特表2018-524034IP Force 特許公報全文掲載

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-524034(P2018-524034A)
(43)【公表日】2018年8月30日
(54)【発明の名称】ユーザー電気器具の冷却素子の最高冷却温度を調節するための方法及びユーザー電気器具
(51)【国際特許分類】
   B26B 19/38 20060101AFI20180803BHJP
   H01L 35/28 20060101ALI20180803BHJP
【FI】
   B26B19/38 Z
   H01L35/28 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-558538(P2017-558538)
(86)(22)【出願日】2016年5月5日
(85)【翻訳文提出日】2018年1月9日
(86)【国際出願番号】IB2016052581
(87)【国際公開番号】WO2016181267
(87)【国際公開日】20161117
(31)【優先権主張番号】15166942.1
(32)【優先日】2015年5月8日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】508117514
【氏名又は名称】ブラウン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン クリスチャン ラングスドルフ
【テーマコード(参考)】
3C056
【Fターム(参考)】
3C056JE00
(57)【要約】
冷却素子(11)を有するユーザー電気器具(1)の機能をオンに切り替えるための方法及びユーザー電気器具ついて説明するものであり、冷却素子(11)は電気器具(1)の通常の使用の間にユーザーの皮膚と接触し、冷却素子(11)は、低温側(12)と高温側(14)とを有する熱電素子(13)に連結され、熱電素子(13)の低温側(13)は冷却素子(11)との熱伝導接触をなし、熱電素子(13)の高温側(14)はユーザー電気器具(1)の熱源素子(15)との熱伝導接触をなす。本方法は、
(a)熱電素子によって誘起された電圧を測定するステップと、
(b)測定された温度が既定のしきい値を超えているか否かを決定するステップと、
(c)測定された電圧が既定のしきい値を超えている場合に機能を起動するステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却素子(11)を有するユーザー電気器具(1)の機能をオンに切り替えるための方法であって、前記冷却素子(11)は前記電気器具(1)の通常の使用の間にユーザーの皮膚と接触し、前記冷却素子(11)は低温側(12)と高温側(14)とを有する熱電素子(13)に連結され、前記熱電素子(13)の前記低温側(13)は前記冷却素子(11)と熱伝導接触し、前記熱電素子(13)の前記高温側(14)は前記ユーザー電気器具(1)の熱源素子(15)と熱伝導接触し、前記方法は、
(a)前記熱電素子によって誘起された電圧を測定するステップと、
(b)前記測定された電圧が既定のしきい値を超えているか否かを決定するステップと、
(c)前記測定された電圧が前記既定のしきい値を超えている場合に前記機能を起動するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記起動される機能は前記冷却素子の作動であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記起動される機能は前記ユーザー電気器具(1)をオンに切り替えることであることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記熱電素子(13)によって誘起された電圧を測定するステップは、アナログ電圧信号をデジタル電圧値に変換することを含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
前記既定のしきい値は、測定された周囲温度とは独立して設定されたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記機能の前記起動は、前記測定された電圧の変化率に依存することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
前記熱電素子(13)によって誘起された前記電圧は、規則的な時間間隔で測定され、及び前記変化率は、1つの時間間隔の最初から最後までにおける前記測定された電圧の変化によって決定され、前記変化率は、いくつかの連続する時間間隔にわたって決定され、したがって変化率曲線を決定する、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
変化率曲線は、ヒトの皮膚が前記冷却素子(11)と接触したときに誘起される所定の変化率曲線と比較されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ユーザー電気器具(1)のアクチュエータ(6)を駆動するための電気モータ(2)と、電源と、前記電気器具の通常の使用の間にユーザーの皮膚と接触する冷却素子(11)であって、低温側(12)と高温側(14)とを有する熱電素子(13)と接続され、前記熱電素子(13)の前記低温側(12)は前記冷却素子(11)と熱伝導接触し、前記熱電素子(13)の前記高温側(14)は前記ユーザー電気器具(1)の熱源素子(15)と熱伝導接触する、前記冷却素子(11)と、前記モータ(2)及び前記熱電素子(13)の作動を制御するように適合されたマイクロプロセッサ(5)と、を有するユーザー電気器具であって、
前記熱電素子(13)は、前記熱電素子(13)によって誘起された電圧を測定するために、前記マイクロコントローラ(5)の測定ポートに接続され、前記マイクロコントローラ(15)は請求項1ないし8のいずれか1つに記載の方法を実施するように適合された、ことを特徴とするユーザー電気器具。
【請求項10】
前記ユーザー電気器具(1)が、温度センサ(17)を備え、前記マイクロコントローラ(5)の測定ポートに接続されたことを特徴とする請求項9に記載のユーザー電気器具。
【請求項11】
前記電源は2次電池によって構成され、前記ユーザー電気器具(1)は前記2次電池を前記電力系統に接続するための充電デバイス(4)を備えた、ことを特徴とする請求項9又は10に記載のユーザー電気器具。
【請求項12】
前記ユーザー電気器具(1)は、除毛デバイスであることを特徴とする請求項11に記載のユーザー電気器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却素子を有するユーザー電気器具の機能をオンに切り替えるための方法及び対応するユーザー電気器具に関し、ここで、冷却素子は電気器具の通常の使用中にユーザーと接触し、冷却素子は、低温側と高温側とを有する熱電素子に接続される。熱電素子の低温側は、冷却素子と熱伝導接触し、熱電素子の高温側は、ユーザー電気器具の熱源素子と熱伝導接触する。好ましくは、ユーザー電気器具は、かみそり又は脱毛器などの除毛デバイスとすることができる。
【背景技術】
【0002】
剃毛の間にヒトの皮膚を冷却するための冷却素子をかみそりに備え付けることが知られている。これは、ユーザーにとって心地よいものであり、皮膚刺激を低減するものである。ドイツ国特許第1 143 128 Bには、皮膚に向かって気流を導く通気機に基づいた冷却素子について記述されている。ドイツ国特許第10 2008 032 150 A1号には、使用中にユーザーの皮膚と接触するスミアヘッド内の冷却素子を冷却するための熱電素子を有するそれぞれの電気かみそりが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】ドイツ国特許第1 143 128 B
【特許文献2】ドイツ国特許第10 2008 032 150 A1号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、ユーザーにとっての快適性を向上させるため及び/又は使用中の特定の関数の作動を確実にするために、ユーザー電気器具の機能をオンに切り替えるための方法及び対応するユーザー電気器具を提供する。
【0005】
この目的は、独立請求項の特徴によって達成される。請求項1によれば、
(a)熱電素子によって誘起された電圧を測定するステップと、
(b)測定された温度が既定のしきい値を超えているか否かを決定するステップと、
(c)測定された電圧が既定のしきい値を超える場合に機能を起動するステップと、が提供される。
【0006】
請求項9による対応するユーザー電気器具は、で定義されたステップを実施するように適合されたマイクロプロセッサを有する。
【0007】
冷却素子を冷却するステップは、ユーザー電気器具の通常使用の間に用いられた極性と同じ極性で、直流電圧が熱電素子に印加された状態で、熱電素子の作動によって本発明に従って実施される。このことは、熱電素子に対する極性の反転が必要でないために有利となる。熱電素子は好ましくは、既知のペルチエ素子である。しかしながら、熱電素子はまた、熱電素子の一方の側ともう一方の側との間に温度差を発生させる任意の他の素子を用いて、例えば半導体素子を使用して実現できる。
【0008】
そのような熱電素子の逆効果として、熱電素子が使用されていないときに熱電素子の低温側と高温側との間に温度差が誘起される場合、熱電素子の低温側と高温側との間に電圧が生成される。この効果はゼーベック効果として知られている。通常、低温側及び高温側は、少なくとも、高温側からの熱放散及び低温側の暖化のための使用から一定の時間の後、器具が使用中でない場合にユーザー電気器具の周囲温度を取ることになる。ユーザーが冷却素子を自身の皮膚と接触させることによって器具を使用し始める場合、低温側(ユーザーの皮膚温度よりも低い通常状況下での周囲温度を有する)は、高温側が周囲温度を保つのと対照的に、温度上昇し始める。この温度差は、検知できる熱電素子にかかる電圧を誘起する。
【0009】
誘起された電圧が既定のしきい値を超えた場合、ユーザー電気器具の特定の機能が起動される。既定の(電圧)しきい値を設けることには、例えば背景雑音に起因する変動が小さくなる、又はユーザー電気器具の低温側と高温側との間の温度差が小さくなるという利点がある。そのような不規則な事象を、特定の機能の起動につながるべきユーザー起動の事象と区別するために、既定のしきい値が使用される。本発明の簡潔で及び実装しやすい実施形態では、しきい値は、デバイスの製造において、デバイス、特にマイクロコントローラの制御によって固定できる。
【0010】
したがって、器具のユーザー誘起の事象を確実に識別すること、及びそのユーザー誘起の事象に応答して器具の特定の機能を起動することが可能である。
【0011】
好ましい実施形態によれば、起動される機能は冷却素子の作動である。したがって、エネルギーを消費する冷却素子の冷却は、冷却素子がユーザーの皮膚と接触しているときに(好ましくはそのときにのみ)起動される。この場合にのみ、デバイスの冷却機能が必要となる。この機能の起動は、ユーザーがデバイスをオフに切り替えたときに停止してよい。
【0012】
それに加えて又はそれに代わって、起動される機能は、ユーザー電気器具をオンに切り替えることであってよい。これは、器具の一般的な又は標準的な使用に必要なすべての機能を起動することを含んでよい。かみそり又は脱毛器の場合、これは、毛髪を切断若しくは引き抜くための除毛デバイスのモータの起動、及び処置エリアにおいて皮膚を冷却するための冷却素子の起動であってよい。ここでも、この機能の起動は、ユーザーがデバイスをオフに切り替えたときに停止してよい。
【0013】
測定された電圧を制御プロセスにおいて、例えば既定のしきい値との比較に使用するために、熱電素子によって誘起された電圧を測定することは好ましくは、アナログ電圧信号をデジタル電圧値に変換することを含んでよい。次いで、ユーザー電気器具の制御は、簡潔なマイクロプロセッサにおいて実施できる。制御プロセスのロジックをアナログ電気回路によって構築する必要はない。
【0014】
どのようにして、測定された電圧が処理され、所定の(アナログ又はデジタル)電圧値とできる既定のしきい値と比較されるかとは無関係に、既定のしきい値は、好ましい実施形態によれば、測定された周囲温度とは独立して動的に設定できる。周囲温度を測定することに関して、別個の温度センサをユーザー電気器具のケーシングに設けてよい。この別個の温度センサは、熱源素子と熱伝導接触してよく、更に、冷却素子の最高冷却温度を調節するための方法において基準温度として使用してよい。既定の(電圧)しきい値を動的に設定することは、固定された所定値とは対照的に、他の実際に決定された基準とは独立してしきい値が設定されることを意味する。そのような動的なしきい値は、特定のユーザー起動の事象、例えば冷却素子を冷却素子と接触させることの識別を高めることになる。低温の環境では、ユーザーの皮膚もまたより低温となり、熱電素子の低温側と高温側との間の温度差がより小さくなることにつながるかもしれない。その場合、しきい値をそれに従って適合させることが有益である。
【0015】
特定のユーザー起動の事象の認識を向上させるもう1つの可能性は、本発明によれば、測定された電圧の変化率に依存して機能を起動することでよい。この特徴を用いると、測定される電圧の時間依存性がユーザー事象を識別するために用いられる。これはまた、例えば周囲温度を測定する先の態様と組み合わせてよい。
【0016】
好ましい例として、以下のユーザー事象を考慮してよい。ユーザーが、かみそり又は脱毛器の冷却素子を皮膚と接触させる。家庭環境におけるかみそり又は脱毛器、より一般的にはユーザー器具の周囲温度は、約20℃の変動範囲内でよい。同じ環境において、典型的な皮膚温度は約32℃〜35℃内でよい。既定の伝熱係数につながる、皮膚と冷却素子との間の典型的で既知の接触を考慮すると、冷却素子と皮膚との接触を通じた低温側の暖化の時間挙動が予測できる。特定の温度が熱電素子によって誘起された特定の電圧と相関されるので、この事象の時間挙動が知られる。この時間挙動は、測定された電圧の変化率の決定によって評価できる。この決定された変化率は次いで、機能を起動するための1つの基準でよい。
【0017】
測定された電圧の変化率を決定するために、好ましい実施形態によれば、熱電素子によって誘起された電圧は規則的な時間間隔で測定され、及び、変化率は1つの時間間隔の最初から最後までにおける測定された電圧の変化によって決定され、この場合の変化率は、いくつかの連続する時間間隔にわたって決定され、これにより変化率曲線を決定する、ことが提案される。
【0018】
この変化率曲線は、実際の測定された電圧の変化率の時間挙動を、ヒトの皮膚が冷却素子と接触したときに誘起される所定の理論的又は経験的変化率曲線と比較することを可能にする。これにより、ヒトの皮膚が冷却素子と接触している状況をより良好で及びより信頼できる識別とすることが可能となる。所定の(理論的又は経験的)変化率曲線は、実際に測定された周囲温度に従って、種々の周囲温度に対する一連の所定の曲線から選定されてよい。
【0019】
本発明はまた、ユーザー電気器具、特に、例えばスミアヘッド又は引張ローラなどの除毛用具であるユーザー電気器具のアクチュエータを駆動するための電気モータを有する、かみそり又は脱毛器などの除毛デバイスに関する。更に、その電気器具は電源と冷却素子とを備え、冷却素子は、電気器具の通常の使用の間にユーザーの皮膚と接触することになる。冷却素子自体は、低温側と高温側とを有する熱電素子を備え、熱電素子の低温側は冷却素子と熱伝導接触し、熱電素子の高温側はユーザー電気器具の熱源素子と熱伝導接触する。更に、モータ及び熱電素子の作動を制御するように適合されたマイクロプロセッサが設けられる。本発明によれば、熱電素子は、熱電素子によって誘起された電圧を測定するためにマイクロコントローラの測定ポートに接続され、マイクロコントローラは、前述の方法又はその一部を実施するように適合される。マイクロコントローラは、ユーザー電気器具に含められ、提案する方法のステップのすべて又は任意の選択部分を実施するように適合された任意の好適なプロセッサとすることができる。このプロセッサの適合は、プロセッサ上で実行されると、提案する方法又はその一部が実行されるように、実行可能形式でプロセッサ上にプログラムコード手段を実装することによって達成できる。
【0020】
マイクロプロセッサの測定ポートは、アナログ電圧入力信号をデジタル入力電圧信号に直接変換するADC入力ポートでよい。したがって、電圧信号は、マイクロプロセッサに実装されたソフトウェアによって処理できるデジタル値へと直接変換される。このデジタル値はしたがって、決定されたしきい値と直接比較できる。更に、2つの測定値の間の時間を決定するため、デジタル値は、マイクロプロセッサの内部クロックを使用して、測定された電圧値の変化率を算出するために直接用いることができる。変化率と変化率の時間を含んだリストに変化率を加えることにより、変化率の一時的な挙動が、測定された値から決定できる。ユーザー器具の機能の起動は、基準としての変化率にも同様に依存できる。この目的で、決定された第1の電圧からの一定時間後の変化率又は変化率の既定の一時的挙動が基準として用いることができる。
【0021】
マイクロコントローラの測定ポートは、制御された電圧及び電流を熱電素子に印加することによって熱電素子を作動させるために、マイクロコントローラの作動ポートと平行に配列されてよい。ユーザー電気器具の通常の使用の間、熱電素子の作動は、冷却素子の冷却につながる。
【0022】
有利にも、マイクロコントローラの測定ポート及び作動ポートは別々に起動又は切り替えできる。これはマイクロコントローラの一般的な技法である。当業者は、入手可能な既知の様々なマイクロコントローラから適切なタイプのマイクロコントローラを選定してよい。好ましくは、熱電素子によって誘起された電圧を測定するために熱電素子に取り付けられる器具の測定ポートは、マイクロプロセッサの割込みポートでよい。割込みポートは、印加電圧を感知するマイクロプロセッサのスタンバイモードにおいてもアクティブであるマイクロプロセッサのポートである。ポートにおいて電圧が感知されると直ちに、マイクロプロセッサは動作モードに設定される。これは、ユーザー電気器具の休止時間の間に、特に器具が電池駆動型である場合、エネルギーを節約するのに有用である。
【0023】
デバイスの周囲温度を更に測定するために、ユーザー電気器具は温度センサを備えてよい。この温度センサは、熱源素子との熱伝導接触をなし、マイクロコントローラの(異なる)測定ポートに接続されてよい。また、測定される周囲温度は、選択された機能をオンに切り替える(器具をオンに切り替えることを含む)ように決定するための付加的な基準として用いられてよい。
【0024】
測定ポートは、制御された電圧及び電流を熱電素子に印加することによって熱電素子を作動させるために、マイクロコントローラの作動ポートと平行であってもよい。有利にも、マイクロコントローラの測定ポート及び作動ポートは(例えば、測定ポートが割込みに適したポートである場合)別々に起動又は切り替えできる。これはマイクロコントローラの一般的な技法である。当業者であれば、入手可能な既知の様々なマイクロコントローラから適切なタイプのマイクロコントローラを選定してよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるユーザー電気器具の断面図を概略的に示す。
【図2】本発明の好ましい実施形態によるユーザー電気器具の、ユーザー電気器具の機能をオンにするための方法のフロープロセス図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、ユーザー電気器具に関する好ましい例として電気かみそりを用いた、本発明によるユーザー電気器具1を示す。本発明の好ましいかみそり又は脱毛器など、除毛用具に関するものである。しかしながら、本発明はまた、ユーザーの皮膚と直接接触するようにその一部が設けられる任意のユーザー電気器具に関する。以下において、「かみそり」及び「ユーザー電気器具」という用語は等価なものとして使用されている。
【0027】
ユーザー電気器具1としてかみそりは、かみそり1のケーシング3内にモータ2を有している。モータ2は、マイクロプロセッサ5の制御下で充電器4によって充電できる2次電池(図示せず)によって給電される。これは、マイクロプロセッサ5によって実行されると必要な制御ステップを実施するプログラムコードがマイクロプロセッサ5に実装されていたことを意味する。この特定の事例では、2次電池を充電するための制御ステップである。これは、当業者には周知であり、すべての電池駆動型のユーザー電気器具に関して同様である。
【0028】
モータ2は、主として器具の機能と相関される、ユーザー電気器具1の特定の動作を実施するための少なくとも1つのアクチュエータ6を駆動している。かみそり1の事例では、アクチュエータ6は、あごひげの毛髪を切断するためのスミアヘッド8内のスミア要素7を(又は図1に示すように2つのスミア要素7を)それぞれのブレード9に対して動作させている。この技法は周知であり、アクチュエータ6及びスミアヘッド8を実現するための種々の構造的可能性が存在する。加えて、図1の例に従うかみそり1は、長毛カッターとして使用してよく更なる切断要素10を備える。これらの切断要素10は通常、同様にモータ駆動型であり、既知の技術である。したがって、これらの要素については、本発明の文脈において詳細には説明されていない。本発明は、ユーザー電気器具1としてのかみそりのスミアヘッド8及び/又は切断要素10のすべての可能な実現化
【0029】
本発明によれば、ユーザー電気器具1、すなわち図1に示す例におけるかみそりは、電気器具1の通常の使用中にユーザーの皮膚と接触するように電気器具1内に配設された冷却素子11を備える。かみそりの場合、したがって、あごひげの毛髪を切断する間にユーザーの皮膚と接触するスミアヘッド8内に冷却素子11を配設することが有利である。ユーザー電気器具のタイプに応じて、当業者は有利な位置に冷却素子を配設する。本発明は、冷却素子11が通常の使用中にユーザーの皮膚と直接接触する限りは、冷却素子11の特定の位置に限定されない。
【0030】
冷却素子11は、作動されると熱電素子13の低温側12を冷却する、熱電素子13の低温側12と熱伝導接触する。通常、熱電素子13の作動のために、対応する電圧及び電流が熱電素子13に印加される。熱電素子13は、当該技術分野において周知のペルチエ素子であってよい。電流がペルチエ素子(又はより一般的には熱電素子13)を通じて流れているとき、低温側12が冷却されると同時に、高温側14が加熱される。
【0031】
特定の電圧及び電流が熱電素子13に印加された状態で、熱電素子13は、低温側12と高温が14との間に所定の温度差を発生させる。冷却素子11が熱電素子13の低温側12と熱伝導接触するとき、冷却素子11は、低温側12の温度を取り、ユーザーの皮膚が冷却素子11と接触するときに皮膚を冷却することが可能である。
【0032】
熱電素子13から離れて熱電素子13の高温側14における暖化を実行するために、また高温側14を超高温へと過強に加熱する(それによって低温側12における最高冷却温度を低下させる)ことを避けるために、熱電素子13の高温側と熱伝導接触する熱源素子15が設けられる。したがって、熱源素子15は暖化を緩和し、高温側15から離れて暖化を実行する。この目的で、熱源素子15は、好ましくは、熱電素子13の高温側14よりもはるかに大きな質量となる。したがって、暖かさは、徐々に暖化する大きなコーパスに分布する。このことは、かみそり又は同様の除毛用具などのユーザー電気器具1の通常の使用時間が極めて短いときに有用である。したがって、熱源素子15はあまり加熱されない。
【0033】
更に、熱源素子15の一部16が、ユーザー電気器具1の外部ケーシングの一部を構成することが有利となる。次いで、熱源素子15から吸収された熱は、環境へ容易に散逸できる。
【0034】
冷却素子11と熱源素子15はともに、金属又は熱伝導性プラスチックなどの熱伝導性材料から構成される。
【0035】
他方で、熱電素子13が冷却素子11を冷却するために作動されていないとき、通常、熱電素子13の低温側12と高温側14との間に温度差は存在しない。熱電素子13の作動なしに、冷却素子11が、例えばユーザーの皮膚と接触した状態で暖化される場合、熱電素子13の低温側12が暖化する。これは、熱電素子13の高温側14よりも高温となる。この条件下で、電圧が熱電素子によって誘起される。これはゼーベック効果として知られている。
【0036】
マクロプロセッサ5は、ユーザー電気器具1の機能を制御するために使用される。マイクロプロセッサ5は、ユーザーが家庭用器具をオンにしたときにモータ2をオンに切り替え、直流電圧及び電流を熱電素子に印加する。このことが、それぞれマイクロプロセッサ5とモータ2又は熱電素子13との間の単線接続によって、図1に概略的に示される。しかし、当業者には理解されるように、単一の線が2本の導線を含んでよい。
【0037】
本発明はここで、モータ2及び/又は冷却素子11をオンにするなど、ユーザー電気器具の機能をオンにする代替的又は付加的な方法を提案している。この目的で、マイクロプロセッサ5は、同様に熱電素子13に接続された測定ポートを備えている。このことがまた、マイクロプロセッサ5と熱電素子13との間の単線接続によって概略的に示されている。しかしながら、熱電素子13からマイクロプロセッサ5の測定ポートへの別の導線が設けられてもよい。
【0038】
この測定ポートは、熱電素子13によって誘起されたアナログ電圧信号を、制御ルーチン内で、例えばしきい値と比較するために直接マイクロプロセッサによって使用できるデジタル値へと変換するために、ADC(アナログデジタル変換器)を直接含んでもよい。更に、測定ポートは、測定ポートに電圧を印加するとマイクロプロセッサをスタンバイモードから動作モードへとアウェイクする、マイクロプロセッサ5の割込みポートであってもよい。この電圧は次いで、ユーザー電気器具の特定の機能を起動する決定のために弁別できる。そのような弁別器は、測定された電圧を既定のしきい値と比較し、測定された電圧が既定の電圧を超えている場合に信号を与える。この信号は次いで、機能を起動するためにマイクロプロセッサによって使用される。このことが、図1にスイッチ18で示される。
【0039】
以下では、提案する方法の好ましい実施形態について、図2を参照して説明する。
【0040】
本方法は、ステップ100において熱電素子13によって誘起される電圧の測定で始まる。熱電素子13の低温側12と高温側14との間に温度差が存在する場合にのみ電圧が誘起される。好ましくは、電圧は、低温側12が高温側14よりも高温である場合に熱電素子13の誘起される電圧が正となるように、熱電素子13に接続されたマイクロプロセッサ5の測定ポートにおいて測定される。これは、熱電素子13の一方の特定の側をマイクロプロセッサ5の対応する測定ポートに接続することによって達成される。
【0041】
マイクロプロセッサ5のこの測定ポートは、説明する実施形態では、マイクロプロセッサ5の割込みポートである。割込みポートは、マイクロプロセッサ5がスタンバイモードから動作モードへと自動的に切り替わるような好適なソフトウェアの実装によって構成される。好適なマイクロプロセッサは当該技術分野において知られている。電圧が誘起されない限り、マイクロプロセッサは依然としてスタンバイモードにあり、測定ポートに割込むためにゼロを超える電圧値が加えられるのを待機する。
【0042】
ステップ101に示すように、そのようなゼロを超える電圧が割込みポートにおいて感知された場合、マイクロプロセッサは、ステップ102においてウェイクアップし、以下の方法ステップを実施する。まず、アナログデジタル変換器である測定ポートが、ステップ103においてアナログ電圧信号をデジタル電圧値に変換する。
【0043】
本発明の好ましい実施形態による後続のステップ104において、測定された電圧が、ユーザー電気器具の機能を起動するための条件を満たしているか否かがチェックされる。これは、で説明したように、実際のデジタル化電圧値を所定のしきい値と比較することを含む。しきい値は、しきい値を超えることが、ヒトの皮膚がそれまで作動されていない冷却素子11と接触していることを示すように選定されてよい。
【0044】
この場合、ユーザー電気器具1の所望の機能が起動される(ステップ105)。この機能は、冷却素子11を冷却するための熱電素子13の作動及び/又は剃毛を開始するためのモータ2の作動にできる。それ以外の場合、プロセスは、ステップ100における電圧の測定に戻る。
【0045】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【図1】
【図2】
【国際調査報告】

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