再表2020-100653IP Force 特許公報全文掲載

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2020年5月22日
【発行日】2021年9月24日
(54)【発明の名称】半固形食品用の乾燥具材
(51)【国際特許分類】
   A23L 15/00 20160101AFI20210827BHJP
【FI】
   A23L15/00 Z
   A23L15/00 A
   A23L15/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
【出願番号】特願2020-556070(P2020-556070)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2019年11月5日
(31)【優先権主張番号】特願2018-212361(P2018-212361)
(32)【優先日】2018年11月12日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000204181
【氏名又は名称】太陽化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108280
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 洋平
(72)【発明者】
【氏名】中尾 貴大
(72)【発明者】
【氏名】熊澤 愛
(72)【発明者】
【氏名】白藤 浩一
(72)【発明者】
【氏名】宮本 圭一
【テーマコード(参考)】
4B042
【Fターム(参考)】
4B042AC03
4B042AC05
4B042AC10
4B042AD40
4B042AE01
4B042AE04
4B042AE05
4B042AE10
4B042AG07
4B042AH09
4B042AH10
4B042AH11
4B042AK01
4B042AK06
4B042AK08
4B042AK09
4B042AK10
4B042AK12
4B042AK20
4B042AP02
4B042AP10
4B042AP17
4B042AP21
4B042AP22
(57)【要約】
【課題】 半熟卵のような食感と、乾燥具材に混合した材料の食味を備えた半固形食品用の乾燥具材を提供すること。
【解決手段】 卵加工品(A)と増粘多糖類(B)と澱粉加工品(C)とを含んだ半固形食品用の乾燥具材であって、当該乾燥具材の質量に対して7倍量の80℃以上の水を添加し3分間静置したときにレオメーターで測定したときの応力値が1g/cm2〜26g/cm2である半固形食品となることを特徴とする半固形食品用の乾燥具材によって達成される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
卵加工品(A)と増粘多糖類(B)と澱粉加工品(C)とを含んだ半固形食品用の乾燥具材であって、当該乾燥具材の質量に対して7倍量の80℃以上の水を添加し3分間静置したときにレオメーターで測定したときの応力値が1g/cm2〜26g/cm2である半固形食品となることを特徴とする半固形食品用の乾燥具材。
【請求項2】
組成比率としてA=18%〜52%、B=15%〜53%、C=22%〜43%、A+B+C=100%であることを特徴とする請求項1に記載の半固形食品用の乾燥具材。
【請求項3】
前記AとBとCの三成分系図を作成したときに、下記表内に記載されている4角形の境界及び内部に位置することを特徴とする請求項1または2に記載の半固形食品用の乾燥具材。
【表1】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湯戻しを施して飲食可能な半固形食品用の乾燥具材
【背景技術】
【0002】
適量の湯を添加して湯戻しすることにより飲食が可能となる乾燥食品として、例えばカップラーメン・カップうどんなどの麺食品、カップスープ、その他のフリーズドライ食品などが知られている。これらの食品の具材について多くの開発品が提供されてきている(例えば、特許文献1〜3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−153396号公報
【特許文献2】特開2012−019733号公報
【特許文献3】特開2005−052141号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の具材(特にたまごを模した具材)では、麺を含む他の具材とは別添の小袋として添加する必要があり、飲食直前に入れる必要があった。また、半熟状の具材には、粘性を持たせるために多量の糖類が含まれており、栄養上の問題があった。このように、半固形食品用の具材については、更なる改良の余地が残されていた。
本発明は、課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、新たな食感と食味を備えた半固形食品用の乾燥具材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
課題を達成するための本発明に係る半固形食品用の乾燥具材は、卵加工品(A)と増粘多糖類(B)と澱粉加工品(C)とを含んだ半固形食品用の乾燥具材であって、当該乾燥具材の質量に対して7倍量の80℃以上の水を添加し3分間静置したときにレオメーターで測定したときの応力値が1g/cm2〜26g/cm2である半固形食品となることを特徴とする。
このとき、組成比率としてA=18%〜52%、B=15%〜53%、C=22%〜43%、A+B+C=100%であることが好ましい。
また、前記AとBとCの三成分系図を作成したときに、図1内に記載されている4角形の境界及び内部に位置することが好ましい。
三成分系図とは、正三角形の各頂点をグラフ化する3項目とし、それらの項目の比率を正三角形内部の点から各辺への垂線の長さで表現したグラフである。各項目点を当該項目100%、頂点と向かい合った辺は当該項目0%にそれぞれ相当する。
【0006】
本発明における半固形食品とは、半熟卵の卵黄部やマヨネーズ、フルーツ類のジャム、かに味噌などといった、その性状が、ペースト状、スラリー状、ジャム状など、一定の形を持たず、流動性を有している食品である。また、半固形食品は、全体として流動性を有していれば固形を含有していてもよく、舌にざらつきが残るような固形を感じるものであってもよい。
本発明における乾燥具材とは、即席麺における「かやく」に代表されるような湯で復元して喫食するものであるが、用途は特に限定されるものではない。本発明の乾燥具材は、湯で復元すると半固形状になる物性を有し、スープ等の液中でも分散することがなく、まとまり感のあることを特徴とする。例えば、卵黄分解物を主とすれば半熟卵黄、かに味噌を配合すればかに味噌具材となり、必要に応じて、牛・豚等の畜肉、ウニやえび等の魚介類、梅やアボカド、マンゴー等の野菜や果物、山芋等の穀物を配合することが出来る。
【0007】
乾燥方法としては、熱風乾燥、除湿乾燥、マイクロ波乾燥、凍結乾燥等が挙げられ、特に限定されるものではないが、湯での復元性と復元後の物性をコントロールできる点からマイクロ波乾燥、減圧マイクロ波乾燥、減圧乾燥が好ましい。本発明品における乾燥具材の水分含量は特に限定するものではないが、保存性の観点、品質維持面から0.5〜10重量%、好ましくは2〜8重量%、更に好ましくは3〜5重量%である。水分含量は、例えば常圧加熱乾燥法や赤外線水分計、カールフィッシャー法などによって測定することができる。
本発明に使用される卵加工品とは、酵素処理した卵黄(酵素分解卵黄)、卵分解物、液卵、粉末卵、冷凍卵などが含まれるが、これに限られない。また、卵としては、鶏卵、うずらの卵、ダチョウの卵、魚卵など、特に限定されるものではないが、好ましくは鶏卵を用いることができる。鶏卵としては、一般市場に流通する殻付き卵、液卵、粉末卵、冷凍卵などを指し、その形態にはとらわれない。また、液卵、粉末卵、冷凍卵はその製造工程中で卵白に分別して製造する場合があるが、特に限定するものではない。さらに、酵素処理により蛋白変性温度が上昇した卵分解物や、加熱などの二次的加工により蛋白変性後に加糖もしくは加塩をしたもの、さらには、加糖もしくは加塩後に蛋白変性させることにより、再凝固することが抑えられているものも使用することが出来る。
【0008】
本発明でいう卵分解物とは、特に限定されるものではないが、蛋白質分解酵素(プロテアーゼ)や、脂質分解酵素(リパーゼ、ホスホリパーゼ)等の酵素により蛋白質成分や脂質成分を分解した鶏卵を意味し、その形態は液状のもの、粉末状のものいずれのものでも差し支えなく使用することができる。酵素分解卵を調製するために用いる酵素は、植物、動物または細菌由来の蛋白質分解酵素、脂質分解酵素であれば特に限定されるものではないが、蛋白質分解酵素の場合はBacillus属、Aspergillus属、Rhizops属などの菌体より抽出された蛋白質分解酵素が苦味の生成が少なく好ましい。なお、酵素加水分解処理の条件は、使用する酵素の活性が失われない範囲であれば特に限定されるものではないが、通常反応温度は0℃〜60℃、反応時間は1時間〜30時間の範囲で実施される。
【0009】
本発明における増粘多糖類とは、食品に硬さやまとまりを付与するものであれば特に限定されない。ただし、60℃以上の水で復元した際に半固形状の物性が得られる必要があるために、温度上昇により粘度が著しく低下するものや耐熱性のあるゲルを形成するものは適していない。以上を考慮して、本発明に用いることの出来る増粘多糖類は、好ましくは、ローカストビーンガム、タラガム、グァガムなどのガラクトマンナン、カラギナン、キサンタンガム、グルコマンナン、タマリンドシードガム、アラビアガム、カラヤガム、及びこれら分解物であり、さらに好ましくはキサンタンガム、タラガム、グァガム、ガラクトマンナン分解物である。
本発明における澱粉加工品とは、天然の澱粉に物理的処理(熱処理など)や化学的処理(酸、化学薬品による処理など)を施すことにより、澱粉の特性を改良したり、新しい性質を加えたりした化工澱粉、澱粉を酸分解したりα−アミラーゼなどの酵素で処理したりすることにより得られる澱粉分解物などを含む。
本発明における化工澱粉とは、アセチル化アジピン酸架橋澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉、アセチル化酸化澱粉、オクテニルコハク酸リン酸架橋澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉、リン酸化澱粉、リン酸架橋澱粉、酸化澱粉、酢酸澱粉などの化学的処理を施した澱粉、また、湿熱処理澱粉、α化澱粉、β化澱粉などの物理的処理を施した澱粉、および、これら処理方法を組合せた澱粉により形成される群から選ばれる1種または2種以上であり、好ましくはヒドロキシプロピル化澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉である。また本発明における澱粉とは特に限定されるものではなく、トウモロコシ、馬鈴薯、米、サゴ、タピオカ、小麦由来の澱粉などを用いることが出来る。
【0010】
本発明における澱粉分解物とは、澱粉を酸分解して得られるデキストリンや、α−アミラーゼなどの酵素で処理することにより得られるデキストリンのいずれでもよい。デキストリンの原料となる澱粉は、いずれの由来でもよいが、タピオカ、とうもろこし、馬鈴薯、甘藷、ワキシーコーン、ワキシーライスなどの澱粉が利用でき、これらの中から1種類ないし、2種類の組合せでもよい。DE値が10よりも小さい澱粉分解物、つまり分子量の大きいものでは、溶解性が悪い為に、湯戻りした際に半熟卵様の食感を達成することができない。DE値が60よりも大きい澱粉分解物、つまり分子量の小さいものでは、マイクロ波加熱によって膨化させた後の保型性がない為に、生地が詰まった構造になる。
ここで、デキストリンのDEとは、Dextrose Equivalentの略称で、デキストリンの加水分解の程度を意味し、次の式1で表される。
DE=直接還元糖(グルコース換算)/固形分×100(式1)
デキストリンのDEを求める方法は、当該技術分野における慣用技術ならびに知識がそのまま、もしくは適宜変更を加えた形で適用され、代表にはソモジ法が挙げられる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、飲食時において、半熟卵のような食感と、乾燥具材に混合した材料の食味を備えた半固形食品用の乾燥具材を提供できる。また、乾燥具材の全体を一緒に添加すれば良いので、別添の小袋を添加する必要がなくなる。更に、現在使用されているものに比べると、糖分を低く抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】卵加工品(A)、増粘多糖類(B)、澱粉加工品(C)の三成分系図において、本願発明の目的を達成できる範囲を4角形で示すグラフである。
【図2】図1に示す4角形内において、本願発明の目的を達成できることを示す三成分系図である。
【図3】図1に示す4角形外では、本願発明の目的を達成できないことを示す三成分系図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の実施形態について、図表を参照しつつ説明するが、本発明の技術的範囲は、これらの実施形態によって限定されるものではなく、発明の要旨を変更することなく様々な形態で実施できる。
<基準値の決定>
所定量の湯を添加し、湯戻しすることで、所定の食味と食感を呈する半固形食品用の乾燥具材として、半熟卵をイメージし、基準値を決定した。
殺菌液卵黄を表1の条件で加熱し、検体とした。
【0014】
【表1】
【0015】
固ゆで卵のサンプルについては、殻付卵を表1の条件で加熱し、卵黄のみを取り出し検体とした。調製したサンプル50gを直径5cmの容器に入れ、レオメーターで荷重を測定した。荷重として、プランジャーを6cm/分の速度で1cm侵入させたときに得られる数値を用いた。応力として、荷重をプランジャーとサンプルの接触面積で割った数値を用いた。プランジャーには、測定物の硬さに応じて、φ15mm〜φ30mmの円形平板を使用した。また、飲食時の外観と食感を考慮して、半熟下限値と半熟上限値を設定した。
試験の結果、半熟下限値を1g/cm2、半熟上限値を26g/cm2とした。こうして、飲食時の半固形食品の応力値が範囲に収まっている場合には、半熟卵のような食感と、予め具材に混合した材料の食味を備えた半固形食品を提供できる乾燥具材となることが分かった。
【0016】
<実施例1>
下表2に示す割合で原材料を用意した。ここで、表中の組成とは、本発明により得られる乾燥品における各原料の質量割合とする。例えば、表2に示す還元水飴には水分が30%含まれているが、本発明により得られる乾燥品は最終水分が2〜6%であるために、原材料にもともと含まれている水分はほとんどが蒸発している。そのため、乾燥した状態における原材料の質量を100%として、その割合を示すこととする(表4及び表5においても同じ)。
このときの組成としての三成分(A:卵加工品、B:増粘多糖類、C:澱粉加工品)の比率は、それぞれ38%、21%、41%であった。組成比率は、表中の成分別(A,B,C)を加えたものを100%とし、A〜Cの各成分のそれぞれの比率として計算した(表4,表5についても同様の計算方法とした)。
酵素分解卵黄、ガラクトマンナン分解物、デキストリン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、ヒドロキシプロピル化澱粉、カゼインナトリウム、キサンタンガム、膨張剤、アルファ化澱粉、食塩を予備混合し、次に、ここに還元水飴、色素、食用油脂、パーム油、水を加えて混合し、粘調性のミックス得た。
【0017】
得られたミックスを4.5mm厚のシート状に成型した。成型したミックス50gにマイクロ波加熱乾燥処理(3kw、30秒間)を施した。マイクロ波加工後の生地水分は10〜20%であった。また、マイクロ波加工後の生地厚みは1cmであった。マイクロ波加工後の生地を2cm角にカットした後、カットした生地を80℃に設定した熱風乾燥機で30分間乾燥し、乾燥具材を得た。このときの水分量は2%〜6%であった。
この乾燥具材30gに対して、熱湯200mL(200g)を注ぎ、3分間静置した。その後、目開き1mmのメッシュ上に具材入りの湯を注ぎ、3分間の湯切りを行った。メッシュ上に残存したサンプルを用いてレオメーターにより、応力を測定した。
その結果、サンプルの応力は、2g/cm2であった。また、湯戻し品を食したところ、半熟卵のような食感と、乾燥具材に混合した材料(卵)の食味を備えていた。
【0018】
【表2】
【0019】
<原料の組成比率の検討>
卵加工品(A)、増粘多糖類(B)、澱粉加工品(C)の組成比率を変化させて、本発明の目的を達成する乾燥具材の範囲を検討した。具体的には、表3に示す組成比率でサンプルを調製した。実際には、更に多種の組成比率で検討を行った。その結果、本発明の目的を達成する組成比率についての範囲を示した。
A.卵加工品として、酵素分解卵(リパーゼ、プロテアーゼ)、液卵を用いた。組成は、18%〜52%とした。
B.増粘多糖類として、ガラクトマンナン分解物、キサンタンガム、タラガム(ガラクトマンナン)を用いた。組成は、15%〜53%とした。
C.澱粉加工品として、DE10〜60の澱粉、ヒドロキシプロピル化澱粉を用いた。組成は、22%〜43%とした。
図1には、a1,a2,b1,b2の4個のサンプルを三成分系図に示したときの4角形を示した。各サンプルの応力値を測定したところ、全て<基準値の決定>に示す応力値の範囲内(1g/cm2〜26g/cm2)に含まれていた。また、各湯戻し品を食したところ、半熟卵のような食感と、乾燥具材に混合した材料(卵)の食味を備えていた。
【0020】
【表3】
【0021】
<実施例2〜実施例5>
次に、三成分の割合を変化させて、本発明の目的を達成するかどうかを調べた。表4に示す通りに、酵素分解卵黄(A)、ガラクトマンナン分解物(B)、ヒドロキシプロピル化澱粉(C)、澱粉分解物(C)、キサンタンガム(B)を用意し、<実施例1>に記載の手順に従って、乾燥具材(実施例2〜実施例5、比較例1)を作成した。
図2には、実施例2〜実施例5に加えて、a1,a2,b1,b2の4個のサンプルのデータ及び実施例1のデータを示した。図2に示すように、実施例2〜実施例5は、図2に示す三成分系図において、4角形の内部に位置した。一方、比較例1は、4角形の外側に位置した(後述の図3を参照)。
各乾燥具材30gに対して、熱湯200mL(200g)を注ぎ、3分間静置した。その後、目開き1mmのメッシュ上に具材入りの湯を注ぎ、3分間の湯切りを行った。メッシュ上に残存したサンプルを用いてレオメーターにより、応力を測定した。
その結果、実施例2〜実施例5に示す乾燥具材の応力は、それぞれ12、10、11、2g/cm2であり、本発明の目的を達成していた。各実施例の湯戻し品を食したところ、半熟卵のような食感と、乾燥具材に混合した材料(卵)の食味を備えていた。これに対し、比較例1に示すサンプルの応力は、171g/cm2であり、硬すぎて本発明の目的を達成できなかった。
【0022】
【表4】
【0023】
<他の卵成分含有乾燥具材>
次に、既存の乾燥たまご具材のうち、湯戻ししても半固形食品とはならないカキタマ具材とスクランブルエッグ具材を用いて、実施形態と同様に、卵加工品(A)、増粘多糖類(B)、澱粉加工品(C)の三成分に分解し、組成比率を確認した。
カキタマ具材には、A:B:C=56:21:23(%)の組成比率で含まれていた。スクランブルエッグ具材には、A:B:C=55:1:44(%)の組成比率で含まれていた。
図3には、図1に示す4角形、比較例1、カキタマ具材及びスクランブルエッグ具材の割合を示した。その結果、いずれの具材も4角形の外側に位置した。このため、これらの具材は、本発明の目的を達成しないものであることが分かった。
【0024】
<その他の乾燥条件>
<実施例1>において、乾燥具材を作成する際のマイクロ波加熱乾燥処理に代えて、凍結乾燥法(フリーズドライ法)を用いる以外は、同様の操作を行って、乾燥具材を作成した。
<実施例1>に記載の手順に従って、この乾燥具材の応力を測定したところ、4g/cm2であり、本発明の目的を達成した。このため、具材の乾燥方法を変更しても、本発明の目的を達成できる乾燥具材を提供できることがわかった。
【0025】
<風味違い乾燥具材の作成例>
次に、エビ味噌の香りを持つ乾燥具材について評価を行った。
表5に示す通りに、酵素分解卵黄(A)、エビ粉砕粉、ガラクトマンナン分解物(B)、ヒドロキシプロピル化澱粉(C)、澱粉分解物(C)、キサンタンガム(B)、食塩、香料を用意し、<実施例1>に記載の手順に従って、エビ味噌風の乾燥具材を作成した。この乾燥具材には、A:B:C=34:34:33(%)の、組成比率で含まれており、図1に示す三成分系図において、4角形の内部に位置した。
この乾燥具材30gに対して、熱湯200mL(200g)を注ぎ、3分間静置した。その後、目開き1mmのメッシュ上に具材入りの湯を注ぎ、3分間の湯切りを行った。メッシュ上に残存したサンプルを用いてレオメーターにより、応力を測定した。
その結果、エビ味噌風乾燥具材の応力は、6g/cm2であり、本発明の目的を達成していた。また、湯戻し品を食したところ、半熟卵のような食感と、乾燥具材に混合した材料(エビ)の食味を備えていた。
なお、表5において、エビ粉砕粉に代えて、カニ粉砕粉、うに含有粉を用いて同様の操作を行ったところ、いずれの乾燥具材の応力も1g/cm2〜26g/cm2の範囲に含まれていた。また、良好な食感と食味を備えていた。
【0026】
【表5】
【0027】
<野菜の乾燥具材の作成例>
次に、梅の風味を持つ乾燥具材について評価を行った。
表6に示す通りに、酵素分解卵白(A)、ガラクトマンナン分解物(B)、ヒドロキシプロピル化澱粉(C)、澱粉分解物(C)、梅パウダー、食塩、酸味料、色素、キサンタンガム(B)、香料を用意し、<実施例1>に記載の手順に従って、梅風味の乾燥具材を作成した。この乾燥具材には、A:B:C=35:38:27(%)の、組成比率で含まれており、図1に示す三成分系図において、4角形の内部に位置した。
この乾燥具材30gに対して、熱湯200mL(200g)を注ぎ、3分間静置した。その後、目開き1mmのメッシュ上に具材入りの湯を注ぎ、3分間の湯切りを行った。メッシュ上に残存したサンプルを用いてレオメーターにより、応力を測定した。
その結果、梅風味乾燥具材の応力は、10g/cm2であり、本発明の目的を達成していた。また、湯戻し品を食したところ、練り梅のような食感と、梅の風味を備えていた。
【0028】
【表6】
【0029】
次に、山芋の乾燥具材について評価を行った。
表7に示す通りに、酵素分解卵白(A)、ガラクトマンナン分解物(B)、澱粉分解物(C)、油、山芋パウダー、ヒドロキシプロピル化澱粉(C)、キサンタンガム(B)、を予備混合し、次に、ここに香料、水を加えて混合し、粘調性のミックスを得た。
得られたミックスをφ10mmの棒状に成型した。成型したミックス100gにマイクロ波加熱乾燥処理(1kw、170秒間)を施した。マイクロ波加工後の生地水分は10〜20%であった。マイクロ波加工後の生地を、粉砕機を用いて6mm程度の顆粒に粉砕し、粉砕した生地を80℃に設定した乾燥機で30分間乾燥し、乾燥具材を得た。このときの水分量は2%〜6%であった。この乾燥具材には、A:B:C=31:32:37(%)の組成比率で含まれており、図1に示す三成分系図において、4角形の内部に位置した。
【0030】
この乾燥具材30gに対して、熱湯200mL(200g)を注ぎ、3分間整静置した。その後、目開き1mmのメッシュ上に具材入りの湯を注ぎ、3分間の湯切りを行った。メッシュ上に残存したサンプルを用いてレオメーターにより、応力を測定した。
その結果、サンプルの応力は、20g/cm2であり、本発明の目的を達成していた。また、湯戻し品を食したところ、山芋をすりおろした際のとろっとした食感と山芋の風味を備えていた。
【0031】
【表7】
【0032】
このように本実施形態によれば、半熟卵のような食感と、乾燥具材に混合した材料の食味を備えた半固形食品用の乾燥具材を提供できた。
【図1】
【図2】
【図3】
【国際調査報告】

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