特表2016-521682IP Force 特許公報全文掲載

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-521682(P2016-521682A)
(43)【公表日】2016年7月25日
(54)【発明の名称】ヒドロキシシラン及びシラン基含有ポリマー
(51)【国際特許分類】
   C07F 7/10 20060101AFI20160627BHJP
   C08G 18/38 20060101ALI20160627BHJP
   C08L 101/10 20060101ALI20160627BHJP
   C09K 3/10 20060101ALI20160627BHJP
   C09J 201/10 20060101ALI20160627BHJP
   C09J 171/02 20060101ALI20160627BHJP
   C09J 183/06 20060101ALI20160627BHJP
   C09J 175/04 20060101ALI20160627BHJP
【FI】
   C07F7/10 CCSP
   C08G18/38 Z
   C08L101/10
   C07F7/10 T
   C07F7/10 S
   C09K3/10 G
   C09K3/10 Z
   C09J201/10
   C09J171/02
   C09J183/06
   C09J175/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2016-514396(P2016-514396)
(86)(22)【出願日】2014年5月21日
(85)【翻訳文提出日】2016年1月15日
(86)【国際出願番号】EP2014060457
(87)【国際公開番号】WO2014187865
(87)【国際公開日】20141127
(31)【優先権主張番号】13168803.8
(32)【優先日】2013年5月22日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】504274505
【氏名又は名称】シーカ・テクノロジー・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クレーマー アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ブルクハルト ウルス
(72)【発明者】
【氏名】スタデルマン ウルスラ
【テーマコード(参考)】
4H017
4H049
4J002
4J034
4J040
【Fターム(参考)】
4H017AA03
4H017AA04
4H017AA23
4H017AA24
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4J040NA12
4J040NA16
(57)【要約】
本発明は、β−(3,4−エポキシシクロへキシル)アルキルトリアルコキシシランと第二級アミンとを反応させることによって得ることができる特殊なヒドロキシシラン、及び特にシラン基含有ポリマーの形態の該ヒドロキシシランの付加物に関する。ヒドロキシシランは、単純なプロセスで高純度を有して生成され、生成後の保存において非常に安定性である。ヒドロキシシランを用いて得ることができるシラン基含有ポリマーは、有利な特性を有する。ポリマーは、特にイソシアネート基を含有せず、弾性接着剤及びシーラントとして適した湿気硬化型組成物を可能とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)のヒドロキシシラン:
【化1】
(式中、
R‘が式(II)のラジカルであり、R‘‘が水素であるか、又は、
R‘が水素であり、R‘‘が式(II)のラジカルであるかのいずれかであり、
【化2】
R1及びR2は、
各々個別に炭素数1〜12であり、任意にエーテル酸素、チオエーテル硫黄、若しくは第三級アミン窒素の形態でヘテロ原子を有するアルキルラジカルであるか、又は、
結合して炭素数2〜12であり、任意にエーテル酸素、チオエーテル硫黄、若しくは第三級アミン窒素の形態でヘテロ原子を有するアルキレンラジカルとなるかのいずれかであり、
R3は炭素数1〜20であり、任意に芳香族部分を有し、任意に1又は複数のヘテロ原子を有する、直鎖又は分岐鎖のアルキレン又はシクロアルキレンのラジカルであり、
R4は炭素数1〜8のアルキル基であり、
R5は炭素数1〜10であり、任意に1又は複数のエーテル酸素ヘテロ原子を有するアルキル基であり、
xは0又は1又は2である)。
【請求項2】
R1及びR2が、各々個別に2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、3−メトキシプロピル、3−エトキシ−プロピル、2−(2−メトキシエトキシ)エチル、2−オクチルオキシエチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、2−エチルへキシル、若しくはN,N−ジメチルアミノプロピルであるか、又は結合して窒素原子を含んで任意に置換されたピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、モルホリン、チオモルホリン、若しくは4−メチルピペラジン環となるかのいずれかを特徴とする、請求項1に記載のヒドロキシシラン。
【請求項3】
R3がエチレンラジカルであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のヒドロキシシラン。
【請求項4】
R5がメチル基又はエチル基であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のヒドロキシシラン。
【請求項5】
xが1又は0、特に0であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のヒドロキシシラン。
【請求項6】
少なくとも1種の式(III)のエポキシシランと少なくとも1種の式(IV)のアミンとを反応することを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のヒドロキシシランを作製する方法。
【化3】
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のヒドロキシシランと、イソシアネート基、エポキシド基、アクリロイル基、メタクリロイル基、無水物基、カルボン酸基、エステル基、カーボネート基、シクロカーボネート基からなる群から選択される少なくとも1つの反応性基、好ましくは少なくとも2つの反応性基を含有する少なくとも1種の化合物との反応から得られる付加物。
【請求項8】
式(VI):
【化4】
の末端基を有し、イソシアネート基を含まないポリマーであることを特徴とする、請求項7に記載の付加物。
【請求項9】
前記ポリマーが1000g/モル〜30000g/モルの範囲の分子量を有することを特徴とする、請求項8に記載の付加物。
【請求項10】
前記ポリマーが多数のポリオキシアルキレン単位を有することを特徴とする、請求項8又は9に記載される付加物。
【請求項11】
多数の式(VI)の末端基が脂環式ラジカルに結合されていることを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一項に記載の付加物。
【請求項12】
前記ポリマーが式(VI)の1〜4の末端基を有することを特徴とする、請求項8〜11のいずれか一項に記載の付加物。
【請求項13】
硬化性組成物の構成要素としての請求項1〜5のいずれか一項に記載のヒドロキシシラン又は請求項7〜12のいずれか一項に記載のそれらの付加物の使用。
【請求項14】
前記硬化性組成物が弾性接着剤及び/又はシーラントであることを特徴とする、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
請求項13又は14に記載される使用から得られる成型体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒドロキシシラン及び硬化性組成物におけるその使用
【背景技術】
【0002】
官能基を有するオルガノシランは、しばしば、シーラント、接着剤及びコーティング剤において使用される。官能基を有するオルガノシランは、特に接着促進剤又は架橋剤として、また、「シラン官能性ポリマー」、又は「シラン終端ポリマー」すなわち「STP」とも呼ばれるシラン基含有ポリマーの調製用の構成成分として使用される。容易に実施でき、商業的に魅力のあるシラン基含有ポリマーへの道筋は、好適なオルガノシランと反応されるイソシアネート基含有ポリウレタンポリマーによりもたらされる。この目的で最も一般的に使用されるのはアミノシランである。しかしながら、そのように調製されたポリマーは、典型的には高粘度であり、及び/又はアミノシランとの反応で形成される尿素基のため熱安定性が制限される。
【0003】
粘度及び熱安定性に関するより良好な特性は、シラン基が尿素基ではなくウレタン基を介してそのポリマーに結合されているシラン基含有ポリマーによって得られる。かかるシステムは、ポリオールとイソシアナトシランとの反応生成物の形成において知られている。しかしながら、この経路は、イソシアナトシランが高価であり、低い保存安定性を有し、高毒性であることから、限定された商業的な関心事であるにすぎない。原則として、より魅力的な選択肢はシラン基を含有し、ウレタン結合を有するポリマーへの逆の経路であり、すなわちイソシアネート基含有ポリウレタンポリマーとヒドロキシシランとの反応を介するものである。しかしながら、今日までかかるポリマーに関する記載はほとんどない。これは、ヒドロキシル基とシラン基との急速な反応によって自己縮合しやすいため、非常に不純及び/又は低保存安定性のヒドロキシシランであることが多いことから、好適なヒドロキシシランの調製には通常問題があるというのが理由である。
【0004】
特許文献1は、アミノシランと環状アルキレンカーボネートとの反応によって得られたヒドロキシル基を有するシラン、及びそれに由来するシラン基含有ポリマーを開示する。これらのシラン基含有ポリマーは、熱安定性が不十分である。
【0005】
特許文献2は、環状シロキサン、ヒドロキシシラン及びそれらのオリゴ縮合物の混合物を形成するグリシジルエーテルエポキシシランと第二級アミンとの付加生成物を開示する。これらのヒドロキシシランは、十分に純粋でないため、高品質のシラン基含有ポリマーの調製には適していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,587,502号明細書
【特許文献2】米国特許第8,049,027号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、特に良好な熱安定性を有するシラン基含有ポリマーを得ることができるように、高純度で調製可能な、良好な保存安定性を有するヒドロキシシランを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
驚いたことに、この目的は、請求項1に記載されるヒドロキシシランによって達成されることが見出された。請求項1に記載されるヒドロキシシランは、非常に反応性であるため特に自己縮合しやすいケイ素上のメトキシ基を有していても、単純なプロセスで非常に高純度に調製可能であり、優れた保存安定性を有する。メトキシ官能性シランは高反応性であることから、硬化性組成物の構成要素として特に関心が持たれる。
【0009】
他の有利な用途に加えて、請求項1に記載されるヒドロキシシランを使用して、イソシアネート基含有ポリウレタンポリマーから進行する単純なプロセスで、湿気により急速に硬化して良好な強度、伸展性、及び熱安定性を有する弾性材料を生じる、シラン基を含有し、良好な保存安定性を有する低粘度のポリマーを得ることができる。
【0010】
本発明の更なる態様は、更なる独立項の主題である。本発明の特に好ましい従属項の主題である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、式(I)のヒドロキシシラン:
【化1】
(式中、
R‘が式(II)のラジカルであり、R‘‘が水素であるか、又は、
R‘が水素であり、R‘‘が式(II)のラジカルであるかのいずれかであり、
【化2】
R1及びR2は、
各々個別に炭素数1〜12であり、任意にエーテル酸素、チオエーテル硫黄、若しくは第三級アミン窒素の形態でヘテロ原子を有するアルキルラジカルであるか、又は、
結合して炭素数2〜12であり、任意にエーテル酸素、チオエーテル硫黄、若しくは第三級アミン窒素の形態でヘテロ原子を有するアルキレンラジカルとなるかのいずれかであり、
R3は炭素数1〜20であり、任意に芳香族部分を有し、任意に1又は複数のヘテロ原子を有する、直鎖又は分岐鎖のアルキレン又はシクロアルキレンのラジカルであり、
R4は炭素数1〜8のアルキル基であり、
R5は炭素数1〜10であり、任意に1又は複数のエーテル酸素ヘテロ原子を有するアルキル基であり、
xは0又は1又は2である)を提供する。
【0012】
本明細書では、「シラン」又は「オルガノシラン」の用語は、第一にSi−O結合を介してケイ素原子に直接結合された少なくとも1つのアルコキシ基、典型的には2又は3のアルコキシ基を有し、第二にSi−C結合を介してケイ素原子に直接結合された少なくとも1つの有機ラジカルを有する化合物を指す。
【0013】
「シラン基」は、シランの有機ラジカルに結合したケイ素含有基を指す。
【0014】
「アミノシラン」、「ヒドロキシシラン」、「イソシアナトシラン」等は、有機ラジカル上に対応する官能基、すなわちアミノ基、ヒドロキシル基、又はイソシアネート基を有するオルガノシランを指す。
【0015】
ポリオール又はポリイソシアネート等の「ポリ」で始まる物質名は、1つの分子当たりそれらの名称にある官能基を2以上形式的に含有する物質を指す。
【0016】
「ポリウレタンポリマー」の用語は、ジイソシアネート重付加プロセスと呼ばれるものによって調製される全てのポリマーを包含する。また、「ポリウレタンポリマー」の用語は、ポリイソシアネートとポリオールとの反応より得られ、それら自体がポリイソシアネートであり、しばしばプレポリマーとも呼ばれるイソシアネート基を有するポリウレタンポリマーを包含する。
【0017】
本明細書では、「分子量」は、分子のモル質量(1モル当たりのグラム数)を意味すると理解される。「平均分子量」は、典型的には標準としてのポリスチレンに対してGPCを用いて求められる、分子のオリゴマー型又はポリマー型の混合物の数平均Mnを意味すると理解される。
【0018】
本明細書では、式中の点線は各場合において置換基と分子の対応する残部との間の結合を表す。
【0019】
「保存安定性」の用語は、その使用に関連する程度まで、保存に起因するその塗布又は使用の特性における何らの変化も伴わず、数週間から6ヶ月以上に亘って好適な容器において室温で保持され得る物質又は組成物の特性を指す。
【0020】
「室温」は約23℃の温度を指す。
【0021】
式(I)のヒドロキシシランは、式(Ia)又は式(Ib)のいずれかに対応する。
【化3】
【0022】
式(Ia)及び式(Ib)において、R1、R2、R3、R4、R5及びxは、それぞれ既に定義されている。
【0023】
式(Ia)及び式(Ib)は、各構造に可能性のある全てのジアステレオマーを包含する。
【0024】
R1及びR2は、
各々個別に炭素数3〜10であり、任意に1若しくは2のエーテル酸素を有するアルキルラジカルであるか、又は、
結合して炭素数4〜8であり、特にエーテル酸素、チオエーテル硫黄、若しくは第三級アミン窒素の形態でヘテロ原子を有し、式(I)に示される窒素原子を含んで5員環又は6員環又は7員環、特に5員環又は6員環を形成するアルキレンラジカルとなるかのいずれかであることが好ましい。
【0025】
R1及びR2は、
個別に2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、3−メトキシプロピル、3−エトキシプロピル、2−(2−メトキシエトキシ)エチル、2−オクチルオキシエチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、2−エチルへキシル、若しくはN,N−ジメチルアミノプロピルであるか、又は、
結合して窒素原子を含んで、任意に置換されたピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、モルホリン、チオモルホリン、若しくは4−メチルピペラジン環となるかのいずれかであることがより好ましい。
【0026】
R1及びR2は、各々個別に2−メトキシエチル、ブチル、若しくはイソプロピルであるか、又は結合して窒素原子を含んで、モルホリン、2,6−ジメチルモルホリン、チオモルホリン、ピロリジン、若しくは4−メチルピペラジンとなることが更に好ましい。
【0027】
R1及びR2は、窒素原子を含んでモルホリン又はピロリジンとなることが最も好ましい。
【0028】
これらのヒドロキシシランは特に純粋な品質で調製可能であり、特に保存安定性である。これらのヒドロキシシランは、良好な熱安定性を有するシラン基含有ポリマーを可能とする。
【0029】
R3は、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキレンラジカルであることが好ましく、エチレンラジカルであることがより好ましい。
【0030】
R4はメチル基であることが好ましい。
【0031】
R5は、メチル基又はエチル基又はヘプタ−3,6−ジオキサ−1−イル基であることが好ましく、メチル基又はエチル基であることがより好ましい。
【0032】
これらの好ましいR3、R4及びR5のラジカルを有するヒドロキシシランを特に良好に得ることができる。
【0033】
R5は特にメチル基である。これらのヒドロキシシランは、特に湿気と反応性である。このようにして、特に急速に硬化するシラン基含有ポリマーを得ることができる。
【0034】
さらに、R5は特にエチル基である。これらのヒドロキシシランは、硬化中にメタノールを全く排出せず、毒性学的な理由から有利である。
【0035】
xは1又は0、特に0であることが好ましい。これらのヒドロキシシランは湿気と接触して特に急速に加水分解され、特に良好な機械的特性を有するシラン基含有ポリマーを可能とする。
【0036】
本発明は更に、少なくとも1種の式(III)のエポキシシランと少なくとも1種の式(IV)のアミンとを反応することにより式(I)のヒドロキシシランを調製する方法を提供する。
【化4】
【0037】
式(III)及び式(IV)において、R1、R2、R3、R4、R5及びxは、それぞれ既に定義されている。
【0038】
式(IV)のアミンをシラン基に対してβ位又はγ位の炭素に付加することができ、シランラジカルがヒドロキシル基に基づいて4位にある式(Ia)のヒドロキシシラン、又はシランラジカルがヒドロキシル基に基づいて5位にある式(Ib)のヒドロキシシランのいずれかをもたらす。このプロセスは、典型的には、式(Ia)及び式(Ib)の2つのヒドロキシシランの混合物を産する。
【0039】
反応は、50℃〜140℃、特に70℃〜120℃の範囲の温度で行われることが好ましい。反応では、触媒、特にイミダゾール、ヒドロキシアルキルアミン、アルコール、フェノール、ブレンステッド酸、特に酢酸若しくはメタンスルホン酸等、ルイス酸、特にアルミニウム(III)アセチルアセトネート、アルミニウム(III)イソプロポキシド、アルミニウム(III)エトキシド、ランタン(III)トリフレート、ジクロロ亜鉛、若しくは亜鉛ビス(エチルヘキサノエート)等、又は、金属塩、特にドデシル硫酸ナトリウム若しくは過塩素酸リチウム等を使用することができる。式(IV)のアミンは、式(III)のエポキシシランに対してわずかに過化学量論的(superstoichiometric)又は化学量論的な比率で使用されることが好ましい。より具体的には、1.3〜1.0の範囲のアミン/エポキシシラン比が採用される。反応は、溶媒を使用せずに又は好適な溶媒において行われてもよい。反応後、存在する任意の揮発性化合物、特に溶媒、未反応物又は放出されたメタノール若しくはエタノールを、蒸留によって反応生成物から除去することが好ましい。式(I)のヒドロキシシランを調製する好ましいプロセスでは、特に少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%の純度で式(I)のヒドロキシシランが形成される。高純度の式(I)のヒドロキシシランは、従来技術によるヒドロキシシランが典型的には10重量%を超える不純物含有量を有することから、特に予想外のものである。
【0040】
使用される式(III)のエポキシシランは、β−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリアルコキシシランであることが好ましい。特に好適な生成物は、例えばMomentive製のシルクエスト(Silquest)(登録商標)A−186として商業的に入手可能なβ−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、更に、例えばMomentive製のコートオシル(Coatosil)(登録商標)−1770として商業的に入手可能なβ−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリエトキシシランである。
【0041】
好適な式(IV)のアミンは、特にビス(2−メトキシエチル)アミン、ビス(2−エトキシエチル)アミン、ビス(3−メトキシプロピル)アミン、ビス(3−エトキシプロピル)アミン、ビス(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)アミン、ビス(2−オクチルオキシエチル)アミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、N−メチルブチルアミン、N−エチルブチルアミン、ビス(3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル)アミン、ピロリジン、ピペリジン、2−メチルピペリジン、ヘキサメチレンイミン(=アゼパン)、モルホリン、2,6−ジメチルモルホリン、チオモルホリン及び4−メチルピペラジンである。
【0042】
これらのうち、ビス(2−メトキシエチル)アミン、ジブチルアミン、ジイソプロピルアミン、モルホリン、2,6−ジメチルモルホリン、チオモルホリン、ピロリジン及び4−メチルピペラジンが選好される。最も好ましいものはモルホリン及びピロリジンである。
【0043】
これらのアミンにより、特に純粋な式(I)のヒドロキシシランが得られ、該ヒドロキシシランは特に保存安定性である。
【0044】
特に好ましい式(I)のヒドロキシシランは、2−ビス(2−メトキシエチル)アミノ−4−(2−トリエトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール、2−ジブチルアミノ−4−(2−トリエトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール、2−ジイソプロピルアミノ−4−(2−トリエトキシシリルエチル)−シクロヘキサン−1−オール、2−モルホリノ−4−(2−トリエトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール、2−(2,6−ジメチルモルホリノ)−4−(2−トリエトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール、2−チオモルホリノ−4−(2−トリエトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール、2−ピロリジノ−4−(2−トリエトキシシリルエチル)−シクロヘキサン−1−オール、2−(4−メチルピペラジノ)−4−(2−トリエトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール、並びにシランラジカルが4位ではなく5位にある対応する化合物、及びシラン上にエポキシ基ではなくメトキシ基を有する対応する化合物である。
【0045】
また、シランラジカルが4位又は5位にある2つの化合物の混合物は、「4(5)」と表記される。2−モルホリノ−4−(2−トリエトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オールと2−モルホリノ−5−(2−トリエトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オールとの混合物は、「2−モルホリノ−4(5)−(2−トリエトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール」とも呼ばれる。
【0046】
2−モルホリノ−4−(2−トリメトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール、2−モルホリノ−4−(2−トリエトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール、2−ピロリジノ−4−(2−トリメトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール、及び2−ピロリジノ−4−(2−トリエトキシシリルエチル)−シクロヘキサン−1−オール、並びにシランラジカルが4位ではなく5位にある対応する化合物が最も好ましい。
【0047】
各場合で4位及び5位にシランラジカルを有する2つの分子の混合物、すなわち、2−モルホリノ−4(5)−(2−トリメトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール、2−モルホリノ−4(5)−(2−トリエトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール、2−ピロリジノ−4(5)−(2−トリメトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール、及び2−ピロリジノ−4(5)−(2−トリエトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オールが特に選好される。
【0048】
エトキシシランが選好される。エトキシシランの加水分解はエタノールを放出し、毒性学的な理由から有利である。
【0049】
式(I)のヒドロキシシランは、防湿により非常に保存安定性である。エポキシ基を有するヒドロキシシランについてのみならず、驚いたことにより一層反応性の式(I)のメトキシ基を含有するヒドロキシシランについても、室温において、数ヶ月に亘り純度の減少はほとんど見られない。
【0050】
ヒドロキシシランの調製及び保存における根本的な難しさは、ヒドロキシル基がシラン基と反応してアルコールR5−OHを放出し得ることである(「自己縮合」)。これは、原理的には分子内又は分子間の経路のいずれかを介して可能性があり、環状シラン又は複数のケイ素原子を有するより高度に縮合された若しくはオリゴマー型のシラン化合物のいずれかをもたらす。かかる不純物は、ヒドロキシシランの調製中又は保存中に早くも発生する可能性がある。
【0051】
式(I)のヒドロキシシランのシラン基は、湿気との接触で加水分解される特性を有する。これは、オルガノシラノール(1又は複数のシラノール基Si−OH基を含有する有機ケイ素化合物)を形成し、後の縮合反応によって、オルガノシロキサン(1又は複数のシロキサン基Si−O−Si基を含有する有機ケイ素化合物)を形成して、対応するアルコール、例えばケイ素上のエトキシ基の場合ではエタノールを放出する。
【0052】
少なくとも1種の式(I)のヒドロキシシランの(少なくとも部分的な)加水分解は、少なくとも1種の式(V)のシラノール基を有する化合物を産する。
【化5】
【0053】
式(V)では、nは1又は2又は3であり、但し、nの最大値が(3−x)である。R4、R5及びxは各々既に定義されている。
【0054】
かかる加水分解された又は部分的に加水分解された式(V)のシラノール基を有する化合物は非常に反応性であり、更なるシラノール基との縮合によって非常に急速に更に反応してシロキサン基(Si−O−Si基)を形成し得るか、又は例えば基体のヒドロキシル基との縮合によって非常に急速に更に反応し得るかのいずれかである。式(I)のヒドロキシシランは、様々な基体に対して強力な接着を築く能力、又はこのシランを含む組成物の基体への接着を改善する能力を有する。
【0055】
式(I)のヒドロキシシランは、付加物の調製に有利に使用され得る。これは、式(I)のヒドロキシシランと、ヒドロキシル基に対して反応性の少なくとも1つの基、好ましくは少なくとも2つの基を含有する少なくとも1種の化合物とを反応させることによって行われる。
【0056】
本発明は、式(I)のヒドロキシシランと、イソシアネート基、エポキシド基、アクリロイル基、メタクリロイル基、無水物基、カルボン酸基、エステル基、カーボネート基、シクロカーボネート基からなる群から選択される少なくとも1つの反応性基、好ましくは少なくとも2つの反応性基を有する少なくとも1種の化合物との反応から得られる付加物を更に提供する。
【0057】
これらのうち、イソシアネート基、無水物基、カルボン酸基、エステル基、カーボネート基、及びシクロカーボネート基が選好される。
【0058】
イソシアネート基を有する化合物が特に選好される。
【0059】
反応を式(I)のヒドロキシシランが言及される反応性基に対して化学量論的に、又は化学量論的に過剰に使用されるような方法で行うことができ、言及される反応性基を実質的に含まない、少なくとも1つのシラン基、好ましくは少なくとも2つのシラン基を有する付加物を得ることができる。
【0060】
代替的には、反応を反応性基が式(I)のヒドロキシシランに対して化学量論的に過剰に存在する方法で行われてもよい。
【0061】
式(I)のヒドロキシシランと反応性基を有する化合物との間の反応は、特定の反応に関与する反応性基間の反応に対して典型的に使用される既知の条件下で行われる。反応は溶媒を使用して行われ、又は好ましくは溶媒を用いずに行われる。追加的に助剤、例えば触媒、開始剤、乾燥剤又は安定剤を使用してもよい。イソシアネート基との反応は、例えば40℃〜100℃の高温で、少なくとも1種の好適な触媒の存在下で行われることが好ましい。
【0062】
特に好適なイソシアネート基を有する化合物は、モノマー型及び/又はオリゴマー型の脂肪族、脂環式、アリール脂肪族、又は芳香族のポリイソシアネート、特にヘキサメチレン1,6−ジイソシアネート、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン、ジフェニルメタン4,4’−、2,4’−及び2,2’−ジイソシアネート、並びにトリレン2,4−及び2,6−イソシアネート;ウレトジオン基、イソシアヌレート基、又はイミノオキサジアジンジオン基を含有するこれらのイソシアネートのオリゴマー;エステル基、尿素基、ウレタン基、ビウレット基、アロファネート基、カルボジイミド基、ウレトンイミン基、又はオキサジアジントリオン基を含有する修飾ポリイソシアネート;並びに、イソシアネート基を有するポリウレタンポリマー、すなわちポリイソシアネートと、2以上のイソシアネート基を有するポリオール、特に多価アルコール、グリコール又はアミノアルコール、ポリヒドロキシ官能性ポリエーテル、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート又はポリ炭化水素、特にイソシアネート基含有ポリウレタンポリマーの調製について以下で言及されるポリエーテル等との反応生成物;また、特に3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、及び3−イソシアナトプロピルトリエトキシ−シラン等のイソシアナトシランである。
【0063】
かかる付加物の(少なくとも部分的な)加水分解は、式(I)のヒドロキシシランについて記載されるのと全く同様に式(V)のシラノール基を有する化合物をもたらす。かかる加水分解された又は部分的に加水分解された付加物は非常に反応性であり、と同じ方法で非常に急速に更に反応し得る。
【0064】
式(I)のヒドロキシシラン及びその付加物は、表面被覆用に、例えば汚れやすさ、洗浄しやすさ等に関するそれらの特性を改善するためポリマーと様々な基体との間で接着促進剤として、及び/又は乾燥剤としていずれも有利に使用することができる。この目的のため、式(I)のヒドロキシシラン及びその付加物は、それ自体で又は溶液若しくは組成物の構成要素として、例えば前処理用組成物若しくは活性剤、又は下塗り剤として、使用され得る。
【0065】
接着促進剤として又はその表面被覆用の用途に適した基体は、特に以下に言及される基体S1及び基体S2である。
【0066】
式(I)のヒドロキシシラン又はその付加物を硬化性組成物の構成要素として使用することが特に有利である。硬化性組成物は、特にイソシアネート基を有するポリウレタン組成物、エポキシ樹脂組成物、又はシラン基を有する組成物である。
【0067】
この種の硬化性組成物は、特に建設用途及び工業用途の埋込用コンパウンド、シーラント、接着剤、被覆剤、コーティング剤、及び塗料として使用され得る。
【0068】
硬化性組成物は、弾性接着剤及び/又はシーラントであることが好ましい。
【0069】
さらに、硬化性組成物は、典型的には少なくとも1種の溶媒、また任意には特に触媒、更なるシラン、チタネート、及びジルコネート等の更なる構成要素、任意にはフィラー、湿潤剤、ポリイソシアネート、イソシアネート基及び/又はシラン基を有するポリウレタンポリマー、又はエポキシ樹脂を含む活性剤又は下塗り剤であってもよい。
【0070】
式(I)のヒドロキシシラン又はその付加物の上述の使用は成型品をもたらす。この成型品は、特に建設工学若しくは土木工学における建築構造物、又は工業用品である。
【0071】
本発明は、式(VI)の末端基を有し、イソシアネート基を含まず、式(I)のヒドロキシシランの付加物であるポリマーを更に提供する。
【化6】
【0072】
式(VI)において、R‘、R‘‘、R1、R2、R3、R4、R5及びxは、それぞれ既に定義されている。
【0073】
式(VI)の末端基を有するポリマーは、1000g/モル〜30000g/モル、好ましくは2000g/モル〜25000g/モル、より好ましくは3000g/モル〜20000g/モル、特に4000g/モル〜15000g/モルの範囲の分子量を有することが好ましい。かかるポリマーは良好な機械的特性を可能とする。
【0074】
式(VI)の末端基を有するポリマーは多数のポリオキシアルキレン単位、より好ましくはポリオキシエチレン単位及び/又はポリオキシプロピレン単位、特にポリオキシプロピレン単位を有することが好ましい。かかるポリマーは粘度が低く、良好な機械的特性、特に低温でも良好な弾性を可能とする。
【0075】
多数の式(VI)の末端基は、特に脂環式ラジカルに結合される。かかるポリマーは、特に良好な光安定性、及び退色に対する安定性を有する。
【0076】
ポリマーは1〜4、より好ましくは1〜3、特に2又は3、最も好ましくは2の式(VI)の末端基を有することが好ましい。かかるポリマーは、良好な機械的特性、特に高い伸展性を可能とする。
【0077】
式(VI)の末端基を有するポリマーは、特に少なくとも1種の式(I)のヒドロキシシランと少なくとも1種のイソシアネート基含有ポリウレタンポリマーとの反応によって得られる。
【0078】
この反応では、ヒドロキシル基はイソシアネート基に対して少なくとも化学量論的な比率、好ましくはわずかに過化学量論的な比率で使用される。より具体的には、1.0〜1.25のOH/NCO比が使用される。反応は、20℃〜120℃、特に50℃〜100℃の範囲の温度で行われることが好ましい。少なくとも1種の触媒、特にビスマス(III)、亜鉛(II)、ジルコニウム(IV)、若しくはスズ(II)化合物、又は有機スズ化合物の使用が選好される。
【0079】
少なくとも1種のイソシアネート基含有ポリウレタンポリマーとの反応について、式(I)のヒドロキシシランは、2−ビス(2−メトキシエチル)アミノ−4−(2−トリエトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール、2−ジブチルアミノ−4−(2−トリエトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール、2−ジイソプロピルアミノ−4−(2−トリエトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール、2−モルホリノ−4−(2−トリエトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール、2−(2,6−ジメチルモルホリノ)−4−(2−トリエトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール、2−チオモルホリノ−4−(2−トリエトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール、2−ピロリジノ−4−(2−トリエトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール、2−(4−メチルピペラジノ)−4−(2−トリエトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール、及び4位ではなく5位にシランラジカルがある対応する化合物、並びにシラン上にエトキシ基ではなくメトキシ基を有する対応する化合物からなる群から選択されることが好ましい。
【0080】
これらのうち、2−モルホリノ−4−(2−トリメトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール、2−モルホリノ−4−(2−トリエトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール、2−ピロリジノ−4−(2−トリメトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール、及び2−ピロリジノ−4−(2−トリエトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール、並びにシランラジカルが4位ではなく5位にある対応する化合物が特に選好される。
【0081】
各場合で4位及び5位にシランラジカルを有する分子の混合物、すなわち、2−モルホリノ−4(5)−(2−トリメトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール、2−モルホリノ−4(5)−(2−トリエトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール、2−ピロリジノ−4(5)−(2−トリメトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール、及び2−ピロリジノ−4(5)−(2−トリエトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オールが最も好ましい。
【0082】
これらのヒドロキシシランを用いて、湿気により急速に硬化して高い強度、伸展性及び良好な熱安定性の架橋ポリマーを生じる、低粘度及び良好な保存安定性を有するポリマーが得られる。
【0083】
この反応に適したイソシアネート基含有ポリウレタンポリマーは、特に少なくとも1種のポリオールと少なくとも1種のポリイソシアネート、特にジイソシアネートとの反応によって得られる。この反応は、特に50℃〜100℃の温度で、任意には好適な触媒の追加的な使用を伴って、そのイソシアネート基がポリオールのヒドロキシル基に対して化学量論的に過剰に存在するように計量されたポリイソシアネートの添加を含む通常の方法によりポリオールとポリイソシアネートとを反応させることによって達成され得る。より具体的には、得られるポリウレタンポリマーにおいて、該ポリマー中の全てのヒドロキシル基の反応後に、ポリマー全体ベースで0.1重量%〜5重量%、好ましくは0.1重量%〜2.5重量%、より好ましくは0.2重量%〜1重量%の遊離イソシアネート基含有量を残すように過剰量のポリイソシアネートが選択される。NCO/OH比1.5/1〜2.2/1、特に1.8/1〜2.0/1のジイソシアネートと高分子量のジオールとの反応から得られる、含有量の遊離イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーが選好される。必要に応じて、ポリウレタンポリマーは、可塑剤の追加的な使用により調製されてもよく、この場合、使用される可塑剤はイソシアネートに対して反応性のいかなる基も含有しない。
【0084】
イソシアネート基含有ポリウレタンポリマーの調製に好適なポリオールは、特に下記の市販のポリオール又はそれらの任意の所望の混合物である:
可能であれば2つ以上の活性な水素原子を有する出発分子、例えば水、アンモニア又は複数のOH若しくはNH基を有する化合物、例えばエタン−1,2−ジオール、プロパン−1,2−及び−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、異性体のジプロピレングリコール及びトリプロピレングリコール、異性体のブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ウンデカンジオール、シクロヘキサン−1,3−及び−1,4−ジメタノール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、1,1,1−トリメチロールエタン、1,1,1−トリメチロールプロパン、グリセロール、アニリン並びに化合物の混合物の補助により重合させた、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、1,2−若しくは2,3−ブチレンオキシド、オキセタン、テトラヒドロフラン又はそれらの混合物の重合生成物である、ポリエーテルポリオール又はオリゴエーテロール(oligoetherols)とも呼ばれる、ポリオキシアルキレンポリオール。例えば、いわゆる複合金属シアン化物錯体触媒(DMC触媒)の補助により調製される低不飽和度(ASTM D−2849−69に従って計測され、ポリオール1グラム当たりの不飽和のミリ当量(meq/g)で報告される)のポリオキシアルキレンポリオールが選好される。
【0085】
特に好適なものはポリオキシアルキレンジオール又はポリオキシアルキレントリオール、特にポリオキシエチレンジオール及びトリオール並びにポリオキシプロピレンジオール及びトリオールである。
【0086】
いわゆるエチレンオキシド終端(EOでエンドキャップされた)ポリオキシプロピレンポリオールも特に好適である。EOでエンドキャップされたポリオキシプロピレンポリオールは、例えば、ポリプロポキシ化反応の終了においてポリオキシプロピレンポリオールをエチレンオキシドにより更にアルコキシ化することにより得られ、結果として第一級ヒドロキシル基を有する混合ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリオールである。
スチレン−アクリロニトリル−又はアクリロニトリル−メタクリル酸メチルグラフトポリエーテルポリオール。
特にヒドロキシカルボン酸の重縮合又は脂肪族及び/又は芳香族ポリカルボン酸と二価若しくは多価アルコールとの重縮合の既知のプロセスにより調製されるオリゴエステロールとも呼ばれるポリエステルポリオール。
【0087】
特に好適なポリエステルポリオールは、二価又は三価アルコール、特に二価アルコール、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオール、3−メチルヘキサン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、オクタン−1,8−ジオール、デカン−1,10−ジオール、ドデカン−1,12−ジオール、1,12−ヒドロキシステアリルアルコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、二量体脂肪酸ジオール(ダイマージオール(dimer diol))、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレート、グリセロール、1,1,1−トリメチロールプロパン又はアルコールの混合物と有機ジ−又はトリカルボン酸、特に、ジカルボン酸又はその無水物若しくはエステル、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、トリメチルアジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、ダイマー脂肪酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、ヘキサヒドロフタル酸、トリメリット酸及び無水トリメリット酸、又は酸の混合物とから調製されるもの、並びにラクトン、例えば、ε−カプロラクトンと、開始分子、例えば上述の二価又は三価のアルコールとから形成されるポリエステルポリオールである。
【0088】
特に好適なポリエステルポリオールは、ポリエステルジオールである。
のポリエステルポリオールを形成するのに用いたアルコールとジアルキルカーボネート、ジアリールカーボネート又はホスゲンとの反応により入手可能なポリカーボネートポリオール。
少なくとも2つのヒドロキシル基を伴い、のタイプのポリエーテル、ポリエステル及び/又はポリカーボネートの構造を有する少なくとも2つの異なるブロックを有するブロックコポリマー、特にポリエーテルポリエステルポリオール。
ポリアクリレートポリオール及びポリメタクリレートポリオール。
ポリヒドロキシ官能性油脂、例えば、天然油脂、具体的にはヒマシ油、又は天然油脂の化学修飾によって得られるいわゆる油脂化学ポリオール、例えば、不飽和油のエポキシ化及びカルボン酸若しくはアルコールによる後の開環により得られるエポキシポリエステル若しくはエポキシポリエーテル、又は不飽和油のヒドロホルミル化及び水素化によって得られるポリオール、又はアルコール分解若しくはオゾン分解等の分解プロセス、及び、例えばそのように得られた分解産物若しくはその誘導体のエステル交換又は二量体化による後の化学結合によって天然油脂から得られるポリオール。天然油脂の好適な分解産物は、特には、脂肪酸及び脂肪アルコール及び脂肪酸エステル、特には、例えば、ヒドロキシ脂肪酸エステルを与えるヒドロホルミル化及び水素化により誘導体化され得るメチルエステル(FAME)である。
オリゴヒドロカルボノール(oligohydrocarbonols)とも呼ばれるポリ炭化水素ポリオール、例えばポリヒドロキシ官能性ポリオレフィン、ポリイソブチレン、ポリイソプレン;例えばKraton Polymersによって製造されたポリヒドロキシ官能性エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−ブチレンコポリマー又はエチレン−プロピレン−ジエンコポリマー;特にアニオン重合によっても調製することができるジエン、特に1,3−ブタジエンのポリヒドロキシ官能性ポリマー;ジエン、例えば1,3−ブタジエン又はジエン混合物と、ビニルモノマー、例えばスチレン、アクリロニトリル、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、イソブチレン及びイソプレンとのポリヒドロキシ官能性コポリマー、例えば、ポリヒドロキシ官能性アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、例えばエポキシド又はアミノアルコールとカルボキシル終端アクリロニトリル/ブタジエンコポリマーとから生成することができるもの(例えば、Nanoresins AG, Germany又はEmerald Performance Materials LLC製のハイプロ(Hypro)(登録商標)(旧ハイカー(Hycar)(登録商標))CTBN及びCTBNX及びETBNの名前で市販されている);並びにジエンの水素化ポリヒドロキシ官能性ポリマー又はコポリマー。
【0089】
好ましいポリオールは、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、及びポリアクリレートポリオールである。ポリオキシアルキレンポリオールが特に選好される。
【0090】
好ましいポリオキシアルキレンポリオールは、ポリオキシプロピレンポリオール及びポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリオールである。
【0091】
ポリオールは1000g/mol〜20000g/mol、より好ましくは2000g/mol〜20000g/molの分子量を有することが好ましい。
【0092】
ポリオールはジオールであることが好ましい。
【0093】
これらのポリオールに加えて、少量の低分子量の二価又は多価のアルコール、例えばエタン−1,2−ジオール、プロパン−1,2−及び−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、異性体のプロピレングリコール及びトリプロピレングリコール、異性体のブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ウンデカンジオール、シクロヘキサン−1,3−及び−1,4−ジメタノール、水素化ビスフェノールA、二量体脂肪アルコール、1,1,1−トリメチロールエタン、1,1,1−トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、キシリトール、ソルビトール又はマンニトール等の糖アルコール、ショ糖等の糖、他のより多価のアルコール、上述の二価及び多価のアルコールの低分子量アルコキシ化生成物、並びに上述のアルコールの混合物をイソシアネート基含有ポリウレタンポリマーの調製において同様に使用することも可能である。
【0094】
イソシアネート基含有ポリウレタンポリマーの調製に好適なポリイソシアネートは、特に下記の市販のポリイソシアネート又はそれらの任意の所望の混合物である:脂肪族イソシアネート、例えば、具体的には、テトラメチレン1,4−ジイソシアネート、2−メチルペンタメチレン1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレン1,6−ジイソシアネート(HDI)、2,2,4−及び2,4,4−トリメチルヘキサメチレン1,6−ジイソシアネート(TMDI)、デカメチレン1,10−ジイソシアネート、ドデカメチレン1,12−ジイソシアネート、リジン及びリジンエステルジイソシアネート、シクロヘキサン1,3−及び1,4−ジイソシアネート、1−メチル−2,4−及び−2,6−ジイソシアナトシクロヘキサン並びに任意の所望のこれらの異性体の混合物(HTDI又はH6TDI)、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(=イソホロンジイソシアネート又はIPDI)、ペルヒドロ−2,4’−及び−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(HMDI又はH12MDI)、1,4−ジイソシアナト−2,2,6−トリメチルシクロヘキサン(TMCDI)、1,3−及び1,4−ビス−(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、m−及びp−キシリレンジイソシアネート(m−及びp−XDI)、テトラメチル−1,3−及び−1,4−キシリレンジイソシアネート(m−及びp−TMXDI)、ビス−(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ナフタレン、二量体及び三量体脂肪酸イソシアネート、例えば3,6−ビス(9−イソシアナトノニル)−4,5−ジ−(1−ヘプテニル)シクロヘキセン(ジメリル(dimeryl)ジイソシアネート)、並びにα,α,α’,α’,α’’,α’’−ヘキサメチルメシチレン1,3,5−トリイソシアネート、更に芳香族イソシアネート、例えば、具体的には、トリレン2,4−及び2,6−ジイソシアネート並びにこれらの異性体の任意の所望の混合物(TDI)、ジフェニルメタン4,4’−、2,4’−及び2,2’−ジイソシアネート及びこれらの異性体の任意の所望の混合物(MDI)、MDI及びMDI同族体(ポリメリックMDI又はPMDI)の混合物、フェニレン1,3−及び1,4−ジイソシアネート、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジイソシアナトベンゼン、ナフタレン1,5−ジイソシアネート(NDI)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニル(TODI)、ジアニシジンジイソシアネート(DADI)、1,3,5−トリス(イソシアナトメチル)ベンゼン、トリス(4−イソシアナトフェニル)メタン及びトリス(4−イソシアナトフェニル)チオホスフェート、並びにのイソシアネートのオリゴマー及びポリマー及びのイソシアネートの任意の所望の混合物。
【0095】
好ましいポリイソシアネートはジイソシアネートである。特にIPDI、HDI、MDI及びTDI、特にIPDIが選好される。IPDIに基づいて脂環式ラジカルに結合された式(VI)の末端基を有するポリマーを得ることができる。この種のポリマーは、特に良好な光安定性及び退色に対する安定性を有する組成物を可能とする。
【0096】
式(VI)の末端基を有するポリマーを調製する更なる手段は、ウレタン基含有イソシアナトシランを形成するように、式(I)のヒドロキシシランとポリイソシアネートとを反応させ、このウレタン基含有イソシアナトシランを次いで好適なポリオールとのおおよそ化学量論的な反応によって式(VI)の末端基を有するポリマーへと転化することである。ここで、イソシアネート基を有するポリマーの調製に好ましいと言及されるポリイソシアネート及びポリオールの使用が有利である。
【0097】
式(VI)の末端基を有するポリマーは、防湿下で非常に保存安定性である。湿気と接触すると、式(VI)の末端基は加水分解されて、ポリマーが硬化し、架橋プラスチックを形成する。そのため、本発明は、式(VI)の末端基を有する少なくとも1種のポリマーと湿気との反応によって得られる架橋プラスチックにも関する。
【0098】
式(VI)の末端基を有するポリマーは有利な特性を有する。その粘度は比較的低く、これは、式(VI)の末端基を有するポリマーの、例えば湿気硬化型組成物としての更なる加工に有利である。式(VI)の末端基を有するポリマーは優れた保存安定性を有し、湿気により急速に硬化して良好な強度及び伸展性、並びに良好な熱安定性を有する弾性材料をもたらす。
【0099】
式(VI)の末端基を有するポリマーは、硬化性組成物の構成要素、特に湿気硬化型組成物の構成要素として特に有用である。
【0100】
かかる湿気硬化型組成物は、式(VI)の末端基を有する少なくとも1種のポリマーと、少なくとも1種の更なる構成要素とを含有する。
【0101】
湿気硬化型組成物は、5重量%〜90重量%、特に10重量%〜60重量%の式(VI)の末端基を有するポリマーの含有量を有することが好ましい。
【0102】
好適な更なる構成要素は、特に触媒、架橋剤、可塑剤、フィラー、顔料、溶媒、接着促進剤、乾燥剤、レオロジー調整剤(rheology assistant)、難燃剤、及び安定剤である。
【0103】
湿気硬化型組成物は、シラン基含有ポリマーの架橋を促進する少なくとも1種の触媒を含むことが好ましい。この目的に適した触媒は、特に金属触媒及び/又は窒素化合物である。
【0104】
好適な金属触媒はチタン、ジルコニウム、アルミニウム及びスズの化合物、特に有機スズ化合物、有機チタネート、有機ジルコネート及び有機アルミネートであり、ここで、これらの金属触媒は、特にアルコキシ基、アミノアルコキシ基、スルホネート基、カルボキシル基、1,3−ジケトネート基、1,3−ケトエステレート(esterate)基、ジアルキルホスフェート基及びジアルキルピロホスフェート基を有する。
【0105】
特に好適な有機スズ化合物は、ジアルキルスズオキシド、ジアルキルスズジクロリド、ジアルキルスズジカルボキシレート及びジアルキルスズジケトネート、特にジブチルスズオキシド、ジブチルスズジクロリド、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセチルアセトネート、ジオクチルスズオキシド、ジオクチルスズジクロリド、ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート及びジオクチルスズジアセチルアセトネート並びに更にはアルキルスズチオエステルである。
【0106】
特に好適なオルガノチタネートは以下の通りである:
2つの1,3−ジケトネート配位子、特に2,4−ペンタンジオネート(=アセチルアセトネート)と、2つのアルコキシド配位子とを有するチタン(IV)錯体;
2つの1,3−ケトエステレート配位子、特にエチルアセトアセテートと、2つのアルコキシド配位子とを有するチタン(IV)錯体;
1又は複数のアミノアルコキシド配位子、特にトリエタノールアミン又は2−((2−アミノエチル)アミノ)エタノールと、1又は複数のアルコキシド配位子とを有するチタン(IV)錯体;
4つのアルコキシド配位子を有するチタン(IV)錯体;及び、
より高度に縮合したオルガノチタネート、特にポリブチルチタネートとも呼ばれる、オリゴマー型チタン(IV)テトラブトキシド;
ここで、好適なアルコキシド配位子は特にイソブトキシ、n−ブトキシ、イソプロポキシ、エトキシ及び2−エチルヘキソキシである。
【0107】
とりわけ特に好適な有機チタネートは、ビス(エチルアセトアセタト)ジイソブトキシチタン(IV)、ビス(エチルアセトアセタト)ジイソプロポキシチタン(IV)、ビス(アセチルアセトナト)ジイソプロポキシチタン(IV)、ビス(アセチルアセトナト)ジイソブトキシチタン(IV)、トリス(オキシエチル)アミンイソプロポキシチタン(IV)、ビス[トリス(オキシエチル)アミン]ジイソプロポキシチタン(IV)、ビス(2−エチルヘキサン−1,3−ジオキシ)チタン(IV)、トリス[2−((2−アミノエチル)アミノ)エトキシ]エトキシチタン(IV)、ビス(ネオペンチル(ジアリル)オキシジエトキシチタン(IV)、チタン(IV)テトラブトキシド、テトラ(2−エチルヘキシルオキシ)チタネート、テトラ(イソプロポキシ)チタネート及びポリブチルチタネートである。
【0108】
特に好適なものは以下の市販品である:Tyzor(商標)AA、GBA、GBO、AA−75、AA−65、AA−105、DC、BEAT、BTP、TE、TnBT、KTM、TOT、TPT又はIBAY(全てDu Pont/Dorf Ketal製);Tytan PBT、TET、X85、TAA、ET、S2、S4又はS6(全てTensoChema製)及びケンリアクト(Ken−React)(登録商標)KR(商標)TTS、7、9QS、12、26S、33DS、38S、39DS、44、134S、138S、133DS、158FS又はLICA(商標)44(全てKenrich Petrochemicals製)。
【0109】
特に好適な有機ジルコネートは以下の市販品である:ケンリアクト(Ken−React)(登録商標)NZ(商標)38J、KZ(商標)TPPJ、KZ(商標)TPP、NZ(商標)01、09、12、38、44又は97(全てKenrich Petrochemicals製)及びSnapcure(商標)3020、3030、1020(全てJohnson Matthey & Brandenberger製)。
【0110】
特に好適な有機アルミネートは市販品のK−Kat5218(King Industries製)である。
【0111】
特に好適な金属触媒は更にスルホネート配位子又はホスフェート配位子又はピロホスフェート配位子を有するチタネート、ジルコネート及びアルミネートである。
【0112】
特に好適なスルホネート配位子、ホスフェート配位子又はピロホスフェート配位子を有するチタネートは以下の市販品である:ケンリアクト(Ken−React)(登録商標)LICA(商標)09、LICA(商標)12、KR(商標)212、LICA(商標)38、LICA(商標)38J、KR(商標)238S、KR(商標)262ES及びKR(商標)262ES(全てKenrich Petrochemicals製)。
【0113】
特に好適なスルホネート配位子、ホスフェート配位子又はピロホスフェート配位子を有するジルコネートは以下の市販品である:ケンリアクト(Ken−React)(登録商標)NZ(商標)09、NZ(商標)12及びNZ(商標)38(全てKenrich Petrochemicals製)。
【0114】
特に好適なホスフェート配位子を有するアルミネートは市販品のケンリアクト(Ken−React)(登録商標)KA(商標)489A(Kenrich Petrochemicals製)である。
【0115】
触媒として好適な窒素化合物は特に以下のものである:アミン、例えば、具体的には、N−エチルジイソプロピルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルアルキレンジアミン、ポリオキシアルキレンアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン;アミノシラン、例えば、具体的には、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−N’−[3−(トリメトキシシリル)−プロピル]エチレンジアミン及びケイ素上にメトキシ基の代わりにエトキシ又はイソプロポキシを有するそれらの類似体;アミジン、例えば、具体的には、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン;グアニジン、例えば、具体的には、テトラメチルグアニジン、2−グアニジノベンズイミダゾール、アセチルアセトングアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、2−tert−ブチル−1,1,3,3−テトラメチルグアニジン;並びに、イミダゾール、例えば、具体的には、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール及びN−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール。
【0116】
また、様々な触媒の組合せ、特に少なくとも1種の金属触媒と少なくとも1種の窒素化合物との組合せが特に好適である。好ましい触媒は、有機スズ化合物、オルガノチタネート、アミン、アミジン、グアニジン、及びイミダゾールである。オルガノチタネート及びアミジンが特に選好される。
【0117】
湿気硬化型組成物の更に好適な構成要素は、特に以下の助剤及び添加剤である:
接着促進剤及び/又は架橋剤、特に触媒として既に言及されるアミノシラン、第二級アミノ基を有するアミノシラン、特にN−フェニル−、N−シクロヘキシル−及びN−アルキル−アミノシラン等、更にメルカプトシラン、エポキシシラン、(メタ)アクリロイルシラン、無水物シラン(anhydridosilanes)、カルバマトシラン、アルキルシラン及びイミノシラン等のシラン、並びにオリゴマー形態のこれらのシラン、並びにエポキシシラン又は(メタ)アクリロイルシラン又は無水物シランにより第一級アミノシランから形成される付加物。3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−N’−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、及びメトキシ基に代えてエトキシ基を有する対応するシラン、並びにオリゴマー形態のこれらのシランが特に好適である;
可塑剤、特にカルボン酸エステル、例えばフタレート、特にジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート又はジイソデシルフタレート、水素化フタレート、アジペート、特にジオクチルアジペート、アゼレート、セバケート、ポリオール、特にポリオキシアルキレンポリオール又はポリエステルポリオール、グリコールエーテル、グリコールエステル、有機リン酸エステル及び有機スルホン酸エステル又はポリブテン;
溶媒;
無機フィラー及び有機フィラー、特に任意に脂肪酸、特にステアリン酸で被覆された天然の重質炭酸カルシウム若しくは軽質炭酸カルシウム、バライト(重晶石)、タルク、石英粉、石英砂、ドロマイト、ウォラストナイト、カオリン、仮焼カオリン、マイカ(ケイ酸アルミニウムカリウム)、分子篩、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、熱分解処理によるシリカ微粒子を含むシリカ、工業生産されたカーボンブラック、グラファイト、アルミニウム、銅、鉄、銀、若しくは鋼等の金属粉、PVC粉末又は中空ビーズ;
繊維、特にガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維、又はポリマー繊維、例えばポリアミド繊維若しくはポリエチレン繊維;
染料;
顔料、特に二酸化チタン又は酸化鉄;
乾燥剤、特にテトラエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン又はビニルトリエトキシシラン、及びシラン基に対してα位に官能基を有するオルガノアルコキシシラン、特にN−(メチルジメトキシシリルメチル)−O−メチルカルバメート、(メタクリロイルオキシメチル)シラン、メトキシメチルシラン、オルトギ酸エステル、また酸化カルシウム又は分子篩;
レオロジー調整剤、特に増粘剤、特にベントナイト等の層状ケイ酸塩、ヒマシ油の誘導体、水添ヒマシ油、ポリアミド、ポリウレタン、尿素化合物、フュームドシリカ、セルロースエーテル、及び疎水性修飾ポリオキシエチレン;
酸化、熱、光、及び紫外線に対する安定剤;
天然の樹脂、油脂、例えばロジン、シェラック、アマニ油、ヒマシ油、及びダイズ油;
非反応性ポリマー、特にエチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、イソプレン、酢酸ビニル、及びアルキル(メタ)アクリレートを含む群からの不飽和モノマーのホモポリマー又はコポリマー、特にポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリイソブチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、及びアタクチックポリ−α−オレフィン(APAO)等;
難燃物質、特に既に言及される水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムのフィラー、また特に有機リン酸エステル、特にトリエチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルクレジルホスフェート、イソデシルジフェニルホスフェート、トリス(1,3−ジクロロ−2−プロピル)ホスフェート、トリス(2−クロロエチル)ホスフェート、トリス(2−エチルへキシル)ホスフェート、トリス(クロロイソプロピル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、イソプロピル化トリフェニルホスフェート、種々のイソプロピル化レベルのモノ−、ビス−及びトリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、並びにポリリン酸アンモニウム等;
界面活性物質、特に湿潤剤、レベリング剤、脱気剤(deaerator)、又は消泡剤;
殺生物剤、特に殺藻剤、殺菌剤、又は真菌の増殖を阻害する物質;並びに、
湿気硬化型組成物に通常使用される更なる物質。それらを湿気硬化型組成物へと混合する前に化学的又は物理的に幾つかの構成要素を乾燥することが望ましい場合がある。
【0118】
湿気硬化型組成物は、式(VI)の末端基を有するポリマーの他に、シラン基含有オリゴマー又はポリマーを更に含んでもよい。
【0119】
好ましい実施形態では、湿気硬化型組成物は有機スズ化合物を含まない。これは、環境上の及び/又は毒性学的な理由で有利な場合がある。
【0120】
更に好ましい実施形態では、湿気硬化型組成物は、その硬化中にメタノールを全く放出しない。これは、環境上の及び/又は毒性学的な理由で有利な場合がある。
【0121】
湿気硬化型組成物は、防湿しながら製造及び保持されることが好ましい。典型的には、組成物は保存安定性であり、好適な包装又は装置、特にドラム、ポーチ又はカートリッジ等で数ヶ月から最大1年又はそれ以上の期間に亘り、使用に関連する程度まで、その使用特性又はその硬化後の特性に何らの変化も伴わずに防湿しながら保持され得ることを意味する。典型的には、保存安定性は粘度又は発現力(expression force)の測定によって判定される。
【0122】
湿気硬化型組成物は、一剤型組成物又は二剤型組成物の形態をとってもよい。
【0123】
本明細書で「一剤型」組成物は、該組成物の全ての構成要素が同じ容器の混合物中に保存され、室温で数週間から数ヶ月の期間に亘って保存安定性であり、湿気により硬化可能な硬化性組成物を指す。
【0124】
本明細書で「二剤型」組成物は、該組成物の構成要素が別々の容器で保存される2つの別々のパックに存在し、各々がそれら自体室温で保存安定性である組成物を指す。組成物の塗布の直前又はその間にのみ、2つのパックが互いに混合されて、その混合組成物が硬化し、湿気の作用によってのみ硬化が進行するか、又は完了される。
【0125】
湿気硬化型組成物が少なくとも1つの固形体又は成型品に塗布される際に、存在するシラン基が湿気と接触する。シラン基は、湿気との接触によって加水分解される特性を有する。これによりオルガノシラノールが形成され、後の縮合反応を介してオルガノシロキサンが形成される。これらの反応の結果、組成物は最終的に硬化する。この過程は架橋とも呼ばれる。さらに、シラノール基は、例えば組成物が塗布された基体においてヒドロキシル基と共に縮合されて硬化中にその基体への組成物の優れた接着の形成をもたらすことができる。
【0126】
硬化に必要な水は空気(空気湿度)に由来するか、又は組成物を例えば平滑剤を用いて広げることにより、若しくは噴霧により水を含有する成分と接触させることができ、又は、水を含有する成分を、例えば静的混合機によって混ぜ込まれる、例えば水性ペーストの形態で塗布の間に組成物へと添加することができる。
【0127】
温度、接触の性質、湿気の量、及び任意の触媒の存在に応じて、硬化は異なる速度で進行する。空気湿度による硬化の場合、スキンは、最初は組成物の表面に形成される。したがって、いわゆるスキニング時間は、硬化速度の基準である。
【0128】
硬化状態では、組成物は弾性特性、特に良好な強度及び高い伸展性、良好な熱安定性、並びに様々な基体に対する良好な接着特性を有する。その結果、組成物は多数の用途、特に、建設用途及び工業用途用の繊維複合材、埋込用コンパウンド、シーラント、接着剤、被覆剤、コーティング剤又は塗料として、例えば電気絶縁用コンパウンド、補修用コンパウンド(spackling compound)、目地材、二次接着剤、車体構造用接着剤、グレージング接着剤、サンドイッチエレメント接着剤、貼り合わせ用接着剤、ラミネート接着剤、固定接着剤、壁装材及びコーティング剤、バルコニー及び屋根用のコーティング剤、コンクリート保護コーティング剤、駐車場用コーティング剤及び防食性塗料として、シール、塗料、ワニス、及び下塗り剤として適している。
【0129】
湿気硬化型組成物は、特に建設用途及び工業用途の特に目地止め及び弾性接着結合用のシーラント及び/又は接着剤として特に適している。
【0130】
例えば建設工学又は土木工学における目地用シーラントとしての組成物の使用について、又は例えば自動車構造物における弾性接着結合用の接着剤としての使用について、組成物は構造粘性と共にペースト状の粘稠度を有することが好ましい。かかるペースト状のシーラント又は接着剤を好適な装置を用いて基体に塗布する。塗布の好適な方法は、例えば手動若しくは圧縮空気によって操作される市販のカートリッジからの塗布、又は搬送ポンプ若しくは押出機によるドラム若しくはペールからの塗布、任意には塗布ロボットによる塗布である。
【0131】
良好な塗布特性を有するシーラント又は接着剤は、高い垂れ耐性を有し、短いスレッドを形成する。これは、塗布された形態で静止したままである、すなわち塗布後に流れ出ないことを意味し、必要に応じて塗布装置が取り除かれた後に非常に短いスレッドをわずかに形成するため基体が汚れない。
【0132】
例えば自動車構造物における弾性接着用の接着剤は、基本的に球状又は三角形の断面積を有するビーズの形態で塗布されることが好ましい。
【0133】
接着剤としての塗布では、組成物を基体S1及び/又は基体S2に塗布する。そのようにして一方若しくは他方の基体、又は両方の基体に接着剤を塗布することができる。その後、湿気との接触により接着剤が硬化して、接着する部分が接合される。ここで、2つの接合部が互いに確実に接着されるように、いわゆる開放時間(open time:オープンタイム)内に接合部を接合させる必要がある。
【0134】
シーラントとしての塗布では、組成物を基体S1と基体S2との間に塗布した後、組成物を湿気との接触により硬化する。典型的には、シーラントは目地へと注入される。
【0135】
いずれの塗布でも基体S1は基体S2と同一でもよく、又は異なってもよい。
【0136】
好適な基体S1又はS2は、特に下記のものである:
ガラス、ガラスセラミック、コンクリート、モルタル、レンガ、タイル、石膏、及び御影石又は大理石等の天然石;
金属及び合金、例えばアルミニウム、鉄、鋼鉄及び非鉄金属、並びに更には表面を仕上げた金属(surface-finished metals)及び合金、例えば亜鉛めっき又はクロムめっき金属;
皮革、布地、紙、木材、フェノール、メラミン又はエポキシ樹脂等の樹脂によって接着された木材系材料、樹脂−布地複合材料、及び更なるポリマー複合材料;
プラスチック、例えばポリ塩化ビニル(硬質及び軟質PVC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリエステル、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン(PUR)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリオレフィン(PO)、ポリエチレン(PE)又はポリプロピレン(PP)、エチレン/プロピレンコポリマー(EPM)及びエチレン/プロピレン/ジエンターポリマー(EPDM)、ここで、プラスチックは、好ましくはプラズマ、コロナ又はフレームにより表面処理されていてもよい;
繊維強化プラスチック、例えば炭素繊維強化プラスチック(CFP)、ガラス繊維強化プラスチック(GFP)及びシート成形コンパウンド(SMC);
被覆基体、例えば粉体被覆金属又は合金;
塗料及びラッカー、特に自動車のトップコート。
【0137】
基体は、必要に応じて、接着剤又はシーラントの塗布前に前処理されてもよい。この種の前処理として、特に物理的及び/又は化学的な洗浄方法、例えば研磨、サンドブラスト、ブラッシング処理等、又は洗浄剤若しくは溶剤による処理、又は接着促進剤、接着促進剤溶液若しくは下塗り剤の塗布が挙げられる。
【0138】
基体S1及び基体S2を本発明の組成物によって接着又は密閉した後に接着又は密閉された成型品が得られる。かかる成型品は、建築構造物、特に建設工学若しくは土木工学における建築構造物であってもよく、又は輸送手段、例えば陸上車両若しくは水用車両、特に自動車、バス、トラック、電車若しくは船、又はそれらの取り付け可能なコンポーネントであってもよい。
【実施例】
【0139】
詳細に説明された本発明を解説する意図で以下に実施例を詳述する。本発明は、これらの記載される実施例に限定されないことが理解されよう。
【0140】
「標準的な気候条件」は、温度23±1℃、及び相対空気湿度50±5%を意味すると理解される。「SCC」は、標準的な気候条件を表す。
【0141】
1.ヒドロキシシランの調製
ヒドロキシシランHS−1:2−モルホリノ−4(5)−(2−トリメトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール
丸底フラスコにおいて、32.85g(133.33mmol)のβ−(3,4−エポキシシクロへキシル)−エチルトリメトキシシラン(Momentive製のシルクエスト(Silquest)(登録商標)A−186)、15.34g(176.08mmol)の無水モルホリン、及び0.10gのランタン(III)トリフレートを、ガスクロマトグラフィーによって更なる反応の進行が見られなくなるまで、2時間に亘り窒素雰囲気下、110℃で撹拌した。粗生成物を80℃、約1mbarで30分間に亘り後処理した。理論上のOH当量333.5gを有する液体生成物を得た。
【0142】
調製の後、生成物は98重量%〜99重量%(ガスクロマトグラフィーによって求められる)の純度を有した。室温で3ヶ月に亘り防湿して保存した後、純度は変化しなかった。
【0143】
ヒドロキシシランHS−2:2−ピロリジノ−4(5)−(2−トリメトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール
ヒドロキシシランHS−1について記載されるように、32.85のシルクエスト(Silquest)A−186、12.54gのピロリジン及び0.10gのランタン(III)トリフレートを転化した。理論上のOH当量317.5gを有する液体生成物が得られ、これは室温で3ヶ月の保存期間の後、何らの顕著な変化も受けなかった。
【0144】
ヒドロキシシランHS−3:2−ジブチルアミノ−4(5)−(2−トリメトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール
ヒドロキシシランHS−1について記載されるように、32.85gのシルクエスト(Silquest)A−186、22.76gのジブチルアミン及び0.10gのランタン(III)トリフレートを転化した。理論上のOH当量375.6gを有する液体生成物が得られ、これは室温で3ヶ月の保存期間の後、何らの顕著な変化も受けなかった。
【0145】
ヒドロキシシランHS−4:2−モルホリノ−4(5)−(2−トリエトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール
丸底フラスコにおいて、38.46g(133.33mmol)のβ−(3,4−エポキシシクロへキシル)−エチルトリエトキシシラン(Momentive製のコートオシル(CoatOSil)(登録商標)1770)、15.34g(176.08mmol)の無水モルホリン、及び0.10gのランタン(III)トリフレートを、ガスクロマトグラフィーによって更なる反応の進行が見られなくなるまで、2時間に亘り窒素雰囲気下、110℃で撹拌した。粗生成物を80℃、約1mbarで30分間に亘り後処理した。理論上のOH当量375.6gを有する液体生成物を得た。
【0146】
調製の後、生成物は97重量%〜98重量%(ガスクロマトグラフィーによって求められる)の純度を有した。室温で3ヶ月に亘り防湿して保存した後、純度は変化しなかった。
【0147】
ヒドロキシシランHS−5:2−ピロリジノ−4(5)−(2−トリエトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール
ヒドロキシシランHS−4について記載されるように、38.46gのコートオシル(CoatOSil)(登録商標)1770、12.54gのピロリジン及び0.10gのランタン(III)トリフレートを転化した。理論上のOH当量359.6gを有する液体生成物が得られ、これは室温で3ヶ月の保存期間の後、何らの顕著な変化も受けなかった。
【0148】
ヒドロキシシランHS−6:2−(4−メチルピペラジノ)−4(5)−(2−トリエトキシシリルエチル)−シクロヘキサン−1−オール
ヒドロキシシランHS−4について記載されるように、38.46gのコートオシル(CoatOSil)(登録商標)1770、17.64gの4−メチルピペラジン及び0.10gのランタン(III)トリフレートを転化した。理論上のOH当量388.6gを有する液体生成物が得られ、これは室温で3ヶ月の保存期間の後、何らの顕著な変化も受けなかった。
【0149】
ヒドロキシシランHS−7:2−ジブチルアミノ−4(5)−(2−トリエトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール
ヒドロキシシランHS−4について記載されるように、38.46gのコートオシル(CoatOSil)(登録商標)1770、22.76gのジブチルアミン及び0.10gのランタン(III)トリフレートを転化した。理論上のOH当量417.7gを有する液体生成物が得られ、これは室温で3ヶ月の保存期間の後、何らの顕著な変化も受けなかった。
【0150】
ヒドロキシシランHS−R1:1−モルホリノ−3−(3−トリメトキシシリルプロポキシ)プロパン−2−オール
丸底フラスコにおいて、28.36g(120mmol)の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(Evonik Degussa製のダイナシラン(Dynasylan)(登録商標)GLYMO)、12.55g(144.1mmol)の無水モルホリン、及び7.00gの無水メタノールを、ガスクロマトグラフィーによって更なる反応の進行が見られなくなるまで、5時間に亘り窒素雰囲気下で還流しながら80℃で撹拌した。粗生成物を80℃、約1mbarで30分間に亘り後処理した。理論上のOH当量323.5gを有する液体生成物を得た。
【0151】
反応生成物は調製後に76重量%の純度を有し、室温で1ヶ月に亘り防湿して保存した後に52重量%の純度を有した(ガスクロマトグラフィーによって求めた)。
【0152】
ヒドロキシシランHS−R2:1−モルホリノ−3−(3−トリエトキシシリルプロポキシ)プロパン−2−オール
ヒドロキシシランHS−R1について記載されるように、33.41g(120mmol)の3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(Evonik Degussa製のダイナシラン(Dynasylan)(登録商標)GLYEO)、12.55gの無水モルホリン、及び7.00gの無水エタノールを転化した。理論上のOH当量365.5gを有する液体生成物を得た。
【0153】
反応生成物は調製後に94重量%の純度を有し、室温で1ヶ月に亘り防湿して保存した後に83重量%の純度を有した(ガスクロマトグラフィーによって求めた)。
【0154】
ヒドロキシシランHS−1〜HS−7は式(I)の本発明のヒドロキシシランであり、ヒドロキシシランHS−R1及びHS−R2は比較目的の本発明ではないヒドロキシシランである。
【0155】
調製され、保存されたヒドロキシシランの純度の比較は、本発明のヒドロキシシランHS−1(トリメトキシシラン)及びHS−4(トリエトキシシラン)が非常に高純度で優れた保存安定性を有するのに対し、比較ヒドロキシシランHS−R1(トリメトキシシラン)は十分な純度及び保存安定性のいずれでも調製することができず、また、比較ヒドロキシシランHS−R2(トリエトキシシラン)は調製後に十分な純度を有したが、保存安定性ではなかったことを示す。
【0156】
2.シラン基含有ポリマーの調製
ポリマーSP−1〜ポリマーSP−7
各ポリマーについて、100重量部(PW)のポリマー1を、指定された量(OH/NCO=1.10)で表1に指定されるヒドロキシシランと混合した。この混合物を、IR分光法(約2時間)によってイソシアネート基を検出することができなくなるまで窒素雰囲気下、90℃で撹拌した。その後、反応混合物を冷却し、防湿したまま保持した。
【0157】
各々の場合において調製の次の日に20℃の温度でサーモスタット制御されたRheotec RC30コーン−プレート型粘度計(コーン直径50mm、コーン角度1度、コーンチップ−プレート距離0.05mm、剪断速度10s−1)で粘度を求めた。
【0158】
得られたシラン基含有ポリマーの特性を表1に報告する。
【0159】
ポリマーSP−1〜ポリマーSP−7は、式(VI)の末端基を有する本発明のポリマーである。
【0160】
720gのアクレーム(Acclaim)(登録商標)12200ポリオール(Bayer Material Science;低モノオールポリオキシプロピレンジオール;OH価11.0mg KOH/g;含水率約0.02重量%)、34.5gのイソホロンジイソシアネート(ベスタナット(Vestanat)(登録商標)IPDI、Evonik Degussa)、80.0gのジイソデシルフタレート、及び0.2gのジブチルスズジラウレートを窒素雰囲気下で混合することによってポリマー1を調製し、絶えず撹拌しながら90℃まで加熱して滴定手段により求められる遊離イソシアネート基の含有量が0.73重量%の値に達するまでこの温度で放置した。生成物を室温まで冷却し、防湿しながら保持した。
【0161】
【表1】
【0162】
3.湿気硬化型組成物の製造
組成物Z−1〜組成物Z−7
各組成物について、表2に指定される原料を指定される量(重量部)で、遠心混合機(SpeedMixer(商標) DAC 150、FlackTek Inc.)を用いて防湿しながら混合し、保持した。各組成物を以下の通り試験した:
スキニング時間を求めるため、数グラムの組成物を約2mmの層厚さで厚紙に塗布し、標準的な気候条件下で組成物の表面をLDPE製のピペットで優しく叩いた場合にピペットに最初に残留物がなくなるまでの時間を求めた。
【0163】
機械的特性を求めるため、組成物をPTFE被覆フィルムにキャストして2mmの厚さのフィルムを得て、これを標準的な気候条件の下で2週間保存し、バーの長さ30mm及びバーの幅4mmを有する長さ75mmの幾つかのダンベルを該フィルムから打ち抜き、これらを引張強さ(破断力)、破断伸び及び弾性率(0.5%〜50%伸長における弾性率)について引張速度200mm/分でDIN EN 53504に従って試験した。標準的な気候条件の下で14日間に亘って硬化した試験片についてDIN 53505に従いショアA硬度を求めた。
【0164】
これらの結果には「SCC:」を付する。
【0165】
熱安定性の基準として、標準的な気候条件下で2週間後、幾つかのダンベル及びショアAの試験片を90℃で1週間に亘り空気循環式オーブンで更に保存した後、引張強さ、破断伸び及び弾性率、又はショアA硬度について同じ方法で試験した。これらの結果には「90℃:」を付する。
【0166】
結果を表2に報告する。
【0167】
【表2】
【0168】
組成物Z−8〜組成物Z−14
各組成物について、表3に指定される原料を指定される量(重量部)で30分間に亘って防湿しながら50℃で真空ミキサーにおいて処理し、均一なペーストを得て、これを保持した。各組成物を以下の通り試験した:
スキニング時間、引張強さ、破断伸び、弾性率、及びショアA硬度を組成物Z−1について記載されるように求めた。しかしながら、加熱保存については、標準的な気候条件の下で2週間後のダンベルを100℃で4週間に亘り保存した。これらの結果には「100℃:」を付する。
【0169】
結果を表3に報告する。
【0170】
最初に300gのジイソデシルフタレート(パラチノール(Palatinol)(登録商標)Z、BASF)、及び48gの4,4’−メチレン−ジフェニルジイソシアネート(デスモダル(Desmodur)(登録商標)44 MC L、Bayer)を真空ミキサーに充填し、穏やかに加熱した後、勢いよく撹拌しながら27gのモノブチルアミンを徐々に滴加してチキソトロピーペーストを製造した。1時間に亘り冷却しながら減圧下で、形成されたペーストの撹拌を継続した。
【0171】
【表3】
【国際調査報告】

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