(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-528495(P2016-528495A)
(43)【公表日】2016年9月15日
(54)【発明の名称】回転検出装置
(51)【国際特許分類】
G01B 11/26 20060101AFI20160819BHJP
【FI】
G01B11/26 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】36
(21)【出願番号】特願2016-530612(P2016-530612)
(86)(22)【出願日】2014年7月31日
(85)【翻訳文提出日】2016年4月1日
(86)【国際出願番号】GB2014052351
(87)【国際公開番号】WO2015015213
(87)【国際公開日】20150205
(31)【優先権主張番号】1313751.8
(32)【優先日】2013年8月1日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】391002306
【氏名又は名称】レニショウ パブリック リミテッド カンパニー
【氏名又は名称原語表記】RENISHAW PUBLIC LIMITED COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アナス フランソワ ジャージュール
(72)【発明者】
【氏名】アラン ジェームズ ホロウェイ
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA35
2F065AA39
2F065AA43
2F065FF49
2F065GG12
2F065HH04
2F065HH09
2F065LL10
2F065LL32
2F065LL37
2F065QQ13
(57)【要約】
回転検出装置(2)であって、偏光ビームを照射するビーム源(6)と、偏光の第1の独立した偏光成分と第2の独立した偏光成分との間のコヒーレンス度を除去又は少なくとも低減して、デコヒーリングされた偏光ビーム(108)を生成するためのデコヒーリング構成(39)と、入射する光の強度に応じて信号を出力する検出器(46A、46B)であって、デコヒーリングされた偏光ビーム(108)が入射するように構成された、検出器(46A、46B)と、デコヒーリングされた偏光ビーム(108)に対する回転が、ビーム源(6)から入射する光の強度の変化と、検出器(46A、46B)から出力される信号における対応する変化を生じるようにデコヒーリングされた偏光ビーム(108)の経路内に配置する偏光子(41)と、検出器(46A、46B)から出力される信号の変化に基づいて、相対回転を検出するプロセッサ(48A、48B、48C)とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏光ビームを照射するビーム源と、
第1の独立した偏光成分と第2の独立した偏光成分との間のコヒーレンス度を除去又は少なくとも低減して、デコヒーリングされた前記偏光ビームを生成するためのデコヒーリング構成と、
入射する光の強度に応じて信号を出力する検出器であって、前記デコヒーリングされた偏光ビームが入射するように構成された、検出器と、
前記デコヒーリングされた偏光ビームに対する回転が、前記ビーム源から入射する光の強度の変化と、前記検出器から出力される前記信号における対応する変化を生じるように前記デコヒーリングされた偏光ビームの経路内に配置する偏光子と、
前記検出器から出力される信号の変化に基づいて、相対回転を検出するプロセッサと
を備えることを特徴とする回転検出装置。
【請求項2】
前記偏光ビームは第1及び第2の異なるそれぞれの偏光状態を有する第1及び第2のビーム部分を備え、これに対応して前記検出器から異なる出力信号をもたらし、前記プロセッサは、前記検出器からの第1の信号と第2の信号との差に基づいて相対回転を検出するように動作可能であることを特徴とする請求項1に記載の回転検出装置。
【請求項3】
前記第1のビーム部分と前記第2のビーム部分とは、互いに時間的に間隔が置かれることを特徴とする請求項2に記載の回転検出装置。
【請求項4】
前記ビーム源は、それぞれ前記第1及び第2のビーム部分を放射するための、第1及び第2の異なる光源を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の回転検出装置。
【請求項5】
前記検出器は、前記第1及び第2の異なる出力信号をもたらすための単一の検出器を備えることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の回転検出装置。
【請求項6】
前記回転検出装置は、前記偏光子の偏光軸と前記偏光の偏光方向との間の第1及び第2の異なる相対方位をもたらすための構成を備え、それに対応して前記検出器からの第1及び第3の異なる出力信号を提供し、前記プロセッサは、前記検出器からの前記第1の出力信号と前記第3の出力信号との差に基づいて前記相対回転を検出するように動作可能であることを特徴とする請求項1に記載の回転検出装置。
【請求項7】
偏光ビームを照射するビーム源と、
入射する光の強度に応じて信号を出力する検出器であって、前記偏光ビームが入射するように構成された、検出器と、
前記偏光ビームに対する回転が、前記ビーム源から前記検出器に入射する光の強度の変化と、前記検出器から出力される前記信号における対応する変化を生じるように、前記偏光ビームの経路内に配置する偏光子と、
前記検出器から出力される信号の変化に基づいて、相対回転を検出するプロセッサと
を備え、
前記偏光ビームは、第1及び第2のそれぞれ異なる偏光状態を有する第1及び第2のビーム部分を備え、
前記第1及び第2のビーム部分のそれぞれに対して、前記偏光子の偏光軸と前記第1及び第2のビーム部分の偏光の偏光方向との間の第1及び第2の異なる方位をもたらすための構成を備え、それに対応して、それぞれ(1)第1のビーム部分に対する第1の相対方位、(2)第1のビーム部分に対する第2の相対方位、(3)第2のビーム部分に対する第1の相対方位、及び(4)第2のビーム部分に対する第2の相対方位対する、前記検出器から第1から第4までの異なる出力信号をもたらし、
前記プロセッサは、前記検出器から第1から第4までの前記出力信号に基づいて相対回転を検出するように動作する
ことを特徴とする回転検出装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記第1の出力信号と前記第2の出力信号との差に基づいて第1の値を導き出し、前記第3の出力信号と前記第4の出力信号との差に基づいて第2の値を導き出し、前記第1の値と前記第2の値との差に基づいて相対回転を検出するように動作することを特徴とする請求項7に記載の回転検出装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記第1の出力信号と前記第3の出力信号との差に基づいて第1の値を導き出し、前記第2の出力信号と前記第4の出力信号との差に基づいて第2の値を導き出し、前記第1の値と前記第2の値との差に基づいて相対回転を検出するように動作することを特徴とする請求項7又は8に記載の回転検出装置。
【請求項10】
前記出力信号、及び/又は前記出力信号に対する第1及び第2の異なる相対方位の一方に関連する差分値、及び/又は前記第1及び第2の異なる相対方位の他方に関連する差分値をスケーリングする可変利得段を備えることを特徴とする請求項8又は9に記載の回転検出装置。
【請求項11】
前記偏光子は、前記第1及び第2の異なる相対方位をもたらす構成の一部を形成することを特徴とする請求項6乃至10のいずれか1項に記載の回転検出装置。
【請求項12】
前記偏光子は、前記第1及び第2の異なる相対方位をもたらすウォラストン偏光子等の偏光ビームスプリッタを備えることを特徴とする請求項11に記載のいずれか1項に記載の回転検出装置。
【請求項13】
前記検出器は、それぞれ前記第1及び第2の異なる相対方位に関連する出力信号をもたらす第1及び第2の異なる検出器を備えることを特徴とする請求項6乃至12のいずれか1項に記載の回転検出装置。
【請求項14】
前記第1及び第2の異なる相対方位をもたらす構成は、前記偏光ビームを回転して前記第1及び第2の異なる相対方位をもたらす手段を備えることを特徴とする請求項6乃至10のいずれか1項に記載の回転検出装置。
【請求項15】
偏光ビームを照射するビーム源と、
入射する光の強度に応じて信号を出力する検出器であって、前記偏光ビームが入射するように構成された、検出器と、
前記偏光ビームに対する回転が、前記ビーム源から前記検出器に入射する光の強度の変化と、前記検出器から出力される前記信号における対応する変化を生じるように、前記偏光ビームの経路内に配置する偏光子と、
前記検出器から出力される信号の変化に基づいて、相対回転を検出するプロセッサと
を備え、
前記偏光ビームは、第1及び第2の異なるそれぞれの偏光状態を有する第1及び第2のビーム部分を備え、それに対応して前記検出器から第1及び第2の異なる出力信号をもたらし、前記プロセッサは前記検出器からの前記第1の出力信号と前記第2の出力信号との差に基づいて相対回転を検出するように動作可能であり、
前記第1及び第2のビーム部分が前記構成に入射し、入射光の少なくとも一部が前記構成を透過するように、前記偏光子の前に、前記偏光ビームの経路内に配置する半透明検出器構成を備え、前記構成は、前記第1のビーム部分の強度と前記第2のビーム部分の強度との差の実質的に線形関数としての、前記プロセッサによる前記相対回転の検出に影響を与えるように適合又は構成され、前記構成は、前記関数のオフセット項を測定し、前記構成によってもたらされる影響を調整して前記オフセット項の影響を打ち消すように適合され、及び/又は前記オフセット項は、環境の状態及び/又は前記第1及び第2のビーム部分の波長によって著しくドリフトしないことを特徴とする回転検出装置。
【請求項16】
前記構成は、前記第1のビーム部分の強度と前記第2のビーム部分の強度との差の実質的に線形関数である信号をもたらすように構成され、前記構成によってもたらされる前記信号は、前記プロセッサによる前記相対回転の検出に影響を与えるように構成されることを特徴とする請求項15に記載の回転検出装置。
【請求項17】
前記構成によりもたらされる前記信号に応じて、前記第1及び第2のビーム部分の相対強度を制御するように動作可能な制御ユニットを備えることを特徴とする請求項16に記載の回転検出装置。
【請求項18】
前記プロセッサは、前記構成によりもたらされる前記信号に応じて、前記相対回転を検出するように動作可能であることを特徴とする請求項16又は17に記載の回転検出装置。
【請求項19】
ビーム源からの偏光の第1の独立した変更成分と第2の独立した変更成分とのコヒーレンス度を除去又は少なくとも低減して、前記プロセッサにより検出される前記相対回転が、前記偏光子とデコヒーリングされた偏光ビームとの間にあるように、前記偏光子を通じて、前記検出器に入射するデコヒーリング構成をさらに備える請求項7乃至18のいずれか1項に記載の回転検出装置。
【請求項20】
前記デコヒーリング構成は、前記偏光ビームの経路内に配置される複屈折素材を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の回転検出装置。
【請求項21】
前記プロセッサによる前記相対回転の検出は、前記相対回転の大きさの決定を備えることを特徴とする請求項1乃至20のいずれか1項に記載の回転検出装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0002】
回転検出装置は、2つの構成要素の間の相対回転が検出されることを可能にする。これは、2つの構成要素が互いに回転したことを知り、それによりその後の処置がとれるようにすることが必要なときに有用である。回転の程度が測定されることを可能にする回転検出装置は、どれだけ構成要素が互いに回転したかを知る必要があるときに有用である。例えばこのような回転検出装置は、移動機械部品が軌道に沿って移動するのにつれて、静止機械部品に対する移動機械部品の回転の程度を決定するのに有用となり得る。この情報は機械が較正されることを可能にする。特にこのような回転検出装置は、座標測定機(CMM)、工作機械、または回転/傾斜ステージなどの座標位置決め装置を較正するために用いられ得る。
【0003】
回転検出装置はまた、ロボットアームの動きを正確に追跡するため、または例えばCMMのクイルに取り付けられた工具の動きを追跡するためのシステムなどの、追跡システムにおいて有用となり得る。
【0004】
上述のものなどの回転検出装置の正確さの改善をもたらすことが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第02/04890号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2008/122808号パンフレット
【特許文献3】国際公開第92/21933号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2008/122816号パンフレット
【発明の概要】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、回転検出装置がもたらされ、これは、偏光ビームを放射するためのビーム源と、偏光の第1および第2の独立した偏光成分の間のコヒーレンス度を除去または少なくとも低減して、デコヒーリングされた偏光ビームを生成するためのデコヒーリング構成と、それに入射する光の強度に応じて信号を出力するための検出器であって、デコヒーリングされた偏光ビームがそれに入射するように構成された検出器と、デコヒーリングされた偏光ビームに対する偏光子の回転が、ビーム源から検出器に入射する光の強度の変化、および検出器から出力される信号における対応する変化を生じるように、デコヒーリングされた偏光ビームの経路内に配置するための偏光子と、検出器から出力される信号の変化に基づいて、相対回転を検出するためのプロセッサとを備える。
【0007】
あるいはデコヒーリングされた偏光ビームは、偏光の第1の独立した偏光成分と第2の独立した偏光成分との間のコヒーレンス度を除去または少なくとも低減するためにデコヒーリング構成によって処理された、偏光ビームと呼ばれ得る。
【0008】
偏光ビームは、第1および第2の異なるそれぞれの偏光状態を有する第1および第2のビーム部分を備えることができ、それに対応して検出器から第1および第2の異なる出力信号をもたらし、プロセッサは、検出器からの第1の出力信号と第2の出力信号との差に基づいて相対回転を検出するように動作可能である。
【0009】
第1のビーム部分と第2のビーム部分とは、互いに時間的に間隔が置かれ得る。
【0010】
ビーム源は、それぞれ第1および第2のビーム部分を放射するための、第1および第2の異なる光源を備えることができる。
【0011】
検出器は、第1および第2の異なる出力信号をもたらすための単一の検出器を備えることができる。
【0012】
第1および第2のビーム部分は、実質的に同じ波長を有することができる。
【0013】
回転検出装置は、ビーム源内のまたは各光源の波長を安定化するための手段を備えることができる。
【0014】
第1および第2のビーム部分は、実質的に同一のプロファイル、および少なくとも偏光子に向かう初期の共通伝搬軸を有することができる。
【0015】
検出器上の第1および第2のビーム部分のそれぞれのフットプリントは、少なくとも部分的に重なり合うことができる。
【0016】
ビーム源は、第1および第2の時間的に間隔が置かれたビーム部分が、ビーム源から放射される前にそれを通過する、ビーム調整器を備えることができる。ビーム調整器は光ファイバを備えることができる。
【0017】
装置は、偏光子の偏光軸と、偏光の偏光方向との間の第1および第2の異なる相対方位をもたらすための構成を備えることができ、それに対応して、検出器から第1および第3の異なる出力信号をもたらし、プロセッサは、検出器からの第1および第3の出力信号の差に基づいて、相対回転を検出するように動作可能である。
【0018】
本発明の第2の態様によれば、回転検出装置がもたらされ、これは、偏光ビームを放射するためのビーム源と、それに入射する光の強度に応じて信号を出力するための検出器であって、偏光ビームがそれに入射するように構成された検出器と、偏光ビームに対する偏光子の回転が、ビーム源から検出器に入射する光の強度の変化、および検出器から出力される信号における対応する変化を生じるように、偏光ビームの経路内に配置するための偏光子と、検出器から出力される信号の変化に基づいて相対回転を検出するためのプロセッサとを備え、偏光ビームは、第1および第2の異なるそれぞれの偏光状態を有する第1および第2のビーム部分を備え、回転検出装置は、第1および第2のビーム部分のそれぞれに対して、偏光子の偏光軸と、そのビーム部分の偏光光の偏光方向との間の第1および第2の異なる相対方位をもたらすための構成を備え、それに対応して、それぞれ(1)第1のビーム部分に対する第1の相対方位、(2)第2のビーム部分に対する第1の相対方位、(3)第1のビーム部分に対する第2の相対方位、(4)第2のビーム部分に対する第2の相対方位に対する、検出器からの第1から第4までの異なる出力信号をもたらし、プロセッサは、検出器からの第1から第4までの出力信号に基づいて相対回転を検出するように動作可能である。
【0019】
回転検出装置は、ビーム源からの偏光の第1の独立した偏光成分と第2の独立した偏光成分の間のコヒーレンス度を除去または少なくとも低減して、プロセッサによって検出される相対回転が偏光子とデコヒーリングされた偏光ビームの間にあるように、偏光子を通じて、検出器に入射するデコヒーリングされた偏光ビームを生成するためのデコヒーリング構成を備えることができる。
【0020】
プロセッサは、第1の出力信号と第2の出力信号との差に基づいて第1の値を導き出し、第3の出力信号と第4の出力信号との差に基づいて第2の値を導き出し、第1の値と第2の値との差に基づいて相対回転を検出するように動作可能とすることができる。
【0021】
プロセッサは、第1の出力信号と第3の出力信号との差に基づいて第1の値を導き出し、第2の出力信号と第4の出力信号との差に基づいて第2の値を導き出し、第1の値と第2の値との差に基づいて相対回転を検出するように動作可能とすることができる。
【0022】
装置は、出力信号、および/または出力信号に対する第1および第2の異なる相対方位の一方に関連する差分値、および/または第1および第2の異なる相対方位の他方に関連する差分値を、スケーリングするための可変利得段を備えることができる。
【0023】
偏光子は、第1および第2の異なる相対方位をもたらすための構成の一部を形成することができる。偏光子は、第1および第2の異なる相対方位をもたらすための、ウォラストン偏光子などの偏光ビームスプリッタを備えることができる。
【0024】
第1および第2の異なる相対方位をもたらすための構成は、偏光ビームスプリッタを備えることができる。
【0025】
第1および第2の異なる相対方位をもたらすための構成は、複屈折偏光子を備えることができる。
【0026】
第1および第2の異なる相対方位をもたらすための構成は、ウォラストン偏光子を備えることができる。
【0027】
検出器は、それぞれ第1および第2の異なる相対方位に関係する出力信号をもたらすための、第1および第2の異なる検出器を備えることができる。
【0028】
第1および第2の異なる相対方位をもたらすための構成は、偏光ビームを回転して、第1および第2の異なる相対方位をもたらすための手段を備えることができる。
【0029】
第1および第2の異なる相対方位間の差は、任意の非ゼロ値、例えば1°と179°の間、5°と175°の間、15°と165°の間、45°と135°の間、または85°と95°の間とすることができる。第1および第2の異なる相対方位間の差は、実質的に90°とすることができる。
【0030】
本発明の第3の態様によれば、回転検出装置がもたらされ、これは、偏光ビームを放射するためのビーム源と、それに入射する光の強度に応じて信号を出力するための検出器であって、偏光ビームがそれに入射するように構成された検出器と、偏光ビームに対する偏光子の回転が、結果として、ビーム源から検出器に入射する光の強度の変化、および検出器から出力される信号における対応する変化を生じるように、偏光ビームの経路内に配置するための偏光子と、検出器から出力される信号の変化に基づいて相対回転を検出するためのプロセッサとを備え、偏光ビームは、第1および第2の異なるそれぞれの偏光状態を有する第1および第2のビーム部分を備え、それによりそれに対応して検出器から第1および第2の異なる出力信号をもたらし、プロセッサは、検出器からの第1および第2の出力信号の差に基づいて相対回転を検出するように動作可能であり、回転検出装置は、第1および第2のビーム部分は構成に入射し、入射光の少なくとも一部は構成を通過するように、偏光子の前に、偏光ビームの経路内に配置するための半透明検出器構成を備え、構成は、第1のビーム部分の強度と第2のビーム部分の強度との差の実質的に線形関数としての、プロセッサによる相対回転の検出に影響を与えるように適合または構成され、構成は、関数のオフセット項を測定し、構成によってもたらされる影響を調整してオフセット項の影響を打ち消すように適合され、および/またはオフセット項は、環境条件および/または第1および第2のビーム部分の波長によって著しくドリフトしない。
【0031】
構成は、第1のビーム部分と第2のビーム部分との強度の差の実質的に線形関数である信号をもたらすように適合され、構成によってもたらされる信号は、プロセッサによる相対回転の検出に影響を与えるように構成され得る。
【0032】
回転検出装置は、構成によってもたらされる信号に応じて、第1および第2のビーム部分の相対強度を制御するように動作可能な制御ユニットを備えることができる。構成によってもたらされる信号はそれにより、プロセッサによる相対回転の検出に影響を与えるように構成される。
【0033】
プロセッサは、構成によってもたらされる信号に応じて、相対回転を検出するように動作可能とすることができる。構成によってもたらされる信号はそれにより、プロセッサによる相対回転の検出に影響を与えるように構成される。
【0034】
デコヒーリング構成は、偏光の第1および第2の偏光成分に対して、それぞれ第1および第2の異なる光路長をもたらすように構成されることができ、第1および第2の光路長の差は、ソースのコヒーレンス長より大きい。
【0035】
デコヒーリング構成はソースを備えることができ、ソースは、それぞれ偏光の第1および第2の偏光成分によって経験される第1および第2の異なる光路長の差より小さなコヒーレンス長を有するように構成される。
【0036】
デコヒーリング構成は、それぞれ第1および第2の異なる光路長を有する、偏光の第1および第2の偏光成分をもたらすように構成され、第1および第2の経路の位相差または位相シフトはパラメータに依存し、パラメータの値にわたって平均された第1および第2の偏光成分の間の干渉に関係する干渉項は、実質的にゼロとなる。
【0037】
ソースは、デコヒーリング構成の一部を形成すると見なされ得る。
【0038】
デコヒーリング構成は、偏光ビームの経路内に配置するための複屈折材料を、例えば複屈折結晶の形で備えることができる。
【0039】
デコヒーリング構成と偏光子の間の、デコヒーリングされた偏光ビームの経路にあるいずれの光学構成要素も、実質的なドリフトを導入しない。
【0040】
デコヒーリング構成は、偏光の第1および第2の独立した偏光成分の間に、光路長の差を導入するように構成され得る。光路長における差は、偏光のコヒーレンス長の程度またはそれより大きいものとすることができる。
【0041】
ビーム源から放射される偏光ビームは、部分的にまたは完全に偏光され得る。
【0042】
プロセッサによって相対回転を検出することは、大きさがどのようなものであれ、相対回転が起きたことを検出することを含むことができる。これは、任意の基準座標系に対して、偏光子の相対回転の大きさが決定されるときにも当てはまり、なぜなら相対回転の大きさを決定することによって、少なくともその大きさがゼロでないときは、相対回転が起きたことが決定されるからである。
【0043】
プロセッサによって相対回転を検出することは、相対回転の測度を決定することを含むことができる。例えば測度は、偏光子と固定基準座標系との間の絶対角度または絶対角度における変化とすることができる。固定基準座標系は、ビーム源内の1または複数の光学素子、例えば偏光保持光ファイバの偏光軸、または基準偏光子の偏光軸によって定義され得る。この点において、偏光子と、偏光子に入射する偏光ビームとの間の絶対角度は、偏光子と基準偏光子との間の角度と同じでない場合があるが、2つの角度は、少なくとも基準偏光子が固定されているときに、偏光子がそれに入射する偏光ビームに対して回転するときは、それらは同じ大きさだけ変化するという点で関係することが認識されるであろう。固定基準座標系は、デコヒーリング構成(複屈折材料など)がある場合は、それによっても定義され得る。測度は実際の角度である必要はなく、実際の角度に依存する(どのような形であれ)何らかの他の値でもよい。測度は、絶対角度方向ではなく、ある時点から別の時点までの角度方向の変化でもよい。
【0044】
検出される相対回転は、偏光ビームの伝搬軸に平行に延びる軸の周りの回転、または角度方向の変化とすることができる。
【0045】
検出されるのは相対回転であるので、偏光子と相対回転のための基準との一方を、このような回転検出装置を組み込んだ機械の可動部に取り付け、他方を固定部に取り付けることができる。あるいは、両方が機械の異なる可動部に取り付けられ得る。
【0046】
ビームが特定の素子に入射すると述べられている箇所では、それはビームが直接、すなわち別の光学素子を通過することなく、それに入射することを意味しないことが認識されるであろう。例えばビーム源からの偏光ビーム(デコヒーリングされたまたはそうでない)が検出器に入射すると述べられている箇所では、これは偏光子を通過した後となり得る。
【0047】
検出器は個別のそれぞれの出力を有する複数の光感応領域を備え、検出器から出力される信号は光感応領域の出力の組み合わせから由来し得ることが認識されるであろう。これの例は、個別のそれぞれの出力をもつ4つの光感応領域を有するクワッドセルであり、出力は、クワッドセルが単一の検出器として働くように、単一の出力信号を生成するように組み合わされ得る。
【0048】
素子が、一定の機能を行うように動作可能である、またはそれを行うためのものであると述べられたときは、本発明を以前に考えられた構成とより明確に区別する必要がある場合は、その素子は、単にその機能を行うことができるのではなく、その機能を行うように構成または適合または配置されたと見なされ得る。例えばプログラム命令によって制御される汎用プロセッサが用いられるときは、プロセッサは、動作時に機能を行うようにプロセッサを制御するために適した箇所にプログラム命令が実際にあるときに、機能を行うように構成または適合または配置されると見なされ得る。
【0049】
一般に偏光子は偏光軸によって特性付けられる。平面デバイス(ファインワイヤ、二色性材料など)に対しては、これはデバイスの平面内の軸である。結晶光学素子に対しては、これは結晶の光軸であり、通常は、これは入力窓の平面に平行に方向付けられる。伝搬軸の周りの回転を測定するように構成された知られているシステムでは、偏光軸は、偏光軸が伝搬軸に垂直となるように構成される。偏光軸は時には、特に(それに限らないが)吸収型偏光子(例えばビーム分割偏光子とは対照的に)に関連して透過軸と呼ばれる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
次に例として、添付の図面を参照する。
【図1】座標測定機(CMM)に取り付けられた回転検出装置の概略図である。
【図2】図1に示される構成で使用するための、知られている回転検出装置の概略図である。
【図3】知られている回転検出装置に伴う問題、およびどのように本発明の実施形態がそれらの問題に対応することを目指すかを説明するために用いられる概略図である。
【図4】例えば図1に示される構成において使用するための、本発明の一実施形態による回転検出装置の概略図である。
【図5】偏光子の偏光軸と、偏光子に入射する偏光光の偏光方向との間の異なる相対方位をもたらすための構成の一例としての、ウォラストン偏光子の概略図である。
【図6A】本発明の一実施形態において用いられ得る2つの異なる信号処理方式の1つを示す図である。
【図6B】本発明の一実施形態において用いられ得る2つの異なる信号処理方式の1つを示す図である。
【図7】本発明の代替的実施形態による回転検出装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1は、座標測定機(CMM)4に取り付けられた回転検出装置2を示す。回転検出装置2は、ビーム源(または放出ユニット)6と、受光器ユニット8とを備える。ビーム源6は、CMM4のマシンテーブル12に、ベースユニット10を介して、それらが互いに対して動くことができないように取り付けられる。受光器ユニット8は、CMM4のクイル18に、それらが互いに対して動くことができないように取り付けられる。ビーム源6は、光のビームを放射するように動作可能であり、受光器ユニット8は、ビーム源6によって放射されたビームを受光するように、ビーム源6に対して配置される。回転検出装置2は、それらが軌道に沿って互いに移動するのにつれて、ビーム源6から放射されたビームの伝搬軸の周りの、ビーム源6と受光器ユニット8との間の相対ロール、ピッチおよびヨーの少なくとも1つを決定するために用いられ得る。
【0052】
ビーム源6、およびマシンテーブル12に取り付けられたベースユニット10には、ビーム源6が、CMMのX、YおよびZ軸のいずれかに沿ってまたは任意の他の所望の方向に沿って、正確に整列されることを可能にする運動学的支持部14の相補的部分が設けられる。光学ユニットを整列させるためのこのような運動学的支持部は、例えば特許文献1で開示されているように知られている。
【0053】
使用時には受光器ユニット8は、クイル18によってX軸におよそ平行な経路に沿って移動され、この例では回転検出装置2は、X軸の周りのビーム源6と受光器8との間のロールを検出し測定するために用いられる。従ってマシンテーブル12とクイル18との間のX軸の周りのロールの大きさが決定され、CMM4のX軸を較正するために用いられ得る。次いでこのプロセスは、ビーム源6および受光器8をしかるべく方向付け、クイル18をそれぞれYおよびZ軸に沿って移動することによって、CMM4のYおよびZ軸を較正するように繰り返され得る。
【0054】
図1に示される例では、回転検出装置2はCMM4に取り付けられ、CMM4の較正において用いられる。しかし回転検出装置2は、必ずしもCMMに取り付けられる必要はなく、2つの構成要素の間の相対回転を検出することが望ましい、多くの異なる応用例において用いられ得ることが認識されるであろう。
【0055】
図2は、図1に示されるセットアップでの使用に適した、知られている回転検出装置2を示す。図2に示される回転検出装置2は、特許文献2の図2に示される装置2の簡略化されたバージョンである。回転検出装置2は、ビーム源6によって放射されるビームの伝搬軸の周りの、ビーム源6と受光器ユニット8との間の相対ロールを測定するように構成される。ビーム源6は、第1および第2の光源20、22、偏光ビームスプリッタ28、偏光保持光ファイバ30、非偏光ビームスプリッタ32、第1の偏光子34、制御検出器36、および制御ユニット38を備える。第1および第2の光源20、22は、一緒に光源21を形成すると見なされ得る。光は光結合素子29によって、偏光保持光ファイバ30の内へおよび外へ結合される。ビーム源6の構成要素は、互いに対して固定される。
【0056】
第1の光源20は第1の直線偏光状態を有する第1の光ビーム100を放射するように構成され、第2の光源22は第2の直線偏光状態を有する第2の光ビーム102を放射するように構成される。偏光ビームスプリッタ28は、それぞれ第1の20、および第2の22光源によって放射された第1および第2の光ビーム100、102を、偏光保持光ファイバ30内に向けるように配置される。第1および第2の光源20、22は、少なくともそれらのそれぞれの光ビーム100、102が偏光保持光ファイバ30に到達したときに、それらの偏光状態が互いに直交するように配置される。
【0057】
偏光保持光ファイバ30は、2つの偏光軸を有する単一モード光ファイバである。偏光保持光ファイバ30は、その偏光軸の一方は第1の光ビーム100の第1の偏光状態と整列し、その偏光軸の他方は第2の光ビーム102の第2の偏光状態と整列するように配置される。従って、第1および第2の光源20、22によって放射された第1および第2の光ビーム100、102の偏光状態は、それらが偏光保持光ファイバ30を通って進行しそれから出現するのにつれて維持される(少なくとも理論上は)。偏光保持光ファイバ30は、第1および第2の光ビーム100、102の経路を共に整列させて、それらの間の空間的重なり合いを生成し、それによって少なくとも初めにそれらは、それらがビーム源6から出現するときに共通の伝搬軸を有するように働く。
【0058】
非偏光ビームスプリッタ32は、偏光保持光ファイバ30から出現する光ビーム104を、第1の偏光子34に向けられる制御光ビーム106と、受光器ユニット8に向けられる実質的に同一の受光器(または測定)光ビーム108とに分割するように構成される。
【0059】
第1の(または基準)偏光子34は、その偏光軸が制御光ビーム106の第1および第2の偏光状態の両方に対して、およそ45°の角度となるように(すなわち偏光保持光ファイバ30の軸に対しておよそ45°の角度に)配置される。制御検出器36は、第1の偏光子34を通過する光の強度を検出し、検出強度を制御ユニット38に出力するように構成される。本明細書で用いられる「検出器」という用語は光検出器、すなわち検出器に入射する光の強度を測定するための検出器を意味するものである。制御ユニット38は、制御検出器36からの検出強度に基づいて、第1および第2の光源20、22の電力を制御するように構成される。これは、そうしないと回転の決定に影響を及ぼし得る、第1および第2の光源20、22からの強度および/または偏光の望ましくない変動を避けるためである。
【0060】
受光器ユニット8は、第2の(または測定)偏光子42と、受光器検出器46およびプロセッサ48を備えた検出器ユニット44とを備える。第2の偏光子42は、第1の偏光子34と実質的に同じであり、第1の偏光子34と実質的に同じ方位に方向付けられる。第2の偏光子42は、受光器ユニット8およびビーム源6が整列された(それによりそれらの間のロール、ピッチまたはヨーは存在しない)ときに、第2の偏光子42の偏光軸が、受光器光ビーム108の第1および第2の直線偏光状態の両方に対して45°となるように、受光器ユニット8内に取り付けられる。
【0061】
受光器検出器46は、制御検出器36と実質的に同一であり、第2の偏光子42を通過する光の強度を検出し、検出強度をプロセッサ48に出力するように構成される。プロセッサ48は、ある期間にわたる検出強度を分析し、X軸の周りのビーム源6と受光器ユニット8との間のロールの大きさを表す出力をもたらすように構成される。
【0062】
受光器ユニット8は、無線通信リンクなどの通信リンク82によってコンピュータ80に接続される。コンピュータ80はディスプレイ(図示せず)を有し、それを通じてビーム源6と受光器ユニット8との間のロールの程度を示す読みがユーザにもたらされ得る。
【0063】
使用時には制御ユニット38は、タイミングユニット(図示せず)からクロック信号を受け取る。制御ユニット38は、クロック信号を用いて第1および第2の光源20、22に交互に電力供給し、それによりそれらは第1および第2の光ビーム100、102を所定の周波数で交互に放射し、これらは受光器検出器46に入射する受光器光ビーム108の第1および第2の部分を形成する。
【0064】
受光器光ビーム108は、第2の偏光子42を通過するのにつれて、2つの直交するベクトル成分に分解され、それらの一方は第2の偏光子42の偏光軸に平行であり(「平行成分」)、それらの他方は偏光軸と直角である。受光器光ビーム108の第1および第2の部分のそれぞれの平行成分は、第2の偏光子42を通過し、受光器検出器46によってそれらの強度が検出される。受光器検出器46は、検出強度を表す信号を出力し、これは検出強度を分析し、ビーム源6と受光器ユニット8との間のロールの程度を表す信号を出力するプロセッサ48に供給される。
【0065】
装置は、ビーム源6と受光器ユニット8とが整列しているときは、受光器検出器46において受信される受光器光ビーム108の第1および第2の部分のそれぞれの平行成分の強度が、実質的に同じになるように構成される。これと異なりビーム源6と受光器ユニット8とが整列していないときは、受光器検出器46に到達する受光器光ビーム108の第1および第2の部分の一方の平行成分の大きさが、他方より大きくなる。これはビーム源6と受光器ユニット8との間に、ある程度のロールが存在するときは、もはや第2の偏光子42の偏光軸は、第1および第2の部分の偏光状態に対して45°にならないからである(および、第1の偏光子34と第2の偏光子42の間の角度は変化することになる)。その偏光状態と偏光軸との間により小さい角度を有する、受光器光ビーム108の部分の平行成分は、光ビームの他の部分のそれより大きくなる。従って受光器検出器46によって検出される受光器光ビームの第1および第2の部分の一方の検出強度は、他方より大きくなる。
【0066】
従って、受光器光ビーム108の第1の部分の検出強度と、受光器光ビーム108の第2の部分の検出強度との差は、ビーム源6と受光器ユニット8との間のロールの程度に比例する(少なくとも小さなロールの角度にわたって)。従ってプロセッサ48が、その差に基づいてロールの程度を決定することが可能になる。
【0067】
さらにビーム源6および受光器ユニット8がそれらの軌道に沿って移動するのにつれて、それらの間の回転は、受光器光ビーム108の第1および第2の部分の検出強度に変化を引き起こすことになる。従って、ビーム源6と受光器ユニット8との間のロールは、軌道に沿った動きの間に、検出強度の変化を監視することによって能動的に決定され得る。
【0068】
知られている回転検出装置の動作および構成のさらなる詳細は、参照によりその内容が本明細書に組み込まれている特許文献2に見出され得る。読者はまた、参照によりその内容も本明細書に組み込まれている特許文献3を参照されたい。
【0069】
図2を参照して上述されたように、特許文献2で開示された回転検出装置によって、2つの光源20、22はビーム源6内で組み合わされ、偏光保持光ファイバ30に結合され、偏光保持光ファイバ30は第1および第2の直交偏光軸を有する。理想的には第1のソース20は、偏光保持光ファイバ30の第1の軸に完全に結合された直線偏光を有し、第2のソース22は、偏光保持光ファイバ30の第2の(直交する)軸に完全に結合された直線偏光を有する。
【0070】
実際には、偏光保持光ファイバ30から出現する光ビーム104の第1の部分(すなわち第1のソース20に由来する)は、偏光保持光ファイバ30の第1の軸に沿った主成分と、第2の軸に沿ったより小さな成分とを有することになる。同様に、偏光保持光ファイバ30から出現する光ビーム104の第2の部分(すなわち第2のソース22に由来する)は、偏光保持光ファイバ30の第2の軸に沿った主成分と、第1の軸に沿った小さな成分とを有することになる。偏光保持光ファイバ30の一方の軸から他方への「漏洩」が存在すると考えられ得る。さらには「漏洩」成分は、主成分と同じ位相をもたない場合があり、それにより偏光保持光ファイバ30から出現する光の偏光は、一般に楕円形状になる。この偏光保持光ファイバ30の2つの軸の間のわずかな結合または「漏洩」は、通常「偏光モード結合」と呼ばれる。
【0071】
非理想的挙動に寄与することになるのは、偏光保持光ファイバ30の偏光モード結合だけではない。ビーム源6内の光学構成要素のすべてが、寄与する潜在性を有する。他の例は、光源20、22の限られた消光比、結合光学素子の非理想的挙動(偏光ビームスプリッタ28の限られた消光比など)、および偏光保持光ファイバ30の整列許容差である。
【0072】
さらにビーム源6内の非偏光ビームスプリッタ32は、実際には理想的ではない。例えば反射と透過の分割比は、異なる偏光に対してある程度異なることになり、ソースの波長および光学素子の温度にある程度依存することになる。非偏光ビームスプリッタ32の「s」および「p」成分の間に位相シフトも導入されることになり、この位相シフトは反射と透過に対してある程度異なることになり、これはまた波長にある程度依存する。第1および第2の偏光子34、42も、それらの透過特性において同一ではなくなる。
【0073】
さらに光源20、22の温度は、例えばそれらが暖まるにつれて、または周囲条件の一般的な変化によって時間と共に変化することになり、これは2つのソース20、22の波長の変化に繋がることになる。偏光保持光ファイバ30の温度も変化する可能性が高く、これは2つの偏光成分の間に偏光保持光ファイバ30によって導入される位相シフトにおける変化に繋がることになる。
【0074】
本出願人は、上述の非理想的挙動のすべて(および場合によってはその他)の結果として、ビーム源6(放出ユニット)および受光器ユニット8が静止しているときでさえも、検出器ユニット44からのロール信号が時間と共に変化を示すことを認識した。これは、回転(またはロール)ドリフトと呼ばれ、本出願人はこれを考慮した回転検出装置をもたらすことが望ましいことを認識した。
【0075】
本出願人によって特定されたの問題に対応するために、本明細書において特許文献2の回転検出装置に対する2つの主要な変更が提案される。提案される変更の本質、およびそれらがどのようにの問題に対応するのに効果的であるかの理解を得るために、なぜ望ましくないドリフトが生じるかの理解を得るために、特許文献2の回転検出装置の基礎をなす理論のより詳しい説明が第1にもたらされ、その後にどのように本発明の実施形態がドリフトの影響を除去または少なくとも低減しようとするかの説明が続く。この説明は、本出願人によってなされた発明性のある寄与の一部であることが理解されるべきである。
【0076】
さしあたり、ビーム源6から出現し、第2の偏光子42を通じて受光器検出器46に入射する受光器光ビーム108の第1の部分(すなわち第1のソース20に由来する部分)だけを考察する。図3に概略的に示されるように第1の部分は、軸「a」に沿った主偏光(電界)成分E
aと、直交する軸「b」に沿った副(より小さい)偏光(電界)成分E
bとを有する。主および副偏光成分は、受光器光ビーム108の偏光光の第1および第2の独立した偏光成分と見なされ得る。
【0077】
軸「a」および「b」は、ビーム源6内の光路に沿った成分の組み合わせによって定義され、偏光保持光ファイバ30の偏光軸など、任意の単一の構成要素の物理的軸に対応する必要はない。実際、光の偏光は、任意の2つの軸に沿って分解または分離され得るので、軸「a」および「b」は「分解軸」と見なされることができ、システムのいずれの物理的軸に対応する必要はなく、実際、任意の2次元ベクトルは少なくとも2つの非平行ベクトルの和として書かれ得るという意味で、互いに直交する必要はない。
【0078】
簡単にするためにおよび一般性を失わずに、以下ではこれらは直交すると見なす。
【0079】
偏光保持光ファイバ30、およびビーム源6内の他の光学素子(で説明されたような)によって導入される位相シフトのために、軸「b」に沿った、より小さい成分E
bは一般に、軸「a」に沿った主成分E
aに対して位相シフトφをもつことになり(楕円偏光される)、従ってより小さい成分はE
be
iφと表され得る。
【0080】
第2の偏光子42(受光器ユニット8内の)の偏光軸43は、「a」軸(この軸はで説明されたようにビーム源6内の成分によって定義される)に対して、角度θに方向付けられる。受光器ユニット8が(内部の第2の偏光子42と共に)回転するのにつれて変化するのは角度θであり、最終的に測定されることになるものは角度θ(またはθに依存する少なくとも何らかの量)である。以下でより詳しく理解されるように、ロールドリフトに部分的に寄与するのは、位相シフトφである。
【0081】
第2の偏光子42を通過する光の振幅は、第2の偏光子42の偏光軸43に投影された(図3に示されるように)、主およびより小さな成分の和となる。
E=E
acosθ+E
be
iφsinθ (1)
強度(すなわち受光器検出器46が実際に検知するもの)は:
I=EE
* (ただし、E
*はEの複素共役) (2)
=(E
acosθ+E
be
iφsinθ)(E
acosθ+E
be
-iφsinθ) (3)
=E
a2cos
2θ+E
b2sin
2θ+E
acosθE
bsinθ(e
iφ+e
-iφ) (4)
=E
a2cos
2θ+E
b2sin
2θ+(2E
acosθE
bsinθ)cosφ (5)
以下の式
I
a=E
a2 (6)
I
b=E
b2 (7)
f(θ,φ)=(2E
acosθE
bsinθ)cosφ=(E
aE
bsin2θ)cosφ (8)
を式(5)に代入することによって簡単化が行われることができ、次を与える。
I=I
acos
2θ+I
bsin
2θ+f(θ,φ) (9)
また以下のように、I
aおよびI
bを互いに関係付けることが可能であり、
I
b=α
1I
1 (10)
I
a=(1−α
1)I
1 (11)
ただしI
1は、第2の偏光子42を通過する前の、ビーム源6から出現する受光器光ビーム108の第1の部分(すなわち第1のソース20に由来する)の全体の強度であり、α
1は、第1のソース20に対する2つの成分の間の小さな漏洩の大きさを特性付ける。
【0082】
式(10)および(11)を式(9)に代入し、第1のソース20にそれが固有であることを示すためにf(θ,φ)をf
1(θ,φ
1)で置き換えて、ビーム源6から出現する受光器光ビーム108の第1の部分の強度の変化I
1(θ,φ
1)に対して以下の式が得られる。
【0086】
ビーム源6から出現する受光器光ビーム108の第2の部分(第2のソース22に由来する)の強度の変化I
2(θ,φ
2)に対する同等な式が、全く同等な方法で導き出され得る。
【0087】
第2のソース22に対しては、主成分は図3の「b」軸に整列し、E
bはE
aより大きいので、の式(10)および(11)は以下のようになる。
I
a=α
2I
2 (17)
I
b=(1−α
2)I
2 (18)
【0088】
式(17)および(18)を式(9)に代入し、第2のソース22にそれが固有であることを示すためにf(θ,φ)をf
2(θ,φ
2)で置き換えて、強度の変化I
2(θ,φ
2)に対して以下の式が得られる。
【0092】
では、第2のソース22の主偏光成分は図3の「b」軸に沿って整列し、従って第1のソース20の主偏光成分(これは図3の「a」軸に沿って整列する)と直交することが述べられたが、これは説明および図解を容易にするためであり、必ずしも実際にそうである必要はない。第2のソース22の偏光がどのようなものであれ、それは依然として「a」および「b」軸(これらは上述のように単なる分離軸に過ぎない)に沿って分解または分離されるそれぞれの成分を有するようになるので、の理論は依然として当てはまる。
【0093】
図2を参照して上述されたように、および特許文献2でより詳しく説明されているように、受光器検出器46からの信号に基づいて、プロセッサ48(これは特許文献2ではロール決定部と呼ばれる)は、受光器光ビーム108の第1の部分の検出強度と、受光器光ビーム108の第2の部分の検出強度の差を計算する。
【0094】
これは式(16)から式(23)を差し引いたものに等しく、ロール信号Sに対する以下の式を与え、これはプロセッサ48によって決定される信号である。
【0096】
この方法によって差を取り出すことの利点は、I
1に影響を及ぼし得るいずれの因子(温度など)も、実質的に同じようにI
2に影響を及ぼし、それにより2つの差は実質的それらの影響を実質的に打ち消すようになることであり、この点において、差を形成することによって、式(16)からのI
1は、式(24)では(I
1−I
2)に置き換えられている。それが望ましくなくても単一のソースを用いて、このような差を取り出すことなく、すなわち式(16)のみに基づいてロール信号を導き出すことが可能であることが認識されるであろう。
【0099】
を式(24)に挿入することによってわずかに簡略化され、次を与える。
S=(I
1−I
2)+f(θ,φ
1,φ
2)+(I
1+I
2−2α
1I
1−2α
2I
2)cos2θ (26)
【0100】
の式(26)のロール信号Sは、3つの寄与から構成されるものと見なされることができ、
S=Z+P+R (27)
ただし、
【0102】
の式(28)から分かるように、「ゼロ点」項は、受光器ユニット8における偏光子42の直前での、受光器光ビーム108の第1および第2の部分(2つの光源20、22にそれぞれ由来する)の強度の差による。
【0103】
の式(29)から分かるように「位相シフト」項は、実際には、ビーム源6から放出された受光器光ビーム108の第1および第2の部分の偏光は、一般に楕円形状であり、φ
1およびφ
2の関数であるという事実による。上述のようにこれは、ビーム源6内の偏光保持光ファイバ29および他の光学素子によって導入される位相シフトによる。
【0104】
の式(30)から分かるように、少なくともθが45°のときは「ロール」項は、ビーム源6内の何らかの固定のドリフトしない基準(すなわちで定義された軸「a」)に対する、受光器ユニット8のロールθに概略で比例する。これは、θが45°のときは、cos2θは1次までその線形領域にあるからである。これを実証するためにロールの初期値θ
0からの変化Δθを考えると、それにより式(30)は以下になる。
R=(I
1+I
2−2α
1I
1−2α
2I
2)cos(2θ
0+2Δθ) (30−a)
コサインを1次まで展開して以下を与える。
R=(I
1+I
2−2α
1I
1−2α
2I
2)[cos2θ
0+2Δθsin2θ
0] (30−b)
【0105】
式(30−b)から分かるように、θ
0が45°のときは、オフセットcos2θ
0はゼロ、スケールsin2θ
0は1であり、「ロール」項Rはロールにおける変化Δθに概略で比例する。電子的ロール信号と現実の物理的ロール信号の間の比例係数は、ロールスケールと呼ばれる。の式(30−b)から分かるように、ロールスケールは(I
1+I
2−2α
1I
1−2α
2I
2)に比例する。
【0106】
しかしθ
0が45°ではない場合であっても、オフセット項(I
1+I
2−2α
1I
1−2α
2I
2)[cos2θ
0]が許容されるよりも大きくドリフトしないという条件で、ロールの変化は依然として測定され得ることが認識されるであろう。実際にはそれは、(I
1+I
2−2α
1I
1−2α
2I
2)に比例するロールスケールにおけるドリフトのために、45°に非常に近いことが好ましい。また、より高次まで展開し較正することによって、測定の範囲を拡大できることに留意されたい。典型的には、に示される1次までの展開は、少なくとも±1000μradのロール変化Δθまでで十分となり得るが、精度要求はアプリケーションごとに変わることになるので、本発明の限定を意味するものではない。
【0107】
本出願人は、「ゼロ点」項(28)および「位相シフト」項(29)が、回転検出装置におけるドリフトの主な発生源であることを特定した。ロールスケールはドリフトする場合があるが、これは許容され得るスケール誤差を生じるようになるのでそれほど問題にならず、なぜならこれは測定されるものと同程度のものではなく、測定されるもの(その小さなパーセンテージ)に比例するようになるからである。
【0108】
これらのドリフトに対処するために、特許文献2の回転検出装置に対して2つの主な変更が提案される。
【0109】
第1の変更は、「位相シフト」項(29)によって引き起こされるドリフトに対処することを目的とする。
【0110】
式(8)に戻ると「位相シフト」項(29)は、最終的にcosφの関数であることが分かり、ただしφは、図3に示される2つの直交する偏光成分の間の位相差である(およびこれはソースの間で異なり得る)。これは基本的に干渉項であり、楕円偏光光の2つの位相が異なる直交成分の間の干渉の結果として生じる。
【0111】
本出願人はこの干渉項は、2つの直交成分が互いにコヒーレントまたは少なくとも部分的にコヒーレントであり、それによりφが一定となるまたはわずかに変化するときにのみ問題になることを認識した。2つの成分の間にコヒーレンスがないときは、φはある範囲の値をとり、これらの値にわたる干渉項の加重平均はゼロとなる、無視できるほど小さくなる、または低減される。
【0112】
従って本発明の一2つの直交する偏光成分の間のコヒーレンスを除去するという目的で「デコヒーリング」または「スクランブリング」素子を導入する(またはコヒーレンスが完全に除去されず低減されるだけの場合でもかなりの利点が得られるので、少なくともコヒーレンスを低減するために)。
【0113】
デコヒーリング素子は、位相項がゼロとなる(または少なくとも低減される)ことを確実にするだけでなく、ロールがそれに対して測定される機械的基準をもたらすという利点を有する。それがない場合は、図3の軸「a」および「b」の方位は、明確に定義されない(安定でなくおよび/または固定されない)。
【0114】
第2の変更は、「ゼロ点」項(28)によって引き起こされるドリフトに対処することを目的とする。この変更は、第1の変更との組み合わせで、または第1の変更とは無関係に用いられ得る。
【0115】
前のようにθの角度での第2の偏光子42(受光器ユニット8内の)の偏光軸43によって決定される、第1のロール信号S
Aを考えると、S
Aは式(26)によって以下のように与えられ、
S
A=(I
1−I
2)+P
A+(I
1+I
2−2α
1I
1−2α
2I
2)cos2θ (31)
ただしP
Aは、式(27)および(29)で用いられた位相シフト項に対する省略形である。
【0116】
次に第2のロール信号S
Bを考えると、これは第2の偏光子42(受光器ユニット8内の)の偏光軸43がθから90°回転されたときに生成され、従って式(31)におけるθはθ+π/2となり、
S
B=(I
1−I
2)−P
B+(I
1+I
2−2α
1I
1−2α
2I
2)cos(2θ+π) (32)
=(I
1−I
2)−P
B−(I
1+I
2−2α
1I
1−2α
2I
2)cos(2θ) (33)
主な変更点は、「ロール」項の符号を正から負に切り換えることであることが分かる。位相項P
Bの符号も切り換ったことが示され、なぜならそれは、sin2θ項をその中に含む式(8)から最終的に導き出され、sin(2θ+π)=−sin(2θ+π)となるからである。
【0117】
従って第1のロール信号S
Aから第2のロール信号S
Bを導き出すために導入される変更点は、
S
A=Z+P
A+R (34)
から、下記とすることである。
S
B=Z−P
B−R (35)
【0118】
次に、式(34)からのS
Aと、式(35)からのS
Bとの差を形成することによって、下記を与える。
S
A−S
B=(P
A+P
B)+2R (36)
【0119】
差すなわち式(31)からのS
Aと、式(33)からのS
Bとの差に対する、より完全な式は、
S
A−S
B=(P
A+P
B)+2(I
1+I
2−2α
1I
1−2α
2I
2)cos2θ (37)
従って、「ゼロ点」項Zが除去されている。これはゼロ点項(Z)はS
AおよびS
Bの両方に共通であるが、ロール信号(R)は差動となるからである。従って信号S
AおよびS
Bを減算することによって、ゼロ点ドリフトを有しないロール信号が得られる。しかし、ロールスケール(cos2θの前の項)は、消光比および強度における変化により、依然としてわずかに変化するようになることに留意されたい。
【0120】
次に第2の変更が、第1の変更と組み合わせて用いられる場合を考える。第1の変更の実施は、式(37)から「位相シフト」項P
AおよびP
Bの両方を除去する効果をもつようになり、次式を与える。
S
A−S
B=2(I
1+I
2−2α
1I
1−2α
2I
2)cos2θ (38)
【0121】
従って「ロール」項だけを残して、「ゼロ点」項および「位相シフト」項の両方が除去された。
【0122】
式(31)から出発して、第2の変更に関してに示された分析は、式(26)すなわち2つのソース20、22によるものに基づいた。同様な分析は、式(16)すなわち単一のソースに基づくものから出発しても、当てはまることが認識されるであろう。式(24)に続いてで述べられたのと同じ理由により、2つのソースを用いることが好ましい。
【0123】
式(31)から出発して同様な分析が行われることができ、そこでは第2のロール信号S
Bは、第2の偏光子42(受光器ユニット8内の)の偏光軸43のθから90°以外の角度の回転に基づいて導き出されることが認識されるであろう。式(31)は以下のように繰り返される。
S
A=(I
1−I
2)+P
A+(I
1+I
2−2α
1I
1−2α
2I
2)cos2θ (31)
【0124】
次に第2のロール信号S
Bを考えると、これは第2の偏光子42(受光器ユニット8内の)の偏光軸43が、θから2γだけ回転されたときに生成され、それにより式(31)内のθはθ+2γとなり、
S
B=(I
1−I
2)+P
B+(I
1+I
2−2α
1I
1−2α
2I
2)cos(2θ+4γ) (39)
次に、−γ(これは2つの偏光子軸の二等分線である)からの小さな角度変位Δθを測定する場合は、θをΔθ−γで置き換えて、
S
A=(I
1−I
2)+P
A+(I
1+I
2−2α
1I
1−2α
2I
2)cos(2Δθ−2γ) (40)
S
B=(I
1−I
2)+P
B+(I
1+I
2−2α
1I
1−2α
2I
2)cos(2Δθ+2γ) (41)
Δθにおいて1次まで展開して、以下を得る。
cos(2Δθ−2γ)=cos(−2γ)−(2Δθ)sin(−2γ)
=cos(2γ)+(2Δθ)sin(2γ) (42)
cos(2Δθ+2γ)=cos(2γ)−(2Δθ)sin(2γ) (43)
従って以下を得る。
S
A=Z+P
A+R (44)
S
B=Z−P
B−R (45)
ただし、
Z=(I
1−I
2)+(I
1+I
2−2α
1I
1−2α
2I
2)cos(2γ) (46)
および
【0125】
R=2(I
1+I
2−2α
1I
1−2α
2I
2)sin(2γ)Δθ (47)
第2の偏光子42(受光器ユニット8内の)の偏光軸43をθから90°でない角度だけ回転させることにおける唯一の現実の変化は、因子sin(2γ)による低減された感度であることが分かる。また最大信号感度(最大ロールスケール)は、2γ=π/2に対して得られることが分かる。また測定の範囲をより高次まで拡大し、ロール信号を較正することもでき、実際、これを見出す別の方法は以下に注目することによる。
cos(2Δθ−2γ)−cos(2Δθ+2γ)=−2sin(−2γ)sin(2Δθ) (48)
従って差は厳密に以下によって得られる。
S
A−S
B=P
A−P
B+2(I
1+I
2−2α
1I
1−2α
2I
2)sin(2γ)sin(2Δθ) (49)
【0126】
第2の偏光子42(受光器ユニット8内の)を実効的に90°回転させることによって、第1の信号S
Aから減算される第2の信号S
Bを導き出す第2の変更は、少なくとも以下の2つの方法で実施され得る。
【0127】
第2の変更の実施に対する2つの異なる手法は、式(33)に関連して上述されたように、第2の信号S
Bを導き出すための第2の偏光子42の偏光軸43の90°の回転は、実際は、相対回転であり、これは偏光子の偏光軸と偏光光の偏光方向との間に相対回転をもたらすように、ビーム源6内に適切な構成を有することによる(第1の手法)、または偏光子の偏光軸と偏光光の偏光方向との間に相対回転をもたらすように、受光器ユニット8内に適切な構成を有することによる(第2の手法)のいずれかで達成され得るという認識に基づく。
【0128】
第2の変更の実施に対する第1の手法は、従って両方の光源20、22の偏光を90°だけ交互に回転させるビーム源6内の構成を有して、特許文献2(2つの光源20、22からの信号の差を決定する)に従って、受光器ユニット8内に単一の検出器ユニット44を有することになる。次いで受光器ユニット8内の処理電子回路は、単一の検出器ユニット44からの交互の差分の読みの差を形成することになる。
【0129】
第2の変更の実施に対する第2の手法は、従って(例えば)受光器ユニット8内の偏光ビームスプリッタ、およびビームスプリッタの2つのそれぞれの出力ポートに2つのこのような検出器ユニット44を有することになる(特許文献2に従って各検出器ユニット44は、2つの光源20、22からの信号の差を決定する)。2つの検出器ユニット44はそれによってそれぞれ、2つの偏光軸方位θおよび(θ+90°)に関係する2つのロール信号をもたらし、受光器ユニット8内の処理電子回路は、2つの検出器ユニット44からのロール信号の差を形成する。
【0130】
図4は、第2の変更の実施に対する上述の第2の手法に基づく本発明を実施する回転検出装置2の概略図であり、これはまた上述の第1の変更を組み込んでいる。第1および第2の変更に関係する差異は別として、その他の点では図4の装置は、図2を参照して上述されたものと大部分は同じであり、ここでは前の方式と異なる装置の態様のみの説明がなされる。
【0131】
図4の回転検出装置2によって、受光器ユニット8は、第1および第2の検出器ユニット44A、44Bを備え、各検出器ユニット44A、44Bは、概して図2の検出器ユニット44に対応する。従って第1の検出器ユニット44Aは、第1の受光器検出器46Aおよび第1のプロセッサ48Aを備え、第2の検出器ユニット44Bは、第2の受光器検出器46Bおよび第2のプロセッサ48Bを備える。第3のプロセッサ48Cが設けられ、これは第1および第2のプロセッサ48A、48Bからそれぞれの信号を受け取り、通信リンク82を通してコンピュータ80に信号を出力するように構成される。
【0132】
上述の第2の変更を実施するために、図2の第2の(受光器)偏光子42の代わりに、図4ではウォラストン偏光子(またはプリズム)41が設けられる。ウォラストン偏光子41は、受光器光ビーム108を、直交する偏光を有する第1および第2の受光器ビーム108Aおよび108Bに分割するように適合される。第1の受光器ビーム108Aは第1の受光器検出器46Aに向けられ、第2の受光器ビーム1108Bは第2の受光器検出器46Bに向けられる。
【0133】
ウォラストン偏光子41は図5に、より詳しく示される。ウォラストン偏光子41は、一緒に接合された、直交する結晶軸を有する2つの三角形の方解石プリズムを備えた、複屈折偏光子である。内部接合面では、非偏光ビームは2つの直線偏光した光線に分離し、これらは通常は、15°と45°の間の発散角において偏光子41を出る(図4では単に簡単にするために、この発散角は90°であるように示されることに留意されたい)。
【0134】
ウォラストン偏光子41は、実効的に1つで2つの偏光子として働き、従って実効的に、θ°の角度に第1の偏光軸43Aを有する第1の偏光子42Aと、(θ+90)°の角度に第2の偏光軸43Bを有する第2の偏光子42Bとの両方をもたらすことができる。ウォラストン偏光子41に入射する受光器光ビーム108の偏光は、第1の偏光軸43Aに沿って分離されて第1の受光器ビーム108Aを生成し、同時に第2の偏光軸43Bに沿って分離されて第2の受光器ビーム108Bを生成する。
【0135】
それによってウォラストン偏光子41は、上述の第2の変更を可能にする構成、すなわち偏光子41の偏光軸と偏光光の偏光方向との間の第1および第2の異なる相対方位をもたらすための構成をもたらし、それによってそれに対応して第1および第2の受光器検出器46A、46Bから第1および第2の異なる出力信号をもたらす。
【0136】
第3のプロセッサ48Cは、第1および第2の受光器検出器46A、46Bから(第1および第2のプロセッサ46A、48Bを通じて)、第1および第2の出力信号の差に基づいて、ビーム源6からのデコヒーリングされたビームに対するウォラストン偏光子41の回転を検出するように動作可能である。次にプロセッサ48A、48B、48Cによって行われる信号処理が、より詳しく述べられる。
【0137】
図4に示される構成によって、第1および第2のプロセッサ48A、48Bは、それぞれ第1および第2の検出器ユニット44A、44Bの一部として設けられ、特許文献2で述べられている以前の方式と同じように動作する。すなわち最初に第1および第2のビーム部分の強度の差(第1および第2のソース20、22に由来する)が、第1および第2のプロセッサ48A、48Bによって形成される(それぞれ、偏光子41の偏光軸と、偏光光の偏光方向との間の、2つの異なる相対方位に対応する)。次いで第1および第2のプロセッサ48A、48Bからの2つの信号の差が、第3のプロセッサ48Cによって形成される。
【0138】
信号処理方式は、図6Aに概略的に示される。2つのブランチAおよびBが示され、それぞれ第1および第2の受光器ビーム108Aおよび108Bを生成する、図5に示される偏光軸43A、43Bの第1および第2の異なる方位に対応する。
【0139】
第1の受光器検出器46Aは、ブランチAにおいて、それに入射する第1の受光器ビーム108A内に位置する。第1の受光器検出器46Aは図6Aで、2つの部分1および2を有するように概略的に示され、これらはそれぞれ第1の受光器ビーム108A内の第1および第2のビーム部分(第1および第2のソース20、22に由来する)に対応し、これら2つのビーム部分は時間的に互いに間隔が置かれ、第1の受光器検出器46Aによって交互に受信される。第1の受光器検出器46Aは、第1の受光器ビーム108Aの第1のビーム部分からそれに入射する光の強度に応じて第1の信号A1を、および第1の受光器ビーム108Aの第2のビーム部分からそれに入射する光の強度に応じて第2の信号A2を出力する。
【0140】
同様に、第2の受光器検出器46Bは、ブランチBにおいて、それに入射する第2の受光器ビーム108B内に位置する。やはり第2の受光器検出器46Bは図6Aで、2つの部分1および2を有するように概略的に示され、これらはそれぞれ第2の受光器ビーム108B内の第1および第2のビーム部分(第1および第2のソース20、22に由来する)に対応し、これら2つのビーム部分は時間的に互いに間隔が置かれ、第2の受光器検出器46Bによって交互に受信される。第2の受光器検出器46Bは、第2の受光器ビーム108Bの第1のビーム部分からそれに入射する光の強度に応じて第3の信号B1を、および第2の受光器ビーム108Bの第2のビーム部分からそれに入射する光の強度に応じて第4の信号B2を出力する。
【0141】
第1のプロセッサ48Aは、第1の受光器検出器46Aから第1および第2の信号A1、A2を受信し、(A1−A2)として示されるそれらの信号の差に応じた信号を決定および出力するように構成される。第1のプロセッサ48Aからの出力信号は、第2のブランチAに対しての式(26)に対応する。
【0142】
同様に、第2のプロセッサ48Bは、第2の受光器検出器46Bから第3および第4の信号B1、B2を受信し、(B1−B2)として示されるそれらの信号の差に応じた信号を決定および出力するように構成される。第2のプロセッサ48Bからの出力信号は、第2のブランチBに対しての式(26)に対応する。
【0143】
第3のプロセッサ48Cは、第1および第2のプロセッサ48A、48Bから出力信号を受信し、(A1−A2)−(B1−B2)として示されるそれらの信号の差に応じた信号を決定および出力するように構成される。
【0144】
第3のプロセッサ48Cからの出力信号は、前のようにコンピュータ80に供給される。第3のプロセッサ48Cからの出力信号は、の式(38)に対応する。
【0145】
第1および第2の受光器検出器46A、46Bでの電子的利得におけるわずかな差、およびウォラストン偏光子41(第1および第2のブランチA、Bのためのビーム108Aおよび108Bを生成するための)を通る2つのビームの透過における差のために、第3のプロセッサ48Cによって差分演算する前に、2つの信号を適切にスケーリングすることが望ましいことに留意されたい。スケーリングは、図6Aに示される可変利得段47Aおよび47Bによって行われる(これらは図4にも存在し得るが、簡単にするためにそこには示されていない)。スケールファクタは、ソース20、22の1つの強度をわずかに変化させることによって、オンラインで決定され得る。「ゼロ点」項(これはソース20、22の1つの強度を変化させることによって変化される)の任意の値に対する、2つの差信号の間の関係は線形であり、その傾斜が所望のスケールファクタである。
【0146】
図6Aのものに対する代替の信号処理方式が図6Bに示される。図示のように第2の信号A2は、第1のプロセッサ48Aの第2の入力ではなく、第2のプロセッサ48Bの第1の入力に供給され、第3の信号B1は、第2のプロセッサ48Bの第1の入力ではなく、第1のプロセッサ48Aの第2の入力に供給される。
【0147】
この再構成により、もはや第1のプロセッサ48Aは専ら第1の受光器検出器46Aに関連付けられるということはなく、従ってもはや論理的に第1の検出器ユニット44Aの一部ではなく、代わりにそれは第1の検出器ユニット44Aとは別々であると見なされ得る。同様にもはや第2のプロセッサ48Bは専ら第2の受光器検出器46Bに関連付けられるということはなく、従ってもはや論理的に第2の検出器ユニット44Bの一部ではなく、代わりにそれは第1の検出器ユニット44Bとは別々であると見なされ得る。
【0148】
の再構成は結果として、第1のプロセッサ48Aから出力される(A1−B1)に関係する信号(これは2つの検出器46Aおよび46Bによって測定された第1のビーム部分の強度の差に関係する)と、第2のプロセッサ48Bから出力される(A2−B2)に関係する信号(これは2つの検出器46Aおよび46Bによって測定された第2のビーム部分の強度の差に関係する)とを生じる。
【0149】
第3のプロセッサからの出力は、(A1−B1)−(A2−B2)に関係し、これはもちろん図6Aの第1の信号処理方式からの出力と全く同じである。
【0150】
やはり第1および第2の受光器検出器46A、46Bでの電子的利得におけるわずかな差、およびウォラストン偏光子41を通る2つのビームの透過における差のために、2つの検出器46A、46Bからの信号A1/A2およびB1/B2は、それぞれ(または少なくとも1つ)は、プロセッサ48A、48Bに供給される前に、可変利得段47A、47Bに供給されることが好ましい。やはり前述されたものと同じ理由により、可変利得段は、第1の信号処理方式において述べられたものと同様な方法で、2つの受光器検出器46A、46Bを差分演算する前に、正しいスケールファクタを生成するために適切に調整されることが好ましい。
【0151】
次に図6Bの信号処理方式において、可変利得の少なくとも1つを適切に調整するためにオンラインで行われ得る手順が、より詳しく述べられる。
【0152】
位相項が無視できると仮定すると、2つの検出器からの電子信号は次式によって与えられる。
S
A=G
A(Z+R) (50)
S
B=G
B(Z−R) (51)
ただしG
AおよびG
Bは、ウォラストン偏光子41の透過、固定の電子的利得、および段48Aおよび48Bからの調整可能な利得を含む、結果としての利得である。次いで差信号は次式で与えられる。
S
A−S
B=(G
A−G
B)Z+(G
A+G
B)R (52)
【0153】
目的は、利得G
AおよびG
Bの一方または両方を変更して、右辺のZ項をできるだけ小さく、すなわち(G
A−G
B)をできるだけゼロに近づけることである。以下を含むいくつかの方法で行うことができる。
【0154】
(1)ロール項は一定であるがゼロ点項は変化するように、ソース20、22の電力を変化させることによって、利得の少なくとも1つに作用して差信号の変化を低減するまたは無視できるようにすることができる。これは、の目的を達成し、もはやドリフトは顕著でなくなることを確実にするように、利得が適切に設定されることを確実にすることになる。
【0155】
(2)ロール項ができるだけ小さくなることを機械的に確実にすることによって、ソース20、22の少なくとも1つの電力を変化させ、および利得に作用して差の変化を低減するまたは無視できるようにすることができる。
【0156】
またこの方式は、以下のやり方で、前の方式と同等とされ得ることに留意されたい。
【0157】
差信号S
A−S
Bが、利得G
Bの固定値での利得G
Aの2つの値に対して、および利得G
Aの固定値での利得G
Bの2つの値に対して測定された場合は、以下の4つの信号が得られる。
S
1=S
A1−S
B=G
A1(Z+R)−G
B(Z−R) (53)
S
2=S
A2−S
B=G
A2(Z+R)−G
B(Z−R) (54)
S
3=S
A−S
B1=G
A(Z+R)−G
B1(Z−R) (55)
S
4=S
A−S
B2=G
A(Z+R)−G
B2(Z−R) (56)
これらから、以下の2つの信号を得ることができ、
S
1−S
2=(G
A1−G
A2)(Z+R) (57)
S
3−S
4=(G
B2−G
A1)(Z−R) (58)
これらは信号S
AおよびS
Bに比例する。このようにして、この方式は本明細書において示された前の方式に帰着し、前に述べられたのと同じ方法が適用され得る。利得G
A1またはG
A2の1つがゼロである場合は、差信号はS
Aに直接比例することに留意されたい。これはまた検出器Bに対して当てはまる。
【0158】
第1、第2、および第3のプロセッサ48A、48B、48Cは、別々の機能ユニットとして示されるが、それらは単一の機能処理ユニットと見なされることができ、さらには第1の方式または第2の方式において、単一の処理ユニットに物理的に組み合わされ得る。また上述のプロセッサ48A、48B、48Cの1または複数によって行われる処理は、ソフトウェアまたはハードウェアにおいて行われ得ることが認識されるであろう。プロセッサは差分増幅器として実装され得る。同様に可変利得段47A、47Bは、ハードウェアまたはソフトウェアにおいて実施されることができ、別々におよび図6Aおよび6Bに示されるように配置されるのではなく、それらはプロセッサ48A、48B、48Cの1または複数によって行われる処理に組み込まれ得ることが認識されるであろう。
【0159】
図6Bの信号処理方式は、図6Aの信号処理方式より簡単であり、実装するのに電力およびスペース効率がより良い。ハードウェアにおいて実装された場合は、2つのソースの差を測定する電子回路は、通常は電力消費の点で比較的要求が厳しく、図6Bの信号処理方式は、図6Aの信号処理方式でのように2組ではなく(プロセッサ48Aおよび48Bにおいて)、それらの単一の組を使用する(プロセッサ48Cにおいて)。プロセッサがプログラム命令上で働く汎用プロセッサである場合は、第2の方式の上述の利点は、第1の方式に比べて適用性が低くなる。
【0160】
ではウォラストン偏光子41が述べられたが、ロションまたはセナルモンプリズム、薄膜偏光ビームスプリッタまたは任意の他のものなど、他のタイプの同様な偏光ビームスプリッタが代わりに用いられ得る。
【0161】
さらにウォラストン偏光子41は単に、偏光子の偏光軸と偏光光の偏光方向との間の第1および第2の異なる相対方位をもたらし、それによってそれに対応して検出器から第1および第2の異なる出力信号をもたらすための構成の一例として示されたことが認識されるであろう(この例では検出器は2つの別々の検出器46A、46Bを備えるが、これは他の実装形態においてそうである必要はない)。
【0162】
例えば第1および第2の異なる相対方位をもたらすための構成は、そうではなく(前述のように)、ウォラストン(または同様な)偏光子41の代わりに通常の偏光子42(図2を参照して述べられたものなど)によって、第1および第2のソース20、21の偏光を回転するためにビーム源6内に構成を設けることによって実施され得る。このような場合は、単一の物理的検出器46が必要になるだけであり、これは2つの異なる偏光方位に関係する信号を、同時ではなく異なるそれぞれの時間においてもたらすようになる。
【0163】
上述の第1の変更を実施するために、「デコヒーリング」構成が設けられ(例えばビーム源6内に)、これは本発明の一実施形態との関連において、偏光光の主および副(第1および第2の独立した)偏光成分の間のコヒーレンスを除去または少なくとも低減することによって、「デコヒーリングされた」(または処理された)偏光ビームを生成することを目的とした構成である。図4の構成では受光器光ビーム108は、デコヒーリングされた偏光ビームと見なされ得る。
【0164】
デコヒーリング構成は多くの形をとることができるが、図4に示される実施形態では、複屈折結晶39の形でのデコヒーリング構成(本明細書ではまたより一般的にデコヒーリング素子39と呼ばれる)が、ビーム源6からそれが出現する前の受光器光ビーム108の光路における最後の光学素子として導入される。デコヒーリング素子39は、ビーム源6からそれが出現する前の受光器光ビーム108の光路における最後の光学素子である必要はないが、それは少なくとも上述の非理想的挙動の主な発生源の後に配置されることが好ましいことが認識されるであろう。言い換えれば、デコヒーリングされた偏光ビームの経路内、すなわちデコヒーリング素子39と偏光子(第2の変更が実施される場合はウォラストン偏光子41、そうでない場合は第2の標準の偏光子42)との間に配置されたいずれの光学構成要素も、実質的なドリフトを導入しないことが好ましい。
【0165】
複屈折結晶は、それに沿った屈折率が、他の2つの直交する軸のそれとは異なる特定の軸(光軸または結晶軸と呼ばれる)を有する。従って結晶軸の方向における直線偏光光は、それが結晶内部を伝搬するときに、結晶軸に直交する方向における直線偏光光とは異なる経路長を経験する。従って結晶の内部を伝搬する一般的偏光光に対しては、結晶軸および結晶軸と直角の方向に沿った直交成分は、位相シフトを経験するようになる。ソースのコヒーレンス長よりずっと大きな経路長差を生成するように、伝搬距離が十分長い(すなわち結晶が十分厚い)場合は、で説明されたように位相項はゼロに平均化するようになる。コヒーレンス長を低減するために、第1および第2のソース20、22のそれぞれのために、広帯域光源が用いられ得る。結晶の軸は、偏光保持光ファイバ30の軸と概略整列され(従って2つのソース20、22と概略整列される)、それらはロールがそれに対して測定され得る機械的基準をもたらす。
【0166】
干渉項の除去または少なくとも低減のための、デコヒーリング構成の他の実装形態が可能である。干渉項の前の説明から明らかになるように、デコヒーリング構成の概念は、干渉法のコヒーレンスの概念と非常に似ており、ビームが2つの経路(例えば干渉計の2つのアーム)に分割され、次いで再結合される場合は、光路長の差がソースのコヒーレンス長未満であるという条件で、干渉縞が観測されるようになる。目標がこれらの干渉縞を除去することである場合は、これは以下を含むいくつかの方法で行われ得る。
【0167】
1.スペクトル領域:ソースのコヒーレンス長はそのスペクトル帯域幅に反比例し、従って高輝度発光ダイオード(SLED)などの広帯域源が用いられた場合は、それは2つの経路の光路差よりずっと小さいコヒーレンス長を生じ、干渉縞は観測されなくなる。狭帯域源も用いられることができ、その波長は十分高速に(すなわち観測時間より高速に)、および必要な広帯域源と同様な帯域幅にわたって、変調される。
【0168】
2.時間領域:狭帯域源が用いられるが、その代わりに干渉計のアームの1つにおける経路長が十分高速に変調される場合は、干渉は不鮮明になり、これは所望の効果を生じることになる。
【0169】
3.空間領域:干渉計の1つのアームに、ビーム幅の異なる点において異なる経路長を生成する空間光変調器が挿入された場合は、ビーム幅にわたる干渉の平均はゼロとなる。または言い換えれば、ソースの空間的コヒーレンスは低減され得る。
【0170】
デコヒーリング構成としての使用に適したすべてのこれらの方法は、干渉項の除去を達成するためのより広範な方法に包含され、2つの経路の間の位相シフトはいくつかのパラメータに依存し、このパラメータの値にわたって平均された干渉項はゼロとなる。
【0171】
ロール測定における位相項に対する類似は次の通りであり、楕円偏光はそれらの間に一定の位相シフトを有して振動する2つの直交成分によって記述され、位相シフトがゼロまたはπである場合は偏光は直線であるが、他の位相値に対しては偏光は一般に楕円となる。次いでこの偏光が、2つの直交する方向の間にその方向をもつ偏光子に通過されたときは、2つの直交成分の間の位相シフトに関係する干渉項が存在する。言い換えれば、2つの直交成分は2つの干渉するビームと類似であり、それらの間の位相シフトは経路長差と類似である。従って同様の技法がこの干渉項を除去するために用いられることができ、すべて本明細書で用いられる用語「デコヒーリング構成」に包含される。
【0172】
特にデコヒーリング構成は、複屈折結晶39の形であるとして図4を参照して上述された。しかしデコヒーリング構成は、より一般に結晶の形における以外の複屈折材料を備え得ることが認識されるであろう。例えば複屈折材料を備えた光ファイバは、デコヒーリング構成として働くことができる。
【0173】
特許文献2のシステムと比べた他の変更は、制御偏光子34が不要なことである。それは保持され得るが、それはデコヒーリング素子39が実装されたときは冗長と見なされることができ、なぜならデコヒーリング素子39は、制御偏光子34の代わりに機械的基準をもたらすからであり、制御偏光子34を保持することは一般に不必要なドリフトを導入するように働くことになるだけである。
【0174】
前述のように、上述の第1の変更(デコヒーリング構成を導入するための)はまた、上述の第2の変更(偏光回転を導入するための)を実施せずに、実施されることができ、逆も同様であることが認識されるであろう。第1の変更が第2の変更なしに実施される場合は、図4の受光器ユニット8は、図2の受光器ユニット8によって、受光器ユニット8内に単一の検出器ユニット44を有して実効的に置き換えられ得る。第2の変更が第1の変更なしに実施される場合は、図4のビーム源6は、図2のビーム源6によって、デコヒーリング素子39なしで実効的に置き換えられ得る。
【0175】
また上述のように、単一の偏光の光を発生する単一のソースを有する(すなわち上述の第1および第2のビーム部分を有しない)デコヒーリング構成でさえも、いくらかの利点が達成されることになり、このような構成は、式(24)ではなくの式(16)に基づくようになる。
【0176】
第1および第2の異なるそれぞれの偏光状態を有する第1および第2のビーム部分が使用される場合は、図4に示されるように2つの別々のソース20、22を有して第1および第2のビーム部分を発生するのではなく、単一の光源も用いられ得ることが述べられるべきであり、これは直交する偏光経路に分割され、これらは交互にチョッピングされ(例えば電気光学変調器またはEOMを用いて)、次いで再結合され、偏光保持光ファイバ30に結合される。
【0177】
さらに受光器検出器46、および関連するプロセッサ48は、受光器ユニット8内ではなく、ビーム源6内に配置されることができ、これは、重要になるのはビーム源6と偏光子41との間の相対回転であり、偏光子41は受光器ユニット8内に保持されるからである。(デコヒーリング素子39が実装される場合は、重要になるのはデコヒーリング素子39と偏光子41との間の相対回転であり、以下で述べられるようにデコヒーリング素子39がビーム源6内に設けられる必要はない)。受光器検出器46がビーム源6内にある代替方式は、特許文献2の図5の考察から容易に明らかになるであろう。
【0178】
また、特許文献2における図6以後に関連して述べられている他の変更形態も(特に、非限定的に、図11および12におけるピッチおよびヨーの測定に関する変更形態)、本発明の一実施形態に等しく適用可能であることが認識され、それらの変更形態は参照により本明細書に組み込まれる。受光器がピッチおよびヨーの程度を決定するように構成されたこのようなシステムのさらなる詳細は、特許文献4に開示されており、その内容全体がこの参照により本明細書に組み込まれる。
【0179】
図4を(図1と併せて)参照して上述された方式は、2つの主な構成要素すなわちビーム源6および受光器ユニット8(受光器ユニット8は、CMM4のクイル18に取り付けられる)からなり、デコヒーリング素子39はビーム源6内に配置され、ウォラストン偏光子41、検出器46A、46B、ならびに関連するプロセッサ48A、48B、および48Cは受光器ユニット8内にある。
【0180】
また図7に概略的に示されるようなやり方で、方式を実施することが可能であり、デコヒーリング素子39は、ビーム源6から、CMM4のクイル18に取り付けられた中間ユニット7内に移される。受光器ユニット8(ウォラストン偏光子41、検出器46A、46B、ならびに関連するプロセッサ48A、48B、および48Cを有する)は、中間ユニット7より先の固定された位置に配置される。中間ユニット7は、ビーム源6と受光器ユニット8の間に配置され、それによりその中のデコヒーリング素子39は、ビーム源6から放射される受光器光ビーム108の経路内にある。受光器ユニット8内のウォラストン偏光子41、検出器46A、46B、ならびに関連するプロセッサ48A、48B、および48Cは、図4を参照して上述されたように構成され動作され得る。
【0181】
従って一般に、検出器46A、46B、46に入射する光の強度の変化、およびデコヒーリングされた偏光ビームに対する偏光子の回転のプロセッサ48A、48B、48C、48による決定の基礎となる検出器46A、46B、46から出力される信号における対応する変化を結果として生じるのは、デコヒーリングされた偏光ビーム(すなわちデコヒーリング素子39によるかビーム源6内の回転手段によるかにかかわらず、デコヒーリング構成の作用の結果として生じるビーム)に対する偏光子41、42の回転である。
【0182】
図7の構成は、受光器ユニット8の素子をビーム源6内に配置することによってさらに変更されることができ、受光器光ビーム108は、中間ユニット7内の反射素子によって「折り返され」または反射され(特許文献2の図5に従って)、反射素子はデコヒーリング素子39の前または後に配置される。
【0183】
図7を参照して述べられたこれらの構成は、少数の素子だけをその中に有する受動的クイル(中間)ユニット7の利点を有する。
【0184】
図7を参照して述べられた2つの構成の第1のものは、第2のものより好ましいと考えられ、なぜなら第1の構成におけるウォラストン偏光子41および検出器46A、46B上のビームの動きは、第2の構成におけるものと比べて小さいからである。これはウォラストン偏光子41および検出器46A、46Bからの空間的変化による潜在的な問題を除去するという利点を有する。しかしこれらの変化は、実質的に同様な波長の2つのソース20、22を使用することによって大幅に低減され、2つのソース20、22からの2つのビームが完全に重なり合う場合は、これらの変化は無視できるようになる。
【0185】
では式(28)の「ゼロ点」項は、式(31)から(37)を参照して説明されたように、偏光の回転を導入することによって対処され得ることが述べられた。ゼロ点項に対処する代替の手法は、半透明検出器を利用し、これは通常の検出器のように、それに当たる光の強度に応じた信号を出力するために光のビームの経路内に配置されるが、通常の検出器とは異なり、光の少なくとも一部分がそれを通過することを可能にする。
【0186】
このような半透明検出器は、ゼロ点項を除去または少なくとも低減するための、少なくとも以下の2つの方法において用いられ得る。
【0187】
第1の実装形態では半透明検出器は、図2のビームスプリッタ32、制御偏光子34、および制御検出器36を、制御検出器として代わりに働く半透明検出器で置き換えるようになる。半透明検出器は、受光器ビーム108の経路において、それがビーム源6を出る前すなわち図2のビームスプリッタ32に位置において、ビーム源6内の最後の光学素子となることが好ましくなる。本明細書で上述されたようにデコヒーリング素子も用いられる場合は、半透明検出器が位相シフトを導入しない場合は、それはデコヒーリング素子の後に置かれることができ、デコヒーリング素子がゼロ項にドリフトを導入しない場合は、それは半透明検出器の後に置かれ得る。式(28)を参照すると、ゼロ点項は偏光子42の直前の、2つのソース20、22の(または第1および第2のソース20、22にそれぞれ由来する第1および第2のビーム部分の)強度の差であり、制御ユニット38は2つのソース20、22に由来する信号を等しくするように試みることが想起されるべきである。従って半透明検出器を用いたこのような構成は、ゼロ点項をゼロ近くに保つようになる(2つのソース20、22に対する半透明検出器の差動応答が著しくドリフトしないという条件で)。
【0188】
第2の実装形態では、ビーム源6は図2でのままとされることができ、半透明検出器は偏光子42の前に、受光器ユニット8内に設けられる。半透明検出器は、2つのソース20、22からの強度の差および和を測定するように構成されることができ、これは(2つのソース20、22に対する半透明検出器の差動応答が著しくドリフトしないという条件で)、ゼロ点項を決定するために用いられることができ、次いでこれはプロセッサ48によって検出器46からの信号から減算され得る。ゼロ点項は、強度の和と差から、和で除算された差に基づいて導き出され得る。2つの検出器の間の利得の整合は、図6Aを参照して上述されたものと類似した技法を用いて行われ得る(ソースの1つの強度を変化させ、結果としての曲線の勾配を得る)。
【0189】
本発明の一実施形態との関連において半透明検出器構成は、それ自体が半透明である検出器、または光を非透明性の検出器に向けるように構成された半透明構成要素を備えた光学装置のいずれかを備えた、光電子システムであると考えられ得る。さらに本発明の一実施形態との関連において、光電子システムは、好ましくは以下の条件のすべてを満たすべきである。
(a)2つのソースからの光(第1および第2のビーム部分)は、光電子システムの入力ポートに入射する。
(b)入射光の少なくとも一部は、光電子システムの出力ポートにおいて、システムから出て行く。
(c)システムは出力ポートにおいて、2つのソース(第1および第2のビーム部分)の強度の差の実質的に線形関数である信号をもたらす。
(d)条件(c)で言及された関数のオフセット項は、好ましくは環境条件および/またはソースの波長によって著しくドリフトするべきではない。しかしこのようなドリフトがある場合は、システムは、オフセットを測定しオフセットの影響を打ち消すためにその出力信号を調整するように適合されるべきである(例えばそれを減算することによって)。オフセット項は、強度差に依存しない関数の部分と見なされ得る(しかし動作温度などの環境因子などの他の因子には依存し得る)。
システムはまた、好ましくは以下の条件の一方または両方を満たすべきである。
(e)システムはまた、2つの強度の和に比例した信号をもたらす。
(f)出力偏光はコヒーレントでない直線成分から構成され、それらのそれぞれの方向は、入力偏光、または半透明検出器内の基準軸の、いずれかに対して固定される。しかし半透明検出器によって、2つの偏光成分の間に位相シフトが導入される場合は、この位相シフトから結果として生じる位相項は著しくドリフトするべきではない。
【0190】
の条件に鑑みて、ビームスプリッタおよび非透明性の検出器は、本発明の一実施形態との関連において、通常は「半透明検出器構成」とは見なされず、なぜならビームスプリッタは実際には通常、条件(d)を満たさないからであり、差の関数が線形である場合も、通常それはドリフトするオフセット項を有するようになる。またそれは、導入される位相項が通常はドリフトするので、条件(f)を満たさない。
【0191】
次に信号は2つのソースの強度の差の実質的に線形関数であるというの条件(c)が、より詳しく述べられる。
【0192】
式(27)から、ロール信号Sは、Z(ゼロ点項、これはI1−I2である)、位相シフト項P、および物理的ロールRからの寄与から構成され、S=Z+P+Rのようになることが分かる。
【0193】
目標はZを打ち消すことであるので、上述のように信号は半透明構成からもたらされることが望ましく、これはZの実質的に線形関数であり、この関数のオフセット項はドリフトしないかまたはドリフトして補償され、それにより信号がロール信号Sから単に減算されることによって、ゼロ点項Zを除去(または少なくともその影響を低減)することができる。
【0194】
しかし半透明検出器構成によってもたらされる信号の実質的に線形な性質は、専ら半透明検出器構成内の検出器(および密接に関連する電子回路)の実際の応答によって達成される必要はないことが認識されるであろう。半透明検出器構成のいずれかの部分の物理的応答がZの非線形関数に寄与する場合は、半透明検出器構成は、応答を実効的に線形化するさらなる処理を行うように構成されることになり、それによって、ゼロ点項の影響を除去または低減するために用いられ得るZの線形関数を抽出する。このような処理は、半透明検出器構成の一部として設けられる専用プロセッサによって行われることができ、またはロール信号を決定するためにすでに設けられているプロセッサ48によって行われ得る。従っていくつかの実施形態では、半透明検出器構成はプロセッサ48を備え、半透明検出器構成の機能は、プロセッサ48と組み合わされその機能から不可分である。関数を線形化する(必要な場合に)ようにプロセッサ48によって行われる処理は、ロール信号を決定するためにプロセッサ48によって行われる処理と組み合わされることができ、それによりそれら2つは1つとして行われる。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【国際調査報告】