再表2018-159598IP Force 特許公報全文掲載

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年9月7日
【発行日】2019年12月12日
(54)【発明の名称】屋外用画像照射装置およびこれを備える移動体
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/01 20060101AFI20191115BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20191115BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20191115BHJP
【FI】
   G02B27/01
   G02B5/30
   B60K35/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
【出願番号】特願2019-503013(P2019-503013)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年2月27日
(31)【優先権主張番号】特願2017-35810(P2017-35810)
(32)【優先日】2017年2月28日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003029
【氏名又は名称】特許業務法人ブナ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保 善則
【テーマコード(参考)】
2H149
2H199
3D344
【Fターム(参考)】
2H149AA17
2H149AB13
2H149BA02
2H149DA04
2H149DA05
2H149DA12
2H149DB38
2H149EA02
2H149FA43Y
2H149FD09
2H149FD47
2H199DA03
2H199DA13
2H199DA15
2H199DA19
2H199DA23
2H199DA43
2H199DA48
3D344AA03
3D344AA08
3D344AA21
3D344AC25
(57)【要約】
画像光を出射する画像光出射デバイス(2,3)からの光路上において順に、偏光子(4)、サファイアからなる波長板(4)、が位置している、屋外用画像照射装置(1)、及び、この屋外用画像照射装置(1)を備える移動体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像光を出射する画像光出射デバイスと、偏光子と、波長板とを備え、
前記画像光出射デバイスからの光路上において順に、前記偏光子、前記波長板が位置しており、前記波長板がサファイアからなる屋外用画像照射装置。
【請求項2】
前記波長板が、1/2波長板である請求項1に記載の屋外用画像照射装置。
【請求項3】
前記波長板が、1/4波長板である請求項1に記載の屋外用画像照射装置。
【請求項4】
前記波長板の主面がサファイアのa面である請求項1乃至3のいずれかに記載の屋外用画像照射装置。
【請求項5】
前記波長板の主面がサファイアのm面である請求項1乃至3のいずれかに記載の屋外用画像照射装置。
【請求項6】
前記偏光子が前記波長板に当接して位置している請求項1乃至5のいずれかに記載の屋外用画像照射装置。
【請求項7】
前記波長板の厚みが、0.1mm以上0.5mm以下である請求項1乃至6のいずれかに記載の屋外用画像照射装置。
【請求項8】
前記波長板の200〜400nmの波長領域における透過率の平均値が、400〜800nmの波長領域における透過率の平均値よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の屋外用画像照射装置。
【請求項9】
前記波長板は、205〜260nmの波長領域に吸収帯を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の屋外用画像照射装置。
【請求項10】
前記波長板を前記光路上の位置と前記光路外の位置との間で移動させる移動機構を備えた請求項1乃至9のいずれかに記載の屋外用画像照射装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかに記載の屋外用画像照射装置を備えることを特徴とする移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
車載用ヘッドアップディスプレイ装置などの屋外用画像照射装置およびこれを備える移動体
【背景技術】
【0002】
液晶パネルなどに表示した画像情報をフロントガラスなどに照射し、反射した画像情報を搭乗者に視認させる、屋外用画像照射装置が提案されている。このような屋外用画像照射装置は、ヘッドアップディスプレイ装置(以下、単にHUD装置とも記載する)とも呼ばれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−113197号公報
【特許文献2】特開2012−103331号公報
【発明の概要】
【0004】
本開示の屋外用画像照射装置は、画像光を出射する画像光出射デバイスと、偏光子と、波長板とを備え、画像光出射デバイスからの光路上において順に、偏光子、波長板が位置しており、前記波長板がサファイアからなる。また、本開示の移動体は、前述の屋外用画像照射装置を備える。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】第1の屋外用画像照射装置の概略図である。
【図2】第2の屋外用画像照射装置の概略図である。
【図3】第3の屋外用画像照射装置の概略図である。
【図4】第4の屋外用画像照射装置の概略図である。
【図5】サファイアの結晶構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示の屋外用画像照射装置について、移動体用画像照射装置である車載用のHUD装置を例として、図を参照しながら説明する。図1は、第1のHUD装置1の概略図である。HUD装置1は、画像光出射デバイスAと、偏光子4と、サファイアからなる波長板5とを備える。画像光出射デバイスAは、光源2と、画像形成部3とを備える。偏光子4は、画像形成部3からの画像光を偏光するものである。また、図1においては、鏡6と、出射窓7とを有する例を示しており、光源2からの出射光を含む画像光の出射光路Lを図中において一転鎖線の矢印で示している。
【0007】
HUD装置は、ダッシュボードに埋め込む形で搭載されるのが一般的である。太陽光がHUD装置に入射して、光路上に配置された鏡やレンズによって集光されて波長板に達して、紫外線を浴びたり、集光された太陽光により波長板が高温となったりした場合、波長板の機能が低下し、視認性を維持できなくなるおそれがある。
【0008】
第1のHUD装置1は、出射光路Lにおいて、画像光出射デバイスA、偏光子4、波長板5の順に位置している。このような構成を満たすHUD装置1は、画像光出射デバイスAからの光が偏光子4で偏光され、偏光された光の偏光方向が波長板5によって垂直方向の偏光成分が多くなるように調整されるため、偏光サングラスによる視認性の低下が少ない。そして、第1のHUD装置1においては、波長板5が、紫外線に対して劣化せず、耐熱性に優れたサファイアからなることから、太陽光による波長板5の機能低下が少ないため、長期間にわたって使用することができる。
【0009】
本開示のHUD装置1における波長板5がサファイアからなるのに対し、波長板が樹脂製である場合には、紫外線や熱などにより、波長板が劣化するおそれがあるまた、本開示のHUD装置1における波長板5は、樹脂よりも熱に強い水晶と比べても、熱伝導率が高く強度も高いため、波長板5の温度上昇を、抑制をすることができる。そのため、温度上昇による熱膨張や熱応力に起因する偏光方向のずれなどの波長板5の機能低下も生じにくく、熱応力に起因する波長板5の破損も生じにくい。
【0010】
波長板5とは、直交する偏光成分の間に位相差を生じさせる機能を有する複屈折素子のことであり、位相板とも呼ばれる。本実施形態における波長板5の機能は、偏光子4から出射された画像光を、搭乗者が偏光サングラスをかけている場合の視認性が向上するように偏光方向を変えることにある。通常、偏光サングラスは水平方向の偏光成分を遮断し、垂直方向の偏光成分を透過させるように設計されているので、例えば、水平方向の偏光成分を多く含む光を垂直方向の偏光成分を多く含む光に変換する。
【0011】
そして、波長板5としては、1/2波長板を用いてもよい。1/2波長板とは、位相差π(180°)を生じるものであり、直線偏光の偏光方向を変えるために用いるものである。波長板5として1/2波長板を用いたときには、水平方向の偏光成分を偏光サングラスの透過率が高い垂直方向の偏光成分に変えることができるため、画像情報の視認性が高くなる。なお、1/2波長板は、偏光方向と後述する高速軸とのなす角を変えることで偏光方向を任意に変えることができるため、水平方向の偏光成分だけでなく、例えば、斜め方向の偏光成分を垂直方向の偏光成分に変えることもできる。偏光子4を透過した光の偏光成分が水平方向から垂直方向の間にある場合には、波長板5による偏光方向の変換角度を90°未満とすることで、斜め方向の偏光成分を垂直方向の偏光成分に変えることができるため、画像情報の視認性が高くなる。
【0012】
また、波長板5として、1/4波長板を用いてもよい。1/4波長板とは、位相差π/2(90°)を生じるものであり、直線偏光を円偏光または楕円偏光に変換するために用いられている。波長板5として、1/4波長板を用いたときには、偏光サングラスを用いた場合の視認性が向上するとともに、角度の依存性を抑制しつつ、垂直方向の偏光成分を増加させることができる。そのため、画像情報と搭乗者の目との相対角度が変わった場合でも、視認性の変化を抑制することができる。
【0013】
いずれの波長板5も、波長板5を透過後の画像光は、波長板5を透過前の画像光に比べて垂直方向の偏光成分が増加する、または偏光方向がより垂直に近くなるように配置され、これにより偏光サングラスをかけていても良好な視認性を維持することができる。
【0014】
そして、波長板5として用いられるサファイアとは、酸化アルミニウムの単結晶のことである。サファイアは、上述の通り耐熱性に優れていることに加え、熱伝導性および放熱性に優れており温度上昇を抑制できる点においても優れている。例えば、水晶の熱伝導率が、6.2〜10.4W/m・Kであるのに対し、サファイアは、42W/m・Kの優れた熱伝導率を有する。
【0015】
図5は、サファイアの結晶構造を示す図である。図5(a)〜(d)にそれぞれ示すように、サファイアは代表的な結晶面として、c面、m面、a面、r面等の結晶面を有する。
【0016】
波長板5として用いるサファイアは複屈折性を有する(屈折率に異方性がある)材料である。複屈折性を有する材料において、屈折率が小さい軸を高速軸、大きい軸を低速軸と記載する。例えば、波長589nmの光に対し、サファイアの屈折率は、c軸方向が1.768であり、c軸と垂直な方向が1.760であるため、この場合、c軸方向が低速軸であり、c軸と垂直な方向が高速軸である。
【0017】
サファイアからなる波長板5は、主面がm面、またはa面であってもよい。主面がm面である場合には、a軸が高速軸、c軸が低速軸となる。また、主面がa面である場合には、m軸が高速軸、c軸が低速軸となる。このような構成とすると波長板5の主面に入射する画像光の光軸は、光学軸(c軸)に垂直となる。このような構成とすると偏光方向の違いによる進行方向のずれが起こらないので、画像のにじみを抑制できる。
【0018】
また、サファイアは、機械的強度にも異方性がある。サファイアの抗折強度は、a面のc軸方向で最大となるため、波長板5が長軸(長辺)方向と短軸(短辺)方向を有する、例えば矩形板状などの形状の場合、波長板5の主面をa面とし、長軸方向をc軸方向とするとよい。
【0019】
また、主面をm面とすると、面方向の抗折強度の異方性が小さいため、例えば円板状の波長板5の主面をm面とするとよい。
【0020】
波長板5は、その構成によって、トゥルーゼロオーダー、マルチオーダー、コンパウンドゼロオーダーの3種類に大別される。
【0021】
トゥルーゼロオーダーの波長板5は、波長シフトや温度変化、あるいは斜入射に対して得られる位相差ずれが生じにくいという利点があり、板厚を薄くできるため、HUD装置1の小型化が可能となる。
【0022】
m面またはa面を主面とするサファイアを用いて波長589nmに対するトゥルーゼロオーダーの1/4波長板5を得るためには、位相差を147.25nmとする必要があるため、板厚を18.4μmとすればよい。また、同様に波長589nmに対するトゥルーゼロオーダーの1/2波長板5を得るためには、位相差を294.5nmとする必要があり、板厚を36.8μmとすればよい。
【0023】
マルチオーダーの波長板5は、板厚を所望に応じて変化させることができるため、実用上問題ない強度の波長板を得ることができる。
【0024】
m面またはa面を主面とするサファイアを用いて波長589nmに対するマルチオーダーの1/4波長板5では、1.25、2.25、3.25波長分の位相差を生じさせるために、板厚を92.0μm、165.7μm、239.3μmとすればよい。波長をλ(m)、低速軸と高速軸の屈折率差をΔN、nを整数とすると、マルチオーダーの1/4波長板5の板厚d(m)は、λ×(n+1/4)/ΔN である。同様に、1/2波長板5では、1.5、2.5、3.5波長分の位相差を生じさせるために、板厚を110.4μm、184.1μm、257.7μmとすればよい。波長をλ(m)、低速軸と高速軸の屈折率差をΔN、nを整数とすると、マルチオーダーの1/2波長板5の板厚d(m)は、λ×(n+1/2)/ΔN である。
【0025】
コンパウンドゼロオーダーの波長板5は、マルチオーダーで製造された2枚のサファイアの光軸を互いに直交するように配置して構成される。このような構成であることにより、それぞれのサファイアで生じる位相差シフト量が互いにより相殺され、得られる位相差に対する波長依存性や温度依存性が少なくなる。また、m面またはa面を主面とするサファイアは、抗折強度に異方性を有するが、コンパウンドゼロオーダーの波長板5は2枚のサファイアを使用して作製するので、抗折強度の異方性の小さい波長板5とすることができる。
【0026】
なお、コンパウンドゼロオーダーの波長板5は、組み合わせる2枚のサファイアの厚みの差をトゥルーゼロオーダーやマルチオーダーの波長板5と同じにすればよい。
【0027】
サファイアからなる波長板5の厚みが0.1mm以上であれば、波長板5として充分な機械的強度と放熱性を有することができる。さらに、厚みが0.5mm以下であれば位相ずれが小さいのでよい。
【0028】
次に、第2の実施形態を示す図2には、図1に示す構造と比較して、波長板5と鏡6との間に拡光部材8を備えている例を示している。図2に示すように、波長板5と鏡6との間に拡光部材8を備えているときには、拡光部材8により画像光を拡大することができる。また、同じ大きさの画像とするためであれば、各部材が小さくて済むため、HUD装置1の小型化を図ることができる。
【0029】
この拡光部材8は、太陽光について見ると、太陽光を集光する機能を有するものであるが、本実施形態のHUD装置1は、波長板5がサファイアからなるため、波長板5の機能低下が小さい。拡光部材8としては、例えば、凸レンズを用いることができる。
【0030】
次に、第3の実施形態を示す図3には、図1における鏡6に凹面鏡10を備えている例を示している。このように、凹面鏡10を備えるときには、凹面鏡10が、鏡6と拡光部材8の両方の機能を有しているため、部材点数を少なくすることができる。
【0031】
また、搭乗者が偏光サングラスを着けていない場合に対応するために、光軸上から光軸外へ波長板5を移動させるための移動機構(図示せず)を備えていてもよい。移動機構はモーターなどを駆動部とするとよい。
【0032】
HUD装置1においては、波長板5だけでなく、偏光子4も、画像光出射デバイスAからの出射光および外光によって加熱される。偏光子4の冷却の観点から、波長板5を偏光子4に当接させてもよい。このような構成を満たすときには、偏光子4を冷却することができる。サファイアからなる波長板5は、外部から侵入した太陽光の一部を遮断することもできるので、外光による偏光子4の損傷を抑制することができる。
【0033】
図1の例のように、偏光子4と波長板5とが当接している場合、両者間の熱の伝達は固体間の熱伝導によって行われるため、偏光子4を冷却する効果が高くなる。波長板5の表面に偏光子4が直接、形成されていてもよく、あるいは接着層を介して両者が接着されていてもよい。
【0034】
また、図1において、波長板5と偏光子4とが同じ大きさである例を示しているが、波長板5が偏光子4より大きくてもよい。このような構成を満たすときには、波長板5の表面積が増加するため、放熱性が向上する。
【0035】
また、波長板5を偏光子4に近接させて配置してもよい。波長板5が、偏光子4を冷却できる範囲で近接していれば、偏光子4と波長板5とが離間していてもよく、その場合、両者間の熱の伝達は、両者の間にある気体を介して行われる。偏光子4と波長板5とを離して配置する場合には、両者の距離は0.1mm〜50mmがよい。
【0036】
HUD装置1は、波長板5が気流により冷却されるように設計してもよい。気流による冷却は、波長板5を空冷するためにファンなどの送風体を用いればよい。また、車両などの移動体の移動に伴って生じる気流を利用してもよい。また、冷却効果を向上させるため、波長板5に冷却フィンを接続してもよい。冷却フィンは、波長板5の光が照射される範囲以外の部分の少なくとも一部に、形成されていればよい。
【0037】
HUD装置1は、第4の実施形態を示す図4のように、画像形成部3と、波長板5との間に配置された偏光子4に加えて、光源2と画像形成部3との間に配置された入射側偏光子9を有していてもよい。
【0038】
また、波長板5の200〜400nmの波長領域における透過率の平均値が、400〜800nmの波長領域における透過率の平均値よりも小さくてもよい。波長板5がこのような構成を満たすときには、いわゆる紫外光領域の光を減衰させ、偏光子4の変質にともなう偏光子4の損傷を抑制することができる。
【0039】
また、波長板5は、205〜260nmの波長領域に吸収帯を有していてもよい。サファイアの結晶育成時または、育成後の熱処理時の雰囲気を還元製雰囲気に制御して、酸素空孔に起因する欠陥をサファイアに導入することで、紫外光領域に吸収帯を持ち、紫外光を減少させられるサファイアを製造することができる。酸素空孔に起因する欠陥を有するサファイアは、Fセンター、Fセンター+と呼ばれる欠陥を有している。Fセンターは205nm、F+センターは、210nm、230nmm、260nmに吸収帯を持っている。このような205nm〜260nmの波長領域に吸収帯を有するサファイアを波長板5として用いると紫外光を減衰させることができ、偏光子4の変質にともなう偏光子4の損傷を抑制することができる。
【0040】
以上、説明したHUD装置1を搭載した移動体は、偏光サングラスを装着した搭乗者であっても、画像情報の視認性を維持することができ、太陽光に曝される状況にあっても画像情報が視認できなくなることを抑制できる。移動体とは、例えば、車両であり、船舶や飛行機なども含むものである。なお、太陽光とは、太陽光そのものでなくとも、車両の窓を通過した太陽光なども含まれる。
【0041】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行なってもよい。例えば、屋外用画像照射装置は、ゴーグル、ヘルメットなどに搭載してもよく、建築物などに画像情報を投影するように設置してもよい。また、表示部は窓に限定されず、鏡などであってもよい。また、移動体が車両などの場合であって、人から見て窓の向こう側または手前側に虚像を認識させる形態であってもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 :屋外用画像照射装置(HUD装置)
2 :光源
3 :画像形成部
A :画像光出射デバイス
4 :偏光子
5 :波長板
6 :鏡
7 :出射窓
8 :拡光部材
9 :入射側偏光子
10:凹面鏡
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【国際調査報告】

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