(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-539805(P2016-539805A)
(43)【公表日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】ビームサイズがプログラミングによって調整されているレーザによって表面を融解させる方法
(51)【国際特許分類】
B23K 26/00 20140101AFI20161125BHJP
B23K 26/342 20140101ALI20161125BHJP
F02C 7/00 20060101ALI20161125BHJP
F01D 5/20 20060101ALI20161125BHJP
F02C 7/28 20060101ALI20161125BHJP
F01D 5/28 20060101ALI20161125BHJP
C23C 24/10 20060101ALI20161125BHJP
C23C 26/00 20060101ALI20161125BHJP
【FI】
B23K26/00 N
B23K26/342
F02C7/00 D
F01D5/20
F02C7/28 A
F02C7/28 E
F01D5/28
C23C24/10 B
C23C26/00 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-519918(P2016-519918)
(86)(22)【出願日】2014年9月4日
(85)【翻訳文提出日】2016年5月30日
(86)【国際出願番号】US2014053972
(87)【国際公開番号】WO2015050665
(87)【国際公開日】20150409
(31)【優先権主張番号】14/045,818
(32)【優先日】2013年10月4日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】599078705
【氏名又は名称】シーメンス エナジー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド ジェイ. ブラック
(72)【発明者】
【氏名】アーメド カメル
【テーマコード(参考)】
3G202
4E168
4K044
【Fターム(参考)】
3G202BA06
3G202BA10
3G202CA11
3G202CA15
3G202KK04
3G202KK26
3G202KK28
4E168BA32
4E168CB04
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4E168JB04
4E168KA04
4K044AA09
4K044AB10
4K044BA01
4K044BA12
4K044BB03
4K044BC01
4K044BC02
4K044CA24
4K044CA44
(57)【要約】
不規則な形状のターゲット表面(28,36)を、エネルギビーム(12,48)でもって加熱する方法であって、エネルギビーム(12,48)のパワー密度は、クラッディングプロセスを制御するために、表面にわたりビームが前進する際に制御される。1つの実施の形態においては、矩形の形状の各ダイオードレーザビーム像(22,24,26)の幅(y)が、ガスタービンブレード先端(20)の局所的な幅に応じて制御され、またダイオードレーザのパワーレベルは、各像の幅に応じて線形に制御され、それによってブレード先端にわたり実質的に一定のパワー密度が維持される。別の実施の形態においては、連続的なレーザビーム像(34)の幅及びパワーレベルが、局所的な表面形状の変化に応じて制御され、像が表面にわたり移動する際に、所定のパワー密度が生成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザビームをターゲット表面にわたり移動させ、表面の局所的な領域を連続的に融解させるステップと、
移動ステップの間、局所的な各融解領域での前記ターゲット表面の局所的な形状に応じて、焦点における前記レーザビームの面積を制御するステップと、
焦点における前記レーザビームの面積に応じて、前記レーザビームのパワーレベルを制御し、前記ターゲット表面にわたり前記レーザビームの所望のパワー密度を提供するステップと、
を含んでいることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記ターゲット表面にわたり一連のレーザビーム像を移動させ、前記表面の局所的な領域を順次融解させるステップを更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
焦点における各像の面積に応じて、各像に関する前記レーザビームのパワーレベルを制御するステップを更に含んでいる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ターゲット表面を各像に晒す時間に応じて、各像に関する前記レーザビームのパワーレベルを制御するステップを更に含んでいる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
焦点において矩形の形状を有しているダイオードレーザビームを前記ターゲット表面にわたり移動させるステップと、
前記ターゲット表面の局所的な幅に応じて、前記像の移動方向を横断する方向における前記レーザビームの幅を制御するステップと、
前記レーザビームの幅に応じて、該レーザビームのパワーレベルを制御し、実質的に一定のパワー密度を提供するステップと、
を更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記レーザビームを制御し、矩形の形状の一連の像を、前記移動方向における前記ターゲット表面にわたり生成するステップを更に含んでおり、
各像は前記ターゲット表面の前記局所的な幅に応じた幅を有している、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記像の前記移動方向において各レーザビーム像の高さを制御するステップと、
焦点における矩形の形状の各像の面積に応じて、各像に関する前記レーザビームのパワーレベルを制御するステップと、
を更に含んでいる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
連続的なレーザビームを前記ターゲット表面にわたり移動させるステップと、
前記ターゲット表面の局所的な形状に応じて、焦点における前記レーザビームの面積を連続的に制御するステップと、
焦点における前記レーザビームの面積に応じて前記レーザビームのパワーレベルを連続的に制御し、前記ターゲット表面にわたり実質的に一定のパワー密度を提供するステップと、
を更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
焦点における前記レーザビームの面積に応じて、前記レーザビームのパワーレベルを制御し、前記ターゲット表面にわたる前記レーザビームの実質的に一定のパワー密度を提供するステップを更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
移動ステップを実施する前に、粉末状の超合金材料及び粉末状のフラックス材料を前記ターゲット表面に供給するステップと、
前記粉末状の超合金材料及び前記粉末状のフラックス材料を、前記表面の局所的な融解領域と共に、連続的に融解させるステップと、
融解された前記超合金材料及び前記フラックス材料を冷却して凝固させ、前記ターゲット表面上に、スラグの層によって覆われている超合金クラッディング材料の層を形成するステップと、
を更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ターゲット表面にわたりエネルギビームを移動させ、ビームが表面にわたり移動する際に、前記エネルギビームが照射される前記表面の各部分の局所的な形状を変化させるステップと、
照射されている前記表面の各部分の局所的な形状に応じて、前記エネルギビームのパラメータを制御するステップと、
前記エネルギビームのパラメータの変更に応じて、前記エネルギビームのパワーレベルを制御して、前記表面にわたり前記ビームが移動する際に、前記ターゲット表面上の焦点における前記エネルギビームのパワー密度を実質的に一定にするステップと、
を含んでいることを特徴とする、方法。
【請求項12】
前記エネルギビームを、移動方向における前記ターゲット表面にわたり、一連のレーザビーム像として移動させるステップと、
照射されている前記ターゲット表面の局所的な幅に応じて、前記移動方向を横断する方向における像の各幅を制御するステップと、
各像の幅に応じて前記レーザビームのパワーレベルを制御するステップと、
を更に含んでいる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記移動方向における前記像の各高さを制御するステップと、
各像の高さに応じて、ダイオードレーザビームのパワーレベルを制御するステップと、
を更に含んでいる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記エネルギビームを、前記ターゲット表面にわたり、一連のレーザビーム像として移動させるステップと、
前記ターゲット表面を各像に晒す時間に応じて、各像に関する前記レーザビームのパワーレベルを制御するステップと、
を更に含んでいる、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記エネルギビームを、連続的なレーザビームとして、前記ターゲット表面にわたり移動させるステップと、
照射されている前記表面の各部分の局所的な形状に応じて、焦点における前記レーザビームの面積を連続的に制御するステップと、
焦点における前記レーザビームの面積に応じて前記レーザビームのパワーレベルを連続的に制御し、前記ターゲット表面にわたり実質的に一定のパワー密度を提供するステップと、
を更に含んでいる、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
移動ステップを実施する前に、粉末状の超合金材料及び粉末状のフラックス材料を前記ターゲット表面に供給するステップと、
前記粉末状の超合金材料及び前記粉末状のフラックス材料を、移動する前記エネルギビームを用いて、前記表面にわたり連続的に融解させるステップと、
融解された前記超合金材料及び前記フラックス材料を冷却して凝固させ、前記ターゲット表面上に、スラグの層によって覆われている超合金クラッディング材料の層を形成するステップと、
を更に含んでいる、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
粉末状の表面にわたり複数のレーザビーム像を連続的に前進させることによって、前記粉末状の表面を加熱するステップと、
各像によって加熱されている前記粉末状の表面の領域の各形状に応じて、各像の面積を制御するステップと、
前記像を生成するために使用されるレーザのパワーレベルを制御して、各像のパワー密度を所望の値にするステップと、
を含んでいることを特徴とする、方法。
【請求項18】
ダイオードレーザを使用して、矩形の形状の像を生成するステップと、
前進方向において、各像が相互に同じ高さを有するように各像を制御するステップと、
各像によって加熱されている前記粉末状の表面の局所的な幅に応じた幅を有するように各像を制御するステップと、
を更に含んでいる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
各像の幅と線形の関係にある前記レーザビームのパワーレベルを制御して、全ての像間で実質的に一定のパワー密度を提供するステップを更に含んでいる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記加熱ステップは、超合金基板材料の表面上に堆積された、粉末状の超合金材料及び粉末状のフラックス材料の表面を加熱するステップを更に含んでいる、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に金属接合の分野に関し、特に改善されたレーザクラッディング/修復プロセス
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジンの高温部品は、典型的には、超合金材料から製造されているが、それらの部品は依然として摩耗又は高温腐食するか、異物によって損傷するか、若しくは、熱機械疲労に晒される。例えば、回転タービンブレードの半径方向において最も外側に位置する先端(「スキーラ先端」とも称する)は、ブレードを取り囲んでいるブレードリングに対する摩擦に起因して摩耗する可能性がある。摩耗した金属を除去して、新たな材料を溶接により加えることによって、スキーラ先端を修復することが公知である。従来の方式で溶接された超合金は、特にガンマプライムの含有量が多い超合金は、溶接プールの凝固及び後続の溶接後熱処理の間に割裂しやすい。
【0003】
直接選択レーザ焼結はクラッディングプロセスであり、その際、レーザビームは表面における粉末状の金属の融解及び凝固に使用される。レーザビームの経路は、そのレーザビームのフットプリントよりも大きい面積にわたり材料を堆積させるために、粉末によって覆われている表面にわたるラスタを形成するようにプログラミングされる。
【0004】
以下では、添付の図面を参照しながら本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】レーザクラッディングプロセス中に小さい半径の湾曲部を移動する際の、レーザビームの慣例のようにラスタ化された経路を示す。
【図2】ビームのパワー密度を一定に維持しながら、タービンブレード先端にわたる一連の個々の照射においてダイオードレーザビームのフットプリントが変更されている、本発明の実施の形態を示す。
【図3】ビームのパワー密度を一定に維持しながら、タービンブレード先端にわたり移動する際の、ダイオードレーザビームのフットプリントが連続的に変更されている、本発明の実施の形態を示す。
【図4】本発明の実施の形態による、超合金材料クラッディングプロセスを断面図で示す。
【0006】
本発明の詳細な説明
本発明者は最近、以前は溶接不可能とみなされていた高ガンマプライム超合金材料を、割裂を生じさせることなく堆積させるプロセスを複数開発した(例えば、同時継続出願である米国特許出願公開第2013/0140278号明細書を参照されたい。この文献は参照により本願に含まれるものとする)。それらのプロセスは、レーザビームによって表面を走査し、それと同時に、粉末状の超合金材料及び粉末状のフラックス材料を融解させることを含む。現時点において本発明者は、不規則な形状の表面、例えば小さい半径の湾曲部周りの表面に材料を堆積させる際にそれらのプロセスには制限が課されることを認識している。図1には、比較的急峻な湾曲部14の半径周りの、レーザビーム12のラスタ化された経路10が示されている。レーザビーム12の直径は一定なので、ビーム12が経路10に沿った矢印の方向に移動する際のビーム12の位置を表している各円間の重畳部によって表されているように、曲線部14の内側の半径R
iと、曲線部14の外側の半径R
oとではビーム12の重畳部の大きさが異なる。内半径R
iの位置に沿った重畳部の方が大きいので、適用されるパワー密度は結果として不均一になる。つまり、ビーム12のパワーレベル及び移動速度は変更されないにもかかわらず、内半径R
iの付近では比較的高いパワー密度が存在し、外半径R
oの付近では比較的低いパワー密度が存在する。本発明者は、パワー密度におけるこの局所的な差が望ましいものではないことを発見した。また、この影響を低減するためのビーム経路の特別なプログラミングは時間が掛かる虞があり、また処理時間が緩慢になる虞があり、更には、パワー密度の差をなくすことについて完全に効果を発揮するとは限らない。
【0007】
レーザクラッディングプロセス中の任意の半径の湾曲部周りにおいて一定のパワー密度を提供することに効果を奏する本発明の実施の形態が図2に示されている。この図2は、例えばレーザクラッディング又は選択レーザ焼結又は選択レーザ溶接のようなレーザ修復プロセスが実施されているガスタービンブレード先端20の端面図である。本発明は、ダイオードレーザシステムとの関係において開発された光学素子における利点を利用する。調節可能な光学素子は、現在のところ、焦点におけるダイオードレーザビームの大きさ及び形状を二次元で制御するものが市販されている。そのようなシステムの1つは、カリフォルニア州のサンタクララにあるLaserline株式会社から「Optics Series」の商標名で販売されている。
【0008】
図2には、レーザビームがブレード先端20に対して相対的なx方向において順次移動する際の、一連の矩形ダイオードレーザビーム像22,24,26によって加熱されるブレード先端20が示されている。この図では、ブレード先端20の表面28の一部のみが複数の像によって加熱されることが示されているが、当業者であれば、ターゲット表面28全体を加熱することも含めて、あらゆる任意の所望の面積を加熱できることが分かる。表面28は、粉末状の超合金材料及び粉末状のフラックス材料を含むことができ、それらの材料が加熱によって融解されることにより、クラッディングプロセスが達成される。
【0009】
レーザビームのx方向への前進と同時に、像22,24,26及びブレード先端20の相対的な横方向位置が共に、ブレード先端20の形状を追跡するために、y軸に沿って制御される。x方向及びy方向の両方向における相対的な移動を、光学素子の移動によって、又は、部分的な並進移動によって、又は、連続的な進行としてそれら2つの移動を行うことによって達成することができる。更に、加熱すべき面積の範囲を超えてレーザエネルギが過剰に供給されることなく、ブレード先端20の局所的な幅を完全にカバーするために、種々異なる局所的な幅を有するブレード先端20の種々異なる局所的な位置にビームが入射するように、y方向におけるビーム像22,24,26の幅が制御される。本発明の1つの態様によれば、像22,24,26を形成するレーザビームのパワーレベルを同時に制御して、それらの像22,24,26の間での、焦点におけるパワー密度を実質的に一定に維持し、それによって、表面28にわたる加熱における局所的な一貫性の達成が容易になる。本明細書において使用されているように、「実質的に一定」とは、各像が同一のパワー密度を有しているか、又はパワー密度の中央値の5%内のパワー密度を有している。
【0010】
図2の実施の形態においては、ビーム像22,24,26の高さ寸法がx方向に沿って一定に維持されているので、それによって、各像の総フットプリント(面積)は、y方向における幅の変化と共に線形に変化する。つまりこの実施の形態では、ビーム像22,24,26間での一定のパワー密度を維持するために、総レーザ出力を、y方向における像の幅に応じて、線形に調整することができる。別の実施の形態においては、連続する像間でビーム像の面積の2次元の調整を実施し、それと共に、一定のパワー密度を維持するために各像の相対的な面積に相関させてパワー密度を変更することができる。レーザエネルギ源光学素子の能力及びターゲット表面の形状に依存して、矩形とは異なるビーム像幾何学も使用することができ、その場合、熱処理がターゲット表面にわたり移動しながら行われる際に、実質的に一定のパワー密度が維持されるように、像の面積の変化に応じてレーザのパワーが適切に変更される。
【0011】
幾つかの用途においては、ビームエネルギのパワー密度が、有利には、ターゲット表面にわたり一定である必要はないことは明らかである。例えば、図2のブレード先端20においては、その領域における熱伝達容量が制限されていることに起因して、ブレード先端20のトレーリングエッジ付近ではやや低いパワー密度を提供することが所望されると考えられる。本発明は、ビームパワーを適切に制御することによって、事前に定められた任意のパワー密度(例えば一定のパワー密度又は意図的に異なるパワー密度)を、ターゲット表面にわたるあらゆる特定の領域に供給することができる。例えば、図2の実施の形態においては、20%低いパワー密度を有するように所期のように制御される像24及び50%低いパワー密度を有するように所期のように制御される像22を除き、ブレード先端20全体にわたり実質的に一定のパワー密度を維持することが所望されると考えられる。このことは、焦点におけるビーム面積に応じてビームパワーが制御されるだけでなく、更に像24及び像22の各像に関して、ビームパワーがそれぞれ20%及び50%低減されることによって達成される。
【0012】
別の実施の形態においては、ビームが前進する際の表面形状の変化に応じてビーム像のパワーレベル及びフットプリントを制御しながら、連続的なダイオードレーザビームを、ターゲット表面にわたり移動させることができる。この実施の形態は図3に示されており、この図では、ガスタービンブレード先端30が、矩形のレーザビーム像34の移動によって規定されるダイオードレーザビームの前進経路32でのクラッディングプロセスにおいて加熱されている。像34の形状は、その像の経路に沿って、ターゲット表面36の局所的な形状に応じて変更され、また表面36にわたり実質的に一定のパワー密度を維持するために、ビームのパワーレベルも像34の形状と同時に制御される。この実施の形態においては、像34の瞬時面積に応じてパワーレベルを制御しながら、x方向及びy方向のいずれか一方又は両方における像34の寸法を制御することができる。更に、図2と関連させてにおいて説明したように、例えばブレード先端30のトレーリングエッジ付近のビームのパワー密度を低減するために、又は、加熱領域の始点又は終点付近のパワー密度に勾配を設け、ターゲット表面における熱勾配を低減するために、実質的に一定ではない任意の所定の(1つ又は複数の)値にパワー密度を制御することができる。
【0013】
更に図3の実施の形態においては、像34の経路32に沿った像34の移動速度を変更しながら、その移動速度に応じてパワーレベルも制御することができ、それによって、表面36に沿った各箇所において適用される総エネルギが実質的に一定になる。同様のやり方で、図2の実施の形態においては、表面28に沿った各箇所に実質的に一定の熱入力を提供するために、種々の像22,24,26の照射時間を変更し、パワーレベルを相応に制御することができる。概説するならば、ビームのパラメータ、例えば形状、幅、高さ、面積、通過速度又は照射時間は、表面にわたりビームが移動する際に、ビームが照射される局所的な表面領域の形状の変化に応じて制御される。
【0014】
図4には、超合金クラッディング材料40の層を超合金基板42に被着させるためのプロセスが示されている。先ず、粉末状の材料44の層が超合金基板42の表面46に供給される。粉末状の材料44を表面46に予め設けることができるか、又は、矢印の方向において表面46にわたりビームが移動する場合には、レーザビーム48の直ぐ手前に、粉末状の材料44を連続的に供給することができる。粉末状の材料44は、超合金材料とフラックス材料の両材料の粒子が混合されたものであっても良いし、それら2種類の粒子が明確な層を成すものであっても良い。レーザビーム48が表面46にわたり移動する際に、レーザビーム48は、粉末状の材料44及び表面46の局所的な領域を加熱し、それによって溶接プール50が形成される。その後、この溶接プール50は凝固して、クラッド超合金材料40の層及びスラグ52の被覆層を形成する。スラグ52は、不純物を除去するため、溶接プール50及びクラッド材料40を周囲雰囲気から保護するため、溶接プール50を成形するため、また、冷却速度を制御するために使用され、それによって、ガンマプライム含有量が多く融解が困難な超合金材料を、割裂が生じることなく堆積させることができる。
【0015】
本明細書において本発明の種々の実施の形態を図示及び説明したが、そのような実施の形態は単に例示を目的として示したものに過ぎないことは明らかである。本発明から逸脱することなく、種々の修正、変更及び置換を行うことができる。例えば、レーザエネルギとは異なるエネルギを、例えば電子ビーム又は音波エネルギのビームを、ターゲット表面を加熱するために使用することができる。更に、本発明を、融解が困難な超合金材料又は、表面上で融解及び再凝固することができるその他の材料と共に使用することもできる。プロセスを、表面の全体のうちの一部だけを形成するターゲット表面にわたり実施しても良いし、表面全体にわたり実施しても良い。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲に記載の事項の精神及び範囲によってのみ限定されることが意図されている。
【国際調査報告】