(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】
(54)【発明の名称】低融点ガラス組成物、物品及びそれらの作製方法
(51)【国際特許分類】
【FI】
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】
(86)(22)【出願日】
(85)【翻訳文提出日】
(86)【国際出願番号】
(87)【国際公開番号】
(87)【国際公開日】
(32)【優先日】
(33)【優先権主張国・地域又は機関】
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】398071440
【氏名又は名称】ザ・ペン・ステイト・リサーチ・ファウンデイション
【氏名又は名称原語表記】The Penn State Research Foundation
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クラーク、ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】トラウ、シェイリー
(72)【発明者】
【氏名】アストル、シエラ
(72)【発明者】
【氏名】マウロ、ジョン クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】マンチーニ、マシュー フランシス レーン
(72)【発明者】
【氏名】クック、グレン ベネット
(72)【発明者】
【氏名】ギャラガー、コリーン エリザベス
【テーマコード(参考)】
【Fターム(参考)】
4G062AA01
4G062BB01
4G062CC10
4G062DA03
4G062DA04
4G062DA05
4G062DB03
4G062DB04
4G062DC01
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4G062DD06
4G062DE01
4G062DE02
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4G062DF01
4G062EA01
4G062EA02
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4G062EA04
4G062EA10
4G062EB01
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4G062EB04
4G062EC01
4G062EC02
4G062EC03
4G062EC04
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4G062FE03
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4G062FL01
4G062GA01
4G062GA10
4G062GB01
4G062GC01
4G062GD01
4G062GE01
4G062HH01
4G062HH03
4G062HH04
4G062HH05
4G062HH07
4G062HH08
4G062HH09
4G062HH11
4G062HH12
4G062HH13
4G062HH15
4G062HH17
4G062HH20
4G062JJ01
4G062JJ03
4G062JJ05
4G062JJ07
4G062JJ10
4G062KK01
4G062KK03
4G062KK05
4G062KK07
4G062KK10
4G062MM01
4G062NN32
4G062NN34
(57)【要約】
本明細書では、ガラス組成物、開示されたガラス組成物から作製された物品、及びそれらを作製する方法が開示される。約25~約55mol%のP2O5、約5~約45mol%のSiO2、約5~約22mol%のAl2O3、約5~約30mol%のZnO、0超~約20mol%の総量のNa2O、K2O、及び/又はLi2O、約2~約8mol%のCaO、並びに/あるいは約2~約8mol%のMgOを含む、ガラス組成物が本明細書でより具体的に開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項】
ガラス組成物であって、
約25~約55mol%のP
2O
5、
約5~約45mol%のSiO
2、
約5~約22mol%のAl
2O
3、
約5~約30mol%のZnO、
0超~約20mol%の総量のNa
2O、K
2O、及び/又はLi
2O、
約2~約8mol%のCaO、並びに/あるいは
約2~約8mol%のMgO
を含む、ガラス組成物。
【請求項】
前記ガラス組成物が、従来のソーダ石灰シリケートガラス組成物の融点よりも少なくとも約150℃低い融点を示す、請求項1に記載のガラス組成物。
【請求項】
前記ガラス組成物が、従来のソーダ石灰シリケートガラス組成物の融点よりも少なくとも約250℃低い融点を示す、請求項1又は2に記載のガラス組成物。
【請求項】
前記ガラス組成物が約1,400℃未満の融点を示す、請求項1~3のいずれか一項に記載のガラス組成物。
【請求項】
最大約10mol%の量のFe
2O
3を更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のガラス組成物。
【請求項】
Fe
2O
3が最大約0.5mol%存在する場合、前記ガラス組成物が実質的に色を含まない、請求項5に記載のガラス組成物。
【請求項】
前記組成物が、約400~約800nmの可視範囲にわたって約0.49cm
-1以下の吸収係数平均を示す、請求項6に記載のガラス組成物。
【請求項】
前記ガラス組成物が、約400nm~約800nmの波長範囲にわたって約80%を超える透過率を示す、請求項6又は7に記載のガラス組成物。
【請求項】
Fe
2O
3が約0.5mol%~約5mol%の量で存在する場合、前記ガラス組成物が半透明の灰色である、請求項5に記載のガラス組成物。
【請求項】
銅、ニッケル、コバルト、クロム、銀、スズ、又はそれらの任意の組合せの酸化物を含む1つ以上の遷移金属酸化物を更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のガラス組成物。
【請求項】
前記1つ以上の遷移金属酸化物が最大約2mol%の量で存在する、請求項10に記載のガラス組成物。
【請求項】
前記ガラス組成物が半透明である、11に記載のガラス組成物。
【請求項】
前記ガラス組成物が、約400nm~約800nmの波長範囲にわたって約85%未満の透過率を示す、請求項11又は12に記載のガラス組成物。
【請求項】
前記ガラス組成物が複数のナノ粒子を含む、請求項10~13のいずれか一項に記載のガラス組成物。
【請求項】
前記ガラス組成物が1つ以上の希土類金属イオンを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載のガラス組成物。
【請求項】
前記1つ以上の希土類金属イオンが最大約10mol%の量で存在する、請求項15に記載のガラス組成物。
【請求項】
前記ガラス組成物がフォトルミネセンスである、請求項15又は16に記載のガラス組成物。
【請求項】
室温及び周囲圧力で測定した場合に、結晶化温度とガラス転移温度との間に約100℃を超える差を示す、請求項1~17のいずれか一項に記載のガラス組成物。
【請求項】
前記ガラス組成物がカルボナートを実質的に含まない、請求項1~18のいずれか一項に記載のガラス組成物。
【請求項】
前記ガラス組成物が100×10
-7K
-1より大きい線形温度膨張係数を示す、請求項1~19のいずれか一項に記載のガラス組成物。
【請求項】
前記ガラス組成物が約0.1kgfを超えるクラック耐性を示す、請求項1~20のいずれか一項に記載のガラス組成物。
【請求項】
前記ガラス組成物が約0.3kgfを超えるクラック耐性を示す、請求項1~21のいずれか一項に記載のガラス組成物。
【請求項】
前記ガラス組成物が約0.6kgfを超えるクラック耐性を示す、請求項1~22のいずれか一項に記載のガラス組成物。
【請求項】
前記ガラス組成物が約1.0kgfを超えるクラック耐性を示す、請求項1~23のいずれか一項に記載のガラス組成物。
【請求項】
請求項1~24のいずれか一項に記載のガラス組成物を含む物品。
【請求項】
食品用容器、食器、調理器具、板ガラス、窓、フロントガラス、ホローウェア、瓶、アート及びクラフトガラス物体、レーザホスト材料、光ファイバ、中空ファイバ、実験室で使用可能な容器、又はそれらの任意の組合せを含む、請求項25に記載の物品。
【請求項】
約25~約55mol%のP
2O
5、
約5~約45mol%のSiO
2、
約5~約22mol%のAl
2O
3、
約5~約30mol%のZnO、
0超~約20mol%の総量のNa
2O、K
2O、及び/又はLi
2O、
約2~約8mol%のCaO、並びに/あるいは
約2~約8mol%のMgO
を含む、ガラス組成物
を含む、ガラス物品。
【請求項】
前記ガラス組成物が、従来のソーダ石灰シリケートガラス組成物の融点よりも少なくとも約150℃低い融点を示す、請求項27に記載の物品。
【請求項】
前記ガラス組成物が、従来のソーダ石灰シリケートガラス組成物の融点よりも少なくとも約250℃低い融点を示す、請求項27又は28に記載の物品。
【請求項】
前記ガラス組成物が約1,400℃未満の融点を示す、請求項27~29のいずれか一項に記載の物品。
【請求項】
前記ガラス組成物がFe
2O
3を最大約10mol%の量で更に含む、請求項27~30のいずれか一項に記載の物品。
【請求項】
Fe
2O
3が最大約0.5mol%存在する場合、前記物品が実質的に色を含まない、請求項31に記載の物品。
【請求項】
前記組成物が、約400~約800nmの可視範囲にわたって約0.49cm
-1以下の吸収係数平均を示す、請求項32に記載の物品。
【請求項】
前記物品が、約400nm~約800nmの波長範囲にわたって約80%を超える透過率を示す、請求項32又は33に記載の物品。
【請求項】
前記ガラス組成物が約0.5mol%~約5mol%の量で存在するFe
2O
3を含む場合、前記物品は半透明の灰色である、請求項34に記載の物品。
【請求項】
銅、ニッケル、コバルト、クロム、銀、スズ、又はそれらの任意の組合せの酸化物を含む1つ以上の遷移金属酸化物を更に含む、請求項27~31のいずれか一項に記載の物品。
【請求項】
前記1つ以上の遷移金属酸化物が、前記ガラス組成物中に最大約2mol%の量で存在する、請求項36に記載の物品。
【請求項】
前記物品が半透明である、請求項37に記載の物品。
【請求項】
前記物品が、約400nm~約800nmの波長範囲にわたって約85%未満の透過率を示す、請求項37又は38に記載の物品。
【請求項】
前記ガラス組成物が複数のナノ粒子を含む、請求項36~39のいずれか一項に記載の物品。
【請求項】
前記ガラス組成物が1つ以上の希土類金属イオンを含む、請求項27~40のいずれか一項に記載の物品。
【請求項】
前記1つ以上の希土類金属イオンが最大約10mol%の量で存在する、請求項41に記載の物品。
【請求項】
前記物品がフォトルミネセンスを示す、請求項41又は42に記載の物品。
【請求項】
室温及び周囲圧力で測定した場合に、前記ガラス組成物が、結晶化温度とガラス転移温度との間に約100℃を超える差を示す、請求項27~43のいずれか一項に記載の物品。
【請求項】
前記ガラス組成物がカルボナートを実質的に含まない、請求項27~44のいずれか一項に記載の物品。
【請求項】
前記ガラス組成物が100×10
-7K
-1より大きい線形温度膨張係数を示す、請求項27~45のいずれか一項に記載の物品。
【請求項】
前記ガラス組成物が約0.1kgfを超えるクラック耐性を示す、請求項27~46のいずれか一項に記載の物品。
【請求項】
前記ガラス組成物が約0.3kgfを超えるクラック耐性を示す、請求項27~47のいずれか一項に記載の物品。
【請求項】
前記ガラス組成物が約0.6kgfを超えるクラック耐性を示す、請求項27~48のいずれか一項に記載の物品。
【請求項】
前記ガラス組成物が約1.0kgfを超えるクラック耐性を示す、請求項27~49のいずれか一項に記載の物品。
【請求項】
食品用容器、食器、調理器具、板ガラス、窓、フロントガラス、ホローウェア、瓶、アート及びクラフトガラス物体、レーザホスト材料、光ファイバ、中空ファイバ、チューブファイバ、実験室で使用可能な容器、又はそれらの任意の組合せを含む、請求項27~50のいずれか一項に記載の物品。
【請求項】
a)
約25~約55mol%のP
2O
5、
約5~約45mol%のSiO
2、
約5~約22mol%のAl
2O
3、
約5~約30mol%のZnO、
0超~約20mol%の総量のNa
2O、K
2O、及び/又はLi
2O、
約2~約8mol%のCaO、並びに/あるいは
約2~約8mol%のMgO
を提供することと、
b)均質な混合物を形成することと、
c)前記混合物を約1,000℃~約1,300℃の温度で溶融することと、
d)前記組成物を冷却して、請求項1~26のいずれか一項に記載のガラス組成物を形成することと、
を含む、方法。
【請求項】
前記方法が、前記ガラス組成物を含む物品を形成することを更に含む、請求項52に記載の方法。
【請求項】
前記方法が、従来のソーダ石灰ガラス組成物を作製する参照方法と比較して、CO
2排出の少なくとも約25%の減少を示す、請求項52又は53に記載の方法。
【請求項】
前記方法が、従来のソーダ石灰ガラス組成物を作製する参照方法と比較して、少なくとも約30%少ないbtuを必要とすることを含む、請求項52~54のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年3月15日に出願された米国仮出願第63/319,975号の利益を主張し、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【】
本発明は、概して、新規な低融点ガラス組成物、それを含むガラス物品、及びそれを作製する方法
【背景技術】
【】
数百万年前、ホモサピエンス(homo sapiens)は、天然に存在するガラスの有用性を発見した。ヒトは、5,000年超前にガラス物品の製造方法を学習した。ガラスの現代の有用性は非常に多様であり、商業的使用及び消費者使用の両方を含む。ガラスは、自動車産業、電子産業、分光学などに関連する商品用途及び技術用途に一般的に使用されている。多くの場合、ガラス物品はまた、様々な雰囲気に曝され、長期的に物品の耐久性を保証するために、ガラス組成物は、そのような環境に耐えるように設計される必要がある。例えば、容器ガラス、窓用の板ガラス、自動車フロントガラス、レーザホスト材料、繊維、チューブなどのガラス物品は、ボトル、花瓶、アート及びクラフトガラス物体、建築用窓、自動車フロントガラスなどの商品用途、並びにガラスチューブ、ガラス繊維、レーザホスト材料などの技術用途の両方で使用され、多くの場合、水分の環境攻撃に耐え、結果としてそれらの初期特性を失う可能性がある。したがって、それらの所望の物理的及び化学的特性を失うことなく水分への曝露に耐えることができるガラス組成物及びそれを含む物品が必要とされている。
【】
また、ガラスは、製造を通じて大気条件に大きな炭素の寄与をもたらすことが知られている。長時間の高熱形成プロセスの使用は、この炭素の寄与をもたらす。ガラス物品は、一般に、形成プロセスのために1,450℃を超える熱を必要とする。したがって、より低温で形成することができるガラス物品を製造するために使用することができ、それによって環境に対するガラス製造の全体的な炭素寄与を減少させることができる代替的なガラス組成物が必要とされている。
【】
これらの必要性及び他の必要性は、本開示によって少なくとも部分的に満たされる。
【発明の概要】
【】
本発明は、約25~約55mol%のP2O5、約5~約45mol%のSiO2、約5~約22mol%のAl2O3、約5~約30mol%のZnO、0超~約20mol%の総量のNa2O、K2O、及び/又はLi2O、約2~約8mol%のCaO、並びに/あるいは約2~約8mol%のMgOを含む、ガラス組成物
【】
更に他の態様では、本明細書に開示されるガラス組成物が約1,400℃未満の融点を示す場合である。
【】
更に、本明細書に開示されるガラス組成物は、Fe2O3を最大約10mol%の量で含み得る。
【】
約25~約55mol%のP2O5、約5~約45mol%のSiO2、約5~約22mol%のAl2O3、約5~約30mol%のZnO、0超~約20mol%の総量のNa2O、K2O、及び/又はLi2O、約2~約8mol%のCaO、並びに/あるいは約2~約8mol%のMgOを含む、ガラス組成物を含む物品も本明細書で開示される。
【】
なお更なる態様では、本明細書に開示される物品は、食品用容器、食器、調理器具、板ガラス、窓、フロントガラス、ホローウェア、瓶、アート及びクラフトガラス物体、レーザホスト材料、光ファイバ、中空ファイバ、チューブファイバ、実験室で使用可能な容器、又はそれらの任意の組合せを含み得る。
【】
a)約25~約55mol%のP2O5、約5~約45mol%のSiO2、約5~約22mol%のAl2O3、約5~約30mol%のZnO、0超~約20mol%の総量のNa2O、K2O、及び/又はLi2O、約2~約8mol%のCaO、並びに/あるいは約2~約8mol%のMgOを提供することと、b)均一な混合物を形成することと、c)混合物を約1,000℃~約1,300℃の温度で溶融し、組成物を冷却して、本明細書に開示されるガラス組成物のいずれかを形成することと、を含む、方法も本明細書に開示される。
【】
開示された組成物のいずれかを形成することを含む物品を形成する方法も本明細書に開示される。また更なる態様では、本明細書に開示される方法は、従来のソーダ石灰ガラス組成物を作製する参照方法と比較して、CO2排出の少なくとも約25%の削減を示し得る。
【】
本開示の更なる態様は、一部は、以下の詳細な説明、図面、及び特許請求の範囲に記載され、一部は、詳細な説明から導出されるか、又は本発明の実施によって習得することができる。前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的なものにすぎず、開示された本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【】
【図】一態様による例示的なガラス組成物の吸収スペクトルを示す図である。
【】
【図】一態様による例示的なガラス組成物の緩和挙動を示す図である。図2A-伸長パラメータベータ評価。
【図】一態様による例示的なガラス組成物の緩和挙動を示す図である。図2B-粘度の変化。
【図】一態様による例示的なガラス組成物の緩和挙動を示す図である。図2C-緩和時間評価。
【図】一態様による例示的なガラス組成物の緩和挙動を示す図である。図2D-シミュレーションの熱履歴。
【発明を実施するための形態】
【】
本発明は、以下の詳細な説明、例、図面及び特許請求の範囲、並びにそれらの前後の説明を参照することによって、より容易に理解することができる。しかしながら、本発明の物品、システム、及び/又は方法が開示され説明される前に、本発明は、別段の指定がない限り、開示された物品、システム、及び/又は方法の特定の又は例示的な態様に限定されず、したがって当然のことながら変化し得ることが理解されるべきである。本明細書で使用される専門用語は、特定の態様を説明する目的のみのためであり、限定することを意図するものではないことも理解されたい。
【】
本発明の以下の説明は、その最良の、現在知られている態様における本発明の実施可能な教示として提供される。この目的のために、当業者は、本発明の有益な結果を依然として得ながら、本明細書に記載の本発明の様々な態様に対して多くの変更を行うことができることを認識及び評価するであろう。本発明の所望の利点のいくつかは、他の特徴を利用することなく本発明の特徴のいくつかを選択することによって得ることができることも明らかであろう。したがって、当業者は、本発明に対する多くの修正及び適合が可能であり、特定の状況では望ましい場合さえあり、本発明の一部であることを認識するであろう。したがって、以下の説明は、本発明の原理の例示として再び提供され、本発明を限定するものではない。
【】
定義
本明細書で使用される場合、単数形である「a」、「an」及び「the」は、文脈で明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「物品」への言及は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、2つ以上のそのような物品を有する態様を含む。
【】
明確にするために別々の態様の文脈で説明されている本開示の特定の特徴は、単一の態様で組み合わせて提供することもできることが理解される。逆に、簡潔にするために単一の態様の文脈で説明されている本開示の様々な特徴は、別個に又は任意の適切な組合せで提供することもできる。
【】
本明細書で使用される場合、「任意の(optional)」又は「任意に(optionally)」という用語は、続いて記載される事象又は状況が生じてもよいし、また生じなくてもよいこと、並びにその説明が、当該事象又は状況が起こる場合と、それが起こらない場合とを含むことを意味する。
【】
本明細書で使用される専門用語は、特定の態様を説明する目的のみのためであり、限定することを意図するものではないことも理解されたい。本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、「含む(comprising)」という用語は、「からなる(consisting of)」及び「から本質的になる(consisting essentially of)」という態様を含み得る。他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書及び以下の特許請求の範囲では、本明細書で定義される多数の用語が参照される。
【】
「例えば」及び「など」という用語並びにそれらの文法上の等価物については、特に明記しない限り、「限定するものではない」という語句が続くと理解される。
【】
本開示の広い範囲を示す数値範囲及びパラメータは近似値であるにもかかわらず、特定の例に示される数値は可能な限り正確に報告される。しかしながら、任意の数値は、それぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に含む。更に、様々な範囲の数値範囲が本明細書に記載されている場合、列挙された値を含むこれらの値の任意の組合せを使用することができると考えられる。更に、本明細書では、範囲は、「約」ある特定の値から及び/又は「約」別の特定の値までとして表すことができる。そのような範囲が表現される場合、別の態様は、1つの特定の値及び/又は他の特定の値を含む。
【】
同様に、先行詞「約」を使用して値が近似値として表される場合、特定の値は別の態様を形成することが理解されよう。更に、各範囲の終点は、他方の終点に関しても、及び他方の終点とは無関係にも、意味をなすことが理解されよう。特に明記しない限り、用語「約」は、用語「約」によって修飾された特定の値の5%以内(例えば、2%又は1%以内)を意味する。
【】
本開示を通して、本発明の様々な態様を範囲形式で提示することができる。範囲形式での説明は、単に便宜及び簡潔さのためのものであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈されるべきではないことが理解されるべきである。したがって、範囲の説明は、その範囲内の全ての可能な部分範囲並びに個々の数値を具体的に開示しているとみなされるべきである。例えば、1~6などの範囲の説明は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの部分範囲、並びにその範囲内の個々の数、例えば1、2、2.7、3、4、5、5.3、6及びそれらの間の任意の全体及び部分的な増分を具体的に開示しているとみなされるべきである。これは、範囲の幅に関係なく適用される。
【】
本明細書で使用される場合、「組成物」という用語は、指定された量の指定された成分を含む生成物、並びに指定された量の指定された成分の組合せから直接的又は間接的に生じる任意の生成物を包含することを意図している。本明細書に開示される「ガラス組成物」という用語は、定義された組成物を形成するために溶融されたが、特定のガラス物品に形成される前のガラスを指すことが理解される。本明細書で使用されるガラス組成物は、ガラスを形成する前に混合物に導入されたバッチ成分と同じではないことが更に理解される。いくつかの態様では、組成物を形成するために使用されるバッチ成分は、ガラス組成物が実質的に含まない元素を含み得る。
【】
成分の重量パーセント(重量%)は、特に明記しない限り、構成成分が含まれる製剤又は組成物の総重量に基づく。ガラス組成物が記載される態様では、構成成分(例えば、SiO2、Al2O3、B2O3、CuO、NiOなど)の濃度は、特に明記しない限り、酸化物基準でモルパーセント(mol%)で与えられる。
【】
本明細書で使用される場合、「実質的に」という用語は、続いて記載される事象若しくは状況が完全に起こること、又は続いて記載される事象若しくは状況が一般に、典型的に、若しくはほぼ起こることを意味する。
【】
なお更に、「実質的に」という用語は、いくつかの態様では、記載された特性、構成成分、組成物、あるいは量を特性評価又は他の様態で定量化するために実質的に使用される他の条件の少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%を指すことができる。
【】
他の態様では、本明細書で使用される場合、「実質的に含まない」という用語は、実質的に存在しない組成物又は組成物の構成成分の文脈で使用される場合、列挙された構成成分が意図的にバッチ処理され、組成物に添加されるのではなく、組成物に添加される他の構成成分と共に不純物として存在し得ることを示すことを意図している。そのような態様では、「実質的に含まない」という用語は、バッチ式構成成分中に存在し得る微量を指すことを意図し、例えば、組成物の総重量に基づいて、記載された材料の約1重量%未満、例えば約0.5重量%未満、約0.1重量%未満、約0.05重量%未満、又は約0.01重量%未満の量で存在し得る。
【】
本明細書で使用される場合、例えば「実質的に同一」又は「実質的に類似」の文脈における「実質的に」という用語は、それが比較される方法、システム、又は構成成分と、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%類似である方法又はシステム、又は構成成分を指す。
【】
本明細書に開示される組成物は一般に酸化物として表されることが更に理解されるが、特定の元素はイオン状態で存在し得ることが理解される。
【】
本明細書で使用される場合、ガラス転移温度又はTgという用語は互換的に使用することができ、試料の冷却及び加熱が10℃/分の速度で行われる第2の加熱中の示差走査熱量測定(DSC)曲線の変曲点として定義され、熱流(mW)対温度(℃)としてプロットされる。
【】
本明細書で使用される場合、「融点」という用語は、バッチ材料が完全に溶融して均質な液体を得る温度を指す。ガラス業界の慣例により、融点は約10~20Pa・sの液体粘度で生じる。
【】
本発明の態様は、システム法定クラスなどの特定の法定クラスで説明及び特許請求することができるが、これは便宜上のものにすぎず、当業者は、本発明の各態様を任意の法定クラスで説明及び特許請求することができることを理解するであろう。特に明記しない限り、本明細書に記載の任意の方法又は態様は、その工程が特定の順序で実行されることを必要とすると解釈されることは決して意図されていない。したがって、方法請求項が、請求項又は説明において、工程が特定の順序に限定されるべきであることを具体的に述べていない場合、順序がいかなる点においても推測されることは決して意図されていない。これは、工程又は動作フローの配置に関する論理の事項、文法的な構成又は句読点から導かれる平易な意味、あるいは本明細書に記載されている態様の数又は種類を含む、解釈のための任意の可能な明示的でない根拠に当てはまる。
【】
本発明は、本発明の様々な態様の以下の詳細な説明及びそれに含まれる例、並びに図面及びそれらの前後の説明を参照することによってより容易に理解され得る。
【】
本発明は、本発明の様々な態様の以下の詳細な説明及びそれに含まれる例、並びに図面及びそれらの前後の説明を参照することによってより容易に理解され得る。
【】
組成物
いくつかの態様では、約25~約55mol%のP2O5、約5~約45mol%のSiO2、約5~約22mol%のAl2O3、約5~約30mol%のZnO、0超~約20mol%の総量のNa2O、K2O、及び/又はLi2O、約2~約8mol%のCaO、並びに/あるいは約2~約8mol%のMgOを含む、ガラス組成物が本明細書に記載される。
【】
更に他の態様では、ガラス組成物はまた、約26mol%、約27mol%、約28mol%、約29mol%、約30mol%、約31mol%、約32mol%、約33mol%、約34mol%、35mol%、約36mol%、約37mol%、約38mol%、約39mol%、約40mol%、約41mol%、約42mol%、約43mol%、約44mol%、約45mol%、約46mol%、約47mol%、約48mol%、及び約49mol%の例示的な値を含む、約25mol%~約55mol%のP2O5を含み得る。
【】
なお更なる態様では、ガラス組成物は、約6mol%、約7mol%、約8mol%、約9mol%、約10mol%、約11mol%、約12mol%、約13mol%、約14mol%、約15mol%、約16mol%、約17mol%、約18mol%、約19mol%、約20mol%、約21mol%、約22mol%、約23mol%、約24mol%、約25mol%、約26mol%、約27mol%、約28mol%、約29mol%、約30mol%、約31mol%、約32mol%、約33mol%、約34mol%、約35mol%、約36mol%、約37mol%、約38mol%、約39mol%、約40mol%、約41mol%、約42mol%、約43mol%、及び約44mol%の例示的な値を含む、約5~約45mol%のSiO2を含み得る。
【】
また更なる態様では、ガラス組成物は、約6mol%、約7mol%、約8mol%、約9mol%、約10mol%、約11mol%、約12mol%、約13mol%、約14mol%、約15mol%、約16mol%、約17mol%、約18mol%、約19mol%、約20mol%、及び約21mol%の例示的な値を含む、約5~約22mol%のAl2O3を含み得る。
【】
更に別の態様では、ガラス組成物は、約6mol%、約7mol%、約8mol%、約9mol%、約10mol%、約11mol%、約12mol%、約13mol%、約14mol%、約15mol%、約16mol%、約17mol%、約18mol%、約19mol%、約20mol%、約21mol%、約22mol%、約23mol%、約24mol%、約25mol%、約26mol%、約27mol%、約28mol%、及び約29mol%の例示的な値を含む約5~約30mol%のZnOを含み得る。
【】
ガラス組成物が、約0.01mol%、約0.05mol%、約1mol%、約2mol%、約3mol%、約4mol%、約5mol%、6mol%、約7mol%、約8mol%、約9mol%、約10mol%、約11mol%、約12mol%、約13mol%、約14mol%、約15mol%、16mol%、約17mol%、約18mol%、及び約19mol%の例示的な値を含む、0超~約20mol%の総量のNa2O、K2O、及び/又はLi2Oを含む態様も本明細書に開示される。いくつかの態様では、ガラス組成物は、上述の量のいずれかのNa2Oのみを含み得ることが理解される。更に別の態様では、ガラス組成物は、上述の量のいずれかのLi2Oのみを含み得る。更に別の態様では、ガラス組成物は、上述の量のいずれかのK2Oのみを含み得る。なお更なる態様では、ガラス組成物は、Na2O及びLi2Oの総量が開示された範囲内に入るように、Na2O及びLi2Oを含み得る。なお更なる態様では、ガラス組成物は、Na2O及びK2Oの総量が開示された範囲内に入るように、Na2O及びK2Oを含み得る。なお更なる態様では、ガラス組成物は、K2O及びLi2Oの総量が開示された範囲内に入るように、K2O及びLi2Oを含み得る。なお更なる態様では、ガラス組成物は、Na2O、K2O、及びLi2O総量が開示された範囲内に入るように、Na2O、K2O、及びLi2Oを含み得る。
【】
なお更なる態様では、CaOが、約3mol%、約4mol%、約5mol%、約6mol%、及び約7mol%の例示的な値を含む、約2mol%~約8mol%の量で存在するガラス組成物も開示される。
【】
またなお更なる態様では、本明細書に開示されるガラス組成物はまた、約3mol%、約4mol%、約5mol%、約6mol%、及び約7mol%の例示的な値を含む約2~約8mol%のMgOを含み得る。
【】
いくつかの態様では、ガラス組成物はCaO及びMgOの両方を含むことができることが理解される。他の態様では、ガラス組成物は、開示されたの量のいずれかでCaO又はMgOのいずれかを含み得る。
【】
なお更なる態様では、本明細書に開示されるガラス組成物は、その特徴及び特性が従来のソーダ石灰シリケートガラスと同等でありながら、優れた溶融特性を示す。従来のソーダ石灰シリケートガラスの組成は既知であることが理解される。一般に、多少の小さなずれがあるが、ソーダ石灰シリケートガラスは、約70~75重量%のSiO2、約12~17重量%のNa2O、約7~12重量%のCaO、0超~約2.5重量%のAl2O3、0超~約1.0重量%のK2O、0超~約5重量%のMgO、0超~約0.15重量%のFe2O3、0~約0.5重量%のTiO2、及び場合によっては0~約0.5重量%のSO3を含む。
【】
ソーダ石灰シリケートガラスの融点は、約1,400~約1,450℃の範囲であることが知られている。特定の態様では、本明細書に開示されるガラス組成物は、従来のソーダ石灰シリケートガラス組成物の融点よりも少なくとも約50℃、少なくとも約100℃、少なくとも約150℃、少なくとも約200℃、少なくとも約250℃、又は少なくとも約300℃低い融点を示す。なお更なる態様では、本明細書に開示されるガラス組成物は、約1,400℃未満、約1,350℃未満、約1,300℃未満、約1,250℃未満、約1,200℃未満、約1,150℃未満、又は約1,000℃未満の融点を示す。
【】
いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、上に開示された熱特性は、開示された組成物によって決定されることが観察された。特定の態様では、ホスファートの特定の組成は、溶融温度を低下させるためにネットワーク内のQ3結合四面体のかなりの割合を維持する必要があると同時に、開示された組成物の化学的耐久性を高めるためにシリケート及びアルミナQ4結合四面体の両方の寄与を可能にする必要があるために決定される。やはり、いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、開示された範囲のホスファートを有するガラス組成物は、十分な化学的耐久性を維持しながら、開示された低融点を達成することを可能にすることが観察された。
【】
更に別の態様では、開示されたシリケートの範囲は、高い溶融温度を必要とせずに十分な化学的耐久性を可能にすることも観察された。特定の用途によって十分な化学的耐久性を決定できることが理解される。実際の耐久性は、正確なガラス組成物及びそれがさらされる特定の条件に依存し得ることが更に理解される。例えば、限定するものではないが、条件は、ガラスが存在する溶媒の種類、溶媒のpH、腐食性元素の存在、温度などを含み得る。耐久性は、特定の用途に合わせて調整することができる。例えば、芸術的なアーチファクトを作り出すために使用されるガラス組成物は、食器又は調理器具又は実験器具として使用される物品と比較して、異なる十分な化学的耐久性を有する。更なる態様では、開示された量のアルミナは、溶融条件を維持するのに十分であり、十分な化学的耐久性のためにQ4結合四面体が必要であることが分かった。開示された範囲のアルミナの存在は、ガラスに更なる機械的安定性を付与することもできる。
【】
なお更なる態様では、開示された量のZnOはまた、ガラスの電子構成を変更することなく、かつガラスの着色を実質的に与えることなく、ガラス組成物の化学的耐久性を高めるのに役立ち得ることが見出された。
【】
なお更なる態様では、また、いかなる理論にも束縛されることを望まないが、開示された量でアルカリ金属及びアルカリ土類金属を含むことは、アルミナ四面体の電荷バランスを支援し、開示されたガラス組成物の溶融温度を更に低下させることができると仮定された。
【】
なお更なる態様では、本明細書に開示されるガラス組成物は、酸化鉄を更に含み得る。特定の態様では、ガラス組成物は、約0.01mol%、約0.05mol%、約0.1mol%、約0.5mol%、約1mol%、約1.5mol%、約2mol%、約2.5mol%、約3mol%、約3.5mol%、約4mol%、約4.5mol%、約5mol%、約5.5mol%、約6mol%、約6.5mol%、約7mol%、約7.5mol%、約8mol%、約8.5mol%、約9mol%、及び約9.5mol%の例示的な量を含む、最大約10mol%のFe2O3を含み得る。
【】
特定の態様では、約0.01mol%、約0.02mol%、約0.03mol%、約0.04mol%、約0.05mol%、約0.06mol%、約0.07mol%、約0.08mol%、約0.09mol%、約0.1mol%、約0.15mol%、約0.2mol%、約0.25mol%、約0.3mol%、約0.35mol%、約0.4mol%、及び約0.45mol%の例示的な量を含む、最大約0.5mol%のFe2O3が存在し得る場合である。そのような例示的かつ非限定的な態様では、ガラス組成物は実質的に無着色であり得る。
【】
なお更なる態様では、ガラス組成物の特定の色を分光学的に決定することができる。いくつかの例示的かつ非限定的な態様では、ガラス組成物が実質的に無色である場合、そのような組成物は、約450nm、約500nm、約550nm、約600nm、約650nm、約700nm、及び約750nmの波長を含む、約400~約800nmの可視範囲にわたって、約0.45cm-1以下、約0.4cm-1以下、約0.35cm-1以下、約0.3cm-1以下、約0.25cm-1以下、及び約0.2cm-1以下の例示的な値を含む、約0.49cm-1以下の吸収係数平均を示す。
【】
またなお更なる態様では、ガラス組成物が実質的に色を含まない場合、そのような組成物は、約450nm、約500nm、約550nm、約600nm、約650nm、約700nm、及び約750nmを含む、約400nm~約800nmの波長範囲にわたって約80%超、約85%超、約90%超、約95%超、又は更に約99%超の透過率を示す。
【】
更に他の態様では、Fe2O3が、約0.6mol%、約0.6mol%、約0.8mol%、約0.9mol%、約1mol%、約1.5mol%、約2mol%、約2.5mol%、約3mol%、約3.5mol%、約4mol%、及び約4.5mol%の例示的な量を含む、約0.5~約5mol%の量で存在する場合、そのような組成は半透明の灰色であり得る。
【】
なお更なる態様では、組成物は、酸化鉄の他の価数、例えばFeO又はFe2O3とFeOとの組合せも含み得る。Fe+2及びFe+3の両方が存在するいくつかの態様では、特定の比は所望の色に基づいて決定することができることが理解される。更に他の態様では、比はまた、例えば限定されないが、アルカリイオン又は他の中間体などの他のイオンの潜在的な存在によって影響を受け得る。
【】
更に他の態様では、組成物は、ガラスの所望の色を達成するために、Mn、Cr、及び/又はNiの複数の価数を含むこともできる。
【】
酸化鉄は、開示されたガラス組成物を形成するために使用されるバッチ製品中に存在することが多いことが理解される。いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、従来のソーダ石灰シリケートガラス中に最大0.5mol%の酸化鉄が存在すると、エッジオングリーン着色が生じるが、開示されたガラス組成物は、実質的に無着色であるか、又はエッジオンカラーグレーを示すことが見出された。なお更なる態様では、イオン酸化物の量が約0.5mol%より多い場合、ガラス組成物は半透明の灰色を呈する。なお更なる態様では、ガラス組成物が最大約10mol%の酸化鉄を含む場合、そのような組成物は黒色になる。例えば、黒色組成物は、色座標によって定義することができ、例えば、L*は20.0~40.0であり、a*は-1.0~1.0であり、b*は-5.0~2.0である。
【】
なお更なる態様では、本明細書に開示されるガラス組成物は、様々な濃度の追加の遷移金属を含み得る。特定の態様では、追加の遷移金属は塩又は酸化物として存在することができる。いくつかの態様では、組成物は、銅、ニッケル、コバルト、クロム、銀、スズ、又はそれらの任意の組合せの酸化物を含む1つ以上の遷移金属酸化物を更に含み得る。そのような遷移金属の任意の既知の価数が組成物中に存在し得ることが理解される。
【】
特定の態様では、1つ以上の遷移金属酸化物は、約0.01mol%、約0.05mol%、約0.1mol%、約0.15mol%、約0.2mol%、約0.25mol%、約0.3mol%、約0.35mol%、約0.4mol%、約0.45mol%、約0.5mol%、約0.55mol%、約0.6mol%、約0.65mol%、約0.7mol%、約0.75mol%、約0.8mol%、約0.85mol%、約0.9mol%、約0.95mol%、約1.0mol%、約1.05mol%、約1.1mol%、約1.15mol%、約1.2mol%、約1.25mol%、約1.3mol%、約1.35mol%、約1.4mol%、約1.45mol%、約1.5mol%、約1.55mol%、約1.6mol%、約1.65mol%、約1.7mol%、約1.75mol%、約1.8mol%、約1.85mol%、約1.9mol%、及び1.95mol%の例示的な値を含む、最大約2mol%の量で存在する。
【】
なお更なる態様では、1つ以上の遷移金属イオンが存在する場合、そのようなガラス組成物は、所望に応じて特定の色を得ることができる。
【】
更に他の態様では、本明細書に記載のガラス組成物は半透明であり得る。なお更なる態様では、そのような例示的かつ非限定的なガラス組成物は、約450nm、約500nm、約550nm、約600nm、約650nm、約700nm、及び約750nmの波長を含む、約400nm~約800nmの波長範囲にわたって、約85%未満、約80%未満、約75%未満、約70%未満、約65%未満、約60%未満、約55%未満、又は約50%未満の透過率を示し得る。
【】
更に他の態様では、銅、銀、金、及び/又はスズ、並びに/あるいはそれらの合金が組成物中に存在する場合、そのような金属を還元して、形成されたガラス内にナノ粒子を発生させることができる。いくつかの態様では、スズは、銅、銀、金、及びそれらの合金の酸化還元状態を維持するための緩衝剤として作用できることが理解される。そのような例示的な態様では、ガラス組成物は複数のナノ粒子を含み得る。いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、そのような例示的かつ非限定的な態様では、本明細書に開示される複数のナノ粒子は、表面プラズモン共鳴の効果によってガラスに着色を提供することができると想定される。なお更なる態様では、これらのナノ構造体は、形成後UV及び熱処理で現像することができる。またなお更なる態様では、ガラス組成物はフォトクロミック性を示し得る。
【】
なお更なる態様では、本明細書に開示されるガラス組成物は、1つ以上の希土類金属化合物を含み得る。やはり、いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、希土類金属を含むことにより、本明細書に開示されるガラス組成物にフォトルミネセンス特性を更に提供することができると想定される。特定の態様におけるそのような特性は、必要に応じてレーザホスト材料を製造するために利用することができる。なお更なる態様では、ガラス組成物はフォトルミネセンスである。
【】
特定の態様では、1つ以上の希土類金属イオンは、約0.01mol%、約0.05mol%、約0.1mol%、約0.5mol%、約1mol%、約1.5mol%、約2mol%、約2.5mol%、約3mol%、約3.5mol%、約4mol%、約4.5mol%、約5mol%、約5.5mol%、約6mol%、約6.5mol%、約7mol%、約7.5mol%、約8mol%、約8.5mol%、約9mol%、及び約9.5mol%の例示的な値を含む、最大約10mol%の量で存在する。
【】
なお更なる態様では、室温及び周囲圧力で測定した場合に、本明細書に記載のガラス組成物は、結晶化温度とガラス転移温度との間に約100℃を超える差を示す。そのような特性は結晶化に対する耐性を示し、したがって、例えば、限定ではないが、(スロットドロー又はフュージョンドロープロセスのいずれかによる)ダウンドロー、ファイバドロー、フロート処理、又はガラスの薄圧延などの当技術分野で公知の方法による様々な物品の形成を可能にすることが理解される。更に他の態様では、方法は、ガラスを任意の所望の形状に成形することを含み得る。キャスト、成形、プレス、圧延、フロートなどの様々な成形方法も使用することができる。なお更なる態様では、本明細書に開示される物品は、フロート/フラットガラス・プレス・プロセス、プレス・アンド・ブロー・プロセス、ブロー・アンド・ブロー・プロセス、又はそれらの任意の組合せによって形成することができる。またなお更なる態様では、方法はまた、ガラスブロー、熱間キャスト、フレームワーク、キルンキャスト、及び/又はキルン成形を含み得る。他の低温ガラス作製方法も利用できることが更に理解される。例えば、限定するものではないが、ガラスホイール成形方法も考えられる。
【】
なお更なる態様では、本明細書に開示されるガラス組成物は、カルボナートを実質的に含まない。しかしながら、本明細書に開示されるガラス組成物を形成するために使用されるバッチ材料は、いくらかの量のカルボナートを含有し得ることが理解される。
【】
なお更なる態様では、本明細書に開示されるガラス組成物は、約80×10-7K-1超、約90×10-7K-1超、約100×10-7K-1超、約110×10-7K-1超、約120×10-7K-1超、約130×10-7K-1超、約140×10-7K-1以上の線形温度膨張係数を示す。
【】
いくつかの態様では、本明細書に開示されるガラス組成物の機械成形方法は、より低い温度動作範囲及び放射熱流束損失の低減のために調整する必要があるが、潜在的に重要なCTEで調整する必要があることが理解される。いくつかの態様では、ガラス転移中に追加の冷却が必要になる可能性がある。更に他の態様では、より長いアニーリングサイクルを使用することができる。
【】
なお更なる態様では、本明細書に開示されるガラスのビッカース硬さは、加えられた負荷に依存する。いくつかの態様では、特定の負荷(以下の例に示すように)において、本明細書に開示されるガラス組成物は、従来のソーダ石灰ガラス組成物のビッカース硬さと実質的に等しい又はそれ未満のビッカース硬さを示し得る。
【】
なお更なる態様では、本明細書に開示されるガラス組成物のいずれも、従来のソーダ石灰ガラス組成物のクラック耐性よりも大きいクラック耐性を示し得る。
【】
驚くべきことに、本明細書に開示されるガラス組成物は、従来のソーダ石灰と比較して著しく高いクラック耐性(CR)を有することが見出された。クラック耐性は、ビッカース圧子の角の50%がクラックを有すると予想される力として定義され、クラック発生に対する材料の抵抗と考えることができる。ガラスの耐損傷性を特徴付けるために使用できるため、ガラスにとって特に重要な機械的特性である。
【】
なお更なる態様では、本明細書に開示されるガラス組成物は、約0.1kgfより大きい、約0.2kgfより大きい、約0.3kgfより大きい、約0.4kgfより大きい、約0.5kgfより大きい、約0.6kgfより大きい、約0.7kgfより大きい、約0.8kgfより大きい、約0.9kgfより大きい、又は更に約1.0kgfより大きいクラック耐性を示し得る。
【】
物品
特定の態様では、本明細書に開示されるのは、上に開示される組成物のいずれかを含む物品である。例えば、限定されないが、約25~約55mol%のP2O5、約5~約45mol%のSiO2、約5~約22mol%のAl2O3、約5~約30mol%のZnO、0超~約20mol%の総量のNa2O、K2O、及び/又はLi2O、約2~約8mol%のCaO、並びに/あるいは約2~約8mol%のMgOを含む、ガラス組成物を含む物品が本明細書で開示される。
【】
なお更なる態様では、本明細書に開示される物品を形成するために使用されるガラス組成物中に、に開示される追加の要素のいずれかが存在し得る。
【】
特定の態様では、本明細書に開示されるように、本明細書に開示される組成物中に存在する酸化鉄の量に応じて、物品は、所望の用途に応じて透明又は半透明であり得る。またなお更なる態様において、上に開示されるように、物品はまた、フォトルミネセンスであり得る。他のイオン及び元素も物品の半透明性に影響を及ぼし得ることが更に理解される。例えば、半透明性は、限定されるものではないが、例えば酸化スズの添加を含む上に開示される添加剤のいずれかによって得ることができる。
【】
なお更なる態様では、物品は、本明細書に開示される機械的、化学的、及び光学的特性を必要とする当技術分野で公知の任意の物品を含み得る。更に他の態様では、本明細書に開示される物品は、ホローウェア、食器、容器、プレート、シート(フロートプロセスによって作製されたシートを含む)、調理器具、粉末、繊維、コーン、球、ブレード、又はそれらの任意の組合せを含み得る。なお更なる態様では、物品は、食品用容器、食器、調理器具、板ガラス、窓、フロントガラス、ホローウェア、瓶、アート及びクラフトガラス物体、レーザホスト材料、光ファイバ、中空ファイバ、チューブファイバ、実験室で使用可能な容器、又はそれらの任意の組合せを含む。
【】
更なる態様では、物品は、技術的要求(高い耐薬品性及び耐久性、低融点と組み合わせた機械的強度など)並びに芸術的表現及び審美的外観の両方を満たすように形成することができる。例えば、限定するものではないが、酸化鉄の量及び/又は1つ以上の他の遷移酸化物の量を変化させて所望の物品を形成することによって、物品の色を制御することができる。ここでも、例えば、制限なく、より暗い色を有する物品を形成することができる。そのような態様では、物品は、着色されたボトル(ワインボトル、ビールボトルなど)、着色された医薬品バイアル/アンプル(感光性医薬品を保護するため)、サングラスレンズ、アート又はクラフト物体などを含み得る。
【】
また更なる態様では、本明細書に開示される物品は、任意のプロセスによって形成することができる。例えば、物品は、フロート又はフラット・プレス・プロセス、プレス・アンド・ブロー・プロセス、ファイバ・ドロー・プロセス、ブロー・アンド・ブロー・プロセス、又はそれらの任意の組合せによって形成することができる。本明細書に開示されるなお更なる態様では、物品はまた、様々な電子デバイス又はポータブルコンピューティングデバイス、光拡散器、自動車、電化製品、医療産業、食品産業、更には建築用途に使用することができる。なお更なる態様では、本明細書に開示される物品は、当技術分野で公知の任意の形状又は構成を有することができる。
【】
方法
開示される組成物及び開示される物品を作製する方法も本明細書に開示される。特定の態様では、a)約25~約55mol%のP2O5、約5~約45mol%のSiO2、約5~約22mol%のAl2O3、約5~約30mol%のZnO、0超~約20mol%の総量のNa2O、K2O、及び/又はLi2O、約2~約8mol%のCaO、並びに/あるいは約2~約8mol%のMgOを提供することと、b)均一な混合物を形成することと、c)混合物を約1,000℃~約1,300℃の温度で溶融し、組成物を冷却して、ガラス組成物を形成することと、を含む、方法が本明細書に開示される。
【】
なお更なる態様では、ガラス組成物は、開示のガラス組成物のいずれかである。なお更なる態様では、混合物は、約1,050℃、約1,100℃、約1,150℃、約1,200℃、及び約1,250℃の例示的な値を含む、約1,000℃~約1,300℃の温度で溶融することができる。
【】
なお更なる態様では、開示された構成成分及び要素のいずれも、溶融前に混合物中に存在することができる。
【】
またなお更なる態様では、複数のナノ粒子は、溶融及び冷却プロセス中に形成され、冷却された物品中に存在することができる。
【】
なお更なる態様では、方法は、開示された物品のいずれかを形成することを更に含み得る。
【】
なお更なる態様では、ガラス組成物は、開示されたの特徴及び特性のいずれかを示し得る。そのような例示的な態様では、これらの組成物は、各構成成分の特定の割合に応じて透明、半透明、又は不透明であり得、開示されたの色特性のいずれかを有する。
【】
なお更なる態様では、本明細書に開示されるガラス組成物を形成する方法は、従来のソーダ石灰ガラス組成物を作製する参照方法と比較して、CO2排出の少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、又は少なくとも約50%の減少を示す。このようなCO2の減少は、組成物の融点が低いこと、及び組成物自体にカルボナートが実質的に存在しないことによって説明できることが理解される。ガラス製造は年間約8600万トンの二酸化炭素に寄与するため、このようなCO2の削減は非常に望ましいことも理解される。
【】
更に別の態様では、本明細書に開示される方法は、従来のソーダ石灰ガラス組成物を作製する参照方法と比較して、少なくとも約30%少ない、少なくとも約35%少ない、少なくとも約40%少ない、少なくとも約45%少ない、又は少なくとも約50%少ないbtuを必要とし得る。
【】
なお更なる態様では、本明細書に開示される方法は、ソーダ石灰シリケートガラス製造に必要な出力の少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、又は少なくとも約70%を必要とする。
【】
なお更なる態様では、本明細書に開示される方法は、ガラス物品を形成する工程を含む。物品を形成又は成形する当技術分野で公知の任意の方法を利用することができる。例えば、限定されるわけではないが、本明細書に開示されるガラス物品を形成する方法は、(スロットドロー又はフュージョンドロープロセスのいずれかによる)ダウンドロー、ファイバドロー、フロート処理、又はガラスの薄圧延を含み得る。更に他の態様では、方法は、ガラスを任意の所望の形状に成形することを含み得る。キャスト、成形、プレス、圧延、ドロー、フロートなどの様々な成形方法も使用することができる。なお更なる態様では、本明細書に開示される物品は、フロート/フラットガラス・プレス・プロセス、プレス・アンド・ブロー・プロセス、ブロー・アンド・ブロー・プロセス、又はそれらの任意の組合せによって形成することができる。またなお更なる態様では、方法はまた、ガラスブロー、熱間キャスト、フレームワーク、キルンキャスト、及び/又はキルン成形を含み得る。他の低温ガラス作製方法も利用できることが更に理解される。例えば、限定するものではないが、ガラスホイール成形方法も考えられる。
【】
例
以下の例は、当業者に、本明細書で特許請求される化合物、組成物、物品、装置、及び/又は方法がどのようにして作製及び評価され、純粋に例示的であることを意図し、本開示を限定することを意図しない完全な開示及び説明を提供するように記載される。数(例えば、量、温度など)に関して正確性を確保するための努力がなされてきたが、いくつかの誤差及び逸脱が考慮されるべきである。
【】
例1
表1は、一態様の本開示に従って形成された例示的な物品とソーダ石灰シリケート物品との比較特性を示す。
【】
例2
表2及び表3は、本開示に従って形成された例示的かつ非限定的なガラス組成物を示す。
【】
【】
表4は、本開示のいくつかの態様によるガラス組成物、及びAshby,M.F.Material profiles.In Materials and the Environment,2
nd ed.;Elsevier,2013,pp.459-595に開示されている参照ソーダ石灰シリケートガラス組成物をmol.%で表す。
【表】
【】
表5は、本開示の一態様による700Kで1時間アニールした例示的なガラス組成物のガラス転移温度(Tg)を、4つの均一に分布した低速加熱速度(値はTransitionPyソフトウェアを使用して計算した)で示す。
【】
図1は、300~850nmの波長範囲における一態様によるガラス組成物の吸収スペクトルを示す。
【表】
【】
表6は、10K.分の加熱速度でDSCを介して測定され、続いてTransition Pyソフトウェアを使用して分析されたガラス1の熱特性を示す。値は、Mancini,M.,Sendova,M.,and Mauro,J.C.Geometric analysis of the calorimetric glass transition and fragility using constant cooling rate cycles.JACerS[Online]2021,3,348-357.https://ceramics.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/ijag.16073及びHenneberry,B.Thomas.All About Soda Lime Glass-Composition and Properties.https://www.thomasnet.com/articles/plant-facility-equipment/soda-lime-glass/#table.に見られるソーダ石灰シリケートガラスと比較される。その内容は、その全体が本明細書に組み込まれる。
【表】
【】
例3
図2A~図2Dは、一態様によるガラス組成物の緩和挙動を示す。これらの例示的なプロットでは、ガラスを1.5×Tgで溶融し、10℃/分で室温まで急冷し、次いで0.9×Tgまで再加熱し、1時間保持して緩和させた。伸長パラメータβ進化を図2Aに示す。図2Bは粘度の変化を示し、一方、緩和時間の変化を図2Cに示す。図2Dは、シミュレーションの熱履歴を示す。
【】
例4
各種ガラス組成物を評価して、線形温度膨張係数(CTE)を測定し、結果を表7に示す。
【表】
【】
例5
本明細書に開示されるガラスの硬度を更に評価し、結果を表8に示す。
【】
【】
例6
本明細書に開示されるガラス組成物は、驚くほど優れたクラック耐性を示した。ガラス組成物のいくつか(表9に示す)は、1kgfの負荷を加えた場合にガラスが割れることがないような大きなクラック耐性を有していた。この力は、50%のクラックを生成するのに十分なほど高くはないことが分かった。このデータは、これらのガラスが、標準的なソーダ石灰のようにクラックに対して10倍を超える耐性があることを示している。いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、全体のZnO含有量は、クラック耐性を高めるのに重要な役割を果たすことができると仮定された。例示的なガラスについて測定されたクラック耐性を表9に示す。
【】
【】
限定が、それぞれ「~する手段(means for)」又は「~する工程(step for)」という語句を使用して所与の特許請求の範囲に明示的に記載されていない限り、特許請求の範囲は、ミーンズ・プラス・ファンクション又はステップ・プラスファンクションの限定を含むことを意図しておらず、それらを含むと解釈されるべきではない。
【】
記載されたプロセス及び組成物を考慮して、本発明の特定のより詳細に記載された態様を以下に記載する。しかしながら、これらの特に列挙された態様は、本明細書に記載された異なる又はより一般的な教示を含む任意の異なる特許請求の範囲に対していかなる限定的な効果も有すると解釈されるべきではなく、又は「特定の」態様は、そこで文字通り使用される言語及び式の固有の意味以外の何らかの方法で何らかの形で限定されると解釈されるべきではない。
【】
態様:
態様1:ガラス組成物であって、約25~約55mol%のP2O5、約5~約45mol%のSiO2、約5~約22mol%のAl2O3、約5~約30mol%のZnO、0超~約20mol%の総量のNa2O、K2O、及び/又はLi2O、約2~約8mol%のCaO、並びに/あるいは約2~約8mol%のMgOを含む、ガラス組成物。
【】
態様2:ガラス組成物が、従来のソーダ石灰シリケートガラス組成物の融点よりも少なくとも約150℃低い融点を示す、態様1に記載のガラス組成物。
【】
態様3:ガラス組成物が、従来のソーダ石灰シリケートガラス組成物の融点よりも少なくとも約250℃低い融点を示す、態様1又は2に記載のガラス組成物。
【】
態様4:ガラス組成物が約1,400℃未満の融点を示す、態様1~3のいずれか1つに記載のガラス組成物。
【】
態様5:最大約10mol%の量のFe2O3を更に含む、態様1~4のいずれか1つに記載のガラス組成物。
【】
態様6:Fe2O3が最大約0.5mol%存在する場合、ガラス組成物が実質的に色を含まない、態様5に記載のガラス組成物。
【】
態様7:組成物が、約400~約800nmの可視範囲にわたって約0.49cm-1以下の吸収係数平均を示す、態様6に記載のガラス組成物。
【】
態様8:ガラス組成物が、約400nm~約800nmの波長範囲にわたって約80%を超える透過率を示す、態様6又は7に記載のガラス組成物。
【】
態様9:Fe2O3が約0.5mol%~約5mol%の量で存在する場合、ガラス組成物が半透明の灰色である、態様5に記載のガラス組成物。
【】
態様10:銅、ニッケル、コバルト、クロム、銀、スズ、又はそれらの任意の組合せの酸化物を含む1つ以上の遷移金属酸化物を更に含む、態様1~5のいずれか1つに記載のガラス組成物。
【】
態様11:1つ以上の遷移金属酸化物が最大約2mol%の量で存在する、態様10に記載のガラス組成物。
【】
態様12:ガラス組成物が半透明である態様、11に記載のガラス組成物。
【】
態様13:ガラス組成物が、約400nm~約800nmの波長範囲にわたって約85%未満の透過率を示す、態様11又は12に記載のガラス組成物。
【】
態様14:ガラス組成物が複数のナノ粒子を含む、態様10~13のいずれか1つに記載のガラス組成物。
【】
態様15:ガラス組成物が1つ以上の希土類金属イオンを含む、態様1~14のいずれか1つに記載のガラス組成物。
【】
態様16:1つ以上の希土類金属イオンが最大約10mol%の量で存在する、態様15に記載のガラス組成物。
【】
態様17:ガラス組成物がフォトルミネセンスである、態様15又は16に記載のガラス組成物。
【】
態様18:組成物が、室温及び周囲圧力で測定した場合に、結晶化温度とガラス転移温度との間に約100℃を超える差を示す、態様1~17のいずれか1つに記載のガラス組成物。
【】
態様19:ガラス組成物がカルボナートを実質的に含まない、態様1~18のいずれか1つに記載のガラス組成物。
【】
態様20:ガラス組成物が約100×10-7K-1より大きい線形温度膨張係数を示す、態様1~19のいずれか1つに記載のガラス組成物。
【】
態様21:ガラス組成物が約0.1kgfを超えるクラック耐性を示す、態様1~20のいずれか1つに記載のガラス組成物。
【】
態様22:ガラス組成物が約0.3kgfを超えるクラック耐性を示す、態様1~21のいずれか1つに記載のガラス組成物。
【】
態様23:ガラス組成物が約0.6kgfを超えるクラック耐性を示す、態様1~22のいずれか1つに記載のガラス組成物。
【】
態様24:ガラス組成物が約1.0kgfを超えるクラック耐性を示す、態様1~23のいずれか1つに記載のガラス組成物。
【】
態様25:態様1~24のいずれか1つに記載のガラス組成物を含む物品。
【】
態様26:食品用容器、食器、調理器具、板ガラス、窓、フロントガラス、ホローウェア、瓶、アート及びクラフトガラス物体、レーザホスト材料、光ファイバ、中空ファイバ、実験室で使用可能な容器、又はそれらの任意の組合せを含む、態様25に記載の物品。
【】
態様27:ガラス組成物であって、約25~約55mol%のP2O5、約5~約45mol%のSiO2、約5~約22mol%のAl2O3、約5~約30mol%のZnO、0超~約20mol%の総量のNa2O、K2O、及び/又はLi2O、約2~約8mol%のCaO、並びに/あるいは約2~約8mol%のMgOを含む、ガラス組成物を含む、ガラス物品。
【】
態様28:ガラス組成物が、従来のソーダ石灰シリケートガラス組成物の融点よりも少なくとも約150℃低い融点を示す、態様27に記載の物品。
【】
態様29:ガラス組成物が、従来のソーダ石灰シリケートガラス組成物の融点よりも少なくとも約250℃低い融点を示す、態様27又は28に記載の物品。
【】
態様30:ガラス組成物が約1,400℃未満の融点を示す、態様27~29のいずれか1つに記載の物品。
【】
態様31:ガラス組成物がFe2O3を最大約10mol%の量で更に含む、態様27~30のいずれか1つに記載の物品。
【】
態様32:Fe2O3が最大約0.5mol%存在する場合、物品が実質的に色を含まない、態様31に記載の物品。
【】
態様33:組成物が、約400~約800nmの可視範囲にわたって約0.49cm-1以下の吸収係数平均を示す、態様32に記載の物品。
【】
態様34:物品が、約400nm~約800nmの波長範囲にわたって約80%を超える透過率を示す、態様32又は33に記載の物品。
【】
態様35:ガラス組成物が約0.5mol%~約5mol%の量で存在するFe2O3を含む場合、物品は半透明の灰色である、態様34に記載の物品。
【】
態様36:銅、ニッケル、コバルト、クロム、銀、スズ、又はそれらの任意の組合せの酸化物を含む1つ以上の遷移金属酸化物を更に含む、態様27~31のいずれか1つに記載の物品。
【】
態様37:1つ以上の遷移金属酸化物が、ガラス組成物中に最大約2mol%の量で存在する、態様36に記載の物品。
【】
態様38:物品が半透明である、態様37に記載の物品。
【】
態様39:物品が、約400nm~約800nmの波長範囲にわたって約85%未満の透過率を示す、態様37~38のいずれか1つに記載の物品。
【】
態様40:ガラス組成物が複数のナノ粒子を含む、態様36~39のいずれか1つに記載の物品。
【】
態様41:ガラス組成物が1つ以上の希土類金属イオンを含む、態様27~40のいずれか1つに記載の物品。
【】
態様42:1つ以上の希土類金属イオンが最大約10mol%の量で存在する、態様41に記載の物品。
【】
態様43:物品がフォトルミネセンスを示す、態様41又は42のいずれか1つに記載の物品。
【】
態様44:室温及び周囲圧力で測定した場合に、ガラス組成物が、結晶化温度とガラス転移温度との間に約100℃を超える差を示す、態様27~43のいずれか1つに記載の物品。
【】
態様45:ガラス組成物がカルボナートを実質的に含まない、態様27~44のいずれか1つに記載の物品。
【】
態様46:ガラス組成物が100×10-7K-1より大きい線形温度膨張係数を示す、態様27~45のいずれか1つに記載の物品。
【】
態様47:ガラス組成物が約0.1kgfを超えるクラック耐性を示す、態様27~46のいずれか1つに記載の物品。
【】
態様48:ガラス組成物が約0.3kgfを超えるクラック耐性を示す、態様27~47のいずれか1つに記載の物品。
【】
態様49:ガラス組成物が約0.6kgfを超えるクラック耐性を示す、態様27~48のいずれか1つに記載の物品。
【】
態様50:ガラス組成物が約1.0kgfを超えるクラック耐性を示す、態様27~49のいずれか1つに記載の物品。
【】
態様51:食品用容器、食器、調理器具、板ガラス、窓、フロントガラス、ホローウェア、瓶、アート及びクラフトガラス物体、レーザホスト材料、光ファイバ、中空ファイバ、チューブファイバ、実験室で使用可能な容器、又はそれらの任意の組合せを含む、態様27~50のいずれか1つに記載の物品。
【】
態様52:a)約25~約55mol%のP2O5、約5~約45mol%のSiO2、約5~約22mol%のAl2O3、約5~約30mol%のZnO、0超~約20mol%の総量のNa2O、K2O、及び/又はLi2O、約2~約8mol%のCaO、並びに/あるいは約2~約8mol%のMgOを提供することと、b)均一な混合物を形成することと、c)混合物を約1,000℃~約1,300℃の温度で溶融し、組成物を冷却して、態様1~26のいずれか1つに記載のガラス組成物を形成することと、を含む、方法。
【】
態様53:方法が、ガラス組成物を含む物品を形成することを更に含む、態様52に記載の方法。
【】
態様54:方法が、従来のソーダ石灰ガラス組成物を作製する参照方法と比較して、CO2排出の少なくとも約25%の減少を示す、態様52又は53のいずれか1つに記載の方法。
【】
態様55:方法が、従来のソーダ石灰ガラス組成物を作製する参照方法と比較して、少なくとも約btuを必要とすることを含む、態様52~54のいずれか1つに記載の方法。
【図】
【図】
【図】
【図】
【図】
【手続補正書】
【提出日】
【手続補正】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項】
ガラス組成物であって、
約25~約55mol%のP
2O
5、
約5~約45mol%のSiO
2、
及び
約5~約22mol%のAl
2O
3を含む、ガラス組成物。
【請求項】
約5~約30mol%のZnO、
0超~約20mol%の総量のNa
2O、K
2O、及び/又はLi
2O、
約2~約8mol%のCaO、並びに/あるいは
約2~約8mol%のMgO
も含む、請求項1に記載のガラス組成物。
【請求項】
最大約10mol%の量のFe
2O
3を更に含む、請求項1~
2のいずれか一項に記載のガラス組成物。
【請求項】
Fe
2O
3が最大約0.5mol%存在する場合、前記ガラス組成物が実質的に色を含まない、請求項
3に記載のガラス組成物。
【請求項】
Fe
2O
3が約0.5mol%~約5mol%の量で存在し、前記ガラス組成物が半透明の灰色である、請求項
3に記載のガラス組成物。
【請求項】
銅、ニッケル、コバルト、クロム、銀、スズ、又はそれらの任意の組合せの酸化物を含む1つ以上の遷移金属酸化物を更に含む、請求項1
又は2に記載のガラス組成物。
【請求項】
前記1つ以上の遷移金属酸化物が最大約2mol%の量で存在する、請求項
6に記載のガラス組成物。
【請求項】
1つ以上の希土類金属イオンが最大約10mol%の量で存在する、請求項
1又は2に記載のガラス組成物。
【請求項】
1つ以上の遷移金属酸化物を含み、前記1つ以上の遷移金属酸化物が、前記ガラス組成物中に最大約2mol%の量で存在する、請求項1又は2に記載のガラス組成物。
【請求項】
請求項1
又は2に記載のガラス組成物を含む物品。
【請求項】
前記物品が、食品用容器、食器、調理器具、板ガラス、窓、フロントガラス、ホローウェア、瓶、アート及びクラフトガラス物体、レーザホスト材料、光ファイバ、中空ファイバ、実験室で使用可能な容器、又はそれらの任意の組合せ
である、請求項
10に記載の物品。
【請求項】
a)
約25~約55mol%のP
2O
5、
約5~約45mol%のSiO
2、
約5~約22mol%のAl
2O
3、
を提供することと、
b)均質な混合物を形成することと、
c)前記混合物を約1,000℃~約1,300℃の温度で溶融することと、
d)前記
混合物を冷却して、請求項1
又は2に記載のガラス組成物を形成することと、
を含む、方法。
【請求項】
前記方法が、前記ガラス組成物を含む物品を形成することを更に含む、請求項
12に記載の方法。
【請求項】
前記物品が、食品用容器、食器、調理器具、板ガラス、窓、フロントガラス、ホローウェア、瓶、アート及びクラフトガラス物体、レーザホスト材料、光ファイバ、中空ファイバ、実験室で使用可能な容器、又はそれらの任意の組合せを含む物品である、請求項13に記載の方法。
【国際調査報告】