(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2017年6月15日
【発行日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】電気モジュールおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01G 9/20 20060101AFI20181130BHJP
【FI】
H01G9/20 119
H01G9/20 203B
H01G9/20 205
H01G9/20 305
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】26
【出願番号】特願2017-555158(P2017-555158)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2016年12月9日
(31)【優先権主張番号】特願2015-240351(P2015-240351)
(32)【優先日】2015年12月9日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 壮一郎
(72)【発明者】
【氏名】功刀 俊介
(57)【要約】
本発明の電気モジュールは、第一基板の板面に透明導電膜が成膜され、透明導電膜の表面に半導体層が形成された第1電極と、第二基板の板面に透明導電膜に対向するように対向導電膜が成膜された第2電極とを備え、第1電極と第2電極の間が、第一基板の端縁と第二基板の端縁とにおいて封止材により接着され、第1電極と第2電極との間に形成された空間がパターニング箇所により複数のセルに区画され、セルに電解質が封止されてなる電気モジュールであって、封止材およびパターニング箇所からなる枠内に、第一基板の板面と第二基板の板面とが直接当接する溶着部が設けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一基板の板面に透明導電膜が成膜され、前記透明導電膜の表面に半導体層が形成された第1電極と、第二基板の板面に前記透明導電膜に対向するように対向導電膜が成膜された第2電極とを備え、前記第1電極と前記第2電極の間が、前記第一基板の端縁と前記第二基板の端縁とにおいて封止材により接着され、前記第1電極と前記第2電極との間に形成された空間がパターニング箇所により複数のセルに区画され、前記セルに電解質が封止されてなる電気モジュールであって、
前記封止材および前記パターニング箇所からなる枠内に、前記第一基板の板面と前記第二基板の板面とが直接当接する溶着部が設けられたことを特徴とする電気モジュール。
【請求項2】
前記溶着部は、前記セルの単位面積26cm2当たり1箇所〜10箇所設けられたことを特徴とする請求項1に記載の電気モジュール。
【請求項3】
前記溶着部を平面視したとき、前記溶着部の1個所当たりの面積が1mm2〜100mm2であることを特徴とする請求項1または2に記載の電気モジュール。
【請求項4】
第一基板の板面に透明導電膜が成膜され、前記透明導電膜の表面に半導体層が形成された第1電極と、第二基板の板面に前記透明導電膜に対向するように対向導電膜が成膜された第2電極とを備え、前記第1電極と前記第2電極の間が、前記第一基板の端縁と前記第二基板の端縁とにおいて封止材により接着され、前記第1電極と前記第2電極との間に形成された空間がパターニング箇所により複数のセルに区画され、前記セルに電解質が封止されてなる電気モジュールの製造方法であって、
前記透明導電膜と前記対向導電膜とを対向させて、前記第1電極と前記第2電極とを貼り合せる貼り合わせ工程と、
前記透明導電膜が成膜された前記第一基板の裏面または前記対向導電膜が成膜された前記第二基板の裏面のいずれか一方から超音波振動を付与し、この超音波振動が付与された箇所に位置する前記第一基板および前記第二基板の互いに対向する板面を当接させて絶縁するとともに、これら第一基板と第二基板とを溶着することにより、前記第1電極と前記第2電極とを分割して、前記セルを形成する分割工程と、
前記封止材および前記パターニング箇所からなる枠内に、前記第一基板および前記第二基板の互いに対向する板面を当接させて絶縁するとともに、これら第一基板と第二基板とを溶着し、前記第一基板の板面と前記第二基板の板面とが直接当接する溶着部を形成する溶着工程と、を有することを特徴とする電気モジュールの製造方法。
【請求項5】
前記溶着工程において、前記透明導電膜が成膜された前記第一基板の裏面または前記対向導電膜が成膜された前記第二基板の裏面のいずれか一方から超音波振動を付与し、この超音波振動が付与された箇所に位置する前記溶着部を形成することを特徴とする請求項4に記載の電気モジュールの製造方法。
【請求項6】
前記溶着工程において、前記溶着部を、前記セルの単位面積26cm2当たり1箇所〜10箇所形成することを特徴とする請求項4または5に記載の電気モジュールの製造方法。
【請求項7】
前記溶着工程において、平面視したとき1個所当たりの面積が1mm2〜100mm2となるように前記溶着部を形成することを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の電気モジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気モジュールおよびその製造方法に関する。
本願は、2015年12月9日に、日本に出願された特願2015−240351号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
Roll to Rollにより、電気モジュールの一例である色素増感型太陽電池を製造する際、電解液を封入する必要がある。色素増感型太陽電池では、一般に、封止材で電解液の液漏れを防いでいる。
Roll to Rollでは、インラインで、あるいは、長尺の仕掛品を作っておき(巻き初めと巻き終わりのみが封止されている、方法は問わない)、注文に応じて所定のサイズ(長さ)の製品とするために、ラインの流れ方向と垂直な方向に切断して、封止することができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2014/030736号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
色素増感型太陽電池の製造において、モジュール全体に対して、1つのセルの面積が大きい場合、電解液の量が多くなるため、セル内において電解液の偏りが生じる。電解液が偏ると、封止材に余分な圧力がかかり、封止材が決壊しやすくなるという課題があった。
【0005】
本発明は、事情に鑑みてなされたものであって、セル内における電解液の偏りを防止した電気モジュールおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]第一基板の板面に透明導電膜が成膜され、前記透明導電膜の表面に半導体層が形成された第1電極と、第二基板の板面に前記透明導電膜に対向するように対向導電膜が成膜された第2電極とを備え、前記第1電極と前記第2電極の間が、前記第一基板の端縁と前記第二基板の端縁とにおいて封止材により接着され、前記第1電極と前記第2電極との間に形成された空間がパターニング箇所により複数のセルに区画され、前記セルに電解質が封止されてなる電気モジュールであって、前記封止材および前記パターニング箇所からなる枠内に、前記第一基板の板面と前記第二基板の板面とが直接当接する溶着部が設けられたことを特徴とする電気モジュール。
【0007】
[2]前記溶着部は、前記セルの単位面積26cm
2当たり1箇所〜10箇所設けられたことを特徴とする[1]に記載の電気モジュール。
【0008】
[3]前記溶着部を平面視したとき、前記溶着部の1個所当たりの面積が1mm
2〜100mm
2であることを特徴とする[1]または[2]に記載の電気モジュール。
【0009】
[4]第一基板の板面に透明導電膜が成膜され、前記透明導電膜の表面に半導体層が形成された第1電極と、第二基板の板面に前記透明導電膜に対向するように対向導電膜が成膜された第2電極とを備え、前記第1電極と前記第2電極の間が、前記第一基板の端縁と前記第二基板の端縁とにおいて封止材により接着され、前記第1電極と前記第2電極との間に形成された空間がパターニング箇所により複数のセルに区画され、前記セルに電解質が封止されてなる電気モジュールの製造方法であって、前記透明導電膜と前記対向導電膜とを対向させて、前記第1電極と前記第2電極とを貼り合せる貼り合わせ工程と、前記透明導電膜が成膜された前記第一基板の裏面または前記対向導電膜が成膜された前記第二基板の裏面のいずれか一方から超音波振動を付与し、この超音波振動が付与された箇所に位置する前記第一基板および前記第二基板の互いに対向する板面を当接させて絶縁するとともに、これら第一基板と第二基板とを溶着することにより、前記第1電極と前記第2電極とを分割して、前記セルを形成する分割工程と、前記封止材および前記パターニング箇所からなる枠内に、前記第一基板および前記第二基板の互いに対向する板面を当接させて絶縁するとともに、これら第一基板と第二基板とを溶着し、前記第一基板の板面と前記第二基板の板面とが直接当接する溶着部を形成する溶着工程と、を有することを特徴とする電気モジュールの製造方法。
【0010】
[5]前記溶着工程において、前記透明導電膜が成膜された前記第一基板の裏面または前記対向導電膜が成膜された前記第二基板の裏面のいずれか一方から超音波振動を付与し、この超音波振動が付与された箇所に位置する前記溶着部を形成することを特徴とする[4]に記載の電気モジュールの製造方法。
【0011】
[6]前記溶着工程において、前記溶着部を、前記セルの単位面積26cm
2当たり1箇所〜10箇所形成することを特徴とする[4]または[5]に記載の電気モジュールの製造方法。
【0012】
[7]前記溶着工程において、平面視したとき1個所当たりの面積が1mm
2〜100mm
2となるように前記溶着部を形成することを特徴とする[4]〜[6]のいずれかに記載の電気モジュールの製造方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、セル内における電解液の偏りを防止した電気モジュールおよびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の電気モジュールの製造方法によって得られる電気モジュールの一実施形態を模式的に示した断面図である。
【図2A】本発明の電気モジュールの製造方法の第1の実施形態として示した電気モジュールの製造工程の一部であって、第1電極と第2電極とを対向配置させた状態を示す断面図である。
【図2B】本発明の電気モジュールの製造方法の第1の実施形態として示した電気モジュールの製造工程の一部であって、第1電極を示した断面図である。
【図3】本発明の電気モジュールの製造方法の第1の実施形態として示した電気モジュールの製造工程の一部を示した断面図である
【図4】本発明の電気モジュールの製造方法の第1の実施形態として示した電気モジュールの製造工程の一部を示した第1電極の底面図である。
【図5】本発明の電気モジュールの製造方法の第1の実施形態として示した電気モジュールの製造工程の一部を示した平面図である。
【図6】本発明の電気モジュールの製造方法の第1の実施形態として示した電気モジュールの製造工程の一部を示した平面図である。
【図7A】本発明の電気モジュールの製造方法の第1の実施形態として示した電気モジュールの製造工程の一部を示した平面図である。
【図7B】本発明の電気モジュールの製造方法の第1の実施形態として示した電気モジュールの製造工程の一部を示した平面図である。
【図8】本発明の第1の実施形態として示した電気モジュールの製造工程の一部を示した平面図である。
【図9A】本発明の電気モジュールの製造方法の第1の実施形態として示した電気モジュールを図8に示すX1−X1において矢視した断面図である。
【図9B】本発明の電気モジュールの製造方法の第1の実施形態として示した電気モジュールを図8に示すX2−X2線において矢視した断面図である。
【図10】本発明の電気モジュールの製造方法の第2の実施形態として示した電気モジュールの製造工程を模式的に示した斜視図である。
【図11】本発明の電気モジュールの製造方法の第3の実施形態として示した電気モジュールの製造工程を模式的に示した斜視図である。
【図12】本発明の電気モジュールの製造方法の第3の変形実施形態として示した電気モジュールの製造工程を模式的に示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の電気モジュールおよびその製造方法の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
【0016】
[電気モジュール]
本発明の電気モジュールの一実施形態について説明する。
なお、本明細書において、「セル」とは、単一の色素増感型太陽電池を意味する。また、本明細書および請求の範囲において、「電気モジュール」とは、単一のセルまたは複数のセルを備えたユニットを意味する。本本発明を簡易に説明するために、便宜上単一のセルを分割して得られる電気モジュールの態様を示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0017】
図1に示すように、色素増感型太陽電池1Aは、第一基板2上に透明導電膜3および半導体層4を備えた第1電極5と、第二基板6上に対向導電膜7および触媒層8を備えた第2電極9とを備えている。そして、第1電極5と第2電極9との間が、セパレータ12を介装させた状態で、第一基板2の端縁と第二基板6の端縁とにおいて封止材11により枠状に封止されているとともに、封止材11により囲繞された空間が第一基板2と第二基板6との溶着により複数のセルCに分割されている。言い換えれば、第1電極5と第2電極9の間が、第一基板2の端縁と第二基板6の端縁とにおいて封止材11により接着され、第1電極5と第2電極9との間に形成された空間がパターニング箇所Pにより複数のセルCに区画され、各セルC内に電解液13が充填され、封止されている。また、セルCにおいて、封止材11およびパターニング箇所Pからなる枠内に、第一基板2の板面2aと第二基板6の板面6aとが直接当接する溶着部10が設けられている。
なお、本発明においては、色素増感型太陽電池1Aは、セパレータ12を備えていなくてもよい。
【0018】
第一基板2および第二基板6は、それぞれ透明導電膜3および対向導電膜7の基台となる部材であり、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の透明の熱可塑性樹脂による平板状部材を略矩形に切断したものである。第一基板2および第二基板6は、フィルム状に形成されたものであってもよい。
【0019】
透明導電膜3は、第一基板2の板面2aの略全体に成膜されている。
透明導電膜3の材料としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛等が用いられる。
【0020】
半導体層4は、後述する増感色素から電子を受け取り輸送する機能を有する。半導体層4は、金属酸化物からなる半導体により透明導電膜3の表面3aに設けられている。金属酸化物としては、例えば、酸化チタン(TiO
2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO
2)等が挙げられる。
【0021】
半導体層4は、増感色素を担持している。増感色素は、有機色素または金属錯体色素で構成されている。有機色素としては、例えば、クマリン系、ポリエン系、シアニン系、ヘミシアニン系、チオフェン系等の各種有機色素が挙げられる。金属錯体色素としては、例えば、ルテニウム錯体等が好適に用いられる。
このように、第一基板2の板面2aに透明導電膜3を成膜し、透明導電膜3の表面3aに半導体層4を設けて第1電極5が構成されている。
【0022】
対向導電膜7は、第二基板6の板面6a全体に成膜されている。
対向導電膜7の材料としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛等が用いられる。対向導電膜7の表面7aには、カーボンペースト、プラチナ等からなる触媒層8が成膜されている。
このように、第二基板6の板面6aに対向導電膜7を成膜し、対向導電膜7の表面7aに触媒層8を成膜させて第2電極9が構成されている。
この第2電極9は、対向導電膜7を透明導電膜3に対向させて、第1電極5と対向配置されている。
【0023】
封止材11としては、特に限定されず、硬化性樹脂やホットメルト樹脂等が用いられる。
この封止材11は、後述するセルCが形成されていない図4に示す帯状に配置された第1電極5の端縁R1〜R4の全周に沿って、透明導電膜3の表面に枠状に配される。封止材11は、硬化または加熱プレスされて第1電極5と第2電極9との間を接着している。封止材11は、第2電極9の端縁の全周に沿って、または第1電極5と第2電極9との双方の端縁の一部または全周に配されてもよい。封止材11は、第1電極5の端縁R1〜R4の一部にのみ配されていてもよい。例えば、後述する第3の実施形態のように、封止材11は、第1電極5または第2電極9の端縁R1,R2に沿って配され、端縁R3,R4に沿っては配されない構成にしてもよい。
【0024】
図1に示すセパレータ12としては、封止材11および電解液(電解質)13を通過させる多数の孔(不図示)を有する不織布等のシート材が用いられる。
ただし、後述するように、本発明においては、セパレータ12を用いなくてもよい。
【0025】
電解液13としては、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル等の非水系溶剤;ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウムまたはヨウ化ブチルメチルイミダゾリウム等のイオン液体等の液体成分に、ヨウ化リチウム等の支持電解液とヨウ素とが混合された溶液等が用いられている。電解液13は、逆電子移動反応を防止するため、t−ブチルピリジンを含むものでもよい。
【0026】
溶着部10は、セルCにおいて、第一基板2の板面2aと第二基板6の板面6aとを直接当接するために設けられる。溶着部10を平面視したとき(第一基板2の板面2aまたは第二基板6の板面6aの法線方向から見たとき)の形状としては、特に限定されないが、例えば、円形、楕円形、正方形、矩形、三角形、五角以上の多角形等が挙げられる(図6参照)。
溶着部10は、後述するように、第一基板2と第二基板6とを、超音波振動により溶融して互いに溶着してなる部位である。
【0027】
溶着部10は、セルCの単位面積26cm
2当たり1箇所〜10箇所設けられていることが好ましく、1箇所〜5箇所設けられていることがより好ましい。
溶着部10が、セルCの単位面積26cm
2当たり1箇所〜10箇所設けられていることにより、発電効率を損なうことなく、セルC内において電解液13の偏りを防止することができる。
【0028】
また、溶着部10を平面視したとき、溶着部10の1個所当たりの面積は1mm
2〜100mm
2であることが好ましく、1mm
2〜25mm
2であることがより好ましい。
溶着部10を平面視したとき、溶着部10の1個所当たりの面積が1mm
2〜100mm
2であることにより、発電効率を損なうことなく、セルC内において電解液13の偏りを防止することができる。
【0029】
本実施形態の色素増感型太陽電池1Aによれば、セルCに、第一基板2の板面2aと第二基板6の板面6aとが直接当接する溶着部10が設けられている。そのため、セルC内における電解液13の偏りを防止することができる。これにより、第1電極5と第2電極9間に所定量の電解液13を存在させることができるため、色素増感型太陽電池1Aの発電効率が低下することを防止できる。
【0030】
[色素増感型太陽電池の製造方法]
(第1の実施形態)
次に、色素増感型太陽電池1Aの製造方法の第1の実施形態について、図2A〜図9Bを用いて説明する。
本実施形態の色素増感型太陽電池1Aの製造方法は、次の工程を備える。透明導電膜3と対向導電膜7とを対向させて、第1電極5と第2電極9とを貼り合せる貼り合わせ工程。透明導電膜3および半導体層4が成膜された第一基板2の裏面または対向導電膜7が成膜された第二基板6の裏面のいずれか一方から超音波振動を付与し、この超音波振動が付与された箇所に位置する第一基板2および第二基板6の互いに対向する板面2a,6aを当接させて絶縁するとともに、溶着することにより互いに分割された複数のセルCを形成する分割工程。セルCにおいて、封止材11およびパターニング箇所Pからなる枠内に、透明導電膜3および半導体層4が成膜された第一基板2の裏面または対向導電膜7が成膜された第二基板6の裏面のいずれか一方から超音波振動を付与し、この超音波振動が付与された箇所に位置する第一基板2および第二基板6の互いに対向する板面2a,6aを当接させて絶縁するとともに、溶着し、第一基板2の板面2aと第二基板6の板面6aとが直接当接する溶着部10を形成する溶着工程。
【0031】
本実施形態では、次のものを電気モジュール前駆体と言う。第1電極5と第2電極9との間に形成された空間に電解液(電解質)13が封止されたもの。第1電極5と第2電極9との間に形成された空間に電解液(電解質)13が封止されていないもの。
本実施形態の製造方法の一例においては、貼り合わせ工程(II)の前に、(I)電極板形成工程を備え、さらに、分割工程(III)と溶着工程(IV)の後に、(IV)電気的接続工程、(V)注液孔形成工程、(VI)注液工程および(VII)注液孔封止工程を備えている。
以下、各工程について説明する。
【0032】
(I)<電極板形成工程>
電極板形成工程においては、図2Aに示すように、第一基板2の板面2aに透明導電膜3が成膜され、透明導電膜3の表面3aに半導体層4が形成された第1電極5を形成する。また、第二基板6の板面6aに対向導電膜7が形成され、さらに対向導電膜7の表面7aに触媒層8が成膜された第2電極9を形成する。
具体的には、第1電極5および第2電極9は以下のようにして形成される。
【0033】
図2Aに示すように、第一基板2として、PET等からなる基板を用いる。
第一基板2の板面2aの全体に酸化インジウムスズ(ITO)等をスパッタリングして、透明導電膜3を成膜する。
半導体層4は、例えば、エアロゾルデポジション法、コールドスプレー法等の焼成を要しない低温成膜法により、多孔質となるように透明導電膜3の表面3aに形成する。この際、図4に示すように、封止材11を塗布する端縁R1〜R4を残して導体層4を形成する。あるいは、電流の取り出し、または封止材を配するために、第一基板2の少なくとも一端縁R1を残して半導体層4を形成する。
【0034】
半導体層4を形成した後、図2Bに示すように、増感色素を溶剤に溶かした増感色素溶液に半導体層4を浸漬させ、該半導体層4に増感色素を担持させる。半導体層4に増感色素を担持させる方法は、に限定されず、増感色素溶液中に半導体層4を移動させながら連続的に投入・浸漬・引き上げを行う方法等も採用される。
以上により、図2Bに示す第1電極5が得られる。
【0035】
第2電極9は、図2Aに示すように、ポリエチレンテレフタレート(PET)等よりなる第二基板6の板面6aに、ITO、酸化亜鉛またはプラチナ等をスパッタリングして対向導電膜7を成膜する。対向導電膜7は、印刷法やスプレー法等にて形成されたものであってもよい。対向導電膜7の表面7aの全体に、カーボンペースト等を成膜して触媒層8を形成する。
【0036】
(II)<貼り合わせ工程>
図3に示すように、貼り合わせ工程は、第1電極5と第2電極9とを対向配置させて貼り合せ、必要に応じてそれぞれの端縁R1〜R4(図4参照)を封止材11により封止し、第1電極5と、第2電極9とを備える電気モジュール前駆体を形成する工程である。
【0037】
「封止材および注液孔形成用部材の配置」
具体的には、図4に示すように、未分割の半導体層4に沿う透明導電膜3の端縁R1〜R4の全周に、所定の幅寸法を有する枠形状に形成されたシート状の封止材11を配して半導体層4を囲繞する。ただし、上述したように、本発明においては、封止材11が、第1電極5の端縁R1〜R4の一部にのみ配されていてもよい(例えば、第3の実施形態を参照)。
なお、封止材11を配した後、半導体層4、または、対向導電膜7上に、電解質を塗布し、その後、後述する基板の貼り合わせを行ってもよい。この電解質は、液状、ゲル状、固体状のいずれの状態であってもよい。
【0038】
その後、注液孔形成用部材19を、第1電極5の一端縁R1に対向する端縁R2に所定の間隔をおいて複数配置する。この際、各注液孔形成用部材19は、封止材11に跨って、第一基板2の端縁R2から突出するように配置する。
注液孔形成用部材19としては、短冊状に形成した離型性樹脂シートを用いる。
離型性樹脂シートとしては、例えば、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が用いられる。
所定の間隔とは、第1電極5(ないし第2電極9)において隣接するセルC,Cが形成される間隔である。
【0039】
「基板の貼り合せ」
次に、図3に示すように、セパレータ12を介在させた状態で透明導電膜3と対向導電膜7とを対向させるように、第2電極9を第1電極5に当接させる。後述するように、セパレータ12を用いなくてもよい。
【0040】
「接着工程」
接着工程では、貼り合わされた第1電極5および第2電極9の図5に示す一端縁R1を除いて、硬化性樹脂やホットメルト樹脂等からなる封止材11が配置された端縁R2〜R4を積層方向にプレスし、封止材11を硬化させるか、加熱し、封止材11を第1電極5および第2電極9に接着させる。この際、封止材11は、注液孔形成用部材19とは接着しない。なぜならば、注液孔形成用部材19は、耐熱温度が封止材11の溶融硬化温度よりも高く、かつ、非接着性に優れているからである。したがって、注液孔形成用部材19の両表面は、第1電極5とも第2電極9とも接着されていない状態となる。
本実施形態では、注液孔をあらかじめ設け、接着工程後に注液する方法の例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、前もって電解液を塗布し、プレス張り合わせや真空張り合わせを用いてもよい。
【0041】
(III)<分割工程>
分割工程では、図6に示すように、第1電極5と第2電極9とにより形成される空間を複数のセルC,C・・・に区画する境界上、すなわち所望のパターニング箇所P,P・・・をたどるように、透明導電膜3が成膜された第一基板2の裏面2b(図3参照)または対向導電膜7が成膜された第二基板6の裏面6b(図3参照)のいずれか一方から超音波振動を付与する。
【0042】
そうすると、第一基板2に成膜された透明導電膜3および半導体層4が、超音波振動により拡散する。それとともに、透明導電膜3に対向する対向導電膜7および触媒層8が、超音波振動により拡散する。その結果、図1に示すように、互いに対向する位置において透明導電膜3、半導体層4、対向導電膜7および触媒層8においてクラックが生じ、第一基板2の板面2aと第二基板6の板面6aとが当接する。そして、さらに、これら第一基板2と第二基板6とは、超音波振動により溶融して互いに溶着する。その結果、図6に示すように半導体層4を囲繞するように配置された封止材11の枠内に互いに分割された複数のセルC,C・・・を形成する。
【0043】
なお、本実施形態では、第一基板2の裏面2bから超音波振動を付与する場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、第一基板2の裏面2bまたは第二基板6の裏面6bのいずれか一方から超音波振動を付与することができる。
【0044】
なお、超音波振動は、第1電極5と第2電極9をそれぞれ同時かつ確実にパターニングするとともに、溶着できる所定の出力で行う。
【0045】
(IV)<溶着工程>
溶着工程では、図6に示すように、セルCにおける、パターニング箇所P,Pおよび封止材11が設けられていない部分において、透明導電膜3が成膜された第一基板2の裏面2b(図3参照)または対向導電膜7が成膜された第二基板6の裏面6b(図3参照)のいずれか一方から超音波振動を付与する。
【0046】
そうすると、第一基板2に成膜された透明導電膜3および半導体層4が、超音波振動により破壊されるとともに、透明導電膜3に対向する対向導電膜7および触媒層8が、同様にして超音波振動により破壊される。その結果、図1に示すように、互いに対向する位置において透明導電膜3、半導体層4、対向導電膜7および触媒層8においてクラックが生じ、第一基板2の板面2aと第二基板6の板面6aとが当接する。そして、さらに、これら第一基板2と第二基板6とは、超音波振動により溶融して互いに溶着し、図6に示すように、半導体層4を囲繞するように配置された封止材11およびパターニング箇所Pからなる枠内に、第一基板2の板面2aと第二基板6の板面6aとが直接当接した溶着部10を形成する。
【0047】
溶着工程において、溶着部10を、セルCの単位面積26cm
2当たり1箇所〜10箇所形成することが好ましく、1箇所〜5箇所形成することがより好ましい。
また、溶着工程において、平面視したとき1個所当たりの面積が1mm
2〜100mm
2となるように溶着部10を形成することが好ましく、平面視したときの面積が1mm
2〜25mm
2となるように溶着部10を形成することがより好ましい。
【0048】
(V)<電気的接続工程>
電気的接続工程では、積層方向にプレスし、硬化させるか、加熱し接着しなかった一端縁R1において、図7Aに示すように隣接するセルC,C間に跨る切欠15を形成し、図7Bに示すようにこの切欠15,15・・・に導通部材16,16・・・を配して複数のセルC,C間を直列接続させる。その後、一端縁R1を加熱プレスにより接着してこの一側端R1を閉口する。
以上により、注液孔形成用部材19が配された位置を除いて第1電極5と第2電極9とが端縁R1〜R4において接着される。
【0049】
(VI)<注液孔形成工程>
注液孔形成工程では、図8に示すように、第一基板2の端縁から突出させた注液孔形成用部材19,19を引き抜き、セルCを開口させて電解液を注入可能な注液孔17,17・・・を形成する。
以上の工程により、第1電極5と第2電極9との間にセルC,C・・・が形成された接合体1aが得られる。
【0050】
(VII)<注液工程>
注液工程では、前述した工程で得られた第1電極5と第2電極9との接合体1aを減圧雰囲気下に置き、電解液13を保持した容器(不図示)に注液孔17,17を浸漬させて真空引きにより電解液13をセルC内に注入する。
【0051】
(VIII)<注液孔封止工程>
その後、注液孔封止工程では、電解液13の注入後に注液孔17,17・・・を接着剤等で閉口してセルCを封止し、複数のセルC,C・・・が直列接続された図9A,図9Bに示す色素増感型太陽電池1Aを得る。
【0052】
以上のように、本実施形態の色素増感型太陽電池1Aの製造方法によれば、セルCにおいて、第一基板2の板面2aと第二基板6の板面6aとが直接当接する溶着部10を形成する溶着工程を有するため、溶着工程において形成した溶着部10により、セルC内における電解液13の偏りを防止することができる。これにより、第1電極5と第2電極9間に所定量の電解液13を存在させることができるため、色素増感型太陽電池1Aの発電効率が低下することを防止できる。
【0053】
第1電極5と第2電極9とを貼り合わせた後に、超音波振動を用いてパターニングを行うため、パターニングおよび溶着位置Pが一致する。したがって、セルC,C間の区画を容易かつ的確に行うことができるという効果が得られる。
本実施形態の色素増感型太陽電池1Aの製造方法により製作された複数のセルC,C・・・を有する色素増感型太陽電池1Aによれば、セルC,C同士の間を、封止材を用いずに絶縁した上で絶縁された箇所を溶着して分割することができる。そのため、材料コストを削減できるとともに、電解液13が封止材11に触れることにより劣化することを抑制することができるという効果が得られる。
【0054】
本実施形態においては、セパレータ12を介在させた状態で透明導電膜3と対向導電膜7とを対向させるように、第2電極9を第1電極5に当接させている。これは、分割工程において、パターニング箇所Pおよびその近傍に第1電極5と第2電極9とが接触する部分が生じると、当該接触部分において通電し、電池がショートすることがあるためである。
しかしながら、本発明においては、超音波振動を用いてパターニングを行うため、パターニング箇所Pの互いに対向する位置において透明導電膜3、半導体層4、対向導電膜7および触媒層8にクラックが生じる。また、パターニング箇所Pの近傍にもクラックが生じる。そのため、パターニング箇所Pおよびその近傍において、第1電極5と第2電極9とが接触する部分が生じない。したがって、本発明においては、セパレータ12を用いない場合であっても、パターニング箇所Pにおいて確実に第1電極5および第2電極9の絶縁を行うことができるため、電池がショートすることがない。
【0055】
(第2の実施形態)
次に、色素増感型太陽電池1Aの製造方法の第2の実施形態について、図10を用いて説明する。
本実施形態では、上述した第1の実施形態と同様の構成および工程については同一の符号を用いてその構成および工程の説明を省略し、第1の実施形態と異なる構成および工程についてのみ説明する。
本実施形態の色素増感型太陽電池1Aの製造方法は、(I)電極板形成工程から(III)分割工程までを、複数の半導体層4が形成されロール状に巻回された長尺な帯状の第1電極5と同様にロール状に巻回された長尺な帯状の第2電極9とを用いて各工程の作業を連続的に行い、色素増感型太陽電池1Aを製造する点で第1の実施形態の色素増感型太陽電池1Aの製造方法と異なっている。
【0056】
(I)電極板形成工程
第1電極5は、ロール状に巻回された帯状の第一基板2を一方向(矢印L方向)に引き出し、所定の位置で板面2aの全体に透明導電膜3を成膜し、さらに透明導電膜3の成膜位置より下流側で透明導電膜3の表面3aに、端縁(外周)R1〜R4を残して半導体層4を矢印L方向に間歇的に設けて製作する。半導体層4における増感色素の吸着は、例えば、スプレー塗布により行うことができる。
第2電極9は、ロール状に巻回された帯状の第二基板6を一方向(矢印L方向)と反対方向に引き出し、所定の位置で板面6aの全体に対向導電膜7を成膜し、さらに対向導電膜7の成膜位置よりも下流側で対向導電膜7の表面7aの全体に触媒層8を成膜することにより製作する。
【0057】
(II)<封止工程>
「封止材および注液孔形成用部材の配置」
封止材11の配置には、第一基板2上に所定の間隔をおいて間歇的に形成された半導体層4を1つずつ囲繞するように枠状に形成されたシート状のものを用いる。この枠状の封止材11で区画された領域が色素増感型太陽電池1Aの1単位Tとなる。
注液孔形成用部材19は、帯状の第一基板2の一端縁に沿って延在する封止材11上に前記第1の実施形態で示したとおりに配置する。
【0058】
「基板の貼り合せ」
のようにして形成された帯状の第1電極5および第1電極5に配された封止材11に、帯状に引き出したセパレータ12を配し、セパレータ12を配した下流側で、さらに帯状の第2電極9を配する。第2の実施態様においても、第1の実施態様と同様の理由により、セパレータ12は用いなくてもよい。
【0059】
「接着工程」
接着工程を、第1の実施形態と同様に行う。
【0060】
(III)<分割工程>
分割工程では、封止材11の枠内を第1電極5および第2電極9の延在方向に分割するように矢印L方向に直交する方向に超音波振動を付与し、第1電極5と第2電極9との間に複数のセルC,C・・・を形成する。(III)分割工程は、第1の実施形態と同様にして行う。
【0061】
(IV)<溶着工程>
溶着工程では、セルCにおける、パターニング箇所P,Pおよび封止材11が設けられていない部分において、透明導電膜3が成膜された第一基板2の裏面2bまたは対向導電膜7が成膜された第二基板6の裏面6bのいずれか一方から超音波振動を付与し、導体層4を囲繞するように配置された封止材11およびパターニング箇所Pからなる枠内に、第一基板2の板面2aと第二基板6の板面6aとが直接当接した溶着部10を形成する。
【0062】
(IV)溶着工程は、第1の実施形態と同様にして行う。
その後、(V)電気的接続工程の前または後に(VI)切断工程を行う。
切断工程は、一の色素増感型太陽電池1Aの単位T毎に互いに貼着された第1電極5と第2電極9とを切断して行う。
(V)電気的接続工程、(VII)注液孔形成工程、(VIII)注液工程および(IX)注液孔封止工程は、第1の実施形態での方法と同様に行う。(VII)注液孔形成工程は、(VI)切断工程の前に行われてもよい。
【0063】
以上のようにして色素増感型太陽電池1Aの製造を、1つの色素増感型太陽電池1A毎ではなく、長尺な帯状の第一基板2および長尺な帯状の第二基板6において各工程の作業を連続的に行い、その後、帯状の第1電極5と第2電極9とを貼り合わせた上で、図8に示す複数の接合体1aまたは図10に示す色素増感型太陽電池1Aを1つずつに切断することにより、効率的に色素増感型太陽電池1Aを製作することができるという効果が得られる。
【0064】
帯状の第1電極5と第2電極9とを貼り合せて封止する工程および複数のセルC,C・・・を形成する工程においても、これら第1電極5と第2電極9との位置決めを考慮することなく簡便に封止し、またはセルC,C間を極めて簡便に絶縁および溶着することができる。そのため、色素増感型太陽電池1Aの連続的な製造においても非常に効率的となるという効果が得られる。
【0065】
第1の実施形態および第2の実施形態においては、色素増感型太陽電池1A毎の第1電極5と第2電極9との間の封止を、封止材11を用いて行う構成とした。第1の実施形態および第2の実施形態においては、封止材11による封止に代えて、超音波振動を付与して第1電極5と第2電極9との間を絶縁および封止して色素増感型太陽電池1Aを形成してもよい。
この場合、色素増感型太陽電池1Aの製作おいて、枠状の封止材11を、半導体層4を囲繞するように配置するという作業を省いて、超音波溶着によって、より簡便に封止することができるという効果が得られる。また、電解液を塗布した後に貼り合わせを行うことにより、注入孔を無くすことができる。その場合、注入孔を考慮せず任意の場所で溶着処理が可能となる。
【0066】
実施形態においては、注液孔形成用部材19を配する位置と導通材を配する位置とを端縁R1,R2とで異ならせている。注液孔形成用部材19と導通材とを適切に配置することができる限り、注液孔形成用部材19を配する位置と導通材を配する位置はR1,R2のいずれか一方に隣り合うように配置されていてもよい。
実施形態では、導通材を配する位置を端縁R1か端縁R2のいずれかとしたが、端縁R1,R2の両側に導通材を配してセルC,C間を並列接続させたものであってもよい。
【0067】
(第3の実施形態)
次に、色素増感型太陽電池1Aの製造方法の第3の実施形態について、図11を用いて説明する。
本実施形態では、上述した第2の実施形態と同様の構成および工程については同一の符号を用いてその構成および工程の説明を省略し、第2の実施形態と異なる構成および工程についてのみ説明する。
本実施形態の色素増感型太陽電池1Bの製造方法では、(I)電極板形成工程から(III)溶着工程までを、半導体層4が一方向に連続して形成された長尺な帯状の第1電極5と長尺な帯状の第2電極9とを用いて各工程の作業を連続的に行う。貼り合わされた第1電極5および第2電極9を絶縁、溶着および切断工程を超音波振動の付与によって同時に行い、各セルを互いに封止および分離させる点で第2の実施形態の色素増感型太陽電池1Aの製造方法と異なっている。
【0068】
(I)電極板形成工程
した第2の実施形態では、透明導電膜3の表面3aに、端縁(外周)R1〜R4を残して半導体層4を矢印L方向に間歇的に設けて製作した。本実施形態では、端縁R1,R2を残して半導体層4を透明導電膜3の表面3aに連続して(いわゆるべた塗りで)形成する。
【0069】
(II)<貼り合わせ工程>
した第2の実施形態では、間歇的に形成された半導体層4を1つずつ囲繞するように枠状に形成されたシート状のものを第1電極5の表面に配し、第2電極9と貼り合わせた。本実施形態では、封止材11を第1電極5または第2電極9の端縁R1,R2に沿って、すなわち幅方向両端であって、これらの延在する方向に帯状に配し、第1電極5と第2電極9とを貼り合わせ接着する。本実施態様においても、セパレータ12は用いなくてもよい。第1の実施形態において説明したように、本発明においては、超音波振動を用いてパターニングを行う。そのため、パターニング箇所Pの互いに対向する位置において透明導電膜3、半導体層4、対向導電膜7および触媒層8にクラックが生じる。また、パターニング箇所Pの近傍にもクラックが生じる。ゆえに、パターニング箇所Pおよびその近傍において、第1電極5と第2電極9とが接触する部分が生じない。したがって、本発明においては、セパレータ12を用いない場合であっても、パターニング箇所Pにおいて確実に第1電極5および第2電極9の絶縁を行うことができるため、電池がショートすることがない。
【0070】
そして、貼り合わされた第1電極5および第2電極9の延在方向に直交(交叉)する方向に亘る絶縁、溶着を超音波振動の付与により同時に行う。
絶縁、溶着に加えて切断も同時に行ってもよい。以下では、絶縁、溶着に加えて切断も同時に行う場合について説明する。
この際、超音波振動の付与による第1電極5と第2電極9との絶縁、溶着および切断には、貼り合わされた第1電極5と第2電極9の幅寸法よりも長尺に形成されたホーン20が用いられ、絶縁、溶着および切断される箇所の全体に同時に超音波振動が付与され、同時に絶縁、溶着および切断される。
L方向に導通材が配されている場合、ホーン20が導通材を跨ぐ構成とすれば、導通材を破壊することなく第1電極5および第2電極9の絶縁、溶着および切断を超音波振動の付与により同時に行うことができる。なお、第1または第2の実施形態においても、L方向に導通材が配されている場合、ホーン20が導通材を跨ぐ構成とすることができる。また、ホーン20が導通材を跨がない構成とすれば、導通材が破壊され、電気的絶縁を取ることができる。なお、第1または第2の実施形態においても、第3の実施形態と同様の理由により、ホーン20が導通材を跨がない構成とすることができる。
本実施形態によれば、電解液を塗布した後に貼り合わせを行うことにより、注入孔を無くすことができる。その場合、注入孔を考慮せず任意の場所で溶着処理が可能となる。
【0071】
以上のように、電極板形成工程および第1電極および第2電極の絶縁、溶着および切断工程をのように行うことにより、絶縁、溶着および切断工程を同時に行って製造工程を削減することができるという効果が得られる。
第1電極の透明導電膜3および半導体層4を第一基板の延在する方向に連続して成膜し、第2電極の対向導電膜7および触媒層8を第二基板6の延在する方向に連続して成膜し、膜が一様な状態(パターニングされていない状態)で第1電極5と第2電極9とを貼り合せることができる。そのため、第1電極5および第2電極9の延在方向の位置合わせを考慮する必要がなく、任意の位置においてセルまたは電気モジュールを分離することが可能となる。したがって、第1電極5と第2電極9との貼り合わせを容易に行うことができ、かつ、色素増感型太陽電池1Bの製造時間を大幅に圧縮することができるという効果が得られる。
【0072】
第1電極5および第2電極9をロール状に巻回し両者を一方向に延在させて諸工程を連続的に行う、いわゆるRoll to Roll生産を行うことが容易となるため、色素増感型太陽電池1Bの生産性を向上させることができるという効果が得られる。
【0073】
さらに、電極板形成工程において、色素増感型太陽電池1Bの寸法を予め決定して封止材を配しておく必要がなく、第1電極5および第2電極9を形成しこれらを延在方向に貼り合せた後で超音波振動によって延在方向に交叉する方向に亘って同時に絶縁、溶着および切断することができる。したがって、電極板形成工程で形成された第1電極5および第2電極9の設計によって色素増感型太陽電池1Bの一方向における寸法が拘束されることがなく、超音波振動の付与時に色素増感型太陽電池1Bの寸法を任意に設定することができるという効果が得られる。
【0074】
本実施形態の製造方法によれば、電解質を第1電極5の半導体層4の上部等に塗工あるいは充填させ、続いて、第1電極5と第2電極9とを対向配置させて一のモジュールとし、その後、この一のモジュールに対し超音波振動により同時に絶縁、溶着および切断して複数の色素増感型太陽電池1Bに再分化することも可能である。このような手法を取ることで、自動生産性が高まり、生産性がさらに改善される。
【0075】
本実施形態において、第1電極5および第2電極9の延在方向Lに交叉する方向(すなわち幅方向)の絶縁、溶着および切断は、超音波振動を付与することにより第一基板2と第二基板6との互いに対向する板面2a,6aを当接させて溶着し、さらに局所的に加熱することによって切断したが、その後、さらに切断箇所を含む色素増感型太陽電池1Bの周に熱可塑性樹脂を配し、色素増感型太陽電池1Bの内部を二重に封止して液密性を向上させるとなおよい。
【0076】
本実施形態において、封止材11をもって第1電極5と第2電極9とを貼り合わせた箇所についても超音波振動によって溶着してもよい。
本実施形態において、第1電極5および第2電極9にパターニングされた処理が施されていないが、半導体層4が複数並列となるように、長手延在方向Lに並行な複数のパターンに分割されていてもよく(図12参照)、長手延在方向Lと直交方向にパターニングされていてもよい。また、複数のパターン同士が直列もしくは並列に接続されていてもよい。その場合においても、L方向に第1電極5および第2電極9のフィルム搬送方向に関する位置合わせが不要という本発明の効果を奏する。図12においては、半導体層4が3つ並列となる実施形態を示したが、本発明はこれに限定されず、半導体層4を所望数のパターンに分割することが可能である。分割後のセルを電気的に接続することにより、簡易かつ効率的に電気モジュールを製造することができる。
【0077】
さらに、本実施形態において、第1電極5および第2電極9の延在方向Lに交叉する方向(すなわち幅方向)の封止、絶縁および切断は、超音波振動を付与することにより第一基板2と第二基板6との互いに対向する板面2a,6aを当接すなわち絶縁させて溶着した上で、ホーンの先端を用いて機械的に切断してもよい。
【0078】
第1または第2の実施形態で示された超音波振動の付与による第1電極5と第2電極9との溶着方法と第3の実施形態による第1電極5と第2電極9との絶縁、溶着および切断方法とを適宜組み合わせて色素増感型太陽電池1A,1Bを製造することもできる。例えば、第3の実施形態では、セルC単位で第1電極5と第2電極9との絶縁、溶着および切断を行ったが、セルC,C間を絶縁および溶着し、色素増感型太陽電池1B毎に第1電極5と第2電極9との絶縁、溶着および切断を行うようにしてもよい。
【実施例】
【0079】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0080】
[比較例]
透明導電基材として、ITO膜が形成されたポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。このフィルムのITO膜が形成された面上に、スクリーン印刷法によってペクセル社製の低温成膜用酸化チタンペーストを塗布し、大気雰囲気下150℃で10分間焼成し、膜厚10μm、長さ1m、幅50mmの酸化チタン多孔質膜(半導体層)を形成した。その後、幅方向に沿って間隔を置いて2つ形成し、第1電極を作製した。
この第1電極における酸化チタン多孔質膜側の端縁に、封止材を枠状に配置し、この封止材を介して、第2電極としての触媒としてPtを有するITO膜を形成したポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせ、第1電極と第2電極の間の空間を封止したセルを形成した。封止材は、第1電極における酸化チタン多孔質膜毎に枠状に配置して、酸化チタン多孔質膜毎にセルが分割されるようにした。また、第1電極における酸化チタン多孔質膜と第2電極におけるITO膜とが対向するように、第1電極と第2電極を配置した。直列構造となるようにITO膜には所定の絶縁加工を施した。
以上の工程により、比較例の太陽電池前駆体を作製した。
封止材としては、東亜合成社製のホットメルト接着材であるアロンメルト(商品名)を用いた。直列配線材としては、積水化学工業社製の導電性微粒子ミクロパール(商品名)を用いた。
第1電極と第2電極からなるセル内に、第2電極に予め空けておいた注入孔から電解液を注入し、セル内に電解液を充填した。その後、注入孔を接着剤で封止して、2つのセルを有する長さ1mの比較例の太陽電池を得た。
この太陽電池を、酸化チタン多孔質膜の長さが鉛直方向に沿うように吊下げて、24時間放置した。
24時間後、太陽電池内において、電解液が鉛直下方に溜まるとともに、封止材が第1電極と第2電極の間で部分的に剥離し、それぞれのセル内に存在するべき電解液が、他のセル内に移行し、セル内において電解液の偏りが生じていた。すなわち、封止材が封止機能を十分に果たしていなかった。
これにより電池としての性能も著しく低下し、10%より大きい出力低下が見られた。
【0081】
[実施例1]
比較例1と同様にして、太陽電池前駆体を作製した。
太陽電池前駆体のセルにおける、封止材が設けられていない部分の幅方向の中央部に、ITO膜が成膜された第1電極の裏面から、接触面の形状が円形、直径1mmのホーンを備えた超音波融着機(ユーシージャパン社製)のホーンにより、超音波振動を付与し、第1電極のポリエチレンテレフタレートフィルムと第2電極のポリエチレンテレフタレートフィルムとが直接当接した溶着部を形成した。2つのセルにわたり、50mm×52mmの面積範囲に、直径1mmの溶着部を等間隔(18個×18個)に324個形成した。
溶着部を形成した太陽電池前駆体のセル内に、比較例と同様にして電解液を注入し、セル内に電解液を充填した後、注入孔を接着剤で封止して、実施例1の太陽電池を得た。
この太陽電池を、酸化チタン多孔質膜の長さが鉛直方向に沿うように吊下げて、24時間放置した。
24時間後、太陽電池内において、電解液が鉛直下方に溜まることなく、セル内において電解液の偏りがなかった。すなわち、封止材が封止機能を十分に果たしていた。
また、電池としての性能の低下は少なく、出力低下は10%以下であった。
また、ユーシージャパン社製の超音波融着機の代わりに、直径1mmのホーンを備えたハンドユニット型の超音波融着機、または、直径1mmのホーンを備えたブランソン社製の超音波融着機を用いても、セル内において電解液の偏りがなく、封止材が封止機能を十分に果たしていた。
【0082】
[実施例2]
比較例と同様にして、太陽電池前駆体を作製した。
太陽電池前駆体のセルにおける、封止材が設けられていない部分の幅方向の中央部に、ITO膜が成膜された第1電極の裏面から、接触面の形状が円形、直径1mmのホーンを備えた超音波融着機(ユーシージャパン社製)のホーンにより、超音波振動を付与し、第1電極のポリエチレンテレフタレートフィルムと第2電極のポリエチレンテレフタレートフィルムとが直接当接した溶着部を形成した。2つのセルにわたり、50mm×52mmの面積範囲に、直径1mmの溶着部をランダムに324個形成した。
溶着部を形成した太陽電池前駆体のセル内に、比較例と同様にして電解液を注入し、セル内に電解液を充填した後、注入孔を接着剤で封止して、実施例2の太陽電池を得た。
この太陽電池を、酸化チタン多孔質膜の長さが鉛直方向に沿うように吊下げて、24時間放置した。
24時間後、太陽電池内において、電解液が鉛直下方に溜まることなく、セル内において電解液の偏りがなかった。すなわち、封止材が封止機能を十分に果たしていた。
また、電池としての性能の低下は少なく、出力低下は10%以下であった。
また、ユーシージャパン社製の超音波融着機の代わりに、直径1mmのホーンを備えたハンドユニット型の超音波融着機、または、直径1mmのホーンを備えたブランソン社製の超音波融着機を用いても、セル内において電解液の偏りがなく、封止材が封止機能を十分に果たしていた。
【0083】
[実施例3]
比較例と同様にして、太陽電池前駆体を作製した。
太陽電池前駆体のセルにおける、封止材が設けられていない部分の幅方向の中央部に、ITO膜が成膜された第1電極の裏面から、接触面の形状が円形、直径3mmのホーンを備えた超音波融着機(ユーシージャパン社製)のホーンにより、超音波振動を付与し、第1電極のポリエチレンテレフタレートフィルムと第2電極のポリエチレンテレフタレートフィルムとが直接当接した溶着部を形成した。2つのセルにわたり、50mm×52mmの面積範囲に、直径3mmの溶着部を等間隔(10個×10個)に100個形成した。
溶着部を形成した太陽電池前駆体のセル内に、比較例と同様にして電解液を注入し、セル内に電解液を充填した後、注入孔を接着剤で封止して、実施例3の太陽電池を得た。
この太陽電池を、酸化チタン多孔質膜の長さが鉛直方向に沿うように吊下げて、24時間放置した。
24時間後、太陽電池内において、電解液が鉛直下方に溜まることなく、セル内において電解液の偏りがなかった。すなわち、封止材が封止機能を十分に果たしていた。
また、電池としての性能の低下は少なく、出力低下は10%以下であった。
また、ユーシージャパン社製の超音波融着機の代わりに、直径3mmのホーンを備えたハンドユニット型の超音波融着機、または、直径3mmのホーンを備えたブランソン社製の超音波融着機を用いても、セル内において電解液の偏りがなく、封止材が封止機能を十分に果たしていた。
【0084】
[実施例4]
比較例と同様にして、太陽電池前駆体を作製した。
太陽電池前駆体のセルにおける、封止材が設けられていない部分の幅方向の中央部に、ITO膜が成膜された第1電極の裏面から、接触面の形状が円形、直径5mmのホーンを備えた超音波融着機(ユーシージャパン社製)のホーンにより、超音波振動を付与し、第1電極のポリエチレンテレフタレートフィルムと第2電極のポリエチレンテレフタレートフィルムとが直接当接した溶着部を形成した。2つのセルにわたり、50mm×52mmの面積範囲に、直径5mmの溶着部を等間隔(8個×8個)に64個形成した。
溶着部を形成した太陽電池前駆体のセル内に、比較例と同様にして電解液を注入し、セル内に電解液を充填した後、注入孔を接着剤で封止して、実施例4の太陽電池を得た。
この太陽電池を、酸化チタン多孔質膜の長さが鉛直方向に沿うように吊下げて、24時間放置した。
24時間後、太陽電池内において、電解液が鉛直下方に溜まることなく、セル内において電解液の偏りがなかった。すなわち、封止材が封止機能を十分に果たしていた。
また、電池としての性能の低下は少なく、出力低下は10%以下であった。
また、ユーシージャパン社製の超音波融着機の代わりに、直径5mmのホーンを備えたハンドユニット型の超音波融着機、または、直径5mmのホーンを備えたブランソン社製の超音波融着機を用いても、セル内において電解液の偏りがなく、封止材が封止機能を十分に果たしていた。
【0085】
[実施例5]
比較例と同様にして、太陽電池前駆体を作製した。
太陽電池前駆体のセルにおける、封止材が設けられていない部分の幅方向の中央部に、ITO膜が成膜された第1電極の裏面から、接触面の形状が円形、直径10mmのホーンを備えた超音波融着機(ユーシージャパン社製)のホーンにより、超音波振動を付与し、第1電極のポリエチレンテレフタレートフィルムと第2電極のポリエチレンテレフタレートフィルムとが直接当接した溶着部を形成した。2つのセルにわたり、50mm×52mmの面積範囲に、直径10mmの溶着部を等間隔(6個×5個)に30個形成した。
溶着部を形成した太陽電池前駆体のセル内に、比較例と同様にして電解液を注入し、セル内に電解液を充填した後、注入孔を接着剤で封止して、実施例5の太陽電池を得た。
この太陽電池を、酸化チタン多孔質膜の長さが鉛直方向に沿うように吊下げて、24時間放置した。
24時間後、太陽電池内において、電解液が鉛直下方に溜まることなく、セル内において電解液の偏りがなかった。すなわち、封止材が封止機能を十分に果たしていた。
また、電池としての性能の低下は少なく、出力低下は10%以下であった。
また、ユーシージャパン社製の超音波融着機の代わりに、直径10mmのホーンを備えたハンドユニット型の超音波融着機、または、直径10mmのホーンを備えたブランソン社製の超音波融着機を用いても、セル内において電解液の偏りがなく、封止材が封止機能を十分に果たしていた。
【0086】
「実施例6」
比較例と同様にして、太陽電池前駆体を作製した。
太陽電池前駆体のセルにおける、封止材が設けられていない部分の幅方向の中央部に、ITO膜が成膜された第1電極の裏面とITO膜が成膜された第2電極の裏面から、接触面の形状が一辺の長さが1mmの正方形のホーンを備えた超音波融着機(ユーシージャパン社製)のホーンにより、超音波振動を付与し、第1電極のポリエチレンテレフタレートフィルムと第2電極のポリエチレンテレフタレートフィルムとが直接当接した溶着部を形成した。2つのセルにわたり、50mm×52mmの面積範囲に、一辺の長さが1mmの正方形の溶着部を等間隔(18個×18個)に324個形成した。
溶着部を形成した太陽電池前駆体のセル内に、比較例と同様にして電解液を注入し、セル内に電解液を充填した後、注入孔を接着剤で封止して、実施例6の太陽電池を得た。
この太陽電池を、酸化チタン多孔質膜の長さが鉛直方向に沿うように吊下げて、24時間放置した。
24時間後、太陽電池内において、電解液が鉛直下方に溜まることなく、セル内において電解液の偏りがなかった。すなわち、封止材が封止機能を十分に果たしていた。
また、電池としての性能の低下は少なく、出力低下は10%以下であった。
また、ユーシージャパン社製の超音波融着機の代わりに、一辺の長さが1mmの正方形のホーンを備えたハンドユニット型の超音波融着機、または、一辺の長さが1mmの正方形のホーンを備えたブランソン社製の超音波融着機を用いても、セル内において電解液の偏りがなく、封止材が封止機能を十分に果たしていた。
【0087】
「実施例7」
比較例と同様にして、太陽電池前駆体を作製した。
太陽電池前駆体のセルにおける、封止材が設けられていない部分の幅方向の中央部に、ITO膜が成膜された第1電極の裏面とITO膜が成膜された第2電極の裏面から、接触面の形状が1mm×2mmの長方形のホーンを備えた超音波融着機(ユーシージャパン社製)のホーンにより、超音波振動を付与し、第1電極のポリエチレンテレフタレートフィルムと第2電極のポリエチレンテレフタレートフィルムとが直接当接した溶着部を形成した。2つのセルにわたり、50mm×52mmの面積範囲に、1mm×2mmの長方形の溶着部を等間隔(10個×10個)に100個形成した。
溶着部を形成した太陽電池前駆体のセル内に、比較例と同様にして電解液を注入し、セル内に電解液を充填した後、注入孔を接着剤で封止して、実施例7の太陽電池を得た。
この太陽電池を、酸化チタン多孔質膜の長さが鉛直方向に沿うように吊下げて、24時間放置した。
24時間後、太陽電池内において、電解液が鉛直下方に溜まることなく、セル内において電解液の偏りがなかった。すなわち、封止材が封止機能を十分に果たしていた。
また、電池としての性能の低下は少なく、出力低下は10%以下であった。
また、ユーシージャパン社製の超音波融着機の代わりに、1mm×2mmの長方形のホーンを備えたハンドユニット型の超音波融着機、または、1mm×2mmの長方形のホーンを備えたブランソン社製の超音波融着機を用いても、セル内において電解液の偏りがなく、封止材が封止機能を十分に果たしていた。
【0088】
「実施例8」
実施例5で作製した太陽電池前駆体において、酸化チタン多孔質膜の長さが鉛直方向に沿うように吊下げた状態で下方に相当する部分の下端から、40mmの位置に直径10mmの溶着部を1つ追加して形成した。
溶着部を形成した太陽電池前駆体のセル内に、比較例と同様にして電解液を注入し、セル内に電解液を充填した後、注入孔を接着剤で封止して、実施例8の太陽電池を得た。
この太陽電池を、酸化チタン多孔質膜の長さが鉛直方向に沿うように吊下げて、24時間放置した。
24時間後、太陽電池内において、電解液が鉛直下方に溜まることなく、セル内において電解液の偏りがなかった。すなわち、封止材が封止機能を十分に果たしていた。
また、電池としての性能の低下は少なく、出力低下は10%以下であった。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、色素増感型太陽電池等の電気モジュールの分野で利用可能である。
【符号の説明】
【0090】
1A 色素増感型太陽電池
2 第一基板
3 透明導電膜
4 半導体層
5 第1電極
6 第二基板
7 対向導電膜
8 触媒層
9 第2電極
10 溶着部
11 封止材
12 セパレータ
13 電解液
15 切欠
16 導通部材
17 注液孔
19 注液孔形成用部材
20 ホーン
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【国際調査報告】