(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年8月8日
【発行日】2020年11月19日
(54)【発明の名称】液化流体供給システム及び液化流体噴射装置
(51)【国際特許分類】
F17C 9/02 20060101AFI20201023BHJP
【FI】
F17C9/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
【出願番号】特願2019-569112(P2019-569112)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2019年1月29日
(31)【優先権主張番号】特願2018-15682(P2018-15682)
(32)【優先日】2018年1月31日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(71)【出願人】
【識別番号】000126115
【氏名又は名称】エア・ウォーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】前野 潤
(72)【発明者】
【氏名】定木 啓
(72)【発明者】
【氏名】郷田 玲央奈
(72)【発明者】
【氏名】河原 伸哉
【テーマコード(参考)】
3E172
【Fターム(参考)】
3E172AA03
3E172AA06
3E172AB11
3E172BA06
3E172BD05
3E172EB03
3E172EB10
3E172EB18
3E172JA08
(57)【要約】
この液化流体供給システム(3)は、噴射後に気化する液化流体(X)をノズル(4)に供給する液化流体供給システムであって、液化流体を飽和温度よりも低温に冷却して過冷却液とする過冷却部(5)と、過冷却部により過冷却液とされた液化流体を昇圧してノズルに供給する昇圧部(6)とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴射後に気化する液化流体をノズルに供給する液化流体供給システムであって、
前記液化流体を飽和温度よりも低温に冷却して過冷却液とする過冷却部と、
前記過冷却部により過冷却液とされた前記液化流体を昇圧して前記ノズルに供給する昇圧部と
を備える液化流体供給システム。
【請求項2】
前記過冷却部は、前記昇圧部への供給時及び前記昇圧部での昇圧時に前記液化流体が飽和温度を上回らない過冷却度となるように、前記液化流体を冷却する請求項1記載の液化流体供給システム。
【請求項3】
前記過冷却部は、前記昇圧部に供給する前記液化流体を当該液化流体よりも低温の冷却用液化流体との熱交換により冷却する過冷却部熱交換器を備える請求項1または2記載の液化流体供給システム。
【請求項4】
前記過冷却部は、前記昇圧部に前記液化流体を圧送する過冷却昇圧ポンプを備える請求項3記載の液化流体供給システム。
【請求項5】
前記過冷却昇圧ポンプは、前記過冷却部熱交換器に収容されている請求項4記載の液化流体供給システム。
【請求項6】
前記過冷却部は、
前記液化流体を貯蔵する貯蔵タンクに接続された払出配管と、
前記過冷却部熱交換器と前記払出配管とを接続すると共に、前記昇圧部に供給する前記液化流体を前記過冷却部熱交換器に案内する昇圧部供給用配管と、
前記過冷却部熱交換器と前記払出配管とを接続すると共に、前記液化流体を前記冷却用液化流体として前記過冷却部熱交換器に案内する冷却用配管と、
前記冷却用配管の途中部位に設けられると共に前記冷却用液化流体の抵抗となる冷却用配管抵抗部と
を備える請求項3〜5いずれか一項に記載の液化流体供給システム。
【請求項7】
前記昇圧部で昇圧された前記液化流体を冷却する昇圧後冷却熱交換器と、
前記昇圧後冷却熱交換器と前記払出配管とを接続すると共に、前記液化流体を後冷却用液化流体として前記昇圧後冷却熱交換器に案内する後冷却配管と、
前記後冷却配管の途中部位に設けられると共に前記後冷却用液化流体の抵抗となる後冷却配管抵抗部と
を備える請求項6記載の液化流体供給システム。
【請求項8】
前記昇圧部は、
前記液化流体を昇圧する昇圧ポンプと、
前記昇圧ポンプで昇圧された前記液化流体の一部を、前記冷却用液化流体として前記過冷却部に返流する返流配管と、
前記返流配管の途中部位に設けられると共に前記冷却用液化流体として返流される前記液化流体の抵抗となる返流配管抵抗部と
を備える請求項3〜7いずれか一項に記載の液化流体供給システム。
【請求項9】
前記昇圧部は、前記返流配管の途中部位に設けられると共に前記返流配管を流れる液化流体の流量を調整する返流量制限機構を備える請求項8記載の液化流体供給システム。
【請求項10】
前記昇圧部は、前記過冷却部から供給された前記液化流体を1次昇圧する1次昇圧ポンプと、1次昇圧された前記液化流体を2次昇圧する2次昇圧ポンプとを備える請求項1〜9いずれか一項に記載の液化流体供給システム。
【請求項11】
前記昇圧部は、前記過冷却部から供給された前記液化流体を前記ノズルへの供給圧まで一度に昇圧する単段昇圧ポンプを備える請求項1〜9いずれか一項に記載の液化流体供給システム。
【請求項12】
噴射後に気化する液化流体を噴射するノズルと、
前記ノズルに前記液化流体を供給する、請求項1〜11いずれか一項に記載の液化流体供給システムと
を備える液化流体噴射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
液化流体供給システム及び液化流体噴射装置に関する。
本願は、2018年1月31日に日本に出願された特願2018−015682号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、水に換えて液体窒素を噴射することによって、対象物の加工や洗浄を行う方法が開示されている。水を用いるウォータジェット法では、切削片等や汚れが水に交じることから、水自体の処理に配慮する必要があり、大量の二次廃棄物が発生する場合がある。一方で、噴射後に気化する液体窒素を用いる場合には、液体窒素は切削片や汚れと分離して気化するため、二次廃棄物を発生させることなく、加工や洗浄が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7310955号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1においては、液体窒素供給源から供給された液体窒素を、プレポンプ及びインテンシファイアポンプとで昇圧し、昇圧した液体窒素をノズルから噴射している。これらのポンプによって昇圧することで液体窒素が昇温するため、特許文献1では昇圧過程及び昇圧後に液体窒素を熱交換器によって冷却している。
【0005】
しかしながら、液体窒素は昇温された際や送液中に一部が気化し、窒素ガスとして大気中に放出されてしまう。このため、特許文献1による方法では、ノズルから噴射されずに大気中に放出されることで消費される液体窒素が多量に発生し、液体窒素の消費量が無駄に増加する。
【0006】
上述する問題点に鑑みてなされたもので、噴射後に気化する液化流体を用いる液化流体供給システム及び液化流体噴射装置において、ノズルから噴射されずに消費される液化流体の量を削減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0008】
本開示の第1の態様の液化流体供給システムは、噴射後に気化する液化流体をノズルに供給する液化流体供給システムであって、液化流体を飽和温度よりも低温に冷却して過冷却液とする過冷却部と、過冷却部により過冷却液とされた液化流体を昇圧してノズルに供給する昇圧部とを備える。
【0009】
本開示の第2の態様の液化流体供給システムは、第1の態様において、過冷却部が、昇圧部への供給時及び昇圧部での昇圧時に液化流体が飽和温度を上回らない過冷却度となるように、液化流体を冷却する。
【0010】
本開示の第3の態様の液化流体供給システムは、第1または第2の態様において、過冷却部が、昇圧部に供給する液化流体を当該液化流体よりも低温の冷却用液化流体との熱交換により冷却する過冷却部熱交換器を備える。
【0011】
本開示の第4の態様の液化流体供給システムは、第3の態様において、過冷却部が、昇圧部に液化流体を圧送する過冷却昇圧ポンプを備える。
【0012】
本開示の第5の態様の液化流体供給システムは、第4の態様において、過冷却昇圧ポンプが、過冷却部熱交換器に収容されている。
【0013】
本開示の第6の態様の液化流体供給システムは、第3〜第5いずれかの態様において、過冷却部が、液化流体を貯蔵する貯蔵タンクに接続された払出配管と、過冷却部熱交換器と払出配管とを接続すると共に、昇圧部に供給する液化流体を過冷却部熱交換器に案内する昇圧部供給用配管と、過冷却部熱交換器と払出配管とを接続すると共に、液化流体を冷却用液化流体として過冷却部熱交換器に案内する冷却用配管と、冷却用配管の途中部位に設けられると共に冷却用液化流体の抵抗となる冷却用配管抵抗部とを備える。
【0014】
本開示の第7の態様の液化流体供給システムは、第6の態様において、昇圧部で昇圧された液化流体を冷却する昇圧後冷却熱交換器と、昇圧後冷却熱交換器と払出配管とを接続すると共に、液化流体を後冷却用液化流体として昇圧後冷却熱交換器に案内する後冷却配管と、後冷却配管の途中部位に設けられると共に後冷却用液化流体の抵抗となる後冷却配管抵抗部とを備える。
【0015】
本開示の第8の態様の液化流体供給システムは、第3〜第7いずれかの態様において、昇圧部が、液化流体を昇圧する昇圧ポンプと、昇圧ポンプで昇圧された液化流体の一部を、冷却用液化流体として過冷却部に返流する返流配管と、返流配管の途中部位に設けられると共に冷却用液化流体として返流される液化流体の抵抗となる返流配管抵抗部とを備える。
【0016】
本開示の第9の態様の液化流体供給システムは、第8の態様において、昇圧部が、返流配管の途中部位に設けられると共に返流配管を流れる液化流体の流量を調整する返流量制限機構を備える。
【0017】
本開示の第10の態様の液化流体供給システムは、第1〜第9いずれかの態様において、昇圧部が、過冷却部から供給された液化流体を1次昇圧する1次昇圧ポンプと、1次昇圧された液化流体を2次昇圧する2次昇圧ポンプとを備える。
【0018】
本開示の第11の態様の液化流体供給システムは、第1〜第9いずれかの態様において、昇圧部が、過冷却部から供給された液化流体をノズルへの供給圧まで一度に昇圧する単段昇圧ポンプを備える。
【0019】
本開示の第12の態様の液化流体噴射装置は、噴射後に気化する液化流体を噴射するノズルと、ノズルに液化流体を供給する、第1〜第11いずれかの態様の液化流体供給システムとを備える。
【発明の効果】
【0020】
本開示によれば、昇圧前の液化流体を過冷却部によって飽和温度よりも低い温度まで冷却して過冷却度が高い過冷却液の状態とする。このため、昇圧部への供給時や昇圧過程において液化流体が飽和温度以上に至ることを防止あるいは抑止することができ、液化流体の一部が気化して大気中に放出されることを防止あるいは抑制することができる。したがって、本開示によれば、噴射後に気化する液化流体を用いる液化流体供給システム及び液化流体噴射装置において、ノズルから噴射されずに消費される液化流体の量を削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本開示の第1実施形態の液化流体噴射装置の概略構成を示すフロー図である。
【図2】本開示の第2実施形態の液化流体噴射装置の概略構成を示すフロー図である。
【図3】本開示の第3実施形態の液化流体噴射装置の概略構成を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本開示に係る液化流体供給システム及び液化流体噴射装置の一実施形態について説明する。
【0023】
(第1実施形態)
図1は、本第1実施形態の液化流体噴射装置1の概略構成を示すフロー図である。この図に示すように、本実施形態の液化流体噴射装置1は、貯蔵タンク2と、液化流体供給システム3と、ノズル4とを備えている。
【0024】
貯蔵タンク2は、液体窒素X(液化流体)を貯蔵する圧力タンクであり、液化流体供給システム3と接続されている。なお、本実施形態の液化流体噴射装置1は、この貯蔵タンク2を備えずに外部から液体窒素Xの供給を受ける構成とすることも可能である。液化流体供給システム3は、貯蔵タンク2から供給された液体窒素Xを一定の噴射圧にまで昇圧する。液化流体供給システム3は、ノズル4と接続されている。ノズル4は、液化流体供給システム3から供給された液体窒素Xを先端部から噴射する。
【0025】
このような本実施形態の液化流体噴射装置1は、大気中に噴射されることによって気化する液体窒素Xを液化流体供給システム3によって昇圧し、ノズル4から噴射する。つまり、液化流体噴射装置1は、噴射後に気化する液体窒素Xを噴射するノズル4と、ノズル4に液体窒素Xを供給する液化流体供給システム3とを備えている。
【0026】
図1に示すように、液化流体供給システム3は、過冷却部5と、昇圧部6と、後冷却部7と、フレキシブルチューブ8とを備えている。過冷却部5は、払出配管5aと、昇圧部供給用配管5bと、過冷却部熱交換器5cと、接続配管5dと、ブーストポンプ5e(過冷却昇圧ポンプ)と、送出配管5fと、冷却用配管5gと、冷却用配管オリフィス5h(冷却用配管抵抗部)とを備えている。
【0027】
払出配管5aは、貯蔵タンク2に接続された配管であり、貯蔵タンク2から払い出される液体窒素Xを昇圧部供給用配管5b等に向けて案内する。昇圧部供給用配管5bは、払出配管5aと過冷却部熱交換器5cとを接続する配管であり、払出配管5aから過冷却部熱交換器5cまで液体窒素Xを案内する。この昇圧部供給用配管5bは、払出配管5aを流れる液体窒素Xのうち、後段の昇圧部6に供給するための液体窒素Xを案内する。
【0028】
過冷却部熱交換器5cは、昇圧部供給用配管5bから供給される液体窒素Xを、冷却用配管5gから供給される液体窒素Xと熱交換することによって飽和温度よりも低い温度まで冷却する熱交換器である。この過冷却部熱交換器5cは、例えばプレートフィン型の熱交換器であり、貯蔵タンク2から払い出されて昇圧部供給用配管5bから供給される加圧状態の液体窒素Xと、冷却用配管5gから供給される低圧かつ低温の液体窒素Xとを熱交換する。このような過冷却部熱交換器5cは、昇圧部供給用配管5bから供給される液体窒素Xを飽和温度よりも低温に冷却することで過冷却液とする。ここでは、過冷却部熱交換器5cは、後段の昇圧部6への供給時及び昇圧部6での昇圧時に液体窒素Xが飽和温度を上回らない過冷却度となるように、液体窒素Xを冷却する。
【0029】
接続配管5dは、過冷却部熱交換器5cとブーストポンプ5eとを接続する配管であり、過冷却部熱交換器5cによって過冷却液とされた液体窒素Xを過冷却部熱交換器5cからブーストポンプ5eに案内する。ブーストポンプ5eは、接続配管5dを介して供給される液体窒素Xを昇圧して、送出配管5fを介して昇圧部6に向けて圧送するポンプである。このようなブーストポンプ5eとしては、例えば遠心ポンプが用いられる。送出配管5fは、ブーストポンプ5eと昇圧部6とを接続する配管であり、ブーストポンプ5eから昇圧部6に液体窒素Xを案内する。
【0030】
冷却用配管5gは、払出配管5aと過冷却部熱交換器5cとを接続する配管であり、払出配管5aから過冷却部熱交換器5cまで液体窒素Xを案内する。この冷却用配管5gは、払出配管5aを流れる液体窒素Xのうち、過冷却部熱交換器5cで冷却用液体窒素(冷却用液化流体)として用いる液体窒素Xを案内する。なお、ここでの冷却用液体窒素とは、過冷却部熱交換器5cで冷却対象とされる液体窒素X(昇圧部6に過冷却液として供給される液体窒素X)を冷却するために用いられる液体窒素Xである。
【0031】
冷却用配管オリフィス5hは、冷却用配管5gの途中部位に設けられる抵抗部であり、液体窒素Xの流れに対する抵抗となっている。この冷却用配管オリフィス5hは、冷却用配管5gの冷却用配管オリフィス5hよりも上流側の部位の圧力を維持するための絞り流路である。冷却用液体窒素として過冷却部熱交換器5cに供給された液体窒素Xは、過冷却部熱交換器5cにて減圧される。冷却用配管オリフィス5hによって、冷却用配管5gの上流側が過冷却部熱交換器5cの内部の圧力に応じて減圧されることを防止し、さらには払出配管5a及び昇圧部供給用配管5bにおいて液体窒素Xが減圧されることが抑止され、払出配管5a及び昇圧部供給用配管5bにおける液体窒素Xの圧力が維持される。
【0032】
このような過冷却部5は、貯蔵タンク2から供給された液体窒素Xの一部を飽和温度よりも低温の過冷却液となるまで冷却し、過冷却液となった液体窒素Xを昇圧部6に対して供給する。
【0033】
昇圧部6は、プレポンプ6a(1次昇圧ポンプ)と、接続配管6bと、第1インテンシファイアポンプ6c(2次昇圧ポンプ)と、第2インテンシファイアポンプ6d(2次昇圧ポンプ)と、送出配管6eと、昇圧部熱交換器6fと、返流配管6gと、返流配管オリフィス6h(返流配管抵抗部)と、返流量制限弁6iとを備えている。
【0034】
プレポンプ6aは、過冷却部5の送出配管5fと接続されたポンプであり、過冷却部5によって飽和温度より低温に冷却された液体窒素Xが供給される。このプレポンプ6aは、例えばピストンポンプであり、過冷却部5から供給される液体窒素Xを1次昇圧する。接続配管6bは、プレポンプ6aと、第1インテンシファイアポンプ6c及び第2インテンシファイアポンプ6dとを接続する配管である。この接続配管6bの第1インテンシファイアポンプ6c及び第2インテンシファイアポンプ6d側の端部は2股に分岐されており、一方が第1インテンシファイアポンプ6cに接続され、他方が第2インテンシファイアポンプ6dに接続されている。また、接続配管6bは、分岐されていない途中部位の領域が昇圧部熱交換器6fを通過している。このような接続配管6bは、プレポンプ6aで昇圧された液体窒素Xをプレポンプ6aから第1インテンシファイアポンプ6cあるいは第2インテンシファイアポンプ6dまで案内する。
【0035】
第1インテンシファイアポンプ6c及び第2インテンシファイアポンプ6dは、接続配管6bに対して並列的に接続されたポンプであり、接続配管6bを介してプレポンプ6aで昇圧された液体窒素Xが供給される。これらの第1インテンシファイアポンプ6c及び第2インテンシファイアポンプ6dは、例えばピストンポンプであり、プレポンプ6aで1次昇圧された液体窒素Xを2次昇圧する。このように、昇圧部6は、並列接続されて多段化された複数のインテンシファイアポンプ(第1インテンシファイアポンプ6c及び第2インテンシファイアポンプ6d)を備えている。
【0036】
送出配管6eは、第1インテンシファイアポンプ6c及び第2インテンシファイアポンプ6dと後冷却部7とを接続する配管であり、第1インテンシファイアポンプ6cあるいは第2インテンシファイアポンプ6dで2次昇圧された液体窒素Xを後冷却部7に案内する。この送出配管6eの第1インテンシファイアポンプ6c及び第2インテンシファイアポンプ6d側の端部は2股に分岐されており、一方が第1インテンシファイアポンプ6cに接続され、他方が第2インテンシファイアポンプ6dに接続されている。また、送出配管6eは、分岐されていない途中部位の領域が昇圧部熱交換器6fを通過している。
【0037】
昇圧部熱交換器6fは、上述のように接続配管6bの途中部位と、送出配管6eの途中部位とが通過された熱交換器であり、接続配管6bを流れる液体窒素Xと送出配管6eを流れる液体窒素Xとを熱交換する。送出配管6eを流れる液体窒素Xは、第1インテンシファイアポンプ6cあるいは第2インテンシファイアポンプ6dで昇圧されることによって昇温されている。このため、昇圧部熱交換器6fでは、接続配管6bを流れる液体窒素Xを熱交換により昇温し、送出配管6eを流れる液体窒素Xを熱交換により降温する。なお、例えば、第1インテンシファイアポンプ6c及び第2インテンシファイアポンプ6dの低温側の耐熱温度が十分に低く、また後段の後冷却部7の冷却性能が十分に高い場合には、昇圧部熱交換器6fを省略することも可能である。つまり、第1インテンシファイアポンプ6c及び第2インテンシファイアポンプ6dの内部部品がプレポンプ6aで1次昇圧された液体窒素Xの温度に耐えることができ、第1インテンシファイアポンプ6c及び第2インテンシファイアポンプ6dで2次昇圧された液体窒素Xを後冷却部7のみでノズル4での噴射温度にまで冷却可能である場合には、昇圧部熱交換器6fを備えない構成とすることが可能である。
【0038】
返流配管6gは、プレポンプ6aと過冷却部5とを接続する配管であり、プレポンプ6a(昇圧ポンプ)で昇圧された液体窒素Xの一部を過冷却部5に返流する。この返流配管6gは、過冷却部5側の端部が2股に分岐されており、一方が過冷却部5の昇圧部供給用配管5bと接続されており、他方が過冷却部5の過冷却部熱交換器5cと接続されている。この返流配管6gは、プレポンプ6aで昇圧された液体窒素Xの一部を過冷却部5の昇圧部供給用配管5bに合流させることで循環させ、プレポンプ6aで昇圧された液体窒素Xの残部を冷却用液体窒素として過冷却部5の過冷却部熱交換器5cに返流する。
【0039】
返流配管オリフィス6hは、過冷却部5の過冷却部熱交換器5cに接続される部位の途中部位に設けられる抵抗部であり、液体窒素Xの流れに対する抵抗となっている。この返流配管オリフィス6hは、返流配管6gの返流配管オリフィス6hの上流側の部位の圧力を維持するための絞り流路である。冷却用液体窒素として過冷却部熱交換器5cに供給された液体窒素Xは、過冷却部熱交換器5cにて減圧される。返流配管オリフィス6hによって、返流配管6gの上流側が過冷却部熱交換器5cの内部の圧力に応じて減圧されることを防止し、さらにはプレポンプ6aにおいて液体窒素Xが減圧されることが抑止され、プレポンプ6aにおける液体窒素Xの圧力が維持される。
【0040】
返流量制限弁6i(返流量制限機構)は、返流配管6gの途中部位であって返流配管オリフィス6hの上流に設けられている。この返流量制限弁6iは、返流配管6gを流れて過冷却部5に返流される液体窒素Xの流量を調整するための流量調整弁である。このような返流量制限弁6iによって、プレポンプ6aから返流配管6gを介して過冷却部5に返流される液体窒素Xの流量を調整することができ、過剰に液体窒素Xがプレポンプ6aから過冷却部5に返流されることを抑制することができる。なお、返流量制限弁6iに換えて、開閉弁とオリフィスを備える返流量制限機構を設置することも可能である。
【0041】
後冷却部7は、昇圧後冷却熱交換器7aと、後冷却配管7bと、後冷却配管オリフィス7cとを備えている。昇圧後冷却熱交換器7aは、昇圧部6から供給される昇圧後の液体窒素Xを、後冷却配管7bから供給される液体窒素Xと熱交換することによって噴射温度まで冷却する熱交換器である。この昇圧後冷却熱交換器7aは、例えばシェルアンドチューブ型の熱交換器であり、昇圧部6で昇圧された加圧状態の液体窒素Xと、後冷却配管7bから供給される低圧かつ低温の液体窒素Xとを熱交換する。
【0042】
後冷却配管7bは、過冷却部5の払出配管5aと昇圧後冷却熱交換器7aとを接続すると共に、払出配管5aから昇圧後冷却熱交換器7aまで液体窒素Xを案内する。この後冷却配管7bは、払出配管5aを流れる液体窒素Xのうち、昇圧後冷却熱交換器7aで冷却用液体窒素(後冷却用液化流体)として用いる液体窒素Xを案内する。なお、ここでの冷却用液体窒素とは、昇圧後冷却熱交換器7aで冷却対象とされる液体窒素X(ノズル4から噴射される液体窒素X)を冷却するために用いられる液体窒素Xである。
【0043】
後冷却配管オリフィス7cは、後冷却配管7bの途中部位に設けられる抵抗部であり、液体窒素Xの流れに対する抵抗となっている。この後冷却配管オリフィス7cは、後冷却配管7bの後冷却配管オリフィス7cよりも上流側の部位の圧力を位置するための絞り流路である。冷却用液体窒素として昇圧後冷却熱交換器7aに供給された液体窒素Xは、昇圧後冷却熱交換器7aにて減圧される。後冷却配管オリフィス7cによって、後冷却配管7bの上流側が昇圧後冷却熱交換器7aの内部の圧力に応じて減圧されることを防止し、さらには払出配管5a及び昇圧部供給用配管5bにおいて液体窒素Xが減圧されることが抑止され、払出配管5a及び昇圧部供給用配管5bにおける液体窒素Xの圧力が維持される。
【0044】
フレキシブルチューブ8は、後冷却部7とノズル4とを接続する鋼管であり、ノズル4を作業者が容易に姿勢変更なように後冷却部7と接続している。後冷却部7は、このようなフレキシブルチューブ8を介してノズル4と接続されており、昇圧後の液体窒素Xを冷却してノズル4に供給する。
【0045】
このような構成の本実施形態の液化流体噴射装置1では、貯蔵タンク2に貯蔵された液体窒素Xが過冷却部5に供給される。過冷却部5に供給された液体窒素Xは、払出配管5aで案内された後、昇圧部供給用配管5bと、冷却用配管5gと、後冷却配管7bに分配される。昇圧部供給用配管5bに供給された液体窒素Xは、加圧状態のまま過冷却部熱交換器5cに供給され、冷却用配管5gを介して過冷却部熱交換器5cに供給されかつ減圧された液体窒素Xと熱交換されることで冷却されて過冷却液とされる。過冷却部熱交換器5cで過冷却液とされた液体窒素Xは、ブーストポンプ5eによって送出配管5fを介して昇圧部6に向けて圧送される。
【0046】
昇圧部6に過冷却液の状態で供給された液体窒素Xは、プレポンプ6aにて1次昇圧される。プレポンプ6aで昇圧された液体窒素Xのうち一部は、接続配管6bを介して第1インテンシファイアポンプ6cあるいは第2インテンシファイアポンプ6dに供給される。また、プレポンプ6aで昇圧された液体窒素Xのうち残部は、返流配管6gを介して過冷却部5の昇圧部供給用配管5bあるいは過冷却部熱交換器5cに返流される。
【0047】
接続配管6bを流れる液体窒素Xは、昇圧部熱交換器6fで加温された後、第1インテンシファイアポンプ6cあるいは第2インテンシファイアポンプ6dで2次昇圧される。2次昇圧された液体窒素Xは、送出配管6eを介して後冷却部7に供給される。このとき、送出配管6eを流れる液体窒素Xは、昇圧部熱交換器6fで降温される。
【0048】
後冷却部7に供給された液体窒素Xは、昇圧後冷却熱交換器7aにおいて、後冷却配管7bを介して昇圧後冷却熱交換器7aに供給されかつ減圧された液体窒素Xと熱交換されることで噴射温度まで冷却される。後冷却部7で冷却された液体窒素Xは、フレキシブルチューブ8を介してノズル4に供給され、ノズル4から噴射される。
【0049】
以上のような本実施形態の液化流体噴射装置1及び液化流体供給システム3によれば、昇圧前の液体窒素Xを過冷却部5によって飽和温度よりも低い温度まで冷却して過冷却度が高い過冷却液の状態とする。このため、昇圧部6への供給時や昇圧過程において液体窒素Xが飽和温度以上に至ることを防止あるいは抑止することができ、液体窒素Xの一部が気化して大気中に放出されることを防止あるいは抑制することができる。したがって、液化流体噴射装置1及び液化流体供給システム3によれば、ノズル4から噴射されずに消費される液体窒素Xの量を削減することが可能となる。
【0050】
また、液化流体供給システム3においては、過冷却部5は、昇圧部6への供給時及び昇圧部6での昇圧時に液体窒素Xが飽和温度を上回らない過冷却度となるように、噴射される液体窒素Xを冷却している。このため、液化流体供給システム3によれば、昇圧部6によって気化する液体窒素Xをより削減することができ、ノズル4から噴射されずに消費される液体窒素Xの量をさらに削減することが可能となる。
【0051】
また、液化流体供給システム3においては、過冷却部5は、昇圧部6に供給する液体窒素Xをこの液体窒素Xよりも低温の冷却用液化流体(冷却用配管5gから供給される液体窒素X)との熱交換により冷却する過冷却部熱交換器5cを備えている。このため、液化流体供給システム3によれば、簡易な構成にて昇圧部6に供給する液体窒素Xを過冷却液の状態とすることが可能となる。
【0052】
また、液化流体供給システム3においては、過冷却部5は、昇圧部6に液体窒素Xを圧送するブーストポンプ5eを備えている。このため、過冷却部5での冷却過程で液体窒素Xの圧力が低下した場合であっても、ブーストポンプ5eによって確実に昇圧部6に液体窒素Xを供給することが可能となる。ただし、貯蔵タンク2から送り出された液体窒素Xの圧力を昇圧部6に液体窒素Xを供給できる程度十分に高く保持できる場合には、ブーストポンプ5eを省略することも可能である。
【0053】
また、液化流体供給システム3においては、過冷却部5は、液体窒素Xを貯蔵する貯蔵タンク2に接続された払出配管5aと、過冷却部熱交換器5cと払出配管5aとを接続すると共に、昇圧部6に供給する液体窒素Xを過冷却部熱交換器5cに案内する昇圧部供給用配管5bと、過冷却部熱交換器5cと払出配管5aとを接続すると共に、液体窒素Xを冷却用液体窒素として過冷却部熱交換器5cに案内する冷却用配管5gと、冷却用配管5gの途中部位に設けられると共に冷却用液体窒素の抵抗となる冷却用配管オリフィス5hとを備えている。このため、冷却用配管オリフィス5hによって、冷却用配管5gの上流側が過冷却部熱交換器5cの内部の圧力に応じて減圧されることを防止し、さらには払出配管5a及び昇圧部供給用配管5bにおいて液体窒素Xが減圧されることが抑止され、払出配管5a及び昇圧部供給用配管5bにおける液体窒素Xの圧力が維持される。このように払出配管5a及び昇圧部供給用配管5bにおける液体窒素Xの圧力が維持されることによって、過冷却部熱交換器5cで液体窒素Xを過冷却液とするのに要する冷熱量を削減することできる。この結果、冷却用配管5gを介して過冷却部熱交換器5cに供給する液体窒素Xの流量を減少することができ、ノズル4から噴射されずに消費される液体窒素Xの量をさらに削減することが可能となる。
【0054】
また、液化流体供給システム3においては、昇圧部6で昇圧された液体窒素Xを冷却する昇圧後冷却熱交換器7aと、昇圧後冷却熱交換器7aと払出配管5aとを接続すると共に、液体窒素Xを後冷却用液体窒素として昇圧後冷却熱交換器7aに案内する後冷却配管7bと、後冷却配管7bの途中部位に設けられると共に後冷却用液体窒素の抵抗となる後冷却配管オリフィス7cとを備えている。後冷却配管オリフィス7cによって、後冷却配管7bの上流側が昇圧後冷却熱交換器7aの内部の圧力に応じて減圧されることを防止し、さらには払出配管5a及び昇圧部供給用配管5bにおいて液体窒素Xが減圧されることが抑止され、払出配管5a及び昇圧部供給用配管5bにおける液体窒素Xの圧力が維持される。このように払出配管5a及び昇圧部供給用配管5bにおける液体窒素Xの圧力が維持されることによって、過冷却部熱交換器5cで液体窒素Xを過冷却液とするのに要する冷熱量を削減することできる。この結果、後冷却配管7bを介して昇圧後冷却熱交換器7aに供給する液体窒素Xの流量を減少することができ、ノズル4から噴射されずに消費される液体窒素Xの量をさらに削減することが可能となる。
【0055】
また、液化流体供給システム3においては、昇圧部6が、液体窒素Xを昇圧するプレポンプ6aと、プレポンプ6aで昇圧された液体窒素Xの一部を、冷却用液体窒素として過冷却部5に返流する返流配管6gと、返流配管6gの途中部位に設けられると共に冷却用液体窒素として返流される液体窒素Xの抵抗となる返流配管オリフィス6hとを備えている。返流配管オリフィス6hによって、返流配管6gの上流側が過冷却部熱交換器5cの内部の圧力に応じて減圧されることを防止し、さらにはプレポンプ6aにおいて液体窒素Xが減圧されることが抑止され、プレポンプ6aにおける液体窒素Xの圧力を維持することができる。さらに、液体窒素Xの過冷却度を維持することができるため、後冷却配管7bを介して昇圧後冷却熱交換器7aに供給する液体窒素Xの流量を減少することができ、ノズル4から噴射されずに消費される液体窒素Xの量をさらに削減することが可能となる。
【0056】
また、液化流体供給システム3においては、返流配管6gの途中部位に設けられると共に返流配管6gを流れる液体窒素Xの流量を調整可能な返流量制限弁6iを備えている。このため、過剰に液体窒素Xがプレポンプ6aから過冷却部5に返流されることを抑制することができ、昇圧部供給配管5bを流れる液体窒素Xの流量を抑えることができる。したがって、昇圧部供給配管5bでの液体窒素Xの流量低下に応じて、冷却用配管5gを介して過冷却部熱交換器5cに供給する液体窒素Xの流量を減少することができ、ノズル4から噴射されずに消費される液体窒素Xの量をさらに削減することが可能となる。
【0057】
また、液化流体供給システム3においては、昇圧部6が、過冷却部5から供給された液体窒素Xを1次昇圧するプレポンプ6aと、1次昇圧された液体窒素Xを2次昇圧する第1インテンシファイアポンプ6c及び第2インテンシファイアポンプ6dとを備えている。このため、第1インテンシファイアポンプ6c及び第2インテンシファイアポンプ6dのみで液体窒素Xを昇圧する場合と比較して、第1インテンシファイアポンプ6c及び第2インテンシファイアポンプ6dの負荷を抑えることが可能となる。
なお、本実施形態では2つのインテンシファイアポンプ6c及び6dが設けられているが、この構成に限定されず、インテンシファイアポンプが1つまたは3つ以上設けられていてもよい。すなわち、本開示の2次昇圧ポンプの個数が1つまたは3つ以上であってもよい。
【0058】
(第2実施形態)
次に、本開示の第2実施形態について、図2を参照して説明する。なお、本第2実施形態の説明において、第1実施形態の同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0059】
図2は、本第2実施形態の液化流体噴射装置1Aの概略構成を示すフロー図である。この図に示すように、本実施形態の液化流体噴射装置1Aの液化流体供給システム3において、ブーストポンプ5eは、過冷却部熱交換器5cに収容されている。また、過冷却部5において接続配管5dが設けられておらず、昇圧部供給用配管5bが直接的にブーストポンプ5eに接続されている。
【0060】
このような液化流体供給システム3によれば、ブーストポンプ5eにおいて昇圧部6に供給する液体窒素Xが昇温することを抑制し、より過冷却度を大きくした状態で液体窒素Xを昇圧部6に供給することができる。したがって、昇圧部6において液体窒素Xが気化することをより防止することができ、ノズル4から噴射されずに消費される液体窒素Xの量をさらに削減することが可能となる。
【0061】
さらに、このような液化流体供給システム3によれば、接続配管5dを設けなくても良いために小型化が可能となり、外部からの液体窒素Xへの入熱をより確実に抑えることができる。したがって、ノズル4から噴射されずに消費される液体窒素Xの量をさらに削減することが可能となる。
【0062】
(第3実施形態)
次に、本開示の第3実施形態について、図3を参照して説明する。なお、本第3実施形態の説明において、第1実施形態の同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0063】
図3は、本第3実施形態の液化流体噴射装置1Bの概略構成を示すフロー図である。この図に示すように、本実施形態の液化流体噴射装置1Aの液化流体供給システム3において、ブーストポンプ5eは、過冷却部熱交換器5cに収容されている。また、過冷却部5において接続配管5dが設けられておらず、昇圧部供給用配管5bが直接的にブーストポンプ5eに接続されている。
【0064】
さらに、昇圧部6は、昇圧部熱交換器6f、第1インテンシファイアポンプ6c及び第2インテンシファイアポンプ6dを備えておらず、過冷却部5から供給された液体窒素Xをノズル4への供給圧まで一度に昇圧する1つの単段インテンシファイアポンプ6i(単段昇圧ポンプ)のみを備えている。
【0065】
このような液化流体供給システム3においては、第2実施形態と同様に、ブーストポンプ5eにおいて昇圧部6に供給する液体窒素Xが昇温することを抑制し、より過冷却度を大きくした状態で液体窒素Xを昇圧部6に供給することができる。したがって、昇圧部6において液体窒素Xが気化することをより防止することができ、ノズル4から噴射されずに消費される液体窒素Xの量をさらに削減することが可能となる。
【0066】
さらに、このような液化流体供給システム3によれば、接続配管5d、第1インテンシファイアポンプ6c及び第2インテンシファイアポンプ6dを備えておらず、1つの単段インテンシファイアポンプ6iのみを備えている。このため、小型化が可能となり、外部からの液体窒素Xへの入熱をより確実に抑えることができる。したがって、ノズル4から噴射されずに消費される液体窒素Xの量をさらに削減することが可能となる。
【0067】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について説明したが、実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本開示の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0068】
例えば、実施形態においては、噴射される液化流体として液体窒素を用いる構成について説明した。しかしながら、本開示はこれに限定されない。例えば、液化流体として、液体二酸化炭素や液体ヘリウムを用いることも可能である。
【0069】
また、実施形態においては、冷却用配管抵抗部、後冷却配管抵抗部及び返流配管抵抗部としてオリフィスを用いる構成について説明した。しかしながら、本開示はこれに限定されず、絞り弁等を冷却用配管抵抗部、後冷却配管抵抗部及び返流配管抵抗部として用い、絞り量を可変とする構成を採用することも可能である。
【0070】
また、第1実施形態及び第2実施形態においては、昇圧部熱交換機6fを備える構成について説明した。例えば、本開示では昇圧部熱交換器6fに対してあるいは別体でヒータを設置し、接続配管6bを流れる液体窒素Xをより高温に加熱することも可能である。このような場合には、第1インテンシファイアポンプ6c及び第2インテンシファイアポンプ6dに供給される液体窒素Xの温度が高くなることから、第1インテンシファイアポンプ6c及び第2インテンシファイアポンプ6dに設置されるシールリング等の低温側の耐熱要求を緩和することができる。ただし、当然にヒータを設置しない構成、さらには昇圧部熱交換器6fも設置しない構成を採用することも可能である。これによって、接続配管6bを流れる液体窒素Xの温度を低温に維持することができるため、昇圧後冷却熱交換器7aで必要となる冷却用の液体窒素Xの消費量を削減することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
噴射後に気化する液化流体を用いる液化流体供給システム及び液化流体噴射装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0072】
1 液化流体噴射装置
1A 液化流体噴射装置
1B 液化流体噴射装置
2 貯蔵タンク
3 液化流体供給システム
4 ノズル
5 過冷却部
5a 払出配管
5b 昇圧部供給用配管
5c 過冷却部熱交換器
5d 接続配管
5e ブーストポンプ
5f 送出配管
5g 冷却用配管
5h 冷却用配管オリフィス(冷却用配管抵抗部)
6 昇圧部
6a プレポンプ(昇圧ポンプ、1次昇圧ポンプ)
6b 接続配管
6c 第1インテンシファイアポンプ(2次昇圧ポンプ)
6d 第2インテンシファイアポンプ(2次昇圧ポンプ)
6e 送出配管
6f 昇圧部熱交換器
6g 返流配管
6h 返流配管オリフィス(返流配管抵抗部)
6i 単段インテンシファイアポンプ(単段昇圧ポンプ)
7 後冷却部
7a 昇圧後冷却熱交換器
7b 後冷却配管
7c 後冷却配管オリフィス(後冷却配管抵抗部)
8 フレキシブルチューブ
X 液体窒素(液化流体)
【国際調査報告】