(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-523748(P2015-523748A)
(43)【公表日】2015年8月13日
(54)【発明の名称】受信機によって受信されたシンボル上の周波数シフトを補正するための方法、デバイス、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
H04J 11/00 20060101AFI20150717BHJP
H04B 1/16 20060101ALI20150717BHJP
【FI】
H04J11/00 Z
H04B1/16 R
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2015-503597(P2015-503597)
(86)(22)【出願日】2013年8月26日
(85)【翻訳文提出日】2015年1月19日
(86)【国際出願番号】JP2013073459
(87)【国際公開番号】WO2014057742
(87)【国際公開日】20140417
(31)【優先権主張番号】12187755.9
(32)【優先日】2012年10月9日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】503163527
【氏名又は名称】ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161115
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100166235
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 一郎
(72)【発明者】
【氏名】カステラン、ダミアン
【テーマコード(参考)】
5K061
【Fターム(参考)】
5K061AA11
5K061BB07
5K061BB12
5K061CC25
5K061CC53
5K061CD04
5K061JJ07
(57)【要約】
本発明は、受信機によって受信されたシンボル上の周波数シフトを補正するための方法に関する。各シンボルは、N個のサンプルと、所定のΔ個のサンプルのサイクリックプレフィックスからなり、Δ個のサンプルは、N個のサンプルのうちのΔ個のサンプルのコピーである。受信機は、各シンボルについて、サイクリックプレフィックスの多くともΔ個のサンプルと最後のサンプルの中の多くともΔ個のサンプルとの間の相関を計算し、相関を或るシンボル数にわたって平均化し、各平均化された相関について1つの平滑な周波数シフト推定値を求め、平滑な周波数シフト推定値から指数関数を計算し、受信されたシンボルを或る遅延だけ遅延させ、指数関数に遅延済みの受信されたシンボルを乗算する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信機によって受信されたシンボル上の周波数シフトを補正するための方法であって、
各シンボルは、N個のサンプルと、所定のΔ個のサンプルのサイクリックプレフィックス又はサイクリックポストフィックスとからなり、該Δ個のサンプルは、前記N個のサンプルのうちのΔ個のサンプルのコピーであり、
該方法は、受信機によって実行されるステップであって、
− 各シンボルについて、前記サイクリックプレフィックスの多くともΔ個のサンプルと最後のサンプルの中の多くともΔ個のサンプルとの間の相関、又は前記サイクリックポストフィックスの多くともΔ個のサンプルと前記N個のサンプルのうちの最初のサンプルの中の多くともΔ個との間の相関を計算するステップと、
− 前記相関を或るシンボル数にわたって平均化し、各平均化された相関について1つの平滑な周波数シフト推定値を求めるか、又は計算された相関から求められる瞬時周波数シフトを前記シンボル数にわたって平均化し、各シンボルについて1つの平滑な周波数シフト推定値を取得するステップと、
− 前記平滑な周波数シフト推定値から指数関数を計算するステップと、
− 前記受信されたシンボルを或る遅延だけ遅延させるステップと、
− 前記指数関数に前記遅延済みの受信されたシンボルを乗算するステップと
を含むことを特徴とする、受信機によって受信されたシンボル上の周波数シフトを補正するための方法。
【請求項2】
前記平滑な周波数シフト推定値を係数によって重み付けするステップを更に含み、前記指数関数は、前記重み付けされた平滑な係数を用いて計算されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各シンボルについて、各平滑な周波数シフト推定値は、該シンボルについて求められた前記平均化された相関の位相から求められることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
各瞬時周波数シフトは、前記シンボルについて計算された前記相関の位相から求められることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記シンボル数は3又は5に等しく、前記係数は0.5又は0.9又は1に等しいことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記遅延は、2つ又は3つのシンボル継続時間に等しいことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記シンボル数及び/又は前記係数は、送信元と前記受信機との間のチャネル特性から決定されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
− 送信元と前記受信機との間の前記チャネルのライスKファクタを推定する、及び/又は瞬時周波数シフト推定値を用いて周波数シフトエクスカーションを推定するステップと、
− 前記ライスKファクタ及び/又は前記周波数シフトエクスカーションを用いて、前記シンボル数及び/又は前記係数を決定するステップと
を更に含むことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記周波数シフトエクスカーションは、前記推定された瞬時周波数シフトの平均化が実行されるシンボル数の継続時間を上回る継続時間を有するスライディングウィンドウを用いて求められることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記周波数シフトエクスカーションは、無限インパルス応答フィルタを用いて求められることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
− 信号対雑音比を推定するステップを更に含み、
前記チャネルの前記ライスKファクタは、前記推定された信号対雑音比に従って更に求められることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記推定された瞬時周波数シフトを或るシンボル数にわたって平均化することは、前記推定された瞬時周波数シフト又は前記平均化された周波数シフトを遅延させるステップを更に含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
受信機によって受信されたシンボル上の周波数シフトを補正するためのデバイスであって、
各シンボルは、N個のサンプルと、所定のΔ個のサンプルのサイクリックプレフィックス又はサイクリックポストフィックスとからなり、該Δ個のサンプルは、前記N個のサンプルのうちのΔ個のサンプルのコピーであり、
前記周波数シフトを補正するための該デバイスは、前記受信機に含まれ、
− 各シンボルについて、前記サイクリックプレフィックスの多くともΔ個のサンプルと最後のサンプルの中の多くともΔ個のサンプルとの間の相関、又は前記サイクリックポストフィックスの多くともΔ個のサンプルと前記N個のサンプルのうちの最初のサンプルの中の多くともΔ個との間の相関を計算する手段と、
− 前記相関を或るシンボル数にわたって平均化し、各平均化された相関について1つの平滑な周波数シフト推定値を求めるか、又は計算された相関から求められた瞬時周波数シフトを前記シンボル数にわたって平均化し、各シンボルについて1つの平滑な周波数シフト推定値を取得する手段と、
− 前記平滑な周波数シフト推定値から指数関数を計算する手段と、
− 前記受信されたシンボルを或る遅延だけ遅延させる手段と、
− 前記指数関数に前記遅延済みの受信されたシンボルを乗算する手段と
を備えることを特徴とする、受信機によって受信されたシンボル上の周波数シフトを補正するためのデバイス。
【請求項14】
プログラマブルデバイス内に直接ロード可能とすることができるコンピュータプログラムであって、該コンピュータプログラムがプログラマブルデバイス上で実行される際に、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法のステップを実施するための命令又はコード部を含む、プログラマブルデバイス内に直接ロード可能とすることができるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的には、受信されたシンボル上の周波数シフトを補正するための方法及びデバイス
【背景技術】
【0002】
ガードインターバル挿入とも呼ばれるサイクリックプレフィックス挿入又はサイクリックポストフィックス挿入は、例えば、OFDM(直交周波数分割多重)技術又はSC−OFDM(単一搬送波直交周波数分割多重)技術又はSC−FDMA(単一搬送波周波数分割多元接続)技術又はSC−FDE(単一搬送波周波数領域等化)技術を用いる通信システムにおいてよく知られている。
【0003】
サイクリックプレフィックスを挿入することは、サンプルストリームをN個のサンプルからなるシンボルに分割することと、所定のΔ個のサンプルを各シンボルの先頭に挿入することとから成る。Δ個のサンプルは、シンボルの最後のΔ個のサンプルのコピーである。
【0004】
サイクリックポストフィックスを挿入することは、サンプルストリームをN個のサンプルからなるシンボルに分割することと、所定のΔ個のサンプルを各シンボルの末尾に挿入することとから成る。Δ個のサンプルは、シンボルの最初のΔ個のサンプルのコピーである。
【0005】
従来、サイクリックプレフィックスが、各OFDMシンボル若しくは各SC−OFDMシンボル若しくは各SC−FDMAシンボル若しくは各SC−FDEシンボルの先頭に挿入されるか、又はポストフィックスプレフィックスが、各OFDMシンボル若しくは各SC−OFDMシンボル若しくは各SC−FDMAシンボル若しくは各SC−FDEシンボルの末尾に挿入される。これは、DVB−T(地上デジタルビデオ放送)、DVB−T2(地上デジタルビデオ放送2)、DVB−NGH(次世代ハンドヘルドデジタルビデオ放送)、802.11ファミリー、WiMax、DAB(デジタルオーディオ放送)のようなOFDM技術及びサイクリックプレフィックスを実施するほとんどの標準規格に当てはまる。
【0006】
サイクリックプレフィックス又はサイクリックポストフィックスは、時間同期及び周波数同期を可能にし、シンボル間干渉を低減又は抑制し、周波数領域における簡単な等化を可能にし、シンボル単位の瞬時周波数シフトを測定することを可能にする。
【0007】
例えば、J. Van de Beek、Magnus Sandell、Per Ola Boerjesson著「ML Estimation of Time and Frequency Offset in OFDM Systems」IEEE Transactions on Signal Processing」,July 1997では、シンボル単位の瞬時周波数シフトを測定するためにサイクリックプレフィックスを用いることができる。
【0008】
推定は以下の方法で実行される。サイズN+Δの受信シンボルごとに、最初のΔ個のサンプルと最後のΔ個のサンプルとの間の内積、すなわち相関が求められる。周波数ドリフトf
dの場合、雑音を無視すると、第n番目のシンボルについて、結果は以下の式に等しくなる。
【数1】
ただし、Tはサンプリング時間であり、y
iはi番目のサンプルであり、(・)
*は(・)の共役である。
【0009】
結果の位相はf
dに比例するので、この位相を直接推定することができる。
【0010】
第n番目のシンボルについて、位相推定は以下のように表される。
【数2】
ただし、arg(・)は、複素シンボルの角度を与える関数である。
【0011】
ここで、強いエコーが存在する場合、Δよりも少ない数のサンプルをΓ
nの計算に用いることによって、関連する干渉を低減することが可能であることに留意されたい。
【0012】
チャネル推定を可能にするために、特にチャネルの時間変動に追従するために、パイロットシンボルがシンボル内に定期的に挿入される。
【0013】
これらの時間変動は、受信機の局部発振器の位相雑音、送信機と受信機との間の周波数同期の欠如、及び/又はドップラー周波数シフトを生成する受信機の変位速度に起因している場合がある。
【0014】
T
sをシンボル長と呼ぶことにする。
【数3】
【0015】
ナイキストの定理によれば、パイロットシンボル挿入レートが
【数4】
である場合、すなわちパイロットシンボルがM個のシンボルごとに挿入される場合、最大許容可能ドップラーシフト周波数の限界は、
【数5】
である。
【0016】
例えば、これはシンボルを受信機が正しく受信することができる最大変位速度を制限する。
【0017】
Mを減少させることによってB
fを増加させることは、データスループットを減少させる欠点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、受信機の局部発振器の位相雑音に起因する時間変動、及び/又は送信機と受信機との間の周波数同期の欠如に起因する時間変動、及び/又は周波数シフトを生成する受信機の変位速度に起因する時間変動を補償することを可能にするとともに、周波数シフトを補正するために、受信シンボルのサイクリックプレフィックス又はサイクリックポストフィックスを用いることによって、パイロットシンボルの数を増加させることなく最大周波数シフト補正能力を高めることを可能にする方法及びデバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
したがって、本発明は、受信機によって受信されたシンボル上の周波数シフトを補正するための方法に関する。各シンボルは、N個のサンプルと、所定のΔ個のサンプルのサイクリックプレフィックス又はサイクリックポストフィックスとからなり、当該Δ個のサンプルは、N個のサンプルのうちのΔ個のサンプルのコピーである。この方法は、受信機によって実行されるステップであって、
− 各シンボルについて、サイクリックプレフィックスの多くともΔ個のサンプルと最後のサンプルの中の多くともΔ個のサンプルとの間の相関、又はサイクリックポストフィックスの多くともΔ個のサンプルとN個のサンプルのうちの最初のサンプルの中の多くともΔ個との間の相関を計算するステップと、
− 相関を或るシンボル数にわたって平均化し、各平均化された相関について1つの平滑な周波数シフト推定値を求めるか、又は計算された相関から求められる瞬時周波数シフトをシンボル数にわたって平均化し、各シンボルについて1つの平滑な周波数シフト推定値を取得するステップと、
− 平滑な周波数シフト推定値から指数関数を計算するステップと、
− 受信されたシンボルを或る遅延だけ遅延させるステップと、
− 指数関数に遅延済みの受信されたシンボルを乗算するステップと
を含むことを特徴とする。
【0020】
本発明は更に、受信機によって受信されたシンボル上の周波数シフトを補正するためのデバイスに関する。各シンボルは、N個のサンプルと、所定のΔ個のサンプルのサイクリックプレフィックス又はサイクリックポストフィックスとからなり、当該Δ個のサンプルは、N個のサンプルのうちのΔ個のサンプルのコピーである。周波数シフトを補正するためのこのデバイスは、受信機に含まれ、
− 各シンボルについて、サイクリックプレフィックスの多くともΔ個のサンプルと最後のサンプルの中の多くともΔ個のサンプルとの間の相関、又はサイクリックポストフィックスの多くともΔ個のサンプルとN個のサンプルのうちの最初のサンプルの中の多くともΔ個との間の相関を計算する手段と、
− 相関を或るシンボル数にわたって平均化し、各平均化された相関について1つの平滑な周波数シフト推定値を求めるか、又は計算された相関から求められる瞬時周波数シフトをシンボル数にわたって平均化し、各シンボルについて1つの平滑な周波数シフト推定値を取得する手段と、
− 平滑な周波数シフト推定値から指数関数を計算する手段と、
− 受信されたシンボルを或る遅延だけ遅延させる手段と、
− 指数関数に遅延済みの受信されたシンボルを乗算する手段と
を備えることを特徴とする。
【0021】
したがって、受信機の局部発振器の位相雑音に起因する時間変動、及び/又は送信機と受信機との間の周波数同期の欠如に起因する時間変動、及び/又はドップラー周波数シフトを生成する受信機の変位速度に起因する時間変動を補償することが可能である。
【0022】
さらに、本発明は、周波数シフトを補正するために、受信されたシンボルのサイクリックプレフィックス又はサイクリックポストフィックスを用いることによって、パイロットシンボルの数を増加させることなく最大周波数シフト補正能力を高めることを可能にする。
【0023】
特定の特徴によれば、受信機は平滑な周波数シフト推定値を係数によって重み付けし、指数関数は、重み付けされた平滑な係数を用いて計算される。
【0024】
したがって、平滑な周波数シフト推定値に残存する雑音が低減される。
【0025】
特定の特徴によれば、各シンボルについて、各平滑な周波数シフト推定値は、当該シンボルについて求められた平均化された相関の位相から求められる。
【0026】
したがって、この平滑な周波数シフト推定値は計算が簡単であり、サイクリックプレフィックス又はサイクリックポストフィックスを活用する。
【0027】
特定の特徴によれば、各瞬時周波数シフトは、シンボルについて計算された相関の位相から求められる。
【0028】
したがって、この瞬時周波数シフト推定値は計算が簡単であり、サイクリックプレフィックス又はサイクリックポストフィックスを活用する。
【0029】
特定の特徴によれば、シンボル数は3又は5に等しく、係数は0.5又は0.9又は1に等しい。
【0030】
したがって、受信機は、補助パイロットシンボルを何ら必要とすることなく、より高速に動作することができる。受信機によって実行される周波数同期を単純にすることができる。
【0031】
さらに、本発明によって、受信機は、より大きな位相雑音を有する局部発振器とともに動作することができ、それゆえ、受信機のコストを削減することができる。
【0032】
特定の特徴によれば、遅延は、2つ又は3つのシンボル継続時間に等しい。
【0033】
特定の特徴によれば、シンボル数及び/又は係数は、送信元と受信機との間のチャネル特性から決定される。
【0034】
したがって、性能は、チャネル状態に応じて最適化される。これらのチャネル状態には、アナログチューナの障害が含まれる。
【0035】
特定の特徴によれば、受信機は、
− 送信元と受信機との間のチャネルのライスKファクタを推定し、及び/又は瞬時周波数シフト推定値を用いて周波数シフトエクスカーションを推定し、
− ライスKファクタ及び/又は周波数シフトエクスカーションを用いて、シンボル数及び/又は係数を決定する。
【0036】
したがって、周波数シフト推定の性能は、これらのチャネル特性のうちの少なくとも1つに応じて最適化される。
【0037】
特定の特徴によれば、周波数シフトエクスカーションは、推定された瞬時周波数シフトの平均化が実行されるシンボル数の継続時間を上回る継続時間を有するスライディングウィンドウを用いて求められる。
【0038】
したがって、周波数エクスカーションが簡単に推定され、この推定によって、シンボル数及び/又は係数αのより良好な最適化が可能になる。
【0039】
特定の特徴によれば、周波数シフトエクスカーションは、無限インパルス応答フィルタを用いて求められる。
【0040】
したがって、周波数エクスカーションが簡単に推定され、この推定によって、シンボル数及び/又は係数αのより良好な最適化が可能になる。
【0041】
特定の特徴によれば、受信機は信号対雑音比を推定し、チャネルのライスKファクタは、推定された信号対雑音比に従って更に求められる。
【0042】
したがって、ライスKファクタ(Ricean K-factor)の推定が改善される。
【0043】
特定の特徴によれば、推定された瞬時周波数シフトを或るシンボル数にわたって平均化することは、推定された瞬時周波数シフト又は平均化された周波数シフトを遅延させるステップを更に含む。
【0044】
したがって、この実施は、データに対して固定遅延を保つことによって、より容易である。
【0045】
更に別の態様によれば、本発明はプログラマブルデバイス内に直接ロード可能とすることができるコンピュータプログラムに関し、当該コンピュータプログラムは、当該コンピュータプログラムがプログラマブルデバイス上で実行される際に、請求項1〜12に記載の方法のステップを実施するための命令又はコード部を含む。
【0046】
コンピュータプログラムに関する特徴及び利点は、本発明による方法及び装置に関連して上述したものと同じであるので、ここでは繰り返さないことにする。
【0047】
本発明の特徴は、一例の実施形態の以下の説明を読むことによってより明らかになるであろう。この説明は、添付図面に関して作成されたものである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明が実施される通信ネットワークを表す図である。
【図2】本発明が実施される受信機のアーキテクチャを表す図である。
【図3】本発明の第1の実現形態による、受信機の無線インターフェースの構成要素のブロック図である。
【図4】本発明の第2の実現形態による、受信機の無線インターフェースの構成要素のブロック図である。
【図5】本発明の第2の実現形態による、シンボル数及び/又は係数を決定するのに用いられる表の第1の例を示す図である。
【図6】本発明の第2の実現形態による、シンボル数及び/又は係数を決定するのに用いられる表の第2の例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実現形態による、シンボル数及び/又は係数を決定するのに用いられる表の第3の例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実現形態によるアルゴリズムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1は、本発明が実施される通信ネットワークを表している。
【0050】
通信ネットワークは、例えば、送信元Srcが少なくとも1つの受信機Recの位置するエリア内に信号をブロードキャスト又は送信する通信ネットワークである。
【0051】
送信元Srcは、例えば地上局であるか又は衛星に含まれる。
【0052】
送信元Srcは、無線セルラー通信ネットワークの基地局とすることができる。
【0053】
送信元Srcは、移動端末とすることもできる。
【0054】
簡単にするために図1には1つの送信元Srcしか示されていないが、ネットワークはより多くの数の送信元Srcを備えることができる。
【0055】
簡単にするために図1には1つの受信機Recしか示されていないが、より多くの受信機Recに対して信号をブロードキャスト又は転送することができる。
【0056】
受信機Recは、ビデオ信号のようなデータがブロードキャストされる移動端末とすることもできるし、或いは、移動電話のような遠隔通信デバイスと通信する若しくは移動端末からの信号を受信するサーバ若しくは基地局と通信する、移動端末とすることもできる。
【0057】
受信機Recは、地上局とすることもできるし、衛星に含まれることもできるし、或いは、移動端末と通信する無線セルラー通信ネットワークの基地局とすることもできる。
【0058】
本発明は、送信元Src及び受信機Recが2つ以上のアンテナを有し、MIMO方式を用いて3つ以上のストリームを転送及び受信するときにも適用可能である。
【0059】
送信元Srcによって転送されて受信機によって受信される信号は、DVB−T2、DVB−NGH、802.11ファミリー、WiMax、DAB、又は第3世代パートナーシッププロジェクトロングタームエボリューション(3GPP LTE)若しくは第3世代パートナーシッププロジェクトロングタームエボリューションアドバンスト(3GPP LTE−A)に準拠することができる。
【0060】
本発明によれば、受信機Recは、受信機によって受信されたシンボル上の周波数シフトを補正する。各シンボルは、N個のサンプルと、所定のΔ個のサンプルのサイクリックプレフィックス又はサイクリックポストフィックスとからなり、Δ個のサンプルは、N個のサンプルのうちのΔ個のサンプルのコピーである。受信機Recは、
− 各シンボルについて、サイクリックプレフィックスの多くともΔ個のサンプルと最後のサンプルの中の多くともΔ個のサンプルとの間の相関、又はサイクリックポストフィックスの多くともΔ個のサンプルとN個のサンプルのうちの最初のサンプルの中の多くともΔとの間の相関を計算し、
− 相関を或るシンボル数にわたって平均化し、各平均化された相関について1つの平滑な周波数シフト推定値を求めるか、又は計算された相関から求められた瞬時周波数シフトをシンボル数にわたって平均化し、各シンボルについて1つの平滑な周波数シフト推定値を取得し、
− 平滑な周波数シフト推定値から指数関数を計算し、
− 受信されたシンボルを或る遅延だけ遅延させ、
− 指数関数に遅延済みの受信されたシンボルを乗算する。
【0061】
本発明は、ドップラー周波数シフトが補償される一例において開示される。受信機補償の局部発振器の位相雑音に起因する時間変動、及び/又は送信機と受信機との間の周波数同期の欠如に起因する時間変動も、本発明によって補償される。
【0062】
図2は、本発明が実施される受信機のアーキテクチャを表す図である。
【0063】
受信機Recは、例えば、バス201によって互いに接続される構成要素と、図8において開示されるようなプログラムによって制御されるプロセッサ200とに基づくアーキテクチャを有している。
【0064】
バス201は、プロセッサ200を、リードオンリーメモリROM202、ランダムアクセスメモリRAM203、及び無線インターフェース205にリンクする。
【0065】
メモリ203は、図8において開示されるようなアルゴリズムに関連するプログラムの変数及び命令を受信するように意図されたレジスタを含む。
【0066】
プロセッサ200は、無線インターフェース205の動作を制御する。
【0067】
リードオンリーメモリ202は、図8において開示されるようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令を含む。このプログラムの命令は、受信機Recが起動された際にランダムアクセスメモリ203に転送される。
【0068】
無線インターフェース205は、本発明による、シンボルを受信してドップラー周波数シフトを補正する手段を備えている。
【0069】
無線インターフェース205は、信号を受信するのに用いられる少なくとも1つのアンテナAntsに接続されている。
【0070】
無線インターフェース205は、図3又は図4に開示されるような構成要素を備えている。
【0071】
図6に関して以下に説明されるアルゴリズムのありとあらゆるステップは、PC(パーソナルコンピュータ)、DSP(ディジタルシグナルプロセッサ)若しくはマイクロコントローラのようなプログラム可能なコンピューティングマシンによって1組の命令若しくはプログラムを実行することによってソフトウェアにおいて実装することもできるし、或いはソフトウェアでなければ、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)若しくはASIC(特定用途向け集積回路)のようなマシン又は専用構成要素によってハードウェアにおいて実装することもできる。
【0072】
換言すれば、受信機Recは、図6に関して以下で説明するアルゴリズムのステップを受信機Recに実行させる回路部、又は回路部を備えるデバイスを備えている。図8に関して以下で説明するアルゴリズムのステップを受信機Recに実行させる回路部を備えるそのようなデバイスは、受信機Recに接続可能な外部デバイスとすることもできる。
【0073】
受信機Recは、例えば受信機Recがチップ、チップセット、又はモジュールであるときは、別のデバイスの一部とすることもできる。
【0074】
図3は、本発明の第1の実現形態による、受信機の無線インターフェースの構成要素のブロック図を開示している。
【0075】
無線インターフェース205は、従来のアナログフィルタ、周波数変換手段、及びアナログ増幅器からなるフロントエンドモジュール300を備えている。
【0076】
無線インターフェース205は、フロントエンドモジュール300の出力に接続されるアナログ/ディジタル変換器ADC301を備えている。
【0077】
ディジタルに変換されたシンボルは、遅延モジュール306及び相関モジュール302に送られる。
【0078】
相関モジュール302は、各シンボルについて、多くとも最初のΔ個のサンプルと多くとも最後のΔ個のサンプルとの間の内積、すなわち相関を取り、最初のΔ個のサンプルと最後のΔ個のサンプルが選ばれたときは、以下のものを取得する。
【数6】
ただし、y
iは第i番目のサンプルであり、()
*は()の共役を示す。
【0079】
種々の伝送パスの到来角が一様に分布していない場合、ドップラー効果は時間とともに可変であるが、1つのシンボル継続時間中はほぼ一定とみなすことができる周波数シフトf(t)によってモデル化することができる。
【数7】
【0080】
この場合、
【数8】
となる。ただし、f
nは各シンボルの瞬時周波数シフトである。
【0081】
相関モジュール302は、以下のように、各シンボルの瞬時周波数シフトを推定する。
【数9】
【0082】
ここで、瞬時周波数シフトの推定は、ここではサイクリックプレフィックスに関して開示されていることに留意されたい。同じ方法は、サイクリックポストフィックスについても適用することができる。
【0083】
無線インターフェース205は、相関モジュール302によって提供された瞬時周波数シフト推定値のN
1個のシンボルにわたる平均化を実行する、平均化モジュール303を備えている。
【0084】
平均化モジュール303は、平滑化された周波数シフト推定値
【数10】
を生成する。
【数11】
【0085】
ここで、説明を簡単にするために、N
1は奇数であると仮定することに留意されたい。本発明は、N
1が偶数であるときも適用可能である。
【0086】
一変形実現形態によれば、平均化モジュール303は、平滑化された周波数シフト推定値
【数12】
を生成するために、相関Γ
nを平均化することによって、平滑化された相関
【数13】
を生成する。
【数14】
【0087】
この変形形態によれば、平均化モジュール303は、平均相関の位相を用いて、平滑化された周波数シフト推定値
【数15】
を得る。
【数16】
【0088】
第1の実現形態によれば、N
1の値は固定され、3又は5に等しい。
【0089】
無線インターフェース205は、重み付けモジュール304を備えている。重み付けモジュール304は、平滑化された周波数シフト推定値
【数17】
を、αで示される所定の値によって重み付けする。
【0090】
この所定の値αは、例えば0.5又は0.9又は1に等しく、平滑化された周波数シフト推定値
【数18】
に残存する雑音を低減する。
【0091】
無線インターフェース205は、
【数19】
を計算する指数関数計算モジュール305を備えている。
【0092】
遅延モジュール306は、モジュール302、303、304、及び305によって実行される動作のレイテンシを補償するために、ディジタルシンボルをN
2=(N
1+1)/2個のシンボル分だけ遅延させる。
【0093】
指数関数計算モジュール305の出力は、乗算器307によって、遅延されたディジタルシンボルに乗算され、周波数シフトが補正される。
【0094】
図4は、本発明の第2の実現形態による、受信機の無線インターフェースの構成要素のブロック図を開示している。
【0095】
無線インターフェース205は、従来のアナログフィルタ、周波数変換手段、及びアナログ増幅器からなるフロントエンドモジュール400を備えている。
【0096】
無線インターフェース205は、フロントエンドモジュール400の出力に接続されるアナログ/ディジタル変換器ADC401を備えている。
【0097】
ディジタルに変換されたシンボルは、遅延モジュール406、相関モジュール402、チャネル特性推定モジュール411、及び本発明の特定の実現形態によれば、信号対雑音比(SNR)推定モジュール410に送られる。
【0098】
相関モジュール402は、各シンボルについて、多くとも最初のΔ個のサンプルと多くとも最後のΔ個のサンプルとの間の内積、すなわち相関を取り、最初のΔ個のサンプルと最後のΔ個のサンプルが選ばれたときは、以下のものを取得する。
【数20】
【0099】
種々の伝送パスの到来角が一様に分布していない場合、ドップラー効果は時間とともに可変であるが、1つのシンボル継続時間中はほぼ一定とみなすことができる周波数シフトf(t)によってモデル化することができる。
【数21】
【0101】
相関モジュール402は、各シンボルの瞬時周波数シフトを以下のように推定する。
【数23】
【0102】
ここで、瞬時周波数シフトの推定は、ここではサイクリックプレフィックスに関して開示されていることに留意されたい。同じ方法は、サイクリックポストフィックスについても適用することができる。
【0103】
無線インターフェース205は、相関モジュール402によって提供された周波数推定値のN
1個のシンボルにわたる平均化を実行する、平均化モジュール403を備えている。
【0104】
N
1は、平均化に用いられる可変のシンボル数であり、N
1及びα決定モジュール412によって提供される。
【0105】
平均化モジュール403は、平滑化された周波数シフト推定値
【数24】
を生成する。
【数25】
【0106】
ここで、説明を簡単にするために、N
1は奇数であると仮定することに留意されたい。本発明は、N
1が偶数であるときにも適用可能である。
【0107】
本発明の特定の実現形態によれば、平均化モジュール403は、継続時間N
1max−N
1に等しい時間だけ、平滑化された周波数シフト推定値
【数26】
を遅延させる。
【0108】
一変形実現形態によれば、平均化モジュール403は、平滑化された周波数推定値
【数27】
を生成するために、相関Γ
nを平均化することによって、平滑化された相関
【数28】
を生成する。
【数29】
【0109】
この変形形態によれば、平均化モジュール403は、平滑化された相関の位相を用いて、平滑化された周波数推定値
【数30】
を得る。
【数31】
【0110】
無線インターフェース205は、重み付けモジュール404を備えている。重み付けモジュール404は、平滑化された周波数推定値
【数32】
を、N
1及びα決定モジュール412によって提供されるαで示される値によって重み付けする。
【0111】
無線インターフェース205は、
【数33】
を計算する指数関数計算モジュール405を備えている。
【0112】
無線インターフェース205は、特定の実現形態によれば、モジュール402、403、404、及び405によって実行される動作のレイテンシを補償するために、ディジタルシンボルを遅延N
2=(N
1max+1)/2個のシンボル分だけ遅延させる遅延モジュール406を備えている。ここで、N
1maxは平均化に用いることができる最大シンボル数である。
【0113】
ここで、平均化モジュール403が平滑化された周波数シフト推定値
【数34】
を遅延させない変形形態では、遅延モジュール406は、ディジタルシンボルを遅延N
2=(N
1+1)/2個のシンボル分だけ遅延させることに留意されたい。
【0114】
無線インターフェース205は、乗算器407を備えている。指数関数計算モジュール405の出力は、乗算器407によって、遅延されたディジタルシンボルに乗算され、周波数シフトが補正される。
【0115】
本発明の第2の実現形態によれば、N
1及び/又はαは、チャネル特性推定に従って決定される。
【0116】
第2の実現形態によれば、チャネルは、ライスチャネル(Rice channel)とみなされ、ライスKファクタが考慮される。
【0117】
ライスKファクタは、局部平均散乱電力に対する支配的成分における信号電力の比として定義される。
【0118】
例えば、1未満の値に等しいライスKファクタの場合、チャネルは、複数のパスを有し、直接パスを有しないレイリーチャネルとみなされる。
【0119】
例えば、1〜10の間に含まれる値に等しいライスKファクタの場合、チャネルは、複数のパスを有するライスチャネルとみなされる。
【0120】
例えば、10よりも大きな値に等しいライスKファクタの場合、チャネルは、ほぼ純粋な直接パスとみなされる。
【0121】
特定の特徴によれば、無線インターフェース205は、信号対雑音比を推定してチャネル特性推定モジュール411に提供する、SNR推定モジュール410を備えている。
【0122】
SNRは、例えば、欧州特許出願第2031760号に開示されているように、受信されたパイロットシンボルを用いることによって推定される。
【0123】
SNRは、例えば、シンボルを転送するために送信元Srcによって用いられるコンステレーションの性能曲線のブレイクポイント及び/又はシンボルを転送するために送信元Srcによって用いられる符号レートに対応する理論的なSNR値である。
【0124】
チャネル特性推定モジュール411は、ライスKファクタ、及び/又はドップラー周波数エクスカーションのような周波数エクスカーションを推定する。
【0125】
高速ドップラー周波数シフトのような周波数シフト補正を目的として、ライスKファクタを求め、直接パスがどれだけ優勢であるのかを推定することができる。
【0126】
例えば、ライスKファクタは、IEEE Transactions on Wireless Communications, Vol. 7, No. 12, December 2008に掲載されたKareem E. Baddour、Tricia J. Willink著「Improved Estimation of the Ricean K=-factor from I/Q Fading Channel Samples」という題名の論文に記載されているように推定することができる。
【0127】
例えば、チャネル特性推定モジュール411は、相関モジュール402によって提供される瞬時周波数推定値
【数35】
を用いるか、又は相関モジュール402によって実行される方法と同じ方法で瞬時周波数推定値
【数36】
を求める。
【0128】
チャネル特性推定モジュール411は、シンボルごとの瞬時周波数推定値
【数37】
の変動を解析する。信号の変動を解析するのには、多くの技法が利用可能である。
【0129】
例えば、チャネル特性推定モジュール411は、サイズ2L
1+1のウィンドウ上で周波数推定値の平均を計算する。
【数38】
ここで、L
1は必ずしも(N
1−1)/2に等しい必要はない。
【0130】
チャネル特性推定モジュール411は、サイズ2L
2+1のウィンドウにおいて、正規化された標準偏差を計算する。
【数39】
【0131】
チャネル特性推定モジュール411は、幾つかの連続したシンボルについてμ
nを平均化し、幾つかの閾値と比較する。これらの比較の結果によって、ライスKファクタの推定値が提供される。
【0132】
例えば、第1の閾値及び第2の閾値が、ライスKファクタを推定するのに用いられる。第1の閾値は、ライスKファクタが4以上であるか否かを判断するのに用いられる。第2の閾値は、ライスKファクタが10以上であるか否かを判断するのに用いられる。閾値の値はSNRに依存する。
【0133】
例えば、第1の閾値は、8dBよりも大きなSNRについては0.2に等しく、3dB〜8dBに含まれるSNRについては0.3に等しく、3dBよりも小さなSNRについては0.5に等しい。
【0134】
例えば、第2の閾値は、8dBよりも大きなSNRについては0.13に等しく、3dB〜8dBに含まれるSNRについては0.25に等しく、3dBよりも小さなSNRについては0.45に等しい。
【0135】
チャネル特性推定モジュール411は、瞬時周波数推定値
【数40】
を用いて、ドップラー周波数シフトエクスカーションdr
n又はdr’
n又はdr’’
n又はdr’’’
n又はdr’’’’
nを推定することができる。
【0136】
例えば、チャネル特性推定モジュール411は、幾つかのスライディングウィンドウを用いて、ドップラー周波数シフトエクスカーションdr
nを推定する。
【数41】
ただし、通常、A≫N
1である。
【0137】
例えば、チャネル特性推定モジュール411は、幾つかのスライディングウィンドウを用いて、ドップラー周波数シフトエクスカーションdr’
nを推定する。
【数42】
【0138】
例えば、チャネル特性推定モジュール411は、幾つかのスライディングウィンドウを用いて、ドップラー周波数シフトエクスカーションdr’’
nを推定する。
【数43】
【0139】
例えば、チャネル特性推定モジュール411は、幾つかのスライディングウィンドウを用いて、ドップラー周波数シフトエクスカーションdr’’’
nを推定する。
【数44】
【0140】
そして、結果を種々の閾値と比較する。
【0141】
例えば、チャネル特性推定モジュール411は、無限インパルス応答(IIR)フィルタを用いて、ドップラー周波数シフトエクスカーションを推定する。
【数45】
ただし、c及びdはIIRフィルタの係数である。例えば、cは0.1に等しく、dは0.9に等しい。
【0142】
求められたライスKファクタ及び/又はドップラー周波数シフトエクスカーションの推定値は、N
1及びα決定モジュール412に提供される。
【0143】
N
1及びα決定モジュール412は、図5又は図6又は図7に示されるような表を用いて、N
1及びαの値を決定する。
【0144】
図5は、本発明の第2の実現形態による、シンボル数及び/又は係数を決定するのに用いられる表の第1の例である。
【0145】
表の第1の例では、ライスKファクタ及びドップラー周波数シフトエクスカーションの推定値の双方が、シンボル数及び/又は係数を決定するのに用いられる。
【0146】
一般的な観点から、非常に小さなドップラー周波数シフトエクスカーションの場合、αはゼロに等しい。すなわち、補正は適用されない。
【0147】
例えばBf/2未満の小さなドップラー周波数シフトエクスカーション及び4未満のライスKファクタの場合、αは0.5に等しく、N
1は1に等しい。ここで、Bfはナイキスト周波数限界である。
【0148】
小さなドップラー周波数シフトエクスカーション及び4〜10に含まれるライスKファクタの場合、αは0.5に等しく、N
1は3に等しい。
【0149】
小さなドップラー周波数シフトエクスカーション及び10よりも大きなライスKファクタの場合、αは0.5に等しく、N
1は7以上である。
【0150】
例えばBf/2〜2Bfの中程度のドップラー周波数シフトエクスカーション及び4未満のライスKファクタの場合、αは1に等しく、N
1は1に等しい。
【0151】
中程度のドップラー周波数シフトエクスカーション及び4〜10に含まれるKの場合、αは1に等しく、N
1は1に等しい
【0152】
中程度のドップラー周波数シフトエクスカーション及び10を上回るライスKファクタの場合、αは0.5に等しく、N
1は7以上である。
【0153】
例えば2Bfを上回る大きなドップラー周波数シフトエクスカーション及び4未満のライスKファクタの場合、αは1に等しく、N
1は1に等しい。
【0154】
大きなドップラー周波数シフトエクスカーション及び4〜10に含まれるライスKファクタの場合、αは1に等しく、N
1は3に等しい。
【0155】
大きなドップラー周波数シフトエクスカーション及び10よりも大きなライスKファクタの場合、αは0.5に等しく、N
1は7以上である。
【0156】
図6は、本発明の第2の実現形態による、シンボル数及び/又は係数を決定するのに用いられる表の第2の例である。
【0157】
表の第2の例では、ライスKファクタのみが、シンボル数及び/又は係数を決定するのに用いられる。
【0158】
4未満のライスKファクタの場合、αは0.5又は1に等しく、N
1は1に等しい。
【0159】
4〜10の間に含まれるライスKファクタの場合、αは0.5又は1に等しく、N
1は3に等しい。
【0160】
10よりも大きなライスKファクタの場合、αは0.5又は1に等しく、N
1は7以上である。
【0161】
図7は、本発明の第2の実現形態による、シンボル数及び/又は係数を決定するのに用いられる表の第3の例である。
【0162】
表の第3の例では、ドップラー周波数シフトエクスカーションの推定値のみが、シンボル数及び/又は係数を決定するのに用いられる。
【0163】
例えばBf/2未満の小さなドップラー周波数シフトエクスカーションの場合、αは0.5に等しく、N
1は1又は2又は5に等しい。ここで、Bfはナイキスト周波数限界である。
【0164】
例えばBf/2〜2Bfの中程度のドップラー周波数シフトエクスカーションの場合、αは0.5に等しく、N
1は3又は5に等しい。
【0165】
例えば2Bfを上回る大きなドップラー周波数シフトエクスカーションの場合、αは1に等しく、N
1は3又は5に等しい。
【0166】
図8は、本発明の第2の実現形態によるアルゴリズムの一例である。
【0167】
より正確には、本アルゴリズムは、プロセッサ200によって実行される。
【0168】
本発明の特定の実現形態によれば、ステップS800において、プロセッサ200は、モジュール402、403、404、及び405によって実行される動作のレイテンシを補償するために、ディジタルシンボルを遅延N
2=(N
1max+1)/2だけ遅延させるように遅延モジュール406に命令する。
【0169】
平均化モジュール403が瞬時周波数シフトを遅延させない本発明の変形実現形態によれば、プロセッサ200は、ステップS800において、ディジタルシンボルを遅延N
2=(N
1+1)/2だけ遅延させるように遅延モジュール406に命令する。
【0170】
特定の特徴によれば、次のステップS801において、プロセッサ200は、信号対雑音比を推定してチャネル特性推定モジュール411に提供するようにSNR推定モジュール410に命令する。
【0171】
SNRは、例えば、欧州特許出願第2031760号に開示されているように、受信されたパイロットシンボルを用いることによって推定される。
【0172】
SNRは、例えば、シンボルを転送するために送信元Srcによって用いられるコンステレーションの性能曲線のブレイクポイント及び/又はシンボルを転送するために送信元Srcによって用いられる符号レートに対応する理論的なSNR値である。
【0173】
次のステップS802において、プロセッサ200は、各シンボルについて、多くとも最初のΔ個のサンプルと多くとも最後のΔ個のサンプルとの間の内積、すなわち相関を取り、最初のΔ個のサンプルと最後のΔ個のサンプルが選ばれたときは、以下のものを取得するように相関モジュール402に命令する。
【数46】
【0174】
種々の伝送パスの到来角が一様に分布していない場合、ドップラー効果は時間とともに可変であるが、1つのシンボル継続時間中はほぼ一定とみなすことができる周波数シフトf(t)によってモデル化することができる。
【数47】
【0176】
相関モジュール402は、各シンボルの瞬時周波数シフトを以下のように推定する。
【数49】
【0177】
ここで、瞬時周波数シフトの推定は、ここではサイクリックプレフィックスに関して開示されていることに留意されたい。同じ方法は、サイクリックポストフィックスについても適用することができる。
【0178】
次のステップS803において、プロセッサ200は、ライスKファクタ及び/又はドップラー周波数エクスカーションのような周波数エクスカーションを推定するように、チャネル特性推定モジュール411に命令する。
【0179】
高速ドップラー周波数シフトのような周波数シフト補正を目的として、ライスKファクタを求め、直接パスがどれだけ優勢であるのかを推定することができる。
【0180】
例えば、チャネル特性推定モジュール411は、相関モジュール402によって提供される瞬時周波数推定値
【数50】
を用いるか、又は相関モジュール402によって実行される方法と同じ方法で瞬時周波数推定値
【数51】
を求める。
【0181】
チャネル特性推定モジュール411は、シンボルごとの瞬時周波数推定値
【数52】
の変動を解析する。信号の変動を解析するのには、多くの技法が利用可能である。
【0182】
例えば、チャネル特性推定モジュール411は、サイズ2L
1+1のウィンドウ上で周波数推定値の平均を計算する。
【数53】
ただし、L
1は必ずしも(N
1−1)/2に等しい必要はない。
【0183】
チャネル特性推定モジュール411は、サイズ2L
2+1のウィンドウにおいて、正規化された標準偏差を計算する。
【数54】
【0184】
チャネル特性推定モジュール411は、幾つかの連続したシンボルについてμ
nを平均化し、幾つかの閾値と比較する。これらの比較の結果によって、ライスKファクタの推定値が提供される。
【0185】
例えば、第1の閾値及び第2の閾値が、ライスKファクタを推定するのに用いられる。第1の閾値は、ライスKファクタが4以上であるか否かを判断するのに用いられる。第2の閾値は、ライスKファクタが10以上であるか否かを判断するのに用いられる。閾値の値はSNRに依存する。
【0186】
例えば、第1の閾値は、8dBよりも大きなSNRについては0.2に等しく、3dB〜8dBに含まれるSNRについては0.3に等しく、3dBよりも小さなSNRについては0.5に等しい。
【0187】
例えば、第2の閾値は、8dBよりも大きなSNRについては0.13に等しく、3dB〜8dBに含まれるSNRについては0.25に等しく、3dBよりも小さなSNRについては0.45に等しい。
【0188】
チャネル特性推定モジュール411は、瞬時周波数推定値
【数55】
を用いて、ドップラー周波数シフトエクスカーションdr
n又はdr’
n又はdr’’
n又はdr’’’
n又はdr’’’’
nを推定することができる。
【0189】
例えば、チャネル特性推定モジュール411は、幾つかのスライディングウィンドウを用いて、ドップラー周波数シフトエクスカーションdr
nを推定する。
【数56】
ただし、通常、A≫N
1である。
【0190】
例えば、チャネル特性推定モジュール411は、幾つかのスライディングウィンドウを用いて、ドップラー周波数シフトエクスカーションdr’
nを推定する。
【数57】
【0191】
例えば、チャネル特性推定モジュール411は、幾つかのスライディングウィンドウを用いて、ドップラー周波数シフトエクスカーションdr’’
nを推定する。
【数58】
【0192】
例えば、チャネル特性推定モジュール411は、幾つかのスライディングウィンドウを用いて、ドップラー周波数シフトエクスカーションdr’’’
nを推定する。
【数59】
そして、結果を種々の閾値と比較する。
【0193】
例えば、チャネル特性推定モジュール411は、無限インパルス応答(IIR)フィルタを用いて、ドップラー周波数シフトエクスカーションを推定する。
【数60】
ただし、c及びdはIIRフィルタの係数である。例えば、cは0.1に等しく、dは0.9に等しい。
【0194】
求められたライスKファクタ及び/又はドップラー周波数シフトエクスカーションの推定値は、N
1及びα決定モジュール412に提供される。
【0195】
次のステップS804において、プロセッサ200は、図5又は図6又は図7に示すような表のうちの1つを用いてN
1及びαの値を決定するように、N
1及びα決定モジュール412に命令する。
【0196】
次のステップS805において、プロセッサ200は、相関モジュール402によって提供された周波数推定のN
1個のシンボルにわたる平均化を実行する平均化モジュール403に命令する。
【0197】
N
1は、平均化に用いられる可変のシンボル数であり、N
1及びα決定モジュール412によって提供される。
【0198】
平均化モジュール403は、平滑化された周波数シフト推定値
【数61】
を生成する。
【数62】
【0199】
ここで、説明を簡単にするために、N
1は奇数であると仮定することに留意されたい。本発明は、N
1が偶数であるときも適用可能である。
【0200】
本発明の特定の実現形態によれば、平均化モジュール403は、継続時間N
1max−N
1に等しい時間だけ、平滑化された周波数シフト推定値
【数63】
を遅延させる。
【0201】
一変形実現形態によれば、平均化モジュール403は、平滑化された周波数推定値
【数64】
を生成するために、相関Γ
nを平均化することによって、平滑化された相関
【数65】
を生成する。
【数66】
【0202】
この変形形態によれば、平均化モジュール403は、平滑化された相関の位相を用いて、平滑化された周波数推定値
【数67】
を得る。
【数68】
【0203】
次のステップS806において、プロセッサ200は、平滑化された周波数推定値
【数69】
を値αによって重み付けするように、重み付けモジュール404に命令する。
【0204】
次のステップS807において、プロセッサ200は、
【数70】
を計算する指数関数計算モジュール405に命令する。
【0205】
次のステップS808において、プロセッサ200は、ドップラー周波数シフトを補正するために、遅延されたディジタルシンボルに指数関数計算モジュールの出力を乗算するように乗算器407に命令する。
【0206】
当然のことながら、本発明の範囲から逸脱することなく、上述した本発明の実施形態に対して多くの変更を行うことができる。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【国際調査報告】