(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-539301(P2016-539301A)
(43)【公表日】2016年12月15日
(54)【発明の名称】ガスタービンエンジン燃焼ガスダクト用の構造的な取付装置
(51)【国際特許分類】
F23R 3/60 20060101AFI20161118BHJP
F02C 3/14 20060101ALI20161118BHJP
F23R 3/46 20060101ALI20161118BHJP
F23R 3/42 20060101ALI20161118BHJP
F02C 7/20 20060101ALI20161118BHJP
【FI】
F23R3/60
F02C3/14
F23R3/46
F23R3/42 D
F02C7/20 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-525937(P2016-525937)
(86)(22)【出願日】2014年9月22日
(85)【翻訳文提出日】2016年6月21日
(86)【国際出願番号】US2014056757
(87)【国際公開番号】WO2015060964
(87)【国際公開日】20150430
(31)【優先権主張番号】14/059,521
(32)【優先日】2013年10月22日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】599078705
【氏名又は名称】シーメンス エナジー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド ジェイ. ウィーブ
(72)【発明者】
【氏名】リチャード シー. シャロン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイ エイ. モリソン
(57)【要約】
ガスタービンエンジンダクト装置配列(10)は、それぞれの缶型燃焼器内で生じる燃焼ガスの複数の個別の流れを受け取り、個別の流れをタービン入口環に供給するように構成され、内径部(52)と外径部(60)とを有する、環状チャンバ(14)と、外径部とタービンベーンキャリア(20)との相対的な半径方向移動を許容し、かつ相対的な軸方向移動および周方向移動を阻止するように構成された、外径部取付装置(34)と、タービンベーンキャリアに固定されたブラケット(64)を有する内径部取付装置(36)であって、ブラケットは、内径部が外径部とともに半径方向に移動することを許容し、かつ外径部に対する内径部の軸方向たわみを阻止するように構成されている、内径部取付装置(36)と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンエンジンダクト装置配列であって、
それぞれの缶型燃焼器内で生じる燃焼ガスの複数の個別の流れを受け取り、かつ該個別の流れをタービン入口環へ供給するように構成された共通のダクト構造であって、環状チャンバは内径部と外径部とを有する、ダクト構造と、
前記外径部とタービンベーンキャリアとの間の相対的な半径方向移動を許容し、かつ相対的な軸方向移動を阻止するように構成された、外径部取付装置と、
前記タービンベーンキャリアに固定されたブラケットを有する内径部取付装置であって、前記ブラケットは、前記内径部が前記外径部とともに半径方向に移動することを許容し、かつ前記外径部に対する前記内径部の軸方向たわみを阻止するように構成されている、内径部取付装置と、
を備えることを特徴とする、ガスタービンエンジンダクト装置配列。
【請求項2】
前記外径部取付装置は、前記環状チャンバの、半径方向に配向された外径部フランジと、前記タービンベーンキャリアに対して固定された、半径方向に配向された外側取付溝とを有し、該外側取付溝に、前記環状チャンバの前記外径部フランジが収容されている、請求項1記載のガスタービンエンジンダクト装置配列。
【請求項3】
前記内径部取付装置は、前記環状チャンバの内径部フランジと、前記タービンベーンキャリアに対して固定された、半径方向に配向された内側取付溝とを有し、前記ブラケットは、前記環状チャンバの前記内径部フランジと前記タービンベーンキャリアの前記内側取付溝とに固定されている、請求項1記載のガスタービンエンジンダクト装置配列。
【請求項4】
前記ブラケットのベーンキャリア端部は、前記タービンベーンキャリアの前記内側取付溝に収容されるように構成された、半径方向に配向されたフランジを有する、請求項3記載のガスタービンエンジンダクト装置配列。
【請求項5】
前記ブラケットの環状チャンバ端部は、前記環状チャンバの前記内径部フランジにしっかりと固定されている、請求項4記載のガスタービンエンジンダクト装置配列。
【請求項6】
前記ブラケットの環状チャンバ端部は、前記環状チャンバの前記内径部フランジを収容する溝を有する、請求項4記載のガスタービンエンジンダクト装置配列。
【請求項7】
当該ダクト装置配列の追加的な位置に対する支持を提供するように構成された補足的な支持装置をさらに備え、前記追加的な位置は、前記ブラケットのベーンキャリア端部と環状チャンバ端部との間における補足的な支持箇所において前記ブラケットに固定されている、請求項1記載のガスタービンエンジンダクト装置配列。
【請求項8】
前記追加的な位置は、前記補足的な支持箇所にしっかりと固定されている、請求項7記載のガスタービンエンジンダクト装置配列。
【請求項9】
前記追加的な位置と、前記補足的な支持箇所とは、摺動接触している、請求項7記載のガスタービンエンジンダクト装置配列。
【請求項10】
前記外径部取付装置は、回動防止装置をさらに有し、該回動防止装置は、前記タービンベーンキャリアに対して固定されかつ前記環状チャンバの前記外径部フランジに設けられたスプライン溝に収容されているスプラインを有する、請求項2記載のガスタービンエンジンダクト装置配列。
【請求項11】
前記内径部取付装置における前記ブラケットの相対的な熱成長が、前記内径部に掛かる圧力によって生じる力に対抗するのに有効なかたちで前記内径部に予荷重を掛けるように、前記ブラケットが構成されている、請求項1記載のガスタービンエンジンダクト装置配列。
【請求項12】
ガスタービンエンジンダクト装置配列であって、
燃焼ガス流をタービン入口環に供給するように構成された、環状チャンバと、
外径部とタービンベーンキャリアとの間の相対的な半径方向移動を許容し、かつ軸方向移動を阻止するように構成された、外径部取付装置と、
ブラケットであって、該ブラケットと前記タービンベーンキャリアとの間の相対的な半径方向移動を許容し、かつ相対的な軸方向移動を阻止するように、前記タービンベーンキャリアに固定され、内径部のための片持ち支持部として構成された、ブラケットと、
を備える、ガスタービンエンジンダクト装置配列。
【請求項13】
前記外径部取付装置は、前記環状チャンバの、半径方向に配向された外径部フランジと、前記タービンベーンキャリアに対して固定された、半径方向に配向された外側部取付溝とを有し、該外側部取付溝に、前記環状チャンバ外径部フランジが収容されている、請求項12記載のガスタービンエンジンダクト装置配列。
【請求項14】
前記外径部取付装置は、回転防止装置をさらに有し、該回転防止装置は、前記タービンベーンキャリアに対して固定されかつ前記環状チャンバの前記外径部フランジに設けられたスプライン溝に収容されているスプラインを有する、請求項13記載のガスタービンエンジンダクト装置配列。
【請求項15】
前記ブラケットは、前記環状チャンバの半径方向移動に応答して半径方向に移動する、請求項12記載のガスタービンエンジンダクト装置配列。
【請求項16】
前記ブラケットのベーンキャリア端部は、前記タービンベーンキャリアに対して固定された内側取付溝に収容されるように構成された、半径方向に配向されたフランジを有する、請求項15記載のガスタービンエンジンダクト装置配列。
【請求項17】
前記ブラケットの環状チャンバは、内径部にしっかりと固定されている、請求項15記載のガスタービンエンジンダクト装置配列。
【請求項18】
前記ブラケットは、ベーンキャリア端部において前記タービンベーンキャリアに固定されており、環状チャンバ端部において前記環状チャンバに固定されており、前記ベーンキャリア端部と前記環状チャンバとの間における前記ブラケットの所定の箇所で当該ダクト装置配列にしっかりと固定されている、請求項15記載のガスタービンエンジンダクト装置配列。
【請求項19】
前記環状チャンバに対する前記ブラケットの相対的な熱成長が、前記外径部に対して前記内径部を移動させるように作用する圧力によって生じる力に対抗するのに有効なかたちで前記内径部に予荷重を掛けるように、前記ブラケットが構成されている、請求項12記載のガスタービンエンジンダクト装置配列。
【請求項20】
前記環状チャンバは、互いに固定された複数のチャンバアーチ形セクションを有し、当該ガスタービンエンジンダクト装置配列は、各前記チャンバアーチ形セクションに関連付けられたブラケットを有する、請求項12記載のガスタービンエンジンダクト装置配列。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
連邦政府による資金提供を受けた開発の記載
本発明の開発は、アメリカ合衆国エネルギー省により与えられた契約番号No.DE−FC26−05NT42644により一部で支援されている。したがって、アメリカ合衆国政府は、本発明に一定の権利を有することがある。
【0002】
発明の分野
本発明は、ガスタービンエンジンのカニュラー型燃焼システム用の取付装置に関する。特に、この装置は、燃焼システムの環状チャンバと、環状チャンバが固定されたタービンベーンキャリアとの間の相対的な半径方向移動を許容するが、相対的な軸方向移動を阻止する。
【0003】
発明の背景
慣用のカニュラー型ガスタービンエンジンは、複数の個別の燃焼器缶を有する。各缶は、それぞれのトランジションダクトに固定されている。トランジションダクトは、燃焼器缶から到来する燃焼ガスを案内し、入口ガイドベーンを通って、タービン入口環のそれぞれの部分に向けて案内する。燃焼ガスのそれぞれの流れは、燃焼器から、それぞれのトランジションダクトから退出するまで分離したままである。これに対して、缶型燃焼器を使用する所定の新しいガスタービンエンジンでは、トランジションダクトの列が、所定のダクト配列と交換されている。このダクト配列は、位置変更された燃焼器缶から到来する、個別の燃焼ガス流を受け取り、燃焼ガス流を、第1列のタービンブレードに供給するのに適当な速度に加速し、燃焼ガス流を、共通のダクト構造に送り込む。共通のダクト構造は、環状チャンバを有してよく、そこでは、燃焼ガス流が、もはや互いに分離されていない。環状チャンバは、タービン入口へ直接排出を行う(他の構成が存在し、そこでは共通のダクト構造内でさえも個別の流れが分離したままである)。適当な配向、およびこの配列により生成される速度は、慣用の配列に存在する第1列の入口ガイドベーンの必要性を排除する。この構成の一例が、2011年8月25日に公開された、Charron他の米国特許出願公開第2011/0203282号明細書に示されており、参照によりその全体が本明細書に含まれる。
【0004】
慣用のガスタービンエンジン燃焼器配列では、燃焼ガス流がトランジションダクト内であまり加速されないので、トランジションダクトを包囲するプレナム内の圧縮空気とトランジション内の燃焼ガス流の静圧との間に比較的小さな静圧差が存在する。その結果、トランジションダクトの外面を内方へ押圧する比較的小さな力が存在する。
【0005】
これに対して、新しい技術のダクト装置配列では、燃焼ガス流は、著しく速い速度で移動している。その結果、著しく高い圧力差(最高6気圧まで)が生じ、結果としてダクト装置配列の外面に作用する力が生じる。環状チャンバを有する構成などの、燃焼ガス流を第1列のタービンブレードに供給するのに適当な速度に加速する加速ジオメトリを有する構成では、環状チャンバは、これらの力のうちの最大の力を受ける。というのも、燃焼ガス流が、環状チャンバ内にあるときに十分に加速されるからである。これらの力は、ダクト装置配列、特に環状チャンバを変形させるように作用し、当該技術分野において、この変形を阻止する改良の余地がある。
【0006】
本発明を、図面を参照して以下に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本明細書に記載された取付装置を使用できるダクト装置配列の概略図である。
【図2】ガスタービンエンジンの燃焼セクション内に配置された、図1のダクト装置配列の概略図である。
【図3】取付装置の例示的な実施の形態を示す、図2のガスタービンエンジンの燃焼セクション内におけるダクト装置配列の環状チャンバの、図1のA−A線に沿った概略断面図である。
【図4】図3のB−B線に沿った図である。
【図5】取付装置の代替的で例示的な実施の形態である。
【図6】取付装置の代替的で例示的な実施の形態である。
【図7】取付装置の代替的で例示的な実施の形態である。
【0008】
発明の詳細な説明
本願発明者らは、新しい技術のカニュラー型の燃焼装置に関連するダクト装置の変形に対抗する革新的な取付装置を発明した。取付装置は、ダクト装置が取り付けられたタービンベーンキャリアに対するダクト装置の相対的な半径方向移動を許容する一方、相対的な軸方向移動を阻止する。さらに、取付装置は、ダクト装置を変形しようとする、圧力によって誘発された力にもかかわらず、ダクト装置がその形状/輪郭を保持するのを補助する補強機能を提供する。
【0009】
図1は、後方から前方を見たダクト装置配列10を概略的に表している。ダクト装置配列10は、適当に配向された缶型燃焼器(図示されていない)と一緒に用いられてよい。ダクト装置配列10は、燃焼ガスを受け取り、燃焼ガスをタービン(図示されていない)の入口環(図示されていない)に向けて案内する。ダクト装置配列10は、複数のコーン12を有してよく、各コーン12は、それぞれの缶型燃焼器から放出される燃焼ガスの個別の流れを受け取るように構成されていてよい。各コーン12は、個別のダクトの一部であってよく、各ダクトが組み合わされて共通のダクト構造が形成される。共通のダクト構造は、環状チャンバ14を有してよく、環状チャンバ14内に全ての燃焼ガス流が流れる。燃焼流を、コーン12に進入するときに移動する速度から、タービンブレード(図示されていない)の第1列に供給するために適当な速度であって、マッハ0.8以上に達し得る速度へ加速するために、加速構造16が設けられていてよい。
【0010】
図2は、ガスタービンエンジンのタービンベーンキャリア20内に配置されたダクト装置配列10(分かりやすくするためにコーン12は省いてある)を示している。圧縮空気は、圧縮機出口ディフューザ22から退出して、ダクト装置配列20を包囲しているプレナム24に進入する。圧縮空気は、これが燃焼器缶(図示されていない)への入口(図示されていない)に向かって移動するとき、比較的ゆっくりプレナム24内で移動している。いったん圧縮空気が燃焼と混合されて缶内で燃焼されると、ダクト装置配列10により受け取られ、図2に部分的に見える加速構造16を介して、マッハ0.8以上に達する比較的速い速度に加速される。タービンベーンキャリア20内に環状チャンバ14が部分的に見える。環状チャンバ14は、圧力によって生じる力の大部分を受ける。
【0011】
図3は、環状チャンバ14を備えるダクト装置配列10の共通のダクト構造を示す、図1のA−A線に沿った断面図である。環状チャンバ14の後方端部に出口30が設けられており、出口30から、燃焼ガスが、出口30の直ぐ後方でタービン入口環(図示されていない)に進入する前に排出される。取付装置32の例示的な実施の形態は、外径部取付装置34と内径部取付装置36とを有する。外径部取付装置34は、半径方向38の移動を許容するが、軸方向40の移動を制限する。これは、例示的な実施の形態で図示するように、環状チャンバ14の外径部52と結合された、半径方向に配向された外径部フランジ50と、タービンベーンキャリア20に対して固定された、半径方向に配向された外側取付溝54とにより形成されるような、所定の溝付装置によって達成されてよい。(フランジおよび溝の位置は、簡単に切り換えることができ、切り換えられてもなお、同一の目的、すなわち相対的な軸方向移動ではなく半径方向移動を達成することができる)。
【0012】
係合されると、外径部取付装置34は、環状チャンバ14の外径部52がタービンベーンキャリア20に対して半径方向で移動することを許容する。このことは極めて重要である。なぜなら、一時的な事象の間にその2つが異なる比率で加熱および冷却されて、半径方向での相対的な熱成長を引き起こすことがあり、これがその2つの間の熱応力を回避するために相対的な半径方向移動を必要とするからである。さらに、作動中の振動が半径方向移動の自由を必要とすることがある。しかしながら、環状チャンバ14を保持するために、相対的な軸方向移動の第1列のタービンブレードへの到達が阻止されなければならない。
【0013】
内径部取付装置36は、環状チャンバ14の内径部60に固定するように要求された装置をいう。内径部取付装置36は、相対的な半径方向移動を許容し、相対的な軸方向移動を阻止するように構成されていて、環状チャンバ14の内径部60と結合された内径部フランジ62と、ブラケット64と、タービンベーンキャリア20に対して固定された、半径方向に配向された内側取付溝66とを有していてよい。ブラケット64は、ベーンキャリア端部68と、環状チャンバ端部70とを備える。ベーンキャリア端部68は、半径方向に配向された内側取付溝66内に嵌め込まれるように構成された、半径方向に配向されたブラケットフランジ72を備えてよい。環状チャンバ端部70は、内径部フランジ62にしっかりと固定されてよい。しっかりと固定されるとは、相対移動がその位置で許容されないことを意味する。
【0014】
この構成において、環状チャンバ14の内径部60は、内径部フランジ62と、ブラケット64と、半径方向に配向されたブラケットフランジ72と、半径方向に配向された内側取付溝66と介して、タービンベーンキャリア20に固定されていて、それも、内径部60とタービンベーンキャリア20との間の相対的な半径方向移動は許容されるが、相対的な軸方向移動は阻止されるように、固定されていることが分かる。ブラケット64は、内径部60のあらゆる半径方向移動をともなって浮動し、ゆえに、半径方向に配向された内側取付溝66内で浮動する。しかし、ブラケットのベーンキャリア端部68の軸方向移動がタービンベーンキャリア20の前方の面80により阻止されているので、軸方向移動は阻止される。ブラケット64の固有の剛性は、環状チャンバ端部70の軸方向移動を阻止する。ブラケット64は、半径方向に配向されたブラケットフランジ72と半径方向に配向された内側取付溝66との相互作用を介して、その配向を維持することができる。
【0015】
取付装置32は、選択的に、補足的な支持装置90を有してよい。この補足的な支持装置90は、ベーンキャリア端部68と環状チャンバ端部70との間のブラケット64の補足的な支持箇所90で、ダクト装置配列10の追加的な位置92のための補足的な支持を提供する。補足的な支持は、追加的なタブ96と補足的な支持箇所94との摺動関係を介して達成されてよく、この摺動関係は、熱成長の不一致を許容するが、依然として内径部60にとって必要な支持を提供する。
【0016】
このように、ダクト装置配列10および特に内径部60を支持することが重要である。プレナム24における比較的高い静圧は、内径部60と外径部52とをまとめ合わせようとする。しかし、環状チャンバが、単一化されたユニットとして形成されている場合、この力は、主に環状チャンバ14自体のリング形状によって吸収される。図示の例示的な実施の形態では、単一化されたユニットは、複数のアーチ形セクションから形成された1つの環状チャンバ14を備える。複数のアーチ形セクションは、互いに固定されていて、環状チャンバ14を形成する。燃焼器缶と同数のアーチ形セクションが存在してよい。しかし、セクションの数は、燃焼器缶の数に直接に関係する必要はない。たとえば、12個の代わりに6個の個別のセクションがあってよく、各セクションは、隣接する2つの燃焼器缶に関連付けされていたり、または、個別の4個のアーチ形セクションが、それぞれ3つの燃焼器缶に関連付けされていたりしてもよい。
【0017】
周方向で隣接するセクションのエッジは、たとえば、直接互いにボルト止めされていてよい。このボルト止めは、隣接するセクションの間の空気漏れを低減し、したがってエンジン効率を高める。しかし、圧力により生じる力もまた内径部60を後方へ(図示のように右側へ)押圧し、適当な支持がない場合、内径部60は、後方へ移動する傾向がある。少なくとも、このことは、ダクト装置配列10の輪郭を変化させる。最も端の端部で、かつ適当な条件下で、このことは、ダクト装置配列10を致命的に座屈させるおそれがある。ダクト装置配列10は、使用される冷却空気の量を低減するために、従来のトランジションダクトよりも高温で動作させられてよい。使用される空気量の低減自体は、エンジン効率を高める。動作温度の高まりにより、ダクト装置配列がその動作限界に近付き、これは、その構造強度を低下させる。上述のことに環状チャンバ14のジオメトリが加わって、所定の配列が得られ、その配列では、動作中に自然に発生する熱成長が、環状チャンバ14の変形を生じさせるひずみの合計よりも大きいことがある。これらの全ての理由から、慣用のブラケットは、新しい技術のダクト装置配列10にとっては十分ではない。
【0018】
従来の取付装置は、内径部をタービンベーンキャリア20にしっかりと固定することにより、または、内径部をエンジンの別の部分に固定することにより、内径部を支持しようとしていた。内径部60がタービンベーンキャリア20にしっかりと固定された実施の形態は不適当であった。なぜならば、環状チャンバ14が、熱変化に様々に反応し、したがって、環状チャンバ14とタービンベーンキャリア20との間に相対的な熱成長が存在するからである。しっかりした結合は、2つの間に許容されない熱的衝突をもたらしていた。別の位置に内径部60が固定された実施の形態は、たいていは適当な支持を提供していなかった。というのも、別の位置がそれ自体の熱成長差を加えたからである。
【0019】
本願発明者らは、環状チャンバ14に、タービンベーンキャリア20に対して半径方向に移動する自由度を与える必要があり、軸方向の移動を制限する必要があることを認識した。発明者らは、必要な半径方向移動の自由度を提供するために、内径部60および外径部52の両方が半径方向で自由に移動できる必要があることをさらに認識した。発明者らは、内径部60および外径部52を1つの構成要素に、つまりタービンベーンキャリア20に効果的に結合し、したがって、1つの構成要素のみの熱反応を考慮すればよい現在の配列を発明した。発明者らは、外径部52のためのフランジおよび溝配列と一緒に使用されると、半径方向移動の自由度を有する片持ち式支持部が、内径部60に半径方向移動の自由度を提供する必要性と、ダクト装置配列10のための構造的な支持/補強(つまり外骨格タイプ機能)を提供する必要性との両方を満たし得ることにさらに気付いた。その結果、ブラケット64は、タービンベーンキャリアに関して相対的な半径方向移動を許容するが相対的な軸方向移動を許容しないという目的を達成する限り、ダクト装置配列10にあらゆる方法で固定されていてよい。
【0020】
ブラケット64は、内径部60に掛かる、圧力によって生じる力に対抗するのに効果的な方法で予荷重を掛けられていてもよい。たとえば、軸方向40の移動に対抗しようとする場合、ブラケット64は、補足的な支持箇所94が半径方向外方へ移動するように予め曲げられていてよい。ベース負荷状況下にないとき、ブラケット64は、内径部60を左側(前方)へ引っ張る傾向があるが、このような低い圧力差にある引張り力は、ダクト装置配列10の構造的性能の範囲内にある。動作状況下にあるとき、ブラケット64は、圧力差が内径部60を所定の動作位置へ押圧するように構成されていてよく、この動作状況では、環状チャンバ14には低減された応力が存在するか、または応力がない。この状況では、全部ではないとしてもその多くの圧力によって生じる力を、ブラケット64および半径方向に配向された内側取付溝66によって支持することができる。
【0021】
任意の数のブラケット64が必要であると考えることができる。たとえば、図示の例示的な実施の形態において環状チャンバ14を構成する個々のアーチ形セクションのそれぞれに1つのブラケット64が存在してもよい。代替的に、これより多いまたは少ないブラケット64が存在してもよい。たとえば、それぞれのセクションに2つのブラケット64が存在してもよい。環状チャンバ14は、一緒にボルト止めされると、所定の構造強度を示し、したがって、アーチセクションごとに1つより少ないブラケット64が存在してもよい。ブラケットは、環状チャンバ14の周囲にわたって均等に配置されていてよい、または、ブラケットの位置は、局所的な必要性に基づいて選択されてもよく、その結果として、周囲にわたってブラケット64の非対称な配置が生じる。
【0022】
図4に示すように、半径方向に配向されたブラケットフランジ72は、それぞれの舌片102用のスプライン溝100を有してよい。舌片102とスプライン溝100とが一緒になって、回転防止装置104を形成し、回転防止装置104は、半径方向に配向された内側取付溝66内での半径方向に配向されたブラケットフランジ72(ひいてはブラケット64)の回転を阻止する。代替的に、スプライン溝100は、周方向に隣接して半径方向に配向されたフランジ72の間に形成されてもよい。この回転防止(アンチアンギュラ/周方向の)装置は、燃焼プロセスに反応して生成され得る接線方向の反応負荷に抵抗するために必要であり得る。この接線方向の反応負荷は、ダクト装置配列10を回転させるように作用してよく、舌片102は、この回転を阻止する。
【0023】
図5は、取付装置32の代替的で例示的な実施の形態を示している。図5の実施の形態では、ブラケット64の環状チャンバ端部70およびベーンキャリア端部68は、図3と同様に固定されている。補足的な支持装置90が異なっていて、補足的な支持スロット110とダクト装置配列フランジ112とを有する。ダクト装置配列フランジ112は、補足的な支持スロット110と協働する。半径方向に移動するが、軸方向には移動しない自由度は確保され、補足的な支持は、異なる方法で簡単に構成されている。
【0024】
図6は、取付装置32の代替的で例示的な実施の形態を示している。図6の実施の形態では、ブラケット64は、補足的な支持箇所94においてしっかりと固定されている。環状チャンバ端部70は、軸方向に配向された環状チャンバ端部溝120を有し、この環状チャンバ端部溝120は、内径部フランジ62が軸方向に配向されている場合に内径部フランジ62を収容するように構成されている。ブラケット64のベーンキャリア端部68は、図3と同様に固定されている。この装置は、必要な相対的な半径方向の自由度を提供し、かつ内径部60の軸方向移動を制限している。図7は、図6の実施の形態と同様ではあるが、環状チャンバ端部70が、半径方向に配向された環状チャンバ端部溝122を有し、環状チャンバ端部溝122は、内径部フランジ62が半径方向に配向されている場合に内径部フランジ62を収容するように構成された、さらに別の代替的な実施の形態を示している。この構想を実行するために、様々な他の実施の形態を使用することができる。たとえば、図6または図7の環状チャンバ端部70を、図3の実施の形態に組み込むことができる。これは、ダクト装置配列10にブラケット64を任意に不動に固定することを一切排除する。しかし、適切に寸法決めされると、要求される相対的な半径方向移動を提供することができる一方、相対的な軸方向移動を阻止することができる。
【0025】
の記載から、本願発明者らは、新しい燃焼配列デザインに関連する独自の問題の革新的な解決手段を発明したことが分かる。本発明の取付装置は、十分な特定が困難であった問題に対する複雑でない解決手段であり、したがって、当該技術分野における改良を意味する。
【0026】
本発明の様々な実施形態について本明細書に図示し説明してきたが、そのような実施の形態は単なる例として提供されていることが明らかである。本明細書における発明の範囲から逸脱することなく、多数の変更、変化および代替を行うことができる。よって、本発明は、添付の請求項の思想および範囲によってのみ制限されることが意図されている。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【国際調査報告】