特表2016-538152IP Force 特許公報全文掲載

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-538152(P2016-538152A)
(43)【公表日】2016年12月8日
(54)【発明の名称】複合材ターボ機械ブレードを製造するための方法及びそのための圧縮アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/36 20060101AFI20161111BHJP
   F04D 29/38 20060101ALI20161111BHJP
   F04D 29/02 20060101ALI20161111BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20161111BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20161111BHJP
   F02K 3/06 20060101ALI20161111BHJP
   B29C 39/24 20060101ALI20161111BHJP
   B29C 39/10 20060101ALI20161111BHJP
   B29C 45/14 20060101ALI20161111BHJP
【FI】
   B29C45/36
   F04D29/38 G
   F04D29/38 A
   F04D29/02
   F01D25/00 L
   F01D25/00 X
   F02C7/00 C
   F02C7/00 D
   F02C7/00 F
   F02K3/06
   B29C39/24
   B29C39/10
   B29C45/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-520063(P2016-520063)
(86)(22)【出願日】2014年10月3日
(85)【翻訳文提出日】2016年5月13日
(86)【国際出願番号】FR2014052512
(87)【国際公開番号】WO2015049474
(87)【国際公開日】20150409
(31)【優先権主張番号】61/886,678
(32)【優先日】2013年10月4日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】1457909
(32)【優先日】2014年8月21日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】315008740
【氏名又は名称】サフラン エアークラフト エンジンズ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153084
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 康史
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(72)【発明者】
【氏名】ヤン マルシャル
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミー エンゲル
(72)【発明者】
【氏名】マチュー ジマ
【テーマコード(参考)】
3H130
4F202
4F204
4F206
【Fターム(参考)】
3H130AA12
3H130AB27
3H130AB52
3H130AC17
3H130AC30
3H130BA22C
3H130BA23C
3H130BA95C
3H130CB01
3H130DJ08X
3H130ED01C
4F202AA36
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4F202AH04
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4F202CA09
4F202CA11
4F202CB01
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4F202CL09
4F202CL50
4F204AA36
4F204AD16
4F204AJ08
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4F204EB01
4F204EB11
4F204EF27
4F204EK13
4F204EK17
4F204EK24
4F206AA36
4F206AD16
4F206AH04
4F206AH81
4F206AJ08
4F206JA07
4F206JB12
4F206JF05
4F206JQ81
(57)【要約】
本発明は、
製織されたプレフォーム10aを受容するのに適した上方開口ハウジングを形成する成形型24と、プレフォームが該上方開口ハウジング内に配置されることで圧縮アセンブリを形成するべく成形型24と協働する上下可動圧縮工具128とを有する、圧縮アセンブリに関する。該圧縮工具128は少なくとも1つの脚部分128Aを有する。該圧縮工具128は少なくとも3個の分割圧縮ブロック1281−1287を有する。本発明は、ターボ機械の複合材ファンブレードの製造に関する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
糸(20)の三次元的製織により得られ、かつ複合材ターボ機械ブレードを形成することを目的とした製織プレフォームのための圧縮アセンブリにおいて、前記製織プレフォームは、翼(12)と、ブレードの脚(14)と、前記翼(12)と前記脚(14)の間にあるブレードのルート(13)とを事前に定義する各部分を有し、前記圧縮アセンブリは、製織されたプレフォーム(10a)を受容するのに適した上方開口ハウジング(26)を形成する成形型(24)と、プレフォームが前記上方開口ハウジング(26)内に配置されることで前記プレフォーム(10b)の圧縮を可能にする圧縮アセンブリを形成するべく前記成形型(24)と協働する上下可動圧縮工具(128)とを有する、圧縮アセンブリにおいて、
前記上下可動圧縮工具(128)は少なくとも1つの脚部分(128A)を有し、
前記圧縮アセンブリは長手方向とその長手方向に平行な垂直中間平面(PM)とを明確に定め、
圧縮工具(128)は、前記垂直中間平面(PM)を通過する中央圧縮ブロック(1281)と、前記上下可動圧縮工具(128)の側方端縁に位置する2個の側部圧縮ブロック(1286,1287)とを含む、少なくとも3個の分割圧縮ブロック(1281−1287)を有し、
前記少なくとも3個の分割圧縮ブロックは、前記中央圧縮ブロック(1281)で始まり、1個ずつ独立した形で成形型(24)に向かって降下するようになっている圧縮アセンブリ。
【請求項2】
前記少なくとも3個の圧縮ブロックは、前記中央圧縮ブロック(1281)で始まり、次いで先に降下したブロックに隣接する各圧縮ブロックが続き、側部圧縮ブロック(1286,1287)に至るようにして、成形型(24)に向かって1個ずつ降下するように構成され、以て前記プレフォーム(10b)の全幅を圧縮する請求項1に記載の圧縮アセンブリ。
【請求項3】
前記上下可動圧縮工具(128)は、前記プレフォームが前記上方開口ハウジング(26)に置かれた際、少なくとも1本のトレーサ糸(22)の位置が見えるように構成された少なくとも1つの窓(132)を有する請求項1又は2に記載の圧縮アセンブリ。
【請求項4】
複合材ターボ機械ブレードを製造する方法において、当該方法は、
a)糸(20a、20b、22)の三次元的製織によりプレフォームが作られ、前記プレフォームは、翼(12)、ブレードの脚(14)、及び前記翼(12)と前記脚(14)の間にあるブレードのルート(13)を有し、前記糸(20a、20b、22)は、少なくとも前記プレフォームの表面に位置して目視により確認可能なトレーサ糸(22)を有する、工程と、
b)一連のトレーサ糸(22)が無傷でプレフォームの基準面(16)に沿って配置された状態のまま前記プレフォームが切り出されることで、ブレードの構成部分の形状及び寸法を事前定義するように構成された切り出しプレフォーム(10a)が提供される、工程と、
c)前記切り出しプレフォーム(10a)が予め変形されることで、予備変形プレフォーム(10b)が提供される、工程と、
d)前記予備変形プレフォーム(10b)の予備圧縮が達成されることで、予備圧縮プレフォーム(10c)が提供される、工程と、
e)前記予備圧縮プレフォーム10aの湿潤及び乾燥が実行されることで、補強化された補強プレフォームが提供される、工程と、
f)射出成形型が用意され、その中に前記補強プレフォームが置かれる、工程と、
g)前記補強プレフォーム全体に含浸して補強プレフォームの各糸(20a、20b、22)間の相対位置関係を保持するため、熱硬化性樹脂からなるバインダが前記射出成形型内に噴射される、工程と、
h)前記射出成形型が加熱される、工程と、
i)前記射出成形型から、実質的に前記ブレードの形状と寸法を有する複合材成形品が抜き出される、工程とを有し、
工程c)の間、予備変形は、成形型(24)によって形成されたハウジング(26)内に切り出しプレフォーム(10a)を配置することにより達成され、工程d)の間、前記予備圧縮は、成形型(24)と協働する可動圧縮工具(128)を使うことで達成され、
工程d)の間、前記プレフォーム(10b)の少なくとも脚部(12)は予備圧縮され、
前記プレフォーム(10b)は、プレフォーム(10b)の中間から始まって、その端縁部まで徐々に進行する形で予備圧縮される方法。
【請求項5】
前記可動圧縮工具(128)は、少なくとも3個の分割圧縮ブロック(1281−1287)を有し、
工程d)の間、圧縮は前記プレフォームの中央部分に始まり、次いで先に圧縮した部分に隣接する各部分が続くことでプレフォーム(10b)の全幅が圧縮されるような順番で、前記少なくとも3個の圧縮ブロックが、1個ずつ、成形型(24)に向けて降下するように、前記可動圧縮工具(128)は成形型(24)に向けて降下される請求項4に記載の方法。
【請求項6】
工程c)及び工程d)の間、請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧縮アセンブリが使用される請求項4又は5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
複合材ターボ機械ブレードの製造方法と、この方法で使用される圧縮アセンブリに関する。その複合材ブレードは、三次元的に製織された糸や繊維からなるプレフォームと、プレフォームの糸間の相対的配置関係を維持するバインダとを有するタイプのものであっても良い。前記プレフォームは縦糸と横糸とで構成され、その縦糸の方向がプレフォームの長手方向となるかもしれない。
【0002】
特に、本方法はターボ機械、とりわけターボジェットエンジンのためのファンブレードの製造に関するものである。しかしながら、本発明は、到達運転温度がこの種のブレードの熱機械強度に適合するような低圧コンプレッサで使用されるブレードの製造も想定している。また、オープンロータブレードやプラットフォーム一体型ブレードの製造も想定している。
【背景技術】
【0003】
従来より、複合材料、特に炭素繊維からできているファンブレードは、プレ含浸させた一方向性パイルの積層体から作られており、それらの連続したパイルは、オートクレーブでの圧縮・重合化に先立ち、異なる配向性を有して成形型内に配置される。この非常にデリケートな工法は、パイルを手によって積み重ねる作業を必要としており、時間かつ費用のかかるものである。
【0004】
ある特許文献では、閉じた成形型の中に樹脂を噴射する含浸に先立ち、乾燥繊維を編んだプレフォームを用意し、その後、縫合によりプレフォーム同士を組み立てるという提案もなされている(例えば、特許文献1参照。)。また、ある特許文献では、噴射に先立って、1つ又は幾つかの固体インサートを据え付けた単一の製織プレフォームを作るという代替案もある(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、これらの解決策は、複数の部品を組み立てなければならないという欠点があり、またこれら組み立て領域内に、機械的強度、特に、耐衝撃性という点で極めて不利な、例えば層間剥離について特に脆弱な部位を生んでしまうといった欠点を抱えている。
【0005】
これらの欠点を克服するため、ある特許文献は、インサートやその他の付加要素の使用に頼ることなく、オプションとしての切り出しとバインダを噴射した後で、それ自体単独で、ターボ機械ブレードのあらゆる部分を成す最終品を形成可能にするような、三次元製織糸又は繊維のプレフォームを作ることを提案している(例えば、特許文献3参照。)。
【0006】
とりわけ、ある特許文献に示された製造方法では、バインダを噴射してそのバインダを硬化させる前に、製織され、その後切り出されたプレフォームを成形型で成形するといった方法が使われている(例えば、特許文献4参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,672,417号
【特許文献2】米国特許第5,013,216号
【特許文献3】仏国特許第2861143号
【特許文献4】仏国特許第2892339号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、この成形をどのようにして達成するかという点で幾つかの問題が未解決のままである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した欠点が回避され得る圧縮アセンブリに関するものである。具体的に言えば、その圧縮アセンブリはプレフォームの予備圧縮を可能にする。
【0010】
その圧縮アセンブリは、糸を三次元的に製織して複合材ターボ機械ブレードを形成する目的を持ったプレフォームであって、同時に翼、ブレード脚、及び翼と脚の間にあるブレードルートを有する前記ブレフォームに対して使用されるかもしれない。
【0011】
この圧縮アセンブリは、上方が開口したハウジングを形成して製織プレフォーム(事前に切り出されている場合もある)を受容するのに適した成形型と、前記ハウジング内に置かれた状態で前記プレフォームの圧縮を可能にする圧縮アセンブリを形成するべく前記成形型と協働する上下方向可動な圧縮工具とを有する。その圧縮アセンブリは、長手方向及びその長手方向に平行な垂直中間平面を明確に定めている。
【0012】
その圧縮工具は、前記中間平面を通過する中央圧縮ブロックと、前記圧縮工具の側方端縁に位置する2個の側部圧縮ブロックとを含む、少なくとも3個の分割圧縮ブロックを有しても良く、前記圧縮ブロックは、前記中央圧縮ブロックで始まり、1個ずつ独立した形で成形型に向かって降下するようになっている。
【0013】
圧縮工具は形成型の方向に降下するように構成されても良い。
【0014】
本開示は又、圧縮アセンブリを用いて複合材ターボ機械ブレードを製造する方向にも関連している。
【0015】
本発明のその他の利点及び特徴は、添付図面を参照しつつなされた以下の説明を読むことにより明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】切り出し後のプレフォーム例の一般的斜視図である。
【図2】製造方法例の工程を示した図である。
【図3】本発明の第1実施形態による圧縮アセンブリを用い、プレフォームの異なる2部分の形状への圧縮効果を示した、図2の方向III に沿う断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態による圧縮アセンブリを用い、プレフォームの異なる2部分の形状への圧縮効果を示した、図2の方向IVに沿う断面図である。
【図5】図1のプレフォームの部分図であって、その脚とルートを拡大して示した図である。
【図6】図4のそれに類似した断面図であって、圧縮アセンブリの別の例を示した図である。
【図7】図6の圧縮アセンブリの圧縮工具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の詳細な説明では、圧縮アセンブリの例や製造工程の例を示した添付図面を参照する。これらの例は、単に例示的なものとして扱われることを意図するものであって、本発明の範囲はこれらの例に限定されるものではない。
【0018】
例示的実施形態において、その製造方法は、a)製織によって縦糸20aと横糸20bを含んだ三次元的プレフォーム10を作ることからなる第1工程で始まる。これら編み糸群の双方には、他の糸と視覚的に区別することができかつ少なくともプレフォームの表面において規則的に置かれるトレーサ糸22が設けられる。
【0019】
縦糸と横糸は、例えば炭素繊維、ガラス繊維、シリカファイバ、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、アラミド繊維及び芳香族ポリアミド繊維からなるグループに属するかもしれない。
【0020】
一体物である製織プレフォームは、次いで、本方法の第2工程(b)で切り出される。具体的には、製織プレフォームは、変形した後でプレフォームが仕上げ品の形状となるように提供された所定の三次元的算盤に応じて外形を切り出すことにより輪郭化される。この切り出しは、ウォータジェット及び/又は機械的手段(鋏、カッター、鋸…)を用いて実行したり、さらに/或いはレーザー切除によって実行可能である。
【0021】
この結果、図1に示すような切り出しプレフォーム10aがもたらされる。ここには、ブレードの翼12と脚14の形成を目的とした各部分だけでなく、翼12と脚14の間の遷移部分となるルート13もある。特に、三次元的製織に使用される縦糸20aと横糸20bは炭素繊維(黒)であり、ガラス又はケブラー繊維(白)は、縦糸20aに平行な主要長手方向と横糸20bに平行な横断方向に沿って、基本的にプレフォームの表面に位置するトレーサ糸22を成す。このように、トレーサ糸22は黒色のプレフォーム残余部分上に白色となって現われるため、かなり目立つ。また、これらのトレーサ糸は、最終部品のコンプライアンス検査を可能にする従来の非破壊検査技術(X線トモグラフィーや超音波タイプ)を用いて検出することができる。
【0022】
特に、これらのトレーサ糸22は、以下説明するように、切断工程やその他のプレフォーム処理工程に先立って位置決めするための基準点として使用されることを目的として、ブレードの両面(加圧側壁面17と吸引側壁面18を夫々形成する目的を持った面)の表面の所定位置にある。
【0023】
この切断工程の間は、一連のトレーサ糸22がプレフォームの表面上にあって少なくとも1つの基準面16に沿って位置する状態を保持するよう意図されており、図示したケースではその基準面は前縁を構成するように意図された面となる。
【0024】
次いで、工程c)が実行され、ここで切り出しプレフォーム10aの予備変形が達成される。
【0025】
特に、工程c)の間、予備変形は、成形型24(図2)に切り出しプレフォーム10aを置くことで達成され、同成形型は、切り出しプレフォーム10aを収容するキャビティやハウジング26を形成する様々な部分を有すると共に、少なくとも何本かのトレーサ糸22を位置決めする際に基準として使われるマークを備えている。
【0026】
切り出しプレフォーム10aを特定して位置決めするための様々なシステムを使用しても良く、とりわけレーザー投射機27(図2)は、トレーサ糸22の理想位置に光線を投射することで、それに対応するトレーサ糸22の移動を容易にし、所定の位置決めを達成する。
【0027】
これに取って代わるか、或いは付け加える形で、全てのトレーサ糸22又はその一部の輪郭及び/又は位置をとるマスクをプレフォーム上に配置し、その適正な位置決めをチェックするようにしても良い。
【0028】
切り出しプレフォーム10aが成形型24内で位置決めされる際、切り出しプレフォーム10aは、その主要軸に平行な軸線XX’周りで(図2の矢印25a方向に)回転を与えることでプレフォームを変形させる状態に置かれ、それは、この軸線周りで翼をツイストさせる結果を持つ。
【0029】
実施形態によっては、成形型24に、スライド可能で、かつプレフォームのルート14の自由端に対して応力(図2の矢印25b)を課すような位置をとるように設計された可動部分24aを設けることも可能であり、これによりプレフォームのこの部分14に所望の変形を与えたり、この部分にある種の変形が生じるのを回避する一方でプレフォーム10bの他の部分に変形を与えるようにしても良い。
【0030】
成形型24内にプレフォーム10a位置決めするための基準要素としてトレーサ糸22を用いることで、切り出しプレフォーム10aを成形するための数多くの様々な可能性が想定できることを理解されたい。
【0031】
切り出しプレフォーム10aを成形型24内に配置するストラテジーも又、特に脚や頭部や前縁16や後縁19や他の所定域間から選択された基準面に準じ、それ以前に作られた切り出しプロフィール又は輪郭プロフィールにも関係がある。
【0032】
切り出しプレフォーム10aは、所望の最終形状を達成するのに必要とされるあらゆる変形を実行するほど十分正確な方法で、成形型24内に設置されるかもしれない。しかしながら、この工程c)を、複数のサブ工程の形で実行することも可能である。
【0033】
次いで、熱硬化性樹脂からなるバインダが前記射出成形型内に噴射され、プレフォーム全体に含浸させ、プレフォームの糸間の相対配置関係を保持する。なお、前記射出成形型は加熱され、実質的に前記ブレードの形状・寸法を有する複合材モールド部品が成形型から抜き出される。
【0034】
工程c)に続く工程d)では、バインダの射出に先立って、脚を含む予備変形プレフォーム10bの少なくとも一部分、好ましくは脚14とルート13の予備圧縮が、予備変形プレフォーム10bの全幅にわたって達成される。この予備圧縮は、特定の繊維を所定の位置に閉じ込めることで、目標とする最終形状にさらに近づいたプレフォーム中間形状を得るものである。
【0035】
この目的で使用され、かつその一部を図2に概略的に示す圧縮工具28は、必要な機器部品と共に成形型24を完成するように作られるかもしれない。実際、その圧縮工具28は(上下に)移動可能であり、約100℃の温度まで上昇可能でなければならない。
【0036】
この工程d)の間、糸をコーティングすることで製織を容易にするのに使用されるサイジング品は、予備圧縮部分を成す繊維同士の相対位置のブロッキングを可能にするものである。
【0037】
その後、予備圧縮されたプレフォーム10cの湿潤処理とオーブン内での乾燥処理が実行され、それらにより補強プレフォームがもたらされる。事実、この補強処理は、工程c)で与えられた形状を、切り出しプレフォーム10a(今は予備変形プレフォーム10b)に対して十分に硬化させるものであり、その結果、プレフォームはその後、上述した予備変形形状に相当する形状を実質的に変えることなく、射出成形型24内に簡単に配置されるかもしれない。
【0038】
必要ならば、オプションとして、プレフォームの内部に粘着剤、例えば希釈樹脂(特にエポキシ型)を添加することが可能である。それらの全ては、予備圧縮工程d)中に与えられる熱や圧力の影響下にあって、製織された炭素繊維同士を互いに接着させるものであり、予備変形されたプレフォーム10bがその後(とりわけ、噴射工程において)、何らかの変形を被るのを回避することができる。
【0039】
製織プレフォームを、最終品の最終繊維体積レベルに対して中間の繊維体積レベルまで圧縮可能にするべく、圧縮工具28は、成形型24のハウジング26への挿入を可能にする形状・寸法を有する。例えば、圧縮工具28を使って得られる圧縮プレフォームの目標繊維体積レベルは35%〜55%であり、その場合、最終品は射出後の状態で50%〜60%の目標繊維体積レベルとなる。
【0040】
図3及び図4を参照するに、それらは、予備変形したプレフォーム10bと、一実施形態による圧縮アセンブリ(成形型24と圧縮工具28)の断面を示している。図3は脚14における断面図であり、図4はプレフォーム10bのルート13における断面図である。これらの図は、圧縮プレフォーム10c(実線)を得るために、予備変形されたプレフォーム10b(点線)のこれら異なる部分にどのようにして予備変形が施されるかを示したものである。
【0041】
脚14(図3)のため、成形型24のハウジング26は矩形断面を有し、圧縮工具28は脚部分28Aを有し、その矩形断面はハウジング26のそれに整合している。
【0042】
ルート(図4)のため、成形型24のハウジング26は、凸状の底部26aとハウジング26の開口部に対して広がった側部26bとを備えた断面を有する。圧縮工具28はルート部分28Bを有し、その断面は、実質上垂直な側部28bと、成形型24内の凸状底部に対面するように意図された底部28aとを備える。この底部28aは凹状になっており、そのプロフィールは成形型24のハウジング26の底部の凸状プロフィールよりも大きな曲率半径を有している。
【0043】
本実施形態の圧縮工具28は、その移動の際、それ全体が成形型24のハウジング26内に降下(或いはハウジングから上昇)し、以て予備変形されたプレフォーム10bを圧縮するような一体品である。
【0044】
予備変形されたプレフォーム10bの繊維への損傷を回避するため、とりわけ繊維の挟み込みを回避するために、ハウジングに対面する成形型24と圧縮工具28の各表面は、如何なる(凹凸の)鋭利なエッジを持たず、フィレットを構成する、丸みを帯びるか或いは放射状に配置された接続部によって丸みのある角部を伴う面から構成される。
【0045】
そのような状況において、圧縮工具28が降下すると、プレフォームのルート13(図4)を圧縮することになるルート部分28Bに関しては、最初、予備変形プレフォーム10bの側縁部16a、19a(それらのエッジは前縁16と後縁19を夫々成すことになる)は、圧縮工具28の底部28aの側縁部28cの位置で同工具と接触する。その後、接触は圧縮工具28に対面するルート13の全表面でなされ、その面の中央域(帯)、すなわち圧縮アセンブリの中央平面PMを通る中央域で終了する。
【0046】
この中央平面PM(必ずしも、圧縮アセンブリ及びプレフォームの対称面とは限らない)は、プレフォームの主要方向に沿って方向付けられた軸線XX’に対し垂直かつ平行であり、成形型24のハウジング26の各側縁部26bの間と、圧縮工具28の各側縁部28bの間両方の半分の所にある。
【0047】
このような形状では、ルート13の予備変形に関して特定の欠点を往々にして有する可能性はある。即ち、図4及び図5の場合、一方においては予備変形プレフォーム10bの側縁部16a、19aが薄く、ルート13の残りの部分よりも大きな曲げを受けるために、プレフォームを形成する繊維20が座屈してしまい、最終ブレードにおける適正な熱機械的強度に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0048】
この好ましからぬ座屈を受ける切り出しプレフォーム10aの領域は、図5において、翼12近くに位置するルート13の薄いエッジに対応した2つの場所Z1、Z2で示されている。
【0049】
上述した障害を回避するため、圧縮アセンブリの圧縮工具は少なくとも1つの脚部分を備え、同圧縮工具は、前記中央平面を通る中央圧縮ブロックと、その圧縮ブロックの側方端に位置する2個の側部圧縮ブロックとを含む、少なくとも3個の分割圧縮ブロックを備えている。また圧縮ブロックは、中央圧縮ブロックに始まり、成形型に対して夫々独立した形で1個ずつ降下できるようになっている。
【0050】
このように、圧縮工具を少なくとも3個の部分で構成しても良く、圧縮工具と切り出しプレフォームの最初の接触が圧縮工具に対面するルートの表面の中央域で起こるように最初に降下する中央圧縮ブロックから始まる形で、圧縮工具の各部分を異なる時期に降下させることが可能である。
【0051】
このように、本発明の圧縮アセンブリによれば、プレフォームのルートの側縁部は最後に圧縮され、予備圧縮時においてこれら薄い領域に生じる繊維の座屈を最少限に抑えたり、その座屈さえも回避するような可能性を与える。
【0052】
圧縮工具は、前記中央平面を通る中央圧縮ブロックの両側に同じ数の他の圧縮ブロックを置く配置構造を成すように、奇数の分割圧縮ブロックを備えるようにしても良い。
【0053】
この解決策は又、さらに各圧縮ブロックによりプレフォームに与えられる予備圧縮レベル(予備圧縮に由来する中間繊維体積レベルによって測定可能)を調整できるという利点がある。
【0054】
特定の実施形態において、前記圧縮ブロックは、前記中央圧縮ブロックによって始まり、先に降下したブロックに隣接する各圧縮ブロックが続き、側部の圧縮ブロックまで至ることで前記プレフォームの全幅を圧縮するといったような順番で、成形型に向かって1個ずつ降下することが可能である。
【0055】
特定の実施形態では、前記圧縮工具は唯一の脚部分を備える。その他の実施形態では、圧縮工具は、図7に示したように脚部分128Aとルート部分128Bを備える。
【0056】
特定の実施形態では、前記圧縮ブロックの降下は、まず中央圧縮ブロックで始まり、次いで中央平面の一方の側にある全圧縮ブロックが、好ましくは中央圧縮ブロックから連続して1個ずつ続き、最終的には第2の側部圧縮ブロックに至るといった形で、圧縮ブロックは成形型に向って降下することが可能である。
【0057】
またこれに代わる形で、前記圧縮ブロックは、中央平面に対称な形をとって成形型に向けて降下することが可能である。
【0058】
特定の実施形態では、圧縮工具128全体は、その圧縮工具128の中央平面PMを通る中央圧縮ブロック1281を間に置いた、少なくとも3個の分割圧縮ブロックに分割され、前記圧縮ブロックは中央圧縮ブロック1281に始まり、成形型24に向かって夫々別個に降下することが可能である。
【0059】
図6及び図7の例では、圧縮工具128全体は、中央平面PMの周り、その両側に分配された7個の分割圧縮ブロック1281、1282、1283、1284、1285、1286、1287に分割される。
【0060】
このように、圧縮工具128(脚部分128Aとルート部分128B)全体の下方運動を、まず圧縮工具128の中央平面PMを通る中央圧縮ブロック1281で始まるようにし(図6中の下向き矢印D1と点線1281’)、次いで中央圧縮ブロック1281の両側に位置する両圧縮ブロック1282、1283が続き(図6中の下向き矢印D2、D3と点線1282’、1283’)、そして圧縮ブロック128の側縁部に位置する両側部圧縮ブロック1286、1287に至るといった形に分解することができる。
【0061】
図7に示したように、圧縮工具128はオプションとして、成形型24と圧縮工具28の間に形成されたハウジング内にプレフォームが配置された状態で少なくとも1本のトレーサ糸の位置を視認できるようにした、少なくとも1つの窓132を備える。一例として、この窓132は、透明な材料から作られた圧縮工具128の一部分によって構成されるか、好ましくは圧縮工具28全厚の始めから終りまで通過する開口部によって構成される。この窓132は、脚部分128Aに隣接するルート部分128Bの領域内であって、好ましくは中央圧縮ブロック1281に位置決めされるかもしれない。そのような窓132を設けることで、とりわけ、この窓を通して見えるトレーサ糸22(例えば、翼幅出口にあるトレーサ糸)が圧縮作業の間じゅう、適正に位置決めされ、かつそのままの状態にあるか確認することが可能になる。
【0062】
図6及び図7に示す例では、圧縮工具128は7個の分割圧縮ブロック1281、1282、1283、1284、1285、1286、1287に分割される。
【0063】
圧縮ブロック1281、1282、1283、1284、1285、1286、1287は又、様々な速度及び/又は様々な力(圧縮ブロックによりプレフォームに付与される力)でプレフォーム10bを圧縮するべく降下しても良く、そこから圧縮ブロック1281、1282、1283、1284、1285、1286、1287間での様々な予備圧縮に起因した予備圧縮レベルや中間繊維体積レベルが生まれる。
【0064】
図示した例では、7個の圧縮ブロック1281、1282、1283、1284、1285、1286、1287が存在するが、一般的には、それらの内の少なくとも5個のブロックを設けても良いし、例えば、5個ぴったりのブロックが設けられるかもしれない。
【0065】
複合材ターボ機械ブレードを製造する方法は、
a)糸20a、20b、22を三次元的に製織することにより、翼12、ブレードの脚14、及び翼12と脚14の間にあるブレードのルート13を同時に有するプレフォームが作られ、前記糸20は、少なくとも前記プレフォームの表面に位置し目視により確認可能なトレーサ糸22を有し、
b)一連のトレーサ糸22が無傷でプレフォームの基準面16に沿って配置された状態を残しながら前記プレフォームを切り出し、以てブレードの構成部分の形状・寸法を担うことができる切り出しプレフォーム10aが提供され、
c)前記切り出しプレフォーム10aが予め変形され、以て予備変形プレフォーム10bが提供され、
d)前記予備変形プレフォーム10bへの予備圧縮が実行され、以て予備圧縮プレフォーム10cが提供され、
e)前記予備圧縮プレフォーム10aを湿らせ、例えば乾燥オーブンでそれを乾燥することにより補強化されたプレフォームが提供され、
f)射出成形型24が用意され、その内部に前記補強プレフォームが置かれ、
g)前記射出成形型内に熱硬化性樹脂からなるバインダを噴射して補強化された予備変形プレフォーム全体を含浸させ、補強プレフォームの各糸20a、20b、22間の相対位置関係を保持し、
h)前記射出成形型が加熱され、そして
i)前記成形型から、実質的に前記ブレードの形状と寸法を有する複合材成形品が抜き出される、以上の各工程を有するかもしれない。
【0066】
工程c)の間、前記予備変形は、成形型24によって形成されたハウジング26内に切り出しプレフォーム10aを配置することにより実行され、工程d)の間、前記予備変形プレフォーム10aの前記予備圧縮は、可動圧縮工具128を使って成形型24と協働することで実行され、以て長手方向とその長手方向に平行な垂直中央平面PMを明確に定める圧縮アセンブリを形成する。
【0067】
従って、工程d)では圧縮工具28は、成形型24に向けて降下することが好ましいかもしれない。
【0068】
好ましい実施形態によれば、前記圧縮工具128は、工程d)時、前記予備変形プレフォーム10bの少なくとも脚12を、その中央に始まって、予備変形プレフォーム10bの端縁部まで徐々に進行する形で圧縮することができる。
【0069】
従って、この有利な条件により、圧縮工程中、プレフォームの脚域12とルート域13において繊維の座屈が回避される。
【0070】
本方法では、工程d)時、前記圧縮工具128は次のような形で成形型24に向かって降下することが可能である。即ち、まず中央平面PMを通るその中央部分に始まり、次いでその先行部分に隣接する各部分が続き、中央平面PMから次第に大きくオフセットしていくといったような順番で前記圧縮ブロックが1個ずつ、成形型24に向けて降下していくという形である。また工程d)時、前記圧縮工具128は前記中央平面PMに対称な形で成形型24に向けて降下できるかもしれない。
【0071】
図面は、製造方法の始めから終りまで直線的なままのルート14の例を示している。しかしながら本発明の範囲を超えることなく、成形型24内に置かれた際には捩れたり、他のアクションに応じて変形されるようなルートを想定できることを理解されたい。
【0072】
さらに、図示しない代替的実施形態によれば、圧縮工具128は翼の脚14やルート13のみならずブレードの翼12の一部分をもカバーする。
【0073】
又、上の記述では、圧縮工具128は予備圧縮工程、即ち工程d)を実行することが述べられている。しかしながら、この圧縮工具128を射出成形型24の一要素として代替的に使用することも、それを工程f)と工程g)だけに使用することも可能である。又、別の代替例によれば、この同一圧縮工具128を予備圧縮工程d)と、工程f)及び工程g)の双方に使用することが可能である。
【0074】
本明細書で用いた“有する(Cоmprises/cоmprising)”という動詞は、規定された特徴がそこに存在することを明記するために使われており、1つ以上の他の特徴が存在や付加を排除しない。
【0075】
以上の記述は、一例として与えられたものであって、それに限定するものではない。以上の開示を所与として、当業者であるならば、発明の範囲内に収まる様々な変更例を考案できるであろう。さらに、ここで開示された実施形態や例の様々な特徴を単独で使用したり、互いに組合せを変えて使用すること用いることも可能であって、ここに開示された特定の組合せに限定されることは意図しない。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【国際調査報告】

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