再表2013-153571IP Force 特許公報全文掲載

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2013年10月17日
【発行日】2015年12月17日
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 5/293 20060101AFI20151120BHJP
【FI】
   H02M5/293 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】26
【出願番号】特願2013-525054(P2013-525054)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2012年4月10日
(11)【特許番号】特許第5565527号(P5565527)
(45)【特許公報発行日】2014年8月6日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100150441
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 洋一
(72)【発明者】
【氏名】藤田 悟
(72)【発明者】
【氏名】山田 隆二
【テーマコード(参考)】
5H750
【Fターム(参考)】
5H750BA01
5H750CC02
5H750CC06
5H750DD26
5H750DD27
5H750FF05
(57)【要約】
大型化、高コスト化、効率低下を回避しつつ、交流電源の広範囲の電圧変動に対して負荷に一定の電圧を供給し、かつ、双方向スイッチング素子のサージ電圧を抑制できる電力変換装置を提供するため、昇降圧チョッパ部10、インバータ部20a、整流部30a、第1〜第3の電圧検出手段61〜63、駆動制御部71で装置を構成する。駆動制御部71の電圧調節手段74は、電圧検出手段61が検出した電圧検出値に応じて、コンデンサ3の電圧実効値を一定にするための制御信号を生成する。前記制御信号により、昇降圧チョッパ部10、インバータ部20aのスイッチング素子が駆動されることで、コンデンサ3の電圧実効値が一定に制御される。整流部30aは、双方向スイッチング素子5,6がオフ時に、リアクトル4に蓄えられたエネルギーを蓄電素子21,22に吸収させることでサージ電圧を抑制する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のリアクトルと第1の双方向スイッチを直列に接続した第1の直列回路と、
前記第1の双方向スイッチと並列に接続されて、第2の双方向スイッチとコンデンサを直列に接続した第2の直列回路と、
ダイオードが逆並列に接続された2N個(但し、Nは自然数)のスイッチング素子を直列に接続した直列スイッチング素子と、
この直列スイッチング素子と並列に接続されて、第1および第2の蓄電素子を直列に接続した直列蓄電素子と、
この直列蓄電素子と並列に接続されて、第1および第2の整流素子を直列に接続した第1の直列整流素子と、
前記2N個のスイッチング素子の中点から前記第2の双方向スイッチとコンデンサとの接続点に接続された第2のリアクトルと
を有し、
前記第1および第2の蓄電素子の接続点は、前記第1の双方向スイッチと前記第1のコンデンサの接続点に接続され、
前記第1および第2の整流素子の接続点は、前記第1の双方向スイッチと前記第2の双方向スイッチの接続点に接続され、
前記第1の直列回路に印加された交流を変換して前記コンデンサの両端から出力することを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電力変換装置であって、
さらに前記第1の整流素子と並列に接続されて、第3および第4の整流素子を直列に接続した第2の直列整流素子を備え、
前記第3および第4の整流素子の接続点は、前記第2の双方向スイッチと前記コンデンサの接続点に接続されることを特徴とする電力変換装置。
【請求項3】
前記交流の電圧値を検出する電圧検出手段と、
前記第1および第2の双方向スイッチ、前記第1および第2のスイッチング素子をそれぞれ駆動する駆動制御部と
を具備し、
前記駆動制御部は、前記電圧検出手段が検出した交流の電圧値が所定の第1の電圧範囲内であるとき、前記第1の双方向スイッチをオフし、前記第2の双方向スイッチをオンするとともに、前記2N個のスイッチング素子を駆動して前記交流を昇圧し、前記直列蓄電素子の電圧を所定の電圧値に維持する第1モードと、
前記交流の電圧値が前記第1の電圧範囲より低い所定の第2の電圧範囲内であるとき、前記第1および第2の双方向スイッチング素子を駆動して前記交流を昇圧して前記コンデンサに与えて所定の電圧値に維持するとともに、前記2N個のスイッチング素子を駆動して前記交流を昇圧し、前記直列蓄電素子の電圧を所定の電圧値に維持する第2モードと、
前記交流の電圧値が前記第2の電圧範囲より低いとき、前記第1および第2の双方向スイッチング素子をオフするとともに、前記2N個のスイッチング素子を駆動して前記直列蓄電素子に蓄えられた電力によって前記コンデンサの電圧を所定の電圧値に維持する第3モードと、
前記交流の電圧値が前記第1の電圧範囲より高いとき、前記第1の双方向スイッチをオフし、前記第2の双方向スイッチを駆動して前記交流を降圧し、前記コンデンサの電圧を所定の電圧値に維持するとともに、前記2N個のスイッチング素子を駆動して前記交流を昇圧し、前記直列蓄電素子の電圧を所定の電圧値に維持する第4モードと
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記駆動制御部は、前記交流の電圧値が前記第2の電圧範囲より低い所定の第3の電圧範囲内であり、かつ所定の時間内であるとき、前記第2の双方向スイッチをオフし、前記第1の双方向スイッチを駆動して前記交流を昇圧し、前記直列蓄電素子の電圧を所定の電圧値に維持するとともに、前記2N個のスイッチング素子を駆動して前記直列蓄電素子に蓄えられた電力によって前記コンデンサの電圧を所定の電圧値に維持する第5モードを備えることを特徴とする請求項3に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記駆動制御部は、前記交流の電圧値が前記第3の電圧範囲内であり、かつ所定の時間内であり、かつ前記交流の電圧位相が前記コンデンサの電圧位相と同期しているとき、前記第1および第2の双方向スイッチング素子を駆動して前記交流を昇圧するとともに、前記2N個のスイッチング素子を駆動して前記直列蓄電素子に蓄えられた電力によって前記コンデンサの電圧を所定の電圧値に維持する第6モードを備えることを特徴とする請求項3に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記駆動制御部は、前記交流の電圧値が前記第3の電圧範囲内であり、かつ所定の時間内であり、かつ前記交流の電圧位相が前記コンデンサの電圧位相と同期しているとき、前記第1および第2の双方向スイッチング素子を駆動して前記交流を昇圧するとともに、前記2N個のスイッチング素子を駆動して前記直列蓄電素子に蓄えられた電力によって前記コンデンサの電圧を所定の電圧値に維持する第6モードを備えることを特徴とする請求項4に記載の電力変換装置。
【請求項7】
請求項1または2に記載の電力変換装置であって、
さらに前記交流の周波数を検出する周波数検出手段を備え、
前記駆動制御部は、前記交流の電圧値が前記第2の電圧範囲以上であり、かつ前記周波数検出手段が所定の周波数範囲を逸脱していることを検出したとき、前記第2の双方向スイッチをオフし、前記第1の双方向スイッチを駆動して前記交流を昇降圧し、前記直列蓄電素子の電圧を所定の電圧値に維持するとともに、前記2N個のスイッチング素子を駆動して前記直列蓄電素子に蓄えられた電力によって前記コンデンサの電圧を所定の電圧値に維持する第7モードを備えることを特徴とする電力変換装置。
【請求項8】
請求項3に記載の電力変換装置であって、
さらに前記交流の周波数を検出する周波数検出手段を備え、
前記駆動制御部は、前記交流の電圧値が前記第2の電圧範囲以上であり、かつ前記周波数検出手段が所定の周波数範囲を逸脱していることを検出したとき、前記第2の双方向スイッチをオフし、前記第1の双方向スイッチを駆動して前記交流を昇降圧し、前記直列蓄電素子の電圧を所定の電圧値に維持するとともに、前記2N個のスイッチング素子を駆動して前記直列蓄電素子に蓄えられた電力によって前記コンデンサの電圧を所定の電圧値に維持する第7モードを備えることを特徴とする電力変換装置。
【請求項9】
請求項4に記載の電力変換装置であって、
さらに前記交流の周波数を検出する周波数検出手段を備え、
前記駆動制御部は、前記交流の電圧値が前記第2の電圧範囲以上であり、かつ前記周波数検出手段が所定の周波数範囲を逸脱していることを検出したとき、前記第2の双方向スイッチをオフし、前記第1の双方向スイッチを駆動して前記交流を昇降圧し、前記直列蓄電素子の電圧を所定の電圧値に維持するとともに、前記2N個のスイッチング素子を駆動して前記直列蓄電素子に蓄えられた電力によって前記コンデンサの電圧を所定の電圧値に維持する第7モードを備えることを特徴とする電力変換装置。
【請求項10】
請求項5に記載の電力変換装置であって、
さらに前記交流の周波数を検出する周波数検出手段を備え、
前記駆動制御部は、前記交流の電圧値が前記第2の電圧範囲以上であり、かつ前記周波数検出手段が所定の周波数範囲を逸脱していることを検出したとき、前記第2の双方向スイッチをオフし、前記第1の双方向スイッチを駆動して前記交流を昇降圧し、前記直列蓄電素子の電圧を所定の電圧値に維持するとともに、前記2N個のスイッチング素子を駆動して前記直列蓄電素子に蓄えられた電力によって前記コンデンサの電圧を所定の電圧値に維持する第7モードを備えることを特徴とする電力変換装置。
【請求項11】
請求項6に記載の電力変換装置であって、
さらに前記交流の周波数を検出する周波数検出手段を備え、
前記駆動制御部は、前記交流の電圧値が前記第2の電圧範囲以上であり、かつ前記周波数検出手段が所定の周波数範囲を逸脱していることを検出したとき、前記第2の双方向スイッチをオフし、前記第1の双方向スイッチを駆動して前記交流を昇降圧し、前記直列蓄電素子の電圧を所定の電圧値に維持するとともに、前記2N個のスイッチング素子を駆動して前記直列蓄電素子に蓄えられた電力によって前記コンデンサの電圧を所定の電圧値に維持する第7モードを備えることを特徴とする電力変換装置。
【請求項12】
請求項1または2に記載の電力変換装置であって、
さらに前記2N個のスイッチング素子の接続点から前記第1および第2の蓄電素子の接続点に接続された第3の双方向スイッチを備えることを特徴とする電力変換装置。
【請求項13】
前記交流の電圧値を検出する電圧検出手段と、
前記第1および第2の双方向スイッチ、前記第1および第2のスイッチング素子をそれぞれ駆動する駆動制御部と
を具備し、
前記駆動制御部は、前記電圧検出手段が検出した交流の電圧値が所定の第1の電圧範囲内であるとき、前記第1の双方向スイッチをオフし、前記第2の双方向スイッチをオンするとともに、前記2N個のスイッチング素子のうち、上アーム側スイッチング素子、下アーム側スイッチング素子、または、前記第3の双方向スイッチング素子のいずれか一つをオンするように駆動して前記交流を昇圧し、前記直列蓄電素子の電圧を所定の電圧値に維持する第1モードと、
前記交流の電圧値が前記第1の電圧範囲より低い所定の第2の電圧範囲内であるとき、前記第1および第2の双方向スイッチング素子を駆動して前記交流を昇圧して前記コンデンサに与えて所定の電圧値に維持するとともに、前記2N個のスイッチング素子のうち、上アーム側スイッチング素子、下アーム側スイッチング素子、または、前記第3の双方向スイッチング素子のいずれか一つをオンするように駆動して前記交流を昇圧し、前記直列蓄電素子の電圧を所定の電圧値に維持する第2モードと、
前記交流の電圧値が前記第2の電圧範囲より低いとき、前記第1および第2の双方向スイッチング素子をオフするとともに、前記2N個のスイッチング素子のうち、上アーム側スイッチング素子、下アーム側スイッチング素子、または、前記第3の双方向スイッチング素子のいずれか一つをオンするように駆動して前記直列蓄電素子に蓄えられた電力によって前記コンデンサの電圧を所定の電圧値に維持する第3モードと、
前記交流の電圧値が前記第1の電圧範囲より高いとき、前記第1の双方向スイッチをオフし、前記第2の双方向スイッチを駆動して前記交流を降圧し、前記コンデンサの電圧を所定の電圧値に維持するとともに、前記2N個のスイッチング素子のうち、上アーム側スイッチング素子、下アーム側スイッチング素子、または、前記第3の双方向スイッチング素子のいずれか一つをオンするように駆動して前記交流を昇圧し、前記直列蓄電素子の電圧を所定の電圧値に維持する第4モードと
を備えることを特徴とする請求項12に記載の電力変換装置。
【請求項14】
前記駆動制御部は、前記交流の電圧値が前記第2の電圧範囲より低い所定の第3の電圧範囲内であり、かつ所定の時間内であるとき、前記第2の双方向スイッチをオフし、前記第1の双方向スイッチを駆動して前記交流を昇圧し、前記直列蓄電素子の電圧を所定の電圧値に維持するとともに、前記2N個のスイッチング素子のうち、上アーム側スイッチング素子、下アーム側スイッチング素子、または、前記第3の双方向スイッチング素子のいずれか一つをオンするように駆動して前記直列蓄電素子に蓄えられた電力によって前記コンデンサの電圧を所定の電圧値に維持する第5モードを備えることを特徴とする請求項13に記載の電力変換装置。
【請求項15】
前記駆動制御部は、前記交流の電圧値が前記第3の電圧範囲内であり、かつ所定の時間内であり、かつ前記交流の電圧位相が前記コンデンサの電圧位相と同期しているとき、第1の双方向スイッチおよび第1のリアクトルのそれぞれの定格電流値を超えない範囲で、前記第1および第2の双方向スイッチング素子を駆動して前記交流を昇圧するとともに、前記2N個のスイッチング素子のうち、上アーム側スイッチング素子、下アーム側スイッチング素子、または、前記第3の双方向スイッチング素子のいずれか一つをオンするように駆動して前記直列蓄電素子に蓄えられた電力によって前記コンデンサの電圧を所定の電圧値に維持する第6モードを備えることを特徴とする請求項13に記載の電力変換装置。
【請求項16】
前記駆動制御部は、前記交流の電圧値が前記第3の電圧範囲内であり、かつ所定の時間内であり、かつ前記交流の電圧位相が前記コンデンサの電圧位相と同期しているとき、第1の双方向スイッチおよび第1のリアクトルのそれぞれの定格電流値を超えない範囲で、前記第1および第2の双方向スイッチング素子を駆動して前記交流を昇圧するとともに、前記2N個のスイッチング素子のうち、上アーム側スイッチング素子、下アーム側スイッチング素子、または、前記第3の双方向スイッチング素子のいずれか一つをオンするように駆動して前記直列蓄電素子に蓄えられた電力によって前記コンデンサの電圧を所定の電圧値に維持する第6モードを備えることを特徴とする請求項14に記載の電力変換装置。
【請求項17】
請求項12に記載の電力変換装置であって、
さらに前記交流の周波数を検出する周波数検出手段を備え、
前記駆動制御部は、前記交流の電圧値が前記第2の電圧範囲以上であり、かつ前記周波数検出手段が所定の周波数範囲を逸脱していることを検出したとき、前記第2の双方向スイッチをオフし、前記第1の双方向スイッチを駆動して前記交流を昇降圧し、前記直列蓄電素子の電圧を所定の電圧値に維持するとともに、前記2N個のスイッチング素子のうち、上アーム側スイッチング素子、下アーム側スイッチング素子、または、前記第3の双方向スイッチング素子のいずれか一つをオンするように駆動して前記直列蓄電素子に蓄えられた電力によって前記コンデンサの電圧を所定の電圧値に維持する第7モードを備えることを特徴とする電力変換装置。
【請求項18】
請求項13に記載の電力変換装置であって、
さらに前記交流の周波数を検出する周波数検出手段を備え、
前記駆動制御部は、前記交流の電圧値が前記第2の電圧範囲以上であり、かつ前記周波数検出手段が所定の周波数範囲を逸脱していることを検出したとき、前記第2の双方向スイッチをオフし、前記第1の双方向スイッチを駆動して前記交流を昇降圧し、前記直列蓄電素子の電圧を所定の電圧値に維持するとともに、前記2N個のスイッチング素子のうち、上アーム側スイッチング素子、下アーム側スイッチング素子、または、前記第3の双方向スイッチング素子のいずれか一つをオンするように駆動して前記直列蓄電素子に蓄えられた電力によって前記コンデンサの電圧を所定の電圧値に維持する第7モードを備えることを特徴とする電力変換装置。
【請求項19】
請求項14に記載の電力変換装置であって、
さらに前記交流の周波数を検出する周波数検出手段を備え、
前記駆動制御部は、前記交流の電圧値が前記第2の電圧範囲以上であり、かつ前記周波数検出手段が所定の周波数範囲を逸脱していることを検出したとき、前記第2の双方向スイッチをオフし、前記第1の双方向スイッチを駆動して前記交流を昇降圧し、前記直列蓄電素子の電圧を所定の電圧値に維持するとともに、前記2N個のスイッチング素子のうち、上アーム側スイッチング素子、下アーム側スイッチング素子、または、前記第3の双方向スイッチング素子のいずれか一つをオンするように駆動して前記直列蓄電素子に蓄えられた電力によって前記コンデンサの電圧を所定の電圧値に維持する第7モードを備えることを特徴とする電力変換装置。
【請求項20】
請求項15に記載の電力変換装置であって、
さらに前記交流の周波数を検出する周波数検出手段を備え、
前記駆動制御部は、前記交流の電圧値が前記第2の電圧範囲以上であり、かつ前記周波数検出手段が所定の周波数範囲を逸脱していることを検出したとき、前記第2の双方向スイッチをオフし、前記第1の双方向スイッチを駆動して前記交流を昇降圧し、前記直列蓄電素子の電圧を所定の電圧値に維持するとともに、前記2N個のスイッチング素子のうち、上アーム側スイッチング素子、下アーム側スイッチング素子、または、前記第3の双方向スイッチング素子のいずれか一つをオンするように駆動して前記直列蓄電素子に蓄えられた電力によって前記コンデンサの電圧を所定の電圧値に維持する第7モードを備えることを特徴とする電力変換装置。
【請求項21】
請求項16に記載の電力変換装置であって、
さらに前記交流の周波数を検出する周波数検出手段を備え、
前記駆動制御部は、前記交流の電圧値が前記第2の電圧範囲以上であり、かつ前記周波数検出手段が所定の周波数範囲を逸脱していることを検出したとき、前記第2の双方向スイッチをオフし、前記第1の双方向スイッチを駆動して前記交流を昇降圧し、前記直列蓄電素子の電圧を所定の電圧値に維持するとともに、前記2N個のスイッチング素子のうち、上アーム側スイッチング素子、下アーム側スイッチング素子、または、前記第3の双方向スイッチング素子のいずれか一つをオンするように駆動して前記直列蓄電素子に蓄えられた電力によって前記コンデンサの電圧を所定の電圧値に維持する第7モードを備えることを特徴とする電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は交流電源の電圧変動、あるいは停電を補償し、安定した電圧を負荷に供給する電力変換装置
【背景技術】
【0002】
図6に交流電源の電圧低下を補償し、一定の電圧を負荷に供給する、双方向の電流のオンオフを制御可能な半導体スイッチング素子(以下、これを双方向スイッチング素子と称する)を使用した交流昇圧チョッパ回路(特許文献1,図17)を示す。
【0003】
前記交流昇圧チョッパ回路は、第1のリアクトル4と第1の双方向スイッチング素子6を直列に接続した第1の直列回路と、前記第1の双方向スイッチング素子6と並列に接続されて、第2の双方向スイッチング素子5とコンデンサ3が直列に接続されている。
【0004】
前記交流昇圧チョッパ回路では、二つの双方向スイッチング素子5,6を交互にオンオフさせることで、交流電源1の電圧Vinが低下したとしても、負荷電圧Vout(コンデンサ3の両端電圧)を維持することができる。負荷電圧Voutは、二つの双方向スイッチング素子5,6のオン/オフの比率で決定される。
【0005】
例えば電源電圧Vinが定格の80%に低下した場合に、負荷電圧Voutを定格の100%にするための昇圧比は[1.0/0.8]である。よって、双方向スイッチング素子5のオン比率は[0.8]、双方向スイッチング素子6のオン比率は[0.2(=1−0.8)]となる。
【0006】
図7は、交流昇圧チョッパに用いられる双方向スイッチング素子の構成例である。図7Aは逆極性の電圧に対し順極性と同等の耐圧を持たせた逆阻止IGBTを2個逆並列に接続したものである。図7Bは逆方向耐圧を持たない通常のIGBTにダイオードを直列に接続することにより逆方向耐圧を持たせた回路を、さらに逆並列に接続したものである。図7CはIGBTに並列にダイオードを接続し、逆導通素子としたものをさらに逆直列に接続したものである。図7Dは図7Cと同じ接続であるが、スイッチング素子にMOSFETを用いたものである。
【0007】
MOSFETはIGBTと異なり、電流と順電圧降下が比例する抵抗特性を持つため、理論上は並列数を増やすことで順電圧降下を限りなく零に近づけることができる。また、MOSFETは、ゲートに電圧を与えられると逆方向にも導通するので、条件によっては並列ダイオードよりも順電圧降下を小さくすることができる。特に近年SiC(シリコンカーバイド)を用いたMOSFETが実用化されつつあり、大幅な順電圧降下が見込まれている。
【0008】
ところで、前記交流昇圧チョッパ回路は、下記2点の問題が知られている。
【0009】
1点目の問題は、交流電源の電圧低下に対する電圧補償量に限度があることである。昇圧動作において、入力電流Iinは負荷電流Ioutの昇圧比倍流れる。例えば、電源電圧Vinが定格時の[1/5]まで低下したとすると入力電流Iinは瞬時に定格の5倍になる。そのため、双方向スイッチング素子に用いる半導体スイッチング素子の電流耐量は5倍必要になる。また、リアクトルは前記電流が流れても飽和しないようにしなければならない。このため、補償する電圧範囲が広くなるにつれて半導体スイッチング素子やリアクトルが大型化し、コストも上昇する。このようなことから、実用上は電源電圧の50%〜100%を補償範囲として使用し、50%以下は補償外としている。
【0010】
しかし、瞬時電圧低下時の電圧低下量は一定である保証はなく、負荷装置の故障リスクを抑えるには補償する電圧範囲を広くするのが望ましいものの、電源電圧がゼロまで低下するような短時間停電の際には負荷に電力供給することができない。また、降圧動作はできないため、電源電圧Vinが負荷電圧Voutよりも高くなるような電圧上昇は補償できない。さらに、電源周波数異常時など交流電源電圧と負荷電圧が同期していない場合には負荷に電力供給できない。従って、交流昇圧チョッパ回路は構成が簡単であるが、負荷の要求する電源品質、信頼度のレベルに対して課題がある。
【0011】
2点目の問題は、双方向スイッチング素子の遮断時にサージ電圧が発生し、最悪の場合、負荷および交流昇圧チョッパ回路を構成する素子を破壊してしまうことである。サージ電圧の発生要因としては、通常運転動作中におけるスイッチング素子の電流遮断時によるものと、装置保護時におけるスイッチング素子の全オフ動作によるものがあり、特に後者が問題となる。前者は周知のことであるが、スイッチング素子のターンオフ時に高いdI/dt(dIは電流変化量,dtは時間)を発生し、スイッチング素子周辺の配線インダクタンスによるL×dI/dt(Lは配線インダクタンス)のサージ電圧が発生する。
【0012】
後者について説明すると、昇圧動作中に、例えば負荷短絡のようになんらかの事故が起きた場合には、安全を確保するために双方向スイッチング素子5,6を停止しなければならない。しかし、変換動作中に双方向スイッチング素子5,6を同時にオフにした場合、リアクトル4に蓄積されたエネルギーを消費する経路がなくなるため、双方向スイッチング素子5または6にサージ電圧が発生する。配線インダクタンスについては例えばスイッチング素子間の配線を短くするなどである程度改善は可能であるが、後者のリアクトル4のインダクタンスは回路条件により決まるものであり、配線インダクタンス(数10nH〜数100nH)に対して非常に大きく、サージ電圧も高い。
【0013】
1点目の問題を解決する方法として、例えば特許文献2に示すような電力変換装置が知られている。図8に構成を示す。電源電圧Vinが一定範囲内で変動した場合にはインバータ42により、トランス31を経由してコンデンサ35,36のエネルギーを負荷2に供給することで、電源電圧Vin変動分の電圧を補償して負荷電圧Voutを一定にし、かつインバータ43により、コンデンサ35,36のエネルギーを充電または回生する。一方で、電源電圧Vinが補償範囲外の電圧に低下した場合は、インバータ43により、コンデンサ35,36のエネルギーを負荷2に供給する。
【0014】
この装置では電源電圧Vinの広範囲の変動に対して一定電圧を負荷に供給できるが、電圧補償用のトランス31(50〜60Hzの商用周波数の絶縁トランス)が必要であるため、装置の体積、重量、コスト面で問題がある。また、電圧補償分の電力が2つのインバータを通るため、交流昇圧チョッパよりも電力変換器の損失が大きくなるという別な問題が生じる。
【0015】
2点目の問題を解決する方法として、例えば特許文献3に示すような整流スナバ回路が知られている。図9に示す特許文献3のマトリクスコンバータ装置50は、マトリクスコンバータ46、入力フィルタ47、整流スナバ回路48で構成される。整流スナバ回路48はマトリクスコンバータ46の入力側および出力側に接続される。入力フィルタ47は例えばリアクトルとコンデンサで構成される。図9は三相のマトリックスコンバータに適用した例であるが、整流スナバ回路48は、単相または三相の交流昇圧チョッパでも同じ効果を奏する。
【0016】
前述の装置保護時にスイッチング素子を全オフする際には、電源側のインダクタンス(ここでは入力フィルタ47の構成部品)および負荷側のインダクタンス(ここではモータ49)に蓄積されたエネルギーにより、サージ電圧が発生する。発生したサージ電圧は整流回路51または52を通して整流され、コンデンサ53を充電することにより、電源側および負荷側の電圧上昇が抑制され、過電圧を防止する。また、電源側および負荷側のインダクタンス成分により発生したエネルギーが大きく、コンデンサ53の直流電圧が所定値よりも上昇する場合には、放電回路56でエネルギーを消費することで、過電圧を防止する。動作としては、電圧検出回路57で過電圧を検知し、半導体スイッチング素子54をオンすることで、抵抗55でエネルギーを消費する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特許第3902030号公報
【特許文献2】特開平11-178216号公報
【特許文献3】特開2007-221844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
背景技術で述べたとおり、各問題に対して、それぞれ回路を変更または追加することで解決できるが、上述した2点の問題を同時に解決するものではないばかりか、別の問題点が生じるケースもあった。
【0019】
従って、本発明の目的は、大型化、高コスト化、効率低下を回避しつつ、交流電源の広範囲の電圧変動に対して負荷に一定の電圧を供給し、かつ、双方向スイッチング素子のサージ電圧を抑制できる電力変換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明に係る電力変換装置は、第1のリアクトルと第1の双方向スイッチング素子を直列に接続した第1の直列回路と、前記第1の双方向スイッチング素子と並列に接続されて、第2の双方向スイッチング素子とコンデンサを直列に接続した第2の直列回路と、ダイオードが逆並列に接続された2N個(但し、Nは自然数)のスイッチング素子を直列に接続した直列スイッチング素子と、この直列スイッチング素子と並列に接続されて、第1および第2の蓄電素子を直列に接続した直列蓄電素子と、この直列蓄電素子と並列に接続されて、第1および第2の整流素子を直列に接続した第1の直列整流素子と、前記2N個のスイッチング素子の中点から前記第2の双方向スイッチング素子とコンデンサとの接続点に接続された第2のリアクトルとを有し、前記第1および第2の蓄電素子の接続点は、前記第1の双方向スイッチング素子と前記第1のコンデンサの接続点に接続され、前記第1および第2の整流素子の接続点は、前記第1の双方向スイッチング素子と前記第2の双方向スイッチング素子の接続点に接続され、前記第1の直列回路に印加された交流を変換して前記コンデンサの両端から出力することを特徴とする。
【0021】
上述した電力変換装置によれば、第1,第2の双方向スイッチング素子および/または、2N個のスイッチング素子を駆動することにより、交流電源電圧を昇降圧してコンデンサ(負荷両端)の電圧を一定に維持することができる。
【0022】
更に、第1,第2の双方向スイッチング素子遮断時に、第1のリアクトルに蓄積されたエネルギーを、直列整流素子を介して直列蓄電素子で吸収することで、双方向スイッチング素子をサージ電圧から保護することができる。
【0023】
また、本発明の電力変換装置は、装置の大型化、高コスト化を回避できる。
【0024】
本発明に係る電力変換装置は、さらに前記第1の整流素子と並列に接続されて、第3および第4の整流素子を直列に接続した第2の直列整流素子を備え、前記第3および第4の整流素子の接続点は、前記第2の双方向スイッチング素子と前記コンデンサの接続点に接続されることを特徴とする。
【0025】
上述した電力変換装置によれば、負荷側のインダクタンス成分に蓄積されたエネルギーを速やかに吸収でき、より確実に双方向スイッチング素子のサージ電圧を抑制することができる。
【0026】
本発明に係る電力変換装置は、前記交流の電圧値を検出する電圧検出手段と、前記第1および第2の双方向スイッチング素子、前記第1および第2のスイッチング素子をそれぞれ駆動する駆動制御部とを具備し、前記駆動制御部は、前記電圧検出手段が検出した交流の電圧値が所定の第1の電圧範囲内であるとき、前記第1の双方向スイッチング素子をオフし、前記第2の双方向スイッチング素子をオンするとともに、前記2N個のスイッチング素子を駆動して前記交流を昇圧し、前記直列蓄電素子の電圧を所定の電圧値に維持する第1モードと、前記交流の電圧値が前記第1の電圧範囲より低い所定の第2の電圧範囲であるとき、前記第1および第2の双方向スイッチング素子を駆動して前記交流を昇圧して前記コンデンサに与えて所定の電圧値に維持するとともに、前記2N個のスイッチング素子を駆動して前記交流を昇圧し、前記直列蓄電素子の電圧を所定の電圧値に維持する第2モードと、前記交流の電圧値が前記第2の電圧範囲より低いとき、前記第1および第2の双方向スイッチング素子をオフするとともに、前記2N個のスイッチング素子を駆動して前記直列蓄電素子に蓄えられた電力によって前記コンデンサの電圧を所定の電圧値に維持する第3モードと、前記交流の電圧値が前記第1の電圧範囲より高いとき、前記第1の双方向スイッチング素子をオフし、前記第2の双方向スイッチング素子を駆動して前記交流を降圧し、前記コンデンサの電圧を所定の電圧値に維持するとともに、前記2N個のスイッチング素子を駆動して前記交流を昇圧し、前記直列蓄電素子の電圧を所定の電圧値に維持する第4モードとを備えることを特徴とする。
【0027】
上述した電力変換装置によれば、交流電源の広範囲な電圧変動に対して、交流電源電圧を昇降圧してコンデンサ(負荷両端)の電圧を一定に維持することができる。
【0028】
また、前記各モードは、必要最低限の双方向スイッチング素子および半導体スイッチング素子を通過させるため、効率低下を回避できる。
【0029】
本発明に係る電力変換装置は、前記駆動制御部は、前記交流の電圧値が前記第2の電圧範囲より低い所定の第3の電圧範囲内であり、かつ所定の時間内であるとき、前記第2の双方向スイッチング素子をオフし、前記第1の双方向スイッチング素子を駆動して前記交流を昇圧し、前記直列蓄電素子の電圧を所定の電圧値に維持するとともに、前記2N個のスイッチング素子を駆動して前記直列蓄電素子に蓄えられた電力によって前記コンデンサの電圧を所定の電圧値に維持する第5モードを備えることを特徴とする。
【0030】
上述した電力変換装置によれば、交流電源で瞬時電圧低下が起きた場合でも、コンデンサ(負荷両端)の電圧を一定に維持することができる。
【0031】
また、本発明の電力変換装置は、大電流が流れるのはごく短期間のため、リアクトルの大型化、高コスト化を回避できる。
【0032】
本発明に係る電力変換装置は、前記駆動制御部は、前記交流の電圧値が前記第3の電圧範囲内であり、かつ所定の時間内であり、かつ前記交流の電圧位相が前記コンデンサの電圧位相と同期しているとき、前記第1および第2の双方向スイッチング素子を駆動して前記交流を昇圧するとともに、前記2N個のスイッチング素子を駆動して前記直列蓄電素子に蓄えられた電力によって前記コンデンサの電圧を所定の電圧値に維持する第6モードを備えることを特徴とする。
【0033】
上述した電力変換装置によれば、前記蓄電素子が小容量であっても、第1,第2の双方向スイッチング素子を駆動させて前記交流から電力を供給することで、前記蓄電素子に蓄えられた電力の不足分を補うことができる。よって、第6モードは第5モードより確実に、瞬時電圧低下を補償することができる。もしくは、前記2N個のスイッチング素子および前記直列蓄電素子を小型化できる。
【0034】
本発明に係る電力変換装置は、さらに前記交流の周波数を検出する周波数検出手段を備え、前記駆動制御部は、前記交流の電圧値が前記第3の電圧範囲以上であり、かつ前記周波数検出手段が所定の周波数範囲を逸脱していることを検出したとき、前記第2の双方向スイッチング素子をオフし、前記第1の双方向スイッチング素子を駆動して前記交流を昇降圧し、前記直列蓄電素子の電圧を所定の電圧値に維持するとともに、前記2N個のスイッチング素子を駆動して前記直列蓄電素子に蓄えられた電力によって前記コンデンサの電圧を所定の電圧値に維持する第7モードを備えることを特徴とする。
【0035】
上述した電力変換装置によれば、交流電源周波数が異常となった場合でも、コンデンサ(負荷両端)の電圧を一定に維持することができる。
【0036】
本発明に係る電力変換装置は、さらに前記2N個のスイッチング素子の接続点から前記第1および第2の蓄電素子の接続点に接続された第3の双方向スイッチング素子を備えることを特徴とする。
【0037】
上述した電力変換装置によれば、前記第1〜7モードにおける前記2N個のスイッチング素子を駆動する動作を、前記2N個のスイッチング素子のうち、上アーム側スイッチング素子、下アーム側スイッチング素子、または、前記第3の双方向スイッチング素子のいずれか一つをオンするように駆動する動作に置き換えることで、前記コンデンサへの出力電圧を3レベル化することができる。従って、本発明の電力変換装置は、半導体スイッチング素子に印加される電圧の振幅値が小さくなるため、スイッチング損失の低減による高効率化ができる。また、前記第2のリアクトルを流れる電流のdI/dtが低減されるため、前記第2のリアクトルを小型化できる。
【発明の効果】
【0038】
本発明の電力変換装置によれば、装置の大型化、高コスト化、効率低下をすることなく、交流電源の広範囲の電圧変動に対して負荷に一定の電圧を供給すること、および、双方向スイッチング素子のサージ電圧を抑制することを両立するという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1A】本発明の第1〜3の実施形態の主回路を示す図である。
【図1B】本発明の第1〜3の実施形態の駆動制御部を示す図である。
【図2A】本発明の第4実施形態の主回路を示す図である。
【図2B】本発明の第4実施形態の駆動制御部を示す図である。
【図3】本発明の第5実施形態を示す回路図である。
【図4】本発明の第6実施形態を示す回路図である。
【図5】本発明の第7実施形態を示す回路図である。
【図6】従来技術1の実施形態を示す回路図である。
【図7A】従来技術1における双方向スイッチング素子の第1の構成例を示す回路図である。
【図7B】従来技術1における双方向スイッチング素子の第2の構成例を示す回路図である。
【図7C】従来技術1における双方向スイッチング素子の第3の構成例を示す回路図である。
【図7D】従来技術1における双方向スイッチング素子の第4の構成例を示す回路図である。
【図8】従来技術2の実施形態を示す回路図である。
【図9】従来技術3の実施形態を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【実施例1】
【0041】
図1Aは本発明の実施例1による電力変換装置を示すものあって、図6と同一の符号を付した部分は同一物を表わし、基本的な構成は図6に示す従来のものと同様である。また、図1Bは本発明の実施例1による電力変換装置を動作させるための制御信号を生成する駆動制御部を示すものである。
【0042】
次に、した実施例1の回路構成を説明する。
【0043】
本発明の実施例1による電力変換装置は、昇降圧チョッパ部10、インバータ部20a、整流部30a、第1〜第3の電圧検出手段61〜63、駆動制御部71で構成される。
【0044】
昇降圧チョッパ部10は、第1のリアクトル4と第1の双方向スイッチング素子6を直列に接続した第1の直列回路を備える。昇降圧チョッパ部10は、第1の双方向スイッチング素子6と並列に接続されて、第2の双方向スイッチング素子5と第1のコンデンサ3を直列に接続した第2の直列回路で構成される。
【0045】
インバータ部20aは、ダイオードが逆並列に接続された第1、第2の半導体スイッチング素子24,25を直列に接続した直列スイッチング素子を備える。このインバータ部20aは、前記直列半導体スイッチング素子24,25と並列に接続されて、第1、第2の蓄電素子21,22を直列に接続した直列蓄電素子を備える。また、インバータ部20aは、半導体スイッチング素子24,25の中点から第2の双方向スイッチング素子5と第1のコンデンサ3との接続点に接続された第2のリアクトル7を備える。そして、インバータ部20aは、蓄電素子21,22の接続点が、第1の双方向スイッチング素子6とコンデンサ3の接続点に接続されて構成される。
【0046】
前記整流部30aは、第1、第2の整流素子11,12を直列に接続した第1の直列整流素子で構成される。この第1の直列整流素子11,12の接続点は、双方向スイッチング素子6と双方向スイッチング素子5の接続点に接続される。また、第1の直列整流素子11,12は、直列蓄電素子21,22と並列に接続されて、スナバ回路を構成する。
【0047】
第1の電圧検出手段61の検出端子は交流電源1の両端に接続される。第2の電圧検出手段62の検出端子はコンデンサ3の両端に接続される。第3の電圧検出手段63の検出端子は直列蓄電素子21,22の両端に接続される。
【0048】
駆動制御部71は、電圧範囲判定手段72、電圧調節手段74、ゲート駆動回路75を備えている。
【0049】
第1の電圧検出手段61の出力端子は電圧範囲判定手段72に接続される。第2の電圧検出手段62および第3の電圧検出手段63の出力端子は電圧調節手段74に接続される。電圧範囲判定手段72の出力端子は電圧調節手段74に接続される。電圧調節手段74の出力端子はゲート駆動回路75に接続される。ゲート駆動回路75の複数の出力端子は各スイッチング素子5,6,24,25に接続される。
【0050】
次に、上述した実施例1に係る電力変換装置の動作を概略的に説明する。
【0051】
駆動制御部71において、コンデンサ3の電圧を所定の電圧実効値に維持するための制御信号が生成される。以下、コンデンサ3の電圧を所定の電圧実効値に維持する場合について記述するが、目標値として使用する電圧値は電圧実効値に限定されるものではない。駆動制御部71における制御信号の生成手段は後述する。
【0052】
各スイッチング素子5,6,24,25は、駆動制御部71で生成された制御信号が制御端子に入力されることで駆動される。各スイッチング素子5,6,24,25が駆動されることで、リアクトル4および第1、第2の蓄電素子21,22に蓄積されたエネルギーの少なくとも一方がコンデンサ3に供給される。すると、コンデンサ3の電圧は所定の電圧実効値に維持される。
【0053】
続いて、駆動制御部71の動作を詳細に説明する。駆動制御部71の電圧範囲判定手段72は電圧検出手段61によって検出された交流電源1の電圧実効値がどの電圧範囲にあるかを判定する。電圧範囲判定手段72の判定結果によって複数ある動作モードの中から一つの動作モードが選択される。以下、電圧範囲判定手段72による電圧範囲の判定に使用される閾値、および、電圧検出手段61によって検出される電圧値は、電圧実効値を使用した場合について記述するが、これらは、電圧実効値に限定されるものではない。各動作モードの詳細は後述する。
【0054】
電圧調節手段74では、双方向スイッチング素子5,6用の制御信号、および、半導体スイッチング素子24,25用の制御信号の二組の制御信号が生成される。この二組の制御信号は、後述する第1、または、第2の機能で生成される。また、双方向スイッチング素子5,6用の制御信号は、前記動作モードに応じて、さらに第3の機能が付加される。
【0055】
第1の機能では、電圧検出手段62によって検出されたコンデンサ3の電圧を所定の電圧実効値に維持するための制御信号を生成する。第2の機能では、電圧検出手段63によって検出された蓄電素子21,22の両端電圧を所定の電圧実効値に維持するための制御信号を生成する。第3の機能では、前記第1、第2の機能において生成される制御信号を、双方向スイッチング素子5,6の少なくとも一方のスイッチング素子を常時オンまたは常時オフさせる制御信号に置き換えて生成する。
【0056】
ゲート駆動回路75は、電圧調節手段74で生成された二組の制御信号を各スイッチング素子5,6,24,25駆動用の信号に変換して、制御端子に出力する。
【0057】
図1Bに示す駆動制御部は上述したように、動作モードを選択し、スイッチング素子の制御信号を生成して出力するための論理の一例である。従って、本発明に係る効果を発揮することができれば、図1Bに示すブロック図に限定されるものではない。
【0058】
次に、上述した実施例1の各動作モードを説明する。
【0059】
<動作モード1>
動作モード1は、第1の電圧検出手段61によって検出された交流電源1の電圧実効値が、電圧範囲判定手段72によって、所定の第1の電圧範囲内であると判定された場合に選択される。ここでは第1の電圧範囲を例えば定格電圧実効値の90%〜110%とする。
【0060】
昇降圧チョッパ部10では、第1の機能に第3の機能が付加されて生成される制御信号により、双方向スイッチング素子6がオフされ、双方向スイッチング素子5がオンされる。これにより、交流電源1の電圧は、コンデンサ3に直接印加される。
【0061】
インバータ部20aでは、第2の機能で生成される制御信号により、半導体スイッチング素子24,25が排他的にオンオフされることで、コンデンサ3の電圧を昇圧して蓄電素子21,22に供給する。このようにして、コンデンサ3のエネルギーを使って、駆動制御部71が蓄電素子21,22の両端電圧を所定の電圧実効値に維持する。
【0062】
<動作モード2>
動作モード2は、第1の電圧検出手段61によって検出された交流電源1の電圧実効値が、電圧範囲判定手段72によって、第1の電圧範囲より低い所定の第2の電圧範囲内であると判定された場合に選択される。ここでは第2の電圧範囲を例えば定格電圧実効値の50%〜90%とする。
【0063】
昇降圧チョッパ部10では、第1の機能で生成される制御信号により、双方向スイッチング素子5,6が排他的にオンオフされることで交流電源1の電圧を昇圧してコンデンサ3に供給する。このようにして、交流電源1のエネルギーを使って、駆動制御部71がコンデンサ3の電圧を所定の電圧実効値に維持する。
【0064】
インバータ部20aでは、第2の機能で生成される制御信号により、半導体スイッチング素子24,25が排他的にオンオフされることでコンデンサ3の電圧を昇圧して蓄電素子21,22に供給する。このようにして、コンデンサ3のエネルギーを使って、駆動制御部71が蓄電素子21,22の両端電圧を所定の電圧実効値に維持する。
【0065】
<動作モード3>
動作モード3は、第1の電圧検出手段61によって検出された交流電源1の電圧実効値が、電圧範囲判定手段72によって、第2の電圧範囲より低いと判定された場合に選択される。ここでは第2の電圧範囲より低い電圧範囲を例えば定格電圧実効値の0%〜50%とする。
【0066】
昇降圧チョッパ部10では、第1の機能に第3の機能が付加されて生成される制御信号により、双方向スイッチング素子5,6がオフされる。これにより、コンデンサ3が交流電源1から切り離された状態にする。
【0067】
インバータ部20aでは、第1の機能で生成される制御信号により、半導体スイッチング素子24,25が排他的にオンオフされることで蓄電素子21,22のエネルギーをコンデンサ3に供給する。このようにして、蓄電素子21,22のエネルギーを使って、駆動制御部71がコンデンサ3の電圧を所定の電圧実効値に維持する。
【0068】
<動作モード4>
動作モード4は、第1の電圧検出手段61によって検出された交流電源1の電圧実効値が、電圧範囲判定手段72によって、所定の第1の電圧範囲より高いと判定された場合に選択される。ここでは所定の第1の電圧範囲より高い電圧範囲を例えば定格電圧実効値の110%より高いとする。
【0069】
昇降圧チョッパ部10では、第1の機能に第3の機能が付加されて生成される制御信号により、双方向スイッチング素子6がオフされるとともに双方向スイッチング素子5がオンオフされることで交流電源1の電圧を降圧してコンデンサ3に供給する。このようにして、交流電源1のエネルギーを使って、駆動制御部71がコンデンサ3の電圧を所定の電圧実効値に維持する。
【0070】
インバータ部20aでは、第2の機能で生成される制御信号により、半導体スイッチング素子24,25が排他的にオンオフされることでコンデンサ3の電圧を昇圧して蓄電素子21,22に供給する。このようにして、コンデンサ3のエネルギーを使って、駆動制御部71が蓄電素子21,22の両端電圧を所定の電圧実効値に維持する。
【0071】
次に、上述した実施例1の効果を説明する。
【0072】
大多数の負荷装置において、一定量、例えば±10%の入力電源電圧実効値の変動が許容されている。このとき、本発明の電力変換装置は、双方向スイッチング素子5をオン、双方向スイッチング素子6をオフすることで、交流電源1の電圧がコンデンサ3に印加されるので、スイッチング損失が全く発生しない。
【0073】
同時に、本発明の電力変換装置は、電圧補償時の動作に備え、駆動制御部71が半導体スイッチング素子24,25を駆動することで、蓄電素子21、22の電圧を所定の電圧実効値に維持する。一旦、蓄電素子21、22が充電されれば漏れ電流相当のエネルギーを供給すればよい。よって、半導体スイッチング素子24、25の通過電流は極めて小さく、その損失は無視できる程度になる。
【0074】
本発明の電力変換装置は、端子S,Vおよびインバータ部20aの端子Viが同電位である。すなわち、交流電源1の電位は、蓄電素子21,22の中性点の電位に対して固定されている。従って、整流素子11,12と蓄電素子21、22は双方向スイッチング素子5,6のスナバ回路(いわゆるクランプスナバ回路)として動作する。よって、本発明の電力変換装置は、双方向スイッチング素子5,6遮断時のエネルギー、または双方向スイッチング素子全オフ時のリアクトルのエネルギーを吸収することができるため、サージ電圧を抑制できる。
【0075】
本発明の電力変換装置は、降圧動作時、双方向スイッチング素子6を常にオフとし、双方向スイッチング素子5によって電源電圧Vinのチョッパ動作をする。また、双方向スイッチング素子5がオフの際の、リアクトル4に蓄積されたエネルギーは、インバータ部20aを介して電源に回生される。このとき、インバータを通過する電力は電圧補償分だけであり、損失を低減することができる。
【実施例2】
【0076】
実施例2による電力変換装置の構成は実施例1と同様であるので省略する。
【0077】
実施例2による電力変換装置の動作は実施例1の動作モード1〜4を備え、さらに、動作モード5を備える。
【0078】
<動作モード5>
動作モード5は、次の二つの条件を満たすと選択される。第1の条件は、電圧検出手段61によって検出された交流電源1の電圧実効値が、電圧範囲判定手段72によって、第2の電圧範囲より低い所定の第3の電圧範囲内であると判定された場合である。ここでは第2の電圧範囲より低い所定の第3の電圧範囲を例えば定格電圧実効値の10%〜50%とする。第2の条件は、交流電源1の電圧低下が所定の時間内であることである。ここでは前記所定の時間を例えば数10ms〜1sとする。なお、実施例2では、第1の電圧検出手段61によって検出された交流電源1の電圧実効値が次の二つの状態の時、前述したとおり動作モード3が選択される。
状態1:前記所定の時間を超えて第3の電圧範囲内にある。
状態2:第3の電圧範囲より低い。
【0079】
昇降圧チョッパ部10では、第2の機能に第3の機能が付加されて生成される制御信号により、双方向スイッチング素子5がオフされるとともに双方向スイッチング素子6がオンオフされることで交流電源1の電圧を昇圧して蓄電素子21,22に供給する。このようにして、交流電源1のエネルギーを使って、駆動制御部71が蓄電素子21,22の電圧を所定の電圧実効値に維持する。
【0080】
インバータ部20aでは、第1の機能で生成される制御信号により、半導体スイッチング素子24,25が排他的にオンオフされることで蓄電素子21,22の電圧を昇圧してコンデンサ3に供給する。このようにして、蓄電素子21,22のエネルギーを使って、駆動制御部71がコンデンサ3の電圧を所定の電圧実効値に維持する。
【0081】
上述した実施例2では、図1A,1Bに示した電力変換装置において、整流部30aで交流から直流に変換し、インバータ部20aで直流から交流に変換する、いわゆるダブルコンバータ動作をする。このダブルコンバータ動作は、全電力が2つの変換器(整流部30aおよびインバータ部20a)を通過するため、交流昇圧チョッパ動作時よりも損失が増加する。しかしながら、上述した実施例2で想定される瞬時電圧低下は、通常、数10ms〜1sと短時間である。よってダブルコンバータ動作による損失増加は問題にならない。
【0082】
また、スイッチング素子やリアクトルの熱時定数は、想定される瞬時電圧低下時間よりも大きい。よって、リアクトル4と双方向スイッチング素子6が破壊することはない。なお、蓄電素子21,22をバッテリとすることで、本装置を無停電電源装置として使用することも可能である。
【実施例3】
【0083】
実施例3による電力変換装置の構成は実施例1と同様であるので省略する。
【0084】
実施例3による電力変換装置の動作は実施例1の動作モード1〜4を備え、さらに、動作モード6を備える。実施例3による電力変換装置はさらに動作モード5を備えていてもよい。
【0085】
<動作モード6>
動作モード6は、次の三つの条件を満たすと選択される。第1の条件は、電圧検出手段61によって検出された交流電源1の電圧実効値が、電圧範囲判定手段72によって、第3の電圧範囲内であると判定された場合である。第2の条件は、交流電源1の電圧低下が所定の時間内であることである。第3の条件は、第1の電圧検出手段61によって検出された交流電源1の電圧位相がコンデンサ3の電圧位相と同期していることである。同期検出手段は公知技術であり、説明は省略する。なお、実施例3では、第1の電圧検出手段61によって検出された交流電源1の電圧実効値が次の三つの状態の時、前述したとおり動作モード3が選択される。また、状態3の場合に限り、動作モード5が選択されても良い。
状態1:前記所定の時間を超えて第3の電圧範囲内にある。
状態2:第3の電圧範囲より低い。
状態3:コンデンサ3の電圧位相と同期していない。
【0086】
昇降圧チョッパ部10では、第1の機能で生成される制御信号により、双方向スイッチング素子5,6が排他的にオンオフされることで交流電源1の電圧を昇圧してコンデンサ3に供給する。このようにして、昇降圧チョッパ部10は、交流電源1からコンデンサ3に電力を供給する。
【0087】
インバータ部20aでは、第1の機能で生成される制御信号により、半導体スイッチング素子24,25が排他的にオンオフされることで蓄電素子21,22のエネルギーをコンデンサ3に供給する。このようにして、インバータ部20aは蓄電素子21,22からコンデンサ3に電力を供給する。
【0088】
上述した実施例3では、昇降圧チョッパ部10とインバータ部20aが供給電力を分担してコンデンサ3の電圧を所定の電圧実効値に維持する。
【0089】
なお、蓄電素子21,22が小容量であっても、昇降圧チョッパ部10を同時に動作させ、交流電源1から電力を供給することで、蓄電素子に蓄えられた電力の不足分を補うことができる。よって、動作モード6は動作モード5より確実に、瞬時電圧低下を補償できる。また、蓄電素子21,22は、完全停電の補償機能(動作モード3)を省略する場合に限り、小容量化することができる。すなわち、電力変換装置の小型化、低コスト化が可能となる。さらに、半導体スイッチング素子24,25を小型化できるという効果も有する。
【実施例4】
【0090】
図2A,2Bは本発明の実施例4による電力変換装置を示すものである。
【0091】
実施例4による電力変換装置の基本的な構成は実施例1と同様である。実施例4では、実施例1の構成に加え、周波数検出手段64および周波数判定手段73を備える。
【0092】
周波数検出手段64の検出端子は交流電源1の両端に接続される。周波数判定手段73は、駆動制御部71に設けられている。周波数検出手段64の出力端子は周波数判定手段73に接続され、周波数判定手段73の出力端子は、電圧調節手段74に接続される。
【0093】
実施例4による電力変換装置の動作は実施例1の動作モード1〜4を備え、さらに、動作モード7を備える。実施例4による電力変換装置はさらに動作モード5,6を備えていてもよい。
【0094】
<動作モード7>
動作モード7は、次の二つの条件を満たすと選択される。第1の条件は、第1の電圧検出手段61によって検出された交流電源1の電圧実効値が、電圧範囲判定手段72によって、所定の第2の電圧範囲以上であると判定された場合である。第2の条件は、周波数検出手段64によって検出された交流電源1の電圧が、周波数判定手段73によって、所定の周波数範囲を逸脱していると判定されることである。ここでは第2の電圧範囲以上の電圧範囲を例えば定格電圧実効値の50%以上とする。また、所定の周波数範囲を例えば定格周波数±0.2Hzとする。なお、周波数判定手段73によって、所定の周波数範囲を逸脱していると判定された場合、電圧範囲判定手段72による動作モードの選択より優先して動作モード7が選択される。さらに、周波数検出手段64によって検出された交流電源1の電圧が、所定の周波数範囲を逸脱している状態であり、かつ、第1の電圧検出手段61によって検出された交流電源1の電圧実効値が第2の電圧範囲より低い場合は、前述したとおり動作モード3が選択される。
【0095】
昇降圧チョッパ部10では、第2の機能に第3の機能が付加されて生成される制御信号により、双方向スイッチング素子5がオフされるとともに双方向スイッチング素子6がオンオフされることで交流電源1の電圧を昇圧して蓄電素子21,22に供給する。このようにして、交流電源1のエネルギーを使って、駆動制御部71が蓄電素子21,22の電圧を所定の電圧実効値に維持する。
【0096】
インバータ部20aでは、第1の機能で生成される制御信号により、半導体スイッチング素子24,25が排他的にオンオフされることで蓄電素子21,22の電圧を昇圧してコンデンサ3に供給する。このようにして、蓄電素子21,22のエネルギーを使って、駆動制御部71がコンデンサ3の電圧を所定の電圧実効値に維持する。
【0097】
上述した実施例4では、実施例3と同様にダブルコンバータ動作する。このダブルコンバータ動作は、例えば電源周波数異常時など、交流電源電圧と負荷電圧が同期していない場合でも負荷電圧を一定にすることができる。また、実施例4の電力変換装置では、交流電源1の電圧位相と負荷の電圧位相が再同期するまでの短時間(0〜数s)であるので、その損失は問題にならない。
【実施例5】
【0098】
図3は本発明の実施例5による電力変換装置を示すものである。なお、駆動制御部71は主回路に対応して実施例1とは異なるものとなるが、図面は省略する。
【0099】
実施例5による電力変換装置の基本的な構成は実施例1と同様であり、整流部30aを整流部30bに置き換えたものである。
【0100】
整流部30bは第1の直列整流素子と並列に接続されて、第3、第4の整流素子13,14を直列に接続した第2の直列整流素子で構成される。第3、第4の整流素子13,14の接続点は、双方向スイッチング素子5とコンデンサ3の接続点に接続される。また、第2の直列整流素子は、直列蓄電素子と並列に接続されることで、スナバ回路を構成する。
【0101】
実施例5による電力変換装置の動作は実施例1〜4の動作モード1〜7と同様である。
【0102】
上述した実施例5では、事故発生時等に各半導体スイッチング素子5,6,24,25が全オフした場合、負荷のインダクタンス成分に蓄積されたエネルギーがスナバ回路によって吸収される。このエネルギーの吸収動作は、リアクトル7を介した半導体スイッチング素子24,25の寄生ダイオードによる動作より速やかなため、より確実にサージ電圧を抑制することができる。
【実施例6】
【0103】
図4は本発明の実施例6による電力変換装置を示すものである。なお、駆動制御部71は主回路に対応して実施例1とは異なるものとなるが、図面は省略する。
【0104】
実施例6による電力変換装置の基本的な構成は実施例5と同様であり、インバータ部20aをインバータ部20bに置き換えたものである。
【0105】
インバータ部20bはインバータ部20aに加え、第3の双方向スイッチング素子23を備える。双方向スイッチング素子23は蓄電素子21,22の接続点と半導体スイッチング素子24,25の接続点に接続され、3レベルインバータを構成する。なお、インバータ部20bの構成は、前述のように交流電位が直流電位に対して固定されていればよく、これに限定されるものではない。
【0106】
実施例6による電力変換装置の基本的な動作は実施例1〜4の動作モード1〜7と同様である。実施例1の動作との相違点は、インバータ部20bが一般に知られた3レベルインバータとして動作することである。
【0107】
上述した実施例6では、インバータ部20bが3レベルインバータで構成され、スイッチング時の電圧振幅値およびリアクトル7に印加する電圧が半分になるため、半導体スイッチング素子24,25の損失低減およびリアクトル7の小型化ができる。
【実施例7】
【0108】
図5は本発明の実施例6による電力変換装置を示すものである。なお、駆動制御部71は主回路に対応して実施例1とは異なるものとなるが、図面は省略する。
【0109】
実施例7による電力変換装置は、実施例5を三相回路に適用したものであり、基本的な構成は実施例5と同様である。
【0110】
図5に示した例では昇降圧チョッパ部10とインバータ部20aを、それぞれ三相かつV結線化し、蓄電素子21,22の接続点がV相出力と接続されて構成される。なお、インバータ部20cの構成もこれに限定されるものではなく、例えば図4に示したように3レベル化し、かつV結線としたものであってもよい。
【0111】
実施例7による電力変換装置の基本的な動作は実施例1〜4の動作モード1〜7と同様である。
【0112】
上述した実施例7においても、交流電源の広範囲の電圧変動に対する電圧補償、および、双方向スイッチング素子のサージ電圧抑制の両立を実現できる。
【符号の説明】
【0113】
1:交流電源
2:負荷
3:コンデンサ
4,7:リアクトル
5,6,23:双方向スイッチング素子
10:昇降圧チョッパ部
11〜14:整流素子
20a〜20c:インバータ部
21,22:蓄電素子
24,25:半導体スイッチング素子
30a、30b:整流部
61〜63:電圧検出手段
64:周波数検出手段
71:駆動制御部
72:電圧範囲判定手段
73:周波数判定手段
74:電圧調節手段
75:ゲート駆動回路
100:電力変換装置
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8】
【図9】
【国際調査報告】

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