(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-540908(P2016-540908A)
(43)【公表日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】スナップインするインピンジメント板を有した冷却装置
(51)【国際特許分類】
F02C 7/18 20060101AFI20161205BHJP
F01D 5/18 20060101ALI20161205BHJP
F01D 9/02 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
F02C7/18 C
F02C7/18 A
F01D5/18
F01D9/02 102
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-513979(P2016-513979)
(86)(22)【出願日】2014年5月5日
(85)【翻訳文提出日】2016年1月15日
(86)【国際出願番号】US2014036822
(87)【国際公開番号】WO2014186166
(87)【国際公開日】20141120
(31)【優先権主張番号】13/895,831
(32)【優先日】2013年5月16日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】599078705
【氏名又は名称】シーメンス エナジー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド エイ. リトル
(72)【発明者】
【氏名】クリフォード イー. ジョンソン
【テーマコード(参考)】
3G202
【Fターム(参考)】
3G202JJ02
3G202JJ08
3G202JJ09
3G202JJ14
(57)【要約】
冷却装置(100)は、リブ側面(28)と底面(26)とによって画定されるポケット(24)を有した基板と;前記リブ側面に形成された部分(112)と、インピンジメント板(102)とを有している。設置状態(116)では、前記インピンジメント板の弾性により、前記インピンジメント板と、前記インピンジメント板を設置位置(118)でロックする前記部分とが嵌合することができる。前記設置状態のインピンジメント板の弾性圧縮により、前記嵌合が解除される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リブ側面と底面とによって画定されたポケットを有する基板と、
リブ側面に形成された部分と、
インピンジメント板と、を有する冷却装置であって、
設置状態では、前記インピンジメント板の弾性により、前記インピンジメント板と、前記インピンジメント板を設置位置でロックする前記部分とが嵌合することができ、
前記設置状態のインピンジメント板の弾性圧縮により、前記嵌合が解除されることを特徴とする、冷却装置。
【請求項2】
前記リブ側面を有するリブはさらに、前記インピンジメント板の上方で冷却流体に直接露出しているリブ上面を有している、請求項1記載の冷却装置。
【請求項3】
前記インピンジメント板が設置位置にあるとき、前記リブ側面の大部分が、前記冷却流体に直接露出している、請求項2記載の冷却装置。
【請求項4】
前記インピンジメント板は、周辺部と、インピンジメント部分と、前記周辺部と前記インピンジメント部分とを接続する移行領域とを有しており、前記設置位置にあるときは、前記周辺部は、前記インピンジメント部分よりも、前記底面の近くに配置されている、請求項1記載の冷却装置。
【請求項5】
前記弾性圧縮は、前記嵌合を解除するための、前記移行領域の弾性変形を含む、請求項4記載の冷却装置。
【請求項6】
前記移行領域は、前記底面と、少なくとも60度の角度を形成する、請求項4記載の冷却装置。
【請求項7】
前記インピンジメント板はさらに、前記インピンジメント板に係合し、前記インピンジメント板を圧縮工具内に保持するように形成された圧縮支援部材を有している、請求項4記載の冷却装置。
【請求項8】
前記リブ側面に形成された前記部材は、前記リブ側面に沿って延在するスロットを有している、請求項1記載の冷却装置。
【請求項9】
前記設置位置にあるとき、前記インピンジメント板の周辺は前記スロットに嵌められている、請求項8記載の冷却装置。
【請求項10】
前記インピンジメント板は、前記弾性圧縮を可能にするスリットを有している、請求項1記載の冷却装置。
【請求項11】
請求項1記載の冷却装置を備えたガスタービンエンジン構成要素。
【請求項12】
冷却面に形成された隆起したリブであって、底面と前記隆起したリブの側面とによって画定されるポケットを形成するリブと、
フレキシブル部分を有したインピンジメント板と、
前記隆起したリブの側面に形成され、前記フレキシブル部分が設置状態にあるときに前記ポケット内に前記インピンジメント板をロックするように構成された連結部分と、を備えた冷却装置であって、
前記フレキシブル部分の弾性屈曲により、前記インピンジメント板をロック解除することを特徴とする、冷却装置。
【請求項13】
前記リブは、前記インピンジメント板を通過して、冷却流体を有したプレナム内へと延在し、これにより、リブを通って、反対側の加熱面から、リブの上面へ、かつ隆起したリブの側面の大部分へと通じる伝導冷却路が形成される、請求項12記載の冷却装置。
【請求項14】
前記インピンジメント板は、周辺部と、インピンジメント部分と、前記周辺部と前記インピンジメント部分とを接続する移行領域とを有しており、設置位置にあるときは、前記周辺部は、前記インピンジメント部分よりも、前記底面の近くに配置されている、請求項12記載の冷却装置。
【請求項15】
前記フレキシブル部分は前記移行領域を有している、請求項14記載の冷却装置。
【請求項16】
前記連結部分は、前記リブの1つの面にスロットを有していて、前記インピンジメント板がポケット内でロックされるときに前記インピンジメント板の周辺部が、前記スロット内に嵌められる、請求項12記載の冷却装置。
【請求項17】
ポケットと、
様々な形状で弾性的であるインピンジメント板と、
弾性的な様々な形状で、前記ポケット内に前記インピンジメント板をロックする形状を形成するために、前記インピンジメント板の弾性に依存するように構成された連結部分と、を備えた冷却装置であって、
前記弾性的な様々な形状は、前記連結部分によってポケット内でロックされない圧縮された形状を含んでいることを特徴とする、冷却装置。
【請求項18】
前記様々な形状は、ガスタービンエンジンにおける運転中に、前記インピンジメント板と前記ポケットとの間の熱膨張の不適合に対応するために必要なものを含んでいる、請求項17記載の冷却装置。
【請求項19】
前記ポケットを画定するリブの上面が、冷却流体に直接露出している、請求項17記載の冷却装置。
【請求項20】
前記インピンジメント板は、周辺部と、インピンジメント部分と、前記周辺部と前記インピンジメント部分とを接続する移行領域とを有しており、前記インピンジメント板の弾性は、前記移行領域の弾性を有している、請求項17記載の冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
連邦政府支援の開発に関する記載
本発明のための開発は、米国エネルギー省によって与えられた契約番号DE−FC26−05NT42644によって部分的に支援された。従って、米国政府は本発明において一定の権利を有することができる。
【0002】
技術分野
本発明は、ガスタービンエンジン構成要素用の冷却装置に関する。特に、本発明は、ポケット内の表面のインピンジメント冷却と、前記ポケットを画定する幾何学形状を有する部分の改善された対流冷却とを含む。
【0003】
背景技術
典型的には現代のガスタービンエンジンは2500°Fを超過する温度で燃料と空気を燃焼することができる。これらの燃焼ガスは、燃焼室内で点火され、燃焼され、タービン入口へと送られ、ガイドベーンによってタービン内を案内されてよく、これによりロータブレードが回されて、燃焼ガスのエネルギーが取り出される。これら高温ガス経路の構成要素を形成する材料はしばしばその熱容量の限界にあり、その使用期間を長くするためには冷却されなければならない。
【0004】
インピンジメント冷却は、冷却の1つの形態であり、冷却流体の流れが、冷却すべき面に向かって方向付けられているものである。流れ(又はジェット)は、インピンジメントオリフィスを有する、冷却すべき面から間隔を置いて配置されたシートによって形成されて良い。インピンジメントシートの外面上の比較的高い圧力は、インピンジメントオリフィスを通る冷却流体を駆動し、これにより、冷却すべき面に対して垂直を含む角度までの角度を成して、冷却すべき面に衝突する噴流が形成される。しかしながら、燃焼温度の上昇は、構成要素や冷却装置の限界を押し広げ続け、これに関しては改善の余地が残っている。
【0005】
以下に、図面に照らして本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】先行技術による構成要素の断面図である。
【図2】インピンジメント装置の例示的な実施形態を示す断面図である。
【図3】インピンジメント板の例示的な実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
発明の詳細な説明
本発明者は、構成要素の低温面上における比較的深いポケットの面を十分にインピンジメント冷却することができる、効果的でありながらシンプルなインピンジメント装置を考案した。このインピンジメント作用により、冷却面は、構成要素の比較的高温な面を伝導により良好に冷却することができる。この装置はさらに、ポケットを画定し、構成要素のために構造的な支持を与えるリブ又はその他の部材の改善された冷却を提供し、このように向上された伝導冷却は、構造的なリブの下方にある高温面も良好に冷却する。特に、本発明者は、スナップインされるインピンジメント板を利用するインピンジメント装置を考案しており、このインピンジメント板は、インピンジメント板を損傷することなく、かつ構成要素を分解することなく、インピンジメント冷却すべき面に隣接するポケット内に設置することができ、かつ取り外すことができる。ポケット内に下降されるインピンジメント板により、構造的なリブは露出されたままとなり、対流冷却により良好に冷却される。伝導により対流冷却されたリブは、今度は、インピンジメント冷却の恩恵を得ることができない構造的なリブの下方にある構成要素の高温面を良好に冷却する。
【0008】
新たなガスタービンエンジン技術は、シャロン(Charron)他による米国特許公開第2012/0121381号明細書及びリー(Lee)他による米国特許公開第2012/0272521号明細書に開示されたような装置を含む。この新たな技術では、トランジションダクトは、個別のカン形燃焼器からの燃焼ガスを含み、燃焼ガスを加速し、適正に方向付けながら、タービン入口へと方向付ける。これにより燃焼ガスは、タービンロータブレードの第1の列へと直接分配されるように、適当な速度で、適切に方向付けられて、トランジションダクトを離れる。このような構成により、タービンブレードの第1の列に分配するためにガスを加速し方向付けるための、以前の燃焼装置で使用されていたタービン入口前のベーン列の必要はなくなる。
【0009】
燃焼ガスを加速した結果の1つとして、トランジションダクト内の加速された燃焼ガスにおける静圧が減じられる。トランジションダクトは、比較的遅い動きの圧縮空気で満たされたプレナム内に配置されているので、トランジションダクトにわたって、圧縮空気の静圧から、加速する及び加速された燃焼ガスの静圧まで極めて大きな圧力差が存在している。以前の燃焼装置は、燃焼ガスを同様の速度に加速したが、これが生じるベーンの列の構造は、より堅固であり、差圧に良好に耐えうるものだった。しかしながら、トランジションダクト内での極めて高温の燃焼ガスの比較的高速で動く流れにより高温が生じるために、トランジションダクトは、熱的考慮のため、比較的薄く維持されなければならない。比較的大きな差圧を克服するために十分な構造的強度を提供するために、構造上のリブが使用された。しかしながら、これらの構造上のリブは、トランジションダクト内にポケットを形成している。勿論、プレナムからの冷却空気の流れは、ポケット内へと流れずに、ポケットの底面と側面とを冷却する。結果として、ポケット内の比較的よどんだ空気が加熱され、従って、ポケットの材料が加熱され、これにより構成要素の使用期間が短縮される。
【0010】
このような点を克服するために、ポケットの底面を冷却するためにポケット内にインピンジメント空気の噴流を方向付けるように差圧を利用するインピンジメント冷却が提案された。冷却されたポケット底面は、高温面からの構成要素を介した伝導冷却を増加させ、これによりこの構成要素をより低温に保つ。インピンジメント噴流は、この構成要素の表面にわたってシートを配置することによって形成された。このことは図1に示されている。図1には、構成要素10(この例示的な実施形態ではトランジションダクト)の断面が見える図が示されていて、この構成要素10は、燃焼ガス流14を案内する加熱面12と、この加熱面12の反対側の冷却面16と、構造上の突出したリブ18と、インピンジメントオリフィス22を有した連続シート20とを有している。リブ18は、底面26と側面28とを有したポケット24を画定している。リブ18は、連続シート20によって覆われたリブ上面30を有している。底面26、側面28、リブ上面30は、比較的低温の面、即ち、冷却面16を構成している。インピンジメント冷却された底面26の下方にある加熱面12の一部40は、構成要素によって伝導的に冷却される。しかしながら、リブ18の下方にある部分42は、リブ18が設けられているので、インピンジメント冷却効果の恩恵を受けられない。従って、インピンジメント冷却される底面26の下方にある部分40と、リブ18の下方にある部分42とは、フィルム冷却されることができる(図示せず)が、リブ18の下方にある部分42は、インピンジメント冷却される底面26の下方にある部分40のように伝導的に冷却されるのではない。従って、補足的により多くのフィルム冷却空気を使用しなければならず、かつ/又は、フィルム冷却装置のパターンを、これに適応するように構成しなければならない。
【0011】
本発明者は、リブ18を背面の冷却空気に露出させることにより、リブ18の下方にある部分42の熱伝導を改善することができることを理解した。特に、連続シート20は、底面26から間隔を置いて配置されたインピンジメント部分50と、このインピンジメント部分50を定置に支持する支持部分52と、リブ上面30に隣接し、リブ上面30にわたって位置し、これにより支持部分52を接続しているスパニング部分54とを有している。リブ上面30に直接配置されているスパニング部分54は、リブ上面30と、構成要素10を取り巻くあらゆる冷却流体との間に位置している。従って、リブ上面30を冷却するために、冷却流体はまず、連続シート20を冷却しなければならず、これにより冷却効率が下がる。さらに、シートは、インピンジメント噴流が流入するキャビティ60を形成し、加熱された使用済みのインピンジメント空気が、リブ18の側面28に隣接したキャビティ60のサブ領域62内に集まる。側面28に隣接してこの比較的高温の使用済みのインピンジメント空気を有することはさらに、リブ18の冷却を妨げ、リブ18の下方にある加熱面12の部分42の冷却を妨げる。これらの作用を総合すると、結果としてガスタービンエンジンの寿命の間に温度と熱膨張が変動する加熱面12が生じることになる。従って、構成要素の耐用寿命も短くなる。これに似た作用は、リブ18と、加熱面12と底面26との間の構成要素壁とを含む構成基板自体においても生じ、これにより構成要素10内で望ましくない熱勾配が生じる。
【0012】
これらの作用をふまえ、本発明者は、図2に示したように、これらの作用を軽減するように設計された革新的な冷却装置を提案している。この独自の冷却装置100は、図1の装置と同様の構造を含んでいるが、連続シート20は有していない。その代わりに、冷却装置100は、インピンジメント部分104を有する不連続のインピンジメント板102を有している。しかしながら、インピンジメント板102は、リブ上面30にわたって位置しているのではなく、移行領域106と周辺部108とを有している。周辺部108の縁部110は、側面28に設けられた連結部分112に嵌められる。一実施形態では、連結部分112は、ポケット24の周囲の一部又は全周を囲んで延在していて良い溝又はスロットであって良い。代替的に、連結部分は、1つ又は複数の隆起部であって良く、又はインピンジメント板102を定置にロックすることができる任意の部材であって良い。例えば、インピンジメント板102を安定化させるために対向壁の間に底面26へと延在する「脚部」がインピンジメント板102に形成されている場合、インピンジメント板102を定置に保持するためには、対向壁上に設けられた1つ又は複数の隆起部で十分であろう。別の例では、連結部分112は、ポケット24の中心に向かって傾斜する側面28であって良い。
【0013】
移行領域106は柔軟性があり、移行領域106の弾力性により、周辺部108の縁部110は連結部分112内へと延在させられる。次いで、連結部分112のコーナ114が周辺部108と嵌合し、これにより、インピンジメント板102が図示されたような設置状態116にある場合、コーナ114が、インピンジメント板102を設置位置118でロックするような嵌合が形成される。設置状態116では、インピンジメント板102と柔軟な連結部分112とは、インピンジメント板102がポケット24内で設置位置118にある場合、インピンジメント板102が所定の位置にロックされるように配置され、構成されている。ポケット24内に設置されているとは、インピンジメント板102の少なくともいくつかの部分が、キャビティ60を形成するために側面28(及び底面26)によって画定されたポケット24内にあることを意味する。例えば、図2の例示的な実施形態では、周辺部108は、底面26近傍でポケット24内に配置されていて、これによりキャビティ60が形成される。代替的には、周辺部108を、上面30のより近くに配置することができ、これにより、より大きなキャビティ60が形成される。
【0014】
移行領域106は、圧縮力120が移行領域106の外面122に加えられたときに移行領域106がポケット24の中心に向かって内側に屈曲する・曲がるように、十分柔軟に形成されているので、インピンジメント板102の取り付け及び取り外しが可能である。換言すると、塑性的な損傷なしにインピンジメント板102を取ることのできる様々な形状は、インピンジメント板102の設置、操作、除去を可能とするものを含む。移行領域106の弾性範囲内で、嵌合を解消させるために十分に移行領域106を撓ませるのに必要な程度まで、周辺部108の一部又は全体に、力とこの力に関連する圧縮とを加えることができ、これにより、インピンジメント板102は設置位置118からロック解除される。移行領域106は、設置、操作、及び除去を可能にするのに必要な全ての圧縮・撓みによる弾性変形範囲内にあるように構成されている。これにより、インピンジメント板102は、インピンジメント板102及び/又はポケット24を損傷する必要なく任意に設置及び除去することができる。インピンジメント板102を、その周辺部108の周りで均一に圧縮することができ、インピンジメント板102が設置位置118にあるときに、インピンジメント部分104がインピンジメント部分104の位置に対して平行なままである場合に、ポケット内へ動かすことができる。代替的に、設置等を容易にするために、インピンジメント板102を傾けることができる。
【0015】
移行領域106を保持し、圧縮するために使用することができる付加的な工具(図示せず)を係合させるために、付加的な圧縮支援部材124を使用することができる。外面122の平均勾配132と側面28との間の角度130は少なくとも60°であって良い。この構成は、側面28からの移行領域106の距離が最大である場合に、圧縮を容易にすることがわかっている。特に、この構成では、工具と移行領域106との間に十分な摩擦が形成され、この摩擦により工具は移行領域106を曲げるが、滑脱させることはない。
【0016】
運転中に、プレナム140内に存在している冷却流体は典型的には、燃焼ガス流14よりも高い静圧を受ける。この比較的高い圧力により、冷却空気の一部はインピンジメントオリフィス142を通るように駆動され、これによりポケット24の底面26の衝突部分146に向けられたインピンジメント噴流144が形成される。使用済みのインピンジメント空気148は衝突部分146から移動するが、インピンジメント板102に含まれる、側面28に隣接するサブ領域へと動くのではない。最終的に、使用済みのインピンジメント空気148は、フィルム冷却オリフィス150を通って流れ、フィルム冷却流体の層152に合流する。これは、燃焼ガス流14と、高温面12との間にバリアを形成するのに有効である。インピンジメント板102の固有の弾力性は、インピンジメント板102とポケット24との間の適合しない熱膨張に対してインピンジメント板102を適合させ、従って、これらの不適合の結果として生じる形状を全て、インピンジメント板102の弾性範囲内とする。
【0017】
このような形式で使用済みのインピンジメント空気148を含むことにより、リブ上面30とリブ側面28との両方を、プレナム140内の冷却空気に直接露出させることができる。このような直接的な露出により、これらの面の対流冷却が改善され、改善された対流冷却により、リブ18の下方にある部分42とリブ上面30との間の第1の伝導冷却路160と、リブ18の下方にある部分42と側面28との間の第2の伝導冷却路162とに沿った、リブ18を通って行われる改善された伝導冷却が得られる。これにより今度は、リブ18の下方にある部分42が良好に冷却され、これにより、高温面12は、エンジン運転中により均一な温度を有することとなる。このようなより均一な温度分布により、リブ18の下方にある部分42である高温スポットに対応するために前もって必要な冷却空気の使用がより少なくなるように構成されたフィルム冷却配置が得られる。冷却空気の使用が少ないことにより結果としてより効率の良いエンジン運転が得られる。理由により、側面28をより多く露出させる構造を使用することができる。例えば、図示した実施形態では、連結部分112と周辺部108とは、底面26近傍に配置されていて、側面28の大部分を露出した状態に残している。
【0018】
図3には、インピンジメント板102の1つの実施形態が示されている。この実施形態では、インピンジメント部分104から複数のフレキシブル部分170が延在しており、これにより移行領域106と周辺部108とが形成されている。各フレキシブル部分170の間にはスリット172が設けられている。このスリット172は、フレキシブル部分170の圧縮屈曲に適応するように構成されていて、これによりインピンジメント板102を、連結部分112を通してポケット24内に挿入するために圧縮することができる。フレキシブル部分170に隣接するスリット172がなければ、互いに妨害し合い、圧縮は不可能である。取り付け中から設置状態116へと移行するとき、フレキシブル部分170は、インピンジメント板102を定置にロックするために外側に向かって跳ね出す。フレキシブル部分170は、周辺部108が側面28に対して押し付けられ、連結部分112内へと押し込まれる点に向かって跳ね出す。この移行が行われるとき、フレキシブル部分170が曲げられているときにはなくなっているスリット172は若干開かれる。スリット172のサイズは最小限であって良く、これにより冷却流がスリットを通過して流れるときに、エンジン効率及び/又は冷却に与える影響は最小限となる。代替的に、冷却ニーズが高いであろうポケット24の角隅での冷却が望ましい場合には、スリットは二重の役割を提供し、冷却流及び/又はインピンジメント冷却流用の通路を形成するように設計することができる。スリットを絶対的に必要な程度に少なくするか、又はより多くのスリットを設けるかは、冷却装置100の特別な要求と、冷却されるべきポケット24の特別な形状による。同様に、フレキシブル部分170は、スリット172等よりも狭くて良い。さらに、連結部分112は、ポケット24の周全体にわたって延在していて良く、又は、フレキシブル部分170の縁部110を受容する必要があるところにだけ設けられていて良い。
【0019】
全てのポケット24が同じ形状を有している必要はない。特に、いくつかのポケット24はフラットであって良く、いくつかのポケット24は構成要素10の屈曲部にわたって延在していて良い。従って、いくつかのインピンジメント板102はフラットであって良く、その他のものは、底面26の輪郭に沿うように曲げられていて良い。同様に、周辺部108の形状は、図示したように長方形であって良く、又は三角形、又は、冷却すべきポケット24に適合するために必要な任意の形状をとることができる。構成要素が、円錐形管路のような、周方向に延在するリブを有する必要があるならば、環状のインピンジメント板を使用することができる。このようなインピンジメント板は、設置を容易にするためにピストンリングに似た端部を有していて良く、円錐の小さな端部から挿入することができる。
【0020】
各インピンジメント板102は、一定量だけ底面26から離れて設置されて良い。代替的に、底面26からインピンジメント部分104までの距離の量は、所望の冷却効果の局所的な仕様を可能にするためにポケット24内で変化して良い。各インピンジメント板102は、さらに、ガスタービンエンジンの運転中に外れて、燃焼装置とタービンを通るように引きずられて損傷することのないようにポケット内で固定されて良い。付加的な固定は、側面28へのインピンジメント板102のろう接又は溶接を含んでいて良い。
【0021】
前述した通り、本発明者は、既存の及び新技術のガスタービンエンジンにおけるインピンジメント冷却を改善する独自の冷却装置を開発したことが明らかである。開示された冷却装置はシンプルであり、従って比較的安価であるが、効果的で、さらに、ガスタービンエンジンの効率を改善することによりそれ自体のコストを減じる。従って、当該技術分野において改善を示す。
【0022】
本発明の様々な実施形態を本明細書に示し説明してきたが、これらの実施形態は単に例示として提供されたものであることは明らかである。本発明の範囲から逸脱することなく、多くの変形、変更、代用が行われて良い。従って、本発明は添付の請求項の概念及び範囲によってのみ限定されるものである。
【国際調査報告】