特表2015-525636IP Force 特許公報全文掲載

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-525636(P2015-525636A)
(43)【公表日】2015年9月7日
(54)【発明の名称】拡張型ガイドエクステンションカテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/04 20060101AFI20150811BHJP
   A61M 25/06 20060101ALI20150811BHJP
【FI】
   A61M25/04
   A61M25/06 556
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-521753(P2015-521753)
(86)(22)【出願日】2013年7月9日
(85)【翻訳文提出日】2015年1月23日
(86)【国際出願番号】US2013049784
(87)【国際公開番号】WO2014011677
(87)【国際公開日】20140116
(31)【優先権主張番号】61/669,530
(32)【優先日】2012年7月9日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ワン、フイスン
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン、ジェームズ エム.
【テーマコード(参考)】
4C167
【Fターム(参考)】
4C167AA15
4C167AA53
4C167BB02
4C167BB31
4C167CC08
(57)【要約】
医療装置を開示する。実施例の医療装置は、ガイドエクステンションカテーテル(114)を含むことができる。該ガイドエクステンションカテーテルは、近位外径を有する近位部材(116)を含むことができる。遠位シース部材(126)は、該近位部材に取り付けることができる。該遠位シース部材は、該近位外径よりも大きな遠位外径を有することができる。該遠位シース部材は、近位端と、遠位端と、該近位端と該遠位端との間に少なくとも部分的に延びている長手方向スリット(146)とを有することができる。拡張可能部材(145)は、該遠位シース部材に取り付けることができ、および該長手方向スリットに沿って延びていてもよい。該拡張可能部材は、第1の形態と、拡張した形態との間で変わるように構成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位外径を有する近位部材と、
前記近位部材に取り付けられた遠位シース部材であって、前記遠位シース部材が、前記近位外径よりも大きな遠位外径を有し、前記遠位シース部材は、近位端と、遠位端と、前記近位端と前記遠位端との間に少なくとも部分的に延びている長手方向スリットとを有する遠位シース部材と、
前記遠位シース部材に取り付けられ、および前記長手方向スリットに沿って延びている拡張可能部材であって、第1の形態と、拡張した形態との間で変わるように構成される拡張可能部材と、
を備えるガイドエクステンションカテーテル。
【請求項2】
前記近位部材が内腔を画成する、請求項1に記載のガイドエクステンションカテーテル。
【請求項3】
前記拡張可能部材は、前記第1の形態の場合に第1の厚さを有し、前記遠位シース部材は壁厚を有し、前記拡張可能部材の第1の厚さは、前記遠位シース部材の壁厚と実質的に同じである、請求項1または請求項2に記載のガイドエクステンションカテーテル。
【請求項4】
前記拡張可能部材は、前記第1の形態の場合に第1の厚さを有し、前記遠位シース部材は壁厚を有し、前記拡張可能部材の第1の厚さは、前記遠位シース部材の壁厚よりも小さい、請求項1または請求項2に記載のガイドエクステンションカテーテル。
【請求項5】
近位外径を有する近位部材と、
前記近位部材に取り付けられた遠位シース部材であって、前記近位外径よりも大きな遠位外径を有する遠位シース部材と、
を備えるガイドエクステンションカテーテルであって、
前記遠位シース部材は、近位端と、遠位端と、前記近位端と前記遠位端との間に少なくとも部分的に延びている長手方向スリットとを有し、および
前記遠位シース部材は、第1の形態と、拡張した形態との間で変わるように構成されるガイドエクステンションカテーテル。
【請求項6】
前記長手方向スリットは、前記遠位シース部材の前記近位端と前記遠位端との間に部分的にのみ延びている、請求項5に記載のガイドエクステンションカテーテル。
【請求項7】
前記遠位シース部材は、広がった遠位端領域を含む、請求項6に記載のガイドエクステンションカテーテル。
【請求項8】
前記長手方向スリットは、前記遠位シース部材の近位端から、前記遠位シース部材の遠位端まで延びている、請求項5に記載のガイドエクステンションカテーテル。
【請求項9】
前記遠位シース部材は、広がった遠位端領域を含む、請求項8に記載のガイドエクステンションカテーテル。
【請求項10】
前記近位部材は、前記遠位シース部材に取り付けられた支持領域を含む、請求項5〜請求項9のうちのいずれか一項に記載のガイドエクステンションカテーテル。
【請求項11】
前記支持領域は、複数の支持リブを含む、請求項10に記載のガイドエクステンションカテーテル。
【請求項12】
隣接する支持リブは、すべて同じサイズを有する、請求項11に記載のガイドエクステンションカテーテル。
【請求項13】
隣接する支持リブは、遠位に向かってサイズが小さくなっている、請求項11に記載のガイドエクステンションカテーテル。
【請求項14】
前記遠位シース部材は、ロール状シートを含む、請求項5〜請求項13のうちのいずれか一項に記載のガイドエクステンションカテーテル。
【請求項15】
前記遠位シース部材に取り付けられ、および前記長手方向スリットに沿って延びている拡張可能部材をさらに備える、請求項5〜請求項14のうちのいずれか一項に記載のガイドエクステンションカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
医療装置および医療装置を製造するための方法に関する。より具体的には、ガイドエクステンションカテーテルを含む細長い体内医療装置
【背景技術】
【0002】
医療用途、例えば、血管内用途のさまざまな体内医療装置がこれまでに開発されている。それらの装置のうちのいくつかは、ガイドワイヤ、カテーテル等を含む。これらの装置は、さまざまな異なる製造方法のうちのいずれか1つによって製造され、また、さまざまな方法のうちのいずれか1つに従って用いることができる。公知の医療装置および方法の各々には、いくつかの利点および欠点がある。以前より、医療装置を製造および使用するための代替的な医療装置ならびに代替的な方法を提供する必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この開示は、医療装置のための設計、材料、製造方法および用途の代替案を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施例の医療装置は、ガイドエクステンションカテーテルを含むことができる。該ガイドエクステンションカテーテルは、近位外径を有する近位部材を含むことができる。遠位シース部材を該近位部材に取り付けることができる。該遠位シース部材は、該近位外径よりも大きな遠位外径を有することができる。該遠位シース部材は、近位端と、遠位端と、該近位端と該遠位端との間に少なくとも部分的に延びている長手方向スリットとを有することができる。拡張可能部材は、該遠位シース部材に取り付けることができ、また、該長手方向スリットに沿って延びていてもよい。該拡張可能部材は、第1の形態と、拡張した形態との間で変わるように構成することができる。
【0005】
別の実施例のガイドエクステンションカテーテルは、近位外径を有する近位部材を含むことができる。遠位シース部材は、該近位部材に取り付けることができる。該遠位シース部材は、該近位外径よりも大きな遠位外径を有することができる。該遠位シース部材は、近位端と、遠位端と、該近位端と該遠位端との間に少なくとも部分的に延びている長手方向スリットとを有することができる。該遠位シースは、第1の形態と、拡張した形態との間で変わるように構成することができる。
【0006】
実施例のガイドエクステンションカテーテルシステムも開示されている。該ガイドエクステンションカテーテルシステムは、内径を有するガイドカテーテルを含むことができる。ガイドエクステンションカテーテルは、該ガイドカテーテルを通って延びることができる。該ガイドエクステンションカテーテルは、近位外径を有する近位部材を含むことができる。遠位シース部材は、該近位部材に取り付けることができる。該遠位シース部材は、該近位外径よりも大きな遠位外径を有することができる。該遠位シース部材は、近位端と、遠位端と、該近位端と該遠位端との間に少なくとも部分的に延びている長手方向スリットとを有することができる。該遠位シースは、第1の形態と、拡張した形態との間で変わるように構成することができる。
【0007】
また、冠状動脈にアクセスするための方法も開示されている。実施例の方法は、ガイドカテーテルを設けることと、該ガイドカテーテルを血管に通して、冠状動脈口に隣接する位置まで進めることとを含むことができる。また、該方法は、ガイドエクステンションカテーテルを設けることも含んでもよい。該ガイドエクステンションカテーテルは、近位外径を有する近位部材を含むことができる。遠位シース部材は、該近位部材に取り付けることができる。該遠位シース部材は、該近位外径よりも大きな遠位外径を有することができる。該遠位シース部材は、近位端と、遠位端と、該近位端と該遠位端との間に少なくとも部分的に延びている長手方向スリットとを有することができる。該遠位シースは、第1の形態と、拡張した形態との間で変わるように構成することができる。また、該方法は、該ガイドエクステンションカテーテルを該ガイドカテーテルに通して、該遠位シースの少なくとも一部が、該ガイドカテーテルの遠位端を越えて遠位に延びて冠状動脈内まで延びる位置まで進めることと、処置カテーテルを該ガイドカテーテルに通して進めることとを含んでもよい。
【0008】
いくつかの実施形態に関するの概要は、開示された各実施形態または本発明のあらゆる実施を記述することを意図するものではない。以下の図面および詳細な説明は、それらの実施形態をより具体的に例証している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】大動脈を通って冠状動脈口まで進められた実施例のガイドカテーテルを示す平面図である。
【図2】ガイドカテーテルとともに用いられる実施例のガイドエクステンションカテーテルを示す平面図である。
【図3】実施例のガイドエクステンションカテーテルの側断面図である。
【図4】実施例のガイドエクステンションカテーテルおよび実施例のガイドカテーテルの側断面図である。
【図5】拡張可能部材を含む実施例のガイドエクステンションカテーテルの部分断面図である。
【図6】第1の形態における図5に示す拡張可能部材を示す部分断面図である。
【図7】拡張した形態における図5に示す拡張可能部材を示す部分断面図である。
【図8】拡張可能部材を含む別の実施例のガイドエクステンションカテーテルの部分断面図である。
【図9】第1の形態における図8に示す拡張可能部材を示す部分断面図である。
【図10】拡張した形態における図8に示す拡張可能部材の部分断面図である。
【図11】別の実施例のガイドエクステンションカテーテルの一部の側面図である。
【図12】支持部材の一部の側面図である。
【図13】ガイドエクステンションカテーテルを製造するための実施例の方法の一部を概略的に示す。
【図14】ガイドエクステンションカテーテルを製造するための実施例の方法の一部を概略的に示す。
【図15】別の実施例のガイドエクステンションカテーテルの一部の側面図である。
【図16】別の実施例のガイドエクステンションカテーテルの一部の側面図である。
【図17】別の実施例のガイドエクステンションカテーテルの一部の側面図である。
【図18】別の実施例のガイドエクステンションカテーテルの一部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、本発明のさまざまな実施形態に関する以下の詳細な説明を添付図面とともに考慮すれば、より完璧に理解することができる。
本発明は、さまざまな変更および代替的な構成を受け入れやすいが、それらの詳細は図面に例示されており詳細に記載されているであろう。しかし、その意図は、本発明を、記載されている特定の実施形態に限定することではないことを理解すべきである。それどころか、その意図は、本発明の趣旨および範囲内にある全ての変更例、等価物および代替例をカバーすることである。
【0011】
以下の定義された用語に対しては、クレームにおいて、または、この明細書のどこかで異なる定義が示されていない限り、それらの定義を適用するものとする。
本願明細書において、全ての数値は、明記されているか否かにかかわらず、「約」という用語によって変更されると見なされる。「約」という用語は、一般的には、(同じ機能または結果を有する)記載されている値と同等であると当業者が考えるであろう、ある範囲の数値を指す。多くの場合、「約」という用語は、有効数字未満が四捨五入される数字を含む可能性がある。
【0012】
端点による数字の範囲の列挙は、当該範囲内のすべての数字を含む(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4および5を含む)。
「1つの(“a”、“an”)」および「該(“the”)」という単数形は、この明細書および添付クレームにおいて用いる場合、その意味が明確に他のことを指す場合を除いて、複数の指示対象を含んでいる。「または」という用語は、この明細書および添付クレームにおいて用いる場合、一般的には、その意味が明確に他のことを指す場合を除いて、「および/または」を含む意味で用いられている。
【0013】
以下の詳細な説明は、図面を参照して読むべきであり、それらの図面において、異なる図面における同様の要素は、同じ数字が付けられている。必ずしも縮尺通りではない該図面は、例示的な実施形態を示しており、本発明の範囲を限定することは意図されていない。
【0014】
経皮経管的冠動脈形成術等の低侵襲心臓インターベンションは、世界中で幅広く利用されている。その手技は、ガイドカテーテルの使用を含む。例えば、図1に示すように、ガイドカテーテル10を、大動脈A等の血管に通して、(例えば、左および右の少なくとも一方)冠動脈CAの口Oに隣接する位置まで進めることができる。そのようにして位置決めした場合、処置カテーテル(例えば、バルーンカテーテル、ステントデリバリーシステム等)をガイドカテーテル10に通して冠動脈CA内に挿入し、該処置カテーテルを、適切な心臓インターベンションを実行するのに用いることができる目標位置まで進めることができる。
【0015】
該処置カテーテルを意図する目標位置に効果的に到達させるためには、冠動脈CAの口Oにガイドカテーテル10の位置を保持することが好ましい。例えば、インターベンション(および/または他の要因)中に心臓が鼓動している可能性がある場合、ガイドカテーテル10は、その位置決めした位置から外れるか、または、該ガイドカテーテル10が、もはや該処置カテーテルが該冠動脈まで効果的に案内するように位置決めされないようにずれる可能性がある。これは、ガイドカテーテル10の遠位端12が、冠動脈CAの口Oから離れてずれていることを含む。口Oから離れるずれのため、冠動脈CAへのアクセスは、遠位端12を、冠動脈CAの口Oとの係合状態に戻すために、ガイドカテーテル10の再位置決めを必要とする可能性がある。
【0016】
本願明細書には、医療装置と、冠動脈CAへのアクセスを改善することができる医療装置を作り、および用いるための方法とが開示されている。例えば、図2は、ガイドカテーテル10を通って、ガイドカテーテル10の遠位端12を越えて、冠動脈CA内まで延びているガイドエクステンションカテーテル14を示す。例えば、ガイドエクステンションカテーテル14は、ガイドカテーテル10の遠位端12を越えて延ばすことができるため、ガイドエクステンションカテーテル14は、冠動脈CAの口Oを越えて、冠動脈CAの一部の中まで延ばすことができる。口Oを越えて延ばすことにより、エクステンションカテーテル14は、ガイドカテーテル10の位置決めを安定させることができ、および多くの心臓インターベンションのための冠動脈CAへのアクセスの改善を可能にする。
【0017】
図3は、ガイドエクステンションカテーテル14の側断面図である。ここでは、ガイドエクステンションカテーテル14が、近位シャフトまたは部材16を含むことができることが図を見て分かる。近位部材16は、近位部分18と、遠位またはリボン部分20とを含むことができる。近位部分18は、その中に画成されている内腔22を有することができる。いくつかの実施形態において、内腔22は、近位部分18の全長に沿って延びている。他の実施形態においては、内腔22は、近位部分18の長さの一部のみに沿って延びている。くわえて、近位部分18は、内腔22が両端で「開いている」ように、(例えば、近位部分18の近位端および遠位端に配置された)近位および遠位の両開口部を含むことができる。別法として、近位部分18の端部の一方または両方は、閉じていてもよく、または、他の方法で密閉されていてもよい。例えば、近位部分18の遠位端は閉じていてもよい。これらの実施形態のうちのいくつかおよび他の実施形態において、近位部分18は、近位部分18の近位端および遠位端のうちの少なくとも一方から離間して、近位部分18の壁部内に形成された開口部またはポート(図示せず)を有してもよい。該ポートは、内腔22と流体的に連通していても連通していなくてもよい。ハブ24は、近位部分18に取り付けることができる。
【0018】
遠位シース26は、近位部材16に取り付けることができる。シース26は、その中に形成された内腔28を有することができる。一般に、内腔28(および/または遠位シース26の内径)は、内腔22(および/または近位部分18の内径)よりも大きくてもよく、および近位部材16の外径よりも大きくてもよい。したがって、内腔28は、治療カテーテル(例えば、バルーンカテーテル、ステントデリバリーシステム等)がそこを通れるような十分な大きさにすることができる。例えば、ガイドエクステンションカテーテル14がガイドカテーテル10内に配置されると、該治療カテーテルをガイドカテーテル10内で近位部材16と平行に、遠位シース26の内腔28を通して延ばすことができる。
【0019】
遠位シース26は、本体部30を含むことができる。少なくともいくつかの実施形態においては、本体部30は、本願明細書に開示されているもののうちのいくつかを含む1つ以上のポリマを含んでもよい。これは、本体部30の長さに沿って異なる硬度を有するポリマの使用を含んでもよい。例えば、本体部30のより近位の部分は、より高い硬度を有するポリマを含んでもよく、また、本体部30のより遠位の部分は、より低い硬度のポリマを含んでもよい。本体部の全長部分には、X線不透過材料が搭載されていてもよく、または、別の方法で該材料を含んでもよい。また、本体部30は、補強部材32を含んでいてもよい。補強部材32の構成は変えてもよい。例えば、補強部材32は、編組、コイル、メッシュ等を含んでもよい。
【0020】
内側ライナまたは内側層34を、本体部30の内面に沿って設けることができる。ライナ34の構成は変えてもよい。例えば、ライナ34は、滑らかなライナとすることができ、または、他の方法でポリテトラフルオロエチレン等の潤滑性材料を含んでもよい。先端部材36は、例えば、本体部30の遠位端において本体部30に取り付けることができる。いくつかの実施形態において、先端部材36は、材料から成る単一の層であってもよい。別法として、先端部材は、外側層38と内側層40を含んでもよい。外側層38および内側層40は、同じ材料から形成してもよい。これらの実施形態のうちのいくつかにおいては、外側層38および内側層40は、同じ高分子材料を含んでもよく、また、各々には、同じかまたは異なるX線不透過材料が含まれていてもよい。例えば、内側層40は、約75〜95(例えば、90)重量%のタングステンが含まれたポリエーテルブロックアミドを含んでもよく、また、外側層38は、約30〜50(例えば、40)重量%の次炭酸ビスマスを含むポリエーテルブロックアミドを含んでもよい。これらは単なる例である。他の実施形態においては、外側層38と内側層40は、異なる材料から形成してもよい。
【0021】
遠位シース26は、近位部材16のリボン部分20に取り付けることができる。リボン部分20と遠位シース26の取り付けの構成および形態の両方または一方は変えてもよい。例えば、遠位シース26は、その管壁内に形成された開口部または内腔を有してもよく、また、リボン部分20は、該開口部内に設けてもよい。これは、リボン部分20を縮径し、スカイビング加工し、または挟むことと、縮径した部分を該開口部内に挿入することとを含んでもよい。いくつかの実施形態において、リボン部分20を該開口部内に挿入することは、近位部材16を機械的結合を介して遠位シース26に固着することができる。これらの実施形態のうちのいくつかおよび他の実施形態においては、医療装置の場合に一般的に用いられている結合メカニズム(例えば、接着、溶接、熱結合、ロウ付け等)を含む追加的結合および代替的結合の両方または一方を利用することができる。また、直接結合(例えば、接着、熱結合、溶接、ロウ付け等)、リボン部分20と遠位シース26とを結合することができる金属またはポリマカラー42等の第3の構成要素によって容易になる結合を含む、近位部材16を遠位シース26に取り付けるための他の取付メカニズムも意図されている。
【0022】
また、ガイドエクステンションカテーテル14は、例えば、摩擦を減らすことができる多数のコーティングを含んでもよい。例えば、近位部材16および遠位シース26のうちの少なくとも一方は、トラッキング中の摩擦を減らすことができる親水性ポリマを含む内側コーティングおよび外側コーティング、またはその一方を有してもよい。コーティングの例は、BAYER CL100、BIOSLIDE、NG−HPC、SLIP COAT、MDX等を含むことができる。これらは単なる例である。本願明細書に開示されているものを含む、他の材料も意図されている。
【0023】
図4は、ガイドカテーテル10内に配置された(例えば、ガイドカテーテル10内に画成された内腔44内に配置された)ガイドエクステンションカテーテル14を示す。図示されているように、遠位シース26は、ガイドカテーテル10の遠位端12から遠位方向外側に延びるように配置することができる。そのようにして配置した場合、遠位シース26は、口Oに係合することができ、および/またはガイドカテーテル10の位置の保持を補助するように、冠動脈CAの一部の中に延ばすことができ、および冠動脈CAへのアクセスを改善することができる。近位部材16は、ガイドカテーテル10の内部または内腔44で比較的小さなスペースを占めるように、(十分なサイズのままで、および押出し性のために構成されたままで)十分に小さくなるように設計することができる。したがって、ガイドエクステンションカテーテル14の利用は、インターベンションのための所望の目標位置に到達させるために、ガイドカテーテル10を通して進められる治療カテーテルまたは医療装置を可能にする。いくつかの実施形態において、近位部材16は、ガイドカテーテル10の内壁表面に接触することができ、そのことが、さらに多くのスペースをもたらす。
【0024】
ガイドエクステンションカテーテル14のようなガイドエクステンションカテーテルを設計する場合、遠位部(例えば、遠位シース26)は、そこを通って延びる治療用医療装置に対して十分に大きな内径を有することが好ましい。実際には、該治療用医療装置を遠位シース26を通して容易に進められるようにしながら、遠位シース26の内径を、該治療用医療装置の外径にかなり近づけることが好ましい。くわえて、遠位シース26は、ガイドカテーテル10の内径に近い外径を有することが好ましい。遠位シース26の内径と、該治療用医療装置との間の比較的きっちりした嵌合、ならびに遠位シース26の外径と、ガイドカテーテル10との間の比較的きっちりした嵌合は、それらの構造間の余分なオープンスペースをなくすことができ、および/または他の方法で、それらの構造間に部分的に「密閉された」構成を形成することができる。該密閉された構成は、ガイドカテーテル10内に注入される造影剤が、ガイドカテーテル10の遠位端12から容易に漏出するのを防ぐのに役に立つ可能性がある。いくつかのガイドカテーテルと、治療用医療装置とのサイズの違いにより、遠位シース26の内径と、該治療用医療装置との間のきっちりした好ましい嵌合と、遠位シース26の外径と、ガイドカテーテル10との間の比較的きっちりした嵌合とを実現するのに必要な構造的特徴をもたすことができるガイドエクステンションカテーテルに対する必要性が存在している。
【0025】
図5は、構成および機能が、本願明細書に開示されている他のガイドエクステンションカテーテルと同様であってもよい実施例のガイドエクステンションカテーテル114を示す。ガイドエクステンションカテーテル114は、ガイドカテーテル10および治療用医療装置のうちの少なくとも一方等の関連する1つ以上の医療装置に対する、よりしっかりとした密封またはよりきっちりした嵌合を形成するのに役に立つ1つ以上の構造的特徴を含むことができる。これは、ガイドエクステンションカテーテル114が拡張する能力を含むことができる。くわえて、ガイドエクステンションカテーテル114は、クロッシング、例えば、部分閉塞、完全閉塞、石灰化病変等に対する改善されたクロッシング性を有するように設計してもよい。
【0026】
ガイドエクステンションカテーテル114は、近位部材116および遠位シース126を含むことができる。それらの構造は概略的に図示されている。近位部材116および/または遠位シース126の構成および/または構造配置が、本願明細書に開示されている他の近位部材および遠位シース(例えば、近位部材16および遠位シース26)と似ている可能性があることは正しく認識することができる。遠位シース126は、シース本体144を含むことができる。少なくともいくつかの実施形態において、シース本体144は、「部分的に円筒形」または概して「C字状」であると説明することができ、また、シース本体144は、少なくとも部分的にその長さに沿って延びている長手方向スリット146を含むことができる。いくつかの実施形態においては、スリット146は、遠位シース126の近位端と遠位端との間の全長に延びている。他の実施形態においては、スリット146は、遠位シース126の長さの一部(例えば、遠位部分、近位部分、中央部分等)のみに沿って延びている。
【0027】
拡張可能部材145をシース本体144に取り付けることができる。一般に、拡張可能部材145は、図6に示すような第1の形態と、図7に示すような第2のまたは拡張した形態との間で変わるように構成することができる。拡張可能部材145は、エラストマー材料、弾性ポリマ、弾性高分子材料、および/または伸縮可能であるか、または、他の方法で拡張可能である他の適切な材料を含むことができる。これらの材料は、本願明細書に開示されている材料を含むことができる。いくつかの実施形態においては、シース本体144もまた拡張可能であってもよい。他の実施形態においては、シース本体144は、より堅くまたは概して拡張可能ではない形状を有しているが、拡張可能部材145のみが拡張可能である。したがって、拡張可能部材145の拡張は、遠位シース126の第1の円形形状から幾分大きな円形形状への拡張というよりもむしろ遠位シース126の形状が(例えば、略円形から、完全な円形ではない幾分丸い形状に)変わることとして理解してもよい。
【0028】
拡張可能部材145の拡張は、遠位シース126が、第1のサイズまたは形態から、第2のサイズまたは形態に拡張することを可能にする。拡張の程度は変えてもよい。例えば、遠位シース126は、「拡張していない」形態の場合、約0.05〜0.06インチ(約1.27ミリメートル〜1.524ミリメートル)の外径を有することができ、また、遠位シースは、拡張した場合に、約0.06〜0.07インチ(約1.524ミリメートル〜1.778ミリメートル)の範囲の外径を有するように拡張することができる。一実施例において、遠位シース126は、約0.055インチ(約1.397ミリメートル)の範囲の拡張していない外径と、約0.070インチ(約1.778ミリメートル)の拡張した直径とを有することができる。一実施例において、遠位シース126は、約0.060インチ(約1.524ミリメートル)の拡張していない外径と、約0.068インチ(約1.7272ミリメートル)の拡張した直径とを有することができる。これらの実施形態のうちのいくつかおよび他の実施形態において、拡張可能部材145の拡張は、遠位シース126の外径またはサイズを、約0.005〜0.015インチ(約0.127ミリメートル〜0.381ミリメートル)程度だけ増加させる可能性がある。これらは単なる例である。
【0029】
拡張可能部材145は、治療用医療装置を遠位シース126に通して押し進めることによって拡張させることができる。例えば、治療用医療装置を遠位シース126に通すと、径方向外側への力を遠位シース126に及ぼして、拡張可能部材145を拡張させることができる。少なくともいくつかの実施形態において、拡張は、ガイドカテーテル10の内径に近い外径まで、遠位シース126を拡張させることができる。このことは、ガイドエクステンションカテーテル114とガイドカテーテル10との間に、幾分きっちりした嵌合を形成するのに役に立つ可能性があり、それにより、ガイドカテーテル10を通って血管内に入る造影剤の量を少なくすることができる。
【0030】
拡張可能部材145は、遠位シース126(例えば、および/またはシース本体144)の壁厚に近い厚さを有してもよい。例えば、遠位シース126および拡張可能部材145は、約0.002〜0.006インチ(約0.0508ミリメートル〜0.1524ミリメートル)または約0.004〜0.005インチ(約0.1016ミリメートル〜0.127ミリメートル)の範囲の厚さを有することができる。これらは単なる例である。遠位シース126の壁厚と同様の厚さを有することにより、拡張可能部材145に隣接する位置における、遠位シース126の外側面および内側面は、概して連続する面を形成することができる。このことは、装置が、遠位シース126の内部および外部の両方または一方に沿って引っ掛かる可能性を低減することができる。
【0031】
図8は、構成および機能が、本願明細書に開示されている他のガイドエクステンションカテーテルと同様であってもよい実施例のガイドエクステンションカテーテル214を示す。ガイドエクステンションカテーテル214は、近位部材216および遠位シース226を含むことができる。遠位シース226は、シース本体244を含むことができる。少なくともいくつかの実施形態において、シース本体244は、少なくとも部分的にその長さに沿って延びている長手方向スリット246を含むことができる。
【0032】
拡張可能部材245をシース本体244に取り付けることができる。一般に、拡張可能部材245は、図9に示すような第1の形態と、図10に示すような第2のまたは拡張した形態との間で変わるように構成することができる。いくつかの実施形態において、拡張可能部材245は、拡張可能部材145と同様であってもよい。これらのうちのいくつかおよび他の実施形態において、拡張可能部材245は、スリット246を覆う(遠位シース226の壁厚と比較して)比較的薄い膜の形態をとることができる。このような構成は、多くの理由で好ましい可能性がある。例えば、拡張可能部材245は、(遠位シース126と比較して)遠位シース226の(約0.015〜0.03インチ(約0.381ミリメートル〜0.0762ミリメートル)または約0.02〜0.025インチ(約0.508ミリメートル〜0.635ミリメートル)程度の)追加的な拡張を可能にすることができる。
【0033】
図11は、構成および機能が、本願明細書に開示されている他のガイドエクステンションカテーテルと同様であってもよい実施例のガイドエクステンションカテーテル314を示す。ガイドエクステンションカテーテル314は、近位部材316および遠位シース326を含むことができる。遠位シース326は、シース本体344を含むことができる。少なくともいくつかの実施形態において、シース本体344は、「部分的に円筒形」であるか、または、他の方法で、少なくとも部分的にその長さに沿って延びている長手方向スリット346を有するものとして説明することができる。
【0034】
支持部材348を遠位シース326に結合することができる。支持部材348は、図12に示すように、軸部350と、それに結合された複数のリブ352(例えば、リブ352aおよびリブ352b)とを含むことができる。いくつかの実施形態において、軸部350は、リブ352から近位方向に延びて、近位部材316を画成してもよい。このことは、近位部材316および支持部材348の両方を含む単一の部材を可能にする。他の実施形態においては、近位部材316は、支持部材348に取り付けられる独立した部材であってもよい。軸部350は、リブ352の遠位方向に延びていてもよく、または、他の実施形態においては、軸部350は、リブ352の最遠位で、または最遠位近傍で終端していてもよい。軸部350は、その長さの一部に沿ってまたは全長に沿って画成された内腔を有していても有していなくてもよい。
【0035】
支持部材348の利用は、多くの理由で好ましい可能性がある。例えば、支持部材348の利用は、ガイドエクステンションカテーテル314の製造を簡単にすることができる。支持部材348は、近位部材316を含むことができるか、または、該近位部材を他の方法で画成することができるため、取付けプロセスを省くことができ、および/または少なくすることができる。くわえて、リブ352は、遠位シース326に対する構造的支持をもたらすことができ、その結果、追加的な支持部材(例えば、編組、コイル等)が必要ない。
【0036】
いくつかの実施形態において、ガイドエクステンションカテーテル314の製造は、図13に概略的に示すように、シース本体344を設けることと、支持部材348をその上に配置することとを含んでもよい。これは、材料から成る本質的に平坦なシート(例えば、シース本体344)と、平坦な形態の支持部材348とを設けることを含んでもよい。(例えば、熱結合、接着、機械的結合、または、他の適当な取付け方法を用いて)適切に取り付けた場合、支持部材348とシース本体344を所望の形状に形成することができる。別法として、支持部材348は、形状記憶材料から形成してもよく、および所望の形状に変えてもよい。
【0037】
支持部材348は、本質的にすべて同じサイズであるリブ352を有するものとして図11〜図13に概略的に図示されているが、これは、他の構成および構造の両方または一方が意図されることを限定しようとするものではない。図14は、隣接するリブ352a’/352b’/352c’の形状が変わっている支持部材348’を示す。例えば、リブ352a‘/352b’/352c’は、遠位方向に向かってサイズが小さくなっている。このような構造は、多くの理由で好ましい可能性がある。例えば、支持部材348’は、遠位シース326に沿って徐々に変化する柔軟性をもたらすことができる。
【0038】
図15は、構成および機能が、本願明細書に開示されている他のガイドエクステンションカテーテルと同様であってもよい実施例のガイドエクステンションカテーテル414を示す。ガイドエクステンションカテーテル414は、近位部材416および遠位シース426を含むことができる。遠位シース426は、シース本体444を含むことができる。シース本体444は、少なくとも部分的にその長さに沿って延びている長手方向スリット546を含むことができる。少なくともいくつかの実施形態において、遠位シース426は、ガイドカテーテル10の内部の形状に適合するようにフレキシブルであるように構成することができる。
【0039】
図16は、構成および機能が、本願明細書に開示されている他のガイドエクステンションカテーテルと同様であってもよい実施例のガイドエクステンションカテーテル514を示す。ガイドエクステンションカテーテル514は、近位部材516および遠位シース526を含むことができる。遠位シース526は、シース本体544を含むことができる。少なくともいくつかの実施形態において、シース本体544は、長手方向スリット546および広がった遠位端554を含むことができる。いくつかの実施形態において、広がった遠位端554は、治療用医療装置がそこを通る際に、遠位シース526を(スリット546が「閉じて」いる形態から、スリット546が「開いて」広がった遠位端554を画成する形態に)拡張させることができるように、スリット546によって画成される。これらの実施形態によれば、スリット546は、ガイドエクステンションカテーテル514のデリバリー中に概して「閉じる」ことができ、また、スリット546は、該治療用医療装置がそこを通って押し進められた場合に、「ファスナを開く」ことができ、または、他の方法で広げることができる。これらのうちのいくつかおよび他の実施形態においては、広がった遠位端554は、遠位端554が自己拡張型となるように、拡張可能な材料または形状記憶材料を含んでもよい。
【0040】
図17は、構成および機能が、本願明細書に開示されている他のガイドエクステンションカテーテルと同様であってもよい実施例のガイドエクステンションカテーテル614を示す。ガイドエクステンションカテーテル614は、近位部材616および遠位シース626を含むことができる。遠位シース626は、シース本体644を含むことができる。少なくともいくつかの実施形態において、シース本体644は、長手方向スリット646および広がった遠位端654を含むことができる。スリット646は、近位部分656を含むことができる。近位部分656は、遠位シース626の長さの可変部分を開くことができるか、または、他の方法で拡張させることができるように開くように構成することができる。換言すれば、広がった遠位端654の長さは、そこを通って延びる治療用医療装置によって開かれたか、または拡張されたスリット646および近位部分656の長さに依拠して変えることができる。
【0041】
図18は、構成および機能が、本願明細書に開示されている他のガイドエクステンションカテーテルと同様であってもよい実施例のガイドエクステンションカテーテル714を示す。ガイドエクステンションカテーテル714は、近位部材716および遠位シース726を含むことができる。遠位シース726は、シース本体744を含むことができる。少なくともいくつかの実施形態において、シース本体744は、ロール状シートの形をとることができる。該ロール状シートは、遠位シース726が、ガイドカテーテル10の内径に近いサイズまで(例えば、治療用医療装置をそこを通して押し進める際に)拡張するように構成することができる。
【0042】
本願明細書に開示されているガイドエクステンションカテーテルのさまざまな構成要素に用いることができる材料は変えてもよい。簡単にするために、以下の論考は、近位部材16および遠位シース26に関して行う。しかし、その論考は、本願明細書に開示されている管状の部材または装置の他の同様の管状部材および構成要素の両方または一方に当てはめることができるため、これは、本願明細書に開示されている装置および方法を限定しようとするものではない。
【0043】
ガイドエクステンションカテーテル14の近位部材16および遠位シース26および/または他の構成要素は、金属、金属合金、ポリマ(その例のいくつかを以下に開示する)、金属ポリマ合成物、セラミック、それらの組合せ等、またはその他の適当な材料から形成することができる。適当な金属および金属合金のいくつかの例は、304V、304Lおよび316LVステンレス鋼等のステンレス鋼、軟鋼、線形弾性および/または超弾性ニチノール等のニッケルチタン合金、ニッケルクロムモリブデン合金(例えば、INCONEL(登録商標)625等のUNS:N06625、HASTELLOY(登録商標)C−22(登録商標)等のUNS:N06022、HASTELLOY(登録商標)C276(登録商標)等のUNS:N10276、その他のHASTELLOY(登録商標)合金等)、ニッケル銅合金(例えば、MONEL(登録商標)400、NICKELVAC(登録商標)400、NICORROS(登録商標)400等のUNS:N04400)、ニッケルコバルトクロムモリブデン合金(例えば、MP35−N(登録商標)等のUNS:R30035)、ニッケルモリブデン合金(例えば、HASTELLOY(登録商標)ALLOY B2(登録商標)等のUNS:N10665)、その他のニッケルクロム合金、その他のニッケルモリブデン合金、その他のニッケルコバルト合金、その他のニッケル鉄合金、その他のニッケル銅合金、その他のニッケルタングステン合金またはタングステン合金等のその他のニッケル合金、コバルトクロム合金、コバルトクロムモリブデン合金(例えば、ELGILOY(登録商標)、PHYNOX(登録商標)等のUNS:R30003)、プラチナを豊富に含んだステンレス鋼、チタン、これらの組合せ等、または、他の適当な材料を含む。
【0044】
本願明細書において示唆されているように、市販のニッケルチタン合金またはニチノール合金類には、「線形弾性」または「非超弾性」と称される種類があり、それらは、化学的性質において、従来の形状記憶および超弾性品種と同様である可能性があるが、独特で有用な機械的特性を呈する可能性がある。線形弾性ニチノールおよび非超弾性ニチノールの両方または一方は、線形弾性および非超弾性ニチノールの両方または一方が、超弾性ニチノールのように、その応力・歪曲線において、実質的な「超弾性プラトー」または「フラグ領域」を示さないという点において超弾性ニチノールとは異なっている可能性がある。その代わり、線形弾性ニチノールおよび非超弾性ニチノールの両方または一方においては、回復可能な歪が増すにつれて、応力は、塑性変形が始まるまで、実質的に線形的に、または、完全に線形関係である必要はないが、ある程度は線形的に、または、少なくとも、超弾性ニチノールの場合に見られる可能性のある超弾性プラトーおよびフラグ領域のうちの少なくとも一方よりも線形な関係で増加し続ける。したがって、この開示のために、線形弾性ニチノールおよび非超弾性ニチノールのうちの少なくとも一方は、「実質的に」線形弾性ニチノールおよび/または非超弾性ニチノールと呼んでもよい。
【0045】
線形弾性ニチノールおよび非超弾性ニチノールのうちの少なくとも一方は、実質的に弾性状態である間(例えば、塑性変形前)、約2〜5%の歪を許容可能であるのに対して、超弾性ニチノールは、塑性変形前は、約8%の歪を許容可能であるため、場合によっては、線形弾性ニチノールおよび非超弾性ニチノールのうちの少なくとも一方は、超弾性ニチノールと区別してもよい。これらの材料はどちらも、塑性変形前には、約0.2〜0.44パーセントの歪を許容可能であるにすぎない(その組成に基づいて区別することもできる)ステンレス鋼等の他の線形弾性材料と区別することができる。
【0046】
いくつかの実施形態において、線形弾性ニッケルチタン合金および非超弾性ニッケルチタン合金のうちの少なくとも一方は、広い温度範囲にわたる示差走査熱量測定法(differential scanning calorimetry:DSC)および動的金属熱分析(dynamic metal thermal analysis:DMTA)によって検出可能であるマルテンサイト/オーステナイト相転移を少しも示さない合金である。例えば、いくつかの実施形態においては、線形弾性ニッケルチタン合金および非超弾性ニッケルチタン合金の両方または一方において、約−60度(℃)〜約120℃の範囲で、DSCおよびDMTA分析によって検出可能なマルテンサイト/オーステナイト相転移が見られない可能性がある。そのため、このような材料の機械的曲げ特性は、この非常に広い範囲の温度に関して、温度の影響に対して概して不活性である可能性がある。いくつかの実施形態において、周囲温度または室温における線形弾性ニッケルチタン合金および非超弾性ニッケルチタン合金の両方または一方の機械的曲げ特性は、例えば、該特性は、超弾性プラトーおよびフラグ領域の両方または一方を示さないという点において、体温における機械的特性と実質的に同じである。換言すれば、線形弾性ニッケルチタン合金および非超弾性ニッケルチタン合金の両方または一方は、広範な温度範囲にわたって、その線形弾性および/または非超弾性的特徴および/または性質を維持している。
【0047】
いくつかの実施形態において、線形弾性ニッケルチタン合金および非超弾性ニッケルチタン合金の両方または一方は、約50〜約60重量パーセントの範囲のニッケルとすることができ、残りは本質的にチタンである。いくつかの実施形態において、その組成は、約54〜約57重量パーセントのニッケルである。適当なニッケルチタン合金の一つの例は、日本の神奈川県の株式会社古河テクノマテリアルより入手可能なFHP−NT合金である。ニッケルチタン合金のいくつかの例は、米国特許第5,238,004号明細書および同第6,508,803号明細書に開示されており、これらの明細書は、参照によって本願明細書に組み込まれるものとする。他の適当な材料は、(Neo−Metricsから入手可能な)ULTANIUM(登録商標)および(トヨタから入手可能な)GUM METAL(登録商標)を含むことができる。他のいくつかの実施形態においては、所望の特性を実現するために、超弾性合金、例えば、超弾性ニチノールを用いることができる。
【0048】
少なくともいくつかの実施形態において、近位部材16および遠位シース26の両方または一方の一部または全てにも、X線不透過材料が含まれていてもよく、該材料で形成してもよく、または、他の方法で該材料を含んでもよい。X線不透過材料は、医療処置時に、蛍光スクリーン上に、または、別の画像形成方法で、比較的明るい画像を生成可能な材料であると理解されたい。この比較的明るい画像は、ガイドエクステンションカテーテル14の位置を判断する際に、該カテーテルのユーザを支援する。X線不透過材料のいくつかの例は、限定するものではないが、金、プラチナ、パラジウム、タンタル、タングステン合金、X線不透過フィラーを含む高分子材料(硫酸バリウム、次炭酸ビスマス等)等を含むことができる。くわえて、同じ結果を得るために、他のX線不透過マーカバンドおよびコイルのうちの少なくとも一方を、ガイドエクステンションカテーテル14の構造に組み込んでもよい。
【0049】
いくつかの実施形態においては、ある程度の磁気共鳴影像法(Magnetic Resonance Imaging:MRI)適合性がガイドエクステンションカテーテル14に与えられている。例えば、近位部材16および遠位シース26、またはそれらの一部は、画像を実質的に歪めず、および実質的なアーチファクト(すなわち、画像中のギャップ)を形成しない材料で形成してもよい。例えば、特定の強磁性材料は、MRI画像中にアーチファクトを形成する可能性があるため、適切ではない可能性がある。近位部材16および遠位シース26、または、それらの一部は、MRI装置が撮像できる材料で形成することもできる。これらの特徴を呈するいくつかの材料は、例えば、タングステン、コバルトクロムモリブデン合金(例えば、ELGILOY(登録商標)、PHYNOX(登録商標)等のUNS:R30003)、ニッケルコバルトクロムモリブデン合金(例えば、MP35−N(登録商標)等のUNS:R30035)、ニチノール等およびその他を含む。
【0050】
ガイドエクステンションカテーテル14のための概して滑らかな外側面を画成することができるシースまたは被覆(図示せず)を、近位部材16および遠位シース26の一部または全てを覆って設けてもよい。しかし、他の実施形態においては、そのようなシースまたは被覆は、ガイドエクステンションカテーテル14の全ての部分になくてもよく、そのため、近位部材16および遠位シース26が該外側面を形成してもよい。該シースは、ポリマまたは他の適当な材料から形成してもよい。適当なポリマのいくつかの例は、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene:PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ethylene tetrafluoroethylene:ETFE)、フッ素化エチレンプロピレン(fluorinated ethylene propylene:FEP)、ポリオキシメチレン(polyoxymethylene:POM、例えば、DuPontから入手可能なDELRIN(登録商標))、ポリエーテルブロックエステル、ポリウレタン(例えば、Polyurethane85A)、ポリプロピレン(polypropylene:PP)、ポリ塩化ビニル(polyvinylchloride:PVC)、ポリエーテルエステル(例えば、DSM Engineering Plasticsから入手可能なARNITEL(登録商標))、エーテルまたはエステルベースの共重合体(例えば、ブチレン/ポリ(アルキレンエーテル)フタレートおよび/またはDuPontから入手可能なHYTREL(登録商標)等の他のポリエステルエラストマー)、ポリアミド(例えば、Bayerから入手可能なDURETHAN(登録商標)またはElf Atochemから入手可能なCRISTAMID(登録商標))、弾性ポリアミド、ブロックポリアミド/エーテル、(例えば、PEBAX(登録商標)という商品名で入手可能な)ポリエーテルブロックアミド(polyether block amide:PEBA)、エチレン酢酸ビニル共重合体(ethylene vinyl acetate:EVA)、シリコーン、ポリエチレン(polyethylene:PE)、Marlex高密度ポリエチレン、Marlex低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(例えば、REXELL(登録商標))、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate:PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(polytrimethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(polyethylene naphthalate:PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(polyetheretherketone:PEEK)、ポリイミド(polyimide:PI)、ポリエーテルイミド(polyetherimide:PEI)、硫化ポリフェニレン(polyphenylene sulfide:PPS)、酸化ポリフェニレン(polyphenylene oxide:PPO)、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(例えば、KEVLAR(登録商標))、ポリスルホン、ナイロン、(EMS American Grilonから入手可能なGRILAMID(登録商標)等の)ナイロン−12、ペルフルオロプロピルビニルエーテル(perfluoro propyl vinyl ether:PFA)、エチレンビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリスチレン、エポキシ、ポリ塩化ビニリデン(polyvinylidene chloride:PVdC)、ポリスチレン−b−イソブチレン−b−スチレン(例えば、SIBSおよびSIBS 50Aのうちの少なくとも一方)、ポリカーボネート、アイオノマー、生体適合性ポリマ、その他の適当な材料、または混合物、組合せ、それらの共重合体、ポリマ/金属複合材料等を含んでもよい。いくつかの実施形態において、該シースは、液晶ポリマ(liquid crystal polymer:LCP)と組合せることができる。例えば、その混合物は、最大で約6パーセントのLCPを含むことができる。
【0051】
いくつかの実施形態において、(例えば、近位部材16および遠位シース26の外面を含む)ガイドエクステンションカテーテル14の外面は、サンドブラスト、ビードブラスト、重曹ブラスト、電解研磨等で仕上げてもよい。それらの実施形態において、および他のいくつかの実施形態においては、該シースの一部または全てを覆って、または、シースのない実施形態においては、近位部材16および遠位シース26の一部、または、ガイドエクステンションカテーテル14の他の部分を覆って、コーティング、例えば、潤滑性、親水性、保護的または他の種類のコーティングを施してもよい。別法として、該シースは、潤滑性、親水性、保護的または他の種類のコーティングを備えてもよい。フッ素重合体等の疎水性コーティングは、ガイドワイヤ操作性および装置交換性を向上させるドライ潤滑性をもたらす。潤滑性コーティングは、操縦性を向上させ、および病変クロッシング性を改善する。適当な潤滑性ポリマは、当技術分野において周知されており、シリコーン等、高密度ポリエチレン(high−density polyethylene:HDPE)等の親水性ポリマ、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアリーレン酸化物、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシアルキルセルロース、アルギン、サッカリド、カプロラクトン等、およびそれらの混合物および組合せを含んでもよい。親水性ポリマは、適切な潤滑性、接着性および溶解性を備えたコーティングを生じさせるために、それらのポリマ同士で混ぜ合わせてもよく、または、(いくつかのポリマを含む)定式化された量の不水溶性化合物と混ぜ合わせてもよい。このようなコーティングおよび材料およびこのようなコーティングを形成するのに用いられる方法の他のいくつかの実施例は、米国特許第6,139,510号明細書および同第5,772,609号明細書で見つけることができ、これらの明細書は、参照によって本願明細書に組み込まれるものとする。
【0052】
該コーティングおよびシースの両方または一方は、例えば、コーティング、押出成形、共押出成形、断続層共押出成形(interrupted layer co−extrusion:ILC)により、または、いくつかのセグメントの端と端の融着により形成してもよい。該層は、その近位端から遠位端まで、均一な剛性または段階的に低くなる剛性を有することができる。該段階的に低くなる剛性は、ILCによる場合のように連続的であってもよく、または、別々の押出成形された管状セグメントをまとめて融着させる場合のように段階的であってもよい。その外側層には、X線造影を容易にするために、X線不透過フィラーを含浸させてもよい。当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、それらの材料を幅広く変えることができることを正しく認識するであろう。
【0053】
この開示は、多くの点で例示に過ぎないことを理解すべきである。細部、特に、形状、サイズ、およびステップの構成に関しては、本発明の範囲を逸脱することなく変更を実施することができる。このことは、適切である限り、1つの実施例の実施形態の特徴のうちのいずれかが、他の実施形態で用いられることを含む可能性がある。本発明の範囲は、当然のことながら、添付クレームにおいて表現されている文言で定義されるものとする。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【国際調査報告】

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