特表2018-537465IP Force 特許公報全文掲載

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-537465(P2018-537465A)
(43)【公表日】2018年12月20日
(54)【発明の名称】メタクリル酸メチルの精製のための方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 67/54 20060101AFI20181122BHJP
   C07C 69/54 20060101ALI20181122BHJP
【FI】
   C07C67/54
   C07C69/54 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-528028(P2018-528028)
(86)(22)【出願日】2016年12月7日
(85)【翻訳文提出日】2018年5月30日
(86)【国際出願番号】US2016065324
(87)【国際公開番号】WO2017105955
(87)【国際公開日】20170622
(31)【優先権主張番号】62/269,458
(32)【優先日】2015年12月18日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】特許業務法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・ジー・ウォーリー
(72)【発明者】
【氏名】ステイシー・ダブリュ・ホイ
【テーマコード(参考)】
4H006
【Fターム(参考)】
4H006AA02
4H006AD11
4H006AD12
4H006BC51
4H006BC52
4H006BD40
4H006BD53
(57)【要約】
メタノール、メタクリル酸メチル及びそのアルカリ金属塩、メタクロレイン、水、ならびに重副生物を、少なくとも15個のトレイを有する蒸留カラムへ供給することによって、メタクリル酸メチルを精製するための方法。当該反応産物の混合物及びC6−C7炭化水素は、蒸留カラムの中央より上で蒸留カラムへ入る。C6−C7炭化水素、メタクロレイン、メタノール、水、及びメタクリル酸メチルを含むオーバヘッド流、ならびに水、メタクリル酸メチル及びそのアルカリ金属塩、ならびに重副生物を含む塔底流は、カラムから取り出される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタクリル酸メチルを精製するための方法であって、(a)メタノール、メタクリル酸メチル及びそのアルカリ金属塩、メタクロレイン、水、ならびに重副生物を、少なくとも15個のトレイを有する蒸留カラムへ供給することであって、前記反応産物の混合物及びC6−C7炭化水素が、前記蒸留カラムの中央より上で前記蒸留カラムへ入る、供給することと、(b)C6−C7炭化水素、メタクロレイン、メタノール、水、及びメタクリル酸メチルを含むオーバヘッド流を取り出すことと、(c)水、メタクリル酸メチル及びそのアルカリ金属塩、ならびに重副生物を含む塔底流を取り出すことと、を含む、方法。
【請求項2】
前記反応産物の混合物が、少なくとも0.8重量%のメタクリル酸メチルの前記ナトリウム塩を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記反応産物の混合物が、1〜10重量%の水を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記反応産物の混合物が、上から30%の前記トレイにおいて前記蒸留カラムへ入る、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
C6−C7炭化水素が、65〜100℃の雰囲気圧沸点を有する飽和炭化水素である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記オーバヘッド流の一部が、上から30%の前記トレイにおいて前記蒸留カラムへ戻り、前記カラムへ入る前記オーバヘッド流中のC6−C7炭化水素の量が、前記反応産物の混合物中のメタノールの量の2〜10倍である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記反応産物の混合物が、上から20%の前記トレイにおいて前記蒸留カラムへ入る、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記蒸留カラムが、20〜40個のトレイを有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記反応産物の混合物が、上から4個の前記トレイにおいて前記蒸留カラムへ入る、請求項8に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化的エステル化反応炉(OER)の溶出液からのメタクリル酸メチル(MMA)反応産物の精製のための方法
【背景技術】
【0002】
メタクロレイン及びメタノールからMMAを調製するための酸化的エステル化の使用は、周知である。例えば、US4,518,462は、ヘキサンを共沸剤として用いるメタノール回収カラムを有する方法を開示している。しかしながら、この方法は、MMA塩を含有する反応産物には適していない。メタクリル酸メチルの調製物から結果的に生じる反応産物の成分を分離するためのより効率的な方法が必要とされる。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、メタクリル酸メチルを精製するための方法を対象とするものであり、当該方法は、(a)メタノール、メタクリル酸メチル及びそのアルカリ金属塩、メタクロレイン、水、ならびに重副生物を、少なくとも15個のトレイを有する蒸留カラムへ供給することであって、当該反応産物の混合物及びC6−C7炭化水素が、蒸留カラムの中央より上で蒸留カラムへ入る、供給することと、(b)C6−C7炭化水素、メタクロレイン、メタノール、水、及びメタクリル酸メチルを含むオーバヘッド流を取り出すことと、(c)水、メタクリル酸メチル及びそのアルカリ金属塩、ならびに重副生物を含む塔底流を取り出すことと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】この図面は、本発明の方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
別段の記載がない限り、組成物の百分率はすべて重量百分率(重量%)であり、温度はすべて℃である。重副生物とは、メタクリル酸メチルよりも高い沸点を有し、かつ未知の産物に加えてメタクリル酸メチルのオリゴマーを含む、OERの副生物である。メタクリル酸メチルのオリゴマーは、メタクリル酸メチルの二量体と、より少量の、例えば、三量体を含む、より高次のオリゴマーとを含む。好ましくは、アルカリ金属塩は、ナトリウム塩またはカリウム塩であり、好ましくはナトリウムである。
【0006】
C6−C7炭化水素は、共沸剤として機能する。C6−C7炭化水素は、メタノール/MMA共沸物を破壊し、メタノールの取り出し及び回収を可能にすると考えられている。好ましくは、C6−C7炭化水素は、脂肪族である。好ましくは、C6−C7炭化水素は、飽和炭化水素、好ましくは、非環式アルカンである。好ましい一実施形態において、C6−C7炭化水素が使用される。好ましくは、C6−C7炭化水素またはその混合物は、65〜100℃、好ましくは、少なくとも67℃、好ましくは、90℃以下、好ましくは、80℃以下、好ましくは、75℃以下の雰囲気圧(101kPa)沸点を有する。好ましくは、C6−C7炭化水素は、n−ヘキサンである。
【0007】
好ましくは、蒸留カラムは、少なくとも20個のトレイ、好ましくは少なくとも25個のトレイ、好ましくは40個以下のトレイ、好ましくは35個以下のトレイを有する。好ましくは、反応産物の混合物が蒸留カラムへ入る地点は、上から40%、好ましくは上から30%、好ましくは上から20%、好ましくは上から10%、好ましくは上から7%のトレイにおいてである。好ましくは、反応産物の混合物が蒸留カラムへ入る地点は、上から10個のトレイにおいてであり、好ましくは上から8個のトレイにおいて、好ましくは上から6個のトレイにおいて、好ましくは上から4個のトレイにおいて、好ましくは上から3個のトレイにおいて、好ましくは上から2個のトレイにおいて、好ましくは最上段のトレイにおいてである。好ましくは、反応産物の混合物は、少なくとも0.8重量%、好ましくは少なくとも1重量%、好ましくは少なくとも1.5重量%、好ましくは少なくとも1.8重量%、好ましくは3重量%以下、好ましくは2.5重量%以下、好ましくは2重量%以下のメタクリル酸メチルのアルカリ金属塩を含む。好ましくは、反応産物の混合物は、40〜80重量%、好ましくは45〜70重量%、好ましくは50〜68重量%のメタノールを含む。好ましくは、反応産物の混合物は、5〜40重量%、好ましくは10〜35重量%、好ましくは15〜32重量%のメタクリル酸メチルを含む。好ましくは、反応産物の混合物は、1〜10重量%、好ましくは3〜9重量%、好ましくは4〜8重量%の水を含む。好ましくは、カラムへ還流として入るC6−C7炭化水素(複数可)の量は、当該産物の混合物中のメタノールの量の2〜10倍、好ましくは3〜5倍である。好ましくは、さらなるC6−C7炭化水素が添加される必要があるとき、当該C6−C7炭化水素は、上から10個のトレイにおいて、好ましくは上から8個のトレイにおいて、好ましくは上から6個のトレイにおいて、好ましくは上から4個のトレイにおいて、好ましくは上から3個のトレイにおいて、好ましくは上から2個のトレイにおいて、好ましくは最上段のトレイにおいて蒸留カラムへ入る。
【0008】
好ましい実施形態において、本明細書において説明される方法に先立って、OERからの直接的な産物が、軽量成分、すなわち、メタノールよりも高い蒸気圧を有する成分を取り出すために、別個の蒸留カラムを通過する。軽量成分は、ギ酸メチルを主として含む。直接的な産物中のギ酸メチルの典型的なレベルは、1〜6重量%であり、本発明の方法における蒸留カラムへ供給される反応産物の混合物は、1重量%以下のギ酸メチルを含有する。
【0009】
オーバヘッド流は、凝縮器を通過した後、水分離装置へ入り、そこから有機相が蒸留カラムの同じセクションへ戻り、そこへ当該産物の混合物が入り、水相が取り出される。好ましくは、水は水分離装置へ添加される。好ましくは、水分離装置へ添加される水の量は、オーバヘッド流の量の0.2〜1倍、好ましくは0.25〜0.6倍である。好ましくは、塔底流は、これを冷却するために熱交換器を通過した後に水分離装置へ入る。有機相は主としてMMAであり、好ましくは、高純度のMMAを得るためにさらに処理される。水相は、メタクリル酸メチルアルカリ金属塩及び水を含有する。
【0010】
水は、標準的な方法によって当該流からデカントされ得る。好ましい一実施形態において、垂直バッフルまたは一連のバッフルを含有する容器を用い、これは有機相及び水相が個々の相へ分離するのに十分な大きさを有する。より軽量の相の有機物は、垂直バッフルを通じて進み、より重量の水相は、バッフルの真下を流れる。分離した液体は、各相のオーバーフロー及びアンダーフローを蓄積した容器のセクションから抜去される。
【0011】
蒸留カラムの温度及び圧力は、蒸留される材料の組成に依存する。本発明の好ましい実施形態において、カラムは、約100〜約760mmHg(13〜101kPa)、または200〜400mmHg(26〜53kPa)のような低圧で操作される。好ましくは、カラム圧は、120℃未満、好ましくは100℃未満の底部温を維持するために調整される。
【0012】
好ましくは、重合阻害剤は、MMAの重合を最小限にするためにカラムへ添加される。好ましくは、阻害剤は、カラムの中央部の上に、好ましくは還流中に添加される。阻害剤の量は、典型的には少なく、種類及び典型的な使用量は、当該分野において周知である。
【0013】
蒸留カラムの種類は、当業者に周知の基準により選択されることができる。
【0014】
図面は、産物の混合物1がカラムへと導入された蒸留カラムAを図示する。底部では、カラムからの6は分かれており、流れ8は熱交換器Eを通過し、有機流9及び水性流10はカラムから取り出され、再循環物7は、再沸騰器Dを通してカラムへと戻る。オーバヘッド流2は、カラムの上部を出て、凝縮器Bを通過し、結果的に生じる流れ3は、分流器Cへ入り、水相5はカラムから取り出され、有機相4はカラムへと戻る。
【実施例】
【0015】
実施例1
本実験は、図1に示される方法の配置を用いて実施される。蒸留カラムは、内径28mmの30個のトレイからなるOldershawカラムであり、n−ヘキサンは、共沸剤溶媒として採用される。流れを加熱する熱対流式再沸騰器は、カラムにおける沸騰を提供するために使用される。カラムの上部の圧力は、700mmHgの絶対値である。オーバヘッドの温度は48℃であり、底部の温度は83℃である。
【0016】
平衡が軽量であり(メタノールよりも高い蒸気圧)、かつ有機物が重量である(MMAよりも低い蒸気圧)、29.9%のMMA、58.1%のメタノール、2.1%のメタクロレイン、7.1%の水、及び1.2%のメタクリル酸ナトリウムを含有する混合物を、蒸留カラムの最上段のトレイへ197g/時の速度でライン1を通じて供給する。
【0017】
驚くべきことに、塩の沈殿は、トレイ上でも再沸騰器中でも、8時間の試行時間後に観察されない。メタクリル酸ナトリウムは、底部の有機粗MMA流において検出されず、そのため、さらなる下流の処理は、塩沈殿による困難さを有しないであろう。
【0018】
【表1】
【0019】
実施例2
60%のトレイ効率を想定した、30個のトレイからなる蒸留カラム(トレイ1は最上段トレイである)における供給位置のASPENシミュレーションは、カラムに再循環されたMMA%について以下の結果をもたらした。
【0020】
[表]
【0021】
カラムの効率は、反応産物の混合物の供給位置がカラムにおいて上がるにつれて増大する。
【図1】
【国際調査報告】

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