再表2013-157605IP Force 特許公報全文掲載

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2013年10月24日
【発行日】2015年12月21日
(54)【発明の名称】ビーム整形装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/01 20060101AFI20151124BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20151124BHJP
   G02B 26/06 20060101ALI20151124BHJP
   B23K 26/064 20140101ALI20151124BHJP
【FI】
   G02F1/01 D
   G02F1/13 505
   G02B26/06
   B23K26/064 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】26
【出願番号】特願2014-511246(P2014-511246)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2013年4月18日
(31)【優先権主張番号】特願2012-96818(P2012-96818)
(32)【優先日】2012年4月20日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)独立行政法人科学技術振興機構、先端計測分析技術・機器開発プログラム、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000236436
【氏名又は名称】浜松ホトニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100124291
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 悟
(72)【発明者】
【氏名】松本 直也
(72)【発明者】
【氏名】井上 卓
(72)【発明者】
【氏名】瀧口 優
【テーマコード(参考)】
2H088
2H141
2K102
4E168
【Fターム(参考)】
2H088EA37
2H088EA47
2H088HA21
2H088HA24
2H088HA28
2H088MA20
2H141MA27
2H141MB23
2H141MB27
2H141MB37
2H141MB56
2H141ME04
2H141MG05
2K102AA21
2K102BA05
2K102BB01
2K102BB04
2K102BB08
2K102BC01
2K102BC04
2K102BD09
2K102BD10
2K102DB08
2K102DC07
2K102DD02
2K102EA02
2K102EA21
2K102EB10
4E168DA33
4E168DA36
4E168DA37
4E168DA38
4E168EA11
4E168EA19
(57)【要約】
ビーム整形装置10Aは、位相変調型のSLMにより構成され、入射光P1の位相を変調するための第一位相パターンを表示する第一位相変調部12と、位相変調型のSLMにより構成され、第一位相変調部12と光学的に結合され、第一位相変調部12によって位相変調された光P2の位相を更に変調するための第二位相パターンを表示する第二位相変調部14と、第一、第二位相変調部12、14それぞれに第一、第二位相パターンを与える制御部16とを備える。第一、第二位相パターンは、第二位相変調部14から出力される光P3の強度分布及び位相分布を所定の分布に近づけるための位相パターンである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位相変調型の空間光変調素子により構成され、入射光の位相を変調するための第一位相パターンを表示する第一位相変調部と、
位相変調型の空間光変調素子により構成され、前記第一位相変調部と光学的に結合され、前記第一位相変調部によって位相変調された光の位相を更に変調するための第二位相パターンを表示する第二位相変調部と、
前記第一位相変調部及び前記第二位相変調部それぞれに前記第一位相パターン及び前記第二位相パターンそれぞれを与える制御部と
を備え、
前記第一位相パターン及び前記第二位相パターンが、前記第二位相変調部から出力される光の強度分布及び位相分布を所定の分布に近づけるための位相パターンであることを特徴とする、ビーム整形装置。
【請求項2】
前記第一位相変調部及び前記第二位相変調部は、それぞれ反射型空間光変調素子により構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のビーム整形装置。
【請求項3】
前記第一位相変調部を構成する前記反射型空間光変調素子と、前記第二位相変調部を構成する前記反射型空間光変調素子とは、それらの光反射面が互いに平行になるように配置されていることを特徴とする、請求項2に記載のビーム整形装置。
【請求項4】
前記第一位相変調部及び前記第二位相変調部は、単一の反射型空間光変調素子により構成され、その光反射面のうち一部の領域が前記第一位相変調部として使用され、他の一部の領域が前記第二位相変調部として使用されていることを特徴とする、請求項1に記載のビーム整形装置。
【請求項5】
複数の反射素子を備え、前記第二位相変調部は、前記複数の反射素子を介して前記第一位相変調部と光学的に結合されていることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか一項に記載のビーム整形装置。
【請求項6】
前記空間光変調素子は、透過型空間光変調素子であることを特徴とする、請求項1に記載のビーム整形装置。
【請求項7】
前記第二位相パターンは、前記第一位相変調部によって位相変調された光の位相を打ち消すことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のビーム整形装置。
【請求項8】
前記第二位相パターンが、前記第二位相変調部から出力される光を、平行光、拡散光または収束光にするための位相パターンを含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のビーム整形装置。
【請求項9】
前記第二位相変調部から出力される光の光軸方向と直交する断面の形状が多角形状であり、該断面における該光の強度分布がトップハット状であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のビーム整形装置。
【請求項10】
前記第二位相変調部から出力される光の光軸方向と直交する断面の形状が環状であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のビーム整形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビーム整形装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1,2には、ノイズの少ないホログラフィー照射のために、空間光変調素子を用いる方法が記載されている。この方法では、一つの空間光変調素子をフーリエ面に配置することによって、光の振幅及び位相分布をそれぞれ独立して制御する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】A. Jesacher et al., “Near-perfect hologram reconstruction with aspatial light modulator”, Optics Express, Vol. 16, No. 4, pp.2597-2603 (2008)
【非特許文献2】A. Jesacher et al., “Full phase and amplitude control of holographicoptical tweezers with high efficiency” , Optics Express, Vol. 16, No. 7, pp.4479-4486(2008)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来より、例えばガウシアン分布に従う強度分布を有する入射光を、トップハット状の強度分布を有する光に変換する装置として、ホモジナイザが知られている。ホモジナイザは、エッチング処理によって位相パターンが書き込まれた2枚のガラス(レンズ)によって構成される。しかしながら、このような構成では、出力光の強度分布を任意に変更することは困難である。
【0005】
そこで、電気信号によって位相パターンを任意に変更することが可能な空間光変調素子の利用が考えられる。特に、光損失を抑えたい場合には、位相変調型の空間光変調素子が好適である。しかしながら、位相変調型の空間光変調素子は、単独では強度変調を行うことができないので、入射光の強度分布がそのまま出力光の強度分布となる。したがって、例えばガウシアン分布に従う強度分布を有する入射光を、断面が四角形状でありトップハット状の強度分布を有する光に変換したり、或いは断面が円形状でありトップハット状の強度分布を有する入射光を、断面が四角形状でありトップハット状の強度分布を有する光に変換するといった、任意の断面形状および強度分布の光への変換は極めて難しい。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、任意の断面形状および強度分布の光への変換が可能なビーム整形装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明によるビーム整形装置は、位相変調型の空間光変調素子により構成され、入射光の位相を変調するための第一位相パターンを表示する第一位相変調部と、位相変調型の空間光変調素子により構成され、第一位相変調部と光学的に結合され、第一位相変調部によって位相変調された光の位相を更に変調するための第二位相パターンを表示する第二位相変調部と、第一位相変調部及び第二位相変調部それぞれに第一位相パターン及び第二位相パターンそれぞれを与える制御部とを備え、第一位相パターン及び第二位相パターンが、第二位相変調部から出力される光の強度分布及び位相分布を所定の分布に近づけるための位相パターンであることを特徴とする。
【0008】
このビーム整形装置では、位相変調型の空間光変調素子によって各々構成される第一位相変調部及び第二位相変調部が光学的に結合されており、入射光が第一位相変調部に入射し、出射光が第二位相変調部から取り出される。そして、第一位相変調部には、例えば所定の強度分布を与える第一位相パターンが表示され、所定の強度分布を有する光が第二位相変調部に入射する。このとき、第二位相変調部には例えば所定の位相分布が与えられる。これにより、任意の断面形状及び強度分布を有する出力光が得られる。このように、位相変調型の2つの空間光変調素子を用いることにより、位相分布だけでなく強度分布をも任意に制御することが可能となる。すなわち、このビーム整形装置によれば、任意の(動的な)断面形状および強度分布の光への変換が可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によるビーム整形装置によれば、任意の断面形状および強度分布の光への変換が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、第1ビーム整形装置の構成を示す図である。
【図2】図2は、ビーム整形装置を含む光学系の一例を示す図である。
【図3】図3は、第二位相変調部に入射される光の強度分布の例を示す図である。
【図4】図4は、第二位相変調部に与えられる第二位相パターンの例を示す図である。
【図5】図5は、出射光の光軸方向と直交する断面の形状の例を示す図である。
【図6】図6は、第2変形例の構成を示す図である。
【図7】図7は、TIRF顕微鏡に用いられる光学系の例を示す図である。
【図8】図8は、(a)従来のTIRF顕微鏡における励起光の例を示す図であって、光軸方向から対物レンズの射出瞳を観察した様子を概略的に示す図、及び(b)第3変形例における励起光の様子を示す図であって、光軸方向から対物レンズの射出瞳を観察した様子を概略的に示す図である。
【図9】図9は、第二位相変調部に入射される光の強度分布の例を示す図である。
【図10】図10は、第二位相変調部に与えられる第二位相パターンの例を示す図である。
【図11】図11は、第2ビーム整形装置の構成を示す図である。
【図12】図12は、第2ビーム整形装置の一変形例の構成を示す図である。
【図13】図13は、第2ビーム整形装置の別の変形例の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら本発明によるビーム整形装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0012】
(第1の実施の形態)
【0013】
図1は、本発明の第1ビーム整形装置10Aの構成を示す図である。本実施形態のビーム整形装置10Aは、第一位相変調部12と、第二位相変調部14と、制御部16とを備えている。第一位相変調部12及び第二位相変調部14は、ビーム整形装置10Aに入力される入射光の光軸Aに沿った方向に並んで配置されており、第二位相変調部14は、第一位相変調部12と光学的に結合されている。なお、後述する別の実施形態において示されるように、第一位相変調部12と第二位相変調部14との間に、レンズや反射鏡等の光学部品が介在してもよい。
【0014】
このビーム整形装置10Aでは、入射光P1の位相を変調するための第一位相パターンを第一位相変調部12が表示する。また、第一位相変調部12によって位相変調された光P2の位相を更に変調するための第二位相パターンを第二位相変調部14が表示する。第一位相パターン及び第二位相パターンは、第二位相変調部14から出力される光P3の強度分布及び位相分布を所定(所望)の分布に近づけるための位相パターンである。
【0015】
入射光P1は例えば平行光であり、第一位相変調部12の前面(第二位相変調部14と対向する面とは反対側の面)から入射する。そして、第一位相変調部12及び第二位相変調部14によってこの入射光P1が任意の断面形状の光P3に変換され、第二位相変調部14の背面(第一位相変調部12と対向する面とは反対側の面)から、光P3が出力される。なお、入射光P1の光軸と直交する断面は典型的には円形であり、入射光P1の強度分布は典型的にはガウシアン分布である。
【0016】
第一位相変調部12は、空間光変調素子(SLM;Spatial Light Modulator)により構成される。また、第二位相変調部14も同様に、空間光変調素子により構成される。第一位相変調部12及び第二位相変調部14に使用される空間光変調素子には、位相変調型の空間光変調素子、例えば屈折率変化材料型SLM(例えば液晶を用いたものでは、LCOS(Liquid Crystal on Silicon)型やLCD(Liquid
Crystal Display)など)、セグメントミラー(Segment Mirror)型SLM、連続形状可変鏡(Continuous Deformable Mirror)型SLM等がある。屈折率変化材料型SLM、セグメントミラー型SLM、及び連続形状可変鏡型SLMは、電圧や電流、或いは書き出し光の印加によって種々のレンズパターンが付与されることにより、任意の焦点距離を有するレンズとして機能する。なお、本実施形態では透過型の空間光変調素子を例示しているが、空間光変調素子は反射型であってもよい。
【0017】
なお、本実施形態のビーム整形装置10Aでは、第一位相変調部12と第二位相変調部14との距離L1は不変であり、第一位相変調部12及び第二位相変調部14の位置は、後段に設けられる光学部品(不図示)に対して相対的に固定される。
【0018】
制御部16は、第一位相パターンを第一位相変調部12に与え、第二位相パターンを第二位相変調部14に与える。具体的には、制御部16は、空間光変調素子の各画素を駆動するための電気信号(位相パターン)を第一位相変調部12及び第二位相変調部14へ提供する。ビーム整形装置10Aでは、このようにして制御部16が第一位相変調部12及び第二位相変調部14の位相パターンを動的に変更することにより、第二位相変調部14に入射する光P2の強度分布が変化するとともに、ビーム整形装置10Aから出射される光P3の強度及び位相分布が任意に変調される。なお、制御部16は、第一位相変調部12及び第二位相変調部14が収容される筐体内に配置されても良く、或いは筐体の外部に配置されてもよい。
【0019】
以下、制御部16が第一位相変調部12及び第二位相変調部14にそれぞれ付与する第一位相パターン及び第二位相パターンの作成方法の具体例について説明する。
【0020】
まず、第一位相変調部12に表示すべき位相分布φ1を求めるために、第一位相変調部12に入射する光P1の強度分布I1in(振幅分布A1in)に関する情報を取得する。なお、振幅分布A1inと光P1の強度分布I1inとは、次の数式(1)に示される関係がある。
【数1】
【0021】
次に、第二位相変調部14に入射させるべき光P2の強度分布I2in(振幅分布A2in)を設定する。そして、強度分布I1in及びI2in(振幅分布A1in及びA2in)が得られたのち、例えばGS(Gerchberg & Saxton)法やOC法等の反復フーリエ法若しくはORA(Optimal Rotation Angle)法といったCGH(Computer
Generated Hologram)設計法を用いて、第一位相変調部12が表示すべき位相分布φ1を含む第一位相パターンを求める。このような第一位相パターンを第一位相変調部12が表示することにより、第一位相変調部12から距離L1だけ離れた第二位相変調部14に、所望の強度分布I2in(振幅分布A2in)を有する光P2が入射することとなる。なお、第二位相変調部14に到達する光P2の位相分布φ2inは、第一位相変調部12における位相変調と第一位相変調部12からの伝搬過程とによって決定される。この位相分布φ2inは、光P2の伝搬の様子をシミュレーションすることで求められる。
【0022】
次に、第二位相変調部14が表示すべき位相分布φ2を含む第二位相パターンを求めるために、ターゲットパターンAtgtを設定する。ここでターゲットパターンとは、ビーム整形装置10Aから出力された光P3が、ビーム整形装置10Aの後段に配置されたレンズによってフーリエ変換されることにより、再生される1つ以上の集光点の分布を指す。また、第二位相変調部14に入射する光P2の強度分布I2in(振幅分布A2in)を設定する。こうしてターゲットパターンAtgt及び振幅分布A2inを設定したのち、例えばGS法やOC法といった反復フーリエ法、或いは、例えばORA法といったCGH設計法を用いて、第二位相変調部14が表示すべき位相分布φ2を含む第二位相パターンを求める。このとき、例えば第二位相変調部14に入射する光P2が平面波である場合に第二位相変調部14が表示すべき位相分布φ2を含む第二位相パターンを求めるとよい。但し、実際には、第一位相変調部12により位相変調されて伝搬した光P2が第二位相変調部14に入射する際、その位相分布φ2inは平面波ではない。したがって、次の数式(2)に示される処理を行うことにより、第二位相変調部14が表示すべき位相分布φ2を含む第二位相パターンを求めるとよい。
【数2】
この数式(2)に示される処理では、光P2の位相分布φ2inを第二位相変調部14にて打ち消すとともに、更に新たな位相パターンを加えている。
【0023】
なお、第一位相変調部12が表示すべき第一位相パターンを求める際にも、と同様の処理を行ってもよい。すなわち、第一位相変調部12に入射する光P1の位相分布φ1inが平面波でないときには、第一位相変調部12において表示する第一位相パターンの位相分布φ1を、次の数式(3)によって求めるとよい。
【数3】
【0024】
また、第一位相変調部12に表示される第一位相パターンは、レンズ効果を有する位相パターンであってもよい。そして、第一位相パターンがレンズ効果を有する場合、そのレンズ効果の焦点距離fは、第一位相変調部12と第二位相変調部14との距離L1とは等しくなく、距離L1よりも長いか、若しくは短いことが好ましい。焦点距離fと距離L1とが互いに等しいと、光P2の集光点が第二位相変調部14と重なるので、第二位相変調部14の動作に影響を及ぼすおそれがあるからである。焦点距離fが距離L1よりも長いか、若しくは短いことにより、光P2の集光点を第二位相変調部14から外して、第二位相変調部14を好適に動作させることができる。
【0025】
以上の方法によって作成された第一位相パターン及び第二位相パターンを制御部16が第一位相変調部12及び第二位相変調部14へそれぞれ付与することにより、第一位相変調部12に適切な位相パターンを表示させて第二位相変調部14に入射する光P2の強度分布を変化させ、且つ、第二位相変調部14から出力される光P3の強度分布及び位相分布を所望の形状に近づけることができる。
【0026】
また、このビーム整形装置10Aによれば、入射光P1と出力光P3との比である光利用効率を高めることもできる。例えば、第一位相変調部12としてLCDなどの強度マスクを用いた場合、強度分布の調整は容易であるものの、入射光P1の強度分布と光P2の強度分布との関係によっては、光利用効率が極めて低くなることがある。これに対し、ビーム整形装置10Aでは、第一位相変調部12が空間光変調素子によって構成されており入射光P1の位相分布のみを変更するので、光利用効率の低下を効果的に抑制することができる。
【0027】
ここで、本ビーム整形装置10Aを備える光学系の具体例について説明する。一般的に、レンズに入射する光の強度分布は、レンズを通過した光の集光スポットの形状に影響を及ぼす。例えば、レンズに入射する光の強度分布が均一なトップハット状である場合には、集光スポットにはエアリーパターンが現れる。また、レンズに入射する光の強度分布がガウシアン分布である場合には、集光スポットにはガウシアン形状の集光像が現れる。このように、レンズに入射する光の強度分布を積極的に変更することで、様々な形状の集光スポットを得ることが可能となる。そして、このような特殊な形状の集光スポットは、レーザ加工やレーザ顕微鏡等の用途において有用となる可能性がある。
【0028】
図2は、ビーム整形装置10Aを含む光学系の一例を示す図である。図2に示される光学系50は、ビーム整形装置10Aと、レーザ光源28と、スペイシャルフィルタ32と、コリメートレンズ34と、対物レンズ40とを備えている。
【0029】
第一位相変調部12には、入射光P1が入力される。入射光P1は、例えば、レーザ光源28から出射されたレーザ光が、スペイシャルフィルタ32の集光レンズ32a及びピンホール32bを通過することにより波面ノイズや歪みを除去されたのち、コリメートレンズ34を通過して平行化されることによって好適に生成される。なお、光学系50は、レーザ光源28から出射されたレーザ光を拡径(若しくは縮径)するビームエキスパンダを、スペイシャルフィルタ32に代えて備えても良い。
【0030】
そして、第一位相変調部12及び第二位相変調部14によってこの入射光P1の強度分布および位相分布が任意に変更され、第二位相変調部14の背面(第一位相変調部12と対向する面とは反対側の面)から、出射光P3が出力される。出射光P3は、対物レンズ40の射出瞳に入射し、対物レンズ40において集光される。なお、集光点上には観察や加工等の対象物Bが配置されている。
【0031】
このような光学系50において、例えば上述した実施例のように位相パターンを第一位相変調部12及び第二位相変調部14に付与すると、出射光P3の集光スポットにおいて任意の集光形状を得ることできる。例えば、第一位相変調部12において、ガウシアン分布状の強度分布を有する入射光P1が第一位相パターンにより変調され、図3に示される強度分布の光P2が第二位相変調部14に入射した場合を考える。このとき、第二位相パターンとして図4に示されるような位相パターンを第二位相変調部14に与えると、集光スポットにおける光P3の光軸方向と直交する断面の形状を、図5に示されるような多角形状(例えば三角形状)とすることができる。更に、該断面における光P3の強度分布をトップハット状とすることができる。
【0032】
このような任意の形状および強度分布を有する集光スポットの形成は、例えば加工分野では対象物の面の高速加工を可能とし、また、顕微観察分野では、対象物の特定の場所を面状に光刺激することを可能とする。
【0033】
なお、図2に示された光学系50では、少なくとも光源28、ビーム整形装置10A及び対物レンズ40が設けられていればよく、他に様々な変形が考えられる。例えば、加工の様子や顕微観察のための観察ユニットが付属していてもよいし、対象物を移動若しくは回転するためのステージが更に設けられてもよい。
【0034】
(第1の変形例)
【0035】
上述した実施形態では、ビーム整形装置10Aから出力された光P3が対物レンズ40によって集光されているが、対物レンズ40を省略することも可能である。すなわち、対物レンズ40に代えて、第二位相変調部14に表示される第二位相パターンが、光P3を収束光にするための集光レンズ効果を有する位相パターンを含むとよい。このような構成により、光P3を好適に集光することができる。或いは、必要に応じて、第二位相パターンが、光P3を拡散光にするための位相パターンを含んでもよい。
【0036】
(第2の変形例)
【0037】
図6は、上述した実施形態の第2変形例の構成を示す図である。本変形例に係るビーム整形装置10Bは、実施形態のビーム整形装置10Aと同様に、第一位相変調部12、第二位相変調部14、及び制御部16を備えている。そして、本変形例に係るビーム整形装置10Bは、レンズ18を更に備えている。
【0038】
レンズ18は、第一位相変調部12と第二位相変調部14との間に配置されており、第一位相変調部12から出射された光P2を集光(若しくは拡散)して第二位相変調部14に提供する。空間光変調素子が実現し得るレンズの焦点距離には下限が存在するが、本変形例のようにレンズ18を組み合わせることにより、そのような下限を超えて焦点距離を設定することができる。
【0039】
なお、この場合、第二位相変調部14に表示される第二位相パターンに含まれるレンズ効果の焦点距離fは距離L1と同じであってもよいが、第一位相変調部12の第一位相パターンに含まれるレンズ効果と、レンズ18とを合成した焦点距離は、距離L1と異なる(距離L1よりも長いか、若しくは短い)ことが好ましい。これにより、加工分野や顕微鏡用途などにおいて大パワーのレーザ光を使用した場合であっても、空間光変調素子にレーザ光が集光されることを回避し、空間光変調素子の好適な動作を維持することができる。
【0040】
(第3の変形例)
【0041】
制御部16が第一位相変調部12及び第二位相変調部14にそれぞれ付与する第一位相パターン及び第二位相パターンは、上述した実施形態の方法に代えて、以下の方法により作成されてもよい。
【0042】
まず、第一位相変調部12に表示すべき位相分布φ1を求めるために、第一位相変調部12に入射する光P1の強度分布I1in(振幅分布A1in)に関する情報を取得する。次に、第二位相変調部14に入射させるべき光P2の強度分布I2in(振幅分布A2in)を設定する。そして、強度分布I1in及びI2in(振幅分布A1in及びA2in)が得られたのち、例えばGS法やOC法といった反復フーリエ法若しくはORA法といったCGH設計法を用いて、第一位相変調部12が表示すべき位相分布φ1を含む第一位相パターンを求める。
【0043】
なお、第一位相変調部12に入射する光P1の位相分布φ1inが平面波である場合はφ1=φ1out(φ1outは第一位相変調部12から出射される光P2の位相パターン)であるが、位相分布φ1inが平面波でないときには、第一位相変調部12において表示される第一位相パターンの位相分布φ1を、次の数式(4)によって求めるとよい。
【数4】
【0044】
このような第一位相パターンを第一位相変調部12が表示することにより、第一位相変調部12から距離L1だけ離れた第二位相変調部14に、所望の強度分布I2in(振幅分布A2in)を有する光P2が入射することとなる。なお、第二位相変調部14に入射する光P2の位相分布φ2inは、第一位相変調部12における位相変調と第一位相変調部12からの伝搬過程とによって決定される。この位相分布φ2inは、光P2の伝搬の様子をシミュレーションすることで求められる。
【0045】
次に、第二位相変調部14が表示すべき位相分布φ2を含む第二位相パターンを求める。本変形例では、第二位相変調部14から出力される光P3を平行光にするための位相パターンを含むような第二位相パターンを求める。例えば、第二位相変調部14から出射される光P3を平行光とし、且つ平面波とするために、位相分布φ2を、第二位相変調部14に入射する光の位相分布φ2inの逆の位相分布とする。すなわち、位相分布φ2を次の数式(5)によって求める。
【数5】
【0046】
ここで、本変形例に係るビーム整形装置を備える光学系の具体例として、TIRF(Total Internal Reflection Fluorescence)顕微鏡と呼ばれる、超高NA且つ高倍率の対物レンズを用いてイメージングを行う方法について説明する。TIRF顕微鏡は、レーザ光を全反射させてエバネッセント場を発生させ、蛍光を励起させるものである。図7は、TIRF顕微鏡に用いられる光学系の例を示す図である。図7に示されるように、この光学系60は、ビーム整形装置10Aと、TIRF顕微鏡用の対物レンズ42とを備えている。なお、ビーム整形装置10Aの前段には、図2に示された光学系50と同様に、レーザ光源28、スペイシャルフィルタ32(若しくはビームエキスパンダ)、及びコリメートレンズ34が配置される。また、この光学系60は励起光側の光学系であるが、蛍光などを観察するための観察側の光学系を兼ねてもよい。
【0047】
この光学系60では、第一位相変調部12及び第二位相変調部14によって入射光P1の強度分布および位相分布が任意に変更され、第二位相変調部14の背面から、出射光P3が出力される。出射光P3は、対物レンズ42の射出瞳42aに入射し、対物レンズ42によって集光される。このとき、出射光P3の光軸方向と直交する断面の形状が環状(リング状)となり、対物レンズ42の射出瞳42aの縁部付近に入射するように、第一位相パターン及び第二位相パターンを設定するとよい。
【0048】
ここで、図8(a)は、従来のTIRF顕微鏡における励起光の例を示す図であって、光軸方向から対物レンズ42の射出瞳42aを観察した様子を概略的に示している。また、図8(b)は、本変形例における励起光の様子を示す図であって、光軸方向から対物レンズ42の射出瞳42aを観察した様子を概略的に示している。
【0049】
図8(a)に示されるように、従来のTIRF顕微鏡では、対物レンズ42の射出瞳42aの縁部付近の一部のスポットに励起光EXを入射させる。これに対し、本変形例では、図8(b)に示されるように、対物レンズ42の射出瞳42aの縁部全体に沿った環状(リング状)の平行光を励起光EXとして対物レンズ42に入射させることができる。励起光EXの形状をこのように整形することによって、蛍光を励起するためのエバネッセント場をより効果的に発生させることができる。
【0050】
このような環状の励起光EXをビーム整形装置10Aから出力するためには、ガウシアン分布の強度分布を有する入射光P1を第一位相変調部12にて変調し、例えば図9のような強度分布を有する光P2を第二位相変調部14に入射させる。そして、第二位相変調部14に第二位相パターンとして図10に示されるような位相パターンを付与する。これにより、図9に示される強度分布を保った平行光P3が第二位相変調部14から出力される。なお、空間光変調素子を1個のみ用いた場合、図9に示されるようなリング状の強度分布を有する光を作成することはできるが、平行光としては出力されない。
【0051】
なお、ではリング状の強度分布を有する光(励起光)P3を作成する場合について例示したが、本変形例によれば、他に様々な強度分布を有する光を作成することが可能である。
【0052】
また、では第二位相変調部14から出力される光P3を平行光としているが、制御部16は、光P3が発散光や収束光となるような第二位相パターンを第二位相変調部14に与えてもよい。
【0053】
また、図7に示された構成においても、図6に示されたように、第一位相変調部12と第二位相変調部14との間にレンズ18が設けられてもよい。レンズ18は、第一位相変調部12から出射された光P2を集光(若しくは拡散)して第二位相変調部14に提供する。空間光変調素子が実現し得るレンズの焦点距離には下限が存在するが、このようにレンズ18を組み合わせることにより、そのような下限を超えて焦点距離を設定することができる。
【0054】
(第4の変形例)
【0055】
制御部16が第一位相変調部12及び第二位相変調部14にそれぞれ付与する第一位相パターン及び第二位相パターンは、上述した実施形態の方法に代えて、以下の方法により作成されてもよい。
【0056】
まず、第二位相変調部14から出力される光P3の位相分布を求めるために、ターゲットパターンAtgtを設定する。このターゲットパターンAtgtは、第二位相変調部14から射出された光がレンズや位相のレンズ効果によって収束したときに生成される集光パターンである。また、第二位相変調部14に入射する光P2の強度分布I2in(振幅分布A2in)を設定する。こうしてターゲットパターンAtgt及び振幅分布A2inを設定したのち、例えばGS法やOC法といった反復フーリエ法、或いは、例えばORA法といったCGH設計法を用いて、第二位相変調部14から出力される光P3の位相分布を求める。なお、振幅分布A2inと光P2の強度分布I2inとは、次の数式(6)に示される関係がある。
【数6】
【0057】
次に、第一位相変調部12に入射させるべき光P1の強度分布I1in(振幅分布A1in)を設定する。そして、強度分布I1in及びI2in(振幅分布A1in及びA2in)が得られたのち、例えばGS法やOC法等の反復フーリエ法若しくはORA法といったCGH設計法を用いて、第一位相変調部12が表示すべき位相分布φ1を含む第一位相パターンを求める。なお、第一位相変調部12から出力される光P2の位相分布φ1outは、第一位相変調部12に入射する光の波面が平行光の場合には位相分布φ1であり、第二位相変調部14にて表示すべき位相分布φ2は次の数式(7)によって求めるとよい。
【数7】
なお、位相分布φ2outは、光P2の伝搬の様子をシミュレーションすることで求められる。
【0058】
以上に説明した第1実施形態及び各変形例に係るビーム整形装置によって得られる効果について説明する。
【0059】
第1実施形態及び各変形例に係るビーム整形装置10A(10B)では、位相変調型の空間光変調素子によって各々構成される第一位相変調部12及び第二位相変調部14を光学的に結合し、入射光P1を第一位相変調部12に入射させ、出射光P3を第二位相変調部14から取り出している。そして、第一位相変調部12には所定の強度分布を与える第一位相パターンを表示させるとともに、この所定の強度分布を有する光P2を第二位相変調部14に入射させ、第二位相変調部14に所定の位相分布を与えることによって、任意の断面形状及び強度分布を有する出力光P3を得ている。
【0060】
このように、位相変調型の2つの空間光変調素子を用いることにより、位相分布だけでなく強度分布をも任意に制御することが可能となる。すなわち、このビーム整形装置10A(10B)によれば、任意の(動的な)断面形状および強度分布の光への変換が可能となる。例えば、任意の集光形状でもって集光をさせることができ、また、入力光P1の強度分布を変更して、平行光、集光光、若しくは発散光の状態で光P3を出力させることができる。
【0061】
また、非特許文献1,2に記載された構成のように、空間光変調素子をフーリエ面上に配置すると、例えば光強度のレーザ光を使用するような用途において、空間光変調素子の一部分に光が集中してしまい、空間光変調素子の機能が低下するおそれがある。これに対し、第1実施形態および各変形例に係るビーム整形装置10A(10B)では、第二位相変調部14は第一位相変調部12のフーリエ面から離れて配置され(すなわち、距離L1≠焦点距離f)、且つ距離L1を任意の長さとすることが可能である。したがって、第二位相変調部14を構成する空間光変調素子の機能の低下を抑えることができる。
【0062】
(第2の実施の形態)
【0063】
図11は、本発明の第2ビーム整形装置10Cの構成を示す図である。本実施形態のビーム整形装置10Cは、第一位相変調部22と、第二位相変調部24と、制御部26とを備えている。第一位相変調部22及び第二位相変調部24は、反射型の空間光変調素子によって構成されており、光反射面22a及び24aをそれぞれ有している。また、図11に示されるように、ビーム整形装置10Cは、レーザ光源28と、スペイシャルフィルタ32(若しくはビームエキスパンダ)と、コリメートレンズ34と、反射素子である反射鏡36a〜36eとを更に備えても良い。
【0064】
本実施形態では、以下に述べる構造によって、第二位相変調部24が第一位相変調部22に光学的に結合されている。すなわち、第二位相変調部24の光反射面24aは、複数の反射素子である反射鏡36d及び36cを介して第一位相変調部22の光反射面22aと光学的に結合されており、同時に、反射鏡36eと光学的に結合されている。また、第一位相変調部22の光反射面22aには、反射鏡36b及び36aを介して入射光P1が入力される。入射光P1は、例えば、レーザ光源28から出射されたレーザ光が、スペイシャルフィルタ32の集光レンズ32a及びピンホール32bを通過することにより波面ノイズや歪みを除去されたのち、コリメートレンズ34を通過して平行化されることによって好適に生成される。
【0065】
制御部26は、第一位相変調部22及び第二位相変調部24それぞれに第一位相パターン及び第二位相パターンそれぞれを与える。具体的には、制御部26は、空間光変調素子の各画素を駆動するための電気信号(位相パターン)を第一位相変調部22及び第二位相変調部24へ提供する。ビーム整形装置10Cでは、このように制御部26が第一位相変調部22及び第二位相変調部24の位相パターンを変更することによって、任意の強度分布および位相分布を有する光P3が出力される。なお、制御部26は、第一位相変調部22及び第二位相変調部24が収容される筐体内に配置されても良く、或いは筐体の外部に配置されてもよい。
【0066】
本実施形態のように、第一位相変調部及び第二位相変調部は、反射型の空間光変調素子によって構成されてもよい。このような場合でも、前述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0067】
(変形例)
【0068】
図12は、第2実施形態の一変形例として、ビーム整形装置10Dの構成を示す図である。本変形例に係るビーム整形装置10Dと第2実施形態との相違点は、第一位相変調部及び第二位相変調部の構成である。すなわち、本変形例では、ビーム整形装置10Dが一つの反射型空間光変調素子30を備え、第一位相変調部及び第二位相変調部が、単一の反射型空間光変調素子30により構成されており、その光反射面30aのうち一部の領域(第一の領域)が第一位相変調部30bとして使用され、他の一部の領域(第二の領域)が第二位相変調部30cとして使用されている。本変形例では、第二位相変調部30cが、反射鏡36d及び36cを介して第一位相変調部30bと光学的に結合されており、同時に、反射鏡36eと光学的に結合されている。また、第一位相変調部30bには、反射鏡36b及び36aを介して平行光である入射光P1が入力される。
【0069】
制御部26は、空間光変調素子30の各画素を駆動するための電気信号(位相パターン)を空間光変調素子30へ提供することにより、第一位相変調部30b及び第二位相変調部30cそれぞれに第一位相パターン及び第二位相パターンそれぞれを与える。ビーム整形装置10Dでは、このように制御部26が第一位相変調部30b及び第二位相変調部30cの位相パターンを変更することによって、任意の強度分布および位相分布を有する光P3が出力される。
【0070】
本変形例のように、第一位相変調部及び第二位相変調部は、互いに共通の単一の空間光変調素子によって構成されてもよい。このような場合でも、前述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0071】
また、第2の実施の形態や変形例において、第一位相変調部および第二位相変調部に光を入出射する光学系としては、図11や図12に示された構成以外にも様々な形態が可能である。例えば、スペイシャルフィルタ32及びコリメートレンズ34に代えてエキスパンダを設けてもよく、反射鏡36a〜36eは、例えば三角プリズムといった他の光反射光学部品に置き換えられてもよい。また、図13に示されるように、反射鏡を用いない構成も可能である。また、図13の構成では、第一位相変調部22を構成する反射型空間光変調素子と、第二位相変調部24を構成する反射型空間光変調素子とが、それらの光反射面22a、24aが互いに平行になるように配置されていることが好ましい。この場合、入射光と出射光とを略平行とすることができ、装置を比較的小型とすることができる。
【0072】
本発明によるビーム整形装置は、上述した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上述した実施形態及び変形例では、第一位相変調部に入射する光が平行光である場合が例示されているが、第一位相変調部に入射する光は平行光に限らず、様々な光を適用することができる。
【0073】
また、上述した各実施形態では第二位相変調部の後段に設けられる光学部品として対物レンズを例示したが、本発明に係るビーム整形装置の第二位相変調部の後段には、対物レンズに限られず様々な光学部品が設けられ得る。
【0074】
また、上述した各実施形態では、ビーム整形装置が2つの位相変調部(空間光変調素子)を備える形態を例示したが、本発明に係るビーム整形装置は、3つ以上の位相変調部(空間光変調素子)を備えてもよい。また、第二位相変調部14に呈示される位相パターンにホログラムパターンを重畳しても良い。これにより、任意の振幅に変調した後、位相も変調することができる。
【0075】
実施形態によるビーム整形装置では、位相変調型の空間光変調素子により構成され、入射光の位相を変調するための第一位相パターンを表示する第一位相変調部と、位相変調型の空間光変調素子により構成され、第一位相変調部と光学的に結合され、第一位相変調部によって位相変調された光の位相を更に変調するための第二位相パターンを表示する第二位相変調部と、第一位相変調部及び第二位相変調部それぞれに第一位相パターン及び第二位相パターンそれぞれを与える制御部とを備え、第一位相パターン及び第二位相パターンが、第二位相変調部から出力される光の強度分布及び位相分布を所定の分布に近づけるための位相パターンである構成としている。
【0076】
また、ビーム整形装置は、第二位相パターンが、第二位相変調部から出力される光を、平行光、拡散光または収束光にするための位相パターンを含んでもよい。
【0077】
また、ビーム整形装置は、第二位相変調部から出力される光の光軸方向と直交する断面の形状が多角形状であり、該断面における該光の強度分布がトップハット状であってもよい。
【0078】
また、ビーム整形装置は、第二位相変調部から出力される光の光軸方向と直交する断面の形状が環状であってもよい。
【0079】
また、ビーム整形装置は、第一位相変調部及び第二位相変調部が、それぞれ反射型空間光変調素子により構成されていることとしても良い。また、この場合、第一位相変調部を構成する反射型空間光変調素子と、第二位相変調部を構成する反射型空間光変調素子とが、それらの光反射面が互いに平行になるように配置されている構成としても良い。
【0080】
また、ビーム整形装置は、第一位相変調部及び第二位相変調部が、単一の反射型空間光変調素子により構成され、その光反射面のうち一部の領域が第一位相変調部として使用され、他の一部の領域が第二位相変調部として使用されていることとしても良い。
【0081】
また、ビーム整形装置は、複数の反射素子を備え、第二位相変調部が、複数の反射素子を介して第一位相変調部と光学的に結合されている構成としても良い。
【0082】
また、ビーム整形装置は、空間光変調素子が、透過型空間光変調素子である構成としても良い。
【0083】
また、ビーム整形装置は、第二位相パターンが、第一位相変調部によって位相変調された光の位相を打ち消す構成としても良い。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、任意の断面形状および強度分布の光への変換が可能なビーム整形装置として利用可能である。
【符号の説明】
【0085】
10A〜10D…ビーム整形装置、12,22…第一位相変調部、14,24…第二位相変調部、16…制御部、18…レンズ、26…制御部、28…レーザ光源、30…反射型空間光変調素子、30b…第一位相変調部、30c…第二位相変調部、32…スペイシャルフィルタ、34…コリメートレンズ、36a〜36e…反射鏡、40,42…対物レンズ、42a…射出瞳、50,60…光学系、A…光軸、B…対象物、EX…励起光、P1…入射光、P2…光、P3…出射光。
【図1】
【図2】
【図6】
【図7】
【図8】
【図11】
【図12】
【図13】
【図3】
【図4】
【図5】
【図9】
【図10】
【国際調査報告】

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