAを用いた逆転写PCR法によるPCR産物のアガロースゲル電気泳動像である。
【図3H】 実施例1におけるCSE1Lをノックダウンした後、各モルフォリノアンチセンスオリゴヌクレオチドを導入し、シクロヘキシミド処理したヒトHEK293T細胞でのイントロン6が保持されているmRNAの発現量に対する、イントロン6が選択的にスプライシングされたmRNAの発現量の比を示すグラフである。(グラフ中、*:p<0.05、**:p<0.01、***:p<0.001(siCSE1L群におけるコントロール群との比較、Dunnett検定)。)
【図3I】 実施例1におけるCSE1Lをノックダウンした後、各モルフォリノアンチセンスオリゴヌクレオチドを導入し、シクロヘキシミド処理したヒトHEK293T細胞でのイントロン6とイントロン7が保持されているmRNAの発現量に対する、イントロン6のみが選択的にスプライシングされたmRNAの発現量の比を示すグラフである。(グラフ中、**:p<0.01、***:p<0.001(siCSE1L群におけるコントロール群との比較、Dunnett検定)。)
【図4A】 実施例2におけるAS5を導入したマウス神経芽細胞腫Neuro2a細胞から抽出されたRNAを用いた逆転写PCR法によるPCR産物のアガロースゲル電気泳動像である。
【図4B】 実施例2におけるAS5を導入したマウス神経芽細胞腫Neuro2a細胞での全TDP-43 mRNAの発現量に対する、イントロン6が保持されているmRNAの発現量の割合を示すグラフである。(グラフ中、***:p<0.001(両側t検定)。)
【図4C】 実施例2におけるAS5を導入したマウス神経芽細胞腫Neuro2a細胞での全TDP-43 mRNAの発現量に対する、イントロン7が保持されているmRNAの発現量の割合を示すグラフである。
【図4D】 実施例2におけるAS5を導入したマウス神経芽細胞腫Neuro2a細胞でのTDP-43タンパク質のN末端側を抗原とするポリクローナル抗体を用いたウエスタンブロッティング解析の結果を示す図である。
【図5A】 実施例3における新生児マウス(C57BL/6NJcl)を用いたAS5の脳室内投与試験のプロトコールを示す図である。
【図5B】 実施例3におけるAS5を脳室内投与したマウス脳の各部位から抽出されたRNAを用いた逆転写PCR法によるPCR産物のアガロースゲル電気泳動像である。
【図5C】 実施例3におけるAS5を脳室内投与したマウス脳の各部位でのGAPDH mRNAを参照遺伝子とした逆転写リアルタイムPCR法におけるイントロン6が保持されているmRNAの発現量を示すグラフである。(グラフ中、**:p<0.01、***:p<0.001(両側t検定)。)
【図5D】 実施例3におけるAS5を脳室内投与したマウス脳の各部位での全TDP-43 mRNAの発現量に対する、イントロン6が保持されているmRNAの発現量の割合を示すグラフである。(グラフ中、**:p<0.01、***:p<0.001(両側t検定)。)
【図5E】 実施例3におけるAS5を脳室内投与したマウス脳の各部位での全TDP-43 mRNAの発現量に対する、イントロン7が保持されているmRNAの発現量の割合を示すグラフである。(グラフ中、*:p<0.05(両側t検定)。)
【図5F】 実施例3におけるAS5を脳室内投与したマウス脳の各部位でのTDP-43タンパク質のC末端側を抗原とするポリクローナル抗体及びコントロールとして抗GAPDH抗体を用いたウエスタンブロッティング解析の結果を示す図である。
【図5G】 図5Fの結果から定量されたGAPDHの発現量に対するTDP-43タンパク質の発現量の割合を示すグラフである。(グラフ中、**:p<0.01(両側t検定)。)
【図5H】 実施例3におけるAS5の脳室内投与後の大脳、脳幹、及び脊髄でのAif1 mRNAの発現量を示すグラフである。
【図6A】 実施例4における成体マウス(C57BL/6NJcl)を用いたAS5の髄腔内投与試験のプロトコールを示す図である。
【図6B】 実施例4におけるAS5を髄腔内投与したマウスの頸髄及び腰髄から抽出されたRNAを用いた逆転写PCR法によるPCR産物のアガロースゲル電気泳動像である。
【図6C】 実施例4におけるAS5を髄腔内投与したマウスの頸部及び腰椎でのイントロン6が選択的にスプライシングされたmRNAの発現量に対する、イントロン6が保持されているmRNAの発現量の比を示すグラフである。(グラフ中、*:p<0.05、**:p<0.01(両側t検定)。)
【図6D】 実施例4におけるAS5の髄腔内投与から8週間後の雌雄マウスの体重を示すグラフである。
【図6E】 実施例4におけるAS5の髄腔内投与から8週間後の雌雄マウスの握力を示すグラフである。
【図6F】 実施例4におけるAS5の髄腔内投与から8週間後の腰髄でのAif1 mRNAの発現量を示すグラフである。
【図7A】 実施例5における運動ニューロン特異的Rpt3コンディショナル・ノックアウトマウス(Rpt3flox/flox;VAChT-Cre+/-)の新生児を用いたAS5の脳室内及び髄腔内投与試験のプロトコールを示す図である。
【図7B】 実施例5におけるAS5を投与したマウスでの経時的な体重の変化と死亡までの期間を示すグラフである。
【図8A】 実施例6における運動ニューロン特異的Rpt3コンディショナル・ノックアウトマウス(Rpt3flox/flox;VAChT-Cre+/-)の成体マウスの脊髄運動ニューロンでの抗TDP-43抗体、4’,6-diamidino-2-phenylindole(DAPI)及び抗TUJ1抗体による(免疫)染色像である。スケールバーは40μmを示す。画像中、a~cはヒト患者におけるTDP-43プロテイノパチーでみられるパターンをそれぞれ表す。具体的には、aは核内TDP-43が減少し、細胞質にびまん性にTDP-43が誤局在している運動ニューロンの染色像である。bは細胞質にTDP-43の凝集体が見られる運動ニューロンの染色像である。c:核内TDP-43がほぼ消失している運動ニューロンの染色像である。
【図8B】 実施例6における運動ニューロン特異的Rpt3コンディショナル・ノックアウトマウス(Rpt3flox/flox;VAChT-Cre+/-)の成体マウスを用いたAS5の髄腔内投与試験のプロトコールを示す図である。
【図8C】 実施例6におけるAS5を投与したマウスでの経時的な体重の変化を示すグラフである。
【図8D】 実施例6におけるAS5を投与したマウスでの経時的な握力の変化を示すグラフである。
【図8E】 実施例6における24~28週齢のマウスでの体重と握力の関係を示すグラフである。

代表図 図1本件の代表的な図

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