特表2018-505723IP Force 特許公報全文掲載

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-505723(P2018-505723A)
(43)【公表日】2018年3月1日
(54)【発明の名称】移動抑制能を備える埋込式医療装置
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/95 20130101AFI20180202BHJP
   A61F 2/90 20130101ALI20180202BHJP
   A61F 2/07 20130101ALI20180202BHJP
   A61F 2/848 20130101ALI20180202BHJP
【FI】
   A61F2/95
   A61F2/90
   A61F2/07
   A61F2/848
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-537282(P2017-537282)
(86)(22)【出願日】2016年1月14日
(85)【翻訳文提出日】2017年7月13日
(86)【国際出願番号】US2016013488
(87)【国際公開番号】WO2016115403
(87)【国際公開日】20160721
(31)【優先権主張番号】62/104,356
(32)【優先日】2015年1月16日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】モート、ポール ジー.
(72)【発明者】
【氏名】マニオン、ポール
【テーマコード(参考)】
4C097
4C167
【Fターム(参考)】
4C097AA14
4C097AA15
4C097AA17
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC02
4C097CC05
4C097DD10
4C097EE06
4C097EE09
4C097EE13
4C167AA44
4C167AA47
4C167AA50
4C167AA53
4C167AA55
4C167BB02
4C167BB26
4C167BB40
4C167CC09
4C167CC20
4C167CC21
4C167CC22
4C167CC26
4C167DD01
4C167GG03
4C167GG04
4C167GG05
4C167GG24
4C167GG42
4C167GG43
4C167HH08
(57)【要約】
医療装置と、医療装置の製造方法と使用方法とが開示される。医療装置は埋込式医療装置を含む。埋込式医療装置は、被覆部と非被覆部とを有するステントから成る。被覆部は、非被覆部に対して取り外し可能に取り付けられる。被覆部材は、被覆部に沿って配置される。非被覆部は、該非被覆部を被覆部から取り外せるように設計された取り外しタブを備える。除去部材は、埋込部位から被覆部を除去することを支援する為に、被覆部に連結される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被覆部と非被覆部とを有するステントと、
前記被覆部は非被覆部に対して取り外し可能に連結されていることと、
前記被覆部に沿って配置される被覆部材と、
前記非被覆部は該非被覆部を前記被覆部から取り外せるように設計された取り外しタブを有することと、
埋込部位から前記被覆部を除去することを支援する為に、被覆部に連結される除去部材とからなる埋込式医療装置。
【請求項2】
前記ステントの被覆部は、編組体を備える、請求項1に記載の埋込式医療装置。
【請求項3】
前記ステントの非被覆部は、かぎ編されたワイヤを備える、請求項1または2に記載の埋込式医療装置。
【請求項4】
前記ステントの非被覆部は、1本のワイヤから形成される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の埋込式医療装置。
【請求項5】
前記ステントの非被覆部は、前記ステントの移動を抑制すべく、組織の内部成長を許容するように設計される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の埋込式医療装置。
【請求項6】
前記被覆部及び非被覆部の少なくともいずれか一方は、外方に広がった形状の端部領域を備える、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の埋込式医療装置。
【請求項7】
前記取り外しタブを近位方向に引くことにより、前記ステントの非被覆部が解かれる、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の埋込式医療装置。
【請求項8】
前記取り外しタブを近位方向に引くことにより、前記ステントの非被覆部が前記ステントの被覆部から取り外される、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の埋込式医療装置。
【請求項9】
前記被覆部材は、前記ステントの被覆部に沿って、組織の内部成長を抑制するように設計される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の埋込式医療装置。
【請求項10】
前記ステントの非被覆部は、生体分解性材料からなる、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の埋込式医療装置。
【請求項11】
前記除去部材は、前記ステントの被覆部の周りに配置される縫合からなる、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の埋込式医療装置。
【請求項12】
編組部とかぎ編部とを有するステントと、
前記編組部はかぎ編部に対して取り外し可能に連結されていることと、
前記編組部に沿って配置される被覆部材と、
前記被覆部材は編組部に沿って組織の内部成長を抑制するように設計されていることと、
前記ステントのかぎ編部はステントの移動を抑制すべく、組織の内部成長を許容するように設計される埋込式医療装置。
【請求項13】
前記ステントのかぎ編部は1本のワイヤで形成される請求項12に記載の埋込式医療装置。
【請求項14】
除去部材は、前記編組部を埋込部位から除去することを支援する為に、前記編組部に連結される請求項12または13に記載の埋込式医療装置。
【請求項15】
前記かぎ編部は、取り外しタブを備え、該取り外しタブを近位方向に引くことにより、前記ステントのかぎ編部を解いて、前記ステントの編組部からステントの該かぎ編部を取り外す請求項12乃至14のいずれか一項に記載の埋込式医療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療装置、および医療装置の製造方法に関する。より詳細には、移動抑制能を備えた長尺状の埋込式医療装置
【背景技術】
【0002】
血管内での使用など、医学的な使用を目的として、様々な血管内医療装置が開発されている。これらの装置には、ガイドワイヤ、カテーテル、ステントなどがある。これらの装置は、種々の製造方法で製造され、種々の方法により使用される。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、医療装置の設計、材料、製造方法、および代替的な使用方法に関する。医療装置の一例は、
被覆部と非被覆部とを有するステントと、
被覆部が非被覆部分に対して取り外し可能に連結されていることと、
被覆部に沿って配置される被覆部材と、
非被覆部が該非被覆部を被覆部から取り外せるように設計された取り外しタブを有することと、
埋込部位から被覆部を除去することを支援するために、被覆部に連結された除去部材とからなる埋込式医療装置を含む。
【0004】
実施形態のいずれか1つに対して代替的にまたは追加的に、ステントの被覆部は、編組部を含む。
実施形態のいずれか1つに対して代替的にまたは追加的に、ステントの非被覆部は、かぎ編ワイヤを含む。
【0005】
実施形態のいずれか1つに対して代替的にまたは追加的に、ステントの非被覆部は、一本のワイヤで形成される。
実施形態のいずれか1つに対して代替的にまたは追加的に、ステントの非被覆部は、ステントの移動を抑制すべく、組織の内部成長を許容するように設計される。
【0006】
実施形態のいずれか1つに対して代替的にまたは追加的に、ステントの被覆部、非被覆部、またはその両方は、外方に広がった形状の端部領域を備える。
実施形態のいずれか1つに対して代替的にまたは追加的に、取り外しタブを近位方向に引くことにより、ステントの非被覆部は、解かれる。
【0007】
実施形態のいずれか1つに対して代替的にまたは追加的に、取り外しタブを近位方向に引くことにより、ステントの非被覆部は、ステントの被覆部から取り外される。
実施形態のいずれか1つに対して代替的にまたは追加的に、被覆部材は、ステントの被覆部に沿って、組織の内部成長を抑制するように設計される。
【0008】
実施形態のいずれか1つに対して代替的にまたは追加的に、ステントの非被覆部は、生体分解性材料から成る。
実施形態のいずれか1つに対して代替的にまたは追加的に、除去部材は、ステントの被覆部の周囲に配置される縫合から成る。
【0009】
埋込式医療装置が開示される。
埋込式医療装置は、編組部とかぎ編部とを有し、
編組部は、かぎ編部に対して取り外し可能に連結され、
埋込式医療装置は、編組部に沿って配置される被覆部材をさらに備え、
被覆部材は、編組部に沿って組織の内部成長を抑制するように設計され、
ステントのかぎ編部は、ステントの移動を抑制すべく、組織の内部成長を許容するように設計される。
【0010】
実施形態のいずれか1つに対して代替的にまたは追加的に、ステントのかぎ編部は、一本のワイヤで形成される。
実施形態のいずれか1つに対して代替的にまたは追加的に、編組部、かぎ編部、またはその両方は、外方に広がった形状の端部領域を有する。
【0011】
実施形態のいずれか1つに対して代替的にまたは追加的に、除去部材は、埋込部位から編組部を除去することを支援するために、編組部に連結される。
実施形態のいずれか1つに対して代替的にまたは追加的に、かぎ編部は、取り外しタブを備え、取り外しタブを近位方向に引くことにより、ステントのかぎ編部は、解かれ、ステントの編組部から取り外される。
【0012】
実施形態のいずれか1つに対して代替的にまたは追加的に、被覆部材は、ステントの編組部に沿って、組織の内部成長を抑制するように設計される。
実施形態のいずれか1つに対して代替的にまたは追加的に、ステントのかぎ編部は、ステントの移動を抑制すべく、組織の内部成長を許容するように設計される。
【0013】
実施形態のいずれか1つに対して代替的にまたは追加的に、ステントのかぎ編部は、生体分解性材料からなる。
埋込式医療装置を除去する方法が開示される。方法は、
第1除去部材を備えるステントに取り外しタブを係合させることを含み、
ステントは、
編組部と、
編組部に対して取り外し可能に連結されるかぎ編部と、
編組部に沿って配置される被覆部材を備えるステントであって、該方法は、
かぎ編部を解くために、取り外しタブを近位方向に後退させて、編組部からかぎ編部を取り外すことと、
第2除去部材を有するステントの編組部に除去部材を係合させることと、
埋込部位からステントの編組部を除去すること、をさらに含む。
【0014】
実施形態についてのの概要は、本発明について開示された各実施形態、または全ての実施態様を説明することを意図したものではない。以下の図面および、発明の詳細な説明は、これらの実施形態を、より詳細に説明するものである。
【0015】
本発明の内容は、添付の図面と共に、発明の詳細な説明を考慮することにより、より完全に理解し得る。
本発明には、種々の変更形および、代替形が可能であるが、それらのうちの特別なものが、例示することを目的として図面に示され、詳細に説明される。しかしながら、目的は、発明を説明された特定の実施形態に限定することではないことに留意されたい。むしろ、目的は、本発明の精神および範囲に入る全ての変更形、均等形、および代替形を包含することにある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】埋込式医療装置の一例を示す側面図。
【図2】埋込式医療装置の一例の一部を示す図。
【図3】体腔に沿って埋め込まれた埋込式医療装置の一例を示す図。
【図4】埋込式医療装置の例の一区画を解く工程の一部を示す側面図。
【図5】埋込式医療装置の例の一区画を解く工程の一部を示す側面図。
【図6】体腔から埋込式医療装置の例の一区画を除去する工程の一部を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に定義される用語には、異なる定義が特許請求の範囲または本明細書において与えられない限り、これらの定義が適用されるものとする。
本明細書では、全ての数値は、明確に記載されているか否かに拘わらず、「約」の語によって修飾されるものと想定されている。「約」という用語は、一般的に当業者が、記述されている値に均等であると考える数字の範囲(同じ機能、又は結果が得られるなど)を指すものとする。多くの場合には、「約」という用語は、最も近い有効数字に四捨五入される複数の数字を含みうる。
【0018】
数字の範囲が終点で記述される場合は、その範囲の全ての数字を含むものとする(1乃至5は、1,1.5,2,2.75,3,3.80,4及び5を含む)。
本明細書および添付の請求の範囲で使用されているように、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、内容が別の意味を明確に指定しない限り複数の指示対象を含むものとする。本明細書及び添付の請求の範囲で使用されるように、内容が他の意味を明確に指示しない限り「or」の語は、一般的に「and/or」を含む意味で使用されるものとする。
【0019】
本明細書内の「ある実施例」、「いくつかの実施例」、「その他の実施例」は、1つ以上の特定の特徴、構造、及び/又は性質を備えうる。しかしながら、このような記述は、全ての実施例が、特定の特徴、構造、および/または性質を備えなければならないことを必ずしも意味するものではない。加えて、特定の特徴、構造、および/または特性が1の実施例と関連して記載されている場合は、このような特徴、構造、及び/特性は反対のことが明白に述べられていない限り、明確に記載されているか否かに拘わらずその他の実施例にも使用されてよいものとする。
【0020】
以下の詳細な説明は、図を参照して読まれたい。図面では、異なる図面の類似の要素には同じ符号が付される。図面は、必ずしも縮尺通りではなく、実施形態を例示したものであって、本発明の範囲を限定するものではないことに留意されたい。
【0021】
図1は、埋込式医療装置10の一例を示している。埋込式医療装置10は、様々な医療行為を目的として、体腔内に配置されるように構成される。例えば、埋込式医療装置10は、ある実施例では、血管内の狭窄を治療する為に、または血管、尿管、胆管、気管と気管支の管、食道管、または腎臓の管において、体液の開口または経路を維持するために、または体腔内で人工弁またはフィルタなどの医療装置を配置する為に用いられる。ある実施例では、埋込式医療装置10は、人工グラフト、ステントグラフト、またはステント(血管ステント、気管ステント、気管支ステント、食道ステントなど)、大動脈弁、フィルタなどである。ステントとして図示されているが、埋込式医療装置10は、心臓、動脈、静脈、尿管、食道、気管、気管支、胆管などの器官、組織、または体腔内に配置する為に、内視鏡的に、皮下的に、経皮的に、または外科的に、挿入される如何なる装置であってもよい。
【0022】
ある状況では、埋込式医療装置10を体腔から除去することが望ましい場合がある。埋込式ステントは、組織の内部成長を許容するために、開口、メッシュ状の構成、または編組体を有する。組織が内部成長した場合には、ステントを除去することが困難になる場合がある。組織の内部成長を抑制する目的で、ステント上に、被覆またはスリーブが配置されることがある。スリーブが存在することにより、組織の内部成長を抑制することに有効であるのと同時に、ステントは、埋込標的に対して移動することができる。
【0023】
埋込式医療装置10は、移動に対抗する特性を備えるだけでなく、必要とされる場合は、効率的に除去できるように設計されている。例えば、埋込式医療装置10は、第1区画12と第2区画14とを備える。第1区画12と第2区画は、開放性の端部を両端に備え、内部を貫通する管腔を形成する拡張可能な管状フレームワークとして互いに連結される。第1区画12は、非被覆区画であり、組織の内部成長を促進し、移動に対抗する区画などとして説明される。言い換えれば、第1区画12は、埋込式装置10が標的部位に固定的に埋込まれた状態を維持することに寄与する。ある状況では、第1区画12は、かぎ編ワイヤ、またはかぎ編フィラメントで形成されるため、かぎ編区画として説明される。第2区画14は、被覆区画であって、組織の内部成長を制限する区画であり、除去可能な区画などと説明される。ある場合には、第2区画14は、複数の編組、または織合されたワイヤ、または織合されたフィラメントで形成されるため、編組部として説明される。まとめると、区画12/14は、協働して埋込式医療装置10に、所望される多数の特性を提供する。
【0024】
第1区画12は、ワイヤ16から形成される。ワイヤ16は、円形または非円形の断面から成る固体の部材、または管である(円形または非円形の横断面を有する外周面、および/または円形、または非円形の横断面の内周面を備える)。少なくともいくつかの実施例では、ワイヤ16は、かぎ編され、一般的に円筒形状のマトリクスとして構成され、適切な駆動下において、第1構成(円筒形状など)から、第2構成(ほぼ「線形」の構成など)に、解かれる。少なくともある実施例では、第1区画12は、一本のワイヤ16で形成される。これにより、ワイヤ16を解くことを簡単にする。ワイヤ16を第1構成から、解かれた構成の第2構成に移行することを支援する目的で、取り外し部材、またはタブ18が、ワイヤ16の端部領域に配置される。取り外しタブ18は、ワイヤ16を解く為に、比較的簡単に把持して引っぱることができる、ワイヤ16の一部である。
【0025】
第2区画14は、編組体またはメッシュ20から成る。被覆部材22は、編組体20に沿って配置される。被覆部材22は、組織の内部成長を抑制するように設計される。したがって、被覆部材22は、第2区画14が、ある適当な時点で、埋込部位から簡単に除去できるようにする。被覆部材22は、好適な材料で形成されてよい。例えば、被覆部材22は、シリコン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、または本明細書で開示されているものを含むその他の材料からなってよい。いくつかの実施例では、被覆部材22は、編組体20の外表面に沿って配置される。別の実施例では、被覆部材22は、編組体20の内表面と外表面の両方に沿って配置される。これらの実施例および別の実施例において、被覆部材22が、編組体20に侵入することもあれば、被覆部材22が、中に埋め込まれた編組体20を有することもある。被覆部材22を編組体20に連結することは、熱による結合、成型、被覆、浸漬被覆、押出加工などから成ってよい。しかしながら、これらは、単なる例である。
【0026】
加えて、第2区画14は、除去部材24をさらに備える。除去部材24は、第2区画14に沿って配置され、第2区画14を除去する際に、部分的に崩壊させる、および/または支援するために使用される。いくつかの実施例では、除去部材24は、第1区画12に近接して編組体20の端部領域の周囲に配置される縫合の形式をとってもよい。除去部材24は、一般的に、編組体20の外表面及び内表面のいずれかに沿って配置されてもよいし、編組体20に織合わされてもよい。除去部材24は、一般的に、編組体20の端部領域上に径方向内方に向かって力を及ぼすことにより、編組体20を、円すい形または部分的に崩れた構成に効率的に移行させて、埋込式医療装置10(第2区画14など)をより簡単に除去できるようにする。
【0027】
区画12/14は、互いに取り外し可能に固定される。例えば、第2区画14に隣接する第1区画12の端部において、第1区画12(ワイヤ16)は、編組体20内の複数の開口を通って延びるループからなる。これにより、第1区画12は、第2区画14に固定される。ワイヤ16が、第1区画12が、解けるように引っ張られた場合は、ワイヤ16のループは、第1区画12が第2区画14から外れるように編組体20を通して引っ張られる。ループ状の連結が示されているが、その他の連結も考えられる。例えば、第1区画12、またはその一部は、所定の時間が経過した後に、溶解、または生体吸収されるように設計された生体分解性の材料からなってもよい。これが起これば、第1区画12は、効果的に第2区画14から取り外される。その他の実施例では、第1区画12は、第2区画14に対して接着性に結合されてもよい。
【0028】
区画12と区画14の一方または両方は、第1、即ち「非拡張」構成と第2、即ち「拡張」構成の間を移行するように構成されうる。少なくともいくつかの実施例においては、区画12と区画14の一方または両方は、搬送シース内や、搬送中等に、非拡張構成に制限され、搬送シースから展開された際、および/または拡張を促進するために設定された温度条件にさらされた際など、制限が解かれた際に、拡張構成に自律的に拡張するように、形状記憶材料(ニチノールなどのニッケル‐チタン合金など)で形成される。その他の実施例では、区画12と区画14のうちの一方または両方は、バルーンなどの好適な拡張部材または装置によって、積極的に拡張されるように設計されてもよい。区画12と区画14の正確な材料の組成は、所望に従って変更することができ、また本明細書で開示されている材料を含んでもよい。
【0029】
図2は、第1区画12を示している。この実施形態では、第1区画12は、ワイヤ16をループ状にすること、または「かぎ編み」することにより、所望の構成に形成される。かぎ編されたワイヤ16の構成は、ワイヤ16が円筒形状の構成にある時にはその統合性を維持しているが、取り外しタブ18(および/またはワイヤ16自体の端部)が近位方向に単純に引かれると比較的簡単に解けるような方法で相互に連結されて緩くつながった連続するループの形式をとる。言い換えれば、かぎ編されたワイヤ16のループ状の構成により、ワイヤ16は、引っ張られて(取り外しタブ18を把持して引くことによってなど)解かれる。加えて、かぎ編されたワイヤ16からなるループ状のフレームワークは、第1区画12の表面に沿って位置する組織が開口部内に係合して成長することができるような一連の開口部も形成する。これにより、第1区画12は、埋込式医療装置10の標的体腔内での移動を抑制する方法で周辺組織に固定される。
【0030】
いくつかの実施例では、第1区画12は、埋込式医療装置10の標的体腔内での移動を抑制することをさらに支援する、追加の構造的な要素を備えてもよい。例えば、ワイヤ16は、体腔の表面に摩擦により係合可能な粗面を備えてもよい。いくつかの実施例では、ワイヤ16は、体腔内での埋込式装置10の移動を抑制する為に、組織に係合可能な一連の突起または「歯」を形成してもよい。
【0031】
図2は、取り外しタブ18をさらに示している。少なくともいくつかの実施例では、取り外しタブ18は、ワイヤ16の端部において、拡大された、把持可能な形状をとってもよい。取り外しタブ18の正確な形状は、多様である。例えば、取り外しタブ18は、タブ、ループ、拡大部分、平坦部分、ポリマーや接着剤の液滴などであってもよい。
【0032】
図3は、体腔26に沿って埋め込まれた埋込式医療装置10を示している。本明細書で説明されているように、埋込式医療装置10が、体腔26に沿って埋め込まれ、組織が第1区画12に沿って内部成長することにより、体腔26内での埋込式医療装置10の移動は抑制される。いくつかの実施例では、埋込式医療装置10は、体腔26から除去されうる。
【0033】
図4は、埋込式医療装置10を除去する工程の一部を示している。例えば、第1除去部材28は、取り外しタブ18を把持することに使用される。第1除去部材28は、第1区画12が解かれ、図5に示されているように、第2区画14から取り外されるまで近位方向に後退される。これを行う為に、第1区画12は解かれ、第2区画14から分離されて、体腔26から取り除かれる。例えば、第1区画12のワイヤ16は、第2区画14から取り外され、線状の解かれた構成になるように引っ張られる。組織が第1区画12に沿って内部成長する実施例では、ワイヤ16を解くことは、ワイヤ16が内部成長した組織から引っ張られる方法で起こる(閉鎖された傷から縫合糸を引くことに似た方法など)。
【0034】
第2除去部材30は、図6で示されているように、体腔26から第2区画14を除去することに用いられる。例えば、第2除去部材30は、除去部材24に係合する把持部分またはフック32を含む。第2除去部材30は、概略的に示されているが、除去部材24に係合する為に種々の好適な形状を備えうる。第2区画14を除去することは、単に体腔26から第2区画14を引くことから成る。代替的には、管を除去、または回収する装置が用いられてもよい。例えば、第2区画14は、管を除去する装置の中に引き込まれて、体腔内から除去されてもよい。
【0035】
埋込式装置10(および/または本明細書で開示されるその他の装置)の種々の要素に用いられる材料および、本明細書で開示される種々の管状部材は、医療装置に関連する材料を含む。埋込式医療装置10、および/またはその要素は、金属、金属合金、ポリマー(以下に開示される例のいくつか)、金属ポリマー混合物、セラミック、およびこれらの組み合わせや、その他の好適な材料から作られる。好適なポリマーの例は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリオキシメチレン(POM、例えばデュポン社から入手可能なDELPIN(登録商標)など)、ポリエーテルブロックエステル、ポリウレタン(ポリウレタン85Aなど)、ポリプロピレン(PP),ポリ塩化ビニル(PVC),ポリエーテルエステル(DSM Enginerring Plastics社から入手可能なARNITEL(登録商標)など)、エーテルまたはエステルをベースとする共重合体(ブチレン/ポリ(アルキレンエーテル)フタル酸エステル(butylen/poly(alkylene ether)phthalate)、および/または、デュポン社から入手可能なHYTREL(登録商標)などのその他のポリエステルエラストマーなど)、ポリアミド(Bayer社から入手可能なDURETHAN(登録商標)、またはElf Atochem社から入手可能なCRISTAMID(登録商標)など)、エラストーマ系ポリアミド(elastomeric polyamides)、ブロックポリアミド/エーテル(block polyamide/ethers)、ポリエーテルブロックアミド(PEBA,PEBAX(登録商標)などの商標名で入手可能),エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、シリコン、ポリエチレン(PE)、Marlex高密度ポリエチレン、Marlex低密度ポリエチレン、線形低密度ポリエチレン(REXELL(登録商標)など)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(KEVLAR(登録商標)など)、ポリスルホン、ナイロン、ナイロン‐12(EMS American Grilonから入手可能なGRILAMID(登録商標)など)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PFA)、エチレンビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリスチレン、エポキシ、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)、ポリ(スチレン‐b‐イソブチレン‐b‐スチレン)(SIBS、および/またはSIBS 50Aなど)、ポリカーボネート、イオノマー、生体適合性ポリマー、その他の好適な材料、または、混合物、組み合わせ、これらの共重合体、高分子/金属混合物、などを含んでもよい。いくつかの実施例では、シースは、液晶高分子(LCP)と混合されてもよい。例えば、混合物は、最大約6%のLCPを含んでもよい。
【0036】
好適な金属、および合金の例には、304V,304L,316LVステンレススチールなどのステンレススチールや、軟鋼、線形弾性、および/または超弾性ニチノールなどのニッケル‐チタン合金、ニッケル‐クロム‐モリブデン合金(INCONEL625(登録商標)等のUNS:N06625,HASTELLOY(登録商標)C−22(登録商標)等のUNS:N06022,HASTELLOY(登録商標)C276(登録商標)等のUNS:N10276,その他のHASTELLOY(登録商標)合金など)、ニッケル‐銅合金(MONEL(登録商標),NICKELVAC(登録商標)400,NICORROS(登録商標)400等のUNS:N04400など)、ニッケル‐コバルト‐クロム‐モリブデン合金(MP35−N(登録商標)等のUNS:R30035)、ニッケル‐モリブデン合金(HASTELLOY(登録商標)ALLOY B2(登録商標)等のUNS:N10665など)、その他のニッケル‐クロム合金、その他のニッケル‐モリブデン合金、その他のニッケル‐コバルト合金、その他のニッケル‐鉄合金、その他のニッケル銅合金、その他のニッケル‐タングステンまたはタングステン合金や、コバルト‐クロム合金、コバルト‐クロム‐モリブデン合金(ELGILOY(登録商標),PHYNOX(登録商標)などのUNS:R30003など)、および、プラチナ富化ステンレススチール(platinum enriched stainless steel)、チタン、これらの組み合わせ、などその他の好適な材料が含まれる。
【0037】
本明細書で示唆されるように、「線形弾性」または「非超弾性」と言われるカテゴリーは、市場で入手可能なニッケル‐チタン又はニッケル合金のグループに属する。これらは、化学的には、従来の形状記憶性材料や超弾性材料に類似するかもしれないが、異種で且つ有用な機械的性質を示しうる。線形弾性、および/または非超弾性のニチノールは、超弾性のニチノールのように、応力/ひずみ曲線に「超弾性プラトー」、または「フラグ領域(flag region)」を示さないという点で、超弾性の超弾性ニチノールとは異なる。そのかわり、線形弾性、および/または非超弾性ニチノールには、回復可能なひずみが増加するに従って、応力は、ほぼ線形に、またはいくらか線形に増加し続けるが、必ずしも樹脂が変形し始めるまで線形関係であることはなく、即ち超弾性ニチノールで見られる超弾性プラトー、および/またはフラグ領域がより線形関係であることはない。したがって、本発明の目的に関しては、線形弾性、および/または非超弾性ニチノールは、「ほぼ」線形弾性、および/または「ほぼ」非超弾性ニチノールと呼ばれてもよい。
【0038】
いくつかの例では、超弾性ニチノールが可塑性に変形する前に最大8%のひずみを受容する一方で、線形弾性、および/または非超弾性ニチノールは、弾性を残しつつ(可塑性に変形する前)、最大約2〜5%のひずみを受容する点で超弾性ニチノールとは異なる。これらの材料は、ともに、可塑的に変形する前に約0.2%〜0.44%のひずみのみしか受容しないステンレススチールなどのその他の線形弾性材料から判別することができる(構成要素に基づいて判別することもできる)。
【0039】
いくつかの実施形態では、線形弾性、および/または非超弾性ニッケルチタン合金は、広範囲の温度域で実施される示差走査熱量測定法(DSC)やダイナミック金属熱分析(DMTA)によって検出可能な、マルテンサイト/オーステナイト相変化を示さない合金である。例えば、いくつかの例では、線形弾性、および/または非超弾性ニッケル‐チタン合金では、約60度から約120度の範囲において、DSC、およびDMTA分析によって検出可能なマルテンサイト/オーステナイト相変化はない。これらの材料の機械的湾曲性は、ゆえに、一般的に、この非常に広い温度域に亘る温度効果に対して不活性である。いくつかの実施形態では、環境温度、または室温で、線形弾性、および/または非超弾性ニッケルチタン合金の機械的湾曲性は、超弾性プラトー、またはフラッグ領域を示さない、体温における機械的な性質と、ほぼ同じである。言い換えれば、線形弾性、および/非超弾性ニッケルチタン合金は、広い温度域に亘って、その線形弾性、および/または非超弾性の特質、および/または性質を維持する。
【0040】
いくつかの実施形態では、線形弾性、および/非超弾性ニッケルチタン合金は、約50〜60%重量パーセントの範囲でニッケルであり、残りがチタンである。いくつかの実施形態では、混合物は、約54〜57重量%の範囲でニッケルである。好適なニッケル‐チタン合金の一例は、FHP−NT合金であり、日本の神奈川県にある古河テクノマテリアル株式会社から入手可能である。ニッケル‐チタン合金のいくつかの例は、米国特許第5,238,004号明細書と米国特許第6,508,803号明細書に開示されており、引用することにより、本明細書内に援用される。その他の好適な材料には、ULTANIUM(登録商標)(Neo−Metrics社から入手可能)、およびGUM METAL(登録商標)(トヨタ社から購入可能)が含まれる。その他の実施形態では、超弾性ニチノール等の、超弾性合金が、所望の性質を達成する為に使用されることもできる。
【0041】
少なくともいくつかの実施形態では、装置10の一部または全ては、放射線不透過性材料を施され、または放射線不透過性材料で作られ、または放射線不透過性材料を含む。放射線不透過性材料は、医療施術中に、蛍光スクリーン、または別の画像化技術上に比較的明るい画像を生成することができる材料であると解される。この比較的明るい画像により、装置10の使用者は、装置10の位置を判断することができる。放射線不透過性物質の例には、金、白金、パラジウム、タンタル、タングステン合金、放射線不透過充填材を施された樹脂材料などが含まれるが、これらに限定されるものではない。加えて、その他の放射線不透過標識バンド、および/またはコイルが、同じ目的を達成する為に、装置10の設計に取り入れられることもある。
【0042】
いくつかの実施形態では、ある程度の磁気共鳴映像法(MRI)適合性が、装置10に付与される。例えば、装置10、又は装置10の一部は、画像をほぼ歪めることがなく、人工物(画像内の不連続部分など)を生じない材料から作られる。ある強磁性体は、MRI画像に人工物を生成する為、適さないことがある。装置10、または装置の一部は、MRI装置が画像化できる材料から作られてもよい。の性質を示す材料には、例えば、タングステン、コバルト‐クロム‐モリブデン合金(ELGILOY(登録商標)、PHYNOX(登録商標)などのUNS:R30003など),ニッケル‐コバルト‐クロム‐モリブデン合金(MP35−N(登録商標)などのUNS:R30035など)など、およびその他の材料が含まれる。
【0043】
本発明は、多くの観点において、例示にすぎないことを理解されたい。本発明の範囲を逸脱することなく詳細に関して、具体的には、形状、寸法、および工程の配列に関して変更が可能である。これは、適当な程度において、一の実施形態のいかなる要素も、その他の実施形態で使用されてもよいと解することを含む。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【国際調査報告】

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