特表2016-535826IP Force 特許公報全文掲載

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-535826(P2016-535826A)
(43)【公表日】2016年11月17日
(54)【発明の名称】ストラットによって生じる渦を混合するディフューザ
(51)【国際特許分類】
   F02C 7/00 20060101AFI20161021BHJP
   F01D 25/24 20060101ALI20161021BHJP
   F01D 25/30 20060101ALI20161021BHJP
   F01D 25/28 20060101ALI20161021BHJP
【FI】
   F02C7/00 B
   F01D25/24 D
   F01D25/30 A
   F01D25/28 A
   F01D25/30 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-516585(P2016-516585)
(86)(22)【出願日】2014年8月25日
(85)【翻訳文提出日】2016年5月23日
(86)【国際出願番号】US2014052436
(87)【国際公開番号】WO2015041801
(87)【国際公開日】20150326
(31)【優先権主張番号】14/033,788
(32)【優先日】2013年9月23日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG
(71)【出願人】
【識別番号】599078705
【氏名又は名称】シーメンス エナジー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ジョン エイ. オロサ
(57)【要約】
ガスタービンエンジンは、環状ガス通路を形成する内側および外側シュラウド、ならびに内側シュラウドを外側シュラウドに接続する複数のストラットを有する。翼形シールドはストラットを包囲しており、シールドのそれぞれは、シールドの前縁から下流端部に向かって下流軸方向に延びる弦軸線を規定する上流前縁を有する本体を含む。後縁フラップは、各シールドの下流端部に配置されており、後縁フラップは第1および第2のスパン方向部分を有する。第1のスパン方向部分は、本体の弦軸線に対して所定の角度に流れを方向付けるように向けられており、第2のスパン方向部分は、第1のスパン方向部分の角度とは異なる角度の方向に流れを方向付けるように向けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービン排気セクションを有するガスタービンエンジンにおいて、
一対の同心状に間隔を置いて配置されたリングと、
前記リングの間に半径方向に延びた、該リングを接続および支持する複数のストラット構造であって、該ストラット構造は、回転ブレードの最終列の下流に支持され、かつ本体部分を有しており、該本体部分は、エンジンを通る軸方向ガス流の方向に、延在した弦寸法を有しており、前記本体部分の上流端部から前記ストラット構造の下流端部に向かって下流方向へ延びる弦軸線を規定している、ストラット構造と、
各本体部分の下流端部に配置された後縁フラップであって、該後縁フラップは、第1および第2のスパン方向部分を有しており、前記第1のスパン方向部分は、前記本体部分の前記弦軸線に対して所定の角度で流れを方向付けるように向けられており、前記第2のスパン方向部分は、前記第1のスパン方向部分の角度とは異なる角度である方向に流れを方向付けるように向けられている、後縁フラップと、
を備えることを特徴とする、ガスタービンエンジン。
【請求項2】
前記第1のスパン方向部分は、前記弦軸線の第1の側への方向でフラップ角を規定しており、前記第2のスパン方向部分は、前記弦軸線の、前記第1の側とは反対の第2の側への方向でフラップ角を規定している、請求項1記載のガスタービンエンジン。
【請求項3】
前記第1のスパン方向部分のフラップ角の方向は、周方向で隣接する第1のスパン方向部分に関して交互になっており、前記第2のスパン方向部分のフラップ角の方向は、周方向で隣接する第2のスパン方向部分に関して交互になっている、請求項2記載のガスタービンエンジン。
【請求項4】
各第1のスパン方向部分のフラップ角の方向は、全て同じ方向に向けられており、各第2のスパン方向部分のフラップ角の方向は、全て同じ方向に向けられている、請求項2記載のガスタービンエンジン。
【請求項5】
前記第1のスパン方向部分は、スパン方向中間位置から、前記ストラット構造に沿って前記リングのうち内側のリングに向かって延びており、前記第2のスパン方向部分は、中間位置から前記リングのうち外側のリングに向かって延びている、請求項1記載のガスタービンエンジン。
【請求項6】
前記スパン方向中間位置は、前記本体のスパン中央に位置している。請求項5記載のガスタービンエンジン。
【請求項7】
前記ストラット構造は、翼形シールドによって包囲されたストラットを有しており、前記ストラット構造は、エンジン用の排気ディフューザの上流端部に配置されている、請求項1記載のガスタービンエンジン。
【請求項8】
前記第1および第2のスパン方向部分は、前記本体に対して可動であり、前記第1のスパン方向部分は、前記第2のスパン方向部分から独立して可動である、請求項1記載のガスタービンエンジン。
【請求項9】
前記第1および第2のスパン方向部分の間のスパン方向移行部と交差する軸方向および周方向に延びる平面に位置し、前記第1および第2のスパン方向部分の間の半径方向流れを制限する、平坦なディバイダを備える、請求項1記載のガスタービンエンジン。
【請求項10】
ガスタービンエンジン内の排気ディフューザであって、
環状ガス通路を形成する内側シュラウドおよび外側シュラウドと、
前記内側シュラウドを前記外側シュラウドに接続し、かつ回転ブレードの最終列の下流において前記ガス通路内に配置された複数のストラットと、
前記ストラットを包囲する翼形のシールドであって、各シールドは、上流の前縁を有する本体を有し、該本体は、前記シールドの前記前縁から下流端部に向かって下流軸方向へ延びる弦軸線を規定している、翼形のシールドと、
各シールドの前記下流端部に配置された後縁フラップであって、該後縁フラップは、第1および第2のスパン方向部分を有しており、前記第1のスパン方向部分は、前記本体の前記弦軸線に対して所定の角度で流れを方向付けるように向けられており、前記第2のスパン方向部分は、前記第1のスパン方向部分の角度とは異なる角度である方向に流れを方向付けるように向けられている、後縁フラップと、
を備えることを特徴とする、排気ディフューザ。
【請求項11】
各シールドのために、前記第1のスパン方向部分は、前記弦軸線の第1の側への方向でフラップ角を規定しており、前記第2のスパン方向部分は、前記弦軸線の、前記第1の側とは反対の第2の側への方向でフラップ角を規定している、請求項10記載の排気ディフューザ。
【請求項12】
前記第1のスパン方向部分の前記フラップ角の方向は、周方向で隣接する前記第1のスパン方向部分に関して交互になっており、前記第2のスパン方向部分の前記フラップ角の方向は、周方向で隣接する前記第2のスパン方向部分に関して交互になっている、請求項11記載のガスタービンエンジン。
【請求項13】
各第1のスパン方向部分の前記フラップ角の方向は、全て同じ方向に向けられており、各第2のスパン方向部分の前記フラップ角の方向は、全て同じ方向に向けられている、請求項11記載のガスタービンエンジン。
【請求項14】
前記第1のスパン方向部分は、スパン方向中間位置から、前記シールドに沿って前記内側シュラウドに向かって延びており、前記第2のスパン方向部分は、中間位置から前記外側シュラウドに向かって延びている、請求項10記載のガスタービンエンジン。
【請求項15】
前記スパン方向中間位置は、前記シールドのスパン中央に位置している。請求項14記載のガスタービンエンジン。
【請求項16】
前記第1および第2のスパン方向部分は、前記弦軸線に対して可動である、請求項10記載のガスタービンエンジン。
【請求項17】
前記第2のスパン方向部分から独立した移動において前記第1のスパン方向部分を作動させるために、前記第1および第2のスパン方向部分に接続されたアクチュエータを備える、請求項16記載のガスタービンエンジン。
【請求項18】
前記第1および第2のスパン方向部分の間のスパン方向移行部と交差する軸方向および周方向に延びる平面に位置し、前記第1および第2のスパン方向部分の間の半径方向流れを制限する、平坦なディバイダを備える、請求項10記載のガスタービンエンジン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にタービンエンジンに関し、特にタービンエンジン用の排気ディフューザ
【背景技術】
【0002】
図1を参照すると、タービンエンジン10は、一般に、圧縮機セクション12と、燃焼器セクション14と、タービンセクション16と、排気セクション18とを有する。作動時には、圧縮機セクション12は周囲空気を引き込み、空気を圧縮することができる。圧縮機セクション12からの圧縮空気は、燃焼器セクション14内の1つ又は複数の燃焼器20に進入することができる。圧縮空気を燃料と混合することができ、空気・燃料混合物を燃焼器20において燃焼させて、高温作動ガスを形成する。高温ガスをタービンセクション16へ送ることができ、そこで、高温ガスは、固定翼と回転翼の交互の列を通って膨張させられ、ロータ26を駆動することができる動力を発生させるために利用される。タービンセクション16から出た膨張したガスは、排気セクション18を通じてエンジン10から排出することができる。
【0003】
排気セクション18はディフューザ28として構成することができる。ディフューザ28は、外側シェル30と、中央ボディまたはハブ32と、支持ストラット36によって支持されたテールコーン34との間に形成された、拡開するダクトであってもよい。排気ディフューザ28は、排気流の速度を低下させ、これにより、タービンの最終段を横切って膨張する排ガスの差圧を増大させるように機能することができる。幾つかの従来のタービン排気セクションでは、流体流れ方向で排気ダクトの断面積を次第に増大させ、これにより排気ダクト内を流れる流体を膨張させることによって、排気の拡散が達成されており、通常は、設計作動条件における作動を最適化するように設計されている。これに加えて、ガスタービンエンジンは、一般に、設計点において望ましいディフューザ入口条件を提供するように設計されており、この設計点では、タービンセクション16から通過する排気流は、通常、流速およびスワールの、半径方向でバランスの取れた分配を有するように設計されている。
【0004】
ガスタービンエンジンの作動の様々な変化は、ディフューザ入口において最適でない流れ条件を生じることがあり、特に、ディフューザに進入する、半径方向に歪められた流れを生じる可能性がある。例えば、非設計作動点、例えば、部分負荷運転または非設計周囲空気入口温度における作動の結果、ディフューザに進入する、半径方向で不均一な速度分布を生じることがある。また、エンジンの出力を増大するためなどの既存のエンジンの再設計は、ディフューザ内への流れを制御する構造が、エンジンを通る流れ条件に影響する変化のために再構成されていないと、ディフューザ入口において最適でない流れ条件を生じることがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの態様によれば、タービン排気セクションを有するガスタービンエンジンが提供される。ガスタービンエンジンは、同心状に間隔を置いて配置された一対のリングと、リングの間に半径方向に延び、リングを接続および支持した複数のストラット構造とを有する。ストラット構造は、回転ブレードの最終列の下流に支持されており、エンジンを通る軸方向ガス流の方向に延在した弦寸法を有する本体部分を有しており、本体部分の上流端部からストラット構造の下流端部に向かって下流方向へ延びる弦軸線を規定している。後縁フラップは、各本体部分の下流端部に配置されており、後縁フラップは第1および第2のスパン方向部分を有する。第1のスパン方向部分は、本体部分の弦軸線に対して所定の角度に流れを方向付けるように向けられており、第2のスパン方向部分は、第1のスパン方向部分の角度とは異なる角度の方向に流れを方向付けるように向けられている。
【0006】
第1のスパン方向部分は、弦軸線の第1の側への方向でフラップ角を規定してよく、第2のスパン方向部分は、弦軸線の、第1の側とは反対の第2の側への方向でフラップ角を規定してよい。
【0007】
第1のスパン方向部分のフラップ角の方向は、周方向で隣接する第1のスパン方向部分に関して交互になっていてもよく、第2のスパン方向部分のフラップ角の方向は、周方向で隣接する第2のスパン方向部分に関して交互になっていてもよい。
【0008】
各第1のスパン方向部分のフラップ角の方向は、全て同じ方向に向けられてもよく、各第2のスパン方向部分のフラップ角の方向は、全て同じ方向に向けられてもよい。
【0009】
第1のスパン方向部分は、スパン方向中間位置から、ストラット構造に沿ってリングのうちの内側のリングに向かって延びていてもよく、第2のスパン方向部分は、中間位置からリングのうちの外側のリングに向かって延びていてもよい。
【0010】
スパン方向中間位置は、本体のスパン中央に位置してもよい。
【0011】
ストラット構造は、翼形シールドによって包囲されたストラットを有してもよく、ストラット構造は、エンジン用の排気ディフューザの上流端部に配置されていてもよい。
【0012】
第1および第2のスパン方向部分は、本体に対して可動であってもよく、第1のスパン方向部分は、第2のスパン方向部分から独立して可動であってもよい。
【0013】
ストラット構造は、平坦なディバイダを含んでもよい。この平坦なディバイダは、第1および第2のスパン方向部分の間のスパン方向移行部と交差する軸方向および周方向に延びる平面に位置しており、第1および第2のスパン方向部分の間の半径方向流れを制限する。
【0014】
本発明の別の態様によれば、排気ディフューザを有するガスタービンエンジンが提供される。ガスタービンエンジンは、環状ガス通路を形成する内側シュラウドおよび外側シュラウド、ならびに内側シュラウドを外側シュラウドに接続する複数のストラットを有する。ストラットは、回転ブレードの最終列の下流においてガス通路内に配置されている。翼形シールドはストラットを包囲しており、各シールドは、シールドの前縁から下流端部に向かって下流軸方向に延びる弦軸線を規定する、上流前縁を有する本体を含む。後縁フラップは、各シールドの下流端部に配置されており、後縁フラップは第1および第2のスパン方向部分を有する。第1のスパン方向部分は、本体の弦軸線に対して所定の角度に流れを方向付けるように向けられており、第2のスパン方向部分は、第1のスパン方向部分の角度とは異なる角度の方向に流れを方向付けるように向けられている。
【0015】
各シールドのために、第1のスパン方向部分は、弦軸線の第1の側への方向でフラップ角を規定してよく、第2のスパン方向部分は、弦軸線の、第1の側とは反対の第2の側への方向でフラップ角を規定してよい。
【0016】
第1のスパン方向部分のフラップ角の方向は、周方向で隣接する第1のスパン方向部分に関して交互になっていてよく、第2のスパン方向部分のフラップ角の方向は、周方向で隣接する第2のスパン方向部分に関して交互になっていてよい。
【0017】
各第1のスパン方向部分のフラップ角の方向は、全て同じ方向に向けられていてもよく、各第2のスパン方向部分のフラップ角の方向は、全て同じ方向に向けられていてもよい。
【0018】
第1のスパン方向部分は、スパン方向中間位置から、シールドに沿って内側シュラウドに向かって延びていてもよく、第2のスパン方向部分は、中間位置から外側シュラウドに向かって延びていてもよい。
【0019】
スパン方向中間位置は、シールドのスパン中央に位置してもよい。
【0020】
第1および第2のスパン方向部分は、弦軸線に対して可動であってもよい。
【0021】
第2のスパン方向部分から独立した移動において第1のスパン方向部分を作動させるために、第1および第2のスパン方向部分にアクチュエータが接続されていてもよい。
【0022】
ストラット構造は、平坦なディバイダを含んでもよく、この平坦なディバイダは、第1および第2のスパン方向部分の間のスパン方向移行部と交差する軸方向および周方向に延びる平面に位置しており、半径方向流れを制限しかつ第1および第2のスパン方向部分の間の機械的剛性を高める。
【0023】
本明細書は、本発明を特に指摘し、かつ本発明を明瞭に請求する請求項によって完結するが、同じ参照符号が同じ要素を表している添付の図面に関連した以下の説明から、本発明はよりよく理解されると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】既知のタービンエンジンを部分的に断面で示した透視図である。
【図2】本発明の態様に従って構成されたタービンエンジンの排気ディフューザセクションの側面断面図である。
【図3】本発明の複数の態様を例示するストラット構造の拡大透視図である。
【図4】一列のストラット構造の第1の構成を示す透視図である。
【図5】一列のストラット構造の第2の構成を示す透視図である。
【図6】ストラット構造の後縁フラップに対する選択的な変更を示す透視図である。
【図7】ストラット構造の後縁フラップのための代替的な構成を示す透視図である。
【図8】本発明の1つの態様に従って生ぜしめられた流れパターンを示す、ディフューザの前から後への方向で見た概略端面図である。
【図9】ストラット構造の後縁の選択的な変更を示す、半径方向内向きに見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
好適な実施の形態の以下の詳細な説明において、その一部を形成する添付の図面が参照され、図面には、例として、限定としてではなく、発明を実施可能な特定の好適な実施の形態が示されている。本発明の思想および範囲から逸脱することなく、その他の実施の形態が使用されてもよく、変更がなされてもよいことが理解されるべきである。
【0026】
本発明の1つの態様によれば、ディフューザの半径方向内側および外側の領域の間の流速分布の均一性の改良を含む、ディフューザを通過する流れの半径方向の混合を増加させることによって、改良されたディフューザ性能を提供するディフューザ設計が説明される。本明細書において説明されるディフューザの典型的な適用において、ハブにおける強い速度分布の一般的な発生は、本発明によって、内側境界(ハブ)の近くのより高速の流れを外方へ移動させ、外側境界の近くのより低速の流れを内方へ移動させるスワール流を形成し、その結果、流れの混合を生ぜしめることによって、解決することができる。
【0027】
図2は、本発明の態様に従って構成されたガスタービンエンジンの排気ディフューザ40の一部を含む排気セクションを示している。排気ディフューザ40は、図1に示されたエンジン10のタービンセクション16に対応してもよい、エンジンのタービンセクションの回転ブレードの最終列の下流にある。排気ディフューザ40は、タービンセクションから出てくる排気流または排ガス44を受け取ることができる入口42を有する。排気ディフューザ40は、内側リングを含んでもよい内側境界46と、外側リングを含んでもよい外側境界48とを有する。外側境界48は、内側境界46から半径方向に間隔を置いて配置されており、内側および外側境界46,48の間には流路50が形成されている。流路50は、略環状であってもよいし、またはあらゆるその他の適切な構成を有してもよい。
【0028】
外側境界48は、流路50の外側境界48を形成する、内側周囲表面54を有するディフューザシェル52を含むものとして示されている。ディフューザシェル52は、排気ディフューザ40の軸方向長さ(その一部のみが図2に示されている)を規定している。軸方向長さは、ディフューザシェル52の上流端部53から下流端部55まで延びている。
【0029】
内側境界46は、ハブ58とも呼ばれる中央ボディによって規定することができる。ハブ58は、略円筒状であってもよく、上流端部60および下流端部62を有してもよい。「上流」および「下流」とは、排気ディフューザセクション40を通る流体流れの方向に関する、これらの部分の概略的な位置を表す意図である。ハブ58は、複数の半径方向に延びるストラット構造64によって、ディフューザシェル52に接続および支持されており、ストラット構造64は、図3に示したように、ストラットライナまたはシールド68によって包囲された構造的ストラット66を含んでもよい。ストラット構造64は、図8にストラット構造64A〜64Fによって概略的に示されているように、一列で周方向に整列して配置されている。ストラット構造64のうちの1つまたは複数は、例えばサービスラインなどの導管のための通路を提供してもよく、例えば、ハブ58内のベアリングハウジング(図示せず)まで延びる典型的なオイルライン70が示されている。
【0030】
図2を参照すると、内側境界46は、テールコーン72によって規定されてもよい。テールコーン72は、あらゆる適切な形式でハブ58の下流端部62に取り付けられた上流端部を有する。好適には、テールコーン72は、下流方向へ延びるハブ58の下流端部62からテーパしている。ハブ58およびテールコーン72は、実質的にディフューザシェル52と同心状であってよく、流路50の中心軸線に対応する共通の長手方向軸線71を共有することができる。ディフューザシェル52の内面54は、下流方向へ長手方向軸線71から拡開するように向けられている。このため、流路50の少なくとも一部は略円錐形である。
【0031】
図3を参照すると、各ストラットシールド68は、空力的翼形を備えて形成されていてもよい。例示されたストラットシールド68は、本体部分を規定しており、上流端部74における前縁と、下流端部76における後縁と、上流および下流端部74,76の間に軸方向にすなわち流路50を通るガス流の方向に延びる反対の側78a,78bと、を有している。弦軸線ACは、上流端部74から下流方向へ延びる反対の側78a,78bによって規定されている。弦軸線ACの軸方向は、長手方向軸線71に対して平行であってよいし、または長手方向軸線71に対して傾斜していてもよいし、または排気セクションの特定の構造的および/または流れ特性によって決定されてもよい。
【0032】
本発明の1つの態様によれば、後縁フラップ80は、ストラットシールド68の下流端部76に配置されており、ほぼ平坦な第1のフラップ部分80aおよびほぼ平坦な第2のフラップ部分80bを含む、第1および第2のスパン方向部分を有する。第1のフラップ部分80aは、中間位置82からストラットシールド68の半径方向スパンに沿ってハブ58におけるまたはハブ58に隣接した半径方向内側位置に向かって延びており、第2のフラップ部分80bは、中間位置82から、ディフューザシェル52におけるまたはディフューザシェル52に隣接した半径方向外側位置に向かって延びている。例示された構成における中間位置は、ストラットシールド68のスパン中央に位置しているが、フラップ部分80a,80bの間の境界を規定する中間位置は、その他のスパン方向位置に選択されてもよいことが理解されるであろう。
【0033】
第1および第2のフラップ部分80a,80bは、ディフューザ40内へ進入しかつディフューザ40を通過する排ガスの流れを変化させるように、独立して向けられる。特に、不均一な半径方向速度分布でディフューザに進入する排気流は、速度分布の均一性を高めるために後縁フラップ80によって変化させられてもよく、第1および第2のフラップ部分80a,80bは、流路50のスパンを横切る速度分布の変化を減じるために流れの半径方向混合を提供するように位置決めされてもよい。
【0034】
第1のフラップ部分80aの向きは、ストラットシールド68の下流端部76における弦軸線ACに対して平行な延長線ACEによって示されているように、弦軸線ACの延長に対する第1のフラップ部分80aのフラップ角度φによって図3に示されている。同様に、第2のフラップ部分80bの向きは、ストラットシールド68の下流端部76における弦軸線ACに対して平行な延長線ACEによって示されているように、弦軸線ACの延長に対する第2のフラップ部分80bのフラップ角度θによって図3に示されている。第2のフラップ部分80bの角度θは、第1のフラップ部分80aの周方向の向きとは異なる、第2のフラップ部分80bの周方向の向きを示している。すなわち、第2のフラップ部分80bは、流路50におけるガス流を、第1のフラップ部分80aによって規定された流れ方向とは異なる周方向に方向付けるように向けられている。例えば、例示された構成では、第2のフラップ部分80bは、弦軸線ACの、第1のフラップ部分80aとは反対の側へ向けられている。
【0035】
図4を参照すると、ストラット構造64の構成は、本発明の1つの態様を示している。第1のフラップ部分80aのフラップ角θの周方向は、連続するストラット構造64A〜64Fの第1のフラップ部分80aの位置を比較すれば分かるように、周方向で隣接する第1のフラップ部分80aに関して、交互になっているすなわち弦軸線ACの反対側に位置している(図8も参照)。同様に、第1のフラップ部分80aに対して反対に向けられた第2のフラップ部分80bのフラップ角φの周方向は、連続するストラット構造64A〜64Fの第2のフラップ部分80bの位置を比較すれば分かるように、周方向に隣接する第2のフラップ部分80bに関して交互になっている(図8も参照)。
【0036】
図8を参照すると、図4のストラット構造の構成のための第1および第2のフラップ80a,80bの配置は、ストラット構造64の下流において旋回流、すなわち逆回転の渦を提供するように設計されており、ストラット構造64は、流れ矢印84OUTによって示された半径方向外方への移動と、流れ矢印84INによって示された半径方向内方への移動とを生ぜしめ、その結果、流れの混合を生ぜしめ、速度分布をより均一にする。例えば、ディフューザシェル52におけるよりもハブ58においてより高い流速を有する、ハブにおける強い流れの場合、フラップ部分80a,80bによって提供される流れ混合は、より低速の流れをディフューザシェル52から内方へ移動させ、より高速の流れをハブ52から外方へ移動させて、ディフューザ40を通過する流れにおける速度のばらつきを減じる。特に、前述の後縁フラップ80は、ディフューザシェル52への改良された付着、およびハブ58に隣接した領域における強い流れの増大した外方への混合とともに、より強い外径流れ分布を提供するように、ハブにおける強い流れを変化させることができる。
【0037】
図4の構成において、図8の構成のように、エンジンの前側から下流方向を見たときに、反時計回り方向に傾斜させられたフラップ80a,80bを、正の角度を有すると呼んでもよく、時計回り方向に傾斜させられたフラップ80a,80bを、負の角度を有すると呼んでもよい。正および負の角度についてのこの慣例は、エンジンの前側から見たときに、反時計回り方向に回転するロータを有するエンジンに関して行われる。
【0038】
図5は、代替的な構成を示している。第1のフラップ部分80aのためのフラップ角φの周方向は、全て同じ(正の)方向に、弦軸線ACに関して同じ角度で向けられており、第2のフラップ部分80bのフラップ角θは、全て同じ(負の)方向に、弦軸線ACに関して同じ角度で向けられている。例示された構成では、第1のフラップ部分80aは、弦軸線ACの一方の側へ傾斜させられており、第2のフラップ部分80bは、弦軸線ACの反対側へ傾斜させられている。図5の構成は、図4について説明した構成よりも少ない半径方向混合を提供するかもしれないが、エンジンのタービンセクションから出てくる流れの特性に応じて、異なる混合効果が望ましい場合もあることが理解されるであろう。
【0039】
さらに、の説明は、排ガスの典型的な、ハブにおける強い流れに関するものであるが、フラップ部分80a,80bの構成は、ハブ58に隣接する排ガスのより弱い流れなど、その他の流れ条件に対応するように提供されてもよいことが理解されるであろう。
【0040】
後縁フラップ80は、ストラットシールド68の上流端部74における前縁から後縁フラップ80の後縁までの、ストラットシールド68および後縁フラップ80が組み合わされた軸方向範囲の全長の実質的な部分を形成している。例えば、後縁フラップ80は全長の約20%〜40%であってもよく、より好適には、全長の約25%〜30%であってもよい。
【0041】
フラップ部分80a,80bの角度φ,θは、弦軸線ACに関して反対方向に同じ値を有してもよいし、または異なる値を有してもよい。特に、周方向で隣接するストラット構造64の間の間隔は、半径方向外方に向かって増大しているので、所望のスワール条件が、第2のフラップ部分80bを第1のフラップ部分80aの角度φよりも大きな角度θに位置決めすることを必要とすることがある。さらに、フラップ部分80a,80bが両方とも、弦軸線ACの同じ側へ、ただしフラップ部分80a,80bの位置が角度φ,θの異なる値を規定しながら延びていてもよいことが理解されるべきである。
【0042】
また、フラップ部分80a,80bは、ストラットシールド68の下流端部76の内側および外側のスパンの部分のみに沿って形成されていてもよい。例えば、本発明の範囲において、各フラップ部分80aおよび80bは、中間位置82から半径方向に、それぞれハブ58およびディフューザシェル52に向かう距離の一部だけ延びていてもよい。
【0043】
図6は、後縁フラップ80に対する選択的な変更を示している。スプリッタプレート86は、第1および第2のフラップ部分80a,80bの間の中間位置82に設けられてもよい。スプリッタプレート86は、ほぼ平坦なディバイダであり、軸方向および周方向に延びる平面に位置しており、半径方向流れを制限し、かつ第1および第2のフラップ部分80a,80bの間の機械的剛性を高める。スプリッタプレート86の平面は、ストラットシールド68のスパン方向または半径方向に対して垂直に延びている。加えて、スプリッタプレート86は、フラップ部分80a,80bの角度位置にほぼ一致する外縁部86a,86bを有する三角形の構成を備えて形成されてもよく、好適には、溶接結合などによってフラップ部分80a,80bに取り付けられ、これによって後縁フラップ80の剛性を増大させる。
【0044】
図7は、後縁フラップ80の代替的な構成を示している。後縁フラップ80は、第1のフラップ部分80aおよび第2のフラップ部分80bの双方を形成する連続的な材料ストリップ88から形成されてもよい。特に、材料ストリップ88は、第1のフラップ部分80aによって規定された角度から第2のフラップ部分80bによって規定された角度への滑らかな移行部を規定する、中間位置82における曲がった移行領域80cを備えて形成されてもよい。
【0045】
図9を参照すると、後縁フラップ80に対する選択的な変更が示されており、この場合、フラップ部分80a,80bはストラットシールド68に対して可動である。例示された実施の形態では、フラップ部分80a,80bは、回転軸APを中心として回転運動するように支持されている。各フラップ部分80a,80bは、図1に概略的に示されたアクチュエータ90a,90bによって示されているようなそれぞれのアクチュエータによって、回転運動するように作動させられてよい。アクチュエータ90a,90bは、ピボットリンク92a,92bによってフラップ部分80a,80bに接続されていてもよいし、1つの作動されるテールセクション用のアクチュエータを示している米国特許第6792758号明細書に示されているように、公知のアクチュエータおよびリンク構造を有してもよい。この特許は、引用によりその全体が本明細書に組み込まれる。フラップ部分80a,80bは、例えば、共通の回転軸APを中心とする回転運動のために、ストラットシールド68の下流端部76を半径方向に通って延びるそれぞれの同心状のピボットロッド94a,94bによって支持されているか、または別々の回転軸を有するピボットエレメントによって支持されていてもよい。第1のフラップ部分80aは全て、1つのアクチュエータによって同時に移動するようにリンクされていてもよいし、第2のフラップ部分80bは全て、1つのアクチュエータによって同時に移動するようにリンクされていてもよいし、それぞれのフラップ部分80a,80bの間のリンクは、米国特許第6792758号明細書に示されたものと同様の形式で構成されていてもよい。
【0046】
可動なフラップ部分80a,80bは、ディフューザ40に流入する排ガスの効率的な混合を提供するために、エンジンの作動条件の変化に応答して作動させられてもよい。例えば、フラップ部分80a,80bは、ベース負荷運転の間は、ディフューザ40を通る排ガスの効率的な膨張を提供する初期位置に配置されてよく、フラップ部分80a,80bは、エンジンの部分負荷運転の間または非設計周囲空気入口温度条件の間は、ディフューザ40を通る排ガスの効率的な膨張を提供する第2の位置に配置転換されてもよい。
【0047】
図9に示されたストラット構造64の構成は、ストラットシールド68の側部78a,78bによって形成された輪郭の続きとして形成されたフラップ部分80a,80bを示している。図3〜図5に関して説明されているような、所定の位置に永久に固定されたフラップ部分80a,80bを有するストラット構造64は、ストラットシールド68とフラップ部分80a,80bとの間に類似の連続的な輪郭を備えて形成されてもよいことにも注意すべきである。
【0048】
本発明の特定の実施の形態について例示および説明してきたが、本発明の思想および範囲から逸脱することなく様々なその他の変更および改変をなし得ることは当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲内の全てのこのような変更および改変を添付の請求項に包含するように意図されている。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【国際調査報告】

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