(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2017年10月19日
【発行日】2018年12月20日
(54)【発明の名称】ゴム組成物、加硫ゴム製品、及び加硫ゴム製品の製造方法
(51)【国際特許分類】
C08L 9/00 20060101AFI20181122BHJP
C08K 3/06 20060101ALI20181122BHJP
C08K 5/36 20060101ALI20181122BHJP
C08K 3/04 20060101ALI20181122BHJP
C08K 3/36 20060101ALI20181122BHJP
【FI】
C08L9/00
C08K3/06
C08K5/36
C08K3/04
C08K3/36
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
【出願番号】特願2017-546750(P2017-546750)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年4月13日
(31)【優先権主張番号】特願2016-82238(P2016-82238)
(32)【優先日】2016年4月15日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080159
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 望稔
(74)【代理人】
【識別番号】100090217
【弁理士】
【氏名又は名称】三和 晴子
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】酒井 智行
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002AC021
4J002DA047
4J002EV006
4J002FD156
4J002FD157
4J002GB00
4J002GL00
4J002GM01
4J002GN01
(57)【要約】
本発明は、亜鉛化合物の含有量を低減した場合であっても、加硫反応が十分に進行するゴム組成物、並びにこのゴム組成物を用いた加硫ゴム製品及びその製造方法を提供することを課題とする。本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部と、原子数3〜6の硫黄の同素体0.01〜10質量部と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジエン系ゴム100質量部と、原子数3〜6の硫黄の同素体0.01〜10質量部と、を含むゴム組成物。
【請求項2】
前記硫黄の同素体が、共結晶、錯体、及び包接化合物からなる群から選択される少なくとも1種の中に存在する、請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項3】
前記共結晶が、式(1)で表される化合物と、ヨウ素、一塩化ヨウ素、一臭化ヨウ素、及び三塩化ヨウ素からなる群から選択される少なくとも1種と、を反応させて得られた共結晶である、請求項2に記載のゴム組成物。
【化1】
式(1)中、R
1は一価の有機基を表す。
【請求項4】
前記硫黄の同素体が、環状硫黄である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴム組成物。
【請求項5】
前記硫黄の同素体の原子数が6である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴム組成物。
【請求項6】
前記ジエン系ゴム100質量部に対して、カーボンブラック及びシリカからなる群から選択される少なくとも1種を、更に1〜150質量部含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のゴム組成物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のゴム組成物を用いて作製された、加硫ゴム製品。
【請求項8】
式(1)で表される化合物と、ヨウ素、一塩化ヨウ素、一臭化ヨウ素、及び三塩化ヨウ素からなる群から選択される少なくとも1種と、を反応させて共結晶の中に存在する硫黄の同素体を得る工程と、
前記共結晶の中に存在する硫黄の同素体と、ジエン系ゴムと、を混合して、前記ジエン系ゴムと前記共結晶の中に存在する硫黄の同素体との混合物を得る工程と、
前記混合物を加熱して、前記ジエン系ゴムの加硫物を得る工程と、を含む、加硫ゴム製品の製造方法。
【化2】
式(1)中、R
1は一価の有機基を表す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム組成物、加硫ゴム製品、及び加硫ゴム製品の製造方法
【背景技術】
【0002】
ジエン系ゴム、酸化亜鉛(亜鉛華)、加硫促進剤、及び加硫剤を含むゴム組成物が知られている。ゴム組成物は、加熱により速やかに架橋する(加硫する)ため、様々な加硫ゴム製品の製造に利用されてきた。
例えば、特許文献1には、「ジエン系ゴム及びエチレン−プロピレン−ジエン共重合体からなる群から選択された少なくとも1種をゴム成分とし、前記ゴム成分100重量部に対して、BET法により測定された比表面積が10〜200m
2/gである微粒子亜鉛華を1〜20重量部含有することを特徴とする防振ゴム組成物。」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−193621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、亜鉛が魚毒性を有することに着目し、亜鉛の含有量が低減されたゴム組成物が求められている。本発明者は、特許文献1に記載されたゴム組成物から微粒子亜鉛華(酸化亜鉛)を除いて、ゴム組成物を作製し、そのゴム組成物を加硫したところ、所定時間内に加硫が十分に進行しないことを知見した。
【0005】
そこで、本発明は、亜鉛化合物の含有量を低減した場合であっても、加硫反応が十分に進行するゴム組成物、並びに、このゴム組成物を用いた加硫ゴム製品、及び、その製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、課題を達成すべく鋭意検討した結果、ジエン系ゴム100質量部と、原子数3〜6の硫黄の同素体0.01〜10質量部と、を含むゴム組成物が課題を解決することができることを見出した。
すなわち、以下の構成により課題を達成することができることを見出した。
【0007】
[1] ジエン系ゴム100質量部と、原子数3〜6の硫黄の同素体0.01〜10質量部と、を含むゴム組成物。
[2] 硫黄の同素体が、共結晶、錯体、及び包接化合物からなる群から選択される少なくとも1種の中に存在する、[1]に記載のゴム組成物。
[3] 共結晶が、式(1)で表される化合物と、ヨウ素、一塩化ヨウ素、一臭化ヨウ素、及び三塩化ヨウ素からなる群から選択される少なくとも1種と、を反応させて得られた共結晶である、[2]に記載のゴム組成物。
[4] 硫黄の同素体が、環状硫黄である、[1]〜[3]のいずれかに記載のゴム組成物。
[5] 硫黄の同素体の原子数が6である、[1]〜[4]のいずれかに記載のゴム組成物。
[6] ジエン系ゴム100質量部に対して、カーボンブラック及びシリカからなる群から選択される少なくとも1種を、更に1〜150質量部含む、[1]〜[5]のいずれかに記載のゴム組成物。
[7] [1]〜[6]のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製された、加硫ゴム製品。
[8] 式(1)で表される化合物と、ヨウ素、一塩化ヨウ素、一臭化ヨウ素、及び三塩化ヨウ素からなる群から選択される少なくとも1種と、を反応させて共結晶の中に存在する硫黄の同素体を得る工程と、共結晶の中に存在する硫黄の同素体と、ジエン系ゴムと、を混合して、ジエン系ゴムと共結晶の中に存在する硫黄の同素体との混合物を得る工程と、混合物を加熱して、ジエン系ゴムの加硫物を得る工程と、を含む、加硫ゴム製品の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、亜鉛化合物の含有量を低減した場合であっても、加硫反応が十分に進行するゴム組成物、並びに、このゴム組成物を用いた加硫ゴム製品、及び、その製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、ゴム組成物について、加硫時間に対するレオメータトルクの変化を測定した結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施態様について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
【0011】
[ゴム組成物]
本発明の第一の実施態様は、ジエン系ゴム100質量部と、原子数3〜6の硫黄の同素体0.01〜10質量部と、を含むゴム組成物である。ゴム組成物の特徴点の一つは、原子数3〜6の硫黄の同素体を所定量含む点にある。特徴点を有するゴム組成物が効果を奏する機序については必ずしも明確ではないが、本発明者は、以下のとおり推測する。なお、以下の推測により、ゴム組成物が効果を奏する機序が限定されるものではない。
【0012】
ゴム組成物は、原子数3〜6の硫黄の同素体を所定量含む。硫黄は元素として多数の同素体を有することが知られている。加硫を目的としてゴム組成物に配合される硫黄分子は、一般に硫黄原子数8の硫黄分子(以下、「S
8」ともいう。)である。S
8は熱的に安定であり、S
8を含むゴム組成物は、混練、及び、成形加工中に加熱されても容易には反応しない。そのため、S
8を含むゴム組成物は、十分なスコーチタイムを得ることができる点で優れている。
一方で、S
8を酸化亜鉛及び加硫促進剤を含まないゴム組成物に添加した場合には、所定条件(例えば下記実施例に記載した条件)で加硫した場合に、所定時間(例えば下記実施例に記載した条件)内に十分に加硫反応が進行しないという問題がある。
ここで、図1に、ゴム組成物について加硫時間に対するレオメータトルクの変化を測定した結果を示す。図1において、横軸は加硫時間(分)、縦軸はレオメータトルク(dN・m)を示す。原子数3〜6の硫黄の同素体を所定量含むゴム組成物(後述する実施例1)の加硫曲線101は、所定時間内にレオメータトルクが十分上昇していることがわかる。一方、酸化亜鉛及び加硫促進剤を含まず、S
8を含むゴム組成物の加硫曲線(後述する比較例3)103は、所定時間内にレオメータトルクが上昇しない、言い換えれば、加硫反応が進行しないことがわかる。
ゴム組成物の加硫曲線101は、S
8、酸化亜鉛、及び、加硫促進剤を含むゴム組成物の加硫曲線102(後述する参考例2)と比較した場合、所定時間内におけるレオメータトルクの変化量がより大きい。従って、ゴム組成物は、最終的な架橋密度がより高くなることがわかる。
ゴム組成物は、S
8と比較して、反応性が高い原子数3〜6の硫黄の同素体を所定量含むため、亜鉛化合物の含有量を低減した場合であっても、所定時間内に十分加硫反応が進行したものと推測される。
【0013】
〔原子数3〜6の硫黄の同素体〕
ゴム組成物は原子数3〜6の硫黄の同素体を含む。
原子数3〜6の硫黄の同素体の状態は特に制限されず、ゴム組成物には、固体、液体、又は、気体の原子数3〜6の硫黄の同素体を用いることができる。なかでも、原子数3〜6の硫黄の同素体がより優れた取り扱い性を有する点で、固体の原子数3〜6の硫黄の同素体が好ましい。なお、本明細書において、硫黄の同素体とは、硫黄原子からなる硫黄単体の分子を意図する。
【0014】
ゴム組成物中の原子数3〜6の硫黄の同素体の含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して0.01〜10質量部である。なかでもゴム組成物がより優れた機械的特性を有する点で、ゴム組成物中の原子数3〜6の硫黄の同素体の含有量は0.01以上、5以下が好ましく、3以下がより好ましく、2以下が更に好ましい。
ゴム組成物中の原子数3〜6の硫黄の同素体の含有量が0.01超であると、ゴム組成物はより優れた機械的応力を有し、ゴム組成物中の原子数3〜6の硫黄の同素体の含有量が2未満であると、ゴム組成物はより優れた強靭性を有する。
【0015】
硫黄の同素体の原子数は、3〜6である。なかでも、硫黄の同素体がより優れた反応性を有する点で、硫黄の同素体の原子数は3〜6が好ましく、4〜6がより好ましく、6がより好ましい。
硫黄の同素体の分子構造としては、特に制限されず、ゴム組成物には、鎖状硫黄、又は環状硫黄を用いることができる。なかでも、硫黄の同素体がより優れた保存安定性を有する点、及び/又は硫黄の同素体を含むゴム組成物がより優れたスコーチタイムを有する点で、環状硫黄が好ましく、なかでも原子数6の環状硫黄(以下、「環状S
6」ともいう。)がより好ましい。
なお、硫黄の同素体は1種を単独で用いても、原子数及び/又は分子構造の異なる2種以上の硫黄の同素体を併用してもよい。2種以上の硫黄の同素体を併用する場合には、その合計量が範囲内である。また、2種以上の硫黄の同素体の混合物に含まれる硫黄の同素の態様はのとおりである。
なお、2種以上の硫黄の同素体を併用する場合、環状S
6を含むことが好ましく、硫黄の同素体合計量中、環状S
6の含有量は、30〜80質量%が好ましい。
【0016】
硫黄の同素体の製造方法としては特に制限されず公知の方法を用いることができる。
例えば、環状S
6は、チオ硫酸ナトリウムに塩酸を加えることによって得ることができる。また四硫化ナトリウムと二塩化二硫黄との反応でも収率高く合成が可能である。
【0017】
硫黄の同素体は、共結晶、錯体、及び包接化合物からなる群から選択される少なくとも1種の中に存在してもよい。通常、原子数3〜6の硫黄の同素体は、S
8と比較して、反応性が非常に高い。硫黄の同素体が共結晶、錯体、及び包接化合物からなる群から選択される少なくとも1種の中に存在していると、原子数3〜6の硫黄の同素体がの高い反応性を維持しつつ、より優れた保存安定性も有する。また、原子数3〜6の硫黄の同素体を含むゴム組成物はより優れたスコーチタイムを有する。なお、本明細書において、共結晶とは、非共有結合の相互作用によって互いに結合した結晶性の複合体を意図する。また、非共有結合としては、水素結合及びハロゲン結合等が挙げられる。
【0018】
硫黄の同素体を含む共結晶は、溶融結晶化、及び溶媒からの再結晶等によって製造することができる。共結晶における硫黄の同素体以外の成分については、特に制限されないが、亜鉛を含有しないことが好ましい。
【0019】
硫黄の同素体を含む錯体としては、特に制限されず、公知の硫黄の同素体を含む錯体を用いることができる。
硫黄の同素体を含む錯体としては、例えば、S
3、又はS
6が有機ヨウ素亜鉛錯体(亜鉛含有量は約10質量%)同士の隙間の細孔中で安定化しているものを用いることが出来る。なお、錯体の製造方法は、日本結晶学会誌 第56巻 第5号323(2014)に記載されている。なお、硫黄の同素体が錯体中に存在する場合、硫黄の構造としては、鎖状S
3、又は環状S
6等が挙げられる。
錯体における硫黄の同素体以外の成分については、特に制限されないが、亜鉛の含有量は10質量%以下であることが好ましく、亜鉛を含有しないことがより好ましい。
【0020】
硫黄の同素体を含む包接化合物としては、包接化合物中に硫黄の同素体を捕捉することができれば特に制限されず、公知の硫黄の同素体を含む包接化合物を用いることができる。包接化合物としては、例えば、シクロデキストリン及びクラウンエーテル等が挙げられる。硫黄の同素体を含む包接化合物の製造方法は特に制限されないが、例えば、溶剤に包接化合物を添加して、分散させ、スラリーを作製し、スラリーに硫黄の同素体を添加して、混合することによって製造することができる。
【0021】
硫黄の同素体が、共結晶、錯体、及び包接化合物からなる群から選択される少なくとも1種の中に存在する場合、ゴム組成物中における共結晶、錯体、及び包接化合物の含有量は、特に制限されないが、一般に、ジエン系ゴム100質量部に対して、0.02〜200質量部であることが好ましい。なかでも、加硫物の破断伸び及び破断強度がより優れる点で、共結晶、錯体、及び包接化合物の含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、0.1〜50質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましい。
また、硫黄の同素体が、共結晶、錯体、及び包接化合物からなる群から選択される少なくとも1種の中に存在する場合、共結晶、錯体、及び包接化合物の全質量に対する硫黄の同素体の含有量は、5〜50質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましく、10〜30質量%が更に好ましい。
なお、二種以上の共結晶体、錯体、及び包接化合物を併用する場合には、その合計が範囲内であることが好ましい。
【0022】
なお、亜鉛化合物の含有量を低減した場合であっても、ゴム組成物の加硫反応がより進行しやすい点で、硫黄の同素体は、下記の方法により製造した共結晶の中に存在することがより好ましい。
【0023】
(共結晶の中に存在する硫黄の同素体の製造方法の好適態様)
共結晶の中に存在する硫黄の同素体の製造方法の好適態様は、以下の工程を含む。
・工程A:下記式(1)で表される化合物と、ヨウ素、一塩化ヨウ素、一臭化ヨウ素、及び三塩化ヨウ素からなる群から選択される少なくとも1種と、を反応させて反応液を得る工程。
・工程B:反応液から、共結晶を析出させる工程。
・工程C:反応液から析出した共結晶を反応液からろ別して、共結晶の中に存在する硫黄の同素体を得る工程。
なお、共結晶の中に存在する硫黄の同素体の製造方法の好適態様は、工程Cの後に、所望により、以下の工程Dを含んでもよい。
・工程D:共結晶を精製する工程。
以下では、工程ごとに好適態様を詳述する。
【0024】
・工程A
工程Aは、下記式(1)で表される化合物と、ヨウ素、一塩化ヨウ素、一臭化ヨウ素、及び三塩化ヨウ素からなる群から選択される少なくとも1種と、を反応させて反応液を得る工程である。
【0026】
式(1)中、R
1は一価の有機基を表す。一価の有機基としては特に制限されないが、水素原子、アルキル基、オキシアルキレン基、アミノ基、アリール基、又は−NR
2R
3で表される基(R
2、及びR
3はそれぞれ独立に水素原子、又はアルキル基を表す)が好ましく、水素原子、アルキル基、オキシアルキレン基、アミノ基、又は−NR
2R
3で表される基がより好ましい。
R
1がアルキル基である場合、炭素数としては特に制限されず、8以下が好ましい。オキシアルキレン基としては、特に制限されず、炭素数4以下が好ましい。
R
2、及びR
3としては、アルキル基が好ましく、なかでも炭素数4以下のアルキル基がより好ましい。
なお、式(1)で表される化合物の具体例としては、チオベンズアミド、4−メトキシベンゾチオアミド、及び4−(ジメチルアミノ)ベンゾチオアミド等が挙げられる。
【0027】
ヨウ素、一塩化ヨウ素、一臭化ヨウ素、及び三塩化ヨウ素からなる群から選択される少なくとも1種(以下「ヨウ素又はヨウ素化合物」ともいう。)としては、ヨウ素がより好ましい。なお、ヨウ素又はヨウ素化合物は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0028】
反応液は、有機溶剤を含むことが好ましい。有機溶剤としては式(1)で表される化合物を溶解することができる有機溶剤が好ましく、有機溶剤としては、例えば、ベンゼン及びクロロホルムなどが挙げられる。
【0029】
反応液を得る方法は特に制限されないが、式(1)で表される化合物を、有機溶剤中に溶解させて、式(1)で表される化合物の溶液を得て、溶液にヨウ素又はヨウ素化合物を加えて混合して混合液を得て、混合液を還流する方法が挙げられる。なお、混合時間は、1分〜24時間が好ましく、混合中の溶液の温度は0〜35℃が好ましい。また、還流時間は1〜24時間が好ましい。
【0030】
式(1)で表される化合物の溶液に含まれる、式(1)で表される化合物の含有量としては特に制限されないが、共結晶の中に存在する硫黄の同素体の収率が向上する点で、溶液100mlあたり、1〜10gが好ましい。
【0031】
混合液に含まれる、ヨウ素又はヨウ素化合物の含有量は、特に制限されないが、溶液100mlあたり、1〜250gが好ましい。
【0032】
・工程B
工程Bは、反応液から、共結晶を析出させる工程である。本工程において、工程Aにおいて生成した共結晶が、反応液から析出される。析出の方法としては特に制限されず、公知の方法を用いることができる。例えば、工程Aにより得られた反応液を室温で所定時間放置する方法が挙げられる。放置する時間としては特に制限されないが、一般に1〜24時間が好ましい。
【0033】
・工程C
工程Cは、反応液から析出した共結晶を反応液からろ別して、共結晶の中に存在する硫黄の同素体を得る工程である。ろ別の方法としては、特に制限されず、公知の方法を用いることができる。
【0034】
・工程D
工程Dは、共結晶を精製する工程である。本工程により、析出した共結晶から意図しない不純物を除去することができる。精製の方法としては特に制限されず、公知の方法を用いることができる。例えば、析出した共結晶を溶剤に溶解し、再結晶する方法(再結晶法)が挙げられる。溶剤としては特に制限されず、例えば、アセトニトリル、及びジメチルホルムアミド等が挙げられる。
【0035】
〔ジエン系ゴム〕
ゴム組成物はジエン系ゴムを含む。ジエン系ゴムとしては特に制限されず、公知のジエン系ゴムを用いることができる。ジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、ブタジエン−イソプレンゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム、及びニトリルゴムなどが挙げられる。なかでも、より優れた機械的特性を有する点で、天然ゴムが好ましい。
【0036】
〔任意成分〕
ゴム組成物は、亜鉛化合物の含有量を低減した場合であっても、加硫反応が十分に進行する範囲内において、以外の成分を任意成分として含んでもよい。以下では、任意成分について詳述する。
【0037】
<カーボンブラック及び/又はシリカ>
ゴム組成物は、カーボンブラック及び/又はシリカを含むことが好ましい。カーボンブラック及び/又はシリカを含むゴム組成物は、加硫後のゴム組成物(以下「加硫物」という。)がより優れた機械的特性等を有する。
カーボンブラックとしては特に制限されず、公知のカーボンブラックを用いることができる。カーボンブラックとしては、例えば、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPE、及びSRF等のカーボンブラックが挙げられる。なお、カーボンブラックは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
シリカとしては特に制限されず、公知のシリカを用いることができる。シリカとしては、例えば、乾式シリカ、湿式シリカ、及びコロイダルシリカ等が挙げられる。なお、シリカは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。また、カーボンブラック及びシリカを併用してもよい。
【0038】
カーボンブラック及び/又はシリカの含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜150質量部が好ましい。カーボンブラック及び/又はシリカの含有量が範囲内であると、組成物の加硫物はより優れた機械的特性を有する。なお、2種以上のカーボンブラックを併用する場合、2種以上のシリカを併用する場合、並びにカーボンブラック及びシリカを併用する場合には、カーボンブラック及びシリカの総合計量が範囲内であることが好ましい。
なかでも、ゴム組成物がより優れた機械的応力を有する点で、カーボンブラック及び/又はシリカの含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、10〜150質量部がより好ましい。
【0039】
<加硫促進剤>
ゴム組成物は、加硫促進剤を含んでもよい。加硫促進剤としては、例えば、アルデヒド−アンモニア系、アルデヒド−アミン系、チオウレア系、グアニジン系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チウラム系、ジチオカルバミン酸塩系、及びの混合物が挙げられる。なかでも、亜鉛化合物を含まない加硫促進剤が好ましい。
加硫促進剤の含有量としては特に制限されないが、一般に、ジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜5質量部であることが好ましい。
【0040】
<以外の任意成分>
ゴム組成物は、以外の任意成分を含んでもよい。以外の任意成分としては、例えば、老化防止剤、ステアリン酸、充填材(カーボンブラック及びシリカを除く)、可塑剤、軟化剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、加硫遅延剤、アロマオイル及び接着助剤等が挙げられる。これらの任意成分としては、亜鉛化合物を含まないことが好ましい。
【0041】
〔ゴム組成物の製造方法〕
ゴム組成物の製造方法は特に制限されない。ゴム組成物の製造方法は、各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、及びロール等)を用いて、混練する方法などが挙げられる。
原子数3〜6の硫黄の同素体が、共結晶、錯体、及び包接化合物からなる群から選択される少なくとも1種(以下「共結晶等」ともいう。)の中に存在する場合、原子数3〜6の硫黄の同素体が安定化する。従って、ゴム組成物は、硫黄の同素体(及び加硫促進剤)以外の各成分を混合した後、硫黄の同素体(及び加硫促進剤)を加え、70℃〜120℃で混合することが好ましい。その際、回転数及び時間等も適宜制御することがより好ましい。なお、温度は一般的に、S
8及び加硫促進剤を加えて混合する温度と同様である。
また、ゴム組成物を用いて、加硫ゴム製品を製造する場合、ロールによる圧延及び押出機による成形においてもと同様の温度になるような条件が好ましい。
一方、原子数3〜6の硫黄の同素体であって、共結晶、錯体、及び包接化合物からなる群から選択される少なくとも1種の中に存在しない硫黄の同素体を含むゴム組成物は、硫黄の同素体(及び加硫促進剤)以外の各成分を混合した後、硫黄の同素体(及び加硫促進剤)を加え、40℃以下で1分以内に混合し、1時間以内に成形及び加硫まで実施することが好ましい。
また、原子数3〜6の硫黄の同素体、及びゴム組成物の貯蔵及び運搬に関しては、原子数3〜6の硫黄の同素体が共結晶等の中に存在する場合でも、安定化構造が壊れないよう、又はスコーチが起こらないよう100℃以上の環境にならないことが好ましい。
【0042】
[加硫ゴム製品]
本発明の第二の実施態様は、ゴム組成物を用いて作製された加硫ゴム製品である。なお、本明細書において、加硫ゴム製品とは、加硫ゴムを用いた製品であれば特に制限されず、例えば、空気入りタイヤ、コンベヤベルト、ホース、ゴルフボール、免震ゴム等の土木資材、工業用シール材、防舷材、及び医療機器等が挙げられる。
【0043】
〔ゴム組成物〕
加硫ゴム製品は、ゴム組成物を用いて作製された加硫ゴム製品である。ゴム組成物の態様については、のとおりである。
【0044】
〔加硫ゴム製品の製造方法〕
加硫ゴム製品の製造方法としては、特に制限されず、公知の方法を用いることができる。なかでも、加硫ゴム製品の製造方法としては、下記の加硫工程を含むことが好ましい。
【0045】
<加硫工程>
加硫工程は、ゴム組成物を加硫して、加硫物を得る工程である。加硫条件としては、特に制限されない。亜鉛化合物の含有量を低減した場合であっても、ゴム組成物の加硫反応が十分に進行する点で、加硫温度は、140〜200℃が好ましい。また、加硫時間は製品の大きさにも依存するが、例えば乗用車タイヤ用であれば2〜30分が好ましい。なお、加硫工程は、ゴム組成物の製造と同時に行われてもよい。
【0046】
[加硫ゴム製品の製造方法]
本発明の第三の実施態様は、式(1)で表される化合物と、ヨウ素、一塩化ヨウ素、一臭化ヨウ素、及び三塩化ヨウ素からなる群から選択される少なくとも1種と、を反応させて共結晶の中に存在する硫黄の同素体を得る工程と、共結晶の中に存在する硫黄の同素体と、ジエン系ゴムと、を混合して、前記ジエン系ゴムと共結晶の中に存在する硫黄の同素体との混合物を得る工程と、混合物を加熱して、前記ジエン系ゴムの加硫物を得る工程と、を含む、加硫ゴム製品の製造方法である。
【0047】
の製造方法によって製造された加硫ゴム製品は、亜鉛化合物の含有量が低減されており、優れた環境適用性を有する。
【0048】
加硫ゴム製品の製造方法は、以下の工程を含む。
・式(1)で表される化合物と、ヨウ素、一塩化ヨウ素、一臭化ヨウ素、及び三塩化ヨウ素からなる群から選択される少なくとも1種と、を反応させて共結晶の中に存在する硫黄の同素体を得る工程(硫黄の同素体の製造工程)
・共結晶の中に存在する硫黄の同素体と、ジエン系ゴムと、を混合して、前記ジエン系ゴムと共結晶の中に存在する硫黄の同素体との混合物を得る工程(ゴム組成物の製造工程)
・混合物を加熱して、前記ジエン系ゴムの加硫物を得る工程(加硫工程)
【0049】
なお、硫黄の同素体の製造工程としては、共結晶の中に存在する硫黄の同素体の製造方法の態様として説明したものと同様である。また、ゴム組成物の製造工程及び加硫工程の態様ついてものとおりである。
【実施例】
【0050】
以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
【0051】
[共結晶の中に存在する硫黄の同素体の作製]
共結晶の中に存在する硫黄の同素体は以下の方法により作製した。
まず、チオベンズアミド(4mmol)を15mlのベンゼンに溶解して、チオベンズアミドのベンゼン溶液を作製した。作製したチオベンズアミドのベンゼン溶液に、0.51gのヨウ素を加え、その後、溶液を、25℃の室温環境下で、30分間攪拌した。
その後、溶液を2時間還流した。還流した後の溶液を室温で一夜放置し、析出した結晶をろ別し、アセトニトリルで再結晶化させ、3,5−ジフェニル−1,2,4−ジチアゾール−1−イウムのヨウ化物を得た。化合物は、共結晶の中に環状S
6が存在することが知られており(日本結晶学会誌、56、49−53、2014)、FT−IR(Fourier Transform Infrared Spectroscopy)にて各官能基の存在を、元素分析及び蛍光X線にて各元素の存在比を、それぞれ測定し文献と照合した。
なお、共結晶の中に存在する硫黄の同素体は環状S
6であり、共結晶中における環状S
6の含有量は19質量%である。
【0052】
[実施例1]
<ゴム組成物の作製>
表1に示した成分を東洋製機製ラボプラストミルで混合してゴム組成物を作製した。このときの混合温度は80℃、混合時間は3分であった。
なお、表1中、各成分の含有量はジエン系ゴム(いずれも、天然ゴム)100質量部に対する質量部として示した。また、[うち硫黄の同素体]とは、共結晶の中に存在する硫黄の同素体の含有量を、ジエン系ゴム100質量部に対する質量部として示したものである。
【0053】
[参考例1、2、比較例1〜3]
表1に示した各成分を実施例1と同様の方法で混合してゴム組成物を作製した。
【0054】
[評価]
<レオメータトルク変化>
株式会社オリエンテック製ロータレスレオメータ「キュラストメータV」を用いてレオメータトルク(単位:dN・m)を測定した。試験は、JIS K6300−2:2001に準拠して行った。具体的には、ゴム組成物を180℃、20分の条件で加熱しながら、レオメータトルクを測定した。レオメータトルク変化は測定値のうち、最大値と最小値の差により算出される値である。試験は2回行い、値は算術平均した。結果を表1に示した。なお、レオメータトルク変化が大きいほど、180℃、20分間の条件で加硫が進行したことを示す。なお、実施例1、参考例2及び比較例3のゴム組成物の測定結果を図1に示した。
【0055】
<網目鎖濃度(架橋密度)>
ゴム組成物の加硫物の網目鎖濃度(以下、架橋密度ともいう。)を以下の方法により測定した。すなわち膨潤溶媒としてトルエンを用い、加硫物の膨潤度から網目鎖濃度を測定した。試料は、の各ゴム組成物を温度180℃において、それぞれ95%加硫度に達する時間で加硫して成形した、厚さ2mmのシートから切り出した1cm四方の加硫物とした。試料をトルエン中に48時間浸漬し、浸漬前後の体積を測定し、次式により、網目鎖濃度を計算した。なお、各ゴム組成物が、温度180℃において、それぞれ95%加硫度に達する時間は、レオメータトルク変化の測定と同様の試験条件により求めた。
式:ν=−[V
R+μV
R2+ln(1−V
R)]/[Vs(V
R1/3−(2/f)V
R)]
なお、式中、
ν:網目鎖濃度(×10
−4mol/cc)
V
R:膨潤状態の加硫物中のポリマーの体積分率
μ:天然ゴムとトルエンの相互作用定数(0.42)
Vs:トルエンの分子容(106cc/mol)
f:架橋の官能基数(4)
を表す。
【0056】
<架橋形態>
ゴム組成物の加硫物の架橋形態を以下の方法により測定した。すなわち、ゴム組成物の加硫物の架橋形態をモノスルフィド結合、ジスルフィド結合、及び、ポリスルフィド結合として分類し、ゴム組成物中における結合の合計個数を100%としたとき、各結合の割合を測定した。測定は、化学試薬処理法("DETERMINATION OF CROSSLINK DENSITY AND VULCANIZATE STRUCTURE"MONSANTO.RUBBER CHEMICALS.JULY 1983)(「膨潤圧縮法による架橋構造解析〔第1報〕試験法開発」(株)ブリヂストン、日本ゴム協会誌、60巻第5号 267−272(1987)に従った。は、化学的な処理で結合の形態が異なる架橋を選択的に切断していくことで架橋の割合を分析できる手法である。
なお、ジスルフィド結合の含有量は、全体(100)からモノスルフィド結合含有量およびポリスルフィド結合含有量を減じた値である。
また、比較例1〜3のゴム組成物は条件では加硫反応が十分に進行しないため、網目鎖濃度及び架橋形態を測定することができなかった(表1中、「測定不可」として示した)。
の結果から、実施例1のゴム組成物の加硫物は、参考例1及び参考例2のゴム組成物の加硫物と比較して、モノスルフィド結合がより多い架橋形態であることがわかった。モノスルフィド結合が多い架橋形態の加硫物は、優れた老化抑制性能、及び、優れた耐圧縮永久ひずみ性能を有することが知られている。従って、ジエン系ゴム100質量部と、原子数3〜6の硫黄の同素体0.01〜10質量部と、を含むゴム組成物によれば、亜鉛化合物の含有量を低減した場合であっても、加硫反応が十分に進行するだけでなく、得られる加硫物が、より優れた老化抑制性能、及び、より優れた耐圧縮永久ひずみ性能を有することが推測される。
【表1】
【0057】
なお、表1中の各成分の略号及び品名等は以下のとおりである。
・天然ゴム:SIR20(PT. NUSIRA)
・硫黄S
8:金華印 微粉硫黄(鶴見化学工業社製)
・促進剤TT:ノクセラーTT−P(テトラメチルチウラムジスルフィド、チウラム系加硫促進剤、大内新興化学工業社製)
・促進剤CZ:ノクセラーCZ−G(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、スルフェンアミド系加硫促進剤、大内新興化学工業社製)
・酸化亜鉛:酸化亜鉛 3種(正同化学工業社製)
【0058】
表1に示した結果から、ジエン系ゴム100質量部と、原子数3〜6の硫黄の同素体0.01〜10質量部と、を含む実施例1のゴム組成物は、亜鉛化合物の含有量を低減した場合(含まない場合)であっても、加硫ゴム製品を製造する時間スケール内で加硫反応が十分に進行することがわかった。
なお、実施例1は、参考例1及び2と比較して、より優れたレオメータトルク変化を有しており、かつ、より優れた網目鎖濃度を有する。従って、実施例1のゴム組成物の加硫物は、酸化亜鉛を含むゴム組成物の加硫物(参考例1及び2)よりも高い網目鎖濃度(架橋密度)を有することがわかった。
原子数3〜6の硫黄の同素体を含まない、比較例1〜3のゴム組成物は、加硫ゴム製品を製造する時間スケール内で加硫反応が進行しないことがわかった。
【符号の説明】
【0059】
101 実施例1のゴム組成物の加硫曲線
102 参考例2のゴム組成物の加硫曲線
103 比較例3のゴム組成物の加硫曲線
【国際調査報告】