(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】
(54)【発明の名称】コバルト触媒によるビニル官能性ポリオルガノシロキサンのヒドロホルミル化
(51)【国際特許分類】
【FI】
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】
(86)(22)【出願日】
(85)【翻訳文提出日】
(86)【国際出願番号】
(87)【国際公開番号】
(87)【国際公開日】
(32)【優先日】
(33)【優先権主張国・地域又は機関】
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】弁理士法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フィスク、ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】トゥルチンスキー、マイケル
【テーマコード(参考)】
【Fターム(参考)】
4J246AA03
4J246AA11
4J246BA310
4J246BB020
4J246BB030
4J246CA140
(57)【要約】
プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンを調製するための方法は、一酸化炭素及び水素ガスと、1分子当たり少なくとも4つのシロキサン単位を有するビニル官能性ポリオルガノシロキサンとを、コバルトカルボニル触媒の存在下で、90℃未満で加熱し、150psi超~700psiの圧力で接触させることを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項】
プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンを調製するための方法であって、
1)
(A)水素及び一酸化炭素を含むガスと、
(B)1分子当たり少なくとも4つのシロキサン単位を有するビニル官能性ポリオルガノシロキサンと、
(C)少なくとも142ppmのコバルト金属を提供するのに十分な量のコバルトカルボニル触媒と、
(D)溶媒と、を含む出発物質を組み合わせることを含み、
工程1)は、
50℃~90℃未満の温度で、
150psi超~700psiの圧力で、かつ
少なくとも30分間の時間にわたって行われ、これにより、前記プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンを含む反応流体が調製される、方法。
【請求項】
前記方法が、工程1)の前に追加の工程を更に含み、前記追加の工程は、
前工程1)(C)前記コバルトカルボニル触媒を、
i)コバルト(II)アセチルアセトネート及びCo
2(CO)
8からなる群から選択されるコバルト触媒前駆体と溶媒とを組み合わせることによって、溶液を形成することと、
ii)前記溶液を、100℃~150℃の温度で、600psi~800psiの圧力で、10分~60分間の時間にわたって加熱することによって、(C)前記コバルトカルボニル触媒を含む生成物を形成することと、を含む方法によって形成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項】
工程i)及び/又は工程ii)が、(A)水素及び一酸化炭素を含む前記ガスの存在下で行われる、請求項2に記載の方法。
【請求項】
工程1)の前に、(C)前記コバルトカルボニル触媒を含む前記生成物を25℃~50℃に冷却する工程iii)を更に含む、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項】
(B)前記ビニル官能性ポリオルガノシロキサンが、単位式:
(R
43SiO
1/2)
a(R
42R
ASiO
1/2)
b(R
42SiO
2/2)
c(R
4R
ASiO
2/2)
d(R
4SiO
3/2)
e(R
ASiO
3/2)
f(SiO
4/2)
g(ZO
1/2)
h[式中、各R
Aは、ビニル基であり、各R
4は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基、6~18個の炭素原子のアリール基、及び1~18個の炭素原子の炭化水素オキシ基からなる群から選択され、各Zは、独立して、水素原子及びR
5からなる群から選択され、各R
5は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基、及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、下付き文字a、b、c、d、e、f、及びgは、前記単位式中の各単位の数を表し、下付き文字a≧0、下付き文字b≧0、下付き文字c≧0、下付き文字d≧0、下付き文字e≧0、下付き文字f≧0、下付き文字g≧0であるような値を有し、下付き文字hは、0≦h/(e+f+g)≦1.5であるような値を有し、10,000≧(a+b+c+d+e+f+g)≧100、及び数量(b+d+f)≧1である]を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項】
前記ビニル官能性ポリオルガノシロキサンが、直鎖状であり、単位式:(R
43SiO
1/2)
a(R
42R
ASiO
1/2)
b(R
42SiO
2/2)
c(R
4R
ASiO
2/2)
d[式中、各R
4は1~12個の炭素原子の独立して選択されたアルキル基であり、数量(a+b)=2であり、数量(b+d)≧1であり、700≧(a+b+c+d)≧140である]を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項】
各R
4が、メチル及びフェニルからなる群から独立して選択される、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項】
各R
4が、メチルである、請求項7に記載の方法。
【請求項】
(C)前記コバルトカルボニル触媒が、式HCo(CO)
4のコバルトテトラカルボニルヒドリドを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項】
(C)前記コバルトカルボニル触媒が、有機リン配位子を含まない、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項】
工程1)において、前記温度が、70℃~80℃である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項】
工程1)において、前記圧力が、400psi~700psiである、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項】
工程1)において、前記時間が、2時間~8時間である、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項】
工程1)において、(C)前記コバルトカルボニル触媒が、142ppm~1180ppmのコバルト金属を提供するのに十分な量で存在する、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国特許法第119条(e)の下、2023年8月14日に出願された米国仮特許出願第63/519,311号の利益を主張するものである。米国仮特許出願第63/519,311号は、参照により本明細書に組み込まれる。
【】
(発明の分野)
本発明は、ビニル官能性ポリオルガノシロキサンのヒドロホルミル化のための方法に関する。より詳細には、本発明は、1分子当たり少なくとも1つのケイ素結合ビニル基と少なくとも4つのシロキサン単位とを有するポリオルガノシロキサンを、コバルトカルボニル触媒の存在下でヒドロホルミル化反応させることにより、プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンを調製するための方法
【】
序論
国際公開第2022/081444号では、ロジウム触媒による有機ケイ素化合物のヒドロホルミル化を開示している。しかし、ロジウム触媒は高価であり、生成物中の残留ロジウムは、用途によっては有害である場合がある。
【】
他の文献では、様々な触媒を使用したオレフィン(ケイ素結合ビニル基を含まない)のヒドロホルミル化が開示されている。典型的には、このようなオレフィンヒドロホルミル化反応プロセスは、例えば140℃以上の高温で実行される。
【発明の概要】
【】
プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンを調製するための方法は、(A)水素及び一酸化炭素を含むガス、(B)1分子当たり少なくとも4つのシロキサン単位を有するビニル官能性ポリオルガノシロキサン、及び(C)コバルトカルボニル触媒を含む出発物質を組み合わせることを含む。
【発明を実施するための形態】
【】
のプロパナール官能性ポリオルガノシロキサンを調製するための方法を以下に詳細に説明する。本方法は、
1)
(A)水素及び一酸化炭素を含むガスと、
(B)1分子当たり少なくとも4つのシロキサン単位を有するビニル官能性ポリオルガノシロキサンと、
(C)コバルトカルボニル触媒と、
(D)溶媒と、を含む出発物質を組み合わせることを含み、これにより、プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンを含む反応流体が調製される。
【】
本方法は、任意選択で、工程1)の前に追加の工程を更に含んでもよい。例えば、本方法は、前工程1)を更に含んでもよく、ここで
前工程1)は、(C)コバルトカルボニル触媒を、
i)コバルト(II)アセチルアセトネート及びジコバルトオクタカルボニルからなる群から選択されるコバルト触媒前駆体と溶媒とを組み合わせることによって、溶液を形成することと、
ii)溶液を、100℃~150℃の温度で、600psi(4136.9kPa)~800psiの圧力で、10分~60分間の時間にわたって加熱することによって、(C)コバルトカルボニル触媒を含む生成物を形成することと、
任意選択で、iii)工程1)の前に、(C)コバルトカルボニル触媒を含む生成物を25℃~50℃に冷却することと、を含む方法によって形成することである。
【】
理論に束縛されるものではないが、本明細書に記載の方法において、(C)コバルトカルボニル触媒は、式HCo(CO)4のコバルトテトラカルボニルヒドリドを含むと考えられる。出発物質(C)であるコバルトカルボニル触媒は、のように、また以下の参考例1及び2に例示されるように調製することができる。例えば、コバルト触媒前駆体を使用してもよい。コバルト触媒前駆体コバルト(II)アセチルアセトネートは、式
【】
【化】
を有し、ジコバルトオクタカルボニルは式Co
2(CO)
8を有し、両方とも当該技術分野で公知であり、例えばSigma Aldrich Inc.of St.Louis,Missouri,USAから市販されている。コバルト触媒前駆体は、出発物質(D)について以下に記載されるように、1,4-ジオキサン又は他の溶媒などの溶媒に溶解され得る。前工程1)、(C)コバルトカルボニル触媒を形成すること、において、工程i)及び/又は工程ii)は、任意選択で、(A)水素及び一酸化炭素を含むガスの存在下で実施されてもよい。理論に束縛されるものではないが、コバルト触媒前駆体を、100℃~150℃の温度、600psi(4136.9kPa)~800psi(5515.8kPa)の圧力で、10分~60分間の時間にわたって加熱することによって、得られるコバルトカルボニル触媒(例えば、式HCo(CO)
4のコバルトテトラカルボニルヒドリドを含む)が形成され、それによって、本明細書に記載される方法の工程1)における出発物質(A)及び(B)のヒドロホルミル化反応を触媒することができる(C)コバルトカルボニル触媒が調製されると考えられる。
【】
工程1)において、ヒドロホルミル化反応が起こり、出発物質(B)のビニル基が出発物質(C)の存在下で出発物質(A)と反応してプロパナール基を形成する。工程1)における出発物質を組み合わせることは、圧力下で加熱することにより、任意選択で混合しながら行ってもよい。
【】
の方法において、工程1)でビニル官能性ポリオルガノシロキサン(B)のヒドロホルミル化反応を行い、それによって、プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンを含む反応流体を調製する。工程1)は、コバルト含有触媒を使用するオレフィンの他のヒドロホルミル化反応と比較して、より穏やかな条件下で実施される。工程1)において、出発物質は、ヒドロホルミル化反応を行うのに十分な時間、圧力下で加熱しながら組み合わせてもよい。例えば、工程1)は、50℃~90℃未満の温度で実施されてもよい。あるいは、温度は50℃~80℃、あるいは60℃~80℃、あるいは70℃~80℃であってもよい。あるいは、工程1)は、少なくとも50℃、あるいは少なくとも55℃、あるいは少なくとも60℃、あるいは少なくとも65℃、あるいは少なくとも70℃の温度で実施されてもよく、一方で同時に、工程1)のヒドロホルミル化反応は、90℃未満、あるいは最大85℃、あるいは最大80℃、あるいは最大75℃、あるいは最大70℃の温度で実施されてもよい。理論に束縛されるものではないが、これらの比較的低い温度で(C)コバルトカルボニル触媒を使用すると、ヒドロホルミル化反応によって形成されるプロパナール基の架橋及び/又は劣化を最小限に抑える、又は排除するという利点が得られると考えられる。
【】
工程1)は、150psi(1034.2kPa)超~700psi(4826.3kPa)、あるいは400psi(2757.9kPa)~700psi(4826.3kPa)の圧力で実施されてもよい。あるいは、圧力は、150psi(1034.2kPa)超、あるいは少なくとも200psi(1379.0kPa)、あるいは少なくとも300psi(2068.4kPa)、あるいは少なくとも400psi(2757.9kPa)であってもよく、一方で同時に、圧力は、最大700psi(4826.3kPa)、あるいは最大600psi(4136.9kPa)、あるいは最大500psi(3447.4kPa)、あるいは最大400psi(2757.9kPa)であってもよい。
【】
工程1)における出発物質の組み合わせは、ヒドロホルミル化反応を行うのに十分な時間行われる。正確な時間は、(B)ビニル官能性ポリオルガノシロキサンの選択及びビニル含有量、並びに(C)コバルトカルボニル触媒の量、並びにプロセスがバッチ、セミバッチ、又は連続モードで実施されるか否かなどの様々な要因によって異なる。しかし、工程1)の時間は、少なくとも30分、あるいは30分~24時間、あるいは30分~8時間であってもよい。あるいは、時間は、少なくとも30分、あるいは少なくとも1時間、あるいは少なくとも2時間であってもよく、一方で同時に、時間は、最大8時間、あるいは最大4時間、あるいは最大2時間であってもよい。
【】
本明細書に記載される方法は、撹拌バッチオートクレーブ又は連続撹拌タンク反応器(CSTR)などの1つ以上の適切な反応器を使用して、バッチ、セミバッチ、又は連続モードで実施されてもよい。(B)ビニル官能性ポリオルガノシロキサン及び(C)コバルトカルボニル触媒の選択は、使用する反応器のサイズ及びタイプに影響を与える可能性がある。1つの反応器、又は2つ以上の異なる反応器が使用され得る。本方法は、1つ以上の工程で実行され得、その工程は、資本コストのバランスをとること、及び高い触媒選択性、活性、寿命、及び操作性の容易さを達成すること、並びに特定の出発物質の反応性及び選択される反応条件によって影響を受け得る。
【】
あるいは、本方法におけるヒドロホルミル化反応は、連続的に実施されてもよい。例えば、使用される方法は、米国特許第10,023,516号に記載されているようなものであり得るが、但し、そこに記載されているオレフィン供給流及び触媒は、それぞれ本明細書に記載されている(B)ビニル官能性ポリオルガノシロキサン及び(C)コバルトカルボニル触媒に置き換えられる。
【】
方法の工程1)では、プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンを含む反応流体が形成される。反応流体は、方法の工程1)の過程で意図的に用いられるもの、又はその場で形成されるものなどの追加の物質を更に含み得る。存在し得るこのような物質の例としては、未反応の(B)ビニル官能性ポリオルガノシロキサン、未反応の(A)一酸化炭素及び水素ガス、残留する(C)コバルトカルボニル触媒、及び/又はその場で形成された副生成物であって、ビニルをエチルに水素化する結果としての水素化副生成物、更には形成されるアルデヒドの還元によるアルコール、及び/又はポリマーアルデヒド縮合副生成物が挙げられ得る、副生成物、更には(D)溶媒が含まれ得る。
【】
本方法は、任意選択で、工程1)の後に、1つ以上の追加の工程、例えば、工程2)プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンを含む反応流体から(C)コバルトカルボニル触媒を回収する工程を更に含み得る。(C)コバルトカルボニル触媒の回収は、蒸留又は吸着を含むがこれらに限定されない、当該技術分野で公知の方法によって実施されてもよい。
【】
しかし、本明細書に記載される方法の利点の1つは、(C)コバルトカルボニル触媒を除去する必要がなく、及び/又はリサイクルする必要がないことである。必要なコバルトの量と、プロパナール官能性ポリオルガノシロキサン及びコバルトカルボニル触媒のコストを考慮すると、(C)コバルトカルボニル触媒を回収及び/又はリサイクルしないことが、よりコスト効率が高い場合がある。本方法によって製造されるプロパナール官能性ポリオルガノシロキサンは、(C)コバルトカルボニル触媒が除去されない場合でも安定であり得る。したがって、代替的に、方法は、工程2)でコバルトカルボニル触媒を除去せずに実施されてもよい。あるいは、工程2)が存在する場合、(C)コバルトカルボニル触媒は除去され、リサイクルされてもよい。あるいは、(C)コバルトカルボニル触媒は、リサイクルされるのではなく、除去され、廃棄されてもよい。
【】
あるいは、の工程2)に加えて、又はその代わりに、本方法は、3)反応流体を精製することを更に含んでもよい。例えば、プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンは、抽出、及び/又はストリッピング、及び/若しくは蒸留などの任意の都合のよい手段によって、例えば溶媒を除去するために、任意選択的に減圧して、の追加の物質から単離することができる。
【】
(A)合成ガス
本明細書に記載される方法で使用されるガスである出発物質(A)は、一酸化炭素(CO)及び水素ガス(H2)を含む。例えば、ガスは、合成ガスであり得る。本明細書で使用される場合、「合成ガス(syngas)」(合成ガス(synthesis gas)から)は、様々な量のCO及びH2を含有するガス混合物を指す。生成方法は、周知であり、例えば、(1)天然ガス又は液体炭化水素の水蒸気改質及び部分酸化、並びに(2)石炭及び/又はバイオマスのガス化、を含む。CO及びH2は、典型的には、合成ガスの主要成分であるが、合成ガスは、二酸化炭素、並びにCH4、N2、及びArなどの不活性ガスを含有し得る。H2のCOに対するモル比(H2: COモル比)は、大きく変化するが、1:100~100:1、あるいは1:10~10:1の範囲であり得る。合成ガスは、市販されており、多くの場合、燃料源として又は他の化学物質を生成するための中間体として使用される。あるいは、他の供給源(すなわち、合成ガス以外)からのCO及びH2が、本明細書において出発物質(A)として使用されてもよい。あるいは、本明細書で使用するための出発物質(A)中のH2:COモル比は、3:1~1:3、あるいは2:1~1:2、あるいは1:1であり得る。
【】
(B)ビニル官能性ポリオルガノシロキサン
ビニル官能性ポリオルガノシロキサンは、1分子当たり、ケイ素に共有結合した少なくとも1つのビニル基を有する。あるいは、ビニル官能性ポリオルガノシロキサンは、1分子当たり、ケイ素に共有結合した2つ以上のビニル基を有してもよい。出発物質(B)は、1つのビニル官能性ポリオルガノシロキサンであってもよい。あるいは、出発物質(B)は、構造、ビニル含有量、及び/又は分子量などの少なくとも1つの点で互いに異なる2つ以上のビニル官能性ポリオルガノシロキサンを含んでもよい。
【】
ビニル官能性ポリオルガノシロキサンは、1分子当たり少なくとも4つのシロキサン単位を有する。ビニル官能性ポリオルガノシロキサンは、環状、直鎖状、分岐鎖状、樹脂状、又はこれらの2つ以上の組み合わせであってもよい。当該ポリオルガノシロキサンは、単位式(B1-1):(R43SiO1/2)a(R42RASiO1/2)b(R42SiO2/2)c(R4RASiO2/2)d(R4SiO3/2)e(RASiO3/2)f(SiO4/2)g(ZO1/2)hを含んでもよく、式中、各RAは、ビニル基であり、各R4は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基、6~18個の炭素原子のアリール基、2~18個の炭素原子のアシルオキシ基、及び1~18個の炭素原子の炭化水素オキシ官能基からなる群から選択され、各Zは、独立して、水素原子及びR5(R5は1~18個の炭素原子のアルキル基又は6~18個の炭素原子のアリール基である)からなる群から選択され、下付き文字a、b、c、d、e、f、及びgは、式(B1-1)中の各単位の平均数を表し、下付き文字a≧0、下付き文字b≧0、下付き文字c≧0、下付き文字d≧0、下付き文字e≧0、下付き文字f≧0、かつ下付き文字g≧0となるような値を有し、数量(a+b+c+d+e+f+g)≧4、及び数量(b+d+f)≧1であり、並びに下付き文字hは、0≦h/(e+f+g)≦1.5であるような値を有する。同時に、数量(a+b+c+d+e+f+g)は、≦10,000であり得る。あるいは、式(B1-1)中、各R4は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基、6~18個の炭素原子のアリール基、及び1~18個の炭素原子の炭化水素オキシ官能基からなる群から選択され得る。あるいは、各R4は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基、6~18個の炭素原子のアリール基、及び1~18個の炭素原子のアルコキシ官能基からなる群から選択され得る。あるいは、各R4は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基、及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され得る。あるいは、各Zは、水素又は1~6個の炭素原子のアルキル基であり得る。あるいは、各Zは、水素であり得る。
【】
R4に好適なアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状、又はこれらの2つ以上の組み合わせであり得る。アルキル基は、メチル、エチル、プロピル(n-プロピル及び/又はイソプロピルを含む)、ブチル(n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、及び/又はイソブチルを含む)、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、ドデシル、ウンデシル、並びにオクタデシル(及び5~18個の炭素原子を有する分岐鎖状異性体)によって例示され、アルキル基は、更に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルなどのシクロアルキル基によって例示される。あるいは、R4のアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、及びブチル、あるいは、メチル、エチル、及びプロピル、あるいは、メチル及びエチルからなる群から選択され得る。あるいは、R4のアルキル基は、メチルであり得る。
【】
R4に好適なアリール基は、単環式又は多環式であってよく、ペンダントヒドロカルビル基を有し得る。例えば、R4のアリール基としては、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、ベンジル、1-フェニルエチル、及び2-フェニルエチルが挙げられる。あるいは、R4のアリール基は、フェニル、トリル、又はベンジルなどの単環式であり得、あるいは、R4のアリール基は、フェニルであり得る。
【】
R4に好適な炭化水素オキシ官能基は、式-OR5又は式-OR3-OR5を有し得、式中、各R3は、独立して選択される1~18個の炭素原子の二価のヒドロカルビル基であり、各R5は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、これらは、R4についてに記載及び例示されているとおりである。R3の二価のヒドロカルビル基の例としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、又はヘキシレンなどのアルキレン基、フェニレンなどのアリーレン基、又は
【】
【】
【】
などのアルキルアリーレン基が挙げられる。あるいは、R3は、エチレンなどのアルキレン基であり得る。あるいは、炭化水素オキシ官能基は、式-OR5を有してよく、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、又はブトキシ、あるいはメトキシ又はエトキシ、あるいはメトキシなどのアルコキシ官能基であり得る。
【】
R4に好適なアシルオキシ基は、式
【】
【化】
を有し得、式中、R
5は、のとおりである。好適なアシルオキシ基の例としては、アセトキシが挙げられる。
【】
あるいは、(B)ビニル官能性ポリオルガノシロキサンは、1分子当たり、少なくとも1つのビニル基を有する、あるいは、少なくとも2つのビニル基を有する、(B1-2)直鎖状ポリジオルガノシロキサンを含んでもよい(例えば、の式(B1-1)中、下付き文字e=f=g=0の場合)。例えば、当該ポリジオルガノシロキサンは、単位式(B1-3):(R43SiO1/2)a(R42RASiO1/2)b(R42SiO2/2)c(R4RASiO2/2)dを含んでもよく、式中、RA及びR4は、のとおりであり、下付き文字aは、0、1、又は2であり、下付き文字bは、0、1、又は2、下付き文字c≧0、下付き文字d≧0であり、但し、数量(b+d)≧1、数量(a+b)=2、かつ数量(a+b+c+d)≧4であることを条件とする。あるいは、単位式(B1-3)中、数量(a+b+c+d)は、少なくとも4、あるいは少なくとも10、あるいは少なくとも50、あるいは少なくとも100、あるいは少なくとも140であってもよい。同時に、単位式(B1-3)中、数量(a+b+c+d)は、10,000以下、あるいは、4,000以下、あるいは、2,000以下、あるいは、1,000以下、あるいは、750以下、あるいは、700以下であり得る。あるいは、単位式(B1-3)中、各R4は、独立して、アルキル及びアリール、あるいは、メチル及びフェニルからなる群から選択され得る。あるいは、単位式(B1-3)中の各R4は、アルキル基であり得、あるいは、各R4は、メチルであり得る。
【】
あるいは、単位式(B1-3)のポリジオルガノシロキサンは、単位式(B1-4):(R42RASiO1/2)2(R42SiO2/2)m(R4RASiO2/2)n、単位式(B1-5):(R43SiO1/2)2(R42SiO2/2)o(R4RASiO2/2)p、又は(B1-4)と(B1-5)との両方の組み合わせからなる群から選択され得る。式(B1-4)及び(B1-5)中、各R4及びRAは、のとおりである。下付き文字mは、0又は正の数であり得る。あるいは、下付き文字mは、少なくとも2であり得る。あるいは、下付き文字mは、2~1,000であり得る。下付き文字nは、0又は正の数であり得る。あるいは、下付き文字nは、0~2000であり得る。しかし、数量(m+n)は少なくとも2、あるいは140≦(m+n)≦700である。下付き文字oは、0又は正の数であり得る。あるいは、下付き文字oは、0~2000であり得る。下付き文字pは、少なくとも2である。あるいは、下付き文字pは、2~2000であり得る。しかし、数量(o+p)は少なくとも2、あるいは140≦(o+p)≦700である。
【】
出発物質(B)は、ビニル官能性ポリジオルガノシロキサン、例えば、
i)ビス-ジメチルビニルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、ii)ビス-ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン)、iii)ビス-ジメチルビニルシロキシ末端ポリメチルビニルシロキサン、iv)ビス-トリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン)、v)ビス-トリメチルシロキシ末端ポリメチルビニルシロキサン、vi)ビス-ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルフェニルシロキサン/メチルビニルシロキサン)、vii)ビス-ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルフェニルシロキサン)、viii)ビス-ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/ジフェニルシロキサン)、ix)ビス-フェニル,メチル,ビニル-シロキシ末端ポリジメチルシロキサン、及びx)i)~ix)のうちの2つ以上の組み合わせを含み得る。
【】
出発物質(B)について上述の直鎖状ビニル官能性ポリジオルガノシロキサンを調製する方法、例えば、対応するオルガノハロシラン及びオリゴマーの加水分解及び縮合、又は環状ポリジオルガノシロキサンの平衡化は、当該技術分野において既知であり、例えば、米国特許第3,284,406号、同第4,772,515号、同第5,169,920号、同第5,317,072号、及び同第6,956,087号を参照されたく、これらは、ビニル基を有する直鎖状ポリジオルガノシロキサンの調製について開示している。ビニル基を有する直鎖状ポリジオルガノシロキサンの例は、例えば、商品名DMS-V00、DMS-V03、DMS-V05、DMS-V21、DMS-V22、DMS-V25、DMS-V-31、DMS-V33、DMS-V34、DMS-V35、DMS-V41、DMS-V42、DMS-V43、DMS-V46、DMS-V51、及びDMS-V52でGelest Inc.(Morrisville,Pennsylvania,USA)から市販されている。
【】
あるいは、(B)ビニル官能性ポリオルガノシロキサンは、環状、例えば、単位式(B1-1)中、下付き文字a=b=c=e=f=g=h=0の場合であり得る。環状ビニル官能性ポリジオルガノシロキサンは、単位式(B1-6):(R4RASiO2/2)dを有し得、式中、RA及びR4は、のとおりであり、下付き文字dは、3~12、あるいは3~6、あるいは4~5であり得る。環状ビニル官能性ポリジオルガノシロキサンの例としては、2,4,6-トリメチル-2,4,6-トリビニル-シクロトリシロキサン、2,4,6,8-テトラメチル-2,4,6,8-テトラビニル-シクロテトラシロキサン、2,4,6,8,10-ペンタメチル-2,4,6,8,10-ペンタビニル-シクロペンタシロキサン、及び2,4,6,8,10,12-ヘキサメチル-2,4,6,8,10,12-ヘキサビニル-シクロヘキサシロキサンが挙げられる。これらの環状ビニル官能性ポリジオルガノシロキサンは、当該技術分野において既知であり、例えば、Sigma-Aldrich(St.Louis,Missouri,USA)、Milliken(Spartanburg,South Carolina,USA)、及び他の業者から市販されている。
【】
あるいは、環状ビニル官能性ポリジオルガノシロキサンは、単位式(B1-7):(R42SiO2/2)c(R4RASiO2/2)dを有し得、式中、R4及びRAは、のとおりであり、下付き文字cは、0~6、あるいは>0~6であり、下付き文字dは、3~12である。あるいは、式(B1-7)中、cは、3~6であり得、dは、3~6であり得る。
【】
あるいは、(B)ビニル官能性ポリオルガノシロキサンは、分岐鎖状であり得る。分岐鎖状ビニル官能性ポリオルガノシロキサンは、一般式(B1-8):RASiR123を有してもよく、式中、RAは、のとおりであり、各R12は、R13及び-OSi(R14)3から選択され、各R13は、一価の炭化水素基であり、各R14は、R13、-OSi(R15)3、及び-[OSiR132]iiOSiR133から選択され、各R15は、R13、-OSi(R16)3、及び-[OSiR132]iiOSiR133から選択され、各R16は、R13及び-[OSiR132]iiOSiR133から選択され、下付き文字iiは、0≦ii≦100であるような値を有し、但し、R12、R14、及びR15は、分岐鎖状ビニル官能性ポリオルガノシロキサンが1分子当たり少なくとも4個のケイ素原子を有するように選択される。R12のうちの少なくとも2つは、-OSi(R14)3であり得る。あるいは、R12のうちの3つ全ては、-OSi(R14)3であり得る。
【】
あるいは、式(B1-8)中、各R12が-OSi(R14)3である場合、各R14は、分岐鎖状ビニル官能性ポリオルガノシロキサンが以下の構造(B1-9):
【】
【化】
を有するような-OSi(R
15)
3部分であり得、式中、R
A及びR
15は、のとおりである。あるいは、各R
15は、のようにR
13であり得、各R
13は、メチルであり得る。
【】
あるいは、式(B1-8)中、各R12が-OSi(R14)3である場合、1つのR14は、各R12が-OSiR13(R14)2であるように、各-OSi(R14)3においてR13であり得る。あるいは、-OSiR13(R14)2中の2つのR14は、各々、分岐鎖状ビニル官能性ポリオルガノシロキサンが以下の構造(B1-10):
【】
【化】
を有するような-OSi(R
15)
3部分であり得、式中、R
A、R
13、及びR
15が、のとおりである。あるいは、各R
15は、R
13であり得、各R
13は、メチルであり得る。
【】
あるいは、式(B1-8)中、1つのR12は、R13であり得、R12のうちの2つは、-OSi(R14)3であり得る。R12のうちの2つが-OSi(R14)3であり、各-OSi(R14)3中、1つのR14がR13である場合、R12のうちの2つは、-OSiR13(R14)2である。あるいは、-OSiR13(R14)2中の各R14は、分岐鎖状ビニル官能性ポリオルガノシロキサンが以下の構造(B1-11):
【】
【化】
を有するような-OSi(R
15)
3であり得、式中、R
A、R
13、及びR
15は、のとおりである。あるいは、各R
15は、R
13であり得、各R
13は、メチルであり得る。あるいは、ビニル官能性分岐鎖状ポリオルガノシロキサンは、1分子当たり3~16個のケイ素原子、あるいは1分子当たり4~16個のケイ素原子、あるいは1分子当たり4~10個のケイ素原子を有し得る。分岐鎖状ビニル官能性ポリオルガノシロキサンの例としては、
式
【】
【化】
を有する(1,1,1,3,5,7,9,9,9-ノナメチル-3,7-ビス((トリメチルシリル)オキシ)-5-ビニルペンタシロキサン)、及び
式
【】
【化】
を有する(5-((1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)オキシ)-1,1,1,3,7,9,9,9-オクタメチル-3,7-ビス((トリメチルシリル)オキシ)-5-ビニルペンタシロキサン)が挙げられる。
【】
の分岐鎖状ビニル官能性ポリオルガノシロキサンは、Grandeらによる「Testing the Functional Tolerance of the Piers-Rubinsztajn Reaction:A new Strategy for Functional Silicones」Supplementary Material(ESI)for Chemical Communications、著作権The Royal Society of Chemistry 2010に開示されているものなどの既知の方法によって調製され得る。
【】
あるいは、(B)ビニル官能性ポリオルガノシロキサンは、分岐していてもよく、例えば、のデンドリマー構造を有する分岐鎖状ビニル官能性ポリオルガノシロキサン、及び/又は、例えばの分岐鎖状ビニル官能性ポリオルガノシロキサンよりも1分子当たりのビニル基数及び/若しくはポリマー単位数が多い分岐鎖状ビニル官能性ポリオルガノシロキサンであってもよい。あるいは、分岐鎖状ビニル官能性ポリオルガノシロキサンは、(式(B1-1)中)分岐鎖状ビニル官能性ポリオルガノシロキサンに、>0~5mol%の三官能性単位及び/又は四官能性単位を提供するに十分な数量(e+f+g)を有し得る。
【】
例えば、分岐鎖状ビニル官能性ポリオルガノシロキサンは、単位式(B1-12):(R43SiO1/2)q(R42RASiO1/2)r(R42SiO2/2)s(SiO4/2)tのQ型分岐鎖状ポリオルガノシロキサンを含み得、式中、R4及びRAは、のとおりであり、下付き文字q、r、s、及びtは、2≧q≧0、4≧r≧0、995≧s≧4、t=1、(q+r)=4であるような平均値を有し、(q+r+s+t)は、回転粘度計(試験方法とともに以下に記載される)によって測定される粘度>170mPa・sを、分岐鎖状ポリオルガノシロキサンに付与するのに十分な値を有する。あるいは、粘度は、170mPa・s超~1000mPa・s、あるいは170超~500mPa・s、あるいは180mPa・s~450mPa・s、あるいは190mPa・s~420mPa・sであってもよい。出発物質に好適なQ型分岐鎖状ポリオルガノシロキサン(B1-12)は、当該技術分野において既知であり、Crayらの米国特許第6,806,339号及びCrayらの米国特許出願公開第2007/0289495号に開示されているものによって例示される、既知の方法によって作製され得る。
【】
あるいは、分岐鎖状ビニル官能性ポリオルガノシロキサンは、式(B1-13):[RAR42Si-(O-SiR42)x-O](4-w)-Si-[O-(R42SiO)vSiR43]wを含み得、式中、RA及びR4は、のとおりであり、下付き文字v、w、及びxは、200≧v≧1、2≧w≧0、及び200≧x≧1であるような値を有する。あるいは、この式(B1-13)中、各R4は、独立して、メチル及びフェニルからなる群から選択される。出発物質に好適な分岐鎖状ポリオルガノシロキサン(B1-13)は、ポリオルガノシリケート樹脂と、環状ポリジオルガノシロキサン又は直鎖状ポリジオルガノシロキサンとを含む混合物を、酸又はホスファゼン塩基などの触媒の存在下で加熱し、その後触媒を中和するなどの既知の方法によって調製され得る。
【】
あるいは、出発物質のための分岐鎖状ビニル官能性ポリオルガノシロキサン(B1-8)は、単位式(B1-14):(R43SiO1/2)aa(RAR42SiO1/2)bb(R42SiO2/2)cc(RAR4SiO2/2)ee(R4SiO3/2)ddのT型分岐鎖状ポリオルガノシロキサンを含み得、式中、R4及びRAは、のとおりであり、下付き文字aa≧0、下付き文字bb>0、下付き文字ccは15~995であり、下付き文字dd>0、下付き文字ee≧0であり、数量(aa+bb+cc+dd+ee)≧4である。下付き文字aaは、0~10であり得る。あるいは、下付き文字aaは、12≧aa≧0、あるいは、10≧aa≧0、あるいは、7≧aa≧0、あるいは、5≧aa≧0、あるいは、3≧aa≧0であるような値を有し得る。あるいは、下付き文字bb≧1である。あるいは、下付き文字bb≧3である。あるいは、下付き文字bbは、12≧bb>0、あるいは、12≧bb≧3、あるいは、10≧bb>0、あるいは、7≧bb>1、あるいは、5≧bb≧2、あるいは、7≧bb≧3であるような値を有し得る。あるいは、下付き文字ccは、800≧cc≧15、あるいは400≧cc≧15であるような値を有し得る。あるいは、下付き文字eeは、800≧ee≧0、800≧ee≧15、あるいは、400≧ee≧15であるような値を有し得る。あるいは、下付き文字eeは、0であり得る。あるいは、数量(cc+ee)は、995≧(cc+ee)≧15であるような値を有し得る。あるいは、下付き文字dd≧1である。あるいは、下付き文字ddは、1~10であり得る。あるいは、下付き文字ddは、10≧dd>0、あるいは、5≧dd>0、あるいは、dd=1であるような値を有し得る。あるいは、下付き文字ddは、1~10であり得、あるいは、下付き文字ddは、1又は2であり得る。あるいは、下付き文字dd=1の場合、下付き文字bbは、3であり得、下付き文字ccは、0であり得る。下付き文字bbの値は、シルセスキオキサンの重量に基づいて、0.1%~1%、あるいは0.2%~0.6%のビニル含有量を有する単位式(B1-14)のシルセスキオキサンを提供するのに十分であり得る。出発物質のための好適なT型分岐鎖状ポリオルガノシロキサン(シルセスキオキサン)(B1-14)は、Brownらの米国特許第4,374,967号、Enamiらの米国特許第6,001,943号、Nabetaらの米国特許第8,546,508号、及びEnamiの米国特許第10,155,852号において開示されているものによって例示される。
【】
あるいは、(B)ビニル官能性ポリオルガノシロキサンは、式RM3SiO1/2の単官能性単位(「M」単位)及び式SiO4/2の四官能性シリケート単位(「Q」単位)を含む、ビニル官能性ポリオルガノシリケート樹脂を含み得、式中、各RMは、独立して選択される一価の炭化水素基であり、各RMは、独立して、のようなR4及びRAからなる群から選択され得る。あるいは、各RMは、アルキル、ビニル、及びアリールからなる群から選択され得る。あるいは、各RMは、メチル、ビニル、及びフェニルから選択され得る。あるいは、RM基の少なくとも3分の1、あるいは少なくとも3分の2は、メチル基である。あるいは、M単位は、(Me3SiO1/2)、(Me2PhSiO1/2)、及び(Me2ViSiO1/2)によって例示され得る。ポリオルガノシリケート樹脂は、ベンゼン、エチルベンゼン、トルエン、キシレン、及びヘプタン等の液体炭化水素によって例示される、出発物質(D)として本明細書に記載されるものなどの溶媒中、又は低粘度直鎖状及び環状ポリジオルガノシロキサンなどの液体非官能性有機ケイ素化合物中で可溶性である。
【】
調製される場合、ポリオルガノシリケート樹脂は、のM単位及びQ単位を含み、ポリオルガノシロキサンは、ケイ素結合ヒドロキシル基、及び/又はの部分(ZO1/2)によって記載される加水分解性基を有する単位を更に含み、式Si(OSiRM3)4のネオペンタマーを含んでもよく、式中、RMは、のとおりであり、例えば、ネオペンタマーは、テトラキス(トリメチルシロキシ)シランであり得る。29Si NMR及び13C NMRスペクトル法を用いて、ヒドロキシル及びアルコキシ含有量、並びにM単位及びQ単位のモル比を測定することができ、当該比は、ネオペンタマー由来のM単位及びQ単位を除外した{M(樹脂)}/{Q(樹脂)}として表される。M/Q比は、ポリオルガノシリケート樹脂の樹脂性部分のトリオルガノシロキシ基(M単位)の総数と、樹脂性部分中のシリケート基(Q単位)の総数とのモル比を表す。M:Q比は、0.5/1~1.5/1、あるいは0.6/1~0.9/1であり得る。
【】
ポリオルガノシリケート樹脂のMnは、存在するRMによって表される炭化水素基の種類を含む様々な要因に依存する。ポリオルガノシリケート樹脂のMnは、ネオペンタマーを表すピークが測定値から除外された場合の、GPCを使用して測定される数平均分子量を指す。ポリオルガノシリケート樹脂のMnは、1,500~30,000、あるいは、1,500~15,000、あるいは、>3,000~8,000Daであり得る。あるいは、ポリオルガノシリケート樹脂のMnは、3,500~8,000Daであってもよい。
【】
米国特許第8,580,073号の第3欄の5行目~第4欄の31行目、及び米国特許出願公開第2016/0376482号の段落[0023]~[0026]は、MQ樹脂を開示するために参照により本明細書に組み込まれ、このMQ樹脂は、出発物質(B)としての使用に好適なポリオルガノシリケート樹脂である。ポリオルガノシリケート樹脂は、対応するシランの共加水分解などの任意の好適な方法によって又はシリカヒドロゾルキャッピング法によって調製され得る。ポリオルガノシリケート樹脂は、Daudtらの米国特許第2,676,182号、Rivers-Farrell et al.の米国特許第4,611,042号、及びButlerらの米国特許第4,774,310号に開示されているものなどのシリカヒドロゲルキャッピングプロセスによって調製され得る。のDaudtらの方法は、酸性条件下でシリカヒドロゾルと、トリメチルクロロシランなどの加水分解性トリオルガノシラン、ヘキサメチルジシロキサンなどのシロキサン、又はこれらの混合物とを反応させることと、M単位及びQ単位を有するコポリマーを回収することとを含む。得られたコポリマーは概ね、2~5重量パーセントのヒドロキシル基を含有する。
【】
ポリオルガノシリケート樹脂を調製するために使用される中間体は、トリオルガノシラン及び4つの加水分解性置換基を含むシラン又はアルカリ金属シリケートであり得る。トリオルガノシランは、式RM3SiXを有してもよく、式中、RMは、のとおりであり、Xは、ヒドロキシル基、又は例えば、の式(ZO1/2)の加水分解性置換基を表す。4つの加水分解性置換基を有するシランは、式SiX24を有し得、式中、各X2は、独立して、ハロゲン、アルコキシ、及びヒドロキシルからなる群から選択される。好適なアルカリ金属シリケートとしては、ナトリウムシリケートが挙げられる。
【】
のように調製されたポリオルガノシリケート樹脂は、典型的には、例えば、式HOSiO3/2のケイ素結合ヒドロキシル基を含有する。ポリオルガノシリケート樹脂は、のように、FTIR分光法及び/又はNMR分光法によって測定されるように、最大3.5%のケイ素結合ヒドロキシル基を含み得る。特定の用途では、ケイ素結合ヒドロキシル基の量は、0.7%未満、あるいは0.3%未満、あるいは1%未満、あるいは0.3%~0.8%であることが望ましい場合がある。ポリオルガノシリケート樹脂の調製中に形成されるケイ素結合ヒドロキシル基は、シリコーン樹脂を、適切な末端基を含有するシラン、ジシロキサン、又はジシラザンと反応させることによってトリ炭化水素シロキサン基又は異なる加水分解性基に変換することができる。加水分解性基を含有するシランは、ポリオルガノシリケート樹脂におけるケイ素結合ヒドロキシル基と反応するのに必要な量よりもモル過剰で添加され得る。
【】
あるいは、ポリオルガノシリケート樹脂は、2%以下、あるいは、0.7%以下、あるいは、0.3%以下、あるいは、0.3%~0.8%のヒドロキシル基含有単位、例えば、式XSiO3/2(式中、RMはのとおりであり、Xは、加水分解性置換基及び/又はシラノール基、例えば、ケイ素結合OHを表す)によって表される単位を更に含み得る。ポリオルガノシリケート樹脂中に存在するシラノール基(式中、X=OH)の濃度は、下記のようにFTIR分光法及び/若しくはNMRを使用して決定され得る。
【】
本明細書で使用するために、ポリオルガノシリケート樹脂は、1分子当たり1つ以上のビニル基を更に含む。ビニル基を有するポリオルガノシリケート樹脂は、Daudtらの生成物を、最終生成物中に3~30モルパーセントのビニル基を提供するのに十分な量の、ビニル基含有末端封鎖剤及び脂肪族不飽和を含まない末端封鎖剤と反応させることによって調製され得る。末端封鎖剤の例としては、限定されないが、シラザン、シロキサン、及びシランが挙げられる。好適な末端封鎖剤は、当該技術分野において既知であり、Blizzardらの米国特許第4,584,355号、Blizzardらの同第4,591,622号、及びHomanらの同第4,585,836号において例示されている。単一の末端封鎖剤又はこのような剤の混合物を使用して、このような樹脂を調製し得る。
【】
あるいは、ポリオルガノシリケート樹脂は、単位式(B1-15):(R43SiO1/2)mm(R42RASiO1/2)nn(SiO4/2)oo(ZO1/2)hを含んでもよく、式中、Z、R4、及びRA、並びに下付き文字hは、のとおりであり、下付き文字mm、nn、及びooは、mm≧0、nn>0、oo>0、及び0.5≦(mm+nn)/oo≦4であるような平均値を有する。あるいは、0.6≦(mm+nn)/oo≦4、あるいは、0.7≦(mm+nn)/oo≦4、あるいは、0.8≦(mm+nn)/oo≦4である。
【】
あるいは、(B)ビニル官能性ポリオルガノシロキサンは、(B1-16)ビニル官能性シルセスキオキサン樹脂、すなわち、単位式:(R43SiO1/2)a(R42RASiO1/2)b(R42SiO2/2)c(R4RASiO2/2)d(R4SiO3/2)e(RASiO3/2)f(ZO1/2)hの三官能性(T)単位を含有する樹脂を含み得、式中、R4及びRAは、のとおりであり、下付き文字f>1、2<(e+f)<10,000、0<(a+b)/(e+f)<3、0<(c+d)/(e+f)<3、かつ0<h/(e+f)<1.5である。あるいは、ビニル官能性シルセスキオキサン樹脂は、単位式(B1-17):(R4SiO3/2)e(RASiO3/2)f(ZO1/2)hを含み得、式中、R4、RA、Z、並びに下付き文字h、e、及びfは、のとおりである。あるいは、ビニル官能性シルセスキオキサン樹脂は、のT単位に加えて、式(R42SiO2/2)c(R4RASiO2/2)dの二官能性(D)単位、すなわち、DT樹脂を更に含み得、式中、下付き文字c及びdは、のとおりである。あるいは、ビニル官能性シルセスキオキサン樹脂は、式(R43SiO1/2)a(R42RASiO1/2)bの単官能性(M)単位、すなわち、MDT樹脂を更に含み得、式中、下付き文字a及びbは、単位式(B1-1)についてのとおりである。
【】
ビニル官能性シルセスキオキサン樹脂は、例えば、市販されている。トルエン中に溶解された単位式(B1-18):(Me2ViSiO1/2)25(PhSiO3/2)75を含むRMS-310は、Dow Silicones Corporation(Midland,Michigan,USA)から市販されている。ビニル官能性シルセスキオキサン樹脂は、Nollによる「Chemistry and Technology of Silicone」Academic Press(1968)、第5章、190~245頁に記載されているような方法を使用して、トリアルコキシシランの加水分解及び縮合又は混合物によって生成され得る。あるいは、ビニル官能性シルセスキオキサン樹脂は、Beckerらの米国特許第6,281,285号、Bankらの米国特許第5,010,159号に記載される方法を使用して、トリクロロシランの加水分解及び縮合によって生成され得る。D単位を含むビニル官能性シルセスキオキサン樹脂は、Swierらの米国特許出願公開第2020/0140619号及びPCT国際公開第2018/204068号に開示されている方法などの既知の方法によって調製され得る。
【】
出発物質(B)は、のビニル官能性ポリオルガノシロキサンのうちのいずれか1つであり得る。あるいは、出発物質(B)は、ビニル官能性ポリオルガノシロキサンのうちの2つ以上の混合物を含み得る。
【】
(C)コバルトカルボニル触媒
本明細書に記載される方法で使用される出発物質(C)は、コバルトカルボニル触媒である。コバルトカルボニル触媒は、前工程1)で上述したように調製され得る。コバルトカルボニル触媒は、HCo(CO)4を含んでもよい。あるいは、コバルトカルボニル触媒は、HCo(CO)4から本質的になってもよい。あるいは、コバルトカルボニル触媒は、HCo(CO)4からなってもよい。あるいは、コバルトカルボニル触媒は、コバルト(II)アセチルアセトネート、ジコバルトオクタカルボニル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるコバルト触媒前駆体を、H2を含むガスの存在下で、あるいは、工程1)で使用される、CO及びH2を含むガスである出発物質(A)の存在下で加熱することの生成物を含んでもよい。理論に束縛されるものではないが、このコバルトカルボニル触媒を用いて、適切な溶媒中、穏やかな温度及び圧力下でビニル官能性ポリオルガノシロキサンをヒドロホルミル化すると、アルデヒド部分の良好な安定性及び良好な選択性を有するプロパナール官能性ポリオルガノシロキサンが高収率で生成されると考えられる。選択性は、プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンの直鎖状(N)異性体と分岐鎖状(I)異性体との比を指す。例えば、直鎖状異性体と分岐鎖状異性体とのモル比(N)/(I)比は、1超であってもよい。更に、安定性とは、アルデヒド部分の分解などの副反応が、ヒドロホルミル化反応条件下で最小限に抑えられ得ることを意味する。
【】
コバルトカルボニル触媒の正確な量は、出発物質(B)の選択及び本明細書に記載される方法に使用されるモード(例えば、バッチ又は連続)などの様々な要因によって異なる。しかし、バッチプロセスでは、コバルトカルボニル触媒は、(B)ビニル官能性ポリオルガノシロキサンの重量に基づいて少なくとも142ppmのCoを提供するのに十分な量で使用されてもよい。あるいは、(C)コバルトカルボニル触媒の量は、同じ基準で、142ppm~5,000ppm、あるいは142ppm~2,000ppm、あるいは142ppm~1,180ppmのCoを提供するのに十分な量で存在してもよい。あるいは、コバルトカルボニル触媒は、少なくとも142ppm、あるいは少なくとも150ppm、あるいは少なくとも250ppm、あるいは少なくとも500ppm、あるいは少なくとも750ppmの量で使用されてもよく、一方で同時に、コバルトカルボニル触媒は、最大5,000ppm、あるいは最大4,000ppm、あるいは最大3,000ppm、あるいは最大2,000ppm、あるいは最大1,180ppmの量で使用されてもよい。
【】
コバルトカルボニル触媒は、カルボニル基(例えば、ジコバルトオクタカルボニル前駆体由来の式C=Oのカルボニル基、又はコバルトアセチルアセトネート由来の基)以外のコバルトに配位した有機配位子を含まなくてもよい。他の配位子、例えば有機ホスフィン配位子は、コバルトカルボニル触媒の性能に悪影響を与える可能性があるため、コバルトカルボニル触媒は、有機リン配位子、例えば、トリ(tert-ブチル)ホスフィン及び/又はトリシクロヘキシルホスフィンなどの有機ホスフィン配位子を含まなくてもよい。本出願の目的において、「有機リン配位子を含まない」とは、工程1)で意図的に添加された出発物質に有機リン化合物が全く含まれていないか、又はリンNMRで検出できない量の有機リン化合物が含まれていることを意味する。
【】
(D)溶媒
ヒドロホルミル化反応プロセスは、(C)コバルトカルボニル触媒及び/若しくは出発物質(B)ビニル官能性ポリオルガノシロキサン、例えばビニル官能性ポリオルガノシロキサン樹脂が出発物質(B)として選択される場合、又はその両方などの出発物質の1つ以上を混合及び/又は供給することを容易にするために、溶媒を用いて行ってもよい。溶媒は、出発物質を溶解し得る脂肪族又は芳香族炭化水素、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサン、又はこれらのうちの2つ以上の組み合わせによって例示される。更なる溶媒としては、1,4-ジオキサン、THF、ジブチルエーテル、ジグリム、テトラグリム、及びテキサノールが挙げられる。理論に束縛されるものではないが、溶媒は触媒とビニル官能性ポリオルガノシロキサンとの両方を溶解し、出発物質の粘度を低減するために使用され得ると考えられる。溶媒の量は、単相溶液を作製するのに十分な量である。溶媒の量は、出発物質(B)のビニル官能性ポリオルガノシロキサンの重量に基づいて5%~70%であってもよい。
【】
プロパナール官能性ポリオルガノシロキサン
の方法により、プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンが生成される。プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンは、1分子当たり、ケイ素に共有結合した少なくとも1つのプロパナール基を有する。あるいは、プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンは、1分子当たり、ケイ素に共有結合した1つを超えるプロパナール基を有し得る。ケイ素に共有結合したプロパナール基は、式:
【】
【化】
を有し得、式中、Gは、2個の炭素原子を有する脂肪族不飽和を含まない二価の炭化水素基である。Gは、直鎖状又は分岐鎖状であり得る。Gの二価ヒドロカルビル基の例としては、式-CH
2-CH
2-の直鎖基、及び式
【】
【化】
の分岐鎖基が挙げられる。プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンは、少なくとも1つのR
Aがプロパナール基で置き換えられた、(B)ビニル官能性ポリオルガノシロキサンの式のうちのいずれかであってもよい。
【】
当該プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンは、環状、直鎖状、分岐鎖状、樹脂状、又はこれらのうちの2つ以上の組み合わせであり得る。当該プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンは、単位式(E1-1):(R43SiO1/2)a(R42RAldSiO1/2)b(R42SiO2/2)c(R4RAldSiO2/2)d(R4SiO3/2)e(RAldSiO3/2)f(SiO4/2)g(ZO1/2)hを含んでもよく、式中、各RAldは、のような式
【】
【化】
の独立して選択されるプロパナール基であり、G、R
4、Z、及び下付き文字a、b、c、d、e、f、g、及びhは、のとおりである。
【】
あるいは、(E)プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンは、1分子当たり、少なくとも1つのケイ素結合プロパナール基を有する、あるいは、少なくとも2つのケイ素結合プロパナール基を有する、(E1-2)直鎖状ポリジオルガノシロキサンを含んでもよい(例えば、のプロパナール官能性ポリオルガノシロキサンについての式(E1-1)中、下付き文字e=f=g=0である場合)。例えば、当該ポリジオルガノシロキサンは、単位式(E1-3):(R43SiO1/2)a(RAldR42SiO1/2)b(R42SiO2/2)c(RAldR4SiO2/2)dを含み得、式中、RAld、R4、及び下付き文字a、b、c、及びdは、のとおりである。
【】
あるいは、単位式(E1-3)の直鎖状プロパナール官能性ポリジオルガノシロキサンは、単位式(E1-4):(R42RAldSiO1/2)2(R42SiO2/2)m(R4RAldSiO2/2)n、単位式(E1-5):(R43SiO1/2)2(R42SiO2/2)o(R4RAldSiO2/2)p、又は(E1-4)と(E1-5)との両方の組み合わせからなる群から選択され得、式(E1-4)及び(E1-5)中、R4、RAld、並びに下付き文字m、n、o、及びpは、のとおりである。直鎖状プロパナール官能性ポリジオルガノシロキサン(E)は、i)ビスジメチル(プロパナール)シロキシ末端ポリジメチルシロキサン、ii)ビスジメチル(プロパナール)シロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチル(プロパナール)シロキサン)、iii)ビスジメチル(プロパナール)シロキシ末端ポリメチル(プロパナール)シロキサン、iv)ビストリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチル(プロパナール)シロキサン)、v)ビストリメチルシロキシ末端ポリメチル(プロパナール)シロキサン、vi)ビスジメチル(プロパナール)シロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルフェニルシロキサン/メチル(プロパナール)シロキサン)、vii)ビスジメチル(プロパナール)シロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルフェニルシロキサン)、viii)ビスジメチル(プロパナール)シロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/ジフェニルシロキサン)、ix)ビスフェニル、メチル、(プロパナール)シロキシ末端ポリジメチルシロキサン、及びx)i)~ix)のうちの2つ以上の組み合わせなどのプロパナール官能性ポリジオルガノシロキサンを含んでもよい。
【】
あるいは、(E)プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンは、環状であり得、例えば、単位式(E1-1)中、下付き文字a=b=c=e=f=g=h=0の場合である。環状プロパナール官能性ポリジオルガノシロキサンは、単位式(E1-6):(R4RAldSiO2/2)dを有し得、式中、RAld、及びR4、及び下付き文字dは、のとおりである。環状プロパナール官能性ポリジオルガノシロキサンの例としては、2,4,6-トリメチル-2,4,6-トリ(プロパナール)-シクロトリシロキサン、2,4,6,8-テトラメチル-2,4,6,8-テトラ(プロパナール)-シクロテトラシロキサン、2,4,6,8,10-ペンタメチル-2,4,6,8,10-ペンタ(プロパナール)-シクロペンタシロキサン、及び2,4,6,8,10,12-ヘキサメチル-2,4,6,8,10,12-ヘキサ(プロパナール)-シクロヘキサシロキサンが挙げられる。
【】
あるいは、環状プロパナール官能性ポリジオルガノシロキサンは、単位式(E1-7):(R42SiO2/2)c(R4RAldSiO2/2)dを有し得、式中、R4、RAld、並びに下付き文字c及びdは、のとおりである。
【】
あるいは、(E)プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンは、分岐鎖状であり得る。分岐鎖状プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンは、一般式(E1-8):RAldSiR123を有し得、式中、RAldは、のとおりであり、各R12は、R13及び-OSi(R14)3から選択され、各R13は、一価の炭化水素基であり、各R14は、R13、-OSi(R15)3、及び-[OSiR132]iiOSiR133から選択され、各R15は、R13、-OSi(R16)3、及び-[OSiR132]iiOSiR133から選択され、各R16は、R13及び-[OSiR132]iiOSiR133から選択され、下付き文字iiは、0≦ii≦100であるような値を有し、但し、R12、R14、及びR15は、分岐鎖状プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンが1分子当たり少なくとも4個のケイ素原子を有するように選択される。R12のうちの少なくとも2つは、-OSi(R14)3であり得る。あるいは、R12のうちの3つ全てが、-OSi(R14)3であり得る。
【】
あるいは、式(E1-8)中、各R12が-OSi(R14)3である場合、各R14は、-OSi(R15)3部分であり得、それによって、分岐鎖状プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンは、以下の構造(E1-9):
【】
【化】
を有し、式中、R
Ald及びR
15は、のとおりである。
【】
あるいは、式(E1-8)中、各R12が-OSi(R14)3である場合、1つのR14は、各R12が-OSiR13(R14)2であるように、各-OSi(R14)3においてR13であり得る。あるいは、-OSiR13(R14)2中の2つのR14は、各々、分岐プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンが以下の構造(E1-10):
【】
【化】
を有するような-OSi(R
15)
3部分であり得、
式中、R
Ald、R
13、及びR
15は、のとおりである。
【】
あるいは、式(E1-8)中、1つのR12は、R13であり得、R12のうちの2つは、-OSi(R14)3であり得る。R12のうちの2つが-OSi(R14)3であり、1つのR14が各-OSi(R14)3においてR13である場合、R12のうちの2つは、-OSiR13(R14)2である。あるいは、-OSiR13(R14)2中の各R14は、分岐鎖状プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンが以下の構造(E1-11):
【】
【化】
を有するように、-OSi(R
15)
3であり得、式中、R
Ald、R
13、及びR
15は、のとおりである。プロパナール官能性分岐鎖状ポリオルガノシロキサンの例としては、式
【】
【化】
を有するトリス(トリメチルシロキシ)シランプロパナール、
式
【】
【化】
を有する3-(1,1,1,3,5,7,9,9,9-ノナメチル-3,7-ビス((トリメチルシリル)オキシ)ペンタシロキサン-5-イル)プロパナール、及び
式
【】
【化】
を有する3-(5-((1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)オキシ)-1,1,1,3,7,9,9,9-オクタメチル-3,7-ビス((トリメチルシリル)オキシ)ペンタシロキサン-5-イル)プロパナールが挙げられる。
【】
あるいは、(E)プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンは、分岐していてもよく、例えば、デンドリマー構造を有する分岐鎖状プロパナール官能性ポリオルガノシロキサン及び/又は、例えば、1分子当たりより多くのプロパナール基を有し得る分岐鎖状プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンなどである。あるいは、分岐鎖状プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンは、(式(E1-1)中)分岐鎖状プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンに、>0~5mol%の三官能性単位及び/又は四官能性単位を提供するに十分な数量(e+f+g)を有し得る。
【】
例えば、分岐鎖状プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンは、単位式(E1-12):(R43SiO1/2)q(R42RAldSiO1/2)r(R42SiO2/2)s(SiO4/2)tのQ型分岐鎖状ポリオルガノシロキサンを含み得、式中、R4、RAld、並びに下付き文字q、r、s、及びtは、のとおりである。
【】
あるいは、分岐鎖状プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンは、式(E1-13):[RAldR42Si-(O-SiR42)x-O](4-w)-Si-[O-(R42SiO)vSiR43]wを含み得、式中、RAld、R4、並びに下付き文字v、w、及びxは、のとおりである。
【】
あるいは、式(E1-8)の分岐鎖状プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンは、単位式(E1-14):(R43SiO1/2)aa(RAldR42SiO1/2)bb(R42SiO2/2)cc(RAldR4SiO2/2)ee(R4SiO3/2)ddのT型分岐鎖状ポリオルガノシロキサン(シルセスキオキサン)を含み得、式中、R4、RAld、並びに下付き文字aa、bb、cc、dd、及びeeは、のとおりである。
【】
あるいは、(E)プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンは、プロパナール官能性ポリオルガノシリケート樹脂及び/又はプロパナール官能性シルセスキオキサン樹脂などのプロパナール官能性ポリオルガノシロキサン樹脂を含み得る。ポリオルガノシリケート樹脂は、単位式(E1-15):(R43SiO1/2)mm(R42RAldSiO1/2)nn(SiO4/2)oo(ZO1/2)hを含み得、式中、Z、R4、RAld、並びに下付き文字h、mm、nn、及びooは、のとおりである。
【】
あるいは、(E)プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンは、(E1-16)プロパナール官能性シルセスキオキサン樹脂、すなわち、単位式:(R43SiO1/2)a(R42RAldSiO1/2)b(R42SiO2/2)c(R4RAldSiO2/2)d(R4SiO3/2)e(RAldSiO3/2)f(ZO1/2)hの三官能性(T’)単位を含有する樹脂を含み得、式中、R4、RAld、並びに下付き文字a、b、c、d、e、f、及びhは、のとおりである。あるいは、プロパナール官能性シルセスキオキサン樹脂は、単位式(E1-17):(R4SiO3/2)e(RAldSiO3/2)f(ZO1/2)hを含み得、式中、R4、RAld、Z、並びに下付き文字h、e、及びfは、のとおりである。あるいは、プロパナール官能性シルセスキオキサン樹脂は、のT単位に加えて、式(R42SiO2/2)c(R4RAldSiO2/2)dの二官能性(D’)単位、即ち、D’T’樹脂を更に含み得、式中、R4、RAld、並びに下付き文字c及びdは、のとおりである。あるいは、プロパナール官能性シルセスキオキサン樹脂は、式(R43SiO1/2)a(R42RAldSiO1/2)bの単官能性(M’)単位、即ち、M’D’T’樹脂を更に含み得、式中、R4、RAld、並びに下付き文字a及びbは、単位式(B1-1)についてのとおりである。
【実施例】
【】
以下の実施例は、当業者に本発明を例解するために提供されるものであり、特許請求の範囲に記載の本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。これらの例で使用した出発物質を以下の表1にまとめる。
【】
【】
この参考例1では、Co触媒を以下のようにして調製した。Co(acac)2(31mg;0.12mmol;MW257.15)を1,4-ジオキサン(25g)に溶解し、シリンジでParr反応器に充填し、100psi(689.5kPa)の合成ガスで2回パージした。その後、触媒を700psi(4826.3kPa)、140℃で30分間加熱した。反応器を30~40℃まで冷却した。
【】
参考例2、Co触媒2は以下のようにして調製した。Co(acac)2(257mg;1mmol)を1,4-ジオキサン(25g)に溶解し、シリンジでParr反応器に充填し、100psi(689.5kPa)の合成ガスで2回パージした。その後、触媒を700psi(4826.3kPa)及び140℃で30分間加熱した。反応器を30~40℃まで冷却した。
【】
この比較例1では、以下のようにして、100℃でヒドロホルミル化反応を行った。出発物質の(B-1)MviD178Mvi(10g)を、ジャー中で1,4-ジオキサン(15g)と混合し、窒素を5分間バブリングしてパージした。この溶液を、参考例1に記載したように調製したCo触媒を含む、冷却されベントされたParr反応器に移した。合成ガスを充填し(300psi、2068.4kPa)、撹拌しながら温度を100℃まで上昇させた。ヒドロホルミル化を、700psi(4826.3kPa)の合成ガス及び100℃で2時間行った。次いで、反応器を30~40℃まで冷却し、ベントした後、試料を採取し、NMRによる分析を行った。分析の結果、出発物質(B-1)MviD178Mviが完全に変換されたこと、及び二次変換によって、得られたアルデヒド基が部分的に分解されたことが明らかになった(表2)。
【】
ヒドロホルミル化反応温度を100℃の代わりに90℃としたこと以外は、実施例1と同様にして比較例2を行った。反応生成物のNMR分析の結果、出発物質(B-1)MviD178Mviが完全に変換されたこと、及び二次変換によってアルデヒドが部分的に分解されたことが明らかになった(表2)。
【】
この比較例3では、Co(acac)2(31mg;0.12mmol;MW257.15)を1,4-ジオキサン(25g)に溶解し、シリンジでParr反応器に充填し、100psiの合成ガスで2回パージした。次いで、触媒を500psi(3447.4kPa)及び140℃で30分間加熱した。反応器を30~40℃まで冷却し、合成ガスを排出し、反応器内の溶液をシリンジで除去した。
【】
反応器を開け、純粋(B-1)MviD178Mvi(25g)を素早く投入した。次いで、触媒溶液をParr反応器に戻した。合成ガスを導入し(50psi、344.7kPa)、撹拌しながら温度を90℃まで上昇させた。ヒドロホルミル化を、合成ガス150psi(1034.2kPa)及び90℃で2時間行った。次いで、反応器を30~40℃まで冷却し、ベントした後、試料を採取し、NMRによる分析を行った。分析の結果、反応は確認されなかった(表2)。
【】
この実施例4では、(B-1)MviD178Mvi(10g)を、ジャー中で1,4-ジオキサン(15g)と混合し、窒素を5分間バブリングすることによってパージした。この溶液を、Co触媒(参考例1に記載のように調製)を含む、冷却されベントされたParr反応器に移した。合成ガスを充填し(300psi、2068.4kPa)、撹拌しながら温度を70℃まで上昇させた。ヒドロホルミル化を、700psi(4826.3kPa)の合成ガス及び70℃で30分間行った。次いで、反応器を30~40℃まで冷却し、ベントした後、試料を採取し、NMRによる分析を行った。分析の結果、出発物質(B-1)、MviD178Mviが部分的に変換され、アルデヒドの二次生成物は生成されなかったことが明らかになった。2時間後及び4時間後にも試料を採取し分析した。4時間後の変換率は73%で、N/I=1.3であった(表2)。
【】
実施例5は、実施例4と同様に実施したが、ヒドロホルミル化反応の温度は70℃の代わりに80℃であり、圧力は700psi(4826.3kPa)の代わりに400psi(2757.9kPa)であった。分析の結果、開始時のMviD178Mviは0.5時間及び2時間で部分的に変換されたことが明らかになった。2時間後の変換率はN/I=1.5で73%であった(表6)。
【】
この比較例6では、Co(acac)2(100mg;0.39mmol;MW257.15)を窒素下で1,4-ジオキサン(25g)に溶解し、この溶液にトリ-(tert-ブチル)ホスフィン(404mg;2mmol)を添加した。混合物をシリンジでParr反応器に充填し、100psiの合成ガスで2回パージした。次いで、触媒を700psi(4826.3kPa)、140℃で30分間活性化させた。反応器を30~40℃まで冷却した。
【】
MviD178Mvi(10g)を、ジャー中で1,4-ジオキサン(15g)と混合し、窒素を5分間バブリングしてパージした。この溶液を、活性化されたCo-トリ(tert-ブチル)ホスフィン触媒を含む、冷却されベントされたParr反応器に移した。合成ガスを充填し(300psi(2068.4kPa))、撹拌しながら温度を80℃まで上昇させた。ヒドロホルミル化反応を、700psi(4826.3kPa)の合成ガス及び80℃で4時間試みた。次いで、反応器を30~40℃まで冷却し、ベントした後、試料を採取し、NMRによる分析を行った。分析の結果、反応は確認されなかった(表2)。
【】
この比較例7では、Co(acac)2(100mg;0.39mmol)を窒素雰囲気下で1,4-ジオキサン(25g)に溶解し、トリシクロヘキシルホスフィン(561mg;2mmol)を添加した。混合物をシリンジでParr反応器に充填し、100psiの合成ガスで2回パージした。次いで、触媒を700psi(4826.3kPa)、140℃で30分間活性化させた。反応器を30~40℃まで冷却した。
【】
出発物質の(B-1)MviD178Mvi(10g)を、ジャー中で1,4-ジオキサン(15g)と混合し、窒素を5分間バブリングしてパージした。この溶液を、活性化されたCo-トリシクロヘキシルホスフィン触媒を含む、冷却されベントされたParr反応器に移した。合成ガスを充填し(300psi(2068.4kPa))、撹拌しながら温度を80℃まで上昇させた。ヒドロホルミル化反応を、700psi(4826.3kPa)の合成ガス及び80℃で4時間試みた。次いで、反応器を30~40℃まで冷却し、ベントした後、試料を採取し、NMRによる分析を行った。分析の結果、反応は確認されなかった(表2)。
【】
この比較例8では、MDviMを以下のように反応させた:1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチル-3-ビニルトリシロキサン(25g)を窒素バブリングで5分間パージし、次いで、活性化Co触媒(参考例2で上述したように調製した)を含む、冷却されベントされたParr反応器に移した。合成ガスを充填し(300psi(2068.4kPa))、撹拌しながら温度を80℃まで上昇させた。700psi(4826.3kPa)の合成ガスを用いて、80℃で4時間ヒドロホルミル化反応を試みた。その後、反応器を30~40℃まで冷却し、ベントした後、試料を採取し、NMRによる分析を行った。分析の結果、反応は確認されなかった(表2)。
【】
この比較例9では、MviMviを以下のように反応させた。1,1,3,3-テトラメチル-1,3-ジビニルジシロキサン(25g)を窒素バブリングで5分間パージし、次いで、活性化Co触媒(参考例2で上述したように調製した)を含む、冷却されベントされたParr反応器に移した。合成ガスを充填し(300psi(2068.4kPa))、撹拌しながら温度を90℃まで上昇させた。ヒドロホルミル化反応を、700psi(4826.3kPa)の合成ガス及び90℃で4時間試みた。次いで、反応器を30~40℃まで冷却し、ベントした後、試料を採取し、NMRによる分析を行った。分析の結果、変換率はわずか1%であることが明らかになった(表2)。
【】
この実施例10では、(B-3)MViD141DVi2MVi(25g)を窒素バブリングで5分間パージし、次いで、Co触媒2(参考例2で上述したように調製)を含む、冷却されベントされたParr反応器に移した。合成ガスを充填し(300psi(2068.4kPa))、撹拌しながら温度を80℃まで上昇させた。ヒドロホルミル化反応を、700psi(4826.3kPa)の合成ガス及び80℃で2時間行った。NMR分析の結果、変換率は97%、N/Iは2.3であった。4時間後、変換率は100%、N/I=2.6であった(表2)。
【】
この実施例11では、(B-1)MviD178Mvi(25g)を窒素バブリングで5分間パージし、Co触媒2(参考例2で上述したように調製)を含む、冷却されベントされたParr反応器に移した。合成ガスを充填し(300psi(2068.4kPa))、撹拌しながら温度を70℃まで上昇させた。ヒドロホルミル化を、700psi(4826.3kPa)の合成ガス及び70℃で2時間行った。NMR分析の結果、変換率は33%、N/Iは1.5であった。4時間後、変換率は71%、N/I=1.65であった(表2)。
【】
この実施例12では、(B-1)MviD178Mvi(10g)を、ジャー中で1,4-ジオキサン(15g)と混合し、窒素を5分間バブリングすることによりパージした。この溶液を、Co触媒2(参考例2に記載のように調製)を含む、冷却されベントされたParr反応器に移した。合成ガスを充填し(300psi(2068.4kPa))、撹拌しながら温度を70℃まで上昇させた。ヒドロホルミル化を、700psi(4826.3kPa)の合成ガス及び70℃で2時間行った。NMR分析の結果、変換率は82%、N/Iは2.3であった。4時間後、変換率は100%、N/I=2.3であった(表2)。
【】
この実施例13では、(B-2)MViD543DVi147MVi(10g)を、ジャー中で1,4-ジオキサン(15g)と混合し、窒素を5分間バブリングすることによりパージした。この溶液を、Co触媒2(参考例2に記載のように調製)を含む、冷却されベントされたParr反応器に移した。合成ガスを充填し(300psi(2068.4kPa))、撹拌しながら温度を70℃まで上昇させた。ヒドロホルミル化は、700psi(4826.3kPa)の合成ガス及び70℃で実施した。NMR分析の結果、2時間後には14%の変換率を示し、4時間後には21%に増加した。8時間後の変換率は39%であった(表2)。
【】
【】
表2において、*は反応なしを示す。**は微量反応を示す。+は、形成された末端及びペンダントプロパナール基を示す。++は、プロパナール基の分解が起こったことを示す。N/Dは未測定を意味する。
【産業上の利用可能性】
【】
本発明者らは、驚くべきことに、本明細書に記載の方法が、従来のヒドロホルミル化反応プロセスよりも穏やかな条件下で実施できることを見出した。例えば、本発明の方法において、90℃未満の温度及び700psi(4826.3kPa)以下の圧力により、プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンの分解及び/若しくは架橋が最小限であるか又は全くなく、著しく高い温度及び/又は圧力で実施され得る従来の方法と比較してエネルギー消費が低減されたプロパナール官能性ポリオルガノシロキサンの生成が可能となる。収率の改善(プロパナール官能性ポリオルガノシロキサン生成物を分解及び/又は架橋する副反応を最小限にすることによる)及びエネルギー消費の低減により、本方法は、より高い温度でヒドロホルミル化反応を行う方法よりも持続可能になる。
【】
用語の定義及び使用
本明細書における全ての量、比率、及び百分率は、別途指定がない限り、重量に基づく。別途記載がない限り、組成物中の全ての出発物質の量の合計は100重量%になる。冠詞「a」、「an」、「the」には、特に明記されていない限り、単数形及び複数形の両方が含まれる。記号「<」は「未満」を意味する。記号「>」は、「超」を意味する。記号「≦」は「以下」を意味する。記号「≧」は「以上」を意味する。「発明の概要」及び「要約書」は、参照により本明細書に組み込まれる。「含む(comprising)」、「から本質的になる(consisting essentially of)」、及び「からなる(consisting of)」という移行句は、「Manual of Patent Examining Procedure Ninth Edition」,Revision 08.2017,Last Revised January 2018のセクション§2111.03のI.、II.、及びIIIに記載されているように使用される。本明細書で使用される略語は、表11に定義される。
【】
【】
本明細書では、以下の試験方法を使用した。1H NMR:1H NMRスペクトルは、オートサンプラを備えたVarian 400-NMR分光計(400MHz、1H)で記録した。化学シフト(δ)は、内部溶媒共鳴を基準とし、テトラメチルシランを基準として報告される。Perkin-Elmer ChemDrawバージョン18.2.0.48ソフトウェアを用いて、1Hスペクトルの予測化学シフトを得た。29Si NMR:出発物質(B)のビニル含有量は、「The Analytical Chemistry of Silicones」A.Lee Smith編、Chemical Analysisの112巻、John Wiley&Sons,Inc.(1991)に記載されている技法によって測定され得る。粘度:粘度は、例えば、120mPa・s~250,000mPa・sの粘度を有するポリマー(例えば、ある特定の(B)ビニル官能性ポリオルガノシロキサン及び(E)プロパナール官能性ポリオルガノシロキサン)について、#CP-52スピンドルを備えたBrookfield DV-IIIコーンプレート粘度計で、25℃、0.1~50RPMで測定され得る。当業者であれば、粘度が増加するにつれて回転速度が減少することを認識し、適切なスピンドル及び回転速度を選択することができるであろう。
【】
解決されるべき課題:
優れた触媒システムの欠如は、ビニル官能性ポリオルガノシロキサン化合物のヒドロホルミル化プロセスの商業化にとって大きな課題となっている。これまで提案されたプロセスは、ロジウム触媒のコスト及び入手のしやすさ、並びに他の触媒の場合において反応速度が遅い、直鎖選択性が低い、触媒使用量が高い、及び反応条件が厳しいなどの性能の低さといった欠点の1つ以上を抱えている。遅い反応速度は、低い生産性をもたらす。高い触媒使用量は、触媒再利用において困難をもたらすであろう。直鎖選択性が低いと、分岐した生成物はブルック転位反応を起こす傾向があるため、生成物の分解が促進される。更に、温度90℃以上などの厳しい条件では、プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンの分解及び/又は架橋が起こる可能性がある。
【】
本発明のヒドロホルミル化プロセスは、これまで提案されたプロセスに対して1つ以上の有益性、すなわち、反応速度の高速化、収率の向上、良好な安定性、及び良好な選択性の実現などを提供する。の実施例に示されるように、ヒドロホルミル化プロセスは、ケイ素結合プロパナール基を有するポリオルガノシロキサンを含む反応流体を生成することができる。直鎖状及び分岐鎖状のプロパナール基が形成される可能性がある。直鎖状プロパナール官能基部分と分岐鎖状プロパナール官能基部分とのモル比(N/I比)は>1である。更に、ヒドロホルミル化プロセスは堅牢であり、様々なビニル官能性ポリオルガノシロキサン出発物質でこれらの利点を提供する。
【手続補正書】
【提出日】
【手続補正】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項】
プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンを調製するための方法であって、
1)
(A)水素及び一酸化炭素を含むガスと、
(B)1分子当たり少なくとも4つのシロキサン単位を有するビニル官能性ポリオルガノシロキサンと、
(C)少なくとも142ppmのコバルト金属を提供するのに十分な量のコバルトカルボニル触媒と、
(D)溶媒と、を含む出発物質を組み合わせることを含み、
工程1)は、
50℃~90℃未満の温度で、
150psi超~700psiの圧力で、かつ
少なくとも30分間の時間にわたって行われ、これにより、前記プロパナール官能性ポリオルガノシロキサンを含む反応流体が調製される、方法。
【請求項】
前記方法が、工程1)の前に追加の工程を更に含み、前記追加の工程は、
前工程1)(C)前記コバルトカルボニル触媒を、
i)コバルト(II)アセチルアセトネート及びCo
2(CO)
8からなる群から選択されるコバルト触媒前駆体と溶媒とを組み合わせることによって、溶液を形成することと、
ii)前記溶液を、100℃~150℃の温度で、600psi~800psiの圧力で、10分~60分間の時間にわたって加熱することによって、(C)前記コバルトカルボニル触媒を含む生成物を形成することと、を含む方法によって形成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項】
工程i)及び/又は工程ii)が、(A)水素及び一酸化炭素を含む前記ガスの存在下で行われる、請求項2に記載の方法。
【請求項】
工程1)の前に、(C)前記コバルトカルボニル触媒を含む前記生成物を25℃~50℃に冷却する工程iii)を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項】
(B)前記ビニル官能性ポリオルガノシロキサンが、単位式:
(R
43SiO
1/2)
a(R
42R
ASiO
1/2)
b(R
42SiO
2/2)
c(R
4R
ASiO
2/2)
d(R
4SiO
3/2)
e(R
ASiO
3/2)
f(SiO
4/2)
g(ZO
1/2)
h[式中、各R
Aは、ビニル基であり、各R
4は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基、6~18個の炭素原子のアリール基、及び1~18個の炭素原子の炭化水素オキシ基からなる群から選択され、各Zは、独立して、水素原子及びR
5からなる群から選択され、各R
5は、独立して、1~18個の炭素原子のアルキル基、及び6~18個の炭素原子のアリール基からなる群から選択され、下付き文字a、b、c、d、e、f、及びgは、前記単位式中の各単位の数を表し、下付き文字a≧0、下付き文字b≧0、下付き文字c≧0、下付き文字d≧0、下付き文字e≧0、下付き文字f≧0、下付き文字g≧0であるような値を有し、下付き文字hは、0≦h/(e+f+g)≦1.5であるような値を有し、10,000≧(a+b+c+d+e+f+g)≧100、及び数量(b+d+f)≧1である]を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項】
前記ビニル官能性ポリオルガノシロキサンが、直鎖状であり、単位式:(R
43SiO
1/2)
a(R
42R
ASiO
1/2)
b(R
42SiO
2/2)
c(R
4R
ASiO
2/2)
d[式中、各R
4は1~12個の炭素原子の独立して選択されたアルキル基であり、数量(a+b)=2であり、数量(b+d)≧1であり、700≧(a+b+c+d)≧140である]を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項】
各R
4が、メチル及びフェニルからなる群から独立して選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項】
各R
4が、メチルである、請求項7に記載の方法。
【請求項】
(C)前記コバルトカルボニル触媒が、式HCo(CO)
4のコバルトテトラカルボニルヒドリドを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項】
(C)前記コバルトカルボニル触媒が、有機リン配位子を含まない、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項】
工程1)において、前記温度が、70℃~80℃である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項】
工程1)において、前記圧力が、400psi~700psiである、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項】
工程1)において、前記時間が、2時間~8時間である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項】
工程1)において、(C)前記コバルトカルボニル触媒が、142ppm~1180ppmのコバルト金属を提供するのに十分な量で存在する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】