特許7872947IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

比較的安価で耐火断熱性に優れる耐火断熱膜、及びその製造方法に関するものである。

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

上述したように、耐火断熱膜が種々検討されているが、シリカやアルミナは融点が低いため、特に温度が高くなる燃焼室の耐火断熱膜の素材としては適さない。また、実際に実用化されているのは熱伝導率の低いジルコニアやイットリア安定化ジルコニアであるが、ジルコニアやイットリア安定化ジルコニアは比較的高価である。 一方、酸化マグネシウム(マグネシア)には、熱伝導率が高いという問題がある。例えばある技術資料では、400℃におけるジルコニアの熱伝導率が3W/(m・K)であるのに対して、酸化マグネシウムの熱伝導率は15W/(m・K)である。しかし、酸化マグネシウムには比較的安価であるという利点がある。また、マグネシアの比熱容量は298Kにおいて0.879kJ/(kg・K)であり、ジルコニアの比熱容量0.47kJ/(kg・K)やシリカの比熱容量0.75kJ/(kg・K)に比較して高く、加熱により温度が上がりにくいといった有利な特徴を有する。 そこで、本発明は、比較的安価で耐火断熱性に優れる耐火断熱膜、及びその製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明者らは、内燃機関の耐火断熱膜は、恒常的に加熱されるのではなく、高熱になるのは燃料の燃焼時のみであって、燃料の圧縮時には僅かに加熱されるのみであり、燃料の吸入時とガス排出時には温度がかえって低下するため、熱容量の大きい酸化マグネシウムに着目した。即ち、熱容量の小さいジルコニアなどは、間欠的な加熱では温度の出入りが激しく、燃焼室の温度環境を変えてしまうが、熱容量の大きい酸化マグネシウムは熱・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る

発明の効果[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明に係る耐火断熱膜を構成する酸化マグネシウムは、従来の耐火断熱膜を構成するジルコニアやイットリア安定化ジルコニア等に比べて低コストで製造することができる。また、内燃機関の内部温度は恒常的に高いのではなく、1サイクル中の温度変化が比較的大きいのに対して、酸化マグネシウムは熱容量が比較的大きいため、熱され難く且つ冷め難く、燃焼室の温度環境に影響を与え難いといえる。更に、酸化マグネシウムの熱伝導率は比較的大きいが、本発明に係る耐火断熱膜は多孔質であるために、膜全体の熱伝導率は低く実用レベルである。
また、本発明方法によれば、本発明に係る多孔質の耐火断熱膜を容易に製造することができる。詳しくは、従来の物理蒸着法(PVD法)では、原子または分子の状態の粒子を基材に付着・堆積させるため、多孔質膜を形成することができない。また、金属酸化物スラリーを基材に塗布後、焼成する方法でも、金属酸化物結晶粒子が焼成により成長して互いに焼結するため、膜は緻密質なものとなる。それに対して本発明方法では、マグネシウムの原子量は比較的低く、酸化マグネシウムの分子量も比較的小さくその運動エネルギーは小さいため、熱流体により酸化マグネシウム粒子が基材に衝突しても潰れ難く、その結果、形成される膜は多孔質なものとなる。
よって本発明は、比較的安価で耐火断熱性に優れる耐火断熱膜を基材上に容易に形成可能な技術として、産業上極めて有用である。

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】 フレーム溶射法で使用される溶射ガンの一例を示し、溶射ガンの断面図を表す。

代表図 図1本件の代表的な図

1: 酸素-可燃性ガス供給路 2: 原料(マグネシウムキレート錯体粒子)搬送ガス供給路 3: 原料(マグネシウムキレート錯体粒子)供給路 4: ノズル 5: 溶射炎 6: 基材 7: 酸化マグネシウム膜 100: 溶射ガン

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