(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】
(54)【発明の名称】温度補償された過電流検出システム
(51)【国際特許分類】
【FI】
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】
(86)(22)【出願日】
(85)【翻訳文提出日】
(86)【国際出願番号】
(87)【国際公開番号】
(87)【国際公開日】
(32)【優先日】
(33)【優先権主張国・地域又は機関】
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503163527
【氏名又は名称】ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 34,1119 NS Schiphol Rijk,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】デグレン ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】クェメナー ビンセント
【テーマコード(参考)】
【Fターム(参考)】
2G035AA03
2G035AA16
2G035AB01
2G035AC16
2G035AD02
2G035AD03
2G035AD10
2G035AD23
2G035AD55
2G035AD56
5H740BA11
5H740BA12
5H740BC01
5H740BC02
5H740KK01
5H740MM12
(57)【要約】
IGBTまたはMOSFETなどの半導体スイッチ(10)用の過電流検出回路であって、前記検出回路は、前記パワー半導体スイッチ(10)の内蔵電流ミラー(12)出力の温度依存性を少なくとも部分的に補償するように構成された補償回路を備え、前記電流ミラー出力(12)は、測定抵抗器Rs(20、20’)に接続され、前記電流ミラー出力とドライバ電圧源(40)の低電圧レベルとの間に接続され、オフセットVofst(32)を受け取る第2の加算器入力を有する第1の加算器入力に接続されて、パワースイッチのコレクタ-エミッタ間またはドレイン-ソース間のジャンクションを流れる電流Icをミラーリングするミラー電圧Vsを提供する。補償回路は、基準電流iRを提供するように構成され、かつ前記パワー半導体スイッチの感温素子(13,14)に接続された電流源(31)であって、前記基準電流iRが、少なくとも専用測定期間中に前記感温素子(13,14)を流れて基準電圧Veを提供する、電流源(31)と、前記基準電圧Veまたは増幅された基準電圧βVdと前記ミラー電圧とを比較する比較器(34,34’)とを備え、前記補償回路は、前記比較器の出力において、前記ミラー電圧が前記基準電圧Veまたは前記増幅された基準電圧βVdを超えるときにその状態を変化させる検出信号Ocdを提供するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項】
IGBTまたはMOSFETなどの半導体スイッチ(10)のための過電流検出回路であって、前記検出回路が、前記パワー半導体スイッチ(10)の内蔵電流ミラー(12)出力の温度依存性を少なくとも部分的に補償するように構成された補償回路を備え、前記電流ミラー出力(12)が、測定抵抗器Rs(20,20’)に接続され、前記電流ミラー出力とドライバ電圧源(40)の低電圧レベルとの間に接続されて電圧V
Rs=i
s・Rsを提供し、オフセットV
ofst(32)を受け、パワースイッチのコレクタ-エミッタ間またはドレイン-ソース間のジャンクションを流れる電流Icをミラーリングするミラー電圧Vs=V
Rs+V
ofstを提供する第2の加算器入力を有する第1の加算器入力に接続され、前記補償回路が、基準電流i
Rを提供するように構成され、かつ前記パワー半導体スイッチの感温素子(13,14)に接続された電流源(31)であって、前記基準電流i
Rが、少なくとも専用測定期間中に前記感温素子(13,14)を流れて基準電圧Veを提供する、電流源(31)と、前記基準電圧Veまたは増幅された基準電圧βVdと前記ミラー電圧とを比較する比較器(34,34’)とを備え、前記補償回路が、前記ミラー電圧が前記基準電圧Veまたは前記増幅された基準電圧βVdを超えるときにその状態を変化させる検出信号Ocdを前記比較器の出力において提供するように構成される、過電流検出回路。
【請求項】
前記感温素子が前記半導体スイッチのゲート抵抗器Rg(14)であり、前記基準電流i
Rが少なくとも前記専用測定期間中に前記ゲート抵抗器Rg(14)を流れて前記基準電圧Veを提供するように前記電流源が前記半導体スイッチのエミッタまたはソースを介して前記パワー半導体スイッチの前記ゲート抵抗器Rg(14)に接続され、前記比較器(34)が前記基準電圧Veと前記ミラー電圧Vsとを比較する、請求項1に記載の過電流検出回路。
【請求項】
前記電流源が、前記専用測定期間外に前記ゲート抵抗器内で前記基準電流i
Rが流れるのを抑制するための指令信号V
SIを提供する指令信号線(41)を用いて前記電流源(31)を分流するためにスイッチと並列に構成され、前記専用期間が、ドライバ電圧V
driverによって駆動される前記半導体スイッチのオン期間内のパルスで構成される、請求項2に記載の過電流検出回路。
【請求項】
前記測定抵抗器Rs(20’)が、前記ゲート電圧Vgよりも低い正電圧ランプを有する台形電圧形状を有する前記ミラー電圧Vsを生成するように設けられた充電回路を形成するコンデンサCs(23)を介して前記ドライバ電圧源(40)の前記低電圧レベルに接続され、前記充電回路が、前記コンデンサCs(23)を放電するために前記充電回路に接続され、かつ前記指令信号線(41)に接続されたリセットスイッチ(38)を備える、請求項3に記載の過電流検出回路。
【請求項】
前記感温素子が、前記半導体スイッチのダイ上に配置された一連のダイオードDi(13)であり、前記電流源(31)が、前記一連のダイオードDi(13)に電流を供給する前記基準電流i
Rを提供し、前記基準電流i
Rが、恒久的にまたは少なくとも前記専用測定期間中に前記一連のダイオードDi(13)を流れて前記基準電圧Vdを提供し、前記増幅器(39)を介して前記基準電圧Vdを増幅して、前記比較器(34’)において前記増幅された基準電圧βVdと前記ミラー電圧とを比較する前記増幅された基準電圧βVdを提供する、請求項1に記載の過電流検出回路。
【請求項】
前記検出信号Ocdを受信する論理ゲート(36)と、前記専用測定期間外の誤検出を抑制するための抑制信号を提供する測定抑制信号線とを備え、前記論理ゲートが過電流検出論理信号TI-OCDを提供する、請求項1から5のいずれか一項に記載の過電流検出回路。
【請求項】
前記測定抑制信号線が前記指令信号線(41)である、請求項3、4または5および請求項6に記載の過電流検出回路。
【請求項】
請求項1から7のいずれか一項に記載の過電流検出回路を備える半導体スイッチのための指令回路であって、前記過電流検出回路が、前記指令回路の過電流検出入力に接続され、前記指令回路が、過電流の発生時に前記半導体スイッチをオフにするように構成される、指令回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【】
過電流およびこのような過電流によって引き起こされる損傷に対するIGBTまたはMOSFETなどのパワー半導体スイッチの保護の分野に関する。優先権は、2023年5月25日に出願された欧州特許出願第23305830.4号に主張され、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【】
過電流の発生を検出するために、パワー半導体スイッチのコレクタ-エミッタ間またはドレイン-ソース間の電流を測定することが知られている。
【】
IGBTまたはMOSFETなどのパワー半導体スイッチを通る電流を監視することは、パワー半導体スイッチを過電流または短絡(例えば、シュートスルー)電流から保護するために重要である。この電流を測定するためのいくつかの手段を文献に見出すことができる。パワーダイまたはチップに組み込まれたモノリシック電流ミラーは、コンパクトかつ信頼性の高い方法でコレクタ(またはドレイン)電流のスケール値を提供することができ、いくつかの市販製品で実装されている。図1は、IGBTの出力電流、例えばIGBTの出力電流の1/100に比例する電流信号を与える電流ミラー出力12を有するIGBT10の電流測定装置の一例を示す。電流測定装置は、検出抵抗器Rsと、ローパスフィルタ21と、IGBTにおいて超えてはならない電流レベルに対応する基準電圧VRefを有する比較器22とを備える。
【】
電流ミラー出力12などの内蔵電流センサの限界の一つは、電流比とジャンクション温度Tjとの依存性であり、これは1%/K程度の感度に達する可能性がある。対策がない場合、過電流を細かく検出して正しい電流値を測定する能力を低下させるチップ温度マージンを製品設計において考慮すべきである。
【】
補正回路は、このようなパワー半導体スイッチ、またはこのようなスイッチを用いて構築されたパワーモジュールに実装されることがある。しかし、このような補正回路および温度センサは、このようなパワー半導体およびパワーモジュールにコストおよび複雑性を加えることになる。
【発明の概要】
【】
状況を改善し、特に、ジャンクション温度Tjに対する電流センサ感度を補正する代替方法を見出すための問題に対処する。
【】
本開示で使用される原理は、電流センサの温度依存性を補償し、かつ温度に依存しない過電流検出回路を得るために、内蔵された温度依存性電流センサと、半導体スイッチの電流センサと同様の温度曲線を有するダイの感温素子とを結合することである。
【】
より正確には、IGBTまたはMOSFETなどの半導体スイッチのための過電流検出回路を提供し、検出回路が、パワー半導体スイッチの内蔵電流ミラー出力の温度依存性を少なくとも部分的に補償するように構成された補償回路を備え、電流ミラー出力が、測定抵抗器Rsに接続され、電流ミラー出力とドライバ電圧源の低電圧レベルとの間に接続されて電圧VRs=is・Rsを提供し、オフセットVofstを受け、パワースイッチのコレクタ-エミッタ間またはドレイン-ソース間のジャンクションを流れる電流Icをミラーリングするミラー電圧Vs=VRs+Vofstを提供する第2の加算器入力を有する第1の加算器入力に接続され、補償回路が、基準電流iRを提供するように構成され、かつパワー半導体スイッチの感温素子に接続された電流源であって、基準電流iRが、少なくとも専用測定期間中に感温素子を流れて基準電圧Veを提供する、電流源と、基準電圧Veまたは増幅された基準電圧βVdとミラー電圧とを比較する比較器とを備え、補償回路が、比較器の出力において、ミラー電圧が基準電圧Veまたは増幅された基準電圧βVdを超えるときにその状態を変化させる検出信号Ocdを提供するように構成される。
【】
以下の特徴を、任意選択的に、別々に、あるいは他の特徴と組み合わせて実施してもよい。
【】
感温素子が半導体スイッチのゲート抵抗器Rgであり、基準電流iRが少なくとも専用測定期間中にゲート抵抗器Rgを流れて基準電圧Veを提供するように電流源が半導体スイッチのエミッタまたはソースを介してパワー半導体スイッチのゲート抵抗器Rgに接続され、かつ比較器が基準電圧Veとミラー電圧Vsとを比較してもよい。
【】
電流源が、専用測定期間外にゲート抵抗器内で基準電流iRが流れるのを抑制するための指令信号VSIを提供する指令信号線(41)を用いて電流源(31)を分流するためにスイッチと並列に構成され、専用期間が、ドライバ電圧Vdriverによって駆動される半導体スイッチのオン期間内のパルスで構成されてもよい。
【】
測定抵抗器Rsが、ゲート電圧Vgよりも低い正電圧ランプを有する台形電圧形状を有するミラー電圧Vsを生成するように設けられた充電回路を形成するコンデンサCsを介してドライバ電圧源の低電圧レベルに接続されてもよく、充電回路が、コンデンサCsを放電するために充電回路に接続され、かつ指令信号線に接続されたリセットスイッチを備える。
【】
感温素子が、半導体スイッチのダイ上に配置された一連のダイオードDiであってもよく、電流源が、一連のダイオードDiに電流を供給する基準電流iRを提供し、これにより、基準電流iRが、恒久的にまたは少なくとも専用測定期間中に一連のダイオードDiを流れて基準電圧Vdを提供し、増幅器を介して基準電圧Vdを増幅して、比較器において増幅された基準電圧βVdとミラー電圧とを比較する増幅された基準電圧βVdを提供する。
【】
検出回路は、検出信号Ocdを受信する論理ゲートと、専用測定期間外の誤検出を抑制するための抑制信号を提供する測定抑制信号線とを備えてもよく、論理ゲートが、過電流検出論理信号TI-OCDを提供する。
【】
測定抑制信号線は、指令信号線であってもよい。
【】
過電流検出回路は、指令回路の過電流検出入力に接続されてもよく、指令回路は、過電流の発生時に半導体スイッチをオフに切り替えるように構成される。
【】
信号線は、パワースイッチ用のスイッチングコントローラから出てもよい。
【図面の簡単な説明】
【】
他の特徴、詳細および利点は、以下の詳細な説明および図面に示される。
【】
【図】電流センサおよび電流測定回路を組み込んだ半導体パワースイッチの一例を示す図である。
【】
【図】本開示による過電流検出回路の実現の第1の例の概略図である。
【】
【図】本開示による過電流検出回路の実現の第2の例の概略図である。
【】
【図】本開示による過電流検出回路の実現の第3の例の概略図である。
【】
【】
【】
【図】実現の第1の例の結果として得られた曲線の図である。
【発明を実施するための形態】
【】
図1のようなパワースイッチでは、電流センサ出力isは、コレクタ電流icおよびジャンクション温度Tjの関数である。いくつかの市販の部品では、この関係は、例えば以下の式によって十分に表される。
is=A・ic+B・Tj・ic、Vs=Rs・is
【】
AおよびBは、所与の検出抵抗器Rs値に対する内蔵電流源の2つのパラメータ特性である。さらに、スイッチの内部ゲート抵抗は、例えば以下に従って変化することが知られている。
Rg=R0+α・Tj
式中、R0およびαはパラメータ特性である。なお、これらの値は設計によって変更されてもよい。
【】
図2は、過電流検出回路の第1の例によって提供されるIGBTなどの半導体スイッチ10を示す。
【】
この例では、IGBTが図の上部に示すMOSFETに置き換えられてもよく、IGBTのエミッタEはMOSFETのソースに置き換えられ、IGBTのコレクタはMOSFETのドレインに置き換えられ、電流ミラー出力はIGBTのエミッタの代わりにMOSFETのソースにリンクされることが示されている。
【】
検出回路は、パワー半導体スイッチ10の内蔵電流ミラーの温度依存性を補償するように構成された補償回路を備え、電流ミラー出力12は測定抵抗器Rs20に接続され、電流ミラー出力とドライバ電圧源40の低電圧レベルとの間に接続されて、電圧VRs=is・Rsを提供する。
【】
ハーフブリッジの場合、図2の概略図は上側分岐スイッチに対応し、下側分岐スイッチの場合、低電圧レベルは下側分岐スイッチの低電圧であることに留意されたい。
【】
電流ミラー出力および抵抗器は、オフセットVofst32を受ける第2の加算器入力を有する加算器33に一体に接続されて、ミラー電圧Vs=VRs+Vofstを提供する。
【】
加算器は、パワースイッチのコレクタ-エミッタ間またはドレイン-ソース間のジャンクションを流れる電流Icをミラーリングするミラー電圧Vsを提供する。
【】
補償回路は、基準電流iRを提供するように構成された電流源31を備え、このような電流源は、この例ではパワー半導体スイッチのゲート抵抗器Rg14である感温素子に接続され、基準電流iRは、図5Aに対応して分かるように、少なくとも専用測定期間中に流れる。
【】
図2の感温素子14を流れる電流iRは、基準電圧Veとミラー電圧Vsとを比較するために、他方の入力において電圧Vsを有する比較器34に入力される基準電圧Veを提供する。この構成では、補償回路は、比較器34の出力において、ミラー電圧が基準電圧Veを超えるときにその状態を変化させる検出信号Ocdを提供するように構成される。
【】
この例では、感温素子は半導体スイッチの内部ゲート抵抗器Rg14であり、基準電流iRがゲート抵抗Rg14を流れて基準電圧Veを提供し、比較器34でミラー電圧Vsと比較される態様で、電流源は、パワーエミッタEを介して、または図示のIGBTの場合ではケルビンエミッタ出力を介して、または図のIGBTの上に示されているようなMOSFETスイッチのソースを介して、このようなゲート抵抗器Rg14に接続される。
【】
基準電流iRがゲート抵抗に注入される測定期間は、電流源と並列のスイッチ37によって定義される。スイッチ37が開くと、電流発生器31によって生成された電流iRがゲート抵抗に流れることが可能になる。スイッチ37が閉じられると、スイッチ37は電流源31を分流させ、測定期間外に抵抗を流れる電流を停止させる。
【】
スイッチ37は、図5Aの曲線150で示す指令信号VSIを提供する指令信号線41によって開閉される。さらに図5Aでは、専用期間は、曲線100のようにドライバ電圧Vdriverによって駆動される半導体スイッチのオン期間内のVSIパルスによって構成される。
【】
電流IRは、ダイのゲート-エミッタ間を通って注入される。これは、内部ゲート抵抗器Rgおよび入力容量Cissと交差する。図5Aでは、結果は、VGE曲線110において降下110aを引き起こし、IRを受けるRgにわたる電圧降下を含み、かつ比較器34に送られる曲線120において電圧Veを提供する。
【】
電流センサ出力iSは、過電流制限下のスイッチのエミッタ-コレクタ間電流については実線の曲線130で示され、過電流制限を超えるエミッタ-コレクタ間電流については点線の曲線135で示される。このような電流は、電圧VRsを提供するために検出抵抗器Rsを横切る。
【】
Rs間の電圧はオフセット電圧Vofstに加算される。この加算の結果は図5Aの電圧Vsであり、検出された電圧は、曲線140の過電流なしの検出された電流および曲線145の過電流ありの検出された電流の像である。
【】
電圧VeおよびVsは、図5AにVs-Veとして示されるように比較器34において比較され、曲線175のように検出期間においてVsがVeよりも上回っている場合、短い持続時間であっても、過電流が検出される。このような過電流は、検出期間Vsi曲線150に対応する点線の方形信号TI-OCD160に対応する。過電流が存在しない場合、検出期間の曲線Vs-Veは、曲線170のようにゼロ未満のままである。
【】
前述の回路は、電流iRがゲートを通して注入される特定の瞬間にのみ過電流を監視することを可能にする。その瞬間以前は、電流が注入されない場合、比較器の出力における値は正である。これは、論理ANDゲート36の組み合わせによって容易に破棄することができる。例えば、比較器の出力が高く、注入を制御するライン41内の信号が高い場合、過電流が検出される。利用可能な論理のタイプに応じて、論理ゲート設計の他の実現性が可能になる。
【】
の式から始めると、以下のように言える。
【】
以下は電流注入の最初の瞬間である。
Ve=Rg・iR
【】
Vsが追加のオフセット電圧によって補完されると仮定すると、次式が得られる。
Vs-Ve=Rs・A・ic+Vofst-R0・iR+Rs・B・Tj・ic-α・Tj・iR
【】
過電流閾値i
c=i
cMAXの温度依存性を得るための式は以下のとおりである。
【数】
【】
i
c=i
cMAXの場合は、Vs-Vg=0が得られる。
【数】
【】
【】
の数値では、図6の異なる温度についてIcに対してプロットされた曲線(Vs-Ve)上の点180で示すように、VsとVeとの交点はジャンクション温度とは無関係に100Aで発生する。このような例では、過電流検出器は、iC=icMAX=100Aで温度に反応しない。比較の感度は、6Aの誤差で>10mVであり、高温で増加する。
【】
図から分かるように、本開示の設計によって得られる補償は、指定された電流において非常に良好であり、このような指定された電流の付近の電流に対しても正確である。
【】
図3は、図2の例に基づくが、コンデンサCS23が抵抗器Rs20’と回路の低電圧レベルとの間に追加されて、正電圧ランプを有するがVgのものよりも低い台形電圧形状VSを生成する第2の例を示す。したがって、過電流の場合、比較器の出力はより長い時間高くなる。このような場合、コンデンサCSを放電する必要があり、これは、VSI信号41によってもトリガすることができるさらなるスイッチ38によって行われる。
【】
得られた曲線は図5Bに示されており、検出期間中に過電流がランプされた過電流なしの曲線140aおよび曲線145aのVsはより高いVs-Ve曲線175aを引き起こし、過電流が存在する場合、検出期間Vsi150においてより長い検出160aを引き起こすことが分かる。
【】
図4は、図1のように半導体スイッチのダイに組み込まれた小さなダイオードDi13から温度が推定される別の設計を示す。これらのダイオードを介してDC電流iRが注入されると、電圧降下は温度に敏感になる。
【】
一定の所定の電流の場合、検出ダイオードにわたる電圧降下を温度との線形関係として表してもよい。
VT=V0-α・Tj
【】
この電圧降下を、例えば分圧器または演算増幅器を使用する乗算器回路39を用いてパラメータβによってスケーリングすることができると仮定すると、以下の関係を得ることができる。
Vs+VT=Rs・A・ic+Vofst+V0・β+Rs・B・Tj・ic-α・Tj・β
【】
過電流しきい値の温度依存性を取得するための式は、以下のとおりである。
【数】
ic=i
cMAXの場合にVs+VT=0とするために、
V
ofst=-i
cMAX・Rs・(A+V
0)
【】
このような設計では、電流源はIGBTまたはMOSFETに接続されないが、ダイオード13に接続され、ダイオードのピンの電圧Vdは増幅器39で増幅され、結果βVdは図1の設計のように出力Vsと比較される。
【】
ダイオードDiの存在に応じたこの設計は、電流源31を分流する必要がないため、回路を単純化する。
【】
第1の例および第2の例に関して、注入中、Ciss15の存在はVeを増加させ、TI-OCD信号をプルダウンする。したがって、わずかな瞬間であっても、信号TI-OCDが高くなる場合は過電流が検出される。この信号をラッチし、かつ検出のロバスト性および検出可能性を高めるために、低コストの構成要素を有利に使用してもよい。
【】
実際には、小さすぎる瞬間が電子回路によってフィルタリングされる可能性があり、過電流閾値の値でトリガされるようにVofstの値を定義する必要がある。このために、較正方法を使用することができる。オン状態において、値icMAXを有する電流パルスをダイに印加することができる。このパルスの長さは、過度の自己発熱を防止するために一般に短い(すなわち、1秒未満)。その後、オフセット電圧Vofstは、TI-OCDが検出されるまで増加される。Vofstの対応する値が定義されかつ適用される。この較正の結果は、TI-OCDの電子回路実装にほとんど依存する。1回実行された後、他のパワーモジュールと共に使用されたとしても、他の回路に適用することができる。
【】
したがって、パラメータVofstの識別は実用的かつ低コストである。
【】
iRの値は、回路実装にあまり敏感ではない。内蔵電流センサおよび内部ゲート抵抗器の温度感度の事前知識が必要であり、従来の測定設定を用いて容易に実行することができる。
【】
過電流を継続的に監視することが求められる場合がある。この場合、温度依存性過電流を、RS20、20’にわたって直接、すなわち温度補正なしで、あるいは加算器33の出力で測定することができる。過電流が検出された場合、温度に依存しない過電流推定を瞬時にトリガして、検出が温度のアーチファクトであるか、または実際の過電流検出であるかを検証することができる。
【】
したがって、連続的な過電流検出および温度過電流検出の両方を達成することができる。
【】
本明細書に記載の例に限定されず、例として、他の温度依存性構成要素が半導体スイッチのダイ上に存在する場合、ダイオード13の代わりに使用されてもよい。
【図】
【図】
【図】
【図】
【図】
【図】
【図】
【手続補正書】
【提出日】
【手続補正】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項】
過電流検出回路を備えたIGBTまたはMOSFETなどの
半導体スイッチ(10)であって、前記
過電流検出回路が、前記
半導体スイッチ(10)の内蔵電流ミラー(12)出力の温度依存性を少なくとも部分的に補償するように構成された補償回路を備え、前記
補償回路が、
前記半導体スイッチの電流ミラー出力とドライバ電圧源(40)の低電圧レベルとの間に接続されて
検出電圧V
Rs=i
s・Rsを提供
する測定抵抗器Rs(20,20’)を備え、
前記i
s
は前記電流ミラー出力から出力された電流であり、前記電流ミラー出力は、オフセット
電圧V
ofst(32)を受け、
ミラー電圧Vs=V
Rs+V
ofstを提供する第2の加算器入力を有する第1の加算器入力に接続され、前記補償回路が、基準電流i
Rを提供するように構成され、かつ
前記半導体スイッチの感温素子(13,14)に接続された電流源(31)であって、前記基準電流i
Rが、少なくとも専用測定期間中に前記感温素子(13,14)を流れて
第1の基準電圧Ve
または第2の基準電圧Vdを提供する、電流源(31)
を備え、
前記補償回路はさらに、前記
第1の基準電圧Veまたは増幅された
第2の基準電圧βVdと前記ミラー電圧
Vsとを比較する比較器(34,34’)とを備え、
前記オフセット電圧V
ofst
が、前記補償回路の前記第1の基準電圧Veまたは前記第2の基準電圧Vdと適合されて、
前記半導体スイッチにおける電流が、前記ミラー電圧
Vsを、前記
第1の基準電圧Veまたは前記増幅された基準電圧βVdを超え
させる特定のレベルi
CMAX
以上であるときにその状態を
オフ状態からオン状態に変化させる検出信号Ocdを前記比較器の出力において提供するように構成され
、前記検出信号Ocdは過電流検出を提供し、前記感温素子が前記半導体スイッチのゲート抵抗器Rg(14)であり、前記基準電流i
R
が少なくとも前記専用測定期間中に前記ゲート抵抗器Rg(14)を流れて前記第1の基準電圧Veを提供するように前記電流源が前記半導体スイッチのエミッタまたはソースを介して前記半導体スイッチの前記ゲート抵抗器Rg(14)に接続され、前記比較器(34)が前記第1の基準電圧Veと前記ミラー電圧Vsとを比較する、半導体スイッチ。
【請求項】
前記電流源が、前記専用測定期間外に前記ゲート抵抗器内で前記基準電流i
Rが流れるのを抑制するための指令信号V
SIを提供する指令信号線(41)を用いて前記電流源(31)を分流するためにスイッチと並列に構成され、前記専用
測定期間が、ドライバ電圧V
driverによって駆動される前記半導体スイッチのオン期間内のパルスで構成される、請求項
1に記載の
半導体スイッチ。
【請求項】
前記測定抵抗器Rs(20’)が
、ゲート電圧Vgよりも低い正電圧ランプを有する台形電圧形状を有する前記ミラー電圧Vsを生成するように設けられた充電回路を形成するコンデンサCs(23)を介して前記ドライバ電圧源(40)の前記低電圧レベルに接続され、前記充電回路が、前記コンデンサCs(23)を放電するために前記充電回路に接続され、かつ前記指令信号線(41)に接続されたリセットスイッチ(38)を備える、請求項
2に記載の
半導体スイッチ。
【請求項】
前記検出信号Ocdを受信する論理ゲート(36)と、前記専用測定期間外の誤検出を抑制するための抑制信号を提供する測定抑制信号線とを備え、前記論理ゲートが過電流検出論理信号TI-OCDを提供する、請求項1から
3のいずれか一項に記載の
半導体スイッチ。
【請求項】
前記検出信号Ocdを受信する論理ゲート(36)と、前記専用測定期間外の誤検出を抑制するための抑制信号を提供する測定抑制信号線とを備え、前記論理ゲートが過電流検出論理信号TI-OCDを提供し、
前記測定抑制信号線が前記指令信号線(41)である、請求項
2または3に記載の
半導体スイッチ。
【請求項】
請求項1から
3のいずれか一項に記載の
半導体スイッチのための指令回路であって、前記過電流検出回路が、前記指令回路の過電流検出入力に接続され、前記指令回路が、過電流の発生時に前記半導体スイッチをオフにするように構成される、指令回路。
【国際調査報告】