特許7837724IP Force 特許公報全文掲載

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仕切られた防護区画内で発生した火災を窒素ガスと帯電水粒子の放出により消火する消火設備及び消火方法

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

しかしながら、従来の窒素ガスと水微噴霧の気液混合消火設備では、窒素ガスのみの放出を行った後に窒素ガスを混合した水を微噴霧し、混合された高圧の窒素ガスのエネルギーを利用して防護区画内に窒素ガスと水微噴霧が広く均一に分布するようにしているが、火源に対する散水量を如何に増加させるかについては検討がされていない。また、窒素ガスと窒素ガスを混合した水微噴霧を合わせて放出することは、水微噴霧が窒素ガスの放出の勢いの影響を受けることから避けており、水微噴霧を放出できるタイミングが限られている。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

(消火設備) 本発明は、仕切られた防護区画内の火災を消火する消火設備であって、 防護区画内の火災が検出された場合に、防護区画内全域に向けた窒素ガスの放出と火源側に向けた帯電水粒子の放出とを各々制御して放出することを特徴とする。

発明の効果[発明の詳細な説明]から抜粋

(基本的な効果)
本発明の消火設備にあっては、仕切られた防護区画内に窒素ガスと帯電水粒子とを放出することから、窒素ガスの放出による防護区画内の酸素濃度を低減させる窒息消火効果と、蒸発気化熱の吸収による火源の温度を低下させ、水蒸気発生により酸素を排除することで酸素濃度の低減させる、所謂冷却窒息消火効果を合わせた相乗効果により、消火性能をさらに向上させることを可能とする。また、帯電水粒子の静電気力により火源に付着する水粒子の量が増加することで、水粒子による冷却窒息消火効果は従来の消火設備よりも増大している。

また、火源側に向けて放出される(局所的な放出となる)帯電水粒子は、防護区画内全域に向けた窒素ガスの放出を利用することで、消火対象となる防護区画が広く、帯電水粒子の放出位置から火源までが遠い場合であっても、十分な量の帯電水粒子を火源まで届けることができる。また、消火対象となる防護区画が狭い場合には、窒素ガスの放出の影響を受けないように制御して確実に火源に帯電水粒子が届かせることもでき、また窒素ガスと合わせて放出する場合であっても、帯電水粒子の静電気力により火源に水粒子が付着しやすいため、窒素ガスの放出による影響を低減させることができる。

また、帯電水粒子の放出による冷却窒息消火効果で消火性能を向上させているため、その分だけ窒素ガスの放出量を低減することができ、窒素を充填するための容器の数や容量を減らすことができ、その結果、容器を収納するための建屋等の保管施設を小さくでき、既設の二酸化炭素消火設備の代替として設置する可能性が高めることができる。

また、窒素ガスの放出量が低減されることで、防護区画内の圧力上昇を抑制でき、その結果防護区画に避圧口を設ける必要性が無くなり、設備を新設する場合のコスト低減に寄与するだけでなく、避圧口がない既設の二酸化炭素消火設備に対して容易に代替することができる。

また、窒素ガスの放出量が低減されることで、防護区画内の窒素濃度の上昇を抑制することでき、窒息による人の死亡等の事故を本質的に防止することを可能とする。

また、帯電水粒子の放出についても、窒素ガスによる窒息効果で消火性能を向上させているため、帯電水粒子のみの消火設備に対して少量の帯電水粒子の放出で消火が可能であり、水損による被害を抑制低減することを可能とする。

(第1の消火制御による効果)
また、防護区画内の火災が検出された場合に、防護区画内に窒素ガスと帯電水粒子とを合わせて放出することで、窒素ガスの放出による窒息消火効果と帯電水粒子の放出による冷却窒息消火効果を合わせた相乗効果により消火性能を高めて、効率良く・早期に消火することを可能とする。

(第2の消火制御による効果)
また、防護区画内の火災が検出された場合に、防護区画内に窒素ガスと帯電水粒子とを合わせて放出し、窒素ガスと帯電水粒子との放出から所定時間が経過した場合に、防護区画内への帯電水粒子の放出を継続すると共に防護区画内への窒素ガスの放出を停止することで、消火開始直後には、窒素ガスの放出による窒息消火効果と帯電水粒子の放出による冷却窒息消火効果を合わせた相乗効果により消火性能を高めて、効率良く・早期に火災の規模を減少させると共に燃焼反応を抑制し、消火開始から所定時間が経過した後には、帯電水粒子の放出による冷却窒息消火効果で消火可能とする。

また、第2の消火制御では、帯電水粒子の放出時間を長くすることで帯電水粒子の放出量を十分に確保しているため、窒素ガスの放出時間を短くして、窒素ガスの放出量を低減させることができ、窒素を充填するための容器の数や容量の削減、防護区画に避圧口を設ける不必要性、防護区画内の窒素濃度の上昇の抑制については顕著に効果が生じる。

また、容器に充填される窒素量を防護区画内に放出する量と帯電水粒子を放出するために使用する量との合計としてほぼ一定にすることで、窒素を充填するための容器の数や容量が増加することを防止することができる。当該効果について、以下の第3乃至7の消火制御についても同様である。

(第3の消火制御による効果)
また、防護区画内の火災が検出された場合に、防護区画内に窒素ガスと帯電水粒子とを合わせて放出し、窒素ガスと帯電水粒子との放出から所定時間が経過した場合に、防護区画内への窒素ガスの放出を継続すると共に防護区画内への帯電水粒子の放出を停止することで、消火開始直後には、窒素ガスの放出による窒息消火効果と帯電水粒子の放出による冷却窒息消火効果を合わせた相乗効果により消火性能を高めて、効率良く・早期に火災の規模を減少させると共に燃焼反応を抑制し、消火開始から所定時間が経過した後には、窒素ガスの放出による窒息消火効果で消火可能とする。

また、第3の消火制御では、窒素ガスの放出時間を長くすることで窒素ガスの放出量を十分に確保しているため、帯電水粒子の放出時間を短くして、帯電水粒子の放出量を低減させることができ、水損による被害の抑制・低減については顕著に効果が生じる。

(第4の消火制御による効果)
また、防護区画内の火災が検出された場合に、防護区画内に帯電水粒子を放出し、帯電水粒子の放出から所定時間が経過した場合に、防護区画内への帯電水粒子の放出を継続すると共に防護区画内に窒素ガスを放出することで、消火開始直後には、窒素ガスの放出の影響を受けることなく火源まで帯電水粒子を届け、帯電水粒子の放出による冷却窒息消火効果により、効率良く・早期に火災の規模を減少させ、消火開始から所定時間が経過した後には、窒素ガスの放出による窒息消火効果と帯電水粒子の放出による冷却窒息消火効果を合わせた相乗効果により消火性能を高めて消火可能とする。

また、第4の消火制御では、帯電水粒子の放出時間を長くすることで帯電水粒子の放出量を十分に確保しているため、窒素ガスの放出時間を短くして、窒素ガスの放出量を低減させることができ、窒素を充填するための容器の数や容量の削減、防護区画に避圧口を設ける不必要性、防護区画内の窒素濃度の上昇の抑制については顕著に効果が生じる。

(第5の消火制御による効果)
また、防護区画内の火災が検出された場合に、防護区画内に窒素ガスを放出し、窒素ガスの放出から所定時間が経過した場合に、防護区画内への窒素ガスの放出を継続すると共に防護区画内に帯電水粒子を放出することで、消火開始直後には、窒素ガスによる窒息消火効果により、効率良く・早期に燃焼反応を抑制し、消火開始から所定時間が経過した後には、窒素ガスの放出による窒息消火効果と帯電水粒子の放出による冷却窒息消火効果を合わせた相乗効果により消火性能を高めて消火可能とする。

また、第5の消火制御では、窒素ガスの放出時間を長くすることで窒素ガスの放出量を十分に確保しているため、帯電水粒子の放出時間を短くして、帯電水粒子の放出量を低減させることができ、水損による被害の抑制・低減については顕著に効果が生じる。

(第6の消火制御による効果)
また、防護区画内の火災が検出された場合に、防護区画内に窒素ガスを放出し、窒素ガスの放出から所定時間が経過した場合に、防護区画内への窒素ガスの放出を停止すると共に防護区画内に帯電水粒子を放出することで、消火開始直後には、窒素ガスによる窒息消火効果により、効率良く・早期に燃焼反応を抑制し、消火開始から所定時間が経過した後には、窒素ガスの放出の影響を受けることなく火源まで帯電水粒子を届け、帯電水粒子の放出による冷却窒息消火効果により消火可能とする。

(第7の消火制御による効果)
また、防護区画内の火災が検出された場合に、防護区画内に帯電水粒子を放出し、帯電水粒子の放出から所定時間が経過した場合に、防護区画内への帯電水粒子の放出を停止すると共に防護区画内に窒素ガスを放出することで、消火開始直後には、窒素ガスの放出の影響を受けることなく帯電水粒子による冷却窒息消火効果により、効率良く・早期に火災の規模を低減させ、消火開始から所定時間が経過した後には、窒素ガスの放出による窒息消火効果により消火可能とする。

(第1の消火設備構成の効果)
第1の消火設備構成とすることで、第1の消火制御及び第3の消火制御を実現することを可能とする。また、帯電噴霧消火設備は、従来の帯電噴霧消火設備では水充填容器に充填された水を加圧するためにポンプを連続運転する必要があったが、本発明にあっては、窒素充填容器に充填された窒素ガスを利用することで水充填容器に充填された水を加圧できるため、ポンプ及びポンプを運転させるための電源系統は不要であり、非常電源の必要容量が大きく低減できることから、消火設備の規模及びコストを低減させることを可能とする。

(第2の消火設備構成の効果)
第2の消火設備構成とすることで、第1の消火制御乃至第7の消火制御の全てを実現することを可能とする。また、この場合にも、窒素充填容器に充填された窒素ガスを利用することで水充填容器に充填された水を加圧できるため、ポンプ及びポンプを運転させるための電源系統は不要であり、非常電源の必要容量が大きく低減できることから、消火設備の規模及びコストを低減させることを可能とする。

(消火方法の効果)
本発明による消火方法の効果は、前述した消火設備の効果と同様になることから、その説明は省略する。

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】 消火設備の第1実施形態を示した説明図である。
【図2】 帯電噴霧ヘッドの実施形態を示した説明図である。
【図3】 高圧電源部の実施形態を帯電噴霧ヘッドと共に示した説明図である。
【図4】 消火設備の第1実施形態による第1の消火制御を示したフロー図である。
【図5】 消火設備の第2実施形態を示した説明図である。
【図6】 第1乃至第7の消火制御による窒素ガスと帯電水粒子の放出を示したタイムチャートである。
【図7】 消火設備の第2実施形態による第2の消火制御を示したフロー図である。
【図8】 消火設備の第2実施形態による第3の消火制御を示したフロー図である。
【図9】 消火設備の第2実施形態による第4の消火制御を示したフロー図である。
【図10】 消火設備の第2実施形態による第5の消火制御を示したフロー図である。
【図11】 消火設備の第2実施形態による第6の消火制御を示したフロー図である。
【図12】 消火設備の第2実施形態による第7の消火制御を示したフロー図である。

代表図 図1本件の代表的な図

10:防護区画 12:窒素ヘッド 14:帯電噴霧ヘッド 16:煙感知器 18:熱感知器 20:窒素充填容器 22:水充填容器 24:窒素供給配管 26:水供給配管 28:加圧配管 30:窒素開閉弁 30(30-1):第1窒素開閉弁 30(30-2):第2窒素開閉弁 32:水開閉弁 34:制御盤 36:操作箱 38:高圧電源部 40:高圧ケーブル 40a:電圧印加ケーブル 40b:アースケーブル 42:高電圧可変回路 44:転極回路 46:電流制限抵抗 54:ボディー 56:噴霧ノズル部 58:電極保持部 60:誘導電極部 62:水側電極部 64:給水接続部

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