(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2013年11月14日
【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】内燃機関
(51)【国際特許分類】
F01M 13/00 20060101AFI20151201BHJP
【FI】
F01M13/00 G
F01M13/00 M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】24
【出願番号】特願2014-514282(P2014-514282)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2012年5月8日
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100113011
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 秀和
(72)【発明者】
【氏名】塩田 隼平
【テーマコード(参考)】
3G015
【Fターム(参考)】
3G015AA07
3G015AA13
3G015BD10
3G015BD23
3G015CA16
3G015EA05
(57)【要約】
この発明は、内燃機関に関し、オイルミスト由来のデポジットの発生または堆積を抑制可能な内燃機関を提供することを目的とする。
ブローバイガス中にはクランクケース内のオイルミスト(粒径約5μm以下のオイル)が含まれる。そのため、管状部材34の外周壁にブローバイガスが衝突すれば、衝突ガス中のオイルミストの一部が液化する(液滴オイル38)。液滴オイル38は、吸気管16に流入するブローバイガス中のオイルミストを次々に取り込み、液化状態を保ちながら吸入ガスの流れや重力に従って管状部材34の外周壁を移動する。液滴オイル38は、この液化状態を保ちつつ入口部28から流入し、インペラ22の表面に一様に流入しスクロール30側に吐出される。従って、液化状態を保った液滴オイル38によってディフューザ32表面を一様に洗浄して、当該表面におけるデポジットの発生または堆積を抑制することが可能となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の吸気管にオイルを含むブローバイガスを導入するPCV管と、
前記PCV管から前記吸気管に導入されたブローバイガス中のオイルの粒径を拡大させると共に該粒径を拡大されたオイルを前記吸気管の内周壁に沿って流通させる大粒径化オイル流通手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関。
【請求項2】
前記大粒径化オイル流通手段は、前記吸気管に導入されたブローバイガスが流れるブローバイガス流路上に配置された湾曲状の外周壁を有する吸気管内部材を備え、
前記PCV管は、鉛直方向上方から前記吸気管に接続され、
前記吸気管への前記PCV管の開口と、前記外周壁とが対向配置されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
【請求項3】
前記吸気管内部材よりも下流側において前記吸気管に接続され、前記吸気管を流れるガスを圧縮するコンプレッサを更に備えることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関。
【請求項4】
前記吸気管に導入されたブローバイガス中のオイルの前記外周壁上における流動性を低下させる流動性低下手段が、前記外周壁に設けられることを特徴とする請求項2または3に記載の内燃機関。
【請求項5】
前記流動性低下手段が、前記吸気管の上下流方向に延在し、かつ前記外周壁の周方向に間隔を隔てた複数の手段であることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関。
【請求項6】
前記吸気管への前記PCV管の開口よりも上流側から前記吸気管にEGRガスを導入するEGR管を更に備え、
前記吸気管内部材は、前記吸気管よりも小口径の内部配管であり、
前記内部配管の上流端開口が前記吸気管への前記EGR管の開口に向かって開口していることを特徴とする請求項2乃至5何れか1項に記載の内燃機関。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関に関し、より詳細には、ブローバイガス還流機構を備える内燃機関
【背景技術】
【0002】
従来、内燃機関のピストンとシリンダ壁面の隙間からクランクケース内に流入するガスを、PCV(Positive Crankcase Ventilation)管や吸気管を経由させて内燃機関に再導入するブローバイガス還流機構が知られている。例えば、特許文献1には、スロットル弁よりも下流側において、シリンダヘッドと吸気管とを接続する第1PCV管と、コンプレッサよりも上流側において、シリンダヘッドと吸気管とを接続する第2PCV管とを備えるブローバイガス還流機構が開示されている。特許文献1のブローバイガス還流機構によれば、第1PCV管、第2PCV管という2つの経路によってブローバイガスを内燃機関に再導入して燃焼させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】日本特開2009−293464号公報
【特許文献2】日本特開2009−281317号公報
【特許文献3】日本特開2004−116292号公報
【特許文献4】日本特開2009−264158号公報
【特許文献5】日本特開2005−048734号公報
【発明の概要】
【0004】
ところで、ブローバイガス中には、炭素系燃料由来のスートや、クランクケース内のオイルが含まれている。このオイルの多くは、スートをその内部に取り込んだ状態でブローバイガス中に存在する。そのため、ブローバイガスを導入すればスート含有オイルが吸気管内壁その他の吸気系部品に接触・付着し、その結果、デポジットへと変わり堆積してしまう。デポジットの堆積は、吸気性能ひいては機関性能の低下に繋がる。故に、スート含有オイルについては、その発生を抑制できることが望ましい。
【0005】
この点に関し、特許文献1では、ブローバイガス中のオイルを除去する除去装置を第2PCV管に設けている。しかし、当該除去装置を用いたとしてもオイルの完全除去は困難であり、吸気管にはスート含有オイルが流入してしまう。特に、粒径1μm以下のオイルミスト(以下「小粒径オイルミスト」と称す。)は、除去装置での捕捉が困難である上、小粒径が故に気化し易いという性質を有する。そのため、スート含有オイルが小粒径オイルミストとして吸気管に流入し、吸気管内壁等に接触・付着した場合には、高確率でデポジットに変わってしまう。このように、小粒径オイルミスト由来のデポジット対策のためには、更なる改良が必要であった。
【0006】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものである。即ち、オイルミスト由来のデポジットの発生または堆積を抑制可能な内燃機関を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、の目的を達成するため、内燃機関であって、
内燃機関の吸気管にオイルを含むブローバイガスを導入するPCV管と、
前記PCV管から前記吸気管に導入されたブローバイガス中のオイルの粒径を拡大させると共に該粒径を拡大されたオイルを前記吸気管の内周壁に沿って流通させる大粒径化オイル流通手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記大粒径化オイル流通手段は、前記吸気管に導入されたブローバイガスが流れるブローバイガス流路上に配置された湾曲状の外周壁を有する吸気管内部材を備え、
前記PCV管は、鉛直方向上方から前記吸気管に接続され、
前記吸気管への前記PCV管の開口と、前記外周壁とが対向配置されることを特徴とする。
【0009】
また、第3の発明は、第2の発明において、
前記吸気管内部材よりも下流側において前記吸気管に接続され、前記吸気管を流れるガスを圧縮するコンプレッサを更に備えることを特徴とする。
【0010】
また、第4の発明は、第2または第3の発明において、
前記吸気管に導入されたブローバイガス中のオイルの前記外周壁上における流動性を低下させる流動性低下手段が、前記外周壁に設けられることを特徴とする。
【0011】
また、第5の発明は、第4の発明において、
前記流動性低下手段が、前記吸気管の上下流方向に延在し、かつ前記外周壁の周方向に間隔を隔てた複数の手段であることを特徴とする。
【0012】
また、第6の発明は、第2乃至第5の発明のうちの何れか1つにおいて、
前記吸気管への前記PCV管の開口よりも上流側から前記吸気管にEGRガスを導入するEGR管を更に備え、
前記吸気管内部材は、前記吸気管よりも小口径の内部配管であり、
前記内部配管の上流端開口が前記吸気管への前記EGR管の開口に向かって開口していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
第1の発明によれば、大粒径化オイル流通手段によって、ブローバイガス中のオイルについて、その粒径を拡大させながら、吸気管の内周壁に沿って流通させることができる。ブローバイガス中のオイルミストは、その内部のオイル成分を失うことで高粘度化し、吸気管内壁等への接触時に付着し易くなる。この点、大粒径化オイル流通手段によってオイルの粒径を拡大できれば、この高粘度化速度を鈍化できる。よって、オイルミストの吸気管内壁等への付着を抑制できる。従って、第1の発明によれば、デポジット発生を抑制できる。また、オイル粒径の拡大した大粒径化オイルは、小粒径のオイルをその内部に取り込むことができる。そのため、大粒径化オイルが吸気管の内周壁に沿って流通すれば、その流路途中に付着しデポジット化しつつあるオイルを一様に洗浄除去できる。従って、第1の発明によれば、デポジットの堆積をも抑制できる。
【0014】
第2の発明によれば、ブローバイガス流路上に湾曲状の外周壁を有する吸気管内部材を配置するので、当該外周壁に沿ってブローバイガスを流すことができる。また、PCV管は鉛直方向上方から吸気管に接続され、更に、吸気管へのPCV管の開口と、外周壁とが対向配置されるので、外周壁において大粒径化オイルを発生させ、ブローバイガスの流れおよび重力に従って外周壁に沿って一様に流通させることができる。
【0015】
コンプレッサを備える内燃機関においては、当該コンプレッサにおいてブローバイガスが圧縮される。そのため、コンプレッサ内部は、ブローバイガス中のオイルミストが高粘度化し易い環境下にあると言える。この点、第3の発明によれば、コンプレッサよりも上流側のブローバイガス流路上に、湾曲状の外周壁を有する吸気管内部材を配置するので、オイル粒径が拡大した大粒径化オイルを、外周壁に沿って一様に流通させてコンプレッサ内部に導入させることができる。従って、コンプレッサ内部におけるデポジット発生や堆積を抑制できる。
【0016】
第4の発明によれば、流動性低下手段によって、外周壁上におけるオイルの流動性を低下させることができる。オイルの流動性を低下できれば、吸気管内壁等への接触前に、オイル粒子の大粒径化を促進できる。従って、本発明によれば、オイル粒径を確実に拡大できる。
【0017】
上述したように、大粒径化オイルは、ブローバイガスの流れおよび重力に従って外周壁に沿って流通する。第5の発明によれば、流動性低下手段が、吸気管の上下流方向に延在し、かつ外周壁に沿って間隔を隔てた複数の手段であるので、ブローバイガスの流れ方向および鉛直方向への移動性のバランスを取ることができる。従って、大粒径化オイルを外周壁に沿ってより一様に流通させることができる。
【0018】
吸気管へのPCV管の開口よりも上流側から吸気管にEGRガスを導入するEGR管を備える場合、EGRガスはブローバイガスよりも上流側から吸気管に導入されることになる。ここで、EGRガスは高温ガスであるため、EGRガスがブローバイガスと混合すれば、ブローバイガス中のオイルミストが高粘度化し易くなる。この点、第6の発明によれば、吸気管よりも小口径の内部配管の上流端開口が吸気管へのEGR管の開口に向かって開口しているので、EGRガスを内部配管内に導入することが可能となる。従って、EGRガスとブローバイガスとの混合を防止できるので、オイルミストの高粘度化を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。
【図2】図1のコンプレッサ12b近傍の断面拡大図である。
【図3】図1のコンプレッサ12b近傍の断面拡大図である。
【図4】図3のA−A´断面図である。
【図5】コンプレッサ12b内部における液滴オイル38の挙動を説明するための図である。
【図6】デポジットの発生メカニズムを説明するための図である。
【図7】ディフューザ32におけるオイルミストの挙動を説明するための図である。
【図8】ディフューザ32における大粒径オイルミストの挙動を説明するための図である。
【図9】従来の吸気系構造におけるブローバイガス等の流れを説明するための図である。
【図10】コンプレッサ58内部における液滴オイル56の挙動を説明するための図である。
【図11】実施の形態1の変形形態を説明するための図である。
【図12】実施の形態2における管状部材の特徴部分と、この特徴部分による効果とを説明するための図である。
【図13】実施の形態2の変形形態を説明するための図である。
【図14】実施の形態3における管状部材の特徴部分と、この特徴部分による効果とを説明するための図である。
【図15】実施の形態4における管状部材の特徴部分と、この特徴部分による効果とを説明するための図である。
【図16】実施の形態3の管状部材70の課題を説明するための図である。
【図17】実施の形態5のシステム構成を説明するための図である。
【図18】図17のコンプレッサ12b近傍の断面拡大図である。
【図19】図18のA−A´断面図である。
【図20】LPL−EGRガス導入時におけるコンプレッサ12b内部の温度分布を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
実施の形態1.
[システム構成の説明]
先ず、図1乃至図11を参照しながら、本発明の実施の形態1について説明する。図1は、実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。図1に示すように、本実施形態のシステムは、内燃機関としてのエンジン10を備えている。エンジン10の各気筒には、ピストン、吸気弁、排気弁、燃料インジェクタ等が設けられている。なお、エンジン10の気筒数および気筒配置は特に限定されない。
【0021】
また、本実施形態のシステムは、過給機12を備えている。過給機12は、排気管14に設けられたタービン12aと、吸気管16に設けられたコンプレッサ12bとを備えている。タービン12aとコンプレッサ12bとは相互に連結されている。過給機12の作動時には、タービン12aが排気圧を受けて回転し、これによりコンプレッサ12bが駆動され、コンプレッサ12b内部に流入したガスが圧縮される。吸気管16には、圧縮ガスを冷却するインタークーラ18が設けられている。
【0022】
また、本実施形態のシステムは、ブローバイガスを還流するブローバイガス還流機構を備えている。ブローバイガスとは、エンジン10のピストンとシリンダ壁面との隙間からクランクケース内に流入するガスである。このブローバイガス還流機構は、PCV管20を備えている。PCV管20は、コンプレッサ12bよりも上流側の吸気管16と、エンジン10のシリンダヘッドカバー(不図示)とを接続するものである。ブローバイガスは、PCV管20、吸気管16をこの順に流れることで、エンジン10に再導入される。
【0023】
[実施の形態1の特徴]
次に、図2乃至図10を参照しながら、本実施形態の特徴について説明する。先ず、図2を参照しながら、本実施形態の特徴部分に相当する吸気系の構造について説明する。図2は、図1のコンプレッサ12b近傍の断面拡大図である。図2に示すように、コンプレッサ12bは、インペラ22とハウジング24と連結軸26とを備えている。ハウジング24は、インペラ22を回転不能に支持する連結軸26を回転自在に支持するものである。ハウジング24には、インペラ22の吸入側22aに吸気を導く入口部28と、インペラ22の外周に配置される渦巻き状のスクロール30と、インペラ22の吐出側22bとスクロール30とを連通するディフューザ32とが設けられている。連結軸26は、タービン12aのタービンホイール(不図示)に接続されている。
【0024】
また、図2に示すように、吸気管16の内部には、管状部材34が配置されている。管状部材34および吸気管16は、それらの中心軸線が一致するように配置されている。これにより、管状部材34と吸気管16との間には隙間36が形成される。このような隙間36を形成するため、管状部材34には、その外径が吸気管16の内径の85%〜約99%のサイズのものが好ましく用いられる。このようなサイズの管状部材34を用いれば、液滴オイル(後述)をその外周壁に沿って流し易くなるので好ましい。管状部材34の下流端34aは、入口部28と向かい合うように配置されている。
【0025】
続いて、図3乃至図5を参照しながら、図2の吸気系構造におけるブローバイガス等の流れを説明する。図3は、図1のコンプレッサ12b近傍の断面拡大図である。図3に矢印で示すように、PCV管20から吸気管16に流入したブローバイガスは、隙間36を流れる吸入ガスと共に入口部28側に流れる。この際、ブローバイガスは管状部材34の外周壁に衝突し、その後、管状部材34の外周壁(即ち、吸気管16の内周壁)を沿うように流れる。
【0026】
ここで、上述したように、ブローバイガス中にはクランクケース内のオイルがミスト化したオイルミストが含まれる。ここでいうオイルミストとは、粒径約5μm以下のオイルである。管状部材34の外周壁にブローバイガスが衝突すれば、衝突ガス中のオイルミストの一部が液化する(液滴オイル38)。液滴オイル38は、吸気管16に流入するブローバイガス中のオイルミストを次々に取り込み、液化状態を保ちながら吸入ガスの流れや重力に従って管状部材34の外周壁を移動する。なお、図3に示す液滴オイル38a,38bは、液滴オイル38の一時的な液溜り状態を模式的に示したものである。
【0027】
図4乃至図5を参照しながら、図2の吸気系構造における液滴オイル38の流れについて詳述する。先ず、図4を参照しながら、管状部材34の外周壁における液滴オイル38の挙動について説明する。図4は、図3のA−A´断面図である。図4に示すように、PCV管20は、重力方向上方(すなわち、鉛直方向上方)から吸気管16に接続している。そのため、ブローバイガスの衝突により生じた液滴オイル38は、重力に従い管状部材34の外周壁を流れ落ち、液化状態を保ちながら当該外周壁の全体に拡散する。
【0028】
図5は、コンプレッサ12b内部における液滴オイル38の挙動を説明するための図である。図4で説明したように、液滴オイル38は、液化状態を保ちつつ管状部材34の外周壁全体に拡散する。そのため、液滴オイル38は、この液化状態を保ちつつ入口部28から流入し、インペラ22の表面に一様に流入しスクロール30側に吐出される。従って、図2の吸気系構造によれば、液化状態を保った液滴オイル38によってディフューザ32の表面を一様に洗浄して、当該表面におけるデポジットの発生または堆積を抑制することが可能となる。
【0029】
上述した図2の吸気系構造による効果について、図6乃至図10を参照しながら説明する。先ず、図6乃至図8を参照しながら、デポジットの発生メカニズムや、ディフューザ32におけるオイルミストの挙動について説明する。図6は、デポジットの発生メカニズムを説明するための図である。何度か述べたように、ブローバイガス中にはクランクケース内のオイルが含まれる。そして、このオイルの中には、オイルミストが多く含まれる。何故なら、シリンダヘッド排出直後のブローバイガスは高温であり、ブローバイガス中のオイルの一部は気体状態で存在し、PCV管20流通中にミスト化するためである。
【0030】
また、オイルミストの中には、粒径約0.1μmのスートをその内部に取り込んだスート含有オイルが存在する。図6に示すオイルミストは、このようなスート含有オイルを模式的に示したものである。図6に示すように、スート含有オイルは、入口部28からコンプレッサ12b内部に流入する(図6(1))。この際、スート含有オイルの粒径は約5μm以下である。ここで、コンプレッサ12b内部に流入したガス(つまり、吸入ガス、ブローバイガスを含むガス)は、入口部28の通過後、インペラ22を通過する際に圧縮されて一気に高温化し、更に、ディフューザ32という圧縮領域にてより一層高温化する。そのため、この内部流入ガスの高温化に伴い、スート含有オイルの内部温度も上昇する。よって、スート含有オイルはその内部のオイル成分を蒸発により失い、徐々に小粒径化することになる。
【0031】
即ち、図6に示すように、吐出側22b近傍においては、内部流入ガスの高温化に伴いスート含有オイルはオイル成分を蒸発により失い、小粒径化、高粘度化する(図6(2))。小粒径化、高粘度化したスート含有オイルは、ディフューザ32表面に着床し、または着床することなく更に下流側へ流れる(図6(3))。そして、更に下流側へ流れたスート含有オイルは、その内部のオイル成分の殆どを失う(図6(4))。こうして、スート含有オイルがディフューザ32表面に固着し、デポジット化してしまう。
【0032】
図7は、ディフューザ32におけるオイルミストの挙動を説明するための図である。図6で説明したように、ディフューザ32流通中、オイルミスト(スート含有オイル)はその内部のオイル成分を失い小粒径化する。特に、ディフューザ32入口におけるオイル粒径が小さい場合、その流通中にオイルミストの流動性が失われデポジット化してしまう(図7(A))。一方、オイル粒径が大きい場合、オイルミストの流動性が高く保たれ、ディフューザ32を通過してスクロール30側に到達する(図7(B))。このことから、オイル粒径が大きければ、ディフューザ32表面への着床等を回避でき、デポジット化を抑制できることが分かる。
【0033】
図8は、ディフューザ32における大粒径オイルミスト(粒径が1μmよりも大きいオイルミストをいう。以下同じ。)の挙動を説明するための図である。図8に示すように、大粒径オイルミスト(オイルミストA)がディフューザ32入口から流入すると、既にディフューザ32表面に着床等していたオイルミスト(オイルミストB)と接触する(図8(1))。そうすると、オイルミストBはオイルミストAに取り込まれ、より粒径の大きいオイルミストCになる(図8(2))。そして、オイルミストCは流動性を保ったままディフューザ32出口へと流れていく(図8(3))。このことから、大粒径オイルミストは、着床等したオイルミストを除去できるということも分かる。
【0034】
次に、図9乃至図10を参照しながら、図7乃至図8で述べた効果について補足説明する。図9は、従来の吸気系構造におけるブローバイガス等の流れを説明するための図である。なお、従来の吸気系構造は、管状部材34を非設置とする点を除き本実施形態の吸気系構造と同様である。そのため、図9の構成部品に関する詳細な説明は省略するものとする。
【0035】
図9に示すように、PCV管50から吸気管52に流入したブローバイガスは、吸気管52を流れる吸入ガスと共に入口部54側に流れる。この際、ブローバイガスは吸気管52の内周壁に衝突する。ブローバイガスが吸気管52の内周壁に衝突すれば、ブローバイガス中のオイルミストの一部が液化状態となる(液滴オイル56)。液滴オイル56は、吸気管52に流入したブローバイガス中のオイルミストを次々に取り込み、液化状態を保ちながら吸入ガスの流れに従って入口部54側に移動する。
【0036】
図10は、コンプレッサ58内部における液滴オイル56の挙動を説明するための図である。図9で説明したように、液滴オイル56は、液化状態を保ちながら吸入ガスの流れに従って入口部54側に移動する。そのため、入口部54から流入した液滴オイル56は、インペラ60の表面の一部分から流入し、ディフューザ64側に吐出される。従って、図10に示すように、液滴オイル56が描く軌跡に沿ってディフューザ64表面が洗浄される。換言すれば、図9の吸気系構造では、ディフューザ64表面を部分的にしか洗浄できない。
【0037】
この点、図3乃至図5で説明した液滴オイル38は、大粒径オイルミストよりも遥かに大きい粒径のオイルミストの集合体である。そのため、液滴オイル38によってインペラ22表面に着床等したオイルミストやデポジットを一様に洗浄できる。従って、図2の吸気系構造によれば、ディフューザ32の表面全体におけるデポジット堆積を抑制可能となる。また、液滴オイル38はディフューザ32表面に着床等することなくスクロール30側に到達できる。従って、図2の吸気系構造によれば、ディフューザ32表面全体におけるデポジット発生をも抑制可能となる。
【0038】
ところで、実施の形態1においては、ブローバイガスを管状部材34に衝突させて液滴オイル38を発生させ、発生させた液滴オイル38を管状部材34の外周壁に沿うように流通させたが、管状部材34以外の手段を用いて液滴オイル38を発生、流通させることも可能である。
図11は、実施の形態1の変形形態を説明するための図である。例えば、管状部材34の代わりに、管状部材34の重力方向下方部を切り欠いた形状の管状部材40を用い、この管状部材40にブローバイガスを衝突させて液滴オイル38を発生させ、その外周壁に沿うように流通させることもできる(図11(A))。また、例えば、PCV管20の吸気管16側出口に設けたガス絞り部材(液化促進部材)41と、管状部材34の鉛直方向下方部を、管状部材40の切り欠きよりも大きく切り欠いた管状部材42とを組み合わせて用いることもできる(図11(B))。なお、ガス絞り部材41は、より具体的には、切頭円錐管状の部材であって、径が大きい方の端部がPCV管20と吸気管16との接続部位に接続されて径が小さい方の端部が吸気管16の内部に位置している部材である。更に、例えば、PCV管20と吸気管16との接続部位に設けたガス衝突用部材(液化促進部材)43と、管状部材34を略右半分を切り欠いた管状部材44とを組み合わせて用いることもできる(図11(C))。なお、ガス衝突用部材43は、PCV管20と吸気管16との接続部位の一部からPCV管20の中心軸線に向かって且つ吸気管16内部に向かって延在する部材であり、管状部材44は、ガス衝突用部材43の吸気管16の端部からPCV管20の開口の下側を通って吸気管16の内周面に沿って吸気管16の鉛直方向下方領域まで延在する部材である。更にまた、管状部材40よりも管径の小さい管状部材45と、管状部材40の上方部を切り欠いた形状の管状部材46とを組み合わせて用いることもできる(図11(D))。なお、図11に示す液滴オイル38c,38d,38e,38fは、液滴オイル38の一時的な液溜り状態を模式的に示したものである。
また、実施の形態1においては、管状部材34および吸気管16は、両者の中心軸が一致するように配置した。しかしながら、これらの中心軸は必ずしも一致していなくてもよい。即ち、図11(B)で示したように、管状部材34の中心軸が吸気管16の中心軸に対して重力方向下方となるように配置してもよい。
このように、ブローバイガス中のオイルの粒径を拡大させつつ吸気管16の内周壁に沿うように流通させることが可能な手段であれば、実施の形態1の管状部材34に代用できる。なお、本変形例は後述する各実施形態においても同様に適用が可能である。
【0039】
また、実施の形態1においては、過給機12を備えるシステムを前提として説明を行った。しかしながら、実施の形態1の吸気系構造は、過給機非搭載のシステムにおいても同様に適用が可能である。即ち、デポジットの発生メカニズムに鑑みれば、スート含有オイルが高温環境下に晒されればデポジットに変わり易くなると言える。そのため、過給機非搭載のシステムであっても、吸気弁近傍(例えば吸気マニホルドや吸気マニホルド上流の吸気管)に実施の形態1の管状部材34を配置すれば、液滴オイル38によって当該吸気弁近傍を一様に洗浄できる。従って、当該吸気弁近傍におけるデポジットの発生または堆積を抑制することが可能となる。なお、本変形例は後述する各実施形態においても同様に適用が可能である。
【0040】
なお、実施の形態1やその変形形態においては、管状部材34,40や、ガス絞り部材41、管状部材42の組み合わせ、ガス衝突用部材43、管状部材44の組み合わせ、管状部材45,46の組み合わせが第1の発明における「大粒径化オイル流通手段」に相当している。
また、実施の形態1において、管状部材34の中心軸線に対して垂直な断面形状は、円形であるが、当該断面形状は、楕円形や多角形(たとえば、五角形、六角形等)であってもよい。
また、実施の形態1やその変形形態においては、管状部材34,40,42,44,45が第2の発明における「吸気管内部材」に相当している。
【0041】
実施の形態2.
[実施の形態2の特徴]
次に、図12乃至図13を参照しながら、本発明の実施の形態2について説明する。本実施形態においては、実施の形態1の管状部材34を、図12に示す管状部材66に置き換えた点をその特徴とする。そのため、以下においてはこの特徴部分を中心に説明し、システム構成その他既に実施の形態1で説明した内容については省略する。
【0042】
図12は、実施の形態2における管状部材の特徴部分と、この特徴部分による効果とを説明するための図である。図12に示すように、吸気管16の内部には、管状部材66が配置されている。そのため、管状部材66の外周壁において液滴オイル38を発生させることができる。また、図12に示すように、PCV管20は、重力方向上方から吸気管16に接続している。そのため、発生した液滴オイル38は、重力に従い管状部材66の外周壁を流れ落ち、液化状態を保ちながら当該外周壁の全体に拡散する。
【0043】
ここで、管状部材66には、その途中に管口絞り部66aが形成されている。そのため、この管口絞り部66aにおいて液滴オイル38のコンプレッサ12b方向への移動を抑制し、重力方向(図中の矢印方向)への移動を促進できる。これにより、この管口絞り部66aにおいて一時的な液溜り状態を生ぜしめ(液滴オイル38g)、液滴オイル38gを管口絞り部66aに沿って流すことが可能となる。よって、管状部材66の外周壁の全体に液滴オイル38を行き渡らせることが可能となる。この点、実施の形態1の管状部材34は直管状部材であるため、液滴オイル38が管状部材34の外周壁の全体に行き渡る前に、コンプレッサ12bに吸入される可能性がある。
【0044】
このように、本実施形態の管状部材66によれば、液溜り状態とした液滴オイル38gを管口絞り部66aの外周に沿って流し、管状部材66の外周壁の全体に液滴オイル38を確実に行き渡らせることが可能となる。従って、液滴オイル38をより均一状態でディフューザ32の表面に接触させることが可能となる。従って、ディフューザ32表面におけるデポジットの発生または堆積をより効果的に抑制することが可能となる。
【0045】
ところで、実施の形態2においては、管口絞り部66aが形成された管状部材66を用いたが、管口絞り部66a以外の加工が施された管状部材を用いることも可能である。図13は、実施の形態2の変形形態を説明するための図である。例えば、管状部材66の代わりに、溝部68aが形成された管状部材68を用いることもできる。なお、溝部68aは、管状部材68の外周壁を一周するように形成されている。管状部材68によれば、溝部68aにおいて液滴オイル38の液溜り状態を生ぜしめ(液滴オイル38h)、溝部68aに沿って流すことが可能となる。よって、管状部材68の外周壁の全体に液滴オイル38を行き渡らせることが可能となる。従って、実施の形態2とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0046】
なお、実施の形態2やその変形形態においては、管口絞り部66a、溝部68aが第3の発明における「流動性低下手段」に相当している。
【0047】
実施の形態3.
[実施の形態3の特徴]
次に、図14を参照しながら、本発明の実施の形態3について説明する。本実施形態においては、実施の形態1の管状部材34を、図14に示す管状部材70に置き換えた点をその特徴とする。そのため、以下においてはこの特徴部分を中心に説明し、システム構成その他既に実施の形態1で説明した内容については省略する。
【0048】
図14は、実施の形態3における管状部材の特徴部分と、この特徴部分による効果とを説明するための図である。図14に示すように、吸気管16の内部には、管状部材70が配置されている。管状部材70は、図2の管状部材34同様の直管状の管状部材である。そのため、管状部材70の外周壁において液滴オイル(不図示)を発生させ、当該外周壁に流すことができる。
【0049】
また、図14に示すように、管状部材70の外周壁の途中(具体的には、PCV管20接続口の直下流部分)には、親油性材料からなるコーティング部70aが形成されている。なお、コーティング部70aは、管状部材70の中心軸線を中心として当該管状部材70の外周壁を帯状に一周するように形成されている。そのため、このコーティング部70aにおいて液滴オイルのコンプレッサ12b方向への移動を抑制し、重力方向(図中の矢印方向)への移動を促進できる。これにより、このコーティング部70aにおいて液滴オイルの一時的な液溜り状態を生ぜしめ、液滴オイルをコーティング部70aに沿って流すことが可能となる。よって、管状部材70の外周壁の全体に液滴オイルを行き渡らせることが可能となる。従って、本実施形態の管状部材70によれば、実施の形態2とほぼ同様の効果を得ることが可能となる。
【0050】
ところで、上述した実施の形態3においては、コーティング部70aが形成された管状部材70を用いたが、コーティング部70aを形成する代わりに、当該形成箇所の外周壁を粗面で形成してもよい。このように、液滴オイルの一時的な液溜り状態を生ぜしめることが可能な手段であれば、実施の形態3の管状部材70に代用できる。なお、本変形例は後述する実施形態4においても同様に適用が可能である。
【0051】
なお、実施の形態3やその変形形態においては、コーティング部70aが第3の発明における「流動性低下手段」に相当している。
【0052】
実施の形態4.
[実施の形態4の特徴]
次に、図15を参照しながら、本発明の実施の形態4について説明する。本実施形態においては、実施の形態1の管状部材34を、図15に示す管状部材72に置き換えた点をその特徴とする。そのため、以下においてはこの特徴部分を中心に説明し、システム構成その他既に実施の形態1で説明した内容については省略する。
【0053】
図15は、実施の形態4における管状部材の特徴部分と、この特徴部分による効果とを説明するための図である。図15に示すように、吸気管16の内部には、管状部材72が配置されている。管状部材72は、図2の管状部材34同様の直管状部材である。そのため、管状部材72の外周壁において液滴オイル(不図示)を発生させ、当該外周壁に流すことができる。
【0054】
また、図15に示すように、管状部材72の外周壁には、親油性材料からなるコーティング部72aがガス流れ方向に沿って形成されている。コーティング部72aは管状部材72の周方向に所定間隔をもって形成され、各コーティング部72a間には管状部材72の外周壁そのものが露出している。つまり、管状部材72の外周壁には、親油性の高い部位(コーティング部72a)と、親油性の低い部位(管状部材72の外周壁)とが交互に形成されていると言える。このように形成することで、高親油性の部位から低親油性の部位へのオイル移動性を低下させて、高親油性の部位に油溜りを生じさせることができる。更に、この油溜りは質量を持つので一定量溜まることで下方向に流れる。従って、管状部材72の外周壁の周方向に所定間隔をもって油溜りができる。
【0055】
このように、本実施形態の管状部材72によれば、高親油性の部位と低親油性の部位との組み合わせにより、実施の形態1乃至3の管状部材の効果を更に高めることが可能となる。即ち、実施の形態1の管状部材34は直管状部材であるため、液滴オイル38が管状部材34の外周壁の全体に行き渡る前に、コンプレッサ12bに吸入される可能性がある。また、実施の形態2や3の管状部材66,68,70は、液溜り状態とした液滴オイル38の粒径が大きくなり過ぎ、PCV管20接続口の反対側の吸気管16の内周壁にまで到達してしまう可能性がある。
【0056】
図16は、実施の形態3の管状部材70の課題を説明するための図である。図16に示すように、管状部材70の外周壁にはコーティング部70aが形成されている。そのため、液滴オイル38をコーティング部70aに沿って流すことが可能となる。しかし、コンプレッサ12bへの吸入前に、液滴オイル38がコーティング部70aを流れ切った場合には、吸気管16の内周壁に液滴オイル38iとして溜まる可能性がある。そうすると、液滴オイル38iがインペラ22の一部分からコンプレッサ12bに流入するので、ディフューザ32表面を部分的にしか洗浄できない。
【0057】
この点、本実施形態の管状部材72によれば、上述したコーティング部72aの配置により、図16で説明した液滴オイル38iの発生量を低減可能となる。従って、液滴オイル38をディフューザ32の表面により効果的に均一接触させることが可能となる。
【0058】
ところで、実施の形態4においては、コーティング部72aが形成された管状部材72を用いたが、コーティング部72aの代わりに、溝部を形成した管状部材を用いてもよい。当該溝部をガス流れ方向に沿って形成し、尚且つ、当該溝部を管状部材の周方向に所定間隔をもって形成すれば、当該溝部において一時的な油溜りを生ぜしめることができる。従って、実施の形態4とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0059】
なお、実施の形態4やその変形形態においては、コーティング部72aが第4の発明における「流動性低下手段」に相当している。
【0060】
実施の形態5.
次に、図17乃至図20を参照しながら、本発明の実施の形態5について説明する。本図17のシステム構成において、図18の吸気系構造とすることをその特徴とする。
【0061】
[システム構成の説明]
図17は、実施の形態5のシステム構成を説明するための図である。図17に示すように、本実施形態のシステムは、LPL−EGR(Low Pressure Loop Exhaust Gas Recirculation)ガスを導入するLPL−EGR機構を備えている。LPL−EGR機構は、LPL−EGR管74を備えている。LPL−EGR管74は、タービン12aよりも下流側の排気管14と、PCV管20と吸気管16との接続部位よりも上流側の吸気管16とを接続するものである。LPL−EGR機構以外の構成については、実施の形態1と同様であるのでその説明を省略する。
【0062】
[実施の形態5の特徴]
次に、図18乃至図20を参照しながら、本実施形態の特徴について説明する。先ず、図18を参照しながら、本実施形態の特徴部分に相当する吸気系構造と、当該吸気系構造におけるブローバイガス等の流れを説明する。図18は、図17のコンプレッサ12b近傍の断面拡大図である。図18に示すように、吸気管16の内部には、管状部材76が配置されている。管状部材76は、図2の管状部材34同様の直管状の管状部材である。そのため、管状部材76の外周壁において液滴オイル38を発生させ、当該外周壁に流すことができる。なお、図18に示す液滴オイル38j,38kは、液滴オイル38の一時的な液溜り状態を模式的に示したものである。
【0063】
管状部材76の下流端76aは、入口部28と向かい合うように配置されている。そのため、ブローバイガスは、PCV管20から吸気管16に流入し、隙間36を流れる吸入ガスと共に管状部材76の外周壁(即ち、吸気管16の内周壁)を沿うように流れ、入口部28へと向かう。一方、管状部材76の上流端76bは、LPL−EGR管74側に傾斜している。すなわち、管状部材76の上流端開口が吸気管16へのLPL−EGR管74の開口に向かって開口している。そのため、LPL−EGRガスの殆どは、管状部材76の内部に流入し、吸入ガスと共に入口部28へと向かう。
【0064】
次に、上述した図18の吸気系構造による効果について、図19乃至図20を参照しながら説明する。図19は、図18のA−A´断面図である。図19に示すように、ブローバイガスは隙間36を流れ、LPL−EGRガスは管状部材76の内部を流れる。ここで、LPL−EGRガスは高温(約90℃)のガスである。従って、インペラ22の吐出側22bに至るときの吸気ガス(すなわち、EGRガス含有ガス)の温度は、通常の吸気ガス(すなわち、空気)が吐出側22bに至るときのガス温度よりも高温となる。故に、コンプレッサ12bへの流入前にブローバイガスとLPL−EGRガスとが混合した場合には、入口部28付近でスート含有オイルの小粒径化、高粘度化が進行し、ディフューザ32表面において高確率でデポジット化してしまう。この点、図18の吸気系構造によれば、コンプレッサ12b流入前のガス混合を抑制できる。
【0065】
図20は、管状部材76を設けない構成において、LPL−EGRガス導入時におけるコンプレッサ12b内部の温度分布を示した図である。上述したように、LPL−EGRガスは高温であるため、ディフューザ32表面においては、LPL−EGRガスのガス流れに沿って局所高温部が形成される。この点、図18の吸気系構造によれば、管状部材76の外周壁を沿うようにオイルミスト(スート含有オイル)が流入し、LPL−EGRガスは管状部材76の内部からコンプレッサ12bに流入するため、コンプレッサ12b内部においてもスート含有オイルと局所高温部との混合を低減できる。従って、図18の吸気系構造によれば、スート含有ガスとLPL−EGRガスとの混合を抑制しつつ、液滴オイル38による洗浄効果を発揮させることが可能となる。
【0066】
なお、実施の形態5においては、管状部材76が第6の発明における「内部配管」に相当している。
【符号の説明】
【0067】
10 エンジン
12 過給機
12a タービン
12b コンプレッサ
16,52 吸気管
20,50 PCV管
22,60 インペラ
22a 吸入側
22b 吐出側
32,64 ディフューザ
34,40,42,44,45,66,68,70,76 管状部材
34a,76a 下流端
36 隙間
38,56 液滴オイル
41 ガス絞り部材
43 ガス衝突用部材
66a 管口絞り部
68a 溝部
70a,72a コーティング部
74 LPL−EGR管
76b 上流端
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【手続補正書】
【提出日】2014年10月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の吸気管に設けられ、前記吸気管を流れるガスを圧縮するコンプレッサと、
前記吸気管において前記コンプレッサよりも上流側にオイルを含むブローバイガスを導入するPCV管と、
前記PCV管から前記吸気管に導入されたブローバイガス中のオイルの粒径を拡大させ、該粒径を拡大されたオイルを前記吸気管の内周壁に沿って流通させて前記コンプレッサに導入させる大粒径化オイル流通手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関。
【請求項2】
前記大粒径化オイル流通手段は、前記コンプレッサよりも上流側に導入されたブローバイガスが流れるブローバイガス流路上に配置された湾曲状の外周壁を有する吸気管内部材を備え、
前記PCV管は、鉛直方向上方から前記吸気管に接続され、
前記吸気管への前記PCV管の開口と、前記外周壁とが対向配置されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
【請求項3】
前記コンプレッサよりも上流側に導入されたブローバイガス中のオイルの前記外周壁上における流動性を低下させる流動性低下手段が、前記外周壁に設けられることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関。
【請求項4】
前記流動性低下手段が、前記吸気管の上下流方向に延在し、かつ前記外周壁の周方向に間隔を隔てた複数の手段であることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関。
【請求項5】
前記吸気管への前記PCV管の開口よりも上流側から前記吸気管にEGRガスを導入するEGR管を更に備え、
前記吸気管内部材は、前記吸気管よりも小口径の内部配管であり、
前記内部配管の上流端開口が前記吸気管への前記EGR管の開口に向かって開口していることを特徴とする請求項2乃至4何れか1項に記載の内燃機関。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
なお、実施の形態1やその変形形態においては、管状部材34,40や、ガス絞り部材41、管状部材42の組み合わせ、ガス衝突用部材43、管状部材44の組み合わせ、管状部材45,46の組み合わせが第1の発明における「大粒径化オイル流通手段」に相当している。
また、実施の形態1において、管状部材34の中心軸線に対して垂直な断面形状は、円形であるが、当該断面形状は、楕円形や多角形(たとえば、五角形、六角形等)であってもよい。
また、実施の形態1やその変形形態においては、管状部材34,40,42,44,45
,46が第2の発明における「吸気管内部材」に相当している。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
なお、実施の形態2やその変形形態においては、管口絞り部66a、溝部68aが
第4の発明における「流動性低下手段」に相当している。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
なお、実施の形態3やその変形形態においては、コーティング部70aが
第4の発明における「流動性低下手段」に相当している。
【国際調査報告】