(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
本発明に係る合わせガラス用中間膜は、一端と、前記一端の反対側に他端とを有し、前記他端の厚みが、前記一端の厚みよりも大きく、前記中間膜全体での楔角が0.1mrad以上であり、部分楔角の測定において、150mm毎の全ての区間Aにおける下記の絶対値Aが、0.4mrad以下である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明に係る合わせガラス用中間膜(本明細書において、「中間膜」と略記することがある)は、合わせガラスに用いられる。
【0029】
本発明に係る中間膜は、1層の構造又は2層以上の構造を有する。本発明に係る中間膜は、1層の構造を有していてもよく、2層以上の構造を有していてもよい。本発明に係る中間膜は、2層の構造を有していてもよく、3層の構造を有していてもよく、3層以上の構造を有していてもよい。本発明に係る中間膜は、単層の中間膜であってもよく、多層の中間膜であってもよい。
【0030】
本発明に係る中間膜は、一端と、一端の反対側に他端とを有する。一端と他端とは、中間膜において対向し合う両側の端部である。本発明に係る中間膜では、他端の厚みが、一端の厚みよりも大きい。
【0031】
本発明に係る中間膜は、例えば、ヘッドアップディスプレイの表示領域に対応する表示対応領域を有する。表示対応領域は、情報を良好に表示させることができる領域である。
【0032】
また、本発明に係る中間膜全体での楔角は0.1mrad以上である。
【0033】
本発明に係る中間膜において、以下の部分楔角の測定を行う。
【0034】
部分楔角の測定:以下の1〜4の順で部分楔角を測定する。
【0035】
1:中間膜の一端から他端に向けて20cmの位置を始点、中間膜の他端から一端に向けて20cmの位置を終点として2mm間隔毎に地点Aを選択する。
【0036】
2:各地点Aを中心とする一端と他端とを結ぶ方向の40mmの各部分領域Aにおける部分楔角Aを算出する。
【0037】
3:始点から終点に向けて、150mm毎に区間Aを設定する。
【0038】
4:各区間Aのそれぞれにおいて、該区間A内中に地点Aが存在する部分領域Aでの部分楔角Aの全てのうちの最大値と最小値とを選択し、該最大値と該最小値との差の絶対値Aを求める。
【0039】
1:において、一端側から他端側に向けて2mm間隔の地点が選択できる位置(間隔が2mm未満にならない位置)まで地点を選択する。
【0040】
2:において、中間膜の一端側に最も近い部分領域Aは、一端から18cm〜22cmの部分領域A1であり、次の部分領域Aは、一端から18.2cm〜22.2cmの部分領域A2である。隣り合う2つの部分領域Aは、一端と他端とを結ぶ方向において、38mm互いに重複する。各部分領域Aは、一端から(18+0.2×n)cm〜(22+0.2×n)cmの部分領域(nは整数)である。
【0041】
2:において、各部分領域Aにおいて算出される部分楔角を、部分楔角(θA)とする。
【0042】
3:において、一端側から他端側に向けて、150mmの区間を設定可能な位置(区間が150mm未満にならない位置)まで、区間Aを設定する。
【0043】
3:において、1つめの区間Aは、始点から終点にむけて、0〜150mmの区間A1であり、次の区間Aは、始点から終点にむけて、150〜300mmの区間A2である。1つめの区間Aは、一端から20〜35cmの区間A1であり、次の区間Aは、一端から35〜50cmの区間A2である。
【0044】
4:において、1つの区間Aそれぞれで、部分楔角Aの最大値と最小値とを求める。1つの区間A(区間A1、区間A2、…のそれぞれ)には、76の部分楔角Aの値がある。この76の部分楔角Aの値から、最大値と最小値とを選択し、該最大値と該最小値との差の絶対値Aを求める。
【0045】
本発明では、の部分楔角の測定において、全ての区間A(区間A1、区間A2、…の全て)で、絶対値Aが0.4mrad以下である。本発明では、絶対値Aの最も大きい値が、0.4mrad以下である。
【0046】
本発明に係る合わせガラス用中間膜では、の構成が備えられているので、合わせガラスの外観における歪みをかなり抑えることができる。
【0047】
合わせガラスの外観における歪みとは、具体的には、合わせガラスを通して見える景色が歪む現象のことである。歪みは、合わせガラスを45°傾けて、3m離れた強光源から光を、45°傾けた合わせガラスに照射し、約2m離れたスクリーンに透写像を投影させることで評価することができる。
【0048】
合わせガラスの外観における歪みをより一層抑制する観点からは、の部分楔角の測定において、絶対値Aは好ましくは0.35mrad以下、より好ましくは0.3mrad以下である。合わせガラスの外観における歪みをより一層抑制する観点からは、絶対値Aの最も大きい値は好ましくは0.35mrad以下、より好ましくは0.3mrad以下である。
【0049】
また、本発明に係る中間膜は、の構成を備えているので、合わせガラスにおける二重像もかなり抑えることができる。本発明では、表示ユニットから表示情報を合わせガラスに反射させたときに、二重像の発生がかなり抑えられる。
【0050】
なお、1つの部分楔角(θA)は、1つの部分領域Aにおける一端側の端部と他端側の端部との部分領域Aの一方側の表面部分(第1の表面部分)を結んだ直線と、1つの部分領域Aにおける一端側の端部と他端側の端部との中間膜の他方側の表面部分(第2の表面部分)を結んだ直線との交点における内角である。
【0051】
二重像をより一層効果的に抑える観点からは、一端から他端に向けて18cmの位置から、一端から他端に向けて61.8cmの位置までの領域内の80%以上(より好ましくは85%以上、更に好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上)の領域において、一端から他端に向けて、厚みが増加していることが好ましい。
【0052】
本発明に係る中間膜は、ヘッドアップディスプレイ(HUD)である合わせガラスに好適に用いられる。本発明に係る中間膜は、HUD用中間膜であることが好ましい。
【0053】
本発明に係る中間膜は、HUDの表示領域に対応する表示対応領域を有することが好ましい。二重像をより一層効果的に抑える観点からは、本発明に係る中間膜では、一端から他端に向けて18cmの位置から、一端から他端に向けて61.8cmの位置までの領域内に、表示対応領域を有することが好ましい。
【0054】
二重像を効果的に抑える観点からは、一端から他端に向けて18cmの位置から、一端から他端に向けて61.8cmの位置までの領域内において、中間膜は、厚み方向の断面形状が楔状である部分を有することが好ましい。厚み方向の断面形状が楔状である部分は、の領域内の少なくとも一部に存在していればよい。
【0055】
本発明に係る中間膜は、シェード領域を有していてもよい。シェード領域は、表示対応領域と離れていてもよい。シェード領域は、例えば、太陽光線又は屋外照明等により、運転中のドライバーが眩しさを感じるのを防ぐことなどを目的として設けられる。シェード領域は、遮熱性を付与するために設けられることもある。シェード領域は、中間膜の縁部に位置することが好ましい。シェード領域は帯状であることが好ましい。
【0056】
シェード領域においては、色及び可視光線透過率を変えたりするために、着色剤又は充填剤を用いてもよい。着色剤又は充填剤は、中間膜の厚み方向の一部の領域にのみ含まれていてもよく、中間膜の厚み方向の全体の領域に含まれていてもよい。
【0057】
表示をより一層良好にし、視野をより一層広げる観点からは、表示対応領域の可視光線透過率は好ましくは80%以上、より好ましくは88%以上、更に好ましくは90%以上である。表示対応領域の可視光線透過率は、シェード領域の可視光線透過率よりも高いことが好ましい。表示対応領域の可視光線透過率は、シェード領域の可視光線透過率よりも低くてもよい。表示対応領域の可視光線透過率は、シェード領域の可視光線透過率よりも、好ましくは50%以上高く、より好ましくは60%以上高い。
【0058】
なお、例えば、表示対応領域及びシェード領域の中間膜において、可視光線透過率が変化している場合には、表示対応領域の中心位置及びシェード領域の中心位置にて、可視光線透過率が測定される。
【0059】
分光光度計(日立ハイテク社製「U−4100」)を用いて、JIS R3211:1998に準拠して、得られた合わせガラスの波長380〜780nmにおける可視光線透過率を測定することができる。なお、ガラス板として、厚み2mmのクリアガラスを用いることが好ましい。
【0060】
表示対応領域は、長さ方向と幅方向とを有することが好ましい。中間膜の汎用性に優れるので、表示対応領域の幅方向が、一端と他端とを結ぶ方向であることが好ましい。表示対応領域は、帯状であることが好ましい。
【0061】
中間膜は、MD方向とTD方向とを有することが好ましい。中間膜は、例えば、溶融押出成形により得られる。MD方向は、中間膜の製造時の中間膜の流れ方向である。TD方向は、中間膜の製造時の中間膜の流れ方向と直交する方向であり、かつ中間膜の厚み方向と直交する方向である。一端と他端とが、TD方向の両側に位置していることが好ましい。
【0062】
表示をより一層良好にする観点からは、中間膜は、厚み方向の断面形状が楔状である部分を有することが好ましい。表示対応領域の厚み方向の断面形状が楔状であることが好ましい。
【0063】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明する。
【0064】
図1(a)及び(b)は、本発明の第1の合わせガラス用中間膜を模式的に示す断面図及び正面図である。図1(a)は、図1(b)中のI−I線に沿う断面図である。なお、図1及び後述する図における中間膜の大きさ及び寸法は、図示の便宜上、実際の大きさ及び形状から適宜変更している。
【0065】
図1(a)では、中間膜11の厚み方向の断面が示されている。なお、図1(a)及び後述の図では、図示の便宜上、中間膜及び中間膜を構成する各層の厚み、並びに楔角(θ)は、実際の厚み及び楔角とは異なるように示されている。
【0066】
中間膜11は、第1の層1(中間層)と、第2の層2(表面層)と、第3の層3(表面層)とを備える。第1の層1の第1の表面側に、第2の層2が配置されており、積層されている。第1の層1の第1の表面とは反対の第2の表面側に、第3の層3が配置されており、積層されている。第1の層1は、第2の層2と第3の層3との間に配置されており、挟み込まれている。中間膜11は、合わせガラスを得るために用いられる。中間膜11は、合わせガラス用中間膜である。中間膜11は、多層中間膜である。
【0067】
中間膜11は、一端11aと、一端11aの反対側に他端11bとを有する。一端11aと他端11bとは対向し合う両側の端部である。第2の層2及び第3の層3の厚み方向の断面形状は楔状である。第1の層1の厚み方向の断面形状は矩形である。第2の層2及び第3の層3の厚みは、他端11b側のほうが一端11a側よりも大きい。従って、中間膜11の他端11bの厚みは一端11aの厚みよりも大きい。従って、中間膜11は、厚みの薄い領域と、厚みの厚い領域とを有する。
【0068】
中間膜11は、一端11a側から他端11b側にかけて厚みが増加している領域を有する。中間膜11は、厚みが増加している領域の中で、一端11a側から他端11b側にかけて厚みの増加量は均一である。
【0069】
中間膜11は、ヘッドアップディスプレイの表示領域に対応する表示対応領域R1を有する。中間膜11は、表示対応領域R1の隣に周囲領域R2を有する。本実施形態では、表示対応領域R1が、一端11aから他端11bに向けて18cmの位置から、一端11aから他端11bに向けて63.8cmの位置までの領域である。
【0070】
中間膜11は、表示対応領域R1と離れて、シェード領域R3を有する。シェード領域R3は、中間膜11の縁部に位置している。
【0071】
中間膜は、図1(a)に示す形状で、単層であってもよく、2層であってもよく、4層以上であってもよい。
【0072】
図8は、図1に示す合わせガラス用中間膜が巻かれたロール体を模式的に示す斜視図である。
【0073】
中間膜11が巻かれて、中間膜11のロール体51とされてもよい。
【0074】
図8に示すロール体51は、巻き芯61と、中間膜11とを備える。中間膜11は、巻き芯61の外周に巻かれている。
【0075】
図2(a)及び(b)は、本発明の第2の合わせガラス用中間膜を模式的に示す断面図及び正面図である。図2(a)は、図2(b)中のI−I線に沿う断面図である。図2(a)では、中間膜11Aの厚み方向の断面が示されている。
【0076】
図2に示す中間膜11Aは、第1の層1Aを備える。中間膜11Aは、第1の層1Aのみの1層の構造を有し、単層の中間膜である。中間膜11Aは、第1の層1Aである。中間膜11Aは、合わせガラスを得るために用いられる。中間膜11Aは、合わせガラス用中間膜である。
【0077】
中間膜11Aは、一端11aと、一端11aとは反対側に他端11bとを有する。一端11aと他端11bとは対向し合う両側の端部である。中間膜11Aの他端11bの厚みは一端11aの厚みよりも大きい。従って、中間膜11A及び第1の層1Aは、厚みの薄い領域と、厚みの厚い領域とを有する。
【0078】
中間膜11Aは、一端11a側から他端11b側にかけて厚みが増加している領域を有する。中間膜11Aは、厚みが増加している領域の中で、一端11a側から他端11b側にかけて厚みの増加量は均一である。
【0079】
中間膜11A及び第1の層1Aは、厚み方向の断面形状が矩形である部分11Aa,1Aaと厚み方向の断面形状が楔状である部分11Ab,1Abとを有する。
【0080】
中間膜11Aは、ヘッドアップディスプレイの表示領域に対応する表示対応領域R1を有する。中間膜11Aは、表示対応領域R1の隣に周囲領域R2を有する。
【0081】
中間膜11Aは、表示対応領域R1と離れて、シェード領域R3を有する。シェード領域R3は、中間膜11Aの縁部に位置している。
【0082】
中間膜は、図2(a)に示す形状で、2層以上であってもよい。
【0083】
図3は、本発明の第3の合わせガラス用中間膜を模式的に示す断面図である。図3では、中間膜11Bの厚み方向の断面が示されている。
【0084】
図3に示す中間膜11Bは、第1の層1B(中間層)と、第2の層2B(表面層)と、第3の層3B(表面層)とを備える。中間膜11と、中間膜11Bとでは、厚みが増加している領域における厚みの増加量が異なる。
【0085】
中間膜11Bは、一端11a側から他端11b側にかけて厚みが増加している領域を有する。中間膜11Bは、厚みが増加している領域の中に、一端11a側から他端11b側にかけて厚みの増加量が大きくなる部分を有する。また、中間膜11Bは、厚み方向の断面形状が楔状である領域を有する。中間膜11Bは、厚み方向の断面形状が楔状である領域の中に、一端側から他端側にかけて楔角が大きくなる部分を有する。
【0086】
図4は、本発明の第4の合わせガラス用中間膜を模式的に示す断面図である。図4では、中間膜11Cの厚み方向の断面が示されている。
【0087】
図4に示す中間膜11Cは、第1の層1Cを備える。中間膜11Cは、第1の層1Cのみの1層の構造を有し、単層の中間膜である。中間膜11Aと、中間膜11Cとでは、厚みが増加している領域における厚みの増加量が異なる。
【0088】
中間膜11Cは、一端11a側から他端11b側にかけて厚みが増加している領域を有する。中間膜11Cは、厚みが増加している領域の中に、一端11a側から他端11b側にかけて厚みの増加量が大きくなる部分を有する。また、中間膜11Cは、厚み方向の断面形状が楔状である領域を有する。中間膜11Cは、厚み方向の断面形状が楔状である領域の中に、一端側から他端側にかけて楔角が大きくなる部分を有する。
【0089】
中間膜11C及び第1の層1Cは、厚み方向の断面形状が矩形である部分11Ca,1Caと厚み方向の断面形状が楔状である部分11Cb,1Cbとを有する。
【0090】
図5は、本発明の第5の合わせガラス用中間膜を模式的に示す断面図である。図5では、中間膜11Dの厚み方向の断面が示されている。
【0091】
図5に示す中間膜11Dは、第1の層1D(中間層)と、第2の層2D(表面層)と、第3の層3D(表面層)とを備える。中間膜11と、中間膜11Dとでは、厚みが増加している領域における厚みの増加量が異なる。
【0092】
中間膜11Dは、一端11a側から他端11b側にかけて厚みが増加している領域を有する。中間膜11Dは、厚みが増加している領域の中に、一端11a側から他端11b側にかけて厚みの増加量が小さくなる部分を有する。また、中間膜11Dは、厚み方向の断面形状が楔状である領域を有する。中間膜11Dは、厚み方向の断面形状が楔状である領域の中に、一端側から他端側にかけて楔角が小さくなる部分を有する。
【0093】
図6は、本発明の第6の合わせガラス用中間膜を模式的に示す断面図である。図6では、中間膜11Eの厚み方向の断面が示されている。
【0094】
図6に示す中間膜11Eは、第1の層1Eを備える。中間膜11Eは、第1の層1Eのみの1層の構造を有し、単層の中間膜である。中間膜11Aと、中間膜11Eとでは、厚みが増加している領域における厚みの増加量が異なる。
【0095】
中間膜11Eは、一端11a側から他端11b側にかけて厚みが増加している領域を有する。中間膜11Eは、厚みが増加している領域の中に、一端11a側から他端11b側にかけて厚みの増加量が小さくなる部分を有する。また、中間膜11Eは、厚み方向の断面形状が楔状である領域を有する。中間膜11Eは、厚み方向の断面形状が楔状である領域の中に、一端側から他端側にかけて楔角が小さくなる部分を有する。
【0096】
中間膜11E及び第1の層1Eは、厚み方向の断面形状が矩形である部分11Ea,1Eaと厚み方向の断面形状が楔状である部分11Eb,1Ebとを有する。
【0097】
中間膜は、厚み方向の断面形状が楔状である部分を有することが好ましい。中間膜は、一端から他端に向かって、厚みが次第に大きくなる部分を有することが好ましい。中間膜の厚み方向の断面形状は、楔状であることが好ましい。中間膜の厚み方向の断面形状としては、台形、三角形及び五角形等が挙げられる。
【0098】
二重像をより一層抑制する観点からは、中間膜は、厚みが増加している領域の中に、一端側から他端側にかけて厚みの増加量が大きくなる部分を有することが好ましい。二重像をより一層抑制する観点からは、中間膜は、厚み方向の断面形状が楔状である領域の中に、一端側から他端側にかけて楔角が大きくなる部分を有することが好ましい。
【0099】
二重像を抑制するために、合わせガラスの取付角度に応じて、中間膜の楔角(θ)を適宜設定することができる。楔角(θ)は、中間膜全体での楔角である。二重像をより一層抑制する観点からは、中間膜の楔角(θ)は、0.1mrad(0.00575度)以上であり、好ましくは0.2mrad(0.0115度)以上、好ましくは2mrad(0.1146度)以下、より好ましくは0.7mrad(0.0401度)以下である。中間膜の楔角(θ)は、中間膜における最大厚み部分と最小厚み部分との中間膜の一方側の表面部分(第1の表面部分)を結んだ直線と、中間膜における最大厚み部分と最小厚み部分との中間膜の他方側の表面部分(第2の表面部分)を結んだ直線との交点における内角である。
【0100】
なお、最大厚み部分が複数ある、最小厚み部分が複数ある、最大厚み部分が一定の領域にある、又は最小厚み部分が一定の領域にある場合には、楔角(θ)を求めるための最大厚み部分及び最小厚み部分は、求められる楔角(θ)が最も大きくなるように選択される。
【0101】
楔角(θ)は、以下のように近似的に算出することができる。最大厚み部分と最小厚み部分とのそれぞれにて中間膜の厚みを測定する。(最大厚み部分おける厚みと、最小厚み部分における厚みとの差の絶対値(μm)÷最大厚み部分から最小厚み部分までの距離(mm))の結果に基づいて、楔角(θ)を近似的に算出する。
【0102】
中間膜の楔角(θ)が大きくなるほど、合わせガラスの外観における歪みが生じやすくなる傾向がある。本発明では、中間膜の楔角(θ)が大きくても、合わせガラスの外観における歪みを生じ難くすることができる。
【0103】
中間膜の厚みは特に限定されない。中間膜の厚みは、中間膜を構成する各層の合計の厚みを示す。よって、多層の中間膜11の場合には、該中間膜の厚みは、第1の層1と第2の層2と第3の層3との合計の厚みを示す。
【0104】
中間膜の最大厚みは好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.25mm以上、更に好ましくは0.5mm以上、特に好ましくは0.8mm以上、好ましくは3mm以下、より好ましくは2mm以下、更に好ましくは1.5mm以下である。
【0105】
中間膜の楔角、中間膜の厚みの測定に用いる測定器としては、接触式厚み計測器「TOF−4R」(山文電気社製)等が挙げられる。
【0106】
厚みの測定は、上述の測定器を用い、膜搬送速度2.15〜2.25mm/分で、一端から他端に向けて最短距離となるように行う。
【0107】
中間膜を合わせガラスとした後の中間膜の楔角(θ)、中間膜の厚みの測定に、適宜の測定器が用いられる。該測定器としては、非接触多層膜厚測定器「OPTIGAUGE」(ルメトリクス社製)等が挙げられる。合わせガラスのままで、中間膜の厚みを測定することができる。
【0108】
一端と他端との間の距離をXとする。中間膜は、一端から内側に向かって0X〜0.2Xの距離の領域に最小厚みを有し、他端から内側に向かって0X〜0.2Xの距離の領域に最大厚みを有することが好ましい。中間膜は、一端から内側に向かって0X〜0.1Xの距離の領域に最小厚みを有し、他端から内側に向かって0X〜0.1Xの距離の領域に最大厚みを有することがより好ましい。中間膜は一端に最小厚みを有し、中間膜は他端に最大厚みを有することが好ましい。
【0109】
中間膜11,11A,11B,11C,11D,11Eは、他端11bに最大厚みを有し、一端11aに最小厚みを有する。
【0110】
実用面の観点、並びに接着力及び耐貫通性を充分に高める観点からは、表面層の最大厚みは好ましくは0.001mm以上、より好ましくは0.2mm以上、更に好ましくは0.3mm以上、好ましくは1mm以下、より好ましくは0.8mm以下である。
【0111】
実用面の観点、並びに耐貫通性を充分に高める観点からは、2つの表面層の間に配置される層(中間層)の最大厚みは、好ましくは0.001mm以上、より好ましくは0.1mm以上、更に好ましくは0.2mm以上、好ましくは0.8mm以下、より好ましくは0.6mm以下、更に好ましくは0.3mm以下である。
【0112】
中間膜の一端と他端との距離Xは、好ましくは3m以下、より好ましくは2m以下、特に好ましくは1.5m以下であり、好ましくは0.5m以上、より好ましくは0.8m以上、特に好ましくは1m以上である。
【0113】
以下、多層の中間膜の各層、並びに単層の中間膜を構成する材料の詳細を説明する。
【0114】
(熱可塑性樹脂)
中間膜は、熱可塑性樹脂(以下、熱可塑性樹脂(0)と記載することがある)を含むことが好ましい。中間膜は、熱可塑性樹脂(0)として、ポリビニルアセタール樹脂(以下、ポリビニルアセタール樹脂(0)と記載することがある)を含むことが好ましい。第1の層は、熱可塑性樹脂(以下、熱可塑性樹脂(1)と記載することがある)を含むことが好ましい。第1の層は、熱可塑性樹脂(1)として、ポリビニルアセタール樹脂(以下、ポリビニルアセタール樹脂(1)と記載することがある)を含むことが好ましい。第2の層は、熱可塑性樹脂(以下、熱可塑性樹脂(2)と記載することがある)を含むことが好ましい。第2の層は、熱可塑性樹脂(2)として、ポリビニルアセタール樹脂(以下、ポリビニルアセタール樹脂(2)と記載することがある)を含むことが好ましい。第3の層は、熱可塑性樹脂(以下、熱可塑性樹脂(3)と記載することがある)を含むことが好ましい。第3の層は、熱可塑性樹脂(3)として、ポリビニルアセタール樹脂(以下、ポリビニルアセタール樹脂(3)と記載することがある)を含むことが好ましい。熱可塑性樹脂(1)と熱可塑性樹脂(2)と熱可塑性樹脂(3)とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。遮音性がより一層高くなることから、熱可塑性樹脂(1)は、熱可塑性樹脂(2)及び熱可塑性樹脂(3)と異なることが好ましい。ポリビニルアセタール樹脂(1)とポリビニルアセタール樹脂(2)とポリビニルアセタール樹脂(3)とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。遮音性がより一層高くなることから、ポリビニルアセタール樹脂(1)は、ポリビニルアセタール樹脂(2)及びポリビニルアセタール樹脂(3)と異なることが好ましい。熱可塑性樹脂(0)、熱可塑性樹脂(1)、熱可塑性樹脂(2)及び熱可塑性樹脂(3)はそれぞれ、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。ポリビニルアセタール樹脂(0)、ポリビニルアセタール樹脂(1)、ポリビニルアセタール樹脂(2)及びポリビニルアセタール樹脂(3)はそれぞれ、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0115】
熱可塑性樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリビニルアルコール樹脂等が挙げられる。これら以外の熱可塑性樹脂を用いてもよい。
【0116】
熱可塑性樹脂は、ポリビニルアセタール樹脂であることが好ましい。ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との併用により、合わせガラス部材又は他の層に対するポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含む層の接着力がより一層高くなる。
【0117】
ポリビニルアセタール樹脂は、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)をアルデヒドによりアセタール化することにより製造できる。ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールのアセタール化物であることが好ましい。ポリビニルアルコールは、例えば、ポリ酢酸ビニルをけん化することにより得られる。ポリビニルアルコールのけん化度は、一般に70〜99.9モル%の範囲内である。
【0118】
ポリビニルアルコール(PVA)の平均重合度は、好ましくは200以上、より好ましくは500以上、より一層好ましくは1500以上、更に好ましくは1600以上、特に好ましくは2600以上、最も好ましくは2700以上、好ましくは5000以下、より好ましくは4000以下、更に好ましくは3500以下である。平均重合度が下限以上であると、合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなる。平均重合度が上限以下であると、中間膜の成形が容易になる。
【0119】
ポリビニルアルコールの平均重合度は、JIS K6726「ポリビニルアルコール試験方法」に準拠した方法により求められる。
【0120】
ポリビニルアセタール樹脂に含まれるアセタール基の炭素数は特に限定されない。ポリビニルアセタール樹脂を製造する際に用いるアルデヒドは特に限定されない。ポリビニルアセタール樹脂におけるアセタール基の炭素数は3〜5であることが好ましく、3又は4であることがより好ましい。ポリビニルアセタール樹脂におけるアセタール基の炭素数が3以上であると、中間膜のガラス転移温度が充分に低くなる。
【0121】
アルデヒドは特に限定されない。一般には、炭素数が1〜10のアルデヒドが好適に用いられる。炭素数が1〜10のアルデヒドとしては、例えば、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド及びベンズアルデヒド等が挙げられる。プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド又はn−バレルアルデヒドが好ましく、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド又はイソブチルアルデヒドがより好ましく、n−ブチルアルデヒドが更に好ましい。アルデヒドは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0122】
ポリビニルアセタール樹脂(0)の水酸基の含有率(水酸基量)は、好ましくは15モル%以上、より好ましくは18モル%以上、好ましくは40モル%以下、より好ましくは35モル%以下である。水酸基の含有率が下限以上であると、中間膜の接着力がより一層高くなる。また、水酸基の含有率が上限以下であると、中間膜の柔軟性が高くなり、中間膜の取扱いが容易になる。
【0123】
ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率(水酸基量)は、好ましくは17モル%以上、より好ましくは20モル%以上、更に好ましくは22モル%以上、好ましくは28モル%以下、より好ましくは27モル%以下、更に好ましくは25モル%以下、特に好ましくは24モル%以下である。水酸基の含有率が下限以上であると、中間膜の機械強度がより一層高くなる。特に、ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率が20モル%以上であると反応効率が高く生産性に優れ、また28モル%以下であると、合わせガラスの遮音性がより一層高くなる。また、水酸基の含有率が上限以下であると、中間膜の柔軟性が高くなり、中間膜の取扱いが容易になる。
【0124】
ポリビニルアセタール樹脂(2)及びポリビニルアセタール樹脂(3)の水酸基の各含有率は、好ましくは25モル%以上、より好ましくは28モル%以上、より好ましくは30モル%以上、より一層好ましくは31.5モル%以上、更に好ましくは32モル%以上、特に好ましくは33モル%以上である。ポリビニルアセタール樹脂(2)及びポリビニルアセタール樹脂(3)の水酸基の各含有率は、好ましくは38モル%以下、より好ましくは37モル%以下、更に好ましくは36.5モル%以下、特に好ましくは36モル%以下である。水酸基の含有率が下限以上であると、中間膜の接着力がより一層高くなる。また、水酸基の含有率が上限以下であると、中間膜の柔軟性が高くなり、中間膜の取扱いが容易になる。
【0125】
遮音性をより一層高める観点からは、ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率は、ポリビニルアセタール樹脂(2)の水酸基の含有率よりも低いことが好ましい。遮音性をより一層高める観点からは、ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率は、ポリビニルアセタール樹脂(3)の水酸基の含有率よりも低いことが好ましい。遮音性を更に一層高める観点からは、ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率と、ポリビニルアセタール樹脂(2)の水酸基の含有率との差の絶対値は、好ましくは1モル%以上、より好ましくは5モル%以上、更に好ましくは9モル%以上、特に好ましくは10モル%以上、最も好ましくは12モル%以上である。遮音性を更に一層高める観点からは、ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率と、ポリビニルアセタール樹脂(3)の水酸基の含有率との差の絶対値は、好ましくは1モル%以上、より好ましくは5モル%以上、更に好ましくは9モル%以上、特に好ましくは10モル%以上、最も好ましくは12モル%以上である。ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率と、ポリビニルアセタール樹脂(2)の水酸基の含有率との差の絶対値、及び、ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率と、ポリビニルアセタール樹脂(3)の水酸基の含有率との差の絶対値は、好ましくは20モル%以下である。
【0126】
ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率は、水酸基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率で示した値である。水酸基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
【0127】
ポリビニルアセタール樹脂(0)のアセチル化度(アセチル基量)は、好ましくは0.1モル%以上、より好ましくは0.3モル%以上、更に好ましくは0.5モル%以上、好ましくは30モル%以下、より好ましくは25モル%以下、更に好ましくは20モル%以下である。アセチル化度が下限以上であると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性が高くなる。アセチル化度が上限以下であると、中間膜及び合わせガラスの耐湿性が高くなる。
【0128】
ポリビニルアセタール樹脂(1)のアセチル化度(アセチル基量)は、好ましくは0.01モル%以上、より好ましくは0.1モル%以上、より一層好ましくは7モル%以上、更に好ましくは9モル%以上、好ましくは30モル%以下、より好ましくは25モル%以下、更に好ましくは24モル%以下、特に好ましくは20モル%以下である。アセチル化度が下限以上であると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性が高くなる。アセチル化度が上限以下であると、中間膜及び合わせガラスの耐湿性が高くなる。特に、ポリビニルアセタール樹脂(1)のアセチル化度が0.1モル%以上、25モル%以下であると、耐貫通性に優れる。
【0129】
ポリビニルアセタール樹脂(2)及びポリビニルアセタール樹脂(3)の各アセチル化度は、好ましくは0.01モル%以上、より好ましくは0.5モル%以上、好ましくは10モル%以下、より好ましくは2モル%以下である。アセチル化度が下限以上であると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性が高くなる。アセチル化度が上限以下であると、中間膜及び合わせガラスの耐湿性が高くなる。
【0130】
アセチル化度は、アセチル基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率で示した値である。アセチル基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
【0131】
ポリビニルアセタール樹脂(0)のアセタール化度(ポリビニルブチラール樹脂の場合にはブチラール化度)は、好ましくは60モル%以上、より好ましくは63モル%以上、好ましくは85モル%以下、より好ましくは75モル%以下、更に好ましくは70モル%以下である。アセタール化度が下限以上であると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性が高くなる。アセタール化度が上限以下であると、ポリビニルアセタール樹脂を製造するために必要な反応時間が短くなる。
【0132】
ポリビニルアセタール樹脂(1)のアセタール化度(ポリビニルブチラール樹脂の場合にはブチラール化度)は、好ましくは47モル%以上、より好ましくは60モル%以上、好ましくは85モル%以下、より好ましくは80モル%以下、更に好ましくは75モル%以下である。アセタール化度が下限以上であると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性が高くなる。アセタール化度が上限以下であると、ポリビニルアセタール樹脂を製造するために必要な反応時間が短くなる。
【0133】
ポリビニルアセタール樹脂(2)及びポリビニルアセタール樹脂(3)の各アセタール化度(ポリビニルブチラール樹脂の場合にはブチラール化度)は、好ましくは55モル%以上、より好ましくは60モル%以上、好ましくは75モル%以下、より好ましくは71モル%以下である。アセタール化度が下限以上であると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性が高くなる。アセタール化度が上限以下であると、ポリビニルアセタール樹脂を製造するために必要な反応時間が短くなる。
【0134】
アセタール化度は、以下のようにして求める。主鎖の全エチレン基量から、水酸基が結合しているエチレン基量と、アセチル基が結合しているエチレン基量とを差し引いた値を求める。得られた値を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を求める。この百分率で示した値がアセタール化度である。
【0135】
なお、水酸基の含有率(水酸基量)、アセタール化度(ブチラール化度)及びアセチル化度は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により測定された結果から算出することが好ましい。但し、ASTM D1396−92による測定を用いてもよい。ポリビニルアセタール樹脂がポリビニルブチラール樹脂である場合は、水酸基の含有率(水酸基量)、アセタール化度(ブチラール化度)及びアセチル化度は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により測定された結果から算出され得る。
【0136】
中間膜中に含まれる熱可塑性樹脂100重量%中、ポリビニルアセタール樹脂の含有量は好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、より一層好ましくは50重量%以上、更に好ましくは70重量%以上、特に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上である。中間膜の熱可塑性樹脂の主成分(50重量%以上)は、ポリビニルアセタール樹脂であることが好ましい。
【0137】
(可塑剤)
中間膜の接着力をより一層高める観点からは、中間膜は、可塑剤(以下、可塑剤(0)と記載することがある)を含むことが好ましい。第1の層は、可塑剤(以下、可塑剤(1)と記載することがある)を含むことが好ましい。第2の層は、可塑剤(以下、可塑剤(2)と記載することがある)を含むことが好ましい。第3の層は、可塑剤(以下、可塑剤(3)と記載することがある)を含むことが好ましい。中間膜に含まれている熱可塑性樹脂が、ポリビニルアセタール樹脂である場合に、中間膜(各層)は、可塑剤を含むことが特に好ましい。ポリビニルアセタール樹脂を含む層は、可塑剤を含むことが好ましい。
【0138】
可塑剤は特に限定されない。可塑剤として、従来公知の可塑剤を用いることができる。可塑剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0139】
可塑剤としては、一塩基性有機酸エステル及び多塩基性有機酸エステル等の有機エステル可塑剤、並びに有機リン酸可塑剤及び有機亜リン酸可塑剤などの有機リン酸可塑剤等が挙げられる。可塑剤は有機エステル可塑剤であることが好ましい。可塑剤は液状可塑剤であることが好ましい。
【0140】
一塩基性有機酸エステルとしては、グリコールと一塩基性有機酸との反応によって得られたグリコールエステル等が挙げられる。グリコールとしては、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びトリプロピレングリコール等が挙げられる。一塩基性有機酸としては、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、n−ノニル酸及びデシル酸等が挙げられる。
【0141】
多塩基性有機酸エステルとしては、多塩基性有機酸と、炭素数4〜8の直鎖又は分岐構造を有するアルコールとのエステル化合物等が挙げられる。多塩基性有機酸としては、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸等が挙げられる。
【0142】
有機エステル可塑剤としては、トリエチレングリコールジ−2−エチルプロパノエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ−n−オクタノエート、トリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、エチレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,4−ブチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルペンタノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリレート、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ヘキシルシクロヘキシル、アジピン酸ヘプチルとアジピン酸ノニルとの混合物、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ヘプチルノニル、セバシン酸ジブチル、油変性セバシン酸アルキド、及びリン酸エステルとアジピン酸エステルとの混合物等が挙げられる。これら以外の有機エステル可塑剤を用いてもよい。上述のアジピン酸エステル以外の他のアジピン酸エステルを用いてもよい。
【0143】
有機リン酸可塑剤としては、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート及びトリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
【0144】
可塑剤は、下記式(1)で表されるジエステル可塑剤であることが好ましい。
【0146】
式(1)中、R1及びR2はそれぞれ、炭素数5〜10の有機基を表し、R3は、エチレン基、イソプロピレン基又はn−プロピレン基を表し、pは3〜10の整数を表す。式(1)中のR1及びR2はそれぞれ、炭素数6〜10の有機基であることが好ましい。
【0147】
可塑剤は、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)又はトリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(3GH)を含むことが好ましく、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートを含むことがより好ましい。
【0148】
中間膜において、熱可塑性樹脂(0)100重量部に対する可塑剤(0)の含有量を含有量(0)とする。含有量(0)は、好ましくは25重量部以上、より好ましくは30重量部以上、好ましくは100重量部以下、より好ましくは60重量部以下、更に好ましくは50重量部以下である。含有量(0)が下限以上であると、合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなる。含有量(0)が上限以下であると、中間膜の透明性がより一層高くなる。
【0149】
第1の層において、熱可塑性樹脂(1)100重量部に対する可塑剤(1)の含有量を、含有量(1)とする。含有量(1)は、好ましくは50重量部以上、より好ましくは55重量部以上、更に好ましくは60重量部以上、好ましくは100重量部以下、より好ましくは90重量部以下、更に好ましくは85重量部以下、特に好ましくは80重量部以下である。含有量(1)が下限以上であると、中間膜の柔軟性が高くなり、中間膜の取扱いが容易になる。含有量(1)が上限以下であると、合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなる。
【0150】
第2の層において、熱可塑性樹脂(2)100重量部に対する可塑剤(2)の含有量を、含有量(2)とする。第3の層において、熱可塑性樹脂(3)100重量部に対する可塑剤(3)の含有量を、含有量(3)とする。含有量(2)及び含有量(3)はそれぞれ、好ましくは10重量部以上、より好ましくは15重量部以上、更に好ましくは20重量部以上、特に好ましくは24重量部以上、好ましくは40重量部以下、より好ましくは35重量部以下、更に好ましくは32重量部以下、特に好ましくは30重量部以下である。含有量(2)及び含有量(3)が下限以上であると、中間膜の柔軟性が高くなり、中間膜の取扱いが容易になる。含有量(2)及び含有量(3)が上限以下であると、合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなる。
【0151】
合わせガラスの遮音性を高めるために、含有量(1)は含有量(2)よりも多いことが好ましく、含有量(1)は含有量(3)よりも多いことが好ましい。
【0152】
合わせガラスの遮音性をより一層高める観点からは、含有量(2)と含有量(1)との差の絶対値、並びに含有量(3)と含有量(1)との差の絶対値はそれぞれ、好ましくは10重量部以上、より好ましくは15重量部以上、更に好ましくは20重量部以上である。含有量(2)と含有量(1)との差の絶対値、並びに含有量(3)と含有量(1)との差の絶対値はそれぞれ、好ましくは80重量部以下、より好ましくは75重量部以下、更に好ましくは70重量部以下である。
【0153】
(遮熱性物質)
中間膜は、遮熱性物質を含むことが好ましい。第1の層は、遮熱性物質を含むことが好ましい。第2の層は、遮熱性物質を含むことが好ましい。第3の層は、遮熱性物質を含むことが好ましい。遮熱性物質は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0154】
遮熱性物質は、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物及びアントラシアニン化合物の内の少なくとも1種の成分Xを含むか、又は遮熱粒子を含むことが好ましい。この場合に、遮熱性物質は、成分Xと遮熱粒子との双方を含んでいてもよい。
【0155】
成分X:
中間膜は、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物及びアントラシアニン化合物の内の少なくとも1種の成分Xを含むことが好ましい。第1の層は、成分Xを含むことが好ましい。第2の層は、成分Xを含むことが好ましい。第3の層は、成分Xを含むことが好ましい。成分Xは遮熱性物質である。成分Xは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0156】
成分Xは特に限定されない。成分Xとして、従来公知のフタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物及びアントラシアニン化合物を用いることができる。
【0157】
成分Xとしては、フタロシアニン、フタロシアニンの誘導体、ナフタロシアニン、ナフタロシアニンの誘導体、アントラシアニン及びアントラシアニンの誘導体等が挙げられる。フタロシアニン化合物及びフタロシアニンの誘導体はそれぞれ、フタロシアニン骨格を有することが好ましい。ナフタロシアニン化合物及びナフタロシアニンの誘導体はそれぞれ、ナフタロシアニン骨格を有することが好ましい。アントラシアニン化合物及びアントラシアニンの誘導体はそれぞれ、アントラシアニン骨格を有することが好ましい。
【0158】
中間膜及び合わせガラスの遮熱性をより一層高くする観点からは、成分Xは、フタロシアニン、フタロシアニンの誘導体、ナフタロシアニン及びナフタロシアニンの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、フタロシアニン及びフタロシアニンの誘導体の内の少なくとも1種であることがより好ましい。
【0159】
遮熱性を効果的に高め、かつ長期間にわたり可視光線透過率をより一層高いレベルで維持する観点からは、成分Xは、バナジウム原子又は銅原子を含有することが好ましい。成分Xは、バナジウム原子を含有することが好ましく、銅原子を含有することも好ましい。成分Xは、バナジウム原子又は銅原子を含有するフタロシアニン及びバナジウム原子又は銅原子を含有するフタロシアニンの誘導体の内の少なくとも1種であることがより好ましい。中間膜及び合わせガラスの遮熱性を更に一層高くする観点からは、成分Xは、バナジウム原子に酸素原子が結合した構造単位を有することが好ましい。
【0160】
中間膜100重量%中又は成分Xを含む層(第1の層、第2の層又は第3の層)100重量%中、成分Xの含有量は、好ましくは0.001重量%以上、より好ましくは0.005重量%以上、更に好ましくは0.01重量%以上、特に好ましくは0.02重量%以上である。中間膜100重量%中又は成分Xを含む層(第1の層、第2の層又は第3の層)100重量%中、成分Xの含有量は、好ましくは0.2重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下、更に好ましくは0.05重量%以下、特に好ましくは0.04重量%以下である。成分Xの含有量が下限以上及び上限以下であると、遮熱性が充分に高くなり、かつ可視光線透過率が充分に高くなる。例えば、可視光線透過率を70%以上にすることが可能である。
【0161】
遮熱粒子:
中間膜は、遮熱粒子を含むことが好ましい。第1の層は、遮熱粒子を含むことが好ましい。第2の層は、遮熱粒子を含むことが好ましい。第3の層は、遮熱粒子を含むことが好ましい。遮熱粒子は遮熱性物質である。遮熱粒子の使用により、赤外線(熱線)を効果的に遮断できる。遮熱粒子は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0162】
合わせガラスの遮熱性をより一層高める観点からは、遮熱粒子は、金属酸化物粒子であることがより好ましい。遮熱粒子は、金属の酸化物により形成された粒子(金属酸化物粒子)であることが好ましい。
【0163】
可視光よりも長い波長780nm以上の赤外線は、紫外線と比較して、エネルギー量が小さい。しかしながら、赤外線は熱的作用が大きく、赤外線が物質に吸収されると熱として放出される。このため、赤外線は一般に熱線と呼ばれている。遮熱粒子の使用により、赤外線(熱線)を効果的に遮断できる。なお、遮熱粒子とは、赤外線を吸収可能な粒子を意味する。
【0164】
遮熱粒子の具体例としては、アルミニウムドープ酸化錫粒子、インジウムドープ酸化錫粒子、アンチモンドープ酸化錫粒子(ATO粒子)、ガリウムドープ酸化亜鉛粒子(GZO粒子)、インジウムドープ酸化亜鉛粒子(IZO粒子)、アルミニウムドープ酸化亜鉛粒子(AZO粒子)、ニオブドープ酸化チタン粒子、ナトリウムドープ酸化タングステン粒子、セシウムドープ酸化タングステン粒子、タリウムドープ酸化タングステン粒子、ルビジウムドープ酸化タングステン粒子、錫ドープ酸化インジウム粒子(ITO粒子)、錫ドープ酸化亜鉛粒子、珪素ドープ酸化亜鉛粒子等の金属酸化物粒子や、六ホウ化ランタン(LaB
6)粒子等が挙げられる。これら以外の遮熱粒子を用いてもよい。熱線の遮蔽機能が高いため、金属酸化物粒子が好ましく、ATO粒子、GZO粒子、IZO粒子、ITO粒子又は酸化タングステン粒子がより好ましく、ATO粒子、ITO粒子又は酸化タングステン粒子が更に好ましく、ITO粒子又は酸化タングステン粒子が特に好ましい。遮熱粒子がITO粒子又は酸化タングステン粒子を含む場合に、遮熱粒子は、ITO粒子と酸化タングステン粒子とを含んでいてもよい。特に、熱線の遮蔽機能が高く、かつ入手が容易であるので、錫ドープ酸化インジウム粒子(ITO粒子)が好ましく、酸化タングステン粒子も好ましい。
【0165】
中間膜及び合わせガラスの遮熱性をより一層高くする観点からは、酸化タングステン粒子は、金属ドープ酸化タングステン粒子であることが好ましい。「酸化タングステン粒子」には、金属ドープ酸化タングステン粒子が含まれる。金属ドープ酸化タングステン粒子としては、具体的には、ナトリウムドープ酸化タングステン粒子、セシウムドープ酸化タングステン粒子、タリウムドープ酸化タングステン粒子及びルビジウムドープ酸化タングステン粒子等が挙げられる。
【0166】
中間膜及び合わせガラスの遮熱性をより一層高くする観点からは、セシウムドープ酸化タングステン粒子が特に好ましい。中間膜及び合わせガラスの遮熱性を更に一層高くする観点からは、該セシウムドープ酸化タングステン粒子は、式:Cs
0.33WO
3で表される酸化タングステン粒子であることが好ましい。
【0167】
遮熱粒子の平均粒子径は好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.02μm以上、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下である。平均粒子径が下限以上であると、熱線の遮蔽性が充分に高くなる。平均粒子径が上限以下であると、遮熱粒子の分散性が高くなる。
【0168】
「平均粒子径」は、体積平均粒子径を示す。平均粒子径は、粒度分布測定装置(日機装社製「UPA−EX150」)等を用いて測定できる。
【0169】
中間膜100重量%中又は遮熱粒子を含む層(第1の層、第2の層又は第3の層)100重量%中、遮熱粒子の含有量は、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上、更に好ましくは1重量%以上、特に好ましくは1.5重量%以上である。中間膜100重量%中又は遮熱粒子を含む層(第1の層、第2の層又は第3の層)100重量%中、遮熱粒子の含有量は、好ましくは6重量%以下、より好ましくは5.5重量%以下、更に好ましくは4重量%以下、特に好ましくは3.5重量%以下、最も好ましくは3重量%以下である。遮熱粒子の含有量が下限以上及び上限以下であると、遮熱性が充分に高くなり、かつ可視光線透過率が充分に高くなる。
【0170】
(金属塩)
中間膜は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びマグネシウム塩の内の少なくとも1種の金属塩(以下、金属塩Mと記載することがある)を含むことが好ましい。第1の層は、金属塩Mを含むことが好ましい。第2の層は、金属塩Mを含むことが好ましい。第3の層は、金属塩Mを含むことが好ましい。金属塩Mの使用により、中間膜とガラス板などの合わせガラス部材との接着性又は中間膜における各層間の接着性を制御することが容易になる。金属塩Mは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0171】
金属塩Mは、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr及びBaからなる群から選択された少なくとも1種の金属を含むことが好ましい。中間膜中に含まれている金属塩は、K及びMgの内の少なくとも1種の金属を含むことが好ましい。
【0172】
また、金属塩Mは、炭素数2〜16の有機酸のアルカリ金属塩、炭素数2〜16の有機酸のアルカリ土類金属塩又は炭素数2〜16の有機酸のマグネシウム塩であることがより好ましく、炭素数2〜16のカルボン酸マグネシウム塩又は炭素数2〜16のカルボン酸カリウム塩であることが更に好ましい。
【0173】
炭素数2〜16のカルボン酸マグネシウム塩及び炭素数2〜16のカルボン酸カリウム塩としては、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、プロピオン酸マグネシウム、プロピオン酸カリウム、2−エチル酪酸マグネシウム、2−エチルブタン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウム及び2−エチルヘキサン酸カリウム等が挙げられる。
【0174】
金属塩Mを含む中間膜、又は金属塩Mを含む層(第1の層、第2の層又は第3の層)におけるMg及びKの含有量の合計は、好ましくは5ppm以上、より好ましくは10ppm以上、更に好ましくは20ppm以上、好ましくは300ppm以下、より好ましくは250ppm以下、更に好ましくは200ppm以下である。Mg及びKの含有量の合計が下限以上及び上限以下であると、中間膜とガラス板との接着性又は中間膜における各層間の接着性をより一層良好に制御できる。
【0175】
(紫外線遮蔽剤)
中間膜は、紫外線遮蔽剤を含むことが好ましい。第1の層は、紫外線遮蔽剤を含むことが好ましい。第2の層は、紫外線遮蔽剤を含むことが好ましい。第3の層は、紫外線遮蔽剤を含むことが好ましい。紫外線遮蔽剤の使用により、中間膜及び合わせガラスが長期間使用されても、可視光線透過率がより一層低下し難くなる。紫外線遮蔽剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0176】
紫外線遮蔽剤には、紫外線吸収剤が含まれる。紫外線遮蔽剤は、紫外線吸収剤であることが好ましい。
【0177】
紫外線遮蔽剤としては、例えば、金属原子を含む紫外線遮蔽剤、金属酸化物を含む紫外線遮蔽剤、ベンゾトリアゾール構造を有する紫外線遮蔽剤(ベンゾトリアゾール化合物)、ベンゾフェノン構造を有する紫外線遮蔽剤(ベンゾフェノン化合物)、トリアジン構造を有する紫外線遮蔽剤(トリアジン化合物)、マロン酸エステル構造を有する紫外線遮蔽剤(マロン酸エステル化合物)、シュウ酸アニリド構造を有する紫外線遮蔽剤(シュウ酸アニリド化合物)及びベンゾエート構造を有する紫外線遮蔽剤(ベンゾエート化合物)等が挙げられる。
【0178】
金属原子を含む紫外線遮蔽剤としては、例えば、白金粒子、白金粒子の表面をシリカで被覆した粒子、パラジウム粒子及びパラジウム粒子の表面をシリカで被覆した粒子等が挙げられる。紫外線遮蔽剤は、遮熱粒子ではないことが好ましい。
【0179】
紫外線遮蔽剤は、好ましくはベンゾトリアゾール構造を有する紫外線遮蔽剤、ベンゾフェノン構造を有する紫外線遮蔽剤、トリアジン構造を有する紫外線遮蔽剤又はベンゾエート構造を有する紫外線遮蔽剤である。紫外線遮蔽剤は、より好ましくはベンゾトリアゾール構造を有する紫外線遮蔽剤又はベンゾフェノン構造を有する紫外線遮蔽剤であり、更に好ましくはベンゾトリアゾール構造を有する紫外線遮蔽剤である。
【0180】
金属酸化物を含む紫外線遮蔽剤としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン及び酸化セリウム等が挙げられる。さらに、金属酸化物を含む紫外線遮蔽剤に関して、表面が被覆されていてもよい。金属酸化物を含む紫外線遮蔽剤の表面の被覆材料としては、絶縁性金属酸化物、加水分解性有機ケイ素化合物及びシリコーン化合物等が挙げられる。
【0181】
絶縁性金属酸化物としては、シリカ、アルミナ及びジルコニア等が挙げられる。絶縁性金属酸化物は、例えば5.0eV以上のバンドギャップエネルギーを有する。
【0182】
ベンゾトリアゾール構造を有する紫外線遮蔽剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(BASF社製「TinuvinP」)、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール(BASF社製「Tinuvin320」)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(BASF社製「Tinuvin326」)、及び2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール(BASF社製「Tinuvin328」)等が挙げられる。紫外線を遮蔽する性能に優れることから、紫外線遮蔽剤は、ハロゲン原子を含むベンゾトリアゾール構造を有する紫外線遮蔽剤であることが好ましく、塩素原子を含むベンゾトリアゾール構造を有する紫外線遮蔽剤であることがより好ましい。
【0183】
ベンゾフェノン構造を有する紫外線遮蔽剤としては、例えば、オクタベンゾン(BASF社製「Chimassorb81」)等が挙げられる。
【0184】
トリアジン構造を有する紫外線遮蔽剤としては、例えば、ADEKA社製「LA−F70」及び2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール(BASF社製「Tinuvin1577FF」)等が挙げられる。
【0185】
マロン酸エステル構造を有する紫外線遮蔽剤としては、2−(p−メトキシベンジリデン)マロン酸ジメチル、テトラエチル−2,2−(1,4−フェニレンジメチリデン)ビスマロネート、2−(p−メトキシベンジリデン)−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピペリジニル)マロネート等が挙げられる。
【0186】
マロン酸エステル構造を有する紫外線遮蔽剤の市販品としては、Hostavin B−CAP、Hostavin PR−25、Hostavin PR−31(いずれもクラリアント社製)が挙げられる。
【0187】
シュウ酸アニリド構造を有する紫外線遮蔽剤としては、N−(2−エチルフェニル)−N’−(2−エトキシ−5−t−ブチルフェニル)シュウ酸ジアミド、N−(2−エチルフェニル)−N’−(2−エトキシ−フェニル)シュウ酸ジアミド、2−エチル−2’−エトキシ−オキシアニリド(クラリアント社製「SanduvorVSU」)などの窒素原子上に置換されたアリール基などを有するシュウ酸ジアミド類が挙げられる。
【0188】
ベンゾエート構造を有する紫外線遮蔽剤としては、例えば、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート(BASF社製「Tinuvin120」)等が挙げられる。
【0189】
中間膜100重量%中又は紫外線遮蔽剤を含む層(第1の層、第2の層又は第3の層)100重量%中、紫外線遮蔽剤の含有量は、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.2重量%以上、更に好ましくは0.3重量%以上、特に好ましくは0.5重量%以上である。中間膜100重量%中又は紫外線遮蔽剤を含む層(第1の層、第2の層又は第3の層)100重量%中、紫外線遮蔽剤の含有量は、好ましくは2.5重量%以下、より好ましくは2重量%以下、更に好ましくは1重量%以下、特に好ましくは0.8重量%以下である。紫外線遮蔽剤の含有量が下限以上及び上限以下であると、期間経過後の可視光線透過率の低下をより一層抑制することができる。特に、紫外線遮蔽剤を含む層100重量%中、紫外線遮蔽剤の含有量が0.2重量%以上であることにより、中間膜及び合わせガラスの期間経過後の可視光線透過率の低下を顕著に抑制できる。
【0190】
(酸化防止剤)
中間膜は、酸化防止剤を含むことが好ましい。第1の層は、酸化防止剤を含むことが好ましい。第2の層は、酸化防止剤を含むことが好ましい。第3の層は、酸化防止剤を含むことが好ましい。酸化防止剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0191】
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤等が挙げられる。フェノール系酸化防止剤はフェノール骨格を有する酸化防止剤である。硫黄系酸化防止剤は硫黄原子を含有する酸化防止剤である。リン系酸化防止剤はリン原子を含有する酸化防止剤である。
【0192】
酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤又はリン系酸化防止剤であることが好ましい。
【0193】
フェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,3,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェノール)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス(3,3’−t−ブチルフェノール)ブチリックアッシドグリコールエステル及びビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンゼンプロパン酸)エチレンビス(オキシエチレン)等が挙げられる。これらの酸化防止剤の内の1種又は2種以上が好適に用いられる。
【0194】
リン系酸化防止剤としては、トリデシルホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリノニルフェニルホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(デシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)エチルエステル亜リン酸、及び2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチル−1−フェニルオキシ)(2−エチルヘキシルオキシ)ホスホラス等が挙げられる。これらの酸化防止剤の内の1種又は2種以上が好適に用いられる。
【0195】
酸化防止剤の市販品としては、例えばBASF社製「IRGANOX 245」、BASF社製「IRGAFOS 168」、BASF社製「IRGAFOS 38」、住友化学工業社製「スミライザーBHT」、堺化学工業社製「H−BHT」、並びにBASF社製「IRGANOX 1010」等が挙げられる。
【0196】
中間膜及び合わせガラスの高い可視光線透過率を長期間に渡り維持するために、中間膜100重量%中又は酸化防止剤を含む層(第1の層、第2の層又は第3の層)100重量%中、酸化防止剤の含有量は0.1重量%以上であることが好ましい。また、酸化防止剤の添加効果が飽和するので、中間膜100重量%中又は酸化防止剤を含む層100重量%中、酸化防止剤の含有量は2重量%以下であることが好ましい。
【0197】
(他の成分)
中間膜、第1の層、第2の層及び第3の層はそれぞれ、必要に応じて、カップリング剤、分散剤、界面活性剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料、染料、金属塩以外の接着力調整剤、耐湿剤、蛍光増白剤及び赤外線吸収剤等の添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0198】
(合わせガラス)
図7は、図1に示す合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスの一例を示す断面図である。
【0199】
図7に示す合わせガラス21は、中間膜11と、第1の合わせガラス部材22と、第2の合わせガラス部材23とを備える。中間膜11は、第1の合わせガラス部材22と第2の合わせガラス部材23との間に配置されており、挟み込まれている。中間膜11の第1の表面に、第1の合わせガラス部材22が配置されている。中間膜11の第1の表面とは反対の第2の表面に、第2の合わせガラス部材23が配置されている。
【0200】
合わせガラス部材としては、ガラス板及びPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等が挙げられる。合わせガラスには、2枚のガラス板の間に中間膜が挟み込まれている合わせガラスだけでなく、ガラス板とPETフィルム等との間に中間膜が挟み込まれている合わせガラスも含まれる。合わせガラスは、ガラス板を備えた積層体であり、少なくとも1枚のガラス板が用いられていることが好ましい。第1の合わせガラス部材及び第2の合わせガラス部材がそれぞれガラス板又はPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムであり、かつ中間膜が、第1の合わせガラス部材及び第2の合わせガラス部材として、少なくとも1枚のガラス板を含むことが好ましい。第1の合わせガラス部材及び第2の合わせガラス部材の双方がガラス板であることが特に好ましい。
【0201】
ガラス板としては、無機ガラス及び有機ガラスが挙げられる。無機ガラスとしては、フロート板ガラス、熱線吸収板ガラス、熱線反射板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、線入り板ガラス及びグリーンガラス等が挙げられる。有機ガラスは、無機ガラスに代わる合成樹脂ガラスである。有機ガラスとしては、ポリカーボネート板及びポリ(メタ)アクリル樹脂板等が挙げられる。ポリ(メタ)アクリル樹脂板としては、ポリメチル(メタ)アクリレート板等が挙げられる。
【0202】
第1の合わせガラス部材及び第2の合わせガラス部材の各厚みは特に限定されないが、好ましくは1mm以上、好ましくは5mm以下である。合わせガラス部材がガラス板である場合に、該ガラス板の厚みは、好ましくは1mm以上、好ましくは5mm以下である。合わせガラス部材がPETフィルムである場合に、該PETフィルムの厚みは、好ましくは0.03mm以上、好ましくは0.5mm以下である。
【0203】
合わせガラスの製造方法は特に限定されない。例えば、第1,第2の合わせガラス部材の間に、中間膜を挟んで、押圧ロールに通したり、又はゴムバックに入れて減圧吸引したりする。これにより、第1の合わせガラス部材と中間膜及び第2の合わせガラス部材と中間膜との間に残留する空気を脱気する。その後、約70〜110℃で予備接着して積層体を得る。次に、積層体をオートクレーブに入れたり、又はプレスしたりして、約120〜150℃及び1〜1.5MPaの圧力で圧着する。このようにして、合わせガラスを得ることができる。
【0204】
合わせガラスは、自動車、鉄道車両、航空機、船舶及び建築物等に使用できる。合わせガラスは、建築物用又は車両用の合わせガラスであることが好ましく、車両用の合わせガラスであることがより好ましい。合わせガラスは、これらの用途以外にも使用できる。合わせガラスは、自動車のフロントガラス、サイドガラス、リアガラス又はルーフガラス等に使用できる。遮熱性が高くかつ可視光線透過率が高いので、合わせガラスは、自動車に好適に用いられる。
【0205】
合わせガラスは、ヘッドアップディスプレイ(HUD)である合わせガラスであることが好ましい。HUDである合わせガラスでは、コントロールユニットから送信される速度などの計測情報等を、インストゥルメンタル・パネルの表示ユニットから、フロントガラスに映し出すことができる。このため、自動車の運転者が視野を下げることなく、前方の視野と計測情報とを同時に視認することができる。
【0206】
ヘッドアップディスプレイを用いて、ヘッドアップディスプレイシステムを得ることができる。ヘッドアップディスプレイシステムは、合わせガラスと、画像表示用の光を合わせガラスに照射するための光源装置とを備える。光源装置は、例えば、車両において、ダッシュボードに取り付けることができる。光源装置から、合わせガラスの表示領域に光を照射することで、画像表示を行うことができる。
【0207】
以下に実施例及び比較例を掲げて本発明を更に詳しく説明する。本発明はこれら実施例のみに限定されない。
【0208】
用いたポリビニルアセタール樹脂では、アセタール化に、炭素数4のn−ブチルアルデヒドが用いられている。ポリビニルアセタール樹脂に関しては、アセタール化度(ブチラール化度)、アセチル化度及び水酸基の含有率はJIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により測定した。なお、ASTM D1396−92により測定した場合も、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法と同様の数値を示した。
【0209】
(実施例1)
中間膜(第1の層)を形成するための組成物の作製:
下記の成分を配合し、ミキシングロールで充分に混練し、中間膜を形成するための組成物を得た。
【0210】
ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度1700、水酸基の含有率30.5モル%、アセチル化度1.0モル%、アセタール化度68.5モル%)100重量部
トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40重量部
得られる中間膜中で0.2重量%となる量のTinuvin326(2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、BASF社製「Tinuvin326」)
得られる中間膜中で0.2重量%となる量のBHT(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール)
【0211】
中間膜の作製:
中間膜が狙いの外郭の形状となるように押出温度を調整し、中間膜(第1の層)を形成するための組成物を、押出機を用いて共押出した。この際、中間膜の厚みを調整するために、金型先端のリップクリアランスの調整を行った。第1の層のみの構造を有する楔状の中間膜を作製した。
【0212】
得られた中間膜は、一端に最小厚みを有し、他端に最大厚みを有する。一端と他端との距離Xは、105cmであった。
【0213】
実施例1では、厚みが増加している領域の中に、一端側から他端側にかけて厚みの増加量が大きくなる部分を有し、かつ、厚み方向の断面形状が楔状である領域の中に、一端側から他端側にかけて楔角が大きくなる部分を有する中間膜を作製した(外郭の形状は、図3参照)。一端と他端との間の距離をXとしたときに、中間膜は、一端から0.3Xの位置に凹部の最深部が位置していた。中間膜全体の楔角は0.50mradであった。
【0214】
(比較例1)
中間膜の押出時の金型先端のリップクリアランスの調整を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、中間膜を得た。また、比較例1では、実施例1と同じ種類の紫外線遮蔽剤及び酸化防止剤を、実施例1と同様の配合量(中間膜中での含有量)で配合した。
【0215】
(実施例4)
中間膜が狙いの外郭の形状となるように押出温度を調整したこと以外は実施例1と同様にして、中間膜を得た。また、実施例4では、実施例1と同じ種類の紫外線遮蔽剤及び酸化防止剤を、実施例1と同様の配合量(中間膜中での含有量)で配合した。
【0216】
実施例4では、厚みが増加している領域の中に、一端側から他端側にかけて厚みの増加量が小さくなる部分を有し、かつ、厚み方向の断面形状が楔状である領域の中に、一端側から他端側にかけて楔角が小さくなる部分を有する中間膜を作製した(外郭の形状は、図5参照)。一端と他端との間の距離をXとしたときに、中間膜は、一端から0.3Xの位置に凸部の最も突出している部分が位置していた。中間膜全体の楔角は0.50mradであった。
【0217】
(比較例4)
中間膜の押出時の金型先端のリップクリアランスの調整を行わなかったこと以外は実施例4と同様にして、中間膜を得た。また、比較例4では、実施例1と同じ種類の紫外線遮蔽剤及び酸化防止剤を、実施例1と同様の配合量(中間膜中での含有量)で配合した。
【0218】
(実施例2)
第1の層を形成するための組成物の作製:
下記の成分を配合し、ミキシングロールで充分に混練し、第1の層を形成するための組成物を得た。
【0219】
ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度3000、水酸基の含有率22モル%、アセチル化度13モル%、アセタール化度65モル%)100重量部
トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)60重量部
得られる第1の層中で0.2重量%となる量のTinuvin326(2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、BASF社製「Tinuvin326」)
得られる第1の層中で0.2重量%となる量のBHT(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール)
【0220】
第2の層及び第3の層を形成するための組成物の作製:
下記の成分を配合し、ミキシングロールで充分に混練し、第2の層及び第3の層を形成するための組成物を得た。
【0221】
ポリビニルアセタール樹脂(平均重合度1700、水酸基の含有率30.5モル%、アセチル化度1モル%、アセタール化度68.5モル%)100重量部
トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)38重量部
得られる第2の層及び第3の層中で0.2重量%となる量のTinuvin326(2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、BASF社製「Tinuvin326」)
得られる第2の層及び第3の層中で0.2重量%となる量のBHT(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール)
【0222】
中間膜の作製:
中間膜が狙いの外郭の形状となるように押出温度を調整し、第1の層を形成するための組成物と、第2の層及び第3の層を形成するための組成物とを、共押出機を用いて共押出した。この際、中間膜の厚みを調整するために、金型先端のリップクリアランスの調整を行った。第2の層/第1の層/第3の層の積層構造を有する楔状の中間膜を作製した。
【0223】
得られた中間膜は、一端に最小厚みを有し、他端に最大厚みを有する。一端と他端との距離Xは、107cmであった。
【0224】
実施例2では、厚みが増加している領域の中に、一端側から他端側にかけて厚みの増加量が大きくなる部分を有し、かつ、厚み方向の断面形状が楔状である領域の中に、一端側から他端側にかけて楔角が大きくなる部分を有する中間膜を作製した(外郭の形状は、図3参照)。一端と他端との間の距離をXとしたときに、中間膜は、一端から0.3Xの位置に凹部の最深部が位置していた。中間膜全体の楔角は0.30mradであった。
【0225】
(実施例3)
中間膜全体の楔角を0.70mrad、一端と他端との距離Xを102cmに変更したこと以外は実施例2と同様にして、中間膜を得た。
【0226】
(比較例2)
中間膜の押出時の金型先端のリップクリアランスの調整を行わなかったこと以外は実施例2と同様にして、中間膜を得た。また、比較例2では、実施例2と同じ種類の紫外線遮蔽剤及び酸化防止剤を、実施例2と同様の配合量(中間膜中での含有量)で配合した。
【0227】
(比較例3)
中間膜の押出時の金型先端のリップクリアランスの調整を行わなかったこと以外は実施例3と同様にして、中間膜を得た。また、比較例3では、実施例2と同じ種類の紫外線遮蔽剤及び酸化防止剤を、実施例2と同様の配合量(中間膜中での含有量)で配合した。
【0228】
(実施例5)
中間膜が狙いの外郭の形状となるように押出温度を調整したこと以外は実施例2と同様にして、中間膜を得た。また、実施例5では、実施例2と同じ種類の紫外線遮蔽剤及び酸化防止剤を、実施例2と同様の配合量(中間膜中での含有量)で配合した。
【0229】
実施例5では、厚みが増加している領域の中に、一端側から他端側にかけて厚みの増加量が小さくなる部分を有し、かつ、厚み方向の断面形状が楔状である領域の中に、一端側から他端側にかけて楔角が小さくなる部分を有する中間膜を作製した(外郭の形状は、図5参照)。一端と他端との間の距離をXとしたときに、中間膜は、一端から0.3Xの位置に凸部の最も突出している部分が位置していた。中間膜全体の楔角は0.30mradであった。
【0230】
(実施例6)
中間膜全体の楔角を0.70mradに変更したこと以外は、実施例5と同様にして、中間膜を得た。また、実施例6では、実施例2と同じ種類の紫外線遮蔽剤及び酸化防止剤を、実施例2と同様の配合量(中間膜中での含有量)で配合した。
【0231】
(比較例5)
中間膜の押出時の金型先端のリップクリアランスの調整を行わなかったこと以外は実施例5と同様にして、中間膜を得た。また、比較例5では、実施例2と同じ種類の紫外線遮蔽剤及び酸化防止剤を、実施例2と同様の配合量(中間膜中での含有量)で配合した。
【0232】
(比較例6)
中間膜の押出時の金型先端のリップクリアランスの調整を行わなかったこと以外は実施例6と同様にして、中間膜を得た。また、比較例6では、実施例2と同じ種類の紫外線遮蔽剤及び酸化防止剤を、実施例2と同様の配合量(中間膜中での含有量)で配合した。
【0233】
(評価)
(1)部分楔角の測定
の部分楔角の測定を行った。150mm毎の全ての区間Aにおけるの絶対値Aを求めた。150mm毎の全ての区間Aにおける絶対値Aが最も大きい値と、絶対値Aが最も小さい値とを求めた。
【0234】
(2)合わせガラスの外観における歪み
中間膜をガラス板の間に貼り合せて、合わせガラスを作製した。合わせガラスを45°傾けて、3m離れた強光源から光を45°傾けた合わせガラスに照射し、約2m離れたスクリーンに透写像を投影することで、合わせガラスの外観における歪みを評価した。合わせガラスの外観における歪みを下記の基準で判定した。合わせガラスの外観における歪みの判定基準の数値が大きいほど、合わせガラスの外観における歪みが抑えられている。
【0235】
[合わせガラスの外観における歪みの判定基準]
4:模様が全く見えない
3:うっすらと模様が見える
2:模様にうねりが確認できる
1:模様にうねりが確認でき、濃淡も認識できる
0:ガラス端部の影と同程度の濃淡が確認できる
−1:輝線が見える
【0236】
詳細及び結果を下記の表1,2に示す。
【0239】
なお、実施例2,3,5,6で得られた中間膜を用いた合わせガラスについて、音響透過損失により遮音性を評価した結果、遮音性に優れていることを確認した。また、実施例4〜6で得られた中間膜はロール体としたときにしわや巻きズレが発生せず、取り扱い性に優れていた。