(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】
(54)【発明の名称】協調制御アルゴリズムに関するデータの交換に使用される通信リンクを構成する方法、デバイス及びシステム
(51)【国際特許分類】
【FI】
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】
(86)(22)【出願日】
(85)【翻訳文提出日】
(86)【国際出願番号】
(87)【国際公開番号】
(87)【国際公開日】
(32)【優先日】
(33)【優先権主張国・地域又は機関】
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503163527
【氏名又は名称】ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 46, 1119 NS Schiphol Rijk, The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】ブティエ、アルノー
(72)【発明者】
【氏名】ギエ、ジュリアン
【テーマコード(参考)】
【Fターム(参考)】
5K067EE02
5K067EE25
(57)【要約】
複数の通信ノードの間の通信リンクを構成する方法に関する。通信リンクは、協調制御アルゴリズムに関するデータの交換に使用され、通信ノードは、規則的フォーメーションに従って配置される。この方法は、規則的フォーメーションの候補近傍ノード通信パターンと、少なくとも1つの通信パラメータの候補値とを選択することと、候補通信性能プロファイルを求めることと、協調制御アルゴリズムの制御性能レベルを推定することと、通信ノードによって生成される干渉レベルを推定することとを含み、所定の制御性能基準及び所定の干渉基準がともに満たされるまで、異なる候補近傍ノード通信パターンと、少なくとも1つの通信パラメータの異なる候補値とについて、異なる制御性能レベル及び異なる干渉レベルが推定される。
【特許請求の範囲】
【請求項】
複数の通信ノードの間の通信リンクを構成する方法であって、前記通信リンクは、協調制御アルゴリズムに関するデータの交換に使用され、前記協調制御アルゴリズムは、少なくとも1つの制御パラメータを含み、前記通信ノードは、規則的フォーメーションに従って配置され、前記方法は、
基準デバイスが、前記規則的フォーメーションの候補近傍ノード通信パターンと、少なくとも1つの通信パラメータの候補値とを選択することと、
前記基準デバイスが、前記候補近傍ノード通信パターンと、前記少なくとも1つの通信パラメータの候補値とに基づいて候補通信性能プロファイルを求めることと、
前記基準デバイスが、前記少なくとも1つの制御パラメータと、前記候補通信性能プロファイルとに基づいて、前記協調制御アルゴリズムの制御性能レベルを推定することと、
前記基準デバイスが、前記候補近傍ノード通信パターンと、前記少なくとも1つの通信パラメータの候補値とを使用するときに、前記通信ノードによって生成される干渉レベルを推定することと、
を含み、
所定の制御性能基準及び所定の干渉基準がともに満たされるまで、異なる候補近傍ノード通信パターンと、前記少なくとも1つの通信パラメータの異なる候補値とについて、異なる制御性能レベル及び異なる干渉レベルが推定され、それによって、基準近傍ノード通信パターンと、前記少なくとも1つの通信パラメータの基準値と、基準通信性能プロファイルとを有する基準集合が特定され、
前記基準集合の全て又は一部は、通信ノードの間の通信リンクを構成することに使用される、方法。
【請求項】
前記少なくとも1つの制御パラメータの異なる候補値について異なる制御性能レベル及び異なる干渉レベルを推定することによって、前記少なくとも1つの制御パラメータを構成することを更に含み、
前記基準集合は、前記協調制御アルゴリズムを構成することに使用される前記少なくとも1つの制御パラメータの基準値を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項】
前記候補通信性能プロファイルは、伝播モデル及び通信性能モデルに基づいて更に推定される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項】
少なくとも1つの通信ノードは、前記少なくとも1つの通信ノードの前記通信リンクにおいて前記基準通信性能プロファイルを達成するために、前記少なくとも1つの通信パラメータの値の局所適応を行う、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項】
前記基準集合の第1の基準通信性能プロファイル及び第2の基準通信性能プロファイルを求めることを含み、
前記第2の基準通信性能プロファイルは、
前記制御性能基準が、前記第1の基準通信性能プロファイル及び前記第2の基準通信性能プロファイルの双方について満たされ、
前記干渉基準が、少なくとも前記第1の基準通信性能プロファイルについて満たされる、
高い通信性能を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項】
目標ロバスト性係数を取得することを含み、
前記第1の基準通信性能プロファイル及び前記第2の基準通信性能プロファイルの中の少なくとも一方は、前記目標ロバスト性係数に基づいて求められる、請求項5に記載の方法。
【請求項】
少なくとも1つの通信ノードは、前記第1の基準通信性能プロファイル及び前記第2の基準通信性能プロファイルによって境界付けされる通信性能プロファイルを前記少なくとも1つの通信ノードの前記通信リンクにおいて達成するために、前記少なくとも1つの通信パラメータの値の局所適応を行う、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項】
前記基準デバイスが、前記協調制御アルゴリズムの目標収束速度を取得することを含み、
前記推定された制御性能レベルは、前記協調制御アルゴリズムの推定された収束速度であり、
前記制御性能基準は、前記推定された収束速度が前記目標収束速度以上であるときに満たされる、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項】
前記干渉基準は、推定された前記干渉レベルが最小にされるか又は所定の閾値未満であるときに満たされる、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項】
前記協調制御アルゴリズムはコンセンサスアルゴリズムである、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項】
前記基準デバイスは、前記通信ノードのうちの1つである、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項】
少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1~11のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成する命令を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項】
無線通信ユニットと、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成される処理回路とを備える、デバイス。
【請求項】
複数の通信ノードと、少なくとも1つの請求項13に記載のデバイスとを備える通信システムであって、前記少なくとも1つのデバイスは、前記複数の通信ノードのうちの1つであるか、又は、前記複数の通信ノードから分離したものである、通信システム。
【請求項】
前記通信ノードは、一群の車両のそれぞれの車両に組み込まれる、請求項14に記載の通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【】
通信システムに関し、より具体的には、マルチエージェントシステム(MAS)とも呼ばれる複数の通信ノードの協調制御
【背景技術】
【】
協調制御アルゴリズムは、複数の通信ノードが共通の目標を実現できるようにすることを目的とする。
【】
例えば、コンセンサスアルゴリズムは、複数の通信ノードがローカル制御情報について合意できるようにすることを目的とする。実際には、複数の通信ノードが近傍の通信ノードとデータを交換して、同じローカル制御情報について合意することで、それらの通信ノードが協調して動作することができる。複数の通信ノードがローカル制御情報の値について合意したとき、それらの通信ノードは、コンセンサスに達したと言われる。
【】
コンセンサスアルゴリズム又はモデル予測制御(MPC)アルゴリズム等の協調制御アルゴリズムは、モバイルロボット、無人航空機(UAV)、自律型無人潜水機(AUV)、人工衛星、航空機、宇宙船、自動道路システム等に適用されるフォーメーション制御問題において、多くの場合適用される。協調制御アルゴリズムは、タスク割り当て、ペイロード輸送、役割割り当て、航空交通制御、同期等のフォーメーションでないものに関する問題にも適用することができる。
【】
コンセンサスアルゴリズム等の協調制御アルゴリズムの一般的な適用としては、地理的エリア内の平均温度を一組のリモートセンサから測定すること、又は、一群の車両の幾何学的配置を或る期間にわたって実質的に一定に維持するために、幹線道路上で一群の車両を制御することなどがある。
【】
協調制御アルゴリズムは、それらの原理によって、通信ノードが、任意の適切な通信プロトコルを用いた通信リンクを使用して、それらの間でデータを交換することを必要とする。例えば、一群の車両に組み込まれた通信ノードの場合には、通信プロトコルは、例えば、ITS-G5、IEEE WAVE又は3GPP(商標) Cellular-V2X標準規格とすることができる。
【】
通信リンク、特に無線通信リンクは、データパケット損失を引き起こしやすい。データパケット損失は、パケット損失がない理想的な状況と比較して、協調制御アルゴリズムの制御性能を大幅に劣化させる可能性がある。同時に、協調制御アルゴリズムは、システムの変化速度よりもかなり高速で予期しない擾乱に反応可能でなければならない。例えば、幹線道路上で一群の車両に適用される協調制御アルゴリズムの場合には、これらの車両を所定の幾何学的配置に維持するために、協調制御アルゴリズムは、予期しない擾乱(例えば、風に起因したもの)に迅速に反応しなければならないことを容易に理解することができる。
【】
したがって、協調制御アルゴリズムが協調制御要件に準拠した速度で収束することを保証するには、データパケット損失を考慮に入れる必要がある。
【】
従来のシステムでは、制御層(協調制御アルゴリズムを管理する層)及び通信層(通信リンクを管理する層)は別々に管理されている。通信リンクの通信パラメータは、データパケット損失の低減を試みることで、通信リンクの性能を最大にするように最適化することができる。また、協調制御アルゴリズムの収束速度(収束レートとも呼ばれる)を最大にするために、協調制御アルゴリズムの制御パラメータは最適化される。
【】
しかしながら、そのような手法では、通信リンクにわたる通信性能及び協調制御アルゴリズムの制御性能の双方が必要以上に大きくなり過ぎる状況となることがあり、これにより、例えば、複数の車両の集団が同じ地理的エリアに位置するときにはそれらの共存問題を更にもたらすおそれがある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【】
【非特許文献】S. Kar and J. M. F. Moura, “Sensor Networks with Random Links: Topology Design for Distributed Consensus”, in IEEE Transactions on Signal Processing, vol. 56, no. 7, pp. 3315-3326, July 2008.
【非特許文献】S. Silva Pereira and A. Pages-Zamora, “Consensus in Correlated Random Wireless Sensor Networks”, IEEE Trans. Signal Process., vol. 59, no. 12, p. 6279-6284, 2011, doi: 10.1109/TSP.2011.2166552.
【非特許文献】Wei Ren, R. W. Beard, and E. M. Atkins, “A survey of consensus problems in multi-agent coordination”, in Proceedings of the 2005, American Control Conference, 2005, Portland, OR, USA, 2005, p. 1859-1864, doi: 10.1109/ACC.2005.1470239.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【】
状況を改善することを目的とする。特に、協調制御要件が満たされることを引き続き確保しながら、通信ノード間で協調制御アルゴリズムのデータを交換することによって生成される干渉を低減する解決策を提案することによって、上述した従来技術の限界のうちの少なくともいくつかを克服することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【】
このために、第1の態様によれば、複数の通信ノードの間の通信リンクを構成する方法であって、通信リンクは、協調制御アルゴリズムに関するデータの交換に使用され、協調制御アルゴリズムは、少なくとも1つの制御パラメータを含み、通信ノードは、規則的フォーメーションに従って配置され、本方法は、
基準デバイスが、規則的フォーメーションの候補近傍ノード通信パターンと、少なくとも1つの通信パラメータの候補値とを選択することと、
基準デバイスが、候補近傍ノード通信パターンと、少なくとも1つの通信パラメータの候補値とに基づいて候補通信性能プロファイルを求めることと、
基準デバイスが、少なくとも1つの制御パラメータと、候補通信性能プロファイルとに基づいて、協調制御アルゴリズムの制御性能レベルを推定することと、
基準デバイスが、候補近傍ノード通信パターンと、少なくとも1つの通信パラメータの候補値とを使用するときに、通信ノードによって生成される干渉レベルを推定することと、
を含み、
所定の制御性能基準及び所定の干渉基準がともに満たされるまで、異なる候補近傍ノード通信パターンと、少なくとも1つの通信パラメータの異なる候補値とについて、異なる制御性能レベル及び異なる干渉レベルが推定され、それによって、基準近傍ノード通信パターンと、少なくとも1つの通信パラメータの基準値と、基準通信性能プロファイルとを有する基準集合が特定され、
基準集合の全て又は一部は、通信ノードの間の通信リンクを構成することに使用される、方法
【】
したがって、この方法は、協調制御アルゴリズムを適用する通信ノードが規則的フォーメーションに従って配置される場合に関するものである。規則的フォーメーションは、通信ノードとその隣接する通信ノードとの間の距離が幾何学的配置における通信ノードの位置に依存しない幾何学的配置に対応する。換言すれば、規則的フォーメーションは、n=1、2又は3のユークリッド空間
【数】
における格子点の有限凸集合として記述することができる幾何学的配置に対応する。
【】
通信ノードは、平均して規則的フォーメーションに従って配置できることにすぎないことを強調しておく。例えば、協調制御アルゴリズムの目標は、目標の規則的フォーメーションに従って配置された通信ノードを維持することとすることができ、その場合、この配置は、例えば制御誤差等に起因して、この目標の規則的フォーメーション付近で時間とともに僅かに変化し得る。したがって、「規則的フォーメーションに従って配置される」とは、本開示では、フォーメーションが本構成方法の目的に照らして規則的であると仮定することができることを意味する。例えば、フォーメーションを厳密に又は近似的に規則的なものとすることもできるし、通信ノードの位置を(場合によって協調制御アルゴリズムによって)制御して、所定の目標の規則的フォーメーション等を達成することもできる。
【】
例えば、規則的フォーメーションは、通信ノードが1D(n=1)格子点、2D(n=2)格子点又は3D(n=3)格子点に従って配置される幾何学的配置に対応することができる。1D格子点の場合には、通信ノードは全て一直線上に並べられ、隣接する通信ノードの間の距離は、隣接する通信ノードのいずれの対についても同じである。2D格子点の場合には、格子は、長方形、正方形、ひし形、平行四辺形、六角形又は正三角形とすることができる。3D格子点の場合には、格子は、14個のブラベ格子のうちの任意の1つとすることができる。
【】
また、この方法は、全ての通信ノードが、協調制御アルゴリズムに関するデータの交換に同じ近傍ノード通信パターンを使用するものと仮定する。規則的フォーメーションに依存する近傍ノード通信パターンは、通信ノードが協調制御アルゴリズムの目的のためにデータを直接交換する近傍通信ノードの定義に対応する。例えば、近傍ノード通信パターンは、本質的には、隣接する通信ノードとのみデータを直接交換するパターンとすることができ、その場合には、全ての通信ノードは、それらの隣接する通信ノードとのみデータを直接交換する。別の例によれば、近傍ノード通信パターンは、本質的には、隣接する通信ノード及びそれらの隣接する通信ノードとデータを直接交換するパターンとすることができる。別の例によれば、近傍ノード通信パターンは、他の全ての通信ノード等とデータを直接交換するパターンとすることができる。
【】
全ての通信ノードが同じ近傍ノード通信パターンを使用するものと仮定することによって、最適化される通信パラメータの数は削減される。通信ノードは、規則的フォーメーションに従って配置されるので、伝播条件が全ての通信ノードの間で実質的に同じである場合には、全ての通信ノードが同じ通信パラメータを使用することは、通信リンクにおいて実質的に同じ通信性能プロファイルを持つことになる。これらの特徴は、通信デバイス用に選択される通信パラメータの数を削減することを可能にするとともに、通信リンクにおける通信性能プロファイルの予測の複雑度を削減することを可能にする。
【】
方法は、所定の干渉基準及び所定の制御性能基準の双方を満たす基準集合が見つかるまで、パラメータの異なる候補集合を評価する。
【】
各候補集合は、規則的フォーメーションの近傍ノード通信パターンの所定のリストの中から選択することができる候補近傍ノード通信パターンと、少なくとも1つの通信パラメータ(変調、チャネル符号化方式、マルチアンテナ方式、送信電力等)の候補値と、候補通信性能プロファイル(候補近傍ノード通信パターンと少なくとも1つの通信パラメータの候補値とに基づいて求められる)とを含む。
【】
各候補集合について、制御性能レベル及び干渉レベルが推定され、干渉基準及び制御性能基準が満たされるか否かを評価するのに使用される。
【】
したがって、方法は、
例えば、協調制御アルゴリズムの収束速度が所定の最小収束速度よりも速いことを確保することによって協調制御要件を満たすこと、
協調制御アルゴリズムに関するデータを交換するために通信ノードによって生成される干渉を低減すること、
の双方を行うように、通信パラメータ及び近傍ノード通信パターンを最適化する。
【】
基準集合の全て又は一部は、その後、通信ノードの間の通信リンクを構成するのに使用される。
【】
特定の実施の形態において、方法は、単独又は任意の技術的に可能な組み合わせのいずかで考えられる以下の特徴のうちの1つ以上を更に含むことができる。
【】
特定の実施の形態において、本方法は、少なくとも1つの制御パラメータの異なる候補値について異なる制御性能レベル及び異なる干渉レベルを推定することによって、少なくとも1つの制御パラメータを構成することを更に含み、基準集合は、協調制御アルゴリズムを構成することに使用される少なくとも1つの制御パラメータの基準値を更に含む。
【】
特定の実施の形態において、候補通信性能プロファイルは、伝播モデル及び通信性能モデルに基づいて更に推定される。
【】
特定の実施の形態において、少なくとも1つの通信ノードは、少なくとも1つの通信ノードの通信リンクにおいて基準通信性能プロファイルを達成するために、少なくとも1つの通信パラメータの値の局所適応を行う。
【】
特定の実施の形態において、本方法は、基準集合の第1の基準通信性能プロファイル及び第2の基準通信性能プロファイルを求めることを含み、第2の基準通信性能プロファイルは、
制御性能基準が、第1の基準通信性能プロファイル及び第2の基準通信性能プロファイルの双方について満たされ、
干渉基準が、少なくとも第1の基準通信性能プロファイルについて満たされる、
ようなより高い通信性能を有する。
【】
特定の実施の形態において、本方法は、目標ロバスト性係数を取得することを含み、第1の基準通信性能プロファイル及び第2の基準通信性能プロファイルの中の少なくとも一方は、目標ロバスト性係数に基づいて求められる。
【】
特定の実施の形態において、少なくとも1つの通信ノードは、第1の基準通信性能プロファイル及び第2の基準通信性能プロファイルによって境界付けされる通信性能プロファイルを少なくとも1つの通信ノードの通信リンクにおいて達成するために、少なくとも1つの通信パラメータの値の局所適応を行う。
【】
特定の実施の形態において、各通信性能プロファイルは、パケット配信率(PDR)プロファイルである。
【】
特定の実施の形態において、本方法は、基準デバイスが、協調制御アルゴリズムの目標収束速度を取得することを含み、
推定された制御性能レベルは、協調制御アルゴリズムの推定された収束速度であり、
制御性能基準は、推定された収束速度が目標収束速度以上であるときに満たされる。
【】
特定の実施の形態において、干渉基準は、推定された干渉レベルが最小にされるか又は所定の閾値未満であるときに満たされる。
【】
特定の実施の形態において、規則的フォーメーションは、通信ノードが1D格子点又は2D格子点又は3D格子点に従って配置される配置に対応する。
【】
特定の実施の形態において、協調制御アルゴリズムはコンセンサスアルゴリズムである。
【】
特定の実施の形態において、基準デバイスは、通信ノードのうちの1つである。
【】
第2の態様によれば、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのプロセッサが本開示の実施の形態のうちの任意の1つによる方法を実行するように構成する命令を含む、コンピュータプログラム製品
【】
第3の態様によれば、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのプロセッサが本開示の実施の形態のうちの任意の1つによる方法を実行するように構成する命令を含むコンピュータ可読記憶媒体
【】
第4の態様によれば、無線通信ユニットと、本開示の実施の形態のうちの任意の1つによる方法を実行するように構成される処理回路とを備える、デバイス
【】
第5の態様によれば、複数の通信ノードと、本開示の実施の形態のうちの任意の1つによる少なくとも1つの基準デバイスとを備える通信システムであって、少なくとも1つの基準デバイスは、通信ノードのうちの1つであるか、又は、通信ノードから分離したものである、通信システム
【】
特定の実施の形態において、通信ノードは、一群の車両のそれぞれの車両に組み込まれる。
【】
本発明は、以下の説明を読むことでより良く理解される。以下の説明は、決して限定的なものではなく一例として与えられ、図に関して作成されている。
【図面の簡単な説明】
【】
【図】通信ノード間の通信リンクを表すグラフの概略図である。
【図】グラフ及びそのラプラシアン行列に対するパケット損失の影響を示す概略図である。
【図】1D格子点に従って配置された通信ノードの概略図である。
【図】通信リンクを構成する方法の一例示的な実施形態の主なステップを表す図である。
【図】図3によって表される規則的フォーメーションについて可能な異なる近傍ノード通信パターンの概略図である。
【図】通信性能プロファイルの一例を表すプロットである。
【図】通信リンクにおける通信性能の制御に使用される2つの通信性能プロファイルの一例を表すプロットである。
【図】通信リンクを構成する方法の好ましい実施形態の主なステップを表す図である。
【図】基準デバイスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【】
これらの図において、図にわたって同一の参照符号は、同一又は類似の要素を示す。明瞭にするために、図示した要素は、別段の明示の指定がない限り、一律の縮尺でない。
【】
に示したように、複数の通信ノードの協調制御
【】
最初に、コンセンサスアルゴリズムの非限定的な場合について、以下の説明で使用される規則と、協調制御アルゴリズムの性能を評価する方法とについて述べる。
【】
§グラフ理論(非特許文献3)
有向/無向グラフによって通信ノード間でのデータ交換をモデル化することは自然である。ダイグラフ(すなわち有向グラフ)は、対
【数】
からなる。ここで、
【数】
は、通信ノードの有限非空集合であり、
【数】
は、有向エッジと呼ばれる通信ノードの順序対の集合である(
【数】
は、通信ノードjから通信ノードiへの有向エッジ又は通信リンクである)。簡単にするために、以下では、「有向エッジ」ではなく「エッジ」を使用し、「ダイグラフ」ではなく「グラフ」を使用する(属性、すなわち有向又は無向は明確であると考えられる)。
【】
比較として、無向グラフにおける通信ノード対は非順序である。有向パスは、ダイグラフにおける
【数】
の形態のダイグラフにおける一連の順序エッジである。ここで、
【数】
である。無向グラフにおける無向パスは、同様に定義される。ここで、
【数】
は
【数】
を意味する。ダイグラフでは、あらゆる通信ノードからあらゆる他の通信ノードへの有向パスが存在する場合に「強連結されている」と呼ばれる。無向グラフでは、任意の異なる通信ノード対の間にパスが存在する場合に連結されていると呼ばれる。有向木は、ルートを除くあらゆる通信ノードが正確に1つの親を有するダイグラフである。ダイグラフのスパニング木は、グラフの全ての通信ノードを連結するグラフエッジによって形成される有向木である。グラフの部分集合であるスパニング木が存在する場合に、そのグラフはスパニング木を有する(又は含む)と言われる。ダイグラフがスパニング木を有する条件は、他の全ての通信ノードへの有向パスを有する通信ノードが存在する場合と等価である。
【】
決定論的ダイグラフの隣接行列A
n=[a
ij]
0≦i,j≦n-1は、
【数】
である場合にa
ii=0及びa
ij=1と定義され、ここで、i≠jである。a
ij=0を設定することは、通信ノードiが通信ノードjから情報を受信しない(すなわち、受信することができないか又は受信を望まない)ことを表す。ダイグラフのラプラシアン行列は、l
ij=-a
ij及びl
ii=Σ
ja
ijであるとすると、L
n=[l
ij]
0≦i,j≦n-1、すなわち、
【数】
と定義される。ここで、
【数】
は、入次数行列(通信ノードiが情報を受信する通信ノードの数)である。無向グラフの場合には、ラプラシアン行列は対称半正定値行列である。
【】
図1は、n=3個の通信ノード10を有する無向グラフを表している。この図において、通信ノードは、それぞれの通信ノード10を区別するために10-kとして表している。ただし、1≦k≦n=3である。関連した隣接行列及びラプラシアン行列は、以下の式で表される。
【数】
【】
§コンセンサスアルゴリズム
第iの通信ノードのローカル制御情報を
【数】
とする。このローカル制御情報は、例えばコンセンサスアルゴリズムを使用することによって、通信ノード間で調和させる必要がある情報を表す。ローカル制御情報は、例えば、通信ノードの位置、速度、振動位相、決定変数とすることができる。
【】
連続時間コンセンサスアルゴリズムは、以下のように要約することができる。
【数】
ここで、Θ
i(t)は、ローカル制御情報が(隣接行列によって定義される)時刻tにおいて通信ノードiに利用可能である通信ノードの集合を表す。α
ij(t)は、正の重み係数を表し、場合によっては時変である。換言すれば、各通信ノードのローカル制御情報は、各時刻におけるその近傍の(場合によっては時変の)ローカル制御情報の状態に向かって誘導される。重み付きダイグラフA
nw=[a
ijw]
0≦i,j≦n-1の隣接行列は、i≠jであり、
【数】
である場合にはa
ijw=α
ijと定義され、そうでない場合にはa
ijw=0と定義されて拡張することが一般的である。
【】
連続時間コンセンサスアルゴリズムは、以下の行列形式に記述することができる。
【数】
ここで、x=[x
0(t),x
1(t),...,x
n-1(t)]
tは、全ての通信ノードのローカル制御情報を含む情報状態ベクトルであり、L
nw=D
nw-A
nwであり、I
mは、サイズmを有する恒等行列であり、
【数】
はクロネッカー行列積である。
【】
以下の説明では、コンセンサスアルゴリズムの離散的なバージョンを非限定的に検討することにする。通信ノードは、それらのローカル制御情報の状態を時間的に反復して更新し、更新された値を通信リンクを介して同じ時間間隔で送信するものと仮定する。各通信ノードは、そのローカル制御情報の状態を以下の式に従って更新する。
【数】
【】
全体的な情報状態ベクトルについて、以下のものが得られる
【数】
ここで、
【数】
であり、この式中、D
nw(k)及びL
nw(k)は、重み付きダイグラフに対応する入次数行列及びラプラシアン行列である。隣接行列は、例えば、時間間隔中に送信された各パケットについて、そのパケットが正しく受信されたか否かを調べることによって構築される。行列W
n(k)は確率行列でなければならず、確率行列は、合計すると1になる非負の要素を有する行を有する行列である。
【】
コンセンサスアルゴリズムは、全ての通信ノードについて、以下のように、単一の重み係数αを用いて適用することもできることに留意されたい。
【数】
【】
この場合に、以下の式が得られる。
【数】
ここで、A
n(k)及びD
n(k)は、非重み付きダイグラフ(a
ij=0又はa
ij=1)の隣接行列及び入次数行列である。決定論的グラフの場合には、重み係数αは、α≦1/deg
maxであるものでなければならないことを示すことができる。ここで、deg
maxは、グラフの最大次数、すなわち、通信ノードが通信することができる近傍の最大数である。
【】
コンセンサスアルゴリズムの挙動を示すために、最初に、各通信ノードは、他の全ての通信ノードから常にスカラー情報を受信するものと仮定することにする。したがって、以下の式が得られる。
【数】
ここで、
【数】
であり、
【数】
は、要素が全て1のベクトルである。最後に、行列J
nは冪等(J
nk+1=J
n)であるので、以下の式が得られる。
【数】
【】
全ての通信ノードのローカル制御情報は、初期情報状態ベクトルの平均である同じ値に収束する。コンセンサスアルゴリズムの収束は、実際には他の行列W
nに一般化することができる。
【数】
であることで実際には十分であり、ここで、νは列ベクトルである。
【】
続いて、主に時変隣接行列に焦点を当てる。したがって、まず時間不変トポロジーの収束結果を想起することが適切である。
【】
有向グラフについては、行列W
nが、固有ベクトル
【数】
に関連した単一のユニタリ-固有値を有するとき且つそのときに限り、すなわち、行列W
nの2番目に大きな固有値に対応するλ
2(W
n)について、λ
2(W
n)<1であるとき且つそのときに限り、離散時間コンセンサスアルゴリズムがコンセンサスを漸近的に達成することを示すことができる(同様に、λ
2(L
n)>0であり、ここで、λ
2(L
n)は、いわゆるラプラシアン行列L
nの2番目に小さな固有値に対応する)。この結果は、実際には、ダイグラフがスパニング木を有する(すなわち、トポロジーに2つの分離したグラフは存在しない)ことを意味する。その場合に、コンセンサスアルゴリズムは、以下の値に向かって収束する。
【数】
ここで、ν=[ν
i]
0≦i≦n-1≧0は、ν
tW
n=ν
tを満たし、
【数】
であり、すなわち、νは、固有値1に関連したW
nの左行固有ベクトルである。これは、通信ノードのローカル制御情報が、必ずしも平均値ではない初期情報状態ベクトルx(0)の同じ線形結合に向かって収束することを意味する。正方行列の左固有値及び右固有値は同じであるので、あらゆる確率行列が、固有値1に関連した少なくとも1つの行固有ベクトルを有する。平均コンセンサス、すなわち、
【数】
を取得するには、行列W
nは二重確率行列であるだけでよい。離散時間コンセンサスアルゴリズムは、有向グラフが強連結されている(各通信ノードのスパニング木が存在する)とともに次数のバランスが取れている(各通信ノードが双方の方向に同じ数の連結を有する、すなわち入次数が出次数に等しい)とき且つそのときに限り、平均コンセンサスを漸近的に達成できることが実際に知られている。実際、この仮定の下では、収束をもたらす重み係数が常に存在する。
【】
無向グラフの場合には、離散時間コンセンサスアルゴリズムは、行列W
nが固有ベクトル
【数】
に関連した単一のユニタリ-固有値を有するとき且つそのときに限り、コンセンサスを漸近的に達成することができる。トポロジーの観点からすると、これは、グラフが連結されていることを意味する。無向グラフがスパニング木を有する場合には、無向グラフは必然的に強連結され、バランスされている(W
nは対称行列であり、したがって二重確率行列である)。コンセンサスアルゴリズムは、平均的に収束する。
【】
§パケット損失の影響
前セクションで与えられた結果は、時間不変トポロジーを前提としている。以下の場合には、通信ノードは、無線通信リンクを使用してコンセンサスアルゴリズムに関するデータを含むパケットを交換するものと仮定する。これは、伝播条件に起因して、送信が、パケット損失を被る場合があることを意味する。したがって、隣接行列は、もはや一定ではなく、時間が経てばランダムに変化する。決定論的な場合と異なり、いわゆる瞬時隣接行列の各要素は、いくつかの確率過程に従って1又は0のいずれかの値を取ることができる。伝播チャネルは、以下の式のように、要素が所与の確率で値1を取るように静止していると仮定するのが一般的である。
【数】
【】
より一般的な場合には、要素を時間及び/又は空間において相関させることもできるし、確率を時間的に可変なものとすることもできる。非ゼロ確率を有する通信リンクに対応するいわゆるスーパーグラフを定義することが一般的である。そのような場合には、以下の式が得られることに留意されたい。
【数】
ここで、スーパーグラフに属しない通信リンクに関連した確率は、ゼロであると仮定する。
【】
次の表現が以下で使用される。
スーパーグラフ:所与のトポロジーにおける全ての可能な通信リンクの中で、送信を実際に行うことができる通信リンク(ここでは、いくつかの通信リンクを意図的に「連結解除」することができると仮定する)。
瞬時隣接行列A
n(k):成功したリンクについては1を有し、それ以外については0を有する所与の時刻における実際の隣接行列。
平均隣接行列
【数】
:確率p
ijで平均化された隣接行列(リンク
【数】
がスーパーグラフに存在しない場合にはp
ij=0)。
【】
伝播チャネルの影響は、近傍通信ノードから受信されるローカル制御情報に対する付加雑音の源として記述されることがあることに留意されたい。伝播チャネルは、減衰、シャドーイング、高速フェージング及び受信機雑音を含む多くの異なる方法で送信信号に実際に影響を与える。しかしながら、今日では、システムは、データパケットが正しく受信されるか又は受信されない(パケット損失)ようないずれかのチャネル符号化を有する通信プロトコルに依存する。続いて、送信されたローカル制御情報は完全に受信されるか又は全く受信されないと仮定されるものと非限定的に考えることにする。
【】
図2は、通信ノード間のパケット損失の影響を示している。より具体的には、図2の部分a)は、動的(ランダム)グラフと、瞬時隣接行列から導出される関連した瞬時ラプラシアン行列との最初の反復を表している。図2の部分b)は、動的グラフと、瞬時隣接行列から導出される関連した瞬時ラプラシアン行列との2回目の反復を表している。図2の部分c)は、対応する平均(ランダム)グラフと、平均隣接行列から導出される関連した平均ラプラシアン行列とを表している。
【】
§収束の条件
もちろん、パケット損失の発生は、コンセンサスアルゴリズムの収束に影響を与える可能性がある。一方、隣接行列についてのいくつかの条件下では、コンセンサスアルゴリズムは、実際には平衡状態に向かって収束することができることを示すことができる。
【】
実際の結果を得るために、ランダムに切り替わるトポロジーの場合には、ほとんど確実な統計的収束基準に依存することが可能である(非特許文献1)。動的システムは、任意の初期状態x
i(0)について、以下の式に示す条件の場合には、ほとんど確実にコンセンサスに達する。
【数】
【】
【】
このほとんど確実な収束基準から開始していくつかの結果が得られることが、文献では公開されている。特に、無向グラフの隣接行列の要素がベルヌーイ過程である(時間及び空間において独立同一分布である)場合には、単一の重み係数αを有する離散的なコンセンサスアルゴリズム
【数】
は、
【数】
のとき且つそのときに限り、ほとんど確実に収束することができる。ここで、
【数】
は、平均ラプラシアン行列である。これは、収束をもたらす少なくとも1つの重み係数αが存在することを意味する。これは、特に以下の式の場合に当てはまる。
【数】
ここで、deg
maxは、グラフの最大次数である。興味のあることに、平均グラフが連結されており、隣接行列がエルゴード的である限り、ほとんど確実な収束を得ることができることが示される。より一般的な結果は、以下の式の形のシステムの有向グラフについて実証されている。
【数】
ここで、W
n(k)は行確率行列である。確率行列W
n(k)の過程がエルゴード的定常過程である場合には、
【数】
のとき且つそのときに限り、線形システムは、ほとんど確実にコンセンサスに達することが示される。ここで、
【数】
である。一方、平衡状態に関する決定論的な場合との主な相違がある。実際、システムは、初期状態値x(0)及び一連の重み行列(未知の平均及び分散)に応じて、未知の共通のランダムベクトルθに収束する。システムは、
【数】
のとき且つそのときに限り、初期状態の重み付き平均
【数】
に収束する。ただし、
【数】
である。すなわち、全ての重み行列は、ほとんど確実に単位固有値(ゼロに等しい分散)に対応する同じ共通の左固有ベクトルを有する。全ての重み行列がほとんど確実に同じ共通の左固有ベクトル
【数】
を有するとき、すなわち、全ての行列が二重確率行列である場合には、ほぼ確実に平均コンセンサスに達する。この条件は、双方向リンクをも有する有向グラフの場合には、実現するのが必ずしも容易ではないことに留意されたい(完全な送信の場合には、全てのエッジに双方向リンクを有するグラフは、構成によって無向グラフであるが、送信エラーがリンクにおいて発生する可能性があると直ちに、グラフは有向グラフになる)。解決策は、パケットが双方向において良好に受信されている状況(すなわちW
n(k)は対称である)を維持するだけである。ただし、平均収束は、コンセンサスのみが十分である多くの状況において、厳密には必要とされないことを強調しておく。
【】
§収束速度
セクションに示すように、平均ラプラシアンについてのいくつかの穏やかな統計的条件下では、コンセンサスアルゴリズムは、ランダムに切り替わるトポロジーの場合であっても、平衡状態に向かって収束することができる。したがって、パケット損失の影響は、収束速度が低下する。したがって、コンセンサスアルゴリズムの収束速度を測定する性能指数を定義することが必要となる。対称無向瞬時グラフラプラシアンの場合には、収束速度は、一般的には、以下の式のように、初期平均値に対する誤差信号の平均二乗の観点から解析される。
【数】
【】
一般性を失うことなく、表記は、ここでは、単一の重み係数の場合のスカラー状態(m=1)の場合において与えられる。以下の式が得られる。
【数】
ここで、R
n=I
n-J
nである。非対称有向瞬時グラフラプラシアンのより一般的な場合には、平衡状態値は未知である。以下の式のように、瞬時平均値に対する誤差信号の平均二乗の観点から収束を評価することが一般的である。
【数】
【】
【】
式は、(In-Jn)Jn=0及びWn(k)Jn=Jnであることに由来する。対称的な場合には、(In-Jn)Wn(k)=Wn(k)(In-Jn)が得られ、したがって、対称的な場合について定義されるのと同じ誤差が得られる。
【】
決定論的な場合には、収束速度は、通常、以下の式のステップ単位(per-step)の収束係数を使用して定義される。
【数】
【】
これは、ステップ単位の二乗誤差変動の上限、すなわち収束速度の下限である。
【】
決定論的なステップ単位の収束係数は、反復ごとの二乗誤差の比を計算したものであり(誤差はx%の率で減少している)、時間とともに最大値が得られる。ここでは、時間とともに上限が得られる(ステップは、実際には全ての反復についてより小さい)。決定論的なステップ単位の収束係数は、以下の定式化に従って確率的文脈に一般化されている。
【数】
【】
これは、ステップ単位の条件付き平均二乗誤差変動の上限、すなわち平均二乗収束速度の下限である。
【】
システムは、平均二乗の意味で収束し、したがって、γ
s<1である場合にほとんど確実に収束することを示すことができる。この定義から、確率変数ζ(k)の全ての実現値について、次の反復においてこの実現値のノルムを用いてその値を所与とする誤差の分散の比が計算され、全てのこれらのランダム値にわたる上限が得られる。本場合には、レイリー商特性を使用して、以下の式が得られる。
【数】
ここで、ρ(M)=max(|λ
i(M)|)は、正方行列Mのスペクトル半径である。最後に、ステップ単位の収束係数の以下の上限が取得される。
【数】
【】
導出を容易にするために、以下の表記を導入する。
【数】
【】
ステップ単位の収束係数を使用する理由のうちの1つは、行列Ψsの値が、いくつかの状況において解析的に扱いやすいことである。
【】
非特許文献2に示すように、空間的に相関し、時間的に独立同一分布であるラプラシアン、及び無向トポロジーについて、行列Ψ
sは、以下の式となる。
【数】
ここで、
【数】
は、ノードi、j、q、rのリンク
【数】
と
【数】
との間の空間相関を
【数】
で記述する行列である。
e
iは、I
nの第i列であり、
【数】
は、シューア積(アダマール積としても知られている)を表す。
【】
この結果は、以下の仮定の下で得られる。すなわち、
【数】
であること、および
【数】
が対称行列(p
ij=p
ji)且つ既約行列であること。
【】
同様の式は、有向トポロジーについても存在する(非特許文献2)。
【】
これらの式は、コンセンサスアルゴリズムのステップ単位の収束係数γ
sを、グラフに関連した平均隣接行列
【数】
と、完全n
2×n
2相関行列から計算されるn×n相関行列
【数】
との関数として評価できることを示している。平均隣接行列
【数】
の要素は、通信システムの性能が、パケットが受信された確率又は受信されなかった確率の尺度となるので、通信システムの性能に実際に直接関係していることを指摘しておく。重要なこととして、パケットの損失は、伝播チャネルに関係するだけでなく、例えば、IEEE802.11ベースのシステムにおける輻輳等によって生じるパケットのドロップに起因して送信システム自体に由来する場合もあることを述べておく。通信性能に対する伝播チャネルの影響は、一般に、送信されたパケットが受信されない確率を測定するパケットエラーレート(PER)によって評価される。好ましい実施形態において、通信性能は、送信されたパケットが正しく受信された確率を測定するパケット配信レート(PDR)として評価され、例えばPDRとPERとの主な相違は、PDRが、全く送信されなかったパケットと、それ以外に、例えば輻輳した通信リンクに起因してドロップされたパケットとを考慮することである。以下の説明では、平均隣接行列
【数】
がPDRによってポピュレートされるものと非限定的に考えることにする。
【】
コンセンサスアルゴリズムの収束速度は、通信ノード間で達成される通信性能、すなわち通常は通信リンクに関連したPDRに依存するが、これらの異なる通信リンクの間の相関係数(平均相関行列
【数】
によって与えられる)にも依存することが示されている。
【】
§通信リンクを構成する方法
上述したように、複数の通信ノード10の間に無線通信リンクを構成する方法40に関する。構成される通信リンクは、各通信ノードが共通の目標を実現するのに使用される協調制御アルゴリズムに関するデータの交換に使用される。例えば、協調制御アルゴリズムは、コンセンサスアルゴリズム、MPCアルゴリズム等とすることができる。例えば、コンセンサスアルゴリズムの場合に、データは、全ての通信ノード10が同じローカル制御情報を有することに向かって収束するまでローカル制御情報を更新するために、通信ノードの間で交換される。
【】
本開示では、通信ノード10は、所定の規則的フォーメーションに従って配置されるものと仮定する。規則的フォーメーションは、隣接する通信ノード10間の距離が、幾何学的配置における隣接する通信ノード10の位置に依存しない幾何学的配置に対応する。
【】
以下では、規則的フォーメーションが1D格子点の有限凸集合、すなわち、通信ノード10が全て一直線に並べられ、隣接する通信ノード10の間の距離が隣接する通信ノード10のいずれの対についても同じである幾何学的配置に対応するものと非限定的に考えることにする。図3は、n=10個の通信ノード10を有するそのような規則的フォーメーションの一例を概略的に表している。この図において、通信ノードについて、通信ノード10のそれぞれを区別するために10-kとして示している。ただし、1≦k≦nである。隣接する通信ノード10は全て距離lだけ隔てられており、この距離は、隣接する通信ノード10の全ての対について同じである。例えば、通信ノード10は、一群の車両のそれぞれの車両に組み込まれ、協調制御アルゴリズムは、例えば、車両を、実質的に整列し、所定の距離だけ隔てて維持するのに使用することができる。通信リンクは、ITS-G5、IEEE WAVE又は3GPP Cellular-V2X標準規格によって定義されるようなビークルツービークル(V2V)通信プロトコルを使用することができる。
【】
通信リンクの構成は、近傍ノード通信パターン及び少なくとも1つの通信パラメータを選択することを目的とする。以下では、複数の通信パラメータが選択されると非限定的に仮定する。ただし、他の実施形態では、1つの通信パラメータのみを選択することによって使用することもできることを強調しておく。
【】
協調制御アルゴリズムは、少なくとも1つの制御パラメータを含む。以下では、協調制御アルゴリズムがコンセンサスアルゴリズムであり、単一の制御パラメータ、すなわち重み係数αが使用されるものと非限定的に仮定する。ただし、他の例では、他の協調制御アルゴリズム及び/又は2つ以上の制御パラメータ(例えば重み係数αij)を考えることも可能である。
【】
図4は、通信リンクを構成する方法40の主なステップを概略的に表している。
【】
図4に示すように、方法40は、基準デバイス20が、規則的フォーメーションの候補近傍ノード通信パターンと、この通信パラメータの候補値とを選択するステップS40を含む。
【】
近傍ノード通信パターンは、通信ノード10がコンセンサスアルゴリズムの目的のためにデータを直接交換する近傍通信ノード10の定義に対応する。候補近傍ノード通信パターンは、例えば、複数の所定の近傍ノード通信パターンの中から選択される。候補近傍ノード通信パターンは、通信ノード10によって適用されるとき、各通信ノード10における部分グラフ、すなわち、スーパーグラフにわたって繰り返されるスキームを定義する。
【】
図5は、図3の規則的フォーメーションの所定の近傍ノード通信パターンの例を概略的に表している。図5の部分a)は、近傍ノード通信パターンが、ランク1の近傍ノード、すなわち距離lにある通信ノード10(すなわち隣接するノード)とのみデータを直接交換するものである一例を表している。図5の部分b)は、近傍ノード通信パターンが、ランク1の近傍ノード及びランク2の近傍ノード、すなわち距離lにある通信ノード10及び距離2lにある通信ノード10とのみデータを直接交換するものである一例を表している。図5の部分c)は、近傍ノード通信パターンが、ランク1、2及び3の近傍ノード、すなわち距離l、2l及び3lにある通信ノード10とのみデータを直接交換するものである一例を表している。
【】
ステップS40の間、基準デバイス20は、考慮対象の通信パラメータの候補値も選択する。例えば、通信パラメータは、以下のものを含む。
通信リンクにおいて使用される変調:この選択は、{BPSK,QPSK,16QAM,64QAM}等の所定の値の集合の中から候補値を選択することに対応することができる。
通信リンクにおいて使用される符号化レート:この選択は、{3/4,2/3,1/2,1/3}等の所定の値の集合の中から候補値を選択することに対応することができる。
通信リンクにおいて使用される送信電力:この選択は、送信電力の所定の値の集合の中から候補値を選択することに対応することができる、等。
【】
選択される候補値の数を削減するために、選択において、好ましくは、通信パラメータの同じ候補値が、各通信ノードによって送信される各パケットについて考慮されるものと仮定する。したがって、変調通信パラメータの候補値が16QAMに対応する場合には、16QAM変調が近傍ノード通信パターンの全ての通信リンクについて考慮される。他の変調についても同様である。これは、例えば、各通信ノードが、近傍ノード通信パターンの通信リンクにおいて他の通信ノードとデータを交換するために、ブロードキャスト通信方式又はマルチキャスト通信方式を使用する場合に当てはまる。ただし、例えばポイントツーポイント通信方式(ユニキャスト)を使用することも可能であり、その場合には、通信ノードによって送信される各パケットは、受信側通信ノードを問わず、通信パラメータの同じ候補値を使用するものと仮定する。
【】
続いて、Pcomとして参照される考慮対象の通信パラメータが、変調符号化方式(MCS)及び送信電力PTxに対応するものと非限定的に考えることにする。
【】
図4に示すように、方法40は、基準デバイス20が、候補近傍ノード通信パターンと、通信パラメータPcomの候補値とに基づいて候補通信性能プロファイルを求めるステップS41も含む。通信性能プロファイルは、候補近傍ノード通信パターンの通信リンクにおいて通信パラメータの候補値について達成されると予想される通信性能(例えばPER、PDR等)に対応する。
【】
好ましい実施形態において、候補通信性能プロファイルは、所定の伝播モデル及び所定の通信性能モデルに基づいて推定することができる。
【】
伝播モデルは、異なる通信リンクにおいて経験される伝播チャネルのモデルに対応する。
【】
通信性能モデルは、種々の伝播条件に対して、通信パラメータの種々の値を用いて達成することができる通信性能(例えば、PER、PDR等)のモデルに対応する。例えば、通信性能モデルは、通信パラメータの種々の値及び種々の伝播条件に関連したPDRを提供することができる。例えば、候補近傍ノード通信パターンの所与の通信リンクについて、伝播モデルは、予想される雑音及び干渉レベル、予想されるシャドーイング等の推定値を提供することができる。考慮対象の通信リンクの送信電力PTxの候補値及び2つの通信ノード10の間の距離を更に考慮することによって、考慮対象の通信リンクの信号対雑音比(SNR)を推定することが可能である。次に、通信性能モデルは、推定されたSNRのMCSの候補値に関連した予想されるPDRを提供することができる。これは、候補近傍ノード通信パターンの各通信リンクについて行うことができるため、候補近傍ノード通信パターンの候補通信性能プロファイルが提供される。全ての通信ノード10は、規則的フォーメーションに全体にわたって同じ通信パラメータを適用するので、大きなシステム負荷(大きなパケットレート)の場合であっても、全ての通信ノード位置ではなく送信機通信ノードと受信機通信ノードとの間の距離、及び、同じ通信パラメータにのみ依存する通信性能モデルに依存することが可能になる。規則的フォーメーションと、全ての通信ノードについて同じ近傍ノード通信パターンとがあるので、これに加えて、各通信ノードについて送信機通信ノードと受信機通信ノードとの間に同じ距離が設定され、したがって、全ての通信ノードについて同じ通信性能プロファイルがある。
【】
そのような通信性能モデルは、解析的表現又は一組の数値的ルックアップテーブルLUT等を使用して記述することができる。
【】
図6は、図5の部分c)に表される例示的な近傍ノード通信パターンの一例示的な候補通信性能PDRプロファイルを概略的に表している。図6に示すように、候補通信性能プロファイルは、距離l(ランク1の近傍ノード)の第1のPDR値PDR1と、距離2l(ランク2の近傍ノード)の第2のPDR値PDR2と、距離3l(ランク3の近傍ノード)の第3のPDR値PDR3とを含む。
【】
図4に示すように、方法40は、基準デバイス20が、制御パラメータ及び候補通信性能プロファイルに基づいて、協調制御アルゴリズムの制御性能レベルを推定するステップS42を含む。
【】
例えば、コンセンサスアルゴリズムの場合には、制御性能レベルは、コンセンサスアルゴリズムの収束速度に関係する可能性がある。ステップ単位の収束係数γ
sは収束速度を表す(ステップ単位の収束係数γ
sが小さいほど、収束速度は速くなる)。したがって、制御性能レベルは、その場合に上限γ
sとすることができる。候補通信性能プロファイル(例えばPDR)は、部分グラフに関連した平均ラプラシアン行列
【数】
と、場合によって平均相関行列
【数】
とを求めるのに使用することができる。この行列は、その後、ステップ単位の収束係数γ
sを推定するために制御パラメータαの値とともに使用することができる。したがって、この例では、制御性能レベルを推定することは、制御パラメータα、通信パラメータP
comの候補値及び候補近傍ノード通信パターンCの上限γ
s(α,P
com,C)の計算を再開することができる。
【】
図4に示すように、方法40は、基準デバイス20が、候補近傍ノード通信パターンC及び通信パラメータP
comの候補値を使用するときに通信ノード10によって生成される干渉レベルを推定するステップS43を含む。例えば、干渉レベルは、コンセンサスアルゴリズムの目的で送信される所定のデータ量に基づいて推定することもできる。生成される干渉のレベルを表す任意のパラメータを考慮することができる。例えば、干渉レベルは、通信リンクの占有の継続時間、必要とされる最大送信電力、又は平均送信電力等として推定することができる。以下では、干渉レベルが平均送信電力
【数】
によって表されるものと非限定的に仮定する。
【】
図4に示すように、ステップS40、S41、S42及びS43は、通信パラメータの種々の候補値及び種々の候補近傍ノード通信パターンを考慮することによって繰り返すことができる。したがって、通信パラメータの各候補値、候補近傍ノード通信パターン及び候補通信性能プロファイル(通信パラメータの候補値及び候補近傍ノード通信パターンに基づいて求められる)を含む種々の候補集合が考慮される。干渉レベル及び制御性能レベルが、各候補集合について推定される。
【】
図4に示すように、方法40は、推定された制御性能レベルが所定の制御性能基準を満たすとともに、推定された干渉レベルが所定の干渉基準を満たす候補集合を求めるステップS44を含む。制御性能基準及び干渉基準の双方が満たされる候補近傍ノード通信パターン、通信パラメータの候補値及び候補通信性能プロファイルは、それぞれ基準近傍ノード通信パターン、通信パラメータの基準値及び基準通信性能プロファイルと呼ばれ、一括して基準集合と呼ばれる。
【】
方法40は、任意の適した制御性能基準を使用することができ、特定の制御性能基準の選択は、本開示の特定の実施形態に対応する。例えば、制御性能レベルが、コンセンサスアルゴリズムの収束速度を表す場合には、推定された収束速度が目標収束速度以上であるときに、制御性能レベル基準を満たすことができる。例えば、目標のステップ単位の収束係数γtargetを定義することが可能であり、制御性能基準は、γs(α,Pcom,C)≦γtargetである場合に満たされるとみなすことができる。
【】
方法40は、任意の適した干渉基準を使用することができ、特定の干渉基準の選択は、本開示の特定の実施形態に対応する。例えば、干渉基準は、推定された干渉レベルが最小にされるか又は所定の閾値未満であるときに満たされる。
【】
例えば、制御性能基準を満たす候補近傍ノード通信パターン及び通信パラメータの候補値の集合
【数】
すなわち、
【数】
を特定することが可能である。
【】
次に、基準近傍ノード通信パターン
【数】
及び通信パラメータの基準値
【数】
は、干渉基準が満たされる候補近傍ノード通信パターン及び通信パラメータの候補値を検索することによって集合
【数】
内で選択することができる。例えば、平均送信電力
【数】
が最小にされるときに干渉基準が満たされる場合には、
【数】
である。
【】
次に、基準集合の全て又は一部を、通信ノード10の間の通信リンクを構成するのに使用することができる。
【】
上述したように、基準集合は、基準デバイス20によって求められる。基準デバイス20は、通信ノード10のうちの1つとすることもできるし、或いは、この通信ノード10とは別個であり、基準集合の全て又は一部を通信ノード10の全て又は一部に直接及び/又は間接的に送信することが可能なものとすることもできる。基準デバイス20は1つ以上存在してもよいことに留意すべきである。例えば、全ての通信ノード10の通信リンクを構成するのに使用される基準集合を求める基準デバイス20が1つしか存在しない場合もある。いくつかの場合には、基準集合を独立して求める複数の基準デバイス20が存在する場合があり、各基準デバイス20は、通信ノード10の部分集合の通信リンクを構成する。いくつかの場合には、各通信ノード10は、基準デバイス20とすることができ、各通信ノード10は、その場合に、それ自身の通信リンクのみを構成するのに使用されるそれ自身の基準集合を求める。
【】
図4に示される例では、通信ノード10とすることができる基準デバイス20は、通信ノード10のうちの複数又は全ての通信リンクを構成するものと仮定され、方法40は、その場合に、基準デバイス20が基準集合の全て又は一部を通信ノード10に分配するステップS45を含む。その後、各通信ノード10は、受信情報を、通信リンクを構成するのに使用する。
【】
例えば、基準デバイス20は、基準近傍ノード通信パターン及び通信パラメータの基準値のみを通信ノード10に送信することができ、各通信ノード10は、通信パラメータの基準値を使用して基準近傍ノード通信パターンによって定義される通信リンクにおいて、データをその近傍と交換する。
【】
別の例によれば、基準デバイス20は、基準近傍ノード通信パターンを暗黙的に定義する基準通信性能プロファイルのみを通信ノード10に送信することができる。その後、各通信ノード10は、例えば、基準近傍ノード通信パターンの通信リンクにおいて基準通信性能プロファイルを達成するように通信パラメータの値を局所的に適合させることができる。制御性能レベルは、主として通信性能プロファイル(例えばPDR)に依存する。所与の通信ノード10によって経験される実際の伝播条件は、伝播モデルから得られる予想された伝播条件と異なる場合があり、及び/又は、通信ノードの相対位置は、目標の規則的フォーメーション(すなわち、フォーメーションは厳密には規則的でない場合がある)と異なる可能性があるので、したがって、通信パラメータの基準値を実施する代わりに、基準通信性能プロファイルを実施することが有利である。当業者に既知の任意の方法を使用して、基準通信性能プロファイルを達成するように局所適応を行うことができる。通信ノード10が、通信パラメータの基準値も基準デバイス20から受信する場合には、それらの通信パラメータの基準値は、局所適応方式で通信パラメータの値を初期化するのに使用することができる。
【】
制御パラメータの所与の値について、通信ノード10が基準通信性能プロファイルを正確に実施する限り、収束速度は達成される。一方、通信ノード10が基準通信性能プロファイルよりも良好な通信性能プロファイルを達成する場合には、コンセンサスアルゴリズムが発散する場合が起こり得る。また、通信ノード10が基準通信性能プロファイルよりも僅かに不十分に通信性能プロファイルを達成する場合には、コンセンサスアルゴリズムは収束するが、目標収束速度よりも遅い収束速度で収束する場合がある。
【】
したがって、好ましい実施形態において、第1の基準通信性能プロファイル及び第2の基準通信性能プロファイルが求められ、第2の基準通信性能プロファイルは、より高い通信性能を有する。第1の基準通信性能プロファイル及び第2の基準通信性能プロファイルの双方によって、制御性能基準(例えば、目標収束速度)を満たすことが可能になり、少なくとも第1の基準通信性能プロファイルの干渉基準が満たされる。したがって、第1の基準通信性能プロファイルは、近傍通信パターンの通信リンクにおける通信性能の下限に対応する一方、第2の基準通信性能プロファイルは、その上限に対応する。図7は、第1の基準通信性能プロファイル
【数】
及び第2の基準通信プロファイル
【数】
の一例を概略的に表している。したがって、各通信ノード10は、下限
【数】
と上限
【数】
との間に含まれる通信性能プロファイルを達成するように通信パラメータの値の局所適応を行う。そのような対処は、制御性能基準を引き続き満たしながら、実際の通信性能のいくつかの変動が認められるという点で有利である。更なる例を以下に説明する。
【】
全ての通信ノード10は、規則的フォーメーションの全体にわたって同じ近傍ノード通信パターンを適用するので、提案された方法40は、とりわけ以下の利点を有する。
生成される干渉のレベルも、フォーメーションの全体にわたって同じであること。
単純化された通信性能モデルに依存することが可能であること。
全ての通信ノード10が同じパラメータを適用するので、最適化するパラメータの数が通信ノード10の数に依存しないこと。
基準デバイス20から通信ノード10に送信される情報(基準集合の全て又は一部)の量が限られること。この情報は、例えば、マルチホップブロードキャストの解決策又はマルチキャストの解決策を使用して送信することができる。
【】
図4に表される例では、制御パラメータαの値は最適化されない。例えば、制御パラメータαの値は、所定の値に設定することもできるし(すなわちα(C)=α0 ∀C)、候補近傍ノード通信パターンによって完全に定義することもできる。制御パラメータαの値も、ステップS45の間に通信ノード10に分配することができる。一方、通信ノード10は、基準近傍ノード通信パターンが制御パラメータの値を完全に定義する場合には、基準近傍ノード通信パターンを使用して制御パラメータαの値を求めることもできる。
【】
第1の例によれば、制御パラメータαの値は、以下の値に設定することができる。
【数】
ここで、deg
maxは、スーパーグラフの最大次数である。したがって、この値は、選択された候補近傍ノード通信パターンによって定義される。この解決策の主な利点は、達成される通信性能プロファイルがどのようなものであっても、この解決策が少なくとも無向グラフについてコンセンサスアルゴリズムの収束を保証することである。構成によって、この解決策は、干渉レベルの大幅な増加を犠牲にするが、最も高いロバスト性を達成する(パラメータが小さくなるにつれて、この解決策は、大きなPDRが機能することを必要とする)。
【】
第2の例によれば、制御パラメータαの値は、以下の値に設定することができる。
【数】
ここで、λ
2及びλ
maxは、スーパーグラフの決定論的ラプラシアン行列のそれぞれ第2の固有値及び最大固有値であり、固有値は、0=λ
1<λ
2≦...≦λ
maxのように順序付けられている。この値は、選択された候補近傍ノード通信パターンによっても定義される。この手法は、最適なものに対して干渉レベルの相対的な小さな劣化について、非常に良好なロバスト性、すなわち可能な最大ロバスト性を達成することが示されている。
【】
しかしながら、これらの解決策は、例えば、システムがより速い収束速度を必要とするいくつかの状況において、又は、干渉レベルを更に低減することが必要とされることから、満足のいくものに思えない場合がある。
【】
図8は、方法40が制御パラメータαを更に構成する好ましい実施形態の主なステップを表している。図4を参照して論述されたステップに加えて、方法40は、制御パラメータの候補値を選択するステップS46を更に含む。制御性能レベルは、制御パラメータαの選択された候補値に基づいて推定される。異なる制御性能レベル及び異なる干渉レベルが、制御パラメータαの異なる候補値について推定され、候補集合は、制御パラメータの選択された候補値を更に含む。したがって、制御パラメータαの値も、制御性能基準及び干渉基準の双方が満たされることを保証するように最適化される。制御パラメータαの値は、収束速度が目標収束速度以上であることを保証しながら、生成される干渉を更に低減する追加の自由度を提供するのに使用することができる。
【】
例えば、制御性能基準を満たす制御パラメータの候補値、候補近傍ノード通信パターン及び通信パラメータの候補値の集合
【数】
すなわち、以下の式の集合を特定することが可能である。
【数】
【】
次に、制御パラメータの基準値
【数】
、基準近傍ノード通信パターン
【数】
及び通信パラメータの基準値
【数】
は、干渉基準が満たされる制御パラメータの候補値、候補近傍ノード通信パターン及び通信パラメータの候補値を検索することによって集合
【数】
内で選択することができる。例えば、平均送信電力
【数】
が最小にされるときに干渉基準が満たされる場合には、
【数】
である。
【】
ステップS45の間に、制御パラメータの基準値
【数】
は、通信ノード10に分配され、各通信ノード10がコンセンサスアルゴリズムを局所的に構成するのに使用される。
【】
§詳細な例
通信リンク及び制御パラメータを構成する方法40の、より詳細な例示的実施形態を以下に説明する。
【】
全ての通信ノード10が一直線に並べられ、隣接する通信ノード10の間の距離lが隣接する通信ノード10のいずれの対について同じである規則的フォーメーション(1D格子点)に、n個の通信ノード10が配置されるものと仮定する。
【】
これらの通信ノード10は、データを交換するのに通信リンクを使用してコンセンサスアルゴリズムを適用するものと仮定する。通信性能プロファイルは、規則的フォーメーションにおける達成可能な距離に関連したPDRの有限集合によって完全に定義されるものと非限定的に考えることにする(相関が存在しても無視される。すなわち、
【数】
である)。PDRの通信性能モデルf
PDRが規則的フォーメーションに利用可能であることも仮定する。距離
【数】
だけ隔てられた通信ノード10の対の間の通信リンクについて、通信性能は、通常、以下の関数として定義される。
【数】
ここで、P
Txは送信電力の候補値であり、
【数】
はMCSの候補値であり、N
pは、交換されるデータパケットのパケットサイズ(例えばバイト数)であり、P
AWGNは、雑音レベル(例えば伝播モデルによって提供され、外部干渉も含むことができる)であり、
【数】
は、伝播パラメータ(例えば伝播モデルによって提供されるパス利得、シャドーイング等)に対応し、ρ
pは、時間におけるパケットレート(パケット時間密度)であり、ρ
vは、空間における通信ノードレート(ノード空間密度)である。ρ
p及びρ
vは、この例では、通信ノード10のパケットの送信を妨げるおそれがあり、それによってPDRに影響を与えるおそれがある伝播チャネルの占有に対処するために考慮される。
【】
候補近傍ノード通信パターン(又は部分グラフ)は、通信ノード10がデータを直接交換する近傍ノードの最大ランクrによって異なる既定の近傍ノード通信パターンの中から選択される。したがって、r=1である場合には、通信ノード10は、ランク1の近傍ノード、すなわち距離lにある通信ノード10(すなわち隣接するノード)とのみデータを直接交換する。r=2である場合には、通信ノード10は、ランク1の近傍ノード及びランク2の近傍ノード、すなわち距離lにある通信ノード10及び距離2lにある通信ノード10とのみデータを直接交換する。r=3である場合には、通信ノード10は、ランク1、2及び3の近傍ノード、すなわち距離l、2l及び3lにある通信ノード10とのみデータを直接交換する。rの他の値についても同様である。換言すれば、インデックスrの候補近傍ノード通信パターンCについて、各通信ノード10は、両側のr個までの近傍ノードである多くとも2×r個の近傍ノードとデータを交換する。もちろん、規則的フォーメーションの先頭付近及び末尾付近に位置する通信ノード10は、両側にr個の近傍ノードを有しない場合があり、近傍ノードの実際の数は、規則的フォーメーションにおける考慮対象の通信ノード10の位置に応じてrと2×rとの間にある。
【】
選択された候補近傍ノード通信パターンC(スカラー値C=2×rとして以下で定義される)に対処するために、通信性能モデルf
RX-PDRが以下のように定義される。
【数】
ここで、1
Eは指示(又は特性)関数である。すなわち、
【数】
は、
【数】
(すなわち
【数】
)である場合には1に等しく、それ以外の場合には0に等しい。換言すれば、PDRは、考慮対象の通信リンク(
【数】
によって定義される)が、選択された候補近傍ノード通信パターンCに存在しない場合にはヌルであり、それ以外の場合にはf
PDRに等しい。
【】
通信性能モデルは、解析的表現を使用して又は一組の数値LUTとして問題なく記述することができる。記憶されるデータ量を削減するために、通信性能モデルは、以下のように単純化することができる。第1に、通信ノード10の間の平均距離に従って距離を正規化することができ、すなわち
【数】
であり、
【数】
における伝播パラメータのうちのいくつかを1/ρ
vによって正規化することができ、β
cが得られる。
【数】
【】
第2に、送信電力及びノード空間密度ρ
vを1つのパラメータd
covのみに置き換えることができる。
【数】
ここで、d
covは、例えば10%に等しい所定の目標PERを有する自己干渉もシャドーイングもない(例えば平均パス利得及びAWGNのみを考慮する)正規化されたカバレッジ距離と定義される。換言すれば、d
covは、目標PERがパケット衝突なしで(シャドーイングを伴わない純粋なAWGNの場合)理論的に取得される正規化されたカバレッジ距離に対応する。
【】
目標PERによって、AWGNチャネルのパケットエラーレートを与える所定のパケットエラーレート関数
【数】
(LUT、相補エラー関数ベースモデル、飽和関数を有する対数線形モデル等)を使用すると、目標SNRのSNR
reqが得られる。したがって、目標PER、候補
【数】
及びN
pが与えられると,パケットエラーレート関数f
PERは、目標SNRのSNR
reqを求めることを可能にする。次に、距離とPERとの間の関係が、パス利得モデルPG(d)から得られる。
【数】
【】
例えば、以下の式のワンスロープパス利得モデルを使用することが可能である。
【数】
ここで、
Gは1/ρ
vのチャネルアンテナ利得であり、
α
cはパス損失指数であり、
χは、標準偏差σ
cを有する対数正規分布シャドーイング係数である。
【】
最後に、正規化されたカバレッジ距離d
covは、例えば、以下のように定義することができる。
【数】
【】
dcovを使用することの利点は、送信電力と距離に関する変数との間の直接的関係を提供することである。
【】
上述したように、本明細書では、制御パラメータα、通信パラメータP
com及び近傍ノード通信パターンCが構成される場合を検討する。例えば、制御性能基準を満たす集合
【数】
を最初に特定することが可能であり、
【数】
次に、干渉基準を満たす
【数】
を求めることが可能である。例えば、平均送信電力
【数】
が最小にされるときに干渉基準が満たされる場合に、
【数】
と仮定すると(ここで、
【数】
は伝播チャネル占有率である)、以下の式が得られる
【数】
【】
送信電力P
Txに関する最適化を回避するために、の式は、以下のように表すことができる。
【数】
【】
したがって、通信パラメータP
comは、正規化されたカバレッジ距離d
cov及び
【数】
であるとみなすことができる。
【】
通信性能モデルをステップ単位の収束係数上限γsの式に挿入することによって、高度に非線形なモデルが得られるが、使用するには多くの計算コストを要する場合がある。好ましくは、異なるパラメータが連続的に最適化される、準最適であるがより単純な最適化を行うことが可能である。ただし、他の最適化ストラテジーを考慮することができ、特定の最適化ストラテジーの選択は、本開示の特定の実施形態に対応する。
【】
第1のフェーズにおいて、可能な各近傍ノード通信パターン及び許容可能なd
cov(送信電力は必然的に制限される)の全範囲について、近傍ノード通信パターンにおいて最も長い距離のPDRを最大にする
【数】
が探索される。
【数】
ここで、d
max(C)=rは、近傍ノード通信パターンCの最大正規化距離である。次に、通信性能モデルにおける
【数】
を取り替えることができる。これは、正規化されたカバレッジ距離d
cov及び近傍ノード通信パターンCにのみ依存する。対応する通信性能モデル
【数】
は、例えば以下の式によって与えられる。
【数】
【】
第2のフェーズにおいて、各候補近傍ノード通信パターンC及び全ての許容可能なd
covについて、上限γ
sを最小にする制御パラメータ
【数】
を探索することができる。
【数】
ここで、
【数】
であり、
【数】
であり、
(d
i)
i∈[1,r]は、近傍ノード通信パターンの一連の距離である。
【】
したがって、γ
sは、この時、通信パラメータ及び近傍ノード通信パターンではなく通信性能プロファイルCPP(C,d
cov)によって等価的にパラメータ化される。以下の式のように、目標収束速度を達成するd
covの候補値の集合
【数】
、および、生成される干渉を最小にする正規化されたカバレッジ距離
【数】
が以下のように求められる。
【数】
【】
第3のフェーズにおいて、以下の式のように、干渉を最小にする近傍ノード通信パターン
【数】
が求められる。
【数】
【】
したがって、この例では、基準集合は、制御パラメータの基準値
【数】
と、正規化されたカバレッジ距離の基準値
【数】
と、基準変調符号化方式
【数】
と、基準近傍ノード通信パターン
【数】
とを含むことができる。
【】
で説明したように、通信ノード10は、基準通信性能プロファイル以上の通信性能プロファイルを達成して収束速度を保証するように通信パラメータの値を局所的に適応させることができる。同時に、PDRは、あまり高くないので、コンセンサスアルゴリズムが発散するのを防止することができる。したがって、目標収束速度が達成されることを確保するとともに、PDRにおけるいくつかの変動を可能にするように、
【数】
及び
【数】
によってそれぞれ表される第1の基準通信性能プロファイル及び第2の基準通信性能プロファイルを定義することが有利である。例えば、第1の基準通信性能プロファイル
【数】
は、
【数】
と定義される通信性能プロファイルとすることができる(すなわち、で求められた、正規化されたカバレッジ距離の基準値
【数】
及び基準近傍ノード通信パターン
【数】
を考慮する)。第2の基準通信性能プロファイル
【数】
は、
【数】
と定義される通信性能プロファイルとすることができる。ここで、
【数】
である。
【】
したがって、第1の基準通信性能プロファイル
【数】
及び第2の基準通信性能プロファイル
【数】
は、ともに制御性能基準を満たす。干渉基準は、第1の基準通信性能プロファイル
【数】
について満たされる。生成される干渉に対する制約は、第2の基準通信性能プロファイルについて緩和される。
【】
この手法は、PDR変動に対する或る種のロバスト性を提供する。ただし、いくつかの場合には、許容される変動は、例えば数十デシベルまでの過度に小さいものとみなすことができる。
【】
次に、第1の基準通信性能プロファイル及び第2の基準通信性能プロファイルを求める別の例について説明する。この例では、目標は、局所適応エラーに対する目標ロバスト性を達成することである。したがって、目標ロバスト性係数Rtargetが取得され、第1の基準通信性能プロファイル及び第2の基準通信性能プロファイルの中の少なくとも一方は、この目標ロバスト性係数Rtargetに基づいて求められる。
【】
ロバスト性係数Rは、通信性能プロファイルの間の距離の尺度として見ることができる。例えば、通信性能プロファイルは、直感的に、制御性能に対する通信性能の影響の関連のある尺度であるそれらの平均値(距離にわたる平均値)によって特徴付けることができる。正規化された距離を取得するために、ロバスト性係数を、例えば、以下のように定義することができる。
【数】
ここで、
【数】
は、通信性能プロファイルPDRの平均値を示す。すなわち
【数】
である。ただし、rは非ゼロのPDR値である。この規則を用いると、近傍ノード通信パターンにおける全ての距離について、PDR
+=1である場合にはR=1であり、PDR
+=PDR
-である場合にはR=0である。
【】
したがって、目標は、例えば、第1の基準通信性能プロファイル
【数】
の平均送信電力
【数】
を最小にしながら(ただし、
【数】
については、単一の基準通信性能プロファイルが前述した方法に従って求められたとき以上の値を有する)、目標(γ
target、R
target)を達成する(より高い通信性能を有する)第1の基準通信性能プロファイル
【数】
及び第2の基準通信性能プロファイル
【数】
を見つけることである。これは、第1の基準通信性能プロファイル
【数】
が達成可能である必要がある場合には、超えてはならない上限に過ぎない第2の基準通信性能プロファイル
【数】
については当てはまらないことを付記しておく。したがって、以下の式のように、仮想的な第2の候補通信性能プロファイルvPDR
+を構築することを提案する。
【数】
【】
次に、目的は、目標ロバスト性係数R
targetを所与として、制御性能基準(目標収束速度γ
target)が、引き続きPDR
-の平均送信電力
【数】
を最小にするという制約下で、PDR
-及びvPDR
+の双方について達成されるような候補通信性能プロファイルPDR
-及び制御パラメータαの候補値を見つけることである。これは、種々の方法で行うことができる。非限定的な例によれば、上述した第2のフェーズを次のように変更することが可能である。第2のフェーズにおいて、各候補近傍ノード通信パターンC及び全ての許容可能なd
covについて、第1の候補通信性能プロファイルPDR
-(d
cov)及び関連した仮想的な第2の候補通信性能プロファイルvPDR
+に対して目標速度γ
targetを達成する制御パラメータαの最適値が探索される。
【数】
【】
次に、上述したように、基準集合の検索を実施することができる。これを行うことによって、第1の基準通信性能プロファイル
【数】
及び第2の基準通信性能プロファイル
【数】
が求められ、通信ノード10に分配される。通信ノード10では、それらの基準通信性能プロファイルは、通信性能プロファイルを境界付けするのに使用される。
【】
図9は、方法40を実施するのに適した基準デバイス20の一例示的な実施形態を概略的に表している。
【】
この例示的な実施形態において、基準デバイス20は、処理回路21と、処理回路21に結合された無線通信ユニット22とを備える。例えば、処理回路21は、1つ以上のプロセッサと、コンピュータプログラム製品が記憶される記憶手段(磁気ハードディスク、ソリッドステートディスク、光ディスク、電子メモリ等)とを備える。代替的に又は組み合わせて、処理回路21は、1つ以上のプログラマブルロジック回路(FPGA、PLD等)及び/又は1つ以上の専用集積回路(ASIC)、及び/又は一組のディスクリート電子構成要素等を備えることができる。無線通信ユニット22は、例えば、当業者に既知であると考えられる構成要素(アンテナ、増幅器、局所発振器、ミキサー、アナログ及び/又はデジタルフィルタ等)を備える無線周波数回路を備える。無線通信ユニット22は、ITS-G5、IEEE WAVE又は3GPP Cellular-V2X標準規格等によって定義されるような1つ以上のV2V通信プロトコルを含むことができる1つ以上の通信プロトコルに適合している。
【】
通信ノード10も、基準デバイス20と同じ要素、すなわち処理回路及び無線通信ユニットを備えることができる。特に、基準デバイス20でない各通信ノード10は、その無線通信ユニットを介して、基準集合の全て又は一部を受信するとともに、上述したように、受信情報に基づいてその通信リンクを構成するように構成することができる。
【】
本発明はの例示的な実施形態に限定されるものではないことを強調しておく。の例示的な実施形態の変形形態も本発明の範囲内にある。
【】
例えば、一群の車両のうちの車両に組み込まれた通信ノード10に焦点を当てることによって提供されてきた。しかしながら、実質的に規則的なフォーメーションに従って配置された通信ノード10がコンセンサスアルゴリズム等の協調制御アルゴリズムに関するデータを交換するために無線通信リンクによって連結されている任意のアプリケーションにも適用される。
【図】
【図】
【図】
【図】
【図】
【図】
【図】
【図】
【図】
【手続補正書】
【提出日】
【手続補正】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項】
複数の通信ノードの間の通信リンクを構成する方法であって、前記通信リンクは、協調制御アルゴリズムに関するデータの交換に使用され、前記協調制御アルゴリズムは、少なくとも1つの制御パラメータを含み、前記通信ノードは、
固定の規則的フォーメーションに従って配置され、前記方法は、
基準デバイスが、前記規則的フォーメーションの
複数のあらかじめ決められた近傍ノード通信パターンの中の候補近傍ノード通信パターンと、少なくとも1つの通信パラメータの候補値とを選択することと、
前記基準デバイスが、前記候補近傍ノード通信パターンと、前記少なくとも1つの通信パラメータの候補値とに基づいて候補通信性能プロファイルを求めることと、
前記基準デバイスが、前記少なくとも1つの制御パラメータと、前記候補通信性能プロファイルとに基づいて、前記協調制御アルゴリズムの制御性能レベルを推定することと、
前記基準デバイスが、前記候補近傍ノード通信パターンと、前記少なくとも1つの通信パラメータの候補値とを使用するときに、前記通信ノードによって生成される干渉レベルを推定することと、
を含み、
所定の制御性能基準及び所定の干渉基準がともに満たされるまで、異なる候補近傍ノード通信パターンと、前記少なくとも1つの通信パラメータの異なる候補値とについて、異なる制御性能レベル及び異なる干渉レベルが推定され、それによって、基準近傍ノード通信パターンと、前記少なくとも1つの通信パラメータの基準値と、基準通信性能プロファイルとを有する基準集合が特定され、
前記基準集合の全て又は一部は、通信ノードの間の通信リンクを構成することに使用される、方法。
【請求項】
前記少なくとも1つの制御パラメータの異なる候補値について異なる制御性能レベル及び異なる干渉レベルを推定することによって、前記少なくとも1つの制御パラメータを構成することを更に含み、
前記基準集合は、前記協調制御アルゴリズムを構成することに使用される前記少なくとも1つの制御パラメータの基準値を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項】
前記候補通信性能プロファイルは、伝播モデル及び通信性能モデルに基づいて更に推定される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項】
少なくとも1つの通信ノードは、前記少なくとも1つの通信ノードの前記通信リンクにおいて前記基準通信性能プロファイルを達成するために、前記少なくとも1つの通信パラメータの値の局所適応を行う、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項】
前記基準集合の第1の基準通信性能プロファイル及び第2の基準通信性能プロファイルを求めることを含み、
前記第2の基準通信性能プロファイルは、
前記制御性能基準が、前記第1の基準通信性能プロファイル及び前記第2の基準通信性能プロファイルの双方について満たされ、
前記干渉基準が、少なくとも前記第1の基準通信性能プロファイルについて満たされる、
高い通信性能を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項】
目標ロバスト性係数を取得することを含み、
前記第1の基準通信性能プロファイル及び前記第2の基準通信性能プロファイルの中の少なくとも一方は、前記目標ロバスト性係数に基づいて求められる、請求項5に記載の方法。
【請求項】
少なくとも1つの通信ノードは、前記第1の基準通信性能プロファイル及び前記第2の基準通信性能プロファイルによって境界付けされる通信性能プロファイルを前記少なくとも1つの通信ノードの前記通信リンクにおいて達成するために、前記少なくとも1つの通信パラメータの値の局所適応を行う、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項】
前記基準デバイスが、前記協調制御アルゴリズムの目標収束速度を取得することを含み、
前記推定された制御性能レベルは、前記協調制御アルゴリズムの推定された収束速度であり、
前記制御性能基準は、前記推定された収束速度が前記目標収束速度以上であるときに満たされる、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項】
前記干渉基準は、推定された前記干渉レベルが最小にされるか又は所定の閾値未満であるときに満たされる、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項】
前記協調制御アルゴリズムはコンセンサスアルゴリズムである、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項】
前記基準デバイスは、前記通信ノードのうちの1つである、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項】
少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1~11のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成する命令を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項】
無線通信ユニットと、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成される処理回路とを備える、デバイス。
【請求項】
複数の通信ノードと、少なくとも1つの請求項13に記載のデバイスとを備える通信システムであって、前記少なくとも1つのデバイスは、前記複数の通信ノードのうちの1つであるか、又は、前記複数の通信ノードから分離したものである、通信システム。
【請求項】
前記通信ノードは、一群の車両のそれぞれの車両に組み込まれる、請求項14に記載の通信システム。
【国際調査報告】