(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-528375(P2015-528375A)
(43)【公表日】2015年9月28日
(54)【発明の名称】医療機器
(51)【国際特許分類】
A61F 2/01 20060101AFI20150901BHJP
【FI】
A61F2/01
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-531939(P2015-531939)
(86)(22)【出願日】2013年8月19日
(85)【翻訳文提出日】2015年3月23日
(86)【国際出願番号】US2013055572
(87)【国際公開番号】WO2014042825
(87)【国際公開日】20140320
(31)【優先権主張番号】61/700,221
(32)【優先日】2012年9月12日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ティッシュラー、ブライアン ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ペイフェール、デニス エイ.
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160MM37
(57)【要約】
植込み型医療機器であって、植込み型医療機器が拡張状態から収縮状態に移行する際に高さが低くなり、および/または角度が変化する掛かりを有し、留置された機器の除去および/または位置調節に伴う損傷リスクを軽減しうる植込み型医療機器が開示される。機器の本体(101)の中には複数の固定支柱(105)が位置付けられていてもよく、固定支柱(105)は本体に固定された端と、出口地点(108)で本体から出て、本体から半径方向外方に延びる掛かり端(107)を有する。固定支柱の固定端の取付地点(111)と自由掛かり端が本体から突出する各出口地点との間の距離が、拡張状態にあるときよりも収縮状態にあるときのほうが大きくなるように、固定支柱を本体に固定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機器であって、
外周と、結合手段から半径方向外方に延び、かつ、拡張状態と収縮状態との間で移行可能な複数のリブによって画定される内部と、を有する本体構造と、
前記拡張状態における本体構造の内部の少なくとも一部を通りかつ横切って延びる固定支柱であって、取付地点において前記本体構造に取り付けられる固定支柱と、
前記固定支柱上の掛かりであって、出口地点において前記本体構造の内部から出て、前記外周を越えて本体構造から一定の高さ分半径方向外方に突出する掛かりと、
を含み、
前記取付地点と前記出口地点とを分離する距離が、前記収縮状態にあるときのほうが拡張状態にあるときよりも大きくなり、掛かり端が前記本体構造から突出する高さを減少させる、医療機器。
【請求項2】
前記複数のリブの少なくとも1つの中の通路をさらに含み、前記通路が前記出口地点として機能する、請求項1に記載の医療機器。
【請求項3】
前記固定支柱を第2の固定支柱に接続するハブをさらに含む、請求項1に記載の医療機器。
【請求項4】
前記結合手段が前記ハブに接続される、請求項3に記載の医療機器。
【請求項5】
前記本体構造が籠状構造を含む、請求項1に記載の医療機器。
【請求項6】
前記本体構造に固定された閉塞ファブリックをさらに含む、請求項1に記載の医療機器。
【請求項7】
医療機器であって、
外周と、拡張状態と収縮状態との間で移行可能であり、かつ、結合手段から半径方向外方に延びる複数のリブを含む少なくとも1つの湾曲構造によって画定される内部と、を有する本体構造と、
前記拡張状態における本体構造の内部の少なくとも一部を通りかつ横切って延びる固定支柱であって、取付地点において前記本体構造に取り付けられる固定支柱と、
前記固定支柱上の掛かりであって、出口地点において前記本体構造の内部から出て、前記外周を越えて前記本体構造から一定の高さ分半径方向外方に突出する掛かりと、
を含み、
前記取付地点と前記出口地点とを分離する距離が、前記収縮状態にあるときのほうが拡張状態にあるときよりも大きくなり、掛かり端が前記本体構造から突出する高さを減少させる、医療機器。
【請求項8】
前記本体構造の湾曲構造内のマス目をさらに含み、前記マス目が前記出口地点として機能する、請求項7に記載の医療機器。
【請求項9】
前記複数のリブの少なくとも1つの中の通路をさらに含み、前記通路が前記出口地点として機能する、請求項7に記載の医療機器。
【請求項10】
前記固定支柱を第2の固定支柱に接続するハブをさらに含む、請求項7に記載の医療機器。
【請求項11】
前記結合手段が前記ハブに接続される、請求項10に記載の医療機器。
【請求項12】
前記本体構造が籠状構造を含む、請求項7に記載の医療機器。
【請求項13】
前記本体構造に固定された閉塞ファブリックをさらに含む、請求項7に記載の医療機器。
【請求項14】
医療機器であって、
基端部と、
先端部と、
外周と、前記基端部の第1の結合手段から半径方向外方に延び、かつ、前記先端部の第2の結合手段において結合する複数のリブによって画定される内部と、を有する本体構造と、
拡張状態において前記本体構造の内部の少なくとも一部を通りかつ横切って延びる固定支柱であって、取付地点において前記本体構造に取り付けられる固定支柱と、
前記固定支柱上の掛かりであって、出口地点において前記本体構造の内部から出て、前記外周を越えて前記本体構造から一定の高さ分半径方向外方に突出する掛かりと、
を含み、
前記取付地点と前記出口地点とを分離する距離が、収縮状態にあるときのほうが拡張状態にあるときよりも大きくなり、掛かり端が前記本体構造から突出する高さを減少させる、医療機器。
【請求項15】
前記複数のリブの少なくとも1つの中の通路をさらに含み、前記通路が前記出口地点として機能する、請求項14に記載の医療機器。
【請求項16】
前記固定支柱を第2の固定支柱に接続するハブをさらに含む、請求項14に記載の医療機器。
【請求項17】
前記第1の結合手段が前記ハブに接続される、請求項16に記載の医療機器。
【請求項18】
前記第2の結合手段が前記ハブに接続される、請求項16に記載の医療機器。
【請求項19】
前記本体構造が籠状構造を含む、請求項14に記載の医療機器。
【請求項20】
前記本体構造に固定された閉塞ファブリックをさらに含む、請求項14に記載の医療機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、閉塞デバイスまたは血管フィルタの構造に組み込むことのできる固定アンカ
【背景技術】
【0002】
血管系内に植込み可能な医療機器は、抗凝血療法が禁忌の場合の血栓、深部静脈血栓症、および/または肺動脈塞栓の緩和に頻繁に使用される。例えば、心房細動患者の妊婦には、抗凝血剤が処方されるのではなく、左心耳閉塞デバイスが植え込まれることがある。この機器は、設置されると足場を提供し、その上に左心耳を遮断する組織栓が形成される。他の例として、大きな手術を受けたばかりの高齢患者には、抗凝固剤の処方ではなく、下大静脈フィルタの留置によって術後の肺動脈塞栓または深部静脈血栓症が緩和される。このフィルタの構造は、留置されると、患者の術後回復時に形成される有害な血栓を捕捉する。
【0003】
どちらのタイプの機器も一般に、カテーテルデリバリシステムを利用した内視鏡下手術で植え込むことができる。一般に、機器を収縮状態で搬送するカテーテルが血管系を通して機器留置位置へと進められる。
【0004】
その後、機器が拡張され、周辺組織と係合する各種の掛かり(barb)によって所定の位置に固定される。
本願の何れかの箇所に記載されたすべての米国特許、出願ならびにその他のすべての公開文献は、参照によってそれらの全文を本願に援用する。
【0005】
本発明の範囲を限定することなく、本発明の、特許請求される実施形態のいくつかの簡単な概要を以下に述べる。概要の記された本発明の実施形態のさらに詳細な内容および/または本発明の他の以下の「発明の詳細な説明」において見出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、した血管系内に植込み可能な医療機器をより向上させた医療機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
植込み型医療機器であって、その植込み型医療機器が拡張状態から収縮状態に移行する際に高さが減少し、角度が変化する掛かりを有する植込み型医療機器は、留置された機器の除去および/または位置調節に伴う損傷の危険性を低減させる。患者の血管系に植込み可能であり、そこから回収可能なこのような医療機器は本体を含み、その本体は結合手段から半径方向外方に延び、拡張状態から収縮状態に移行できる複数のリブから形成される。複数のリブは本体主要部の内部を画定する。本体の中には複数の固定支柱が位置付けられる。本体が拡張状態にあるとき、固定支柱は内部の少なくとも一部を通りかつ横切って延びる。各固定支柱の端は本体に直接、または中間構造を介して間接的に固定される。各固定支柱の掛かり端は出口地点において出口から出て、本体から半径方向外方に突出する。固定支柱の固定端の取付地点と、自由掛かり端が本体から突出する各出口地点との間の距離が、拡張状態にあるときよりも収縮状態にあるときのほうが大きくなり、それによって掛かり端が本体から突出する高さが減少するように、固定支柱の各々は本体に固定される。
【0008】
植込み中、本体は収縮状態から拡張状態に移行する。拡張状態では、各固定支柱は本体の外径を越えて半径方向外方に延びる。半径方向外方に延びることで、固定支柱の自由掛かり端は協働して周囲の組織と係合することによって、植込み型医療機器を所定の位置に固定する。
【0009】
植込み型医療機器に掛かりを含めることは位置ずれの軽減においては有益であるが、これらはまた、植込み型医療機器を位置調節および/または除去する際に負担にもなりうる。例えば、植込み型医療機器が不適当および/または理想的とまで言えない位置に留置された場合、機器をより理想的な位置へと位置調節することが望ましい。しかしながら、植込み型医療機器を拡張状態で移動させると、掛かりが組織と係合しているため、周辺組織に損傷を与える可能性がある。
【0010】
これに加えて、掛かりが周辺組織と係合していることは、植込み型医療機器を除去する際の合併症の原因となりうる。例えば、植込み型医療機器がその役割を果たし終えると、それが体内に引き続き存在することから生じる合併症を防止するために、これを除去することが望ましい。植込み型医療機器の除去は、植込み型医療機器を収縮状態に移行させ、それをカテーテル内に回収することによって行われる。収縮状態への移行および/または植込み型医療機器のカテーテル内への移動は、掛かりを周辺組織から、外傷を与えるような方法で離脱させる可能性があり、それによって損傷および/またはその他の合併症が引き起こされる原因となりうる。掛かりはまた、回収中にカテーテルに損傷を与えるかもしれず、これはカテーテルの破片の脱落および/またはその他の合併症の原因となりうる。
【0011】
本発明を具現化した植込み型医療機器は、拡張状態から収縮状態に移行する際に高さが減少し、および/または角度が変化する掛かりを提供することによって、した合併症およびその他の危険性を低減させる。
【0012】
拡張された状態の、本発明を具現化した植込み型医療機器は、除去および/または位置調節のために回収する間にカテーテル内に引き込まれ、および/または他の方法で拡張状態から収縮状態に移行可能である。移行中に、固定支柱の固定端の取付地点は、それぞれの自由掛かり端の出口地点から離れるように移動する。それゆえ、収縮状態では、支柱の取付地点とその出口地点を分離する距離がより長くなる。したがって、いくつかの実施形態において、植込み型医療機器が拡張状態から収縮状態に移行する際、本体は固定支柱の固定端を手繰り寄せるためのテザーのように動作し、自由掛かり端が本体から突出する量を減少させ、および/またはその角度を変化させる。その結果として自由掛かり端の高さが減少し、および/または角度が変化することによって、周辺組織からの離脱がより容易に、および/または外傷を与えにくくなる。それと組み合わせて、またはその代わりに、自由掛かり端が本体から突出する高さの減少および/または角度の変化は、回収に利用されるカテーテルの内面に及ぼす損傷を減少させ、またはそれ以外にカテーテルへの損傷に起因する合併症の可能性を低減させる。
【0013】
本発明を特徴とするこれらの、およびその他の本願に付属し、その一部を構成する特許請求の範囲に具体的に明記されている。しかしながら、本発明、その使用により得られるその利点と目的をよりよく理解するために、本発明の各種の実施形態が図示され、記述されている、本願のまた別の部分を構成する図面とそれに伴う説明を参照することができる。
【0014】
以下に、図面を特に参照しながら本発明の詳細な説明を記す。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1A】1つの実施可能な実施形態の拡張状態を示す。
【図1B】図1Aに示される実施形態の収縮状態を示す。
【図2A】本体のリブを通って延びる穴が出口地点として機能する実施形態を示す。
【図2B】アイレットが出口地点として機能する実施形態を示す。
【図2C】少なくとも2本のリブが縒り合されたときに提供される空間が出口地点として機能する実施形態を示す。
【図2D】閉じたマス目状のパターンの開口部が出口地点として機能する実施形態を示す。
【図2E】2本のリブの交差部が出口地点として機能しうる実施形態を示す。
【図3】固定支柱の少なくとも2本が軸上の位置において本体に固定されている実施形態を示す。
【図4A】拡張状態から収縮状態に移行している間に、固定支柱の端が固定されている先端側の結合手段が基端側に移動することによって、固定支柱の自由掛かり端が本体から突出する高さが減少し、および/または角度が変化する実施形態の拡張状態を示す。
【図4B】図4Aに示される実施形態の収縮状態を示す。
【図4C】図4Aに示される実施形態が図4Bに示される収縮状態へと移行する際の支柱の移動を示す。
【図5A】拡張状態から収縮状態に移行している間に、固定支柱の固定端を本体に接続するハブが先端側に移動することによって、固定支柱の自由掛かり端が本体から突出する高さが減少し、および/または角度が変化する実施形態の拡張状態を示す。
【図5B】図5Aに示される実施形態の収縮状態を示す。
【図5C】固定支柱の固定端を本体に接続するハブの1つの実施可能な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は多くの異なる形態で実施できるが、本発明の具体的な実施形態を詳細に説明する。この説明は本発明の原理の例であり、本発明を図の具体的な実施形態に限定することは意図されていない。
【0017】
本開示の目的のために、図中の同様の参照番号は、特にことわりがないかぎり、同様の特徴を指し示すものとする。
図1は本体構造101を含む本発明の実施可能な実施形態を示す。図1Aおよび図1Bに示されるように、この図1Aの拡張状態101aと図1Bの収縮状態101bを有する。本体101の、破線102で示される外周は、収縮状態にあるときよりも拡張状態にあるときのほうが大きい。本体101は、結合手段104から半径方向外方に延び、かつ、内部109を画定する複数のリブ103から形成される。複数の固定支柱105が本体101の中にある。固定支柱105の各々は、本体101に取付地点111において取り付けられた固定端106と、出口地点108において本体から出て、外周を越えて半径方向外方に延びる自由掛かり端107と、を有する。図1Aに示されるように、固定支柱105は拡張状態において本体101の内部109を通り、それを横切るように延びる。
【0018】
リブ103および/または固定支柱105は任意の適切な弾性材料から形成されてもよく、例えばニチノールまたはばね鋼がある。ニチノール等の形状記憶材料の場合、機器には記憶された形状が提供され、その後、小径の形状に変形される。機器は、遷移温度まで加熱されると、および/またはそこからあらゆる拘束が取り除かれると、記憶された形状に戻ることができる。
【0019】
具体的な実施形態と所期の用途の要求事項に応じて、リブ103および/または固定支柱105はまた、1種または複数のポリマ、1種または複数の金属、またはポリマと金属の組合せをはじめとする、他の任意の適当な生体適合材料で作製されてもよい。適当な材料の例としては、同様に生体適合性でもある生分解可能材料がある。これに関連して、「生分解可能な」という用語は、通常の生物学的過程の一環として、無害な化合物へと分解(breakdown)または還元(decomposition)する材料を指すために使用される。適当な生分解材料としては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸(PGA)、コラーゲンまたはその他の結合タンパク質または天然材料、ポリカプロラクトン、ヒローリックアシッド(hylauric acid)、接着性タンパク質、これらの材料の共重合体のほか、その複合体と組合せ、その他の生分解可能ポリマの組合せ等がある。使用可能なその他のポリマとしては、ポリエステルとポリカーボネート共重合体等がある。適当な金属の例としては、ステンレス綱、チタン、タンタル、白金、タングステン、金および/またはの金属の何れかの合金等があるが、これらに限定されない。適当な合金の例としては、プラチナイリジウム合金、コバルトクロム合金(例えば、エルジロイとフィノックス、MP35N)、ニッケルチタン合金、ニッケルチタンプラチナ合金等がある。
【0020】
それと組み合わせて、またはその代わりに、固定部材105はハイポチューブから形成されていてもよい。
本体101の基端部に固定された閉塞ファブリック110は、血流の防止に役立ち、および/または大きな塞栓性物質の通過を防止できる。閉塞ファブリック110は、透過性でも不透過性でもよい。ファブリック110は生体適合材料から作製されてもよく、および/または膜を通って延びる流体伝導穴または通路を有する血液透過性材料から作製されてもよい。これらの材料としては、例えばePFTE(例えば、ゴアテックス(登録商標))、ポリエステル(例えば、ダクロン(登録商標))、PTFE(例えば、テフロン(登録商標))、シリコーン、ウレタン、金属繊維、およびその他の生体適合ポリマがある。血液透過性材料の穴の寸法は、有害な大きさの塞栓が心耳と心房との間の血流から取り除かれるように十分に小さくなるように選択されてもよい。適当な穴の寸法は、直径が例えば約50〜約400マイクロメートルの範囲であってもよい。実施形態において、フィルタ膜は穴の呼び径が約125マイクロメートルのポリエステル(例えば、ダクロン(登録商標))の織物または編物で作製されてもよい。フィルタ膜の開口面積(すなわち、穴の密度)は、塞栓の含まれない血液が左心耳の小孔を通って通過するのに十分な流体伝導性を提供するように選択または調整されてもよい。さらに、フィルタ膜の一部は、抗凝血剤、例えばヘパリンまたはその他の化合物でコーティングまたは被覆されるか、それ以外に処理され、処理部分が孔を閉塞させる血栓の形成を防止する抗血栓性特性を取得するようにしてもよい。
【0021】
図2Aにより詳しく示されているように、出口地点108は、リブ103を通って延びる通路または任意の開口部であってもよく、そこに少なくとも1本の固定支柱105の自由掛かり端107を通過させることができる。図2Aに示される通路は、切削、穴あけ、または他の方法でリブ103を通る穴を提供することによって形成されてもよい。それと組み合わせて、またはその代わりに、出口地点108は、図2Bに示されるように、リブ103を折り曲げてアイレットまたは同様の構造を形成することによって形成されてもよい。出口地点108はまた、図2Cに示されるように、少なくとも2本のリブ103を編み、織り、格子状にし、および/または他の方法で縒り合せたときに提供される空間から形成されてもよい。出口地点108は、それと組み合わせて、またはその代わりに、図2Dに示されるように、閉じたマス目状のパターンの開口部であってもよい。他の実施形態において、図2Eに示されるように、2本のリブの交差部が出口地点108として機能してもよい。
【0022】
図1に示されるように、固定支柱105の取付地点111とそれぞれの自由掛かり端107のための出口地点108とを分離する距離は、収縮状態におけるd
cのほうが拡張状態におけるd
eより大きい。したがって、本体101が拡張状態から収縮状態に移行する際に、各固定支柱105の固定端106はそれぞれの出口地点108に対して基端側に移動する。基端側への移動は、自由掛かり端107を本体101へと内側に引き寄せ、それによって各自由掛かり端107が本体101から突出する量が減少する。拡張状態から収縮状態への移行中、本体101はそれゆえ、固定支柱105の固定端106を手繰り寄せるテザーのように機能し、自由掛かり端107が本体101から突出する高さを減少させ、および/または角度を変化させる。その結果としての高さの減少および/または角度の変化により、図の植込み型医療機器は、位置調節、除去および/またはカテーテルを介した回収中に、より容易に周辺組織から離脱しやすくなる。
【0023】
本体は、固定部材が図1に示されるもの以外の位置に固定されたときに、テザーのように動作してもよい。例えば、固定支柱105の固定端106は同じ高さで本体101に取り付けられる必要はない。同様に、固定支柱105の自由掛かり端107のための出口地点108は同じ高さで位置付けられる必要はない。これに加えて、固定部材105の固定端106は軸上の位置において本体に接続されてもよい。
【0024】
図3は、固定支柱105の少なくとも2本が軸上の位置において本体101に固定される実施形態を示す。この実施形態において、固定端106のための取付地点111は結合手段104に位置付けられる。自由掛かり端107は、結合手段104から半径方向外方に向かい、出口地点108において本体101から出て、外周102を超えて半径方向外方に突出する。したがって、図3に示されるように、各固定支柱105は内部109の一部を通って、これを横切るように延びる。例えば図の植込み型医療機器が回収中にカテーテル内に引き込まれるとき等に結合手段104を基端側に移動させると、結合手段104がテザーのように固定端106を引き戻し、自由掛かり端107が本体101から突出する高さを減少させ、および/または角度を変化させる。その結果として自由掛かり端107が本体101から突出する量が減少し、および/または角度が変化することによって、周辺組織への固着が低下し、図の植込み型医療機器の周辺組織からの離脱がより容易に、および/またはより外傷を与えにくくなる。
【0025】
それと組み合わせて、またはその代わりに、固定支柱の固定端のための取付地点は、図4に示されるように、先端側の結合手段に配置されてもよい。図4に示される実施形態は本体101を含み、これは基端部の結合手段104から半径方向外方に延び、先端部の第2の結合手段401で結合される複数のリブ103から形成される籠状の湾曲した構造を有する。固定支柱105は、リブ103の先端側末端から形成される。図4に示されるように、固定支柱105のうちの少なくともいくつかは、屈曲部402を含み、これが自由掛かり端107を出口地点108で本体101から出て、外周102を超えて半径方向外方に延びるように方向付ける。したがって、固定支柱105は、拡張状態において本体101の内部109の一部を横切り、その中を通って延びる。屈曲部402は、固定支柱105を本体101に接続することから、固定支柱105がリブ103の少なくとも一部の一体部分である、取付地点として1つの実施可能な実施形態に相当する。
【0026】
図4Aと図4Bに示されるように、この図4Aの拡張状態400aと図4Bの収縮状態400bを有する。図4に示される実施形態が拡張状態400aから収縮状態400bに移行する際、結合手段401が、本体101が収縮するときに出口地点108に関して基端側に移動され、図4Cに示されるように固定支柱が移動する。本体101が収縮すると、固定支柱105は矢印403の方向に、破線により示されるような、より縦向きに押し上げられる。矢印403に沿って固定支柱105が移動すると、屈曲部402が圧縮され、その結果、屈曲部402が矢印404の方向に基端側に移動する。屈曲部402の圧縮により、今度は矢印405で示される経路に沿ってそれらの末端が結合手段401の周囲で回転する。
【0027】
図4Aと図4Bに示されるように、固定支柱105が収縮状態においてより縦向きに移動することによって、固定支柱105の屈曲部402とそれぞれの自由掛かり端107のための出口地点108とを分離する距離が増大する(収縮状態におけるd
cと拡張状態におけるd
e)。したがって、本体101が拡張状態400aから収縮状態400bに移行する際、各固定支柱105の固定端106のための取付地点である、屈曲部402は、それぞれの出口地点108からより大きな距離だけ移動させられる。この移動により、自由掛かり端107が本体101に向かって内側に引き寄せられ、これによって各自由掛かり端107が本体101から突出する量が減少し、および/または角度が変化する。その結果としての高さの減少および/または角度の変化により、図の植込み型医療機器は、位置調節、除去および/またはカテーテルを介した回収中に、より容易に周辺組織から離脱しやすくなる。それと組み合わせて、またはその代わりに、自由掛かり端107が本体101から突出する高さの減少および/または角度の変化は、回収に使用されるカテーテルの内面に与える損傷を減少させ、またはそれ以外にカテーテルへの損傷に起因する合併症の可能性を低減させる。
【0028】
それと組み合わせて、またはその代わりに、固定部材は本体101および/またはリブ103と一体に作製されてもよい。例えば、固定部材とリブはまとめて本体101に切削加工される。それと組み合わせて、またはその代わりに、複数の固定部材105の少なくとも一部は、中間構造を介して本体101に取り付けられてもよい。
【0029】
固定端106の取付地点111の基端側への移動は、自由掛かり端107が本体101から突出する量を減少させ、および/または角度を変化させるために必要ではない。それと組み合わせて、またはその代わりに、実施形態は先端側への移動を利用してもよい。本発明のいくつかのそれに加えて、またはその代わりに、固定支柱の全部または一部を本体に接続するハブを含んでいてもよい。図5に示される実施形態において、固定端106を結合手段401に接続するハブ501が先端側に移動することによって、自由掛かり端107が本体101から突出する量が減少し、および/または角度が変化する。ハブ501は、固定部材105の固定端106を本体101に接続する取付地点として機能する。図4に示される実施形態と同様に、固定支柱105は拡張状態において本体101の内部109の一部を横切り、その中を通って延びる。出口地点108において本体101から出る自由掛かり端107は、半径方向外方へと方向付けられ、外周102を越えて突出する。
【0030】
図5Cに示されるように、ハブ501と固定支柱105は、レーザカットおよび/または当業者が容易に認識できるその他の手段を使って形成される一体の構成要素であってもよい。
【0031】
図5Aと図5Bに示されるように、この実施形態は図5Aの拡張状態500aと図5Bの収縮状態500bを有する。固定支柱105の取付地点111とそれぞれの自由掛かり107のための出口地点108とを分離する距離は、拡張状態におけるd
eより収縮状態におけるd
cのほうが大きい。したがって、例えば図の植込み型医療機器が回収中にカテーテル内に引き込まれるとき等に結合手段401を先端側に移動させると、結合手段401はハブ501を介してテザーのように固定端106を引き戻し、それによって自由掛かり端107の高さが減少し、および/または角度が変化する。その結果として自由掛かり端107が本体101から突出する量が減少し、および/または角度が変化することによって、図の植込み型医療機器の周辺組織からの離脱がより容易に、および/または外傷を与える可能性が低くなる。
【0032】
の開示は例示を目的としており、これらがすべてではない。この説明は、当業者にとって多くの変形や代替案を提案するであろう。これらの代替案や変形はすべて、特許請求の範囲内に含められるものとし、その中で、「〜を含む(comprising)」という用語は、「〜を含むがこれらに限定されない」という意味である。当業者であれば、本明細書に記載された具体的な実施形態のその他の均等物がわかり、この均等物もまた、特許請求の範囲により包含されるものとする。
【0033】
さらに、従属請求項に記載された特定の特徴は、発明の範囲内において他の方法で互いに組み合わせることができ、本願は、従属請求項に記載された特徴のその他全ての組み合わせによる他の実施例についても、範囲が及ぶものとする。例えば、請求の範囲の公開にあたり、多数従属形式が管轄区域内で許容される場合には、後続するいずれの従属項も、当該従属項において引用された全先行語を有する先行請求項すべてに従属する多数従属形式で択一的に記述されたものと解釈されるべきである(例えば、請求項1に直接従属する請求項はそれぞれ、先行するすべての請求項に従属するものと択一的に解釈されるべきである)。
【0034】
これで、本発明の好ましい、代替的な実施形態の説明を終える。当業者であれば、本明細書に記載された具体的な実施形態のその他の均等物を着想でき、これらの均等物も本願の付属の特許請求の範囲により包含されるものとする。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図5c】
【手続補正書】
【提出日】2015年3月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機器であって、
外周と、結合手段から半径方向外方に延び、かつ、拡張状態と収縮状態との間で移行可能な複数のリブによって画定される内部と、を有する本体構造と、
前記拡張状態における本体構造の内部の少なくとも一部を通りかつ横切って延びる固定支柱であって、取付地点において前記本体構造に取り付けられる固定支柱と、
前記固定支柱上の掛かりであって、出口地点において前記本体構造の内部から出て、前記外周を越えて本体構造から一定の高さ分半径方向外方に突出する掛かりと、
を含み、
前記取付地点と前記出口地点とを分離する距離が、前記収縮状態にあるときのほうが拡張状態にあるときよりも大きくなり、掛かり端が前記本体構造から突出する高さを減少させる、医療機器。
【請求項2】
前記複数のリブの少なくとも1つの中の通路をさらに含み、前記通路が前記出口地点として機能する、請求項1に記載の医療機器。
【請求項3】
前記固定支柱を第2の固定支柱に接続するハブをさらに含む、請求項1または2に記載の医療機器。
【請求項4】
前記結合手段が前記ハブに接続される、請求項3に記載の医療機器。
【請求項5】
前記本体構造が籠状構造を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医療機器。
【請求項6】
前記本体構造に固定された閉塞ファブリックをさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の医療機器。
【請求項7】
前記閉塞ファブリックが血液透過性である、請求項6に記載の医療機器。
【請求項8】
医療機器であって、
基端部と、
先端部と、
外周と、前記基端部の第1の結合手段から半径方向外方に延び、かつ、前記先端部の第2の結合手段において結合する複数のリブによって画定される内部と、を有する本体構造と、
拡張状態において前記本体構造の内部の少なくとも一部を通りかつ横切って延びる固定支柱であって、取付地点において前記本体構造に取り付けられる固定支柱と、
前記固定支柱上の掛かりであって、出口地点において前記本体構造の内部から出て、前記外周を越えて前記本体構造から一定の高さ分半径方向外方に突出する掛かりと、
を含み、
前記取付地点と前記出口地点とを分離する距離が、収縮状態にあるときのほうが拡張状態にあるときよりも大きくなり、掛かり端が前記本体構造から突出する高さを減少させる、医療機器。
【請求項9】
前記複数のリブの少なくとも1つの中の通路をさらに含み、前記通路が前記出口地点として機能する、請求項8に記載の医療機器。
【請求項10】
前記固定支柱を第2の固定支柱に接続するハブをさらに含む、請求項8または9に記載の医療機器。
【請求項11】
前記第1の結合手段が前記ハブに接続される、請求項10に記載の医療機器。
【請求項12】
前記第2の結合手段が前記ハブに接続される、請求項10に記載の医療機器。
【請求項13】
前記本体構造が籠状構造を含む、請求項8〜12のいずれか一項に記載の医療機器。
【請求項14】
前記本体構造に固定された閉塞ファブリックをさらに含む、請求項8〜12のいずれか一項に記載の医療機器。
【請求項15】
前記閉塞ファブリックが血液透過性である、請求項14に記載の医療機器。
【国際調査報告】