再表2013-153936IP Force 特許公報全文掲載

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2013年10月17日
【発行日】2015年12月17日
(54)【発明の名称】光硬化性樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
   C08F 290/06 20060101AFI20151120BHJP
   B32B 27/30 20060101ALI20151120BHJP
【FI】
   C08F290/06
   B32B27/30 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
【出願番号】特願2014-510101(P2014-510101)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2013年3月22日
(31)【優先権主張番号】特願2012-91788(P2012-91788)
(32)【優先日】2012年4月13日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080159
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 望稔
(74)【代理人】
【識別番号】100090217
【弁理士】
【氏名又は名称】三和 晴子
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】米山 依慶
(72)【発明者】
【氏名】齋木 丈章
(72)【発明者】
【氏名】石川 和憲
【テーマコード(参考)】
4F100
4J127
【Fターム(参考)】
4F100AA20B
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4J127FA21
(57)【要約】
本発明は光学特性に優れる光硬化性樹脂組成物の提供を目的とする。本発明の光硬化性樹脂組成物は、(A)1分子中に、イソシアヌレート環と9個以上の(メタ)アクリル基とを有するアクリル化合物、(B)1分子中に、イソシアヌレート環を有さず、3個以上の(メタ)アクリル基を有する多官能アクリレート、(C)平均1次粒子径が5〜40nmであるコロイダルシリカ、(D)(メタ)アクリル基を有するフッ素化合物、及び(E)光重合開始剤を含有する、光硬化性樹脂組成物である。本発明の積層体は、基材と、前記基材の上に本発明の光硬化性樹脂組成物を用いて得られる樹脂層とを有する積層体である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)1分子中に、イソシアヌレート環と9個以上の(メタ)アクリル基とを有するアクリル化合物、
(B)1分子中に、イソシアヌレート環を有さず、3個以上の(メタ)アクリル基を有する多官能アクリレート、
(C)平均1次粒子径が5〜40nmであるコロイダルシリカ、
(D)(メタ)アクリル基を有するフッ素化合物、及び
(E)光重合開始剤を含有する、光硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
前記(A)成分が、(A−1)1分子中に水酸基と(メタ)アクリル基とを有するヒドロキシ化合物と(A−2)イソシアヌレート環とイソシアネート基とを有するイソシアネート化合物とを反応させることで得られる、請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
前記(B)成分の分子量が200〜2,000である、請求項1又は2に記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
前記(A)成分と前記(B)成分の合計量100質量部中、前記(A)成分が10〜30質量部、前記(B)成分が70〜90質量部であり、
前記(A)成分と前記(B)成分の合計量100質量部に対して、前記(C)成分が5〜30質量部、前記(D)成分が0.1〜5質量部、前記(E)成分が1〜10質量部である、請求項1〜3のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
前記(C)成分が更に前記(A)成分及び/又は前記(B)成分とラジカル反応可能な有機官能基を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
前記(C)成分が、(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤と水酸基を有するコロイダルシリカとの反応で得られる、請求項1〜5のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項7】
基材と、前記基材の上に請求項1〜6のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物を用いて得られる樹脂層とを有する積層体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光硬化性樹脂組成物
【背景技術】
【0002】
従来、ガラスやポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂といったプラスチック成型品は表面が傷つきやすいため、表面の保護する目的でハードコート処理が必要となる(例えば、特許文献1、2参照)。特に、携帯電話のタッチパネルなど電子材料に用いるハードコート剤には、密着性、透明性といった基礎性能に加えて、撥水撥油性、耐指紋性(防汚性)、鉛筆硬度、耐摩耗性が求められており、特に撥水撥油性能の発現するためには、一般的にフッ素化合物が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−92690号公報
【特許文献2】特開2010−102123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、アクリル樹脂にフッ素化合物を配合する組成物から得られるコート層はフッ素化合物を配合しない場合に比べて透明性が悪くなり光学特性に劣る。
そこで、本発明は光学特性(例えば透明性)に優れる光硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、課題を解決すべく鋭意研究した結果、アクリル樹脂及びフッ素化合物を配合する組成物に対して特定の粒子径を有するコロイダルシリカを添加することによって、透明性に優れる光硬化性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】
すなわち、本発明は、下記1〜8を提供する。
1.(A)1分子中に、イソシアヌレート環と9個以上の(メタ)アクリル基とを有するアクリル化合物、
(B)1分子中に、イソシアヌレート環を有さず、3個以上の(メタ)アクリル基を有する多官能アクリレート、
(C)平均1次粒子径が5〜40nmであるコロイダルシリカ、
(D)(メタ)アクリル基を有するフッ素化合物、及び
(E)光重合開始剤を含有する、光硬化性樹脂組成物。
2. 前記(A)成分が、(A−1)1分子中に水酸基と(メタ)アクリル基とを有するヒドロキシ化合物と(A−2)イソシアヌレート環とイソシアネート基とを有するイソシアネート化合物とを反応させることで得られる、1に記載の光硬化性樹脂組成物。
3. 前記(B)成分の分子量が200〜2,000である、1又は2に記載の光硬化性樹脂組成物。
4. 前記(A)成分と前記(B)成分の合計量100質量部中、前記(A)成分が10〜30質量部、前記(B)成分が70〜90質量部であり、
前記(A)成分と前記(B)成分の合計量100質量部に対して、前記(C)成分が5〜30質量部、前記(D)成分が0.1〜5質量部、前記(E)成分が1〜10質量部である、1〜3のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
5. 前記(C)成分が更に前記(A)成分及び/又は前記(B)成分とラジカル反応可能な有機官能基を有する、1〜4のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
6. 前記(C)成分が、(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤と水酸基を有するコロイダルシリカとの反応で得られる、1〜5のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
7. 更に(F)有機溶剤を含有する1〜6のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
8. 基材と、前記基材の上に1〜7のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物を用いて得られる樹脂層とを有する積層体。
【発明の効果】
【0007】
本発明の光硬化性樹脂組成物は光学特性に優れる。
本発明の積層体は光学特性に優れる樹脂膜を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は本発明の積層体の一例を模式的に表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明について以下詳細に説明する。
本発明の光硬化性樹脂組成物(本発明の組成物)は、
(A)1分子中に、イソシアヌレート環と9個以上の(メタ)アクリル基とを有するアクリル化合物、
(B)1分子中に、イソシアヌレート環を有さず、3個以上の(メタ)アクリル基を有する多官能アクリレート、
(C)平均1次粒子径が5〜40nmであるコロイダルシリカ、
(D)(メタ)アクリル基を有するフッ素化合物、及び
(E)光重合開始剤を含有する、光硬化性樹脂組成物である。
本発明の組成物は、(A)アクリル化合物、(B)多官能アクリレート、(D)フッ素化合物、(E)光重合開始剤を含有する組成物に対して、(C)コロイダルシリカを用いることによって、(B)、(D)及び(E)光重合開始剤を含有する組成物に生じる曇りを低減又は曇りをなくすことができる。
また、本発明の組成物は(D)フッ素化合物及び(C)コロイダルシリカを併用することによって、フッ素含有化合物を単独で使用する場合より、硬度や耐摩耗性に優れ、撥水性、撥油性は維持することができる。
本発明において、(メタ)アクリル基はアクリル基及びメタクリル基のうちの一方又は両方であることを意味する。また(メタ)アクリル基は(メタ)アクリロイルオキシ基[CH2=CR−CO−O−:Rは水素原子又はメチル基]である。
【0010】
(A)アクリル化合物について以下に説明する。本発明の組成物に含有される(A)アクリル化合物[以下これを(A)成分又は(A)ということがある。]は1分子中に、イソシアヌレート環と9個以上の(メタ)アクリル基とを有する化合物である。
本発明の組成物は(A)アクリル化合物を含有することによって、初期密着性、耐摩耗性に優れ、硬度を高くすることができる。
(A)アクリル化合物が有するイソシアヌレート環はイソシアネート基を有する化合物の3量体によって構成されるものであれば特に制限されない。例えば、ポリイソシアネート化合物の3量体が挙げられる。イソシアヌレート環を構成することができるポリイソシアネート化合物が有する、2個以上のイソシアネート基以外の構造としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子のようなヘテロ原子を有してもよい炭化水素基(例えば、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、及びこれらも組合わせ)が挙げられる。イソシアヌレート環を構成することができるポリイソシアネート化合物としては具体的には例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートが挙げられる。なかでも、光学特性により優れ、初期密着性、耐摩耗性に優れ、硬度が高いという観点から、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネート化合物によって構成されるイソシアヌレート環が好ましい。
本発明において、(A)アクリル化合物が1分子中に有するイソシアヌレート環は1個以上であり、光学特性により優れ、初期密着性、耐摩耗性に優れ、硬度が高いという観点から、1〜3個であるのが好ましい。
【0011】
(A)アクリル化合物が有する(メタ)アクリル基はCH2=CR−CO−O−(Rは水素原子又はメチル基)であれば特に制限されない。
本発明において、(A)アクリル化合物が有する(メタ)アクリル基の数は9個以上であり、光学特性により優れ、初期密着性、耐摩耗性に優れ、硬度が高いという観点から、10〜15個であるのが好ましく、12〜15個であるのがより好ましい。
(A)アクリル化合物が有する、イソシアヌレート環及び(メタ)アクリル基以外の構造は特に制限されない。例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子のようなヘテロ原子を有することができる炭化水素基が挙げられる。
【0012】
(A)成分は、光学特性により優れ、初期密着性、耐摩耗性に優れ、硬度が高いという観点から、(A−1)1分子中に水酸基と(メタ)アクリル基とを有するヒドロキシ化合物と(A−2)イソシアヌレート環とイソシアネート基とを有するイソシアネート化合物とを反応させることで得られる化合物であるのが好ましい。
(A)成分を製造する際に使用される(A−1)ヒドロキシ化合物は、1分子中に1個以上の水酸基と1個以上の(メタ)アクリル基とを有する化合物とすることができる。(A−1)ヒドロキシ化合物が1分子中に有することができる(メタ)アクリル基は1〜6個とすることができる。(A−1)ヒドロキシ化合物が1分子中に有することができる水酸基(ヒドロキシ基)は1〜2個とすることができる。
(A−1)ヒドロキシ化合物が有する、水酸基及び(メタ)アクリル基以外の構造は特に制限されない。例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子のようなヘテロ原子を有することができる炭化水素基が挙げられる。炭化水素基は分岐してもよい。
(A−1)ヒドロキシ化合物としては、例えば、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0013】
(A)成分を製造する際に使用される(A−2)イソシアネート化合物は、1分子中に1個以上のイソシアヌレート環と1個以上のイソシアネート基とを有する化合物とすることができる。(A−2)イソシアネート化合物が1分子中に有することができるイソシアネート基は1(又は3以上)〜6個とすることができる。(A−2)イソシアネート化合物が1分子中に有することができるイソシアヌレート環は1(又は3以上)〜6個とすることができる。
(A−2)イソシアネート化合物が有する、イソシアヌレート環及びイソシアネート基以外の構造は特に制限されない。例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子のようなヘテロ原子を有することができる炭化水素基が挙げられる。
(A−2)イソシアネート化合物としては、例えば、上述のイソシアヌレート環を構成することができるポリイソシアネート化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の3量体が挙げられる。具体的には例えば、イソホロンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネートからなる群から選ばれる少なくとも1種を用いて形成されるイソシアヌレート環を有するイソシアネート化合物が挙げられる。
【0014】
(A−1)ヒドロキシ化合物と(A−2)イソシアネート化合物との組合わせは、光学特性により優れ、初期密着性、耐摩耗性に優れ、硬度が高いという観点から、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種のヒドロキシ化合物と、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体(3量体)及びヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体からなる群から選ばれる少なくとも1種のイソシアネート化合物との組み合わせが好ましい。
(A)アクリル化合物は、光学特性により優れ、初期密着性、耐摩耗性に優れ、硬度が高いという観点から、下記式(1)で表される化合物が好ましい。
【化1】
【0015】
(A)アクリル化合物を製造する際に使用される、(A−1)ヒドロキシ化合物と(A−2)イソシアネート化合物との量比は、得られる(A)アクリル化合物の(メタ)アクリル基が9個以上となるようにすればよい。例えば、(A−1)ヒドロキシ化合物が1個の水酸基と3個以上の(メタ)アクリル基とを有し、(A−2)イソシアネート化合物が1個のイソシアヌレート環と3個以上のイソシアネート基とを有する場合、(A−1)ヒドロキシ化合物:(A−2)イソシアネート化合物(モル比)を、1〜4(又は3以下):1とすることができる。
(A)アクリル化合物の製造は特に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。(A)アクリル化合物はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0016】
(B)多官能アクリレートについて以下に説明する。本発明の組成物に含有される(B)多官能アクリレートは1分子中に、イソシアヌレート環を有さず、3個以上の(メタ)アクリル基を有する多官能の(メタ)アクリレートである。
本発明において、(B)多官能アクリレートが1分子中に有することができる(メタ)アクリル基は3個以上であり、光学特性により優れ、初期密着性、耐摩耗性に優れ、硬度が高いという観点から、5〜15個であるのが好ましい。
(B)多官能アクリレートは1分子中、イソシアヌレート環を有さず3個以上の(メタ)アクリル基を有する以外の構造は特に制限されない。例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子のようなヘテロ原子を有することができる炭化水素基が挙げられる。炭化水素基は分岐してもよい。
1分子中に3個の(メタ)アクリル基を有する多官能アクリレートとしては例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
1分子中に4個の(メタ)アクリル基を有する多官能アクリレートとしては例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
1分子中に5個以上の(メタ)アクリル基を有する多官能アクリレートとしては例えば、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0017】
なかでも、光学特性により優れ、初期密着性、耐摩耗性に優れ、硬度が高いという観点から、1分子中に3個の(メタ)アクリル基を有する化合物が好ましく、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートがより好ましい。
(B)成分の分子量は、学特性により優れ、初期密着性、耐摩耗性に優れ、硬度が高いという観点から、200〜2,000であるのが好ましく、200〜600であるのがより好ましい。
(B)はその製造について特に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。(B)はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0018】
(C)コロイダルシリカについて以下に説明する。本発明の組成物に含有される(C)コロイダルシリカ[以下これを(C)成分又は(C)ということがある。]は、粒子表面にシラノール基を有し、その平均1次粒子径が5〜40nmである。
(C)コロイダルシリカの平均1次粒子径は、光学特性により優れ、初期密着性、耐摩耗性に優れ、硬度が高いという観点から、5〜20nmであるのが好ましく、10〜20nmであるのがより好ましい。
(C)コロイダルシリカとしては、例えば、水酸基(シラノール基)を有するコロイダルシリカ(c−1)[コロイダルシリカ(c−1)は(A)成分及び/又は(B)成分とラジカル反応可能な有機官能基を有さない。]、(A)成分及び/又は(B)成分とラジカル反応可能な有機官能基を更に有するコロイダルシリカ(c−2)が挙げられる。
コロイダルシリカ(c−1)としては市販品を使用することができる。
(C)コロイダルシリカは光学特性により優れ、初期密着性、耐摩耗性に優れ、硬度が高いという観点から、(A)成分及び/又は(B)成分とラジカル反応可能な有機官能基を更に有するのが好ましい。(A)成分及び/又は(B)成分とラジカル反応可能な有機官能基としては、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリル基[(メタ)アクリロイルオキシ基]を少なくとも含む基が挙げられる。
【0019】
(C)コロイダルシリカはその製造について特に制限されない。(C)コロイダルシリカが(A)成分及び/又は(B)成分とラジカル反応可能な有機官能基を更に有する場合、その製造としては、例えば、(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤と水酸基(シラノール基)を有するコロイダルシリカ[例えば、のコロイダルシリカ(c−1)]との反応によって製造する方法が挙げられる。
(A)成分及び/又は(B)成分とラジカル反応可能な有機官能基を更に有するコロイダルシリカ(c−2)の製造の際に使用されるコロイダルシリカとしては例えば、のコロイダルシリカ(c−1)が挙げられる。
コロイダルシリカ(c−2)の製造の際に使用される、(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤は、(メタ)アクリル基及び加水分解性シリル基を少なくとも有する化合物であれば特に制限されない。(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤が有する、(メタ)アクリル基及び加水分解性シリル基以外の構造は特に制限されない。例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子のようなヘテロ原子を有することができる炭化水素基が挙げられる。(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
なかでも、光学特性により優れ、初期密着性、耐摩耗性に優れ、硬度が高いという観点から、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
【0020】
コロイダルシリカ(c−2)の製造の際に使用される(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤の量は、光学特性により優れ、初期密着性、耐摩耗性に優れ、硬度が高いという観点から、コロイダルシリカ(c−2)の製造の際に使用されるコロイダルシリカ100質量部に対して、10質量部以下であるのが好ましく、0.5〜5質量部であるのがより好ましい。
(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤と水酸基(シラノール基)を有するコロイダルシリカとの反応は、例えば、20〜120℃において撹拌させる条件下で行うことができる。この反応に有機溶剤(G)を使用することができる。有機溶剤(G)としては例えば、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチケトン(MIBK)のようなケトン類;プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、イソプロピルアルコール(IPA)のようなアルコールが挙げられる。有機溶剤(G)はこれらのうちからなる群から選ばれる少なくとも1種とすることができる。
【0021】
有機溶剤(G)の量はコロイダルシリカ(c−2)の製造の際に使用されるコロイダルシリカ100質量部に対して、150〜900質量部であるのが好ましく、200〜300質量部であるのがより好ましい。
(C)コロイダルシリカは有機溶剤(G)を除去した状態で又は含んだ状態で使用することができる。(C)コロイダルシリカが有機溶剤(G)を含んだ状態で使用される場合、本発明の組成物において、後述する有機溶媒(F)が有機溶剤(G)を概念的に含むことができる(例えば量等)。
【0022】
(D)フッ素化合物について以下に説明する。本発明の組成物に含有される(D)フッ素化合物は、フッ素原子及び(メタ)アクリル基を有する化合物である。本発明の組成物は(D)フッ素化合物を含有することによって、優れた撥水性、撥油性を発現させ、光学特性、初期密着性、耐摩耗性、硬度に優れる。
(D)フッ素化合物が有する(メタ)アクリル基はその数以外(A)アクリル化合物と同様である。(D)フッ素化合物は(メタ)アクリル基を1分子中1個以上有し、光学特性により優れ、初期密着性、耐摩耗性に優れ、硬度が高いという観点から、1〜3個であるのが好ましく、1〜2個であるのがより好ましい。
(D)フッ素化合物が有するフッ素原子は、光学特性により優れ、初期密着性、耐摩耗性に優れ、硬度が高いという観点から、(D)フッ素化合物1分子中の10〜50質量%であるのが好ましく、30〜50質量%であるのがより好ましい。
(D)フッ素化合物が有する、フッ素原子及び(メタ)アクリル基以外の構造は特に制限されない。例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子のようなヘテロ原子を有することができる炭化水素基が挙げられる。具体的には例えば、炭化水素ポリマー、ポリエーテルのようなポリマーが挙げられる。
(D)フッ素化合物は、光学特性により優れ、初期密着性、耐摩耗性に優れ、硬度が高いという観点から、ポリエーテルフルオロアクリレート、フッ素鎖を含むジアクリレートが好ましい。
【0023】
(D)フッ素化合物はその製造について特に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。(D)フッ素化合物はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0024】
(E)光重合開始剤について以下に説明する。本発明の組成物に含有される光重合開始剤(E)[以下これを(E)成分又は(E)ということがある。]は光によってモノマーを重合させうるものであれば特に限定されない。光重合開始剤(E)としては、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、硫黄化合物、アゾ化合物、パーオキサイド化合物、ホスフィンオキサイド系化合物等が挙げられる。具体的には、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アセトイン、ブチロイン、トルオイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4′−ビス(ジメチルアミノベンゾフェノン)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどの硫黄化合物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロなどのアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどのパーオキサイド化合物等が挙げられる。
【0025】
なかでも、光安定性、光開裂の高効率性、表面硬化性、樹脂との相溶性、低揮発、低臭気という点から、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンが好ましい。
(E)はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0026】
本発明の組成物は、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)を含有する。
(A)成分の量は、光学特性により優れ、初期密着性、耐摩耗性に優れ、硬度が高いという観点から、(A)と(B)の合計量100質量部中、10〜30質量部であるのが好ましく5〜20質量部であるのがより好ましい。
(B)成分の量は、(A)と同様の理由から、(A)と(B)の合計量100質量部中、70〜90質量部であるのが好ましく、80〜90質量部であるのがより好ましい。
(C)成分の量は、(A)と同様の理由から、(A)と(B)の合計量100質量部に対して、5〜30質量部であるのが好ましく、15〜30質量部であるのがより好ましい。
(D)成分の量は、(A)と同様の理由から、(A)と(B)の合計量100質量部に対して、0.1〜5質量部であるのが好ましく1〜3質量部であるのがより好ましい。
(C)が(A)成分及び/又は(B)成分とラジカル反応可能な有機官能基を有さない場合、(D)成分の量は、(A)と同様の理由から、(A)と(B)の合計量100質量部に対して、0.1〜5質量部であるのが好ましく、1〜3質量部であるのがより好ましい。
(C)が(A)成分及び/又は(B)成分とラジカル反応可能な有機官能基をさらに有する場合、(D)成分の量は、(A)と同様の理由から、(A)と(B)の合計量100質量部に対して、1〜5質量部であるのが好ましく、1〜3質量部であるのがより好ましい。
(E)成分の量は、(A)と同様の理由から、(A)と(B)の合計量100質量部に対して、1〜10質量部であるのが好ましく1〜5質量部であるのがより好ましい。
本発明の組成物に含有される、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)を不揮発成分とすることができる。各成分に含まれる溶剤は不揮発成分に含まれない。
【0027】
本発明の組成物は、塗装性、(A)、(B)、(C)及び(D)の混ざり易さ、乾燥性に優れるという観点から、更に(F)有機溶剤を含有することができる。(F)有機溶剤としては例えば、上述の有機溶剤(G)と同様のものが挙げられる。なかでも、乾燥性に優れるという観点から、イソプロピルアルコールが好ましい。
(F)有機溶剤の量は、組成物全量中、30〜60質量%とすることができる。
【0028】
本発明の組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、例えば、(A)及び(B)以外の(メタ)アクリル化合物、(C)コロイダルシリカ以外の充填剤、老化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、分散剤、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、艶消し剤、光安定剤、染料、顔料のような添加剤を更に含有することができる。
【0029】
本発明の組成物は、例えば、プラスチック表面保護剤、ハードコート剤、紫外線硬化型塗料、プライマー組成物等として使用できる。
本発明の組成物を適用することができる基材は特に制限されない。例えば、プラスチック、ゴム、ガラス、金属、セラミックが挙げられる。
本発明の組成物を適用することができるプラスチックは熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれであってもよい。プラスチックとしては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アセテート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂のような難接着性樹脂が挙げられる。
【0030】
本発明の組成物を基材に適用する方法は、特に限定されず、例えば、はけ塗り、流し塗り、浸漬塗り、スプレー塗り、スピンコート等の公知の塗布方法を採用できる。
本発明の組成物を基材に塗布した後、これを乾燥させて、本発明の組成物が含有してもよいとされる有機溶剤を本発明の組成物の層から除去することができる。プラスチック基材を使用する場合、例えば、ポリカーボネート基材で70℃×3分、PMMA基材で70℃×10分の乾燥条件で有機溶剤を揮発させることができる。乾燥後の、本発明の組成物の層は不揮発成分のみ[例えば、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)]を含有するものとすることができる。
本発明の組成物の硬化方法としては例えば紫外線による硬化方法が挙げられる。本発明の組成物を紫外線照射によって硬化させる場合、本発明の組成物を硬化させる際に使用する紫外線の照射量としては、速硬化性、作業性の観点から、500〜3,000mJ/cm2が好ましい。紫外線を照射するために使用する装置は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。硬化させるに際し加熱を併用してもよい。
本発明の組成物は、光学特性(透明性)、初期密着性、耐摩耗性に優れ、硬度が高い。
【0031】
本発明の積層体について以下に説明する。
本発明の積層体は、基材と、前記基材の上に本発明の光硬化性樹脂組成物を用いて得られる樹脂層とを有する積層体である。
本発明の積層体に使用される、基材、光硬化性樹脂組成物はと同様である。
本発明の積層体はその製造について特に制限されない。例えば、本発明の組成物を基材に塗布し硬化させることによって得ることができる。
【0032】
本発明の積層体について以下添付の図面を用いて説明する。図1は、本発明の積層体の一例の断面を模式的に示す断面図である。図1において、積層体100は、樹脂層102と基材104とを有する。樹脂層、基材の厚さは特に制限されない。
本発明の積層体は、光学特性に優れる樹脂層を有するので、透明性に優れ、初期密着性、耐摩耗性に優れ、硬度が高い。本発明の積層体がその表面に樹脂層を有する場合特に上述の効果が発揮される。
【実施例】
【0033】
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。
<組成物の製造>
下記表に示す成分を同表に示す量(質量部)で用いて混合し、全ての組成物の固形濃度[(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)の合計]が60質量%となるように、溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテル(PM)/酢酸エチル=50/50(質量比)で混合物を希釈した。なお表中の(C)コロイダルシリカの量はコロイダルシリカの正味の量である((C)コロイダルシリカの量には有機溶剤を含まない)。
<積層体の製造>
まず、のようにして得られた組成物(塗料)をPMMA板(ポリメチルメタクリレートの板、厚さ:1mm)にバーコーター(番手18番)を用いて膜厚:25μm程度となるように塗布し、これをオーブンで70℃の条件下で10分間乾燥させ、次いで、これに川口スプリング製作所社製のGS UV SYSTEMを用いて紫外線(UV)を照射して、組成物を硬化させ(照射強度:ピーク強度が80mW/cm2、積算光量が1000mJ/cm2)、積層体を得た。
【0034】
<評価>
上述のとおりにして得られた、組成物又は積層体を用いて以下の評価を行った。結果を表に示す。比較例1は組成物を使用せずPMMA板のままで同様の評価を行った。
(塗布性・外観)
組成物の塗布性、塗布後の組成物の層の外観を目視で評価した。組成物を塗布する際スプレーを用いて塗布しており、塗布後の外観が透明かつ均一な膜を形成している場合を「良好」とした。組成物を塗布する際スプレー塗布できない、均一な膜を形成することができない、スプレー塗布の段階で乾燥が進行し剥がれが生じるという問題や、塗布後の外観が白濁する、表面が波を打つ、表面が粗くなるという問題のいずれかが発生する場合を不良とし、その状態を示した。
【0035】
(初期密着性)
のとおり得られた積層体の樹脂層に、2mmの基盤目100個(10×10)を作り、基盤目上にセロハン粘着テープを完全に付着させ、直ちにテープの一端を積層体に対して直角に保ちながら瞬間的に引き離し、完全に剥がれないで残った基盤目の数を調べた。表には、残った基盤目の数を分子として、碁盤目の全数(100個)を分母として結果を記載した。
(光学特性)
ヘイズメーター(HM−150、村上色彩技術研究所製)を用いて、積層体の全光線透過率、ヘイズを、初期及び以下の示すSW(#0000)試験後に測定した。サンプル数n=3の平均値として結果を示す。
ヘイズは3以下とすることができ、2以下を「やや良好」、1以下を「良好」と判断する。
(耐摩耗性)
耐摩耗性はSW(#0000)試験によって評価された。SW(#0000)試験は積層体の上でスチールウール(#0000)を荷重250g、ストローク幅:25.4mmの条件下において100回往復させることによって行われた。
【0036】
(鉛筆硬度)
得られた積層体を用いて、JIS K5600−5−4:1999に準拠して(条件:積層体の斜め45°の角度、9.8Nの力、先端部直径1.8mm、先端部長さ3.0mm)、塗膜の鉛筆硬度を測定した。
(撥水性)
積層体の撥水性は接触角測定により判断される。具体的には、液の滴下量を10μL/滴となるように調整し、液滴を落下速度2μL/sec.でのようにして得られた積層体の樹脂層の表面へ落下させ、液滴と積層体との接触点(1滴あたり2箇所:「右」と「左」)の角度それぞれを「OCA20・Datephysics(英弘精機株式会社製)」を用いて測定した。1つの積層体当たり5滴の液滴について測定を行い、すなわち10データを測定し、その平均値として算出された値(接触角:単位は°)を撥水性の欄に記載する。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
表に示される各成分の詳細は以下のとおりである。
・(A)アクリル化合物1:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとイソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体とを3:1(モル比)で80℃の条件下において反応させて得られた。得られた化合物をアクリル化合物1とする。アクリル化合物1は式(1)で表される15官能アクリレートである。
・(A)アクリル化合物2:ペンタエリスリトールトリアクリレートとイソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体とを3:1(モル比)で80℃の条件下において反応させて得られた。得られた化合物をアクリル化合物2とする。アクリル化合物2は9官能アクリレートである。
・(B)多官能アクリレート1:DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)、MiramerM−600(MIWON社製)、分子量578
・(B)多官能アクリレート2:TMPTA(トリメチロールプロパントリアクリレート)、ダイセルサイテック社製、分子量296
・(C)コロイダルシリカ1:コロイダルシリカ(平均一次粒子径:10−20nm、)、商品名MEK−ST(表面処理なし、コロイダルシリカ30質量%と有機溶剤としてメチルエチルケトン70質量%とを含む。)、日産化学工業社製
・(C)コロイダルシリカ2:アクリル処理されたコロイダルシリカ[MEK−Ac−2101(アクリル処理)]。商品名MEK−ST100質量部に対し、(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤として3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(商品名KBM−5103、信越化学工業社製。シリカ固形分30質量部に対して1質量部となる量で使用。)を80℃×12時間の条件下で撹拌して反応させることによって得られた。得られたコロイダルシリカをコロイダルシリカ2とする。コロイダルシリカ2の平均1次粒子径は10−20nm。)
・(C)コロイダルシリカ3:コロイダルシリカ、商品名PL−2L−PGME(表面処理なし、平均1次粒子径:10−20nm)、扶桑化学工業社製
・(C)コロイダルシリカ4:コロイダルシリカ、商品名IPA−ST、日産化学工業社製(平均1次粒子径:10−20nm、表面処理なし)
・(C)コロイダルシリカ5:コロイダルシリカ、商品名MIBK−ST、日産化学工業社製(平均1次粒子径:10−20nm、表面処理なし)
・(C)コロイダルシリカ6:コロイダルシリカ、商品名MEK−ST−L、日産化学工業社製(平均1次粒子径:70nm、表面処理なし)
・コロイダルシリカ以外のシリカ:乾式シリカ、商品名AEROSIL R972、日本アエロジル社製
・(D)フッ素化合物1:商品名オプツール、ダイキン工業社製、1分子当たりの(メタ)アクリル基の数2個、1分子あたりのフッ素原子の量30質量%
・(E)光重合開始剤1:イルガキュアー184(BASF社製)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン
【0040】
表に示す結果から明らかなように、(A)アクリル化合物、(B)多官能アクリレートに対して(D)フッ素化合物を配合する比較例2(コロイダルシリカは配合せず)は初期ヘイズが高く曇りが生じ透明性に劣った。平均1次粒子径が40nmを超えるコロイダルシリカを含有する比較例3は塗布後の外観に白濁が生じ初期ヘイズが高く曇りが生じ透明性に劣った。(A)アクリル化合物を含有しない比較例4は組成物を塗布後に被膜が基材から剥がれ塗布性に劣った。コロイダルシリカシリカを含有せず代わりに乾式シリカを含有する比較例5は塗布後の外観に白濁が生じ初期ヘイズが高く曇りが生じ透明性に劣った。
これに対して実施例1〜8は初期ヘイズが低く透明性が高く光学特性に優れる。また実施例1〜8は、初期密着性、耐摩耗性、撥水性に優れ、鉛筆硬度が高い。
このように、本発明の組成物は、光学特性(透明性)、初期密着性、耐摩耗性に優れ、硬度が高い。また、本発明の積層体は、光学特性に優れる樹脂膜を有するので透明性に優れ、初期密着性、耐摩耗性に優れ、硬度が高い。
【符号の説明】
【0041】
100 積層体
102 樹脂層
104 基材
【図1】
【国際調査報告】

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