特表2017-510870IP Force 特許公報全文掲載

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-510870(P2017-510870A)
(43)【公表日】2017年4月13日
(54)【発明の名称】ユーザがユーザ入力を行うことを可能にする、装置、方法およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20170324BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20170324BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20170324BHJP
   G06F 3/0354 20130101ALI20170324BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20170324BHJP
【FI】
   G06F3/01 560
   G06F3/041 590
   G06F3/041 560
   G06F3/041 580
   G06F3/044 Z
   G06F3/0354 453
   G06F3/0488
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2016-544371(P2016-544371)
(86)(22)【出願日】2014年12月3日
(85)【翻訳文提出日】2016年8月18日
(86)【国際出願番号】FI2014050947
(87)【国際公開番号】WO2015101703
(87)【国際公開日】20150709
(31)【優先権主張番号】1400014.5
(32)【優先日】2014年1月2日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】515076873
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オサケユイチア
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100141162
【弁理士】
【氏名又は名称】森 啓
(74)【代理人】
【識別番号】100141254
【弁理士】
【氏名又は名称】榎原 正巳
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ウィリアムソン
【テーマコード(参考)】
5B087
5E555
【Fターム(参考)】
5B087AA02
5B087CC26
5B087CC39
5B087DJ06
5E555AA10
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5E555BA20
5E555BB06
5E555BB20
5E555BC01
5E555CA12
5E555CA15
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5E555CB13
5E555CB14
5E555CB19
5E555CC01
5E555EA25
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザがタッチパッドを使用してユーザ入力を行うことを可能にする装置、方法およびコンピュータプログラム。
【解決手段】装置、方法およびコンピュータプログラムであって、装置は、処理回路と、コンピュータプログラム命令を含むメモリ回路とを備え、メモリ回路およびコンピュータプログラム命令は、処理回路を用いて、装置に、1本以上の指によるユーザ入力を検出させ、1本以上の指の各々に対して、振動の特徴を識別させ、第1の指の振動の特徴と、検出された別の振動の特徴との相関を判定させるように構成され、相関が閾値を上回った場合、第1の出力信号が発せられ、相関が閾値を下回った場合、第2の出力信号が発せられる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理回路と、
コンピュータプログラム命令を含む、メモリ回路とを備え、
前記メモリ回路および前記コンピュータプログラム命令は、前記処理回路を用いて、前記装置に、
1本以上の指によるユーザ入力を検出させ、
前記1本以上の指の各々に対して、振動の特徴を識別させ、
第1の指の前記振動の特徴と、検出された別の振動の特徴との相関を判定させ、
前記相関が閾値を上回った場合、第1の出力信号が発せられ、前記相関が閾値を下回った場合、第2の出力信号が発せられる、装置。
【請求項2】
前記ユーザ入力は、複数の指によってなされ、振動の特徴は、前記複数の指の各々に対して識別される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数の指に関する前記振動の特徴の相関が判定される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記相関が閾値を上回った場合、前記複数の指は同じ手に属すると判定され、前記相関が閾値を下回った場合、前記複数の指は異なる手に属すると判定される、請求項1から3の何れかに記載の装置。
【請求項5】
前記検出されるユーザ入力は、タッチパッドの近くに位置する1本以上の指による、請求項1から4の何れかに記載の装置。
【請求項6】
前記第1の出力信号によって第1の機能が実施され、前記第2の出力信号によって第2の異なる機能が実施される、請求項1から5の何れかに記載の装置。
【請求項7】
前記振動の特徴は、前記振動の位相を備える、請求項1から6の何れかに記載の装置。
【請求項8】
前記振動の特徴は、前記振動の振幅を備える、請求項1から7の何れかに記載の装置。
【請求項9】
前記タッチパッドは、容量性タッチパッドを備える、請求項1から8の何れかに記載の装置。
【請求項10】
前記振動は、前記装置のユーザが偶発的に動いたことによって引き起こされる、請求項1から9の何れかに記載の装置。
【請求項11】
前記振動は、前記タッチパッド内のセンサが発する前記信号に変動を引き起こす、請求項1から10の何れかに記載の装置。
【請求項12】
請求項1から11の何れかに記載の装置を備える、電子デバイス。
【請求項13】
請求項1から11の何れかに記載の装置を備える、携帯電話。
【請求項14】
1本以上の指によるユーザ入力を検出することと、
前記1本以上の指の各々に対して、振動の特徴を識別することと、
第1の指の前記振動の特徴と、検出された別の振動の特徴との相関を判定することとを含み、
前記相関が閾値を上回った場合、第1の出力信号が発せられ、前記相関が閾値を下回った場合、第2の出力信号が発せられる、方法。
【請求項15】
前記ユーザ入力は、複数の指によってなされ、振動の特徴は、前記複数の指の各々に対して判定される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の指に関する前記振動の特徴の相関が判定される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記相関が閾値を上回った場合、前記複数の指は同じ手に属すると判定され、前記相関が閾値を下回った場合、前記複数の指は異なる手に属すると判定される、請求項14から16の何れかに記載の方法。
【請求項18】
前記検出されるユーザ入力は、タッチパッドの近くに位置する1本以上の指による、請求項14から17の何れかに記載の方法。
【請求項19】
前記第1の出力信号によって第1の機能が実施され、前記第2の出力信号によって第2の異なる機能が実施される、請求項14から18の何れかに記載の方法。
【請求項20】
前記振動の特徴は、前記振動の位相を備える、請求項14から19の何れかに記載の方法。
【請求項21】
前記振動の特徴は、前記振動の振幅を備える、請求項14から20の何れかに記載の方法。
【請求項22】
前記タッチパッドは、容量性タッチパッドを備える、請求項14から21の何れかに記載の方法。
【請求項23】
前記振動は、前記装置のユーザが偶発的に動いたことによって引き起こされる、請求項14から22の何れかに記載の方法。
【請求項24】
前記振動は、前記タッチパッド内のセンサが発する前記信号に変動を引き起こす、請求項14から23の何れかに記載の方法。
【請求項25】
処理回路によって実行されるとき、装置が少なくとも、
1本以上の指によるユーザ入力を検出することと、
前記1本以上の指の各々に対して、振動の特徴を識別することと、
第1の指の前記振動の特徴と、検出された別の振動の特徴との相関を判定することと、を実施することを可能にし、
前記相関が閾値を上回った場合、第1の出力信号が発せられ、前記相関が閾値を下回った場合、第2の出力信号が発せられる、コンピュータプログラム命令を備える、コンピュータプログラム。
【請求項26】
コンピュータに、請求項14から24の何れかの方法を実施させる、プログラム命令を備える、コンピュータプログラム。
【請求項27】
請求項25から26の何れかに記載のコンピュータプログラムを具体化する、物理的実体。
【請求項28】
請求項25から26の何れかに記載のコンピュータプログラムを運ぶ、電磁搬送波信号。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は、ユーザがユーザ入力を行うことを可能にする装置、方法およびコンピュータプログラムに関する。特に、ユーザがタッチパッドを使用してユーザ入力を行うことを可能にする装置、方法およびコンピュータプログラムに関する。ここで、ユーザはタッチパッドに直接触れる必要はない。
【背景技術】
【0002】
ユーザがユーザ入力を行うことを可能にするタッチパッドを使用した装置が知られている。そのようなタッチパッドは、ユーザがタッチパッドに触れたり、又は自分の指などの物体をタッチパッドに近づけたりすると、出力信号を発するように構成できるセンサを備えていてもよい。そのようなタッチパッドは、容量センサまたは赤外線センサ、又は何れか他の好適なタイプのセンサを備えることができる。
【0003】
そのような装置は、ユーザが複数の指を使用してユーザ入力を行っているときを認識するように構成されてもよい。複数の指は、1つの手又は異なる手のものであり得、二人以上のユーザに属すことさえもあり得る。複数の指が1つの手に属する時と、複数の指が異なる手に属する時とを認識できる装置を提供することは、有用でありうる。
【発明の概要】
【0004】
必ずしも全てとは限らないが、本開示の種々の実施例に従い、処理回路と、コンピュータプログラム命令を含むメモリ回路とを備える装置を提供することができ、メモリ回路およびコンピュータプログラム命令は、処理回路を用いて、装置に、1本以上の指によるユーザ入力を検出させ、1本以上の指の各々に対して、振動の特徴を識別させ、第1の指の振動の特徴と、検出された別の振動の特徴との相関を判定させるように構成され、相関が閾値を上回った場合、第1の出力信号が発せられ、相関が閾値を下回った場合、第2の出力信号が発せられる。
【0005】
いくつかの実施例では、ユーザ入力は複数の指によってなされてもよく、振動の特徴は、複数の指の各々に対して識別されてもよい。複数の指に関する振動の特徴の相関を判定してもよい。
【0006】
いくつかの実施例では、相関が閾値を上回った場合、複数の指は同じ手に属すると判定してもよく、相関が閾値第2の出力を下回った場合、複数の指は異なる手に属すると判定してもよい。
【0007】
いくつかの実施例では、検出されるユーザ入力は、タッチパッドの近くに位置する1本以上の指によってなされてもよい。
【0008】
いくつかの実施例では、第1の出力信号によって第1の機能を実施させてもよく、第2の出力信号によって第2の異なる機能を実施させてもよい。
【0009】
いくつかの実施例では、振動の特徴は、振動の位相を備えることができる。
【0010】
いくつかの実施例では、振動の特徴は、振動の振幅を備えることができる。
【0011】
いくつかの実施例では、タッチパッドは、容量性タッチパッドを備えることができる。
【0012】
いくつかの実施例では、振動は、装置のユーザが偶発的に動いたことによって引き起こされてもよい。
【0013】
いくつかの実施例では、振動は、タッチパッド内のセンサが発する信号に変動を引き起こしてもよい。
【0014】
いくつかの実施例では、の装置を備える、電子デバイスを提供することができる。
【0015】
いくつかの実施例では、の装置を備える、携帯電話を提供することができる。
【0016】
必ずしも全てとは限らないが、本開示の種々の実施例に従い、1本以上の指によるユーザ入力を検出することと、1本以上の指の各々に対して、振動の特徴を識別することと、第1の指の振動の特徴と、検出された別の振動の特徴との相関を判定することとを含み、相関が閾値を上回った場合、第1の出力信号が発せられ、相関が閾値を下回った場合、第2の出力信号が発せられる、方法を提供することができる。
【0017】
いくつかの実施例では、ユーザ入力は複数の指によってなされてもよく、振動の特徴は、複数の指の各々に対して判定してもよい。複数の指に関する振動の特徴の相関を判定してもよい。
【0018】
いくつかの実施例では、相関が閾値を上回った場合、複数の指は同じ手に属すると判定してもよく、相関が閾値を下回った場合、複数の指は異なる手に属すると判定してもよい。
【0019】
いくつかの実施例では、検出されるユーザ入力は、タッチパッドの近くに位置する1本以上の指によってなされてもよい。
【0020】
いくつかの実施例では、第1の出力信号によって第1の機能を実施させてもよく、第2の出力信号によって第2の異なる機能を実施させてもよい。
【0021】
いくつかの実施例では、振動の特徴は、振動の位相を備えることができる。
【0022】
いくつかの実施例では、振動の特徴は、振動の振幅を備えることができる。
【0023】
いくつかの実施例では、タッチパッドは、容量性タッチパッドを備えることができる。
【0024】
いくつかの実施例では、振動は、装置のユーザが偶発的に動いたことによって引き起こされてもよい。
【0025】
いくつかの実施例では、振動は、タッチパッド内のセンサが発する信号に変動を引き起こしてもよい。
【0026】
必ずしも全てとは限らないが、本開示の種々の実施例に従い、処理回路によって実行されるとき、装置が少なくとも、1本以上の指によるユーザ入力を検出することと、1本以上の指の各々に対して、振動の特徴を識別することと、第1の指の振動の特徴と、検出された別の振動の特徴との相関を判定することとを実施することを可能にし、相関が閾値を上回った場合、第1の出力信号が発せられ、相関が閾値を下回った場合、第2の出力信号が発せられる、コンピュータプログラム命令を備える、コンピュータプログラムを提供することができる。
【0027】
必ずしも全てとは限らないが、本開示の種々の実施例に従い、コンピュータに、の方法の何れかを実施させる、プログラム命令を備える、コンピュータプログラムを提供することができる。
【0028】
必ずしも全てとは限らないが、本開示の種々の実施例に従い、のコンピュータプログラムを具体化する、物理的実体を提供することができる。
【0029】
必ずしも全てとは限らないが、本開示の種々の実施例に従い、のコンピュータプログラムを運ぶ、電磁搬送波信号を提供することができる。
【0030】
装置は、電子デバイスを制御するためのものであってもよく、電子デバイスはタッチパッドを備えることができる。例えば、電子デバイスは、通信デバイス又は何れの他の好適なタイプのデバイスであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
発明を実施するための形態を理解するのに有用である、様々な実施例をより良く理解するために、添付図面に対して例としてのみ以下に説明する。
【図1】装置を説明する。
【図2】装置を備える電子デバイスを説明する。
【図3】タッチパッドを説明する。
【図4A】タッチパッドを使用してユーザ入力を行うユーザを説明する。
【図4B】タッチパッドを使用してユーザ入力を行うユーザを説明する。
【図5】方法を説明する。
【図6】方法を説明する。
【図7】ユーザの指のz軸線方向の動きについてのプロットを説明する。
【図8A】バンドパスフィルタの周波数応答、およびフィルタから得られた信号のプロットを説明する。
【図8B】バンドパスフィルタの周波数応答、およびフィルタから得られた信号のプロットを説明する。
【図9A】時系列での2本の指の位相角のプロットを説明する。
【図9B】時系列での2本の指の位相角のプロットを説明する。
【図10A】第2の指の位相角に対する、第1の指の位相角のプロットを説明する。
【図10B】第2の指の位相角に対する、第1の指の位相角のプロットを説明する。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図面は、処理回路3と、コンピュータプログラム命令11を含むメモリ回路5とを備える装置1を説明し、メモリ回路5およびコンピュータプログラム命令11は、処理回路3を用いて、装置1に、1本以上の指41によるユーザ入力の検出51と、1本以上の指41の各々に対する、振動の特徴の識別53と、指の振動の特徴と別の識別振動の特徴との相関の判定55とを行わせるように構成され、相関が閾値を上回った場合、第1の出力信号57が発せられ、相関が閾値を下回った場合、第2の出力信号59が発せられる。
【0033】
ユーザの指は自然な振動を伴う。振動は、腕の筋肉における発振によって引き起こされる。これは、1つの手の指の各々の振動が同期しうることを意味する。所与の手の指に対する振動には特性周波数があり、互いに同位相であってもよい。しかしながら、振動の特徴は、それぞれの手で異なっていてもよい。つまり、それぞれの手が異なるユーザに属することも、また異なる手が同じユーザに属することもある。
【0034】
タッチパッドを使用してユーザ入力を行うのに使用される指の振動を追跡することによって、装置が1つの手に属する複数の指で行われたユーザ入力と、異なる手に属する複数の指で行われたユーザ入力とを区別することを可能にしてもよい。
【0035】
いくつかの実施例では、入力を行うのに使用される指の振動を追跡することによって、装置が、入力を行うのに使用される指が、デバイスを持つ手に属するのかを判定することを可能にしてもよい。
【0036】
図1は、ユーザがタッチパッド又は他の好適なユーザ入力デバイスでユーザ入力を行うときに、指の振動を追跡するのに使用できる、例示の装置1について説明する。例えば、装置1はチップ又はチップセットであってもよい。図1の装置1は、携帯電話又はゲームデバイスなど、タッチパッドのようなユーザ入力デバイスを備えることができる電子デバイス内に提供されてもよい。
【0037】
装置1は制御回路13を備える。説明する実施例では、制御回路13は処理回路3およびメモリ回路5を備える。
【0038】
制御回路13は、装置1を制御する手段を提供する。制御回路13は、電子デバイスを制御する手段を提供することができる。制御回路13は、ハードウェアの機能を処理回路3で実行することを可能にする命令を使用して実装されてもよく、例えば、コンピュータ可読記憶媒体23(例えば、ディスク、メモリなど)上に記憶することができる、1つ以上の汎用又は専用処理回路3で、実行可能なコンピュータプログラム命令11を使用する。
【0039】
制御回路13は、装置1が、1本以上の指によるユーザ入力を検出し、1本以上の指の各々に対して、振動の特徴を識別し、第1の指の振動の特徴と、別の振動の特徴との相関を判定することを可能にするように構成されてもよく、相関が閾値を上回った場合、第1の出力信号が発せられ、相関が閾値を下回った場合、第2の出力信号が発せられる。
【0040】
また、処理回路3は、メモリ回路5に書き込んだり、メモリ回路5から読み取ったりするように構成されてもよい。処理回路3はまた、データおよび/又はコマンドが処理回路3によって出力される際に使用する出力インタフェースと、データおよび/又はコマンドが処理回路3に入力される際に使用する入力インタフェースとを備えることができる。
【0041】
メモリ回路5は、処理回路3へとロードされるときに、装置1の動作を制御するコンピュータプログラム命令11(コンピュータプログラムコード)を備える、コンピュータプログラム9を記憶するように構成されてもよい。コンピュータプログラム命令11は、装置1が図5および6で説明する実施例の方法を実施することを可能にする、論理およびルーチンを提供することができる。処理回路3は、メモリ回路5を読み取ることによって、コンピュータプログラム9をロードし実行することが可能であってもよい。
【0042】
コンピュータプログラム命令11は、装置1を制御するように構成される、コンピュータ可読プログラム手段を提供することができる。コンピュータプログラム命令11は、処理回路3へとロードされるとき、1本以上の指によるユーザ入力を検出する手段と、1本以上の指の各々に対して、振動の特徴を識別する手段と、第1の指の振動の特徴と、検出された別の振動の特徴との相関を判定する手段とを提供してもよく、相関が閾値を上回った場合、第1の出力信号が発せられ、相関が閾値を下回った場合、第2の出力信号が発せられる。
【0043】
コンピュータプログラム9は、何れの好適な送達機構21を介して装置1に到着してもよい。送達機構21は、例えば、コンピュータ可読記憶媒体、コンピュータプログラム製品23、メモリデバイス、およびCD−ROM又はDVDなどの記録媒体といった、コンピュータプログラム9を有形に具体化する製造品であってもよい。送達機構は、コンピュータプログラム9を確実に伝送するように構成される信号であってもよい。装置1は、コンピュータデータ信号としてコンピュータプログラム9を伝搬又は送信してもよい。
【0044】
メモリ回路5は、図1において単一の構成要素として説明されているが、1つ以上の別個の構成要素として実装されてもよく、そのうちの一部又は全てが、一体型/取り外し可能であってもよく、および/又は永久的/半永久的/動的/キャッシュ記憶部を提供することができる。
【0045】
処理回路3は、図1において単一の構成要素として説明されているが、1つ以上の別個の構成要素として実装されてもよく、そのうちの一部又は全てが、一体型/取り外し可能であってもよい。
【0046】
「コンピュータ可読記憶媒体」、「コンピュータプログラム製品」、「有形に具体化したコンピュータプログラム」など、又は「コントローラ」、「コンピュータ」、「プロセッサ」などへの言及は、シングル/マルチプロセッサアーキテクチャ、および逐次(例えば、ノイマン型)/並列アーキテクチャなど、異なるアーキテクチャを有するコンピュータだけでなく、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、信号処理デバイスおよび他のデバイスなど、特殊回路をも網羅すると理解されるべきである。コンピュータプログラム、命令、コードなどへの言及は、例えば、プロセッサに対する命令であろうとも、固定機能デバイス、ゲートアレイ又はプログラム可能な論理デバイスなどに対する構成設定であろうとも、ハードウェアデバイスのプログラム可能な内容など、プログラム可能なプロセッサ又はファームウェア用のソフトウェアを網羅すると理解されるべきである。
【0047】
本出願で使用されるとき、用語「回路」は以下の全てを指す。
(a)ハードウェアのみの回路の実装(アナログおよび/又はデジタル回路のみにおける実装など)、および
(b)以下のような(該当する場合)、回路およびソフトウェア(および/又はファームウェア)の組み合わせ、(i)プロセッサの組み合わせ、又は(ii)携帯電話又はサーバなどの装置に様々な機能を実施させるように共に作動する、プロセッサ/ソフトウェア(デジタル信号プロセッサを含む)、ソフトウェア、およびメモリの複数部分、並びに
(c)マイクロプロセッサ又はマイクロプロセッサの一部分など、ソフトウェア又はファームウェアが物理的に存在しない場合でさえも、動作にソフトウェア又はファームウェアを必要とする回路。
【0048】
この「回路」の定義は、何れの請求項も含め、本出願におけるこの用語の使用全てに当てはまる。本出願に使用するさらなる例として、用語「回路」はまた、1つのプロセッサのみ(又は複数のプロセッサ)又はプロセッサの一部分の実装と、プロセッサ(またはプロセッサの一部分)に付随するソフトウェアおよび/又はファームウェアの実装とを対象に含めるであろう。用語「回路」はまた、例えば、特定の請求項の要素に該当する場合、携帯電話用のベースバンド集積回路またはアプリケーションプロセッサ集積回路、又はサーバ、セルラーネットワークデバイスまたは他のネットワークデバイスにおける類似の集積回路も対象に含めるであろう。
【0049】
図2は、開示の実施例に従い、電子デバイス19を概略的に説明する。電子デバイス19は、図1の関連で上に記載した装置1を備えることができる。同様の参照符号が同様の特徴に使用される。
【0050】
電子デバイス19は、ユーザがタッチパッド15を使用してユーザ入力を行うことを可能にする、何れの電子デバイス19であってもよい。特に、電子デバイス19は、ユーザがタッチパッド15を使用してユーザ入力を行うことを可能にする、何れの電子デバイス19であってもよく、ユーザは、タッチパッド15に直接触れる必要はなく、自分の指又は他の物体をタッチパッドの近くに位置させるのみであり得る。
【0051】
電子デバイス19は、例えば、移動セルラー電話、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ、カメラ、ゲームデバイス、個人用携帯情報端末、電子書籍リーダ、個人用音楽プレーヤ、テレビ又は何れの他の好適な電子デバイス19であってもよい。電子デバイス19は、ユーザの手又はバッグで持ち運べる、携帯用電子デバイス19であってもよい。電子デバイス1は、電子デバイス19を使用している間、ユーザが手で電子デバイス19を持つことができるような大きさおよび形状の携帯用デバイスであってもよい。
【0052】
本明細書を理解するために必要な特徴のみが、図2で説明されていることは理解されるものとする。電子デバイス19は、説明されていない追加の特徴を備えることができる。例えば、電子デバイス19が移動セルラー電話又は他の通信デバイスである実施例において、電子デバイス19はまた、無線通信を可能にするように構成される、1つ以上の送信機および受信機を備えることができる。いくつかの実施例では、電子デバイス19はまた、ユーザが電子デバイス19を持っているときに、ユーザの手の運動を検出するように構成されてもよい、1つ以上の運動センサを備えることができる。運動センサは、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計又は何れの他の好適なセンサを備えることができる。
【0053】
図2で説明する電子デバイス19は、ユーザインタフェース17および装置1を備える。装置1は、図1の関連で上に記載した制御回路13を備えることができる。ユーザインタフェース17は、タッチパッド15を備えることができる。タッチパッド15は、図3に説明するタッチディスプレイ31の一部であってもよい。
【0054】
制御回路13は、複数の異なる機能を実施するよう、電子デバイス19を制御するように構成されてもよい。例えば、電子デバイス19が移動セルラー電話内に搭載されている場合、制御回路13は、電話をかけたり受けたり、またメッセージの送信およびアクセス通信ネットワークなどの他の機能を実施したりするよう、電子デバイス19を制御するように構成されてもよい。制御回路13は、ユーザインタフェース17から入力コマンドを受信し、またユーザインタフェース17へ出力コマンドを発信するように構成されてもよい。
【0055】
図2で説明する実施例では、ユーザインタフェース17はタッチパッド15を備える。いくつかの実施例では、ユーザインタフェース17はまた、キーパッド、ジョイスティックまたは移動キー、又は異なるタイプのユーザ入力デバイスの組み合わせなど、他のユーザ入力デバイスを備えることができる。いくつかの実施例では、ユーザインタフェース17はまた、ディスプレイまたは音声出力デバイス、又は何れの他の好適な出力デバイスなどのユーザ出力デバイスを備えることができる。
【0056】
タッチパッド15は、物体でタッチパッド15の面に触れることによって、又はタッチパッド15の面の近くに物体を持っていくことによって、ユーザが装置1に入力を行うことを可能にできる、何れの手段を含んでもよい。ユーザ入力を行うのに使用する物体は、親指を含むユーザの指の何れでもあり得る。
【0057】
タッチパッド15は、電子デバイス19のユーザが、装置1に情報を入力することを可能にする手段を備えることができる。情報は、電子デバイス19を制御するように使用されてもよい。
【0058】
タッチパッド15は、ホバリング入力を検出するように構成されてもよい。例えば、タッチパッド15は、ユーザの指又は体の他の部分が、タッチパッドの近くに位置しているが、直接には触れていないとき、ユーザの指又は体の他の部分を検出するように構成されてもよい。いくつかの実施例では、タッチパッド15は、ユーザの指がタッチパッド15から数センチメートル離れていても、検出するように構成されてもよい。
【0059】
いくつかの実施例では、タッチパッド15はタッチディスプレイの一部であってもよい。実施例のタッチディスプレイが、図3で概略的に説明される。
【0060】
図3は、実施例のタッチディスプレイ31の断面を説明する。図3はまた、基準座標軸線も説明する。本実施例では、x軸線が水平方向に、タッチパッド15の面と平行に走り、y軸線がページの中へ延びて、タッチパッド15の面と平行に走り、z軸線がタッチパッド15の面に対して垂直な向きに鉛直に延びる。
【0061】
図3の実施例のタッチディスプレイ31は、ディスプレイ33、センサアレイ35および保護層37を備える。他の実施例では、タッチディスプレイ31は他の構成要素を備えることができることは理解されるものとする。
【0062】
ディスプレイ33は、情報を電子デバイス19のユーザに表示することを可能にする、何れの手段を含んでもよい。情報は、タッチパッド15を使ってユーザにより入力された情報、および/またはメモリ回路5に記憶されている情報、又は何れか他の情報に相当してもよい。
【0063】
ディスプレイ33は、液晶ディスプレイ、発光ダイオード、有機発光ダイオード、薄膜トランジスタ又は何れか他の好適なタイプのディスプレイなど、何れの好適なディスプレイを備えることができる。
【0064】
センサアレイ35は、ディスプレイ33を覆って位置してもよい。センサアレイ35は、ユーザ入力を検出するように構成することができる、何れの手段を備えることができる。センサアレイ35は、複数の指によるユーザ入力を検出するように構成されてもよい。ユーザは、タッチパッド15に触れることなく、タッチパッド15の近くに一本以上の指を位置づけることによって、そのようなユーザ入力を行ってもよい。いくつかの実施例では、センサアレイ35は、一本以上の指がタッチパッドから数センチメートル以内に位置するとき、指を検出するように構成されてもよい。いくつかの実施例では、センサアレイ35はまた、ユーザがタッチパッド15に触れるユーザ入力を検出してもよい。
【0065】
センサアレイ35は、何れの好適なタイプのセンサを備えることができる。いくつかの実施例では、センサアレイ35は1つ以上の容量センサを備えることができる。容量センサは容量性材料の層を備えることができる。本開示のいくつかの実施形態では、容量性材料は、碁盤の目状に又は他の好適な配列で配置されてもよい。容量性材料は、ディスプレイ33がセンサアレイ35を通しても見えることが可能であるように透明であってもよい。容量性材料は、インジウムスズ酸化物など、何れか好適な材料を含んでもよい。
【0066】
容量性材料は、ユーザが、自分の指などの物体をタッチパッド15の面近くに持っていくと、ユーザ入力を検出するように構成されてもよい。これにより、センサの静電容量を変化させる容量センサによって、電荷が供給されるか又は低減される。これが、ユーザ入力を検出することを可能にし、センサアレイ35にユーザ入力を示す出力信号を発させる。出力信号は、処理回路3へ発されてもよく、行われたユーザ入力に関する情報を取得するために分析されてもよい。情報は、x、y又はz方向のうちの何れか1つ以上にあり得るユーザの指の場所、ユーザ入力にかかった時間、又は何れか他の好適な情報を含んでもよい。いくつかの実施例では、出力信号は、ユーザ入力を行うのに使用された指の振動の特徴を識別するために分析されてもよい。
【0067】
センサアレイ35は、容量センサの代わりに又は容量センサに加えて、他のタイプのセンサを備えることができる。例えば、センサアレイ35は、タッチパッド15に対するユーザの指の位置を検出するように構成することもできる、赤外線センサを備えることができる。赤外線センサはまた、x、yおよびz方向にある場所の指標を備える場所情報を提供することができてもよい。
【0068】
図3の例示の実施形態では、保護層37は、センサアレイ35およびディスプレイ33を覆って提供される。保護層37は、装置1のユーザがユーザ入力を行うために触れ得る、面39を提供することができる。
【0069】
いくつかの実施例では、保護層37は、電子デバイス19の筺体の一部を形成してもよい。保護層37の面39は、電子デバイス19の外面の一部を形成してもよい。
【0070】
保護層37は、ディスプレイ33が保護層37を通して見えるように、透明であってもよい。保護層37は絶縁材料を含んでもよい。
【0071】
図4Aおよび4Bは、タッチパッド15でユーザ入力を行うユーザを説明する。タッチパッド15については、図1から3を参照して上に記載している場合がある。
【0072】
図4Aおよび4Bの両方で、ユーザは、ユーザ入力を行うために複数の指41を使用している。ユーザは、自分の指41をタッチパッド15の近くに位置させることで、ユーザ入力を行ってもよい。図4Aおよび4Bの実施例では、ユーザはタッチパッド15に直接触れずにユーザ入力を行ってもよい。センサアレイ35は、指41を検出し、対応する出力信号を提供することができる。
【0073】
図4Aの実施例では、ユーザは、第1の指41Aおよび第2の指41Bを使用して、ユーザ入力を行っている。第1の指41Aおよび第2の指41Bは同じ手に属する。
【0074】
図4Bの実施例では、ユーザは第三の指41Cおよび第四の指41Dを使用して、ユーザ入力を行っている。第三の指41Cおよび第四の指41Dは異なる手に属する。いくつかの実施例では、異なる手が同じユーザのものであってもよい。他の実施例では、それぞれの手が異なるユーザのものであってもよい。
【0075】
の装置1は、図4Aおよび4Bのユーザ入力を区別するように構成されてもよい。これにより、異なる機能をそれぞれのユーザ入力と関連付けることを可能にしてもよい。
【0076】
図5は、図4Aおよび4Bのユーザ入力を区別するのに使用されてもよい、実施例の方法を説明する。方法は、図1から4を参照して上に記載した装置1およびタッチパッド15を使用して実施されてもよい。
【0077】
実施例の方法は、一本以上の指41によるユーザ入力の検出をブロック51に含む。指41は、親指を含むユーザの指41のうち何れを含んでもよい。ユーザ入力は複数の指41によってなされてもよい。検出されるユーザ入力は、タッチパッド15の近くに位置する複数の指41によってなされてもよい。ユーザは、ユーザ入力を行うためにタッチパッド15に触れる必要はない。
【0078】
方法は、振動の特徴の識別をブロック53に含む。振動の特徴は、複数の指41の各々に対して判定してもよい。いくつかの実施例では、他の振動の特徴が識別され得る。例えば、電子デバイス19を持っているユーザの手の振動が、センサを使用して検出されてもよい。
【0079】
振動はユーザの指41の震えを含んでもよい。振動は、装置1のユーザが偶発的に動いたことによって引き起こされてもよい。振動は、装置1のユーザの腕の筋肉が偶発的に動いたことによって引き起こされてもよい。振動はz方向の動きを含んでもよく、すなわち、振動は、タッチパッド15に対する指41の高さの変動を含んでもよい。他の実施例では、また振動によって、指41のxおよびz方向への動きが生じてもよい。
【0080】
振動の特徴は、何れか測定又は検出可能な振動のパラメータを備えることができる。いくつかの実施例では、振動の特徴は、振動の位相を備えることができる。他の実施例では、振動の特徴は、周波数または振幅、又は何れか他の好適な特徴を備えることができる。
【0081】
方法は、振動の特徴間における相関の判定をブロック55に含む。相関が閾値を上回ると判定される場合、ブロック57で第1の出力信号が発せられる。相関が閾値を下回ると判定される場合、ブロック59で第2の出力信号が発せられる。
【0082】
複数の指41に対する相関が、閾値を上回る場合、複数の指41は同じ手に属すると判定され、相関が閾値を下回った場合、複数の指41は異なる手に属すると判定される。これにより、装置1が、図4Aおよび4Bのユーザ入力を区別することを可能にすることができる。
【0083】
出力信号は装置1によって発信されてもよい。出力信号は、電子デバイス19内の他の構成要素に発信されてもよい。第1の出力信号によって、第1の機能を装置1に実施させてもよく、第2の出力信号によって、第2の異なる機能を装置1に実施させてもよい。
【0084】
図6は、図4Aおよび4Bのユーザ入力を区別するのに使用されてもよい、別の実施例の方法を説明する。方法はまた、図1から4を参照して上に記載した装置1およびタッチパッド15を使用して実施されてもよい。
【0085】
方法は、ユーザが複数の指41によるユーザ入力を行うときに実施されてもよい。ユーザは、タッチパッド15には触れずに、指41をタッチパッド15の近くに位置させることで、ユーザ入力を行ってもよい。
【0086】
ブロック61で、装置1は時系列で、複数の指41の各々について指の距離の推定値を取得する。指の距離は、タッチパッド15の面39と、指41との間の距離であってもよい。指の距離は、タッチパッド15より上方にある、指41のz方向の高さであってもよい。指41の高さの変動によって、ユーザの指41の振動の指標が提供されてもよい。
【0087】
時系列を取得するのに使用するサンプリングレートは、15から1000Hzの間であってもよい。いくつかの実施例では、サンプリングレートは30から100Hzの間であってもよい。例として、使用するサンプリングレートは約60Hzであり得る。
【0088】
指の距離に関する情報は、一連の高さの値z1、z2・・・znを備える、時系列として提供されてもよい。時系列は、各々検出された指41に対して提供されてもよい。時系列は、指41が同じ手又は異なる手に属するのかを判定するように処理されてもよい。
【0089】
ブロック62では、各時系列は、振動の周波数を分離するようにフィルタリングされる。フィルタで、指41が偶発的に動いたことによって引き起こされた高さの変動を、信号から除去してもよい。指41の偶発的な動きは、振動よりかなり低い周波数を有する。使用するフィルタはバンドパスフィルタを備えることができる。フィルタのパスバンドは、約6から18Hzであってもよい。使用するフィルタは位相が線形であってもよい。図8Aは実施例のフィルタ応答を説明する。
【0090】
フィルタの出力はフィルタリングした時系列pnである。
【0091】
ブロック63では、ヒルベルト変換がフィルタリングした時系列pnに適用され、直交信号qnを取得する。これは、真のヒルベルト変換へのFIR(有限インパルス応答)の近似で実施することができる。
【0092】
ブロック64では、位相角が算出される。位相角は、フィルタリングした時系列pnのポイント各々に対して算出されてもよい。位相角は、検出された指41の各々のフィルタリングした時系列pnにおけるポイント各々に対して算出されてもよい。
【0093】
位相角はφn=atan(pn,qn)により与えられてもよい。
【0094】
ブロック65では、位相同期値の行列Vが算出される。位相同期値は、検出した指41の振動の相関又は同期の尺度を与えることができる。
【0095】
位相同期値の行列Vは、各指kおよび各指jに対して、vk,j=e(i(φj-φk))により与えられる。
【0096】
ブロック66では、位相同期値の行列Vは、ローパスフィルタを使用してフィルタリングされてもよい。ローパスフィルタは、単一極の無限インパルス応答(IIR)フィルタを備えることができる。フィルタは、取得した値を平滑化するために、およそ0.5Hzのロールオフを有してもよい。
【0097】
ローパスフィルタの出力は、位相同期の行列uである。位相同期の行列uの値は、検出した指の振動の位相に相関があるか否かを判定するのに使用されてもよい。
【0098】
ブロック62から66は、1つ以上の代替の位相同期の行列u1、u2・・・を取得するように繰り返されてもよい。代替の位相同期の行列u1、u2・・・によって、方法の統計的頑健性を増すことができる。
【0099】
代替の位相同期の行列u1、u2・・・を取得するために、方法はバッファに時系列を記憶することを、ブロック67に含んでもよい。バッファはメモリ回路5の一部であってもよい。ブロック68で時系列は無作為に入れ替えられ、次いでブロック62から66までが入れ替えられた時系列で繰り返される。入れ替えられた時系列で実行される方法は、入れ替えられていない時系列で実行される方法と同一であるが、独立していてもよい。
【0100】
ブロック69では、位相同期の行列uは、検出した指41の各々に対して振動の位相に何れの相関があるかを判定するために、1つ以上の代替の位相同期の行列u1、u2・・・と比較される。
【0101】
代替の位相同期の行列u11つのみが提供される場合、位相同期の行列uと代替の位相同期の行列u1とを比較し、差が閾値を上回るか又は下回るかを判定することによって、相関が判定されてもよい。
【0102】
二つ以上の代替の位相同期の行列u1、u2・・・が提供される場合、zスコアなどの統計的測定を算出することによって、相関が判定されてもよい。zスコアは、平均からの偏差の尺度をもたらし、
【数1】
によって与えられてもよく、式中、
【数2】
は平均であり、sは標準偏差である。
【0103】
行列を比較することで、行列sを提供することができる。行列si,jの要素は、位相同期の行列ui,jの同様の要素が、代替行列における同様の値よりも有意に大きいときはいつも、1の値を有してもよい。行列si,jの要素は、位相同期の行列ui,jの同様の要素と、代替の行列における同様の値との差が、閾値を上回るときはいつも、1の値を有してもよい。行列sは対称2値行列であってもよい。
【0104】
ブロック70では、どの指が第1の手に属し、どの指が異なる手に属するかが判定される。行列sの要素の値が1であるときはいつも、指は同じ手のものである。指全てが同じ手のものであってもよい。
【0105】
行列sの要素の値が1ではないときはいつも、指は異なる手のものである。
【0106】
検出したユーザ入力に応答して発する出力信号は、指41が1つの手のものか、又は異なる手のものかによって異なってもよい。指41が1つの手のものである場合、第1の機能を実施させる第1の制御信号が発せられてもよい。指41が異なる手のものである場合、第2の異なる機能を実施させる第2の制御信号が発せられてもよい。
【0107】
図7は、ユーザの指のz軸線方向の動きについてのプロットを説明する。図7は、タッチパッド15に対する、z軸線におけるユーザの指41の動きのスペクトログラムを提供する。図7のスペクトログラムは、10秒の記録データの高速フーリエ変換(FFT)から取得される。スペクトログラムはおよそ10Hzにピークを示し、これはユーザの指41の振動に起因する。
【0108】
図8Aは、図5および6を参照して上に記載した方法を実施するのに使用されてもよい、バンドパスフィルタの周波数応答および位相応答のプロットを説明する。フィルタは、振動周波数を分離するのに使用されてもよい。フィルタは、一連の高さの値から振動周波数を分離するのに使用されてもよい。
【0109】
フィルタは線形位相応答を備える。フィルタは、有限インパルス応答(FIR)フィルタを備えることができる。図8Aのフィルタは、窓関数法をブラックマン・ハリス窓で使用して設計される。他のタイプの窓関数が他の実装で使用されてもよいことは、理解されるものとする。
【0110】
図8Bは、フィルタが適用された後の信号の周波数スペクトルを説明する。
【0111】
図9Aおよび9Bは、2本の指41の位相角の時系列のプロットを説明する。図9Aでは、2本の指41は同じ手にある。図9Aでは、2つのプロットはほぼ完全に重複する。これは、位相の相関が強いことを示す。
【0112】
図9Bでは、指41は異なる手のものである。図9Bでは、ふたつのプロットはほぼ重複しない。これは、位相の相関が弱いことを示す。
【0113】
図10Aおよび10Bは、第2の指41の位相角に対する、第1の指41の位相角のプロットを説明する。図10Aおよび10Bのプロットは、図9Aおよび9Bのプロットと同じデータを使用する。
【0114】
図10Aでは、y=xの辺りにはっきりした縞部分があり、これは指41が同じ手にあることを示す。y=xの辺りの縞部分は図10Bには存在せず、これは指41が異なる手のものであることを示す。
【0115】
本開示の実施例は、1つの手に属する複数の指41により行われたユーザ入力と、異なる手に属する複数の指41により行われたユーザ入力とを見分けることができる、装置1を提供することができる。
【0116】
これによって、装置1が、同じ手の複数の指41で行われた手ぶりと、異なる手の複数の指41で行われた手ぶりとによるユーザ入力を区別することが可能になってもよい。異なる機能が、異なるユーザ入力と関連付けられてもよい。
【0117】
例えば、ユーザは、同じ手の複数の指を使用して、ピンチ入力を行ってもよい。これによってズーム機能を実施することができ、ズームが第1の縮尺で実行される。また、ユーザは、自分の左右両方の手の指を使用して、ピンチ入力を行い得る。これによってズーム機能がもたらされ、ズームが第2の縮尺で実行される。第2の縮尺が、第1の縮尺よりも大きいこともある。ユーザ入力に応答して、他の機能が実施され得ることは理解されるものとする。
【0118】
また、本開示の実施例によって、装置1が複数の異なるユーザにより行われたユーザ入力を認識することを可能にしてもよい。これは、マルチプレイヤーゲーム又は何れか他の好適なタイプの機能を有効にするように、装置1を制御するのに使用し得る。
【0119】
図5および6で説明したブロックは、方法のステップおよび/又はコンピュータプログラム9のコード部分を表していてもよい。ブロックについての特定の順序に関する説明は、ブロックに必要とされる又は好ましい順序があることを必ずしも意味せず、ブロックの順序および配列は異なってもよい。さらに、いくつかのブロックを省略することが可能であってもよい。
【0120】
用語「備える」は、本書類において、排他的ではなく包括的な意味で使用される。Yを備えるXという言及はいずれも、Xは1つのみのYを備えることができる、又は二つ以上のYを備えることができるということを示している。「備える」を排他的意味で使用することを意図する場合、「1つのみの・・・を備える」と述べたり、又は「から成る」を使用したりすることで、文脈上明らかとするであろう。
【0121】
本発明を実施するための形態において、様々な実施例を参照してきた。実施例に関する特徴又は機能の記述は、それらの特徴又は機能がその実施例に存在することを示す。本文中の用語「実施例」または「例えば」又は「してもよい」などの使用は、明記していようといまいと、実施例と記載していようといまいと、そのような特徴又は機能が少なくとも記載した実施例の中に存在し、必ずではないが、他の実施例の一部又は全てに存在し得ることを意味する。そのため、「実施例」、「例えば」又は「してもよい」は、実施例の集合において特定の例を指す。例の性質は、その例のみの性質または集合の性質、又は集合の中の例の全てではないが一部を含む集合の部分集合の性質であり得る。
【0122】
本開示の実施例について、様々な実施例を参照の上、先行する段落に記載してきたが、請求する通りの本発明の範囲から逸脱することなく、提示した実施例への改変を行い得ることは理解されるべきである。例えば、実施例では、ユーザは、実際にタッチパッド15に触れずにユーザ入力を行う。他の実施例では、ユーザはタッチパッド15に触れて、ユーザ入力を行ってもよいことは理解されるものとする。
【0123】
記載の実施例では、複数の指41に対する振動の特徴が、判定され比較される。他の実施例では、振動の特徴は、電子デバイス19を持っているユーザの手に対して判定されてもよい。これを、タッチパッド15を作動させるのに使用する指41の振動の特徴と比較することができる。相関がある場合、指41は電子デバイス19を持っている手に属すると判定される。相関がない場合、指41は異なる手に属すると判定することができる。
【0124】
先行する明細書の中に記載した特徴は、明示的に記載した組み合わせ以外の組み合わせで使用してもよい。
【0125】
特定の特徴に関して、機能について記載してきたが、それらの機能は、記載したかしないかに関わらず、他の特徴によって実施可能であってもよい。
【0126】
特定の実施形態に関して、特徴について記載してきたが、それらの特徴もまた、記載したかしないかに関わらず、他の実施形態に存在してもよい。
【0127】
上述の明細書では、特に重要であると考えられる、本発明のそれら特徴に目を向けるように努めたものの、本願で特に強調されていたか否かに関わらず、図面で言及されるおよび/又は示される、先に述べた本願の何れの特許性のある特徴又は特徴の組み合わせに関する保護を、出願人が主張することは理解されるべきである。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【手続補正書】
【提出日】2016年8月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理回路と、コンピュータ・プログラム命令を含むメモリ回路とを備える装置であって、
前記メモリ回路および前記コンピュータ・プログラム命令は、前記処理回路を用いて、前記装置に、
1つ以上の指を用いて実行されたユーザ入力を検出させ、
前記1つ以上の指の各々に対して、振動の特徴を識別させ、
第1の指の前記振動の特徴と、別の検出された振動の特徴との相関を判定させる
ように構成され、
前記相関が閾値を上回った場合、第1の出力信号が提供され、
前記相関が閾値を下回った場合、第2の出力信号が提供される、装置。
【請求項2】
前記ユーザ入力は、複数の指を用いて実行され、
振動の特徴が、前記複数の指の各々に対して識別される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数の指に対する前記振動の特徴の相関が判定される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記相関が閾値を上回った場合、前記複数の指は同じ手に属すると判定され、
前記相関が閾値を下回った場合、前記複数の指は異なる手に属すると判定される、請求項2ないし3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の出力信号は、第1の機能を実行させ、
前記第2の出力信号は、第2の異なる機能を実行させる、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記振動の特徴は、前記振動の位相を備える、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記振動の特徴は、前記振動の振幅を備える、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記振動は、前記装置のユーザの意図しない動きによって引き起こされる、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記検出されたユーザ入力は、タッチ・パッドの近くに位置する1つ以上の指を用いて実行される、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記タッチ・パッドは、容量性タッチ・パッドを備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記振動は、前記タッチ・パッドの内部のセンサにより提供される前記第1の出力信号または前記第2の出力信号における変動を引き起こす、請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれか1項に記載の装置を備える電子デバイス。
【請求項13】
請求項1ないし11のいずれか1項に記載の装置を備える携帯電話。
【請求項14】
処理回路を備える装置の方法であって、該方法は、
1つ以上の指を用いて実行されたユーザ入力を、処理回路が検出するステップと、
前記1つ以上の指の各々に対して、振動の特徴を、処理回路が識別するステップと、
第1の指の前記振動の特徴と、別の検出された振動の特徴との相関を、処理回路が判定するステップと、を含み、
前記相関が閾値を上回った場合、第1の出力信号が提供され、
前記相関が閾値を下回った場合、第2の出力信号が提供される、方法。
【請求項15】
前記ユーザ入力は、複数の指を用いて実行され、
振動の特徴は、前記複数の指の各々に対して判定される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の指に対する前記振動の特徴の間の相関が判定される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記相関が閾値を上回った場合、前記複数の指は同じ手に属すると判定され、
前記相関が閾値を下回った場合、前記複数の指は異なる手に属すると判定される、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の出力信号は、第1の機能を実行させ、
前記第2の出力信号は、第2の異なる機能を実行させる、請求項14ないし17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記振動の特徴は、前記振動の位相を含む、請求項14ないし18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記振動の特徴は、前記振動の振幅を含む、請求項14ないし19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記振動は、前記装置のユーザの意図しない動きによって引き起こされる、請求項14ないし20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記検出されたユーザ入力は、タッチ・パッドの近くに位置する1つ以上の指を用いて実行される、請求項14ないし21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記タッチ・パッドは、容量性タッチ・パッドを備える、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記振動は、前記タッチ・パッドの内部のセンサにより提供される前記第1の出力信号または前記第2の出力信号における変動を引き起こす、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
処理回路によって実行されるときに、装置が、少なくとも、
1つ以上の指を用いて実行されたユーザ入力を検出するステップと、
前記1つ以上の指の各々に対して、振動の特徴を識別するステップと、
第1の指の前記振動の特徴と、別の検出された振動の特徴との相関を判定するステップと、
を実行することを可能にし、
前記相関が閾値を上回った場合、第1の出力信号が提供され、
前記相関が閾値を下回った場合、第2の出力信号が提供される、
プログラム命令を備えるコンピュータ・プログラム。
【請求項26】
コンピュータに、請求項14ないし24のいずれか1つの方法を実行させる、プログラム命令を備えるコンピュータ・プログラム。
【国際調査報告】

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