(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-535669(P2016-535669A)
(43)【公表日】2016年11月17日
(54)【発明の名称】クロマトグラフィー材料の製造方法
(51)【国際特許分類】
B01J 20/30 20060101AFI20161021BHJP
G01N 30/88 20060101ALI20161021BHJP
B01J 20/26 20060101ALI20161021BHJP
B01J 20/281 20060101ALI20161021BHJP
B01D 15/26 20060101ALI20161021BHJP
C08J 3/12 20060101ALI20161021BHJP
C08F 251/00 20060101ALI20161021BHJP
【FI】
B01J20/30
G01N30/88 101N
G01N30/88 201X
B01J20/26 H
B01J20/26 L
B01D15/26
C08J3/12 ZCEP
C08F251/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-547825(P2016-547825)
(86)(22)【出願日】2014年10月9日
(85)【翻訳文提出日】2016年5月17日
(86)【国際出願番号】SE2014051194
(87)【国際公開番号】WO2015053701
(87)【国際公開日】20150416
(31)【優先権主張番号】1351198-5
(32)【優先日】2013年10月10日
(33)【優先権主張国】SE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516105833
【氏名又は名称】ジーイー・ヘルスケア・バイオプロセス・アールアンドディ・アクチボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】スーダーマン,トバイアス・イー
【テーマコード(参考)】
4D017
4F070
4G066
4J026
【Fターム(参考)】
4D017AA09
4D017BA07
4D017CA14
4D017CB01
4D017DA03
4D017DB10
4D017EA05
4F070AA01
4F070AA02
4F070AB01
4F070AB08
4F070DB10
4F070DC02
4F070DC03
4F070DC15
4G066AB03A
4G066AB05D
4G066AB21A
4G066AC01C
4G066AC14B
4G066BA09
4G066BA20
4G066CA54
4G066EA02
4G066FA03
4G066FA07
4G066FA11
4G066FA21
4G066FA38
4G066GA11
4J026AA01
4J026AA02
4J026AC22
4J026BA05
4J026BA06
4J026BA08
4J026BB01
4J026CA02
4J026DB07
4J026DB12
4J026FA03
4J026GA01
4J026GA08
(57)【要約】
本発明は、クロマトグラフィー材料の製造方法に関する。より詳細には、本発明は、逆相クロマトグラフィー(RPC)材料の製造方法であって、多孔質炭水化物粒子上に不飽和基を導入する工程及び不飽和基を含む粒子にスチレンモノマーをグラフトする工程を含む方法に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
逆相クロマトグラフィー(RPC)材料の製造方法であって、多孔質炭水化物粒子上に不飽和基を導入する工程及び不飽和基を含む粒子にスチレンモノマーをグラフトする工程を含む方法。
【請求項2】
多孔質炭水化物粒子が多糖類材料からなる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
多孔質炭水化物粒子がアガロースからなる、請求項1又は請求項2記載の方法。
【請求項4】
不飽和基がアリル基である、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
アリル化がアリルグリシジルエーテル(AGE)により実施される、請求項4記載の方法。
【請求項6】
スチレンモノマーがスチレン、tertブチルスチレン又はペンタフルオロスチレンから選択される、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
スチレンモノマーIのグラフト溶液v/vが5〜95%(v/v)、好ましくは25〜75%である、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
アリル化がAGEによるものであり、スチレンモノマーがスチレン又はtertブチルスチレンであり、グラフト溶液中に50%v/vで存在する、請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の方法で製造されたRPC材料。
【請求項10】
請求項8記載の方法で製造されたRPC材料。
【請求項11】
逆相クロマトグラフィーを実施するための請求項9又は請求項10記載のRPC材料の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロマトグラフィー材料の製造方法に関する。より詳細には、本発明は、クロマトグラフィー粒子の表面修飾による逆相クロマトグラフィー(RPC)材料の製造方法
【背景技術】
【0002】
吸着クロマトグラフィーは、溶質分子と、クロマトグラフィーマトリックスに化学的にグラフトされた、特異的にデザインされたリガンドとの間の化学的相互作用に依存する。数年にわたって、電子電荷から生体親和性にわたるさまざまな生化学的特性を利用する、多数の異なるタイプのリガンドが生体分子の精製のためにクロマトグラフィー担体に固定されてきた。生体分子の分取クロマトグラフィーに関するのためのさまざまな吸着技術に対する重要な追加は、移動相の溶質と、固定されたn−アルキル炭化水素又は芳香族リガンドとの結合が疎水性相互作用により起こる逆相クロマトグラフィーとなってきている。逆相クロマトグラフィーは生化学的分離及び精製の領域で分析及び分取の両方の応用が見出されている。ある程度の疎水性を特徴とする分子、例えばタンパク質、ペプチド及び核酸は、極めて優れた回収率及び分離能で逆相クロマトグラフィーにより分離され得る。加えて、移動相におけるイオンペアリング調整剤の使用により、荷電溶質、例えば完全に脱保護されたオリゴヌクレオチド及び親水性ペプチドの逆相クロマトグラフィーが可能になる。分取逆相クロマトグラフィーは、シーケンシングのためのタンパク質断片のマイクロ精製から組換えタンパク質製品の処理規模の精製に及ぶ応用が見出されている。
【0003】
逆相クロマトグラフィーにおける分離機構は、移動相中の溶質分子と固定された疎水性リガンド、すなわち固定相との間の疎水性結合相互作用に依存する。疎水性結合相互作用の実際の性質は、それ自体が白熱する議論の主題であるが、社会通念としては、結合相互作用が有益なエントロピー効果の結果であると想定されている。逆相クロマトグラフィーに使用される初期移動相の結合条件は主に水性であり、溶質分子と固定化リガンド両方を取り巻く高度に組織化された水構造を示す。溶質は固定化疎水性リガンドと結合するので、溶媒に曝露される疎水性領域は最小化される。したがって、組織化された水構造の程度は、対応する系のエントロピーの有利な増加により縮小される。このようにして、会合する疎水性部分、すなわち溶質及びリガンドのエネルギーの観点から有利である。
【0004】
逆相クロマトグラフィーは、実験計画による吸着過程であり、これは分離をもたらす分割機構に頼っている。溶質分子は、移動相と固定相との間で分割される(すなわち、平衡が確立される)。2つの相の間の溶質の分配は、媒体の結合特性、溶質の疎水性及び移動相の組成物に依存する。当初は、実験条件は、移動相由来の溶質の固定相への吸着に都合がよいように計画される。その後、移動相の組成物は、固定相から移動相へ戻る脱離に都合がよいように改変される。この場合、吸着は、基本的に溶質分子が固定相に100%分配されている、極度の平衡状態であると考えられる。逆に、脱離は、基本的に溶質が移動相に100%分配されている、極度の平衡状態である。
【0005】
生体分子の逆相クロマトグラフィーは、一般に定組成溶出ではなく勾配溶出を使用する。生体分子は水性条件下で逆相マトリックスの表面に強力に吸着するが、これらの生体分子は非常に狭い範囲の有機調整剤濃度でマトリックスから脱離する。特有の吸着特性を有するこれらの高分子量生体分子と併せて、通常の生体試料は通常、対応して多様な吸着親和性を有する生体分子の広範囲の混合物を含有する。したがって、複合生体試料の逆相分離のための唯一の実用的方法は勾配溶出である。
【0006】
要約すると、逆相クロマトグラフィーでの分離は、さまざまな度合いの疎水性を有する溶質分子の疎水性固定相への可逆的吸着/脱離に依存する。
【0007】
クロマトグラフィー過程の第1工程は、逆相媒体を充填したカラムを、pH、イオン強度及び極性(移動相の疎水性)の適切な初期移動相条件下で平衡化することである。移動相の極性は、アセトニトリル等の有機調製剤の添加により調節される。トリフルオロ酢酸などのイオンペアリング剤もまた適切である。初期移動相(通常、移動相Aと称される)の極性は、部分的に疎水性の溶質を溶解する程度に十分低いが、溶質と逆相クロマトグラフィーマトリックスとが確実に結合する程度に十分高くなければならない。第2の工程において、分離されるべき溶質を含有する試料が適用される。理想的には、試料はクロマトグラフィー床を平衡化するために使用される同じ移動相に溶解される。試料は最適な結合が起こる流速でカラムに適用される。ひとたび試料が適用されたら、クロマトグラフィー床は、すべての未結合及び望ましくない溶質分子を除去するために、移動相Aでさらに洗浄される。
【0008】
結合された溶質は次に、結合された溶質分子が段階的に脱離してカラムから溶出されるように移動相の極性を調整することによって、逆相媒体から脱離される。逆相クロマトグラフィーにおいて、これは通常、移動相中の有機調整剤の百分率を上げることによって、移動相の極性を低下させる工程を伴う。これは、最終移動相(移動相B)中に高濃度の有機調整剤を維持することによって達成される。概して、初期及び最終の移動相溶液のpHは同じままである。移動相の極性の漸減(移動相の疎水性の漸増)は、有機調整剤を殆ど又は全く含有しない初期移動相Aが100%から、高濃度の有機調整剤を含有する移動相Bが100%(又はそれ以下)への漸増線形勾配により達成される。結合された溶質は、これらの個別の疎水性に従って逆相媒体から脱離する。
【0009】
この過程の第4の工程は、これまでに脱離されなかった物質を除去する工程を伴う。これは一般に、カラムの再使用の前にすべての結合物質を確実に完全に除去するために、移動相Bをほぼ100%の有機調整剤に変化させることによって達成される。
【0010】
第5の工程は、移動相B100%から初期移動相条件に戻す、クロマトグラフィー媒体の再平衡化である。
【0011】
逆相クロマトグラフィーにおける分離は、試料の疎水性の違いの結果である、試料中に存在する溶質の結合特性の違いによるものである。逆相媒体に結合する溶質分子の程度は、初期移動相の疎水性を操作することによって調節可能である。溶質分子の疎水性を定量することは困難であるが、疎水性がごくわずかに変動する溶質の分離は容易に達成される。その極めて優れた分離能のため、逆相クロマトグラフィーは、複合生体分子の高性能の分離には不可欠な技術である。
【0012】
通常逆相分離は、当初は移動相A100%から移動相B100%への広範囲の勾配を使用して達成される。初期及び最終両方の移動相中の有機調整剤の量もまた、大きく変動し得る。
【0013】
しかし、有機調整剤の日常的な百分率は移動相Aにおいて5%以下であり、移動相Bにおいて95%以上である。
【0014】
逆相クロマトグラフィーの技術は、目的の溶質を結合して、混入物質を停滞せずにカラムを通過させる、又は混入物質を結合して、所望の溶質を自由に通過させるために研究者が選択可能なように、分離条件の大幅な柔軟性を可能にする。概して、脱離した溶質は濃縮状態でクロマトグラフィー媒体から溶出するので、目的の溶質を結合することはより適切である。さらに、初期移動相条件下における結合が完了すると、試料溶液中の所望の溶質の出発濃度は重要ではないので、希薄試料のカラムへの適用が可能になる。
【0015】
逆相クロマトグラフィー媒体は、多孔質の不溶性ビーズマトリックスに化学的にグラフトされた疎水性リガンドからなる。このマトリックスは化学的及び機械的の両方で安定でなければならない。市販の逆相媒体のベースマトリックスは、一般にシリカ又は合成有機ポリマー、例えばポリスチレンから構成される。
【0016】
逆相分離のための緩衝液条件を選択する場合、pHが、分離プロファイルに非常に影響を与えると思われるパラメーターの1つである。さらに標的分子の安定性も考慮しなければならない。したがって、最適なpHの選択において最大の自由をユーザーにもたらすために、広いpH域、例えばpH3〜12で使用可能な逆相クロマトグラフィー媒体の必要性が存在する。
【0017】
シリカ及びポリスチレンで作られているRPC媒体は多くの場合十分に機能するが、これらは広いpH域で使用することはできない。先に、細孔構造に変化をもたらす、ポリマー性(例えば、架橋ポリスチレン)担体へのスチレンのグラフトが、インスリンの分離においていくらかの改善をもたらしたことが示されており、米国特許第7,048,858号を参照されたい。ポリスチレンは広いpH域で化学的に安定であるが、多くのpH値においてシリカと比較して選択性が劣ることが問題である。
【0018】
他方でシリカは約8を超えるpHにおいて長期使用すると安定ではない。
【0019】
したがって、広いpH域で優れた選択性を示す、改善されたRPC媒体の必要が依然として存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】国際公開第2011046494号
【発明の概要】
【0021】
本発明は、機械的強度に対する要求に耐え、広いpH域内において高い選択性をもたらす、多孔質炭水化物粒子に基づくRPC材料の製造方法を提供する。
【0022】
したがって、第1の態様において、本発明は、逆相クロマトグラフィー(RPC)材料の製造方法であって、多孔質炭水化物粒子上に不飽和基を導入する工程及び不飽和基を含む粒子にスチレンモノマーをグラフトする工程を含む方法を提供する。
【0023】
多孔質炭水化物粒子は、好ましくは多糖類材料、最も好ましくはアガロースからなる。
【0024】
アガロースは疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)に使用されすでに成功しており、多数の市販の製品、例えばButyl Sepharose Fast Flow(GE Healthcare)が利用可能である。HICのための製品は穏やかな疎水性なだけであり、アガロースは、その固有の親水性及び十分に疎水性にすることの難しさのため、高度に疎水性担体が必要とされる逆相クロマトグラフィー用には考えられてこなかった。
【0025】
本発明者らは、架橋アガロース粒子にスチレンをグラフトすると、全pH域での良好な選択性と併せて、十分な疎水性を呈するという、シリカ又はポリスチレン担体のいずれでも見出すことのできない性状を呈するという予想外の知見を得た。
【0026】
好ましくは、不飽和基は本製造方法においてアリル基である。
【0027】
本方法の一実施形態では、アリル化はアリルグリシジルエーテル(AGE)により実施される。
【0028】
スチレンモノマーは、例えば、スチレン、tertブチルスチレン又はペンタフルオロスチレンから選択することができる。
【0029】
グラフト溶液中のスチレンモノマーv/vは、5〜95%(v/v)、好ましくは25〜75%の量で存在することが好ましい。
【0030】
好ましい実施形態では、アリル化はAGEによるものであり、スチレンモノマーはスチレン又はtertブチルスチレンであり、グラフト溶液中に50% v/vで存在する。
【0031】
第2の態様において、本発明は、の方法に従って製造されるRPC材料
【0032】
第3の態様において、本発明は、逆相クロマトグラフィーを実施するための、上で製造されたRPC材料の使用
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】pH7におけるRPCプロトタイプLS002597(表6参照)による、4種の被験ペプチド(表3参照)の分離のクロマトグラムを示す図である。
【図2】pH3におけるRPCプロトタイプLS002597(表6参照)による、4種の被験ペプチド(表3参照)の分離のクロマトグラムを示す図である。
【図3】pH12におけるRPCプロトタイプLS002597(表6参照)による、4種の被験ペプチド(表3参照)の分離のクロマトグラムを示す図である。
【図4】pH7におけるRPCプロトタイプLS002980(表6参照)による、4種の被験ペプチド(表3参照)の分離のクロマトグラムを示す図である。
【図5】pH3におけるRPCプロトタイプLS002980(表6参照)による、4種の被験ペプチド(表3参照)の分離のクロマトグラムを示す図である。
【図6】pH12におけるRPCプロトタイプLS002980(表6参照)による、4種の被験ペプチド(表3参照)の分離のクロマトグラムを示す図である。
【図7】pH7におけるRPCプロトタイプLS002889(表6参照)による、4種の被験ペプチド(表3参照)の分離のクロマトグラムを示す図である。
【図8】pH3におけるRPCプロトタイプLS002889(表6参照)による、4種の被験ペプチド(表3参照)の分離のクロマトグラムを示す図である。
【図9】pH12におけるRPCプロトタイプLS002889(表6参照)による、4種の被験ペプチド(表3参照)の分離のクロマトグラムを示す図である。
【図10】pH7におけるRPCプロトタイプLS003147A(表6参照)による、4種の被験ペプチド(表3参照)の分離のクロマトグラムを示す図である。
【図11】pH3におけるRPCプロトタイプLS003147A(表6参照)に対する、4種の被験ペプチド(表3参照)の分離のクロマトグラムを示す図である。
【図12】pH12におけるRPCプロトタイプLS003147A(表6参照)による、4種の被験ペプチド(表3参照)の分離のクロマトグラムを示す図である。
【図13】pH7におけるシリカカラム(先行技術)による、同じ4種の被験ペプチド(表3)の比較研究のクロマトグラムを示す図である。
【図14】pH3におけるシリカカラム(先行技術)による、同じ4種の被験ペプチド(表3)の比較研究のクロマトグラムを示す図である。
【図15】pH7におけるポリスチレンカラム(先行技術)による、同じ4種の被験ペプチド(表3)の比較研究のクロマトグラムを示す図である。
【図16】pH3におけるポリスチレンカラム(先行技術)による、同じ4種の被験ペプチド(表3)の比較研究のクロマトグラムを示す図である。
【図17】pH12におけるポリスチレンカラム(先行技術)による、同じ4種の被験ペプチド(表3)の比較研究のクロマトグラムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明を、いくつかの限定されない実施例及び添付の図面と関連させて、これ以下により詳細に記載する。
【実施例】
【0035】
材料
平均粒径8.35μmの多孔質架橋アガロース粒子を、すべての実験に使用した。
【0036】
カップリング剤を表1に列挙する。
【0037】
【表1】
実施例1:LS002597;アガロース粒子のアリル化及びポリスチレンのグラフト
アリル化
50mLのアガロース粒子を、焼結ガラスフィルター上で500mLの蒸留水で洗浄した。蒸留水中50%(w/w)の水酸化ナトリウム溶液を調製し、粒子を、300mLの該50%水酸化ナトリウム溶液で洗浄した。粒子を吸引乾燥し、機械的スターラーを装備した250mLの丸底フラスコに移した。40mLの50%水酸化ナトリウムを加え、温度を50℃に上げた。撹拌速度を250rpmに設定した。温度が安定したら、50mLのアリルグリシジルエーテルを加えた。反応を一晩進行させた。
【0038】
粒子の懸濁液を焼結ガラスフィルターに移し、該粒子を500mLの蒸留水、500mLのエタノール及び500mLの20%エタノールで洗浄した。
【0039】
結合されたアリル基の量を滴定法で決定し、625μmol/mL粒子であることが見出された。
【0040】
ポリ(スチレン)のグラフト
のように調製された10mLのアリル化アガロース粒子を、焼結ガラスフィルター上で100mLのトルエンで洗浄した。粒子を吸引乾燥し、機械的スターラーを装備した50mLのファルコンチューブに移した。15mLのトルエン、15mLのスチレン及び270mgのAMBN(トルエン及びスチレンがグラフト溶液を構成する)を加えた。窒素ガスを、粒子懸濁液の間に5分間フラッシュした。ファルコンチューブをキャップで密閉し、70℃に設定された加熱振とうテーブル上に置いた。反応を18時間進行させた。
【0041】
粒子の懸濁液を焼結ガラスフィルターに移し、該粒子を300mLのトルエン、300mLのエタノール及び100mLの20%エタノールで洗浄した。
【0042】
実施例2:LS002980;アリル化アガロース粒子のポリスチレンでのグラフト(ポリスチレンの増量)
実験1のように調製された10mLのアリル化アガロース粒子を、焼結ガラスフィルター上で100mLのトルエンで洗浄した。粒子を吸引乾燥し、機械的スターラーを装備した50mLのファルコンチューブに移した。10mLのトルエン、20mLのスチレン及び360mgのAMBNを加えた。窒素ガスを、粒子懸濁液の間に5分間フラッシュした。ファルコンチューブをキャップで密閉し、70℃に設定された加熱振とうテーブル上に置いた。反応を18時間進行させた。
【0043】
粒子の懸濁液を焼結ガラスフィルターに移し、該粒子を300mLのトルエン、300mLのエタノール及び100mLの20%エタノールで洗浄した。
【0044】
実施例3:LS002597;アガロース粒子のアリル化及びポリ(ペンタフルオロスチレン)のグラフトアリル化
200mLのアガロース粒子を、焼結ガラスフィルター上で2000mLの蒸留水で洗浄した。蒸留水中50%(w/w)の水酸化ナトリウム溶液を調製し、粒子を、1200mLの該50%水酸化ナトリウム溶液で洗浄した。粒子を吸引乾燥し、機械的スターラーを装備した1000mLの丸底フラスコに移した。160mLの50%水酸化ナトリウム及び1.2gの水酸化ホウ素ナトリウムを加え、温度を50℃に上げた。撹拌速度を600rpmに設定した。温度が安定したら、200mLのアリルグリシジルエーテルを加えた。反応を一晩進行させた。
【0045】
粒子の懸濁液を焼結ガラスフィルターに移し、該粒子を500mLの蒸留水、500mLのエタノール及び500mLの20%エタノールで洗浄した。
【0046】
結合されたアリル基の量を滴定法で決定し、501μmol/mL粒子であることが見出された。
【0047】
ポリ(ペンタフルオロスチレン)のグラフト
10mLのアリル化アガロース粒子を、焼結ガラスフィルター上で100mLのトルエンで洗浄した。粒子を吸引乾燥し、50mLのファルコンチューブに移した。15mLのトルエン、15mLのペンタフルオロスチレン及び270mgのAMBNを加えた。窒素ガスを、粒子懸濁液の間に5分間フラッシュした。ファルコンチューブをキャップで密閉し、70℃に設定された加熱振とうテーブル上に置いた。反応を18時間進行させた。
【0048】
粒子の懸濁液を焼結ガラスフィルターに移し、該粒子を300mLのアセトン、300mLのエタノール及び100mLの20%エタノールで洗浄した。
【0049】
実施例4:LS003147A;アガロース粒子のアリル化及びポリ(tert−ブチルスチレン)のグラフトアリル化
200mLのアガロース粒子を、実験3のようにアリル化した。結合されたアリル基の量を滴定法で決定し、501μmol/mL粒子であることが見出された。
【0050】
ポリ(tert−ブチルスチレン)グラフト
10mLのアリル化アガロース粒子を、焼結ガラスフィルター上で100mLのトルエンで洗浄した。粒子を吸引乾燥し、機械的スターラーを装備した50mLのファルコンチューブに移した。15mLのトルエン、15mLのtert−ブチルスチレン及び270mgのAMBNを加えた。窒素ガスを、粒子懸濁液の間に5分間フラッシュした。ファルコンチューブをキャップで密閉し、70℃に設定された加熱振とうテーブル上に置いた。反応を18時間進行させる。
【0051】
粒子の懸濁液を焼結ガラスフィルターに移し、該粒子を300mLのトルエン、300mLのエタノール及び100mLの20% エタノールで洗浄した。
【0052】
実施例5:プロトタイプ及び参照製品に対するペプチドの分離
異なるpH値において4種のペプチドを、クロマトグラフィー評価方法のための被験ペプチドとして使用した。ペプチドのいくつかの特性を表に列挙する。
【0053】
【表2】
プロトタイプ及びカラム
本発明に係るRPCプロトタイプ材料(実験1〜4参照)をTricorn5/50カラム(GE Healthcare Bio−Sciences AB)の0.98mLカラムに充填した。さらに比較のためで、SOURCE15 RPC(GE Healthcare Bio−Sciences AB)及びKromasil 100−13−C4(Akzo Nobel)を、Tricorn5/50カラムAKTA(商標)に充填した。Explorer 10S system(GE Healthcare Bio−Sciences AB)を使用して、分離方法を行った。
【0054】
分離方法に使用した材料を、表3に列挙する。
【0055】
【表3】
緩衝液の調製
15mM リン酸ナトリウム pH3.0緩衝液:
0.176mLのリン酸及び1.71gのリン酸二水素ナトリウム一水和物を、最終体積が1LになるようにMilli Q waterに溶解した。
【0056】
15mM リン酸ナトリウム pH7.0緩衝液:
1.032gのリン酸二水素ナトリウム一水和物及び1.068gのリン酸水素二ナトリウムを最終体積が1Lになるように溶解した。
【0057】
10mM 水酸化ナトリウムを、pH12溶液として使用した。溶液を、Milli−Q waterで最終体積1Lに希釈したTitrisolアンプルを使用して調整した。
【0058】
ペプチド分離法
被験ペプチド:アンジオテンシンI、Ile7−アンジオテンシンIII、Val4−アンジオテンシンIII及びアンジオテンシンIIIを、各ペプチドの最終濃度が0.125mg/mLになるようにMilli−Q waterに溶解した。
【0059】
分離は、pH3.0並びにpH7.0及び12.0において実施する。
【0060】
A 緩衝液は、15mM リン酸ナトリウム pH3.0もしくはpH7.0又は10mM NaOH pH12である。B 緩衝液はアセトニトリルである。
【0061】
本方法の概要を下記に示す。
【0062】
【表4】
検出波長としてUV 215nmを使用した。
【0063】
pHに依存して、ペプチドは正に荷電(pH3)、ほぼ非荷電(pH7)又は負に荷電(pH12)していると思われる。ペプチドの電荷は分離に影響を与え得る。例えば負に荷電した基が粒子上に存在する場合、正に荷電したペプチドがイオン性及び疎水性両方の相互作用により保持されるので、低pHにおけるピークの広がりがもたらされ得る。
【0064】
図1〜図3は、それぞれpH7、pH3及びpH12におけるプロトタイプLS002597の分離のクロマトグラムを示す。
【0065】
LS002597はすべてのpH値において全体に非常に優れた性能を有し、鋭いピークを有する。ペプチドのうちの1種は、ペプチドが強力に負に荷電するpH12において結合していない。
【0066】
図4〜図6は、それぞれpH7、pH3及びpH12におけるプロトタイプLS002980の分離のクロマトグラムを示す。LS002980は全体に非常に優れた性能を有し、pH12において4種すべてのペプチドを保持するために十分な疎水性を有し、極めて優れた分離が得られるいくつかのプロトタイプのうちの1つである。pH3における分離は、例えばLS002597よりわずかに広いピークをもたらすが、pH7における分離はKromasil C4・100Åとの比較が十分可能である。
【0067】
図7〜図9は、それぞれpH7、pH3及びpH12におけるプロトタイプLS002889の分離のクロマトグラムを示す。
【0068】
ポリ(ペンタフルオロスチレン)をグラフトしたプロトタイプ(LS002889)はすべてのpH値において優れた分離をもたらし、分離パターンはLS002597と似ている。
【0069】
図10〜図12は、それぞれpH7、pH3及びpH12におけるプロトタイプLS003147Aの分離のクロマトグラムを示す。Tertブチルスチレン(LS003147A)は全体に優れた性能をもたらす。
【0070】
図13〜図14は、それぞれpH7及びpH3におけるKromasil C4・100Åのクロマトグラムを示す比較図である。
【0071】
KromasilカラムはpH7において優れた分離を示すが、pH3ではペプチドを分離できず、わずか3つのピークが観察されるだけである。すべてのペプチドの保持時間は、アガロース系プロトタイプより非常に長い。このことは、この事例においてペプチドの溶出に使用しなければならない有機溶媒がより多いことを意味する。シリカ系製品は約pH8を超えると安定ではないので、KromasilカラムにはpH12における分離は行わなかった。
【0072】
図15〜図17は、それぞれpH7、pH3及びpH12におけるSource15 RPCのクロマトグラムを示す比較図面である。SOURCE15 RPCカラムはpH3において優れた分離を示すが、pH7及び12の両方では分離が劣り、広いピークを示す。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【国際調査報告】