(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-538293(P2018-538293A)
(43)【公表日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】キシレン誘導体の生成
(51)【国際特許分類】
C07D 493/08 20060101AFI20181130BHJP
C07C 253/30 20060101ALI20181130BHJP
C07C 255/56 20060101ALI20181130BHJP
C07C 209/26 20060101ALI20181130BHJP
C07C 211/27 20060101ALI20181130BHJP
C07D 407/04 20060101ALI20181130BHJP
C07D 317/30 20060101ALI20181130BHJP
C07D 409/04 20060101ALI20181130BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20181130BHJP
【FI】
C07D493/08 A
C07C253/30CSP
C07C255/56
C07C209/26
C07C211/27
C07D407/04
C07D317/30
C07D409/04
C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2018-529998(P2018-529998)
(86)(22)【出願日】2016年12月8日
(85)【翻訳文提出日】2018年7月20日
(86)【国際出願番号】CN2016108997
(87)【国際公開番号】WO2017097220
(87)【国際公開日】20170615
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2015/096821
(32)【優先日】2015年12月9日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】508079739
【氏名又は名称】ローディア オペレーションズ
(71)【出願人】
【識別番号】505041416
【氏名又は名称】セントレ ナショナル ドゥ ラ レシェルシェ サイエンティフィーク
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】モルヴァン, ディディエ
(72)【発明者】
【氏名】バック, オリヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィスチェルト, ラファエル
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー, エリク
【テーマコード(参考)】
4C063
4C071
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063BB01
4C063CC81
4C063CC82
4C063CC97
4C063DD75
4C063EE05
4C071AA03
4C071BB01
4C071CC11
4C071DD40
4C071EE05
4C071FF15
4C071GG03
4C071HH28
4C071JJ06
4C071KK01
4C071LL07
4H006AA02
4H006AB84
4H006AC13
4H006AC45
4H006AC52
4H006BA20
4H006BA67
4H006BB14
4H006BB15
4H006BC10
4H006BC11
4H006BC19
4H006BE01
4H006BE20
4H006QN30
4H039CA62
4H039CA71
4H039CB20
4H039CD30
4H039CE20
(57)【要約】
本発明は、フルフラール及びその誘導体からのキシレン誘導体の生成に関する。本発明は、フルフラール及びその誘導体を、新規中間体を含むキシレン誘導体に変換するための新たな経路を記載する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
(式中、
X及びYは、独立して、任意選択的に置換されるヘテロ原子であり、
Rは、1つ以上のR
1で任意選択的に置換され得るC
1〜4アルキレン基であり、
R
1は、任意選択的に1つ以上の官能基を有する直鎖型、分岐型、及び/又は環式の飽和又は不飽和の炭化水素基であり、
R
2は、独立して、H、アルキル、アルケニル、又はアリールであり、並びに
R
3及びR
4は、独立して、H又は−CNであり、但し、R
3及びR
4の少なくとも1つは、−CNであり、並びに
R
5は、R
2、−CH
2OR
2、−CO
2R
2、又は
である)の化合物の調製のための方法であって、式(II)
(式中、X、Y、R、R
2及びR
5は、前述の通り定義される)の化合物を、式(III)又は(III’)
(式中、R
3及びR
4は、前述の通り定義される)の化合物と反応させることを含む、方法。
【請求項2】
X及びYは、Oであり、又はX及びYは、Sである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Rは、−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−、−CH(CH3)−CH(CH3)−、又は−CH2−C(CH3)2−CH2−である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
R2は、Hである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
式(IV)
(式中、
Xは、任意選択的に置換されるヘテロ原子であり、
R
2は、独立して、H、アルキル、アルケニル、又はアリールであり、
R
3及びR
4は、独立して、H又は−CNであり、但し、R
3及びR
4の少なくとも1つは、−CNであり、
R
5は、R
2、−CH
2OR
2、−CO
2R
2、又は
であり、
式中、Yは、任意選択的に置換されるヘテロ原子であり、
Rは、1つ以上のR
1で任意選択的に置換され得るC
1〜4アルキレン基であり、並びに
R
1は、1つ以上の官能基を任意選択的に有する直鎖型、分枝型、及び/又は環式の飽和又は不飽和の炭化水素基である)の化合物の調製のための方法であって、
a)式(I)
(式中、X、Y、R、R
2、R
3、R
4、及びR
5は、前述の通り定義される)の化合物を脱水/芳香族化して、式(V)
(式中、X、Y、R、R
2、R
3、R
4、及びR
5は、前述の通り定義される)の化合物を得、次いで式(V)の前記化合物を脱保護すること、又は
b)単一の工程で式(I)の前記化合物の前記脱水/芳香族化及び脱保護を行うこと
を含む、方法。
【請求項6】
X及びYは、Oであり、又はX及びYは、Sである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
Rは、−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−、−CH(CH3)−CH(CH3)−、又は−CH2−C(CH3)2−CH2−である、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
R2は、Hである、請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
式(I)の前記化合物は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法によって得られる、請求項5〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
式(VI)
(式中、R
6は、独立して、H、又は−CH
2−NH
2であり、但し、R
6の少なくとも1つは、−CH
2−NH
2である)のキシレン誘導体の調製のための方法であって、式(VII)
(式中、R
7は、独立して、H又は−CNであり、但し、R
7の少なくとも1つは、−CNである)の化合物の同時又はその後のニトリル水素化及び還元的アミノ化を含み、式(VII)の前記化合物は、請求項5〜9のいずれか一項に記載の方法によって得られる、方法。
【請求項11】
式(I)
又は式(V)
(式中、
X及びYは、独立して、任意選択的に置換されるヘテロ原子であり、
Rは、1つ以上のR
1で任意選択的に置換され得るC
1〜4アルキレン基であり、
R
1は、1つ以上の官能基を任意選択的に有する直鎖型、分枝型、及び/又は環式の飽和又は不飽和の炭化水素基であり、
R
2は、独立して、H、アルキル、アルケニル、又はアリールであり、
R
3及びR
4は、独立して、H又は−CNであり、但し、R
3及びR
4の少なくとも1つは、−CNであり、並びに
R
5は、R
2、−CH
2OR
2、−CO
2R
2、又は
である)の化合物。
【請求項12】
X及びYは、Oであり、又はX及びYは、Sである、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
Rは、−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−、−CH(CH3)−CH(CH3)−、又は−CH2−C(CH3)2−CH2−である、請求項11又は12に記載の化合物。
【請求項14】
R2は、Hである、請求項11〜13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
キシレン誘導体の製造における、式(II)
(式中、
X及びYは、独立して、任意選択的に置換されるヘテロ原子であり、
Rは、1つ以上のR
1で任意選択的に置換され得るC
1〜4アルキレン基であり、
R
1は、1つ以上の官能基を任意選択的に有する直鎖型、分枝型、及び/又は環式の飽和又は不飽和のC
1〜23炭化水素基であり、
R
2は、独立して、H、アルキル、アルケニル、又はアリールであり、
R
3及びR
4は、独立して、H又は−CNであり、但し、R
3及びR
4の少なくとも1つは、−CNであり、並びに
R
5は、R
2、−CH
2OR
2、−CO
2R
2、又は
であり、
好ましくは、式中、X及びYは、Oであり、又はX及びYは、Sであり、Rは、−CH
2−CH
2−、−CH
2−CH
2−CH
2−、−CH(CH
3)−CH(CH
3)−、又は−CH
2−C(CH
2)−CH
2−であり、及びR
2は、Hである)の化合物の使用。
【請求項16】
キシレン誘導体の製造における、請求項11〜14のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項17】
前記キシレン誘導体は、メタ−キシレンジアミン、オルト−キシレンジアミン、又は1,2,3−トリ(アミノメチル)ベンゼンである、請求項15又は16に記載の使用。
【請求項18】
前記キシレン誘導体は、3−シアノ安息香酸、2−シアノ安息香酸、又は2,3−ジシアノ安息香酸である、請求項15又は16に記載の使用。
【請求項19】
前記キシレン誘導体は、イソフタル酸、オルトフタル酸、又はヘミメリット酸である、請求項15又は16に記載の使用。
【請求項20】
前記キシレン誘導体は、3−アミノメチル安息香酸、2−アミノメチル安息香酸、又は2,3−ジ(アミノメチル)安息香酸である、請求項15又は16に記載の使用。
【請求項21】
それぞれイソフタル酸、オルトフタル酸、又はヘミメリット酸の製造における3−シアノ安息香酸、2−シアノ安息香酸、又は2,3−ジシアノ安息香酸の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キシレン誘導体、特にフルフラール及びその誘導体からのオルト−キシレンジアミン、メタ−キシレンジアミン、及び1,2,3−トリ(アミノメチル)ベンゼンの生成に関する。本発明は、フルフラール及びその誘導体を、新規中間体を含むキシレン誘導体に変換するための新たな経路を記載する。
【0002】
近年、再生可能資源から様々な化学物質を得る傾向が高まっている。これに関連して、セルロース、デンプン、ヘミセルロース、糖等などのバイオマス炭水化物から化学物質を生成する傾向がある。脱水条件下において、これらの炭水化物は、フルフラール、ヒドロキシメチルフルフラール、及びそれらの誘導体を含むいくつかの興味深い化学物質に変換され得る。付加価値のある化学化合物の生成にこれらの化学物質を使用することに対する関心が存在する。このような付加価値のある化学化合物の例としては、オルトフタル酸(フタル酸と通常称される)、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸、ピロメリット酸、及び2つ以上のカルボン酸部位置換基を含む他のベンゼン誘導体が挙げられる。
【0003】
フラン、フルフラール、及びそれらの誘導体を化学的により価値のある6員環芳香族化合物に転化するための1つの方法は、フラン環系とエチレン又はエチレン誘導体との間のディールス−アルダー反応である。
【0004】
フラン誘導体とのディールス−アルダー反応は既知である。3,6−エポキシシクロヘキサンへのフラン及びエチレンのディールス−アルダー反応が米国特許第2,405,267号明細書に記載されている。
【0005】
国際公開第2010/151346号パンフレットは、2,5−ジメチルフランのパラ−キシレンへの変換を記載している。
【0006】
フルフリルエーテルをエチレン誘導体と反応させることによる置換ベンゼン誘導体の調製のための方法が国際公開第2013/048248号パンフレットに記載されている。
【0007】
国際公開第2014/065657号パンフレットは、フラン誘導体をエチレンと反応させることによるベンゼン誘導体の調製のための方法を広く特許請求している。フラン誘導体は、アルキル、アラルキル、−CHO、−CH
2OR
3、−CH(OR
4)(OR
5)、及び−COOR
6を含む様々な置換基を2位及び5位に有することができる。しかしながら、この文献は、2,5−ジメチルフラン、2−メチルフラン、2,5−フランジカルボン酸、及び2,5−フランジカルボン酸のジメチルエステルでの例のみを提供している。特に、フルフラールをベンゼン誘導体に変換する例はない。
【0008】
Green Chem.,2012,14,3314−3325においてYu−Ting Chengらは、ディールス−アルダークラスのフラン及びオレフィンとの反応を用いることにより、標的の芳香族の生成に関する概要を提供している。著者らは、フラン、メチルフラン、及びジメチルフランがオレフィンと円滑に反応する一方、フルフラール変換の第1工程は、フラン及びCOを形成する脱カルボニル化であることを見出した。次いで、生成したフランは、既知のフラン変換反応に入る。
【0009】
フルフラールをオレフィンと反応させる際のこれらの課題は、国際公開第2014/197195号パンフレットにおいて確認されている。この文献の著者らは、様々な溶媒、触媒、反応温度、圧力及び時間、並びに5−ヒドロキシ−2−フルフラール濃度の試験範囲のスクリーニング実験を行ったが、4−ヒドロキシメチルベンズアルデヒドが形成された系を同定することはできなかった(実施例4.3)。著者らは、対応する5−ヒドロキシメチル−2−フロ酸又は他の酸化誘導体を生成する5−ヒドロキシメチル−2−フルフラールの空気酸化により、この問題を解決することを提案しており、オレフィンとのディールス−アルダー反応において良好に作用することが示されている。
【0010】
フルフラールのフランへの脱カルボニル化並びにフルフラールのフロ酸への酸化はともに、フラン環のアルデヒド置換基が失われるという欠点を有する。その結果として、アルデヒド置換基は、得られたディールス−アルダー付加物にもはや存在せず、これは、フラン誘導体、特にフルフラールからベンズアルデヒド誘導体を得ることをより困難にする。しかしながら、ベンズアルデヒド誘導体は、メタ−キシレンジアミン、オルト−キシレンジアミン、及び1,2,3−トリ(アミノメチル)ベンゼンなど、他の重要な化学化合物の調製における貴重な中間体として望ましい。
【0011】
前述の課題を解決するために、本発明者らは、フルフラールをエチレン誘導体と反応させようとする取り組みにおいて様々な実験を行った。従来技術から予想されるように、フルフラールとアクリロニトリルとの間の反応は、触媒、反応物のモル比、温度及び反応時間に関する種々の条件下でさえも観察されなかった。本発明者らは、次いでフルフラールのアルデヒド置換基をそのジエチル−ケタールに変換した。ケタールは、アルコールを除去することによって所望のアルデヒドを容易に得ることができる既知のアルデヒドの誘導体である。しかしながら、フルフラールのジエチル−ケタールをアクリロニトリルと反応させると、わずかに痕跡量のディールス−アルダー付加物であるオキサノルボルネンが観察された。更に検討すると、本発明者らは、フルフラールの環式ケタールが驚くべきことにアクリロニトリルと反応し、これにより所望のディールス−アルダー付加物を形成することを見出した。更なる反応段階では、環式ケタールを所望のアルデヒド置換基に変換して戻し、これは、必要に応じて他の置換基と更に反応させることができる。フルフラールのジアルキル−ケタール誘導体がエチレン誘導体とディールス−アルダー付加物を形成しないことを考慮すると、この知見は特に驚くべきことである。
【0012】
研究中、本発明者らは、フルフラールの環式ケタールが驚くべきことに特定のエチレン誘導体のみと反応することを更に見出した。例えば、フルフラールの環式ケタールがアリルアミン及びアクリルアミドと反応しないことが見出された。ディールス−アルダー縮合反応では、アクリロニトリル及びフマロニトリルのみが円滑に反応した。
【0013】
従って、本発明は、式(I)
(式中、
X及びYは、独立して、任意選択的に置換されるヘテロ原子であり、
Rは、1つ以上のR
1で任意選択的に置換され得るC
1〜4アルキレン基であり、
R
1は、任意選択的に1つ以上の官能基を有する直鎖型、分岐型、及び/又は環式の飽和又は不飽和の炭化水素基であり、
R
2は、独立して、H、アルキル、アルケニル、又はアリールであり、
R
3及びR
4は、独立してH又は−CNであり、但し、R
3及びR
4の少なくとも1つは、−CNであり、
R
5は、R
2、−CH
2OR
2、−CO
2R
2、又は
である)の化合物の調製のための方法に関し、これは、式(II)
(式中、X、Y、R、R
2及びR
5は、前述の通り定義される)の化合物を、式(III)又は(III’)
(式中、R
3及びR
4は、前述の通り定義される)の化合物と反応させることを含む。
【0014】
出発材料として使用されている式(II)のフラン誘導体は、バイオマス資源から得ることができる。例えば、フラン誘導体は、炭水化物の脱水から誘導することができる。炭水化物は、多糖、オリゴ糖、二糖、及び単糖から適切に選択される。適切なバイオマス源及びフルフラール誘導体へのそれらの変換のための適切な方法は、当業者に知られている。或いは、フルフラール誘導体は、通常の化学反応によって得られる市販の化学製品であり得る。
【0015】
式(II)のフルフラール誘導体において、フルフラールのアルデヒド残基は、環式ケタールとして存在する。しかしながら、本発明は、フルフラール及びその環式ケタール誘導体に限定されず、更にO以外のヘテロ原子を含むフラン誘導体を含む。従って、式(II)の化合物におけるX及びYは、互いに独立して、O、S、及びNなどの任意選択的に置換されたヘテロ原子からなる。これに関連して、「任意選択的に置換された」とは、必要に応じてヘテロ原子が置換基を有することができることを定義する。ヘテロ原子が任意の更なる置換基を有することができない場合、置換基は存在しない。例えば、ヘテロ原子がO又はSである場合、ヘテロ原子に置換基は存在しない。しかしながら、ヘテロ原子がNである場合、X及びYは、−NH−又は−N(置換基)−であり得る。この置換基は、R
1と同じ意味を有する。従って、X及びYは、好ましくは−O−、−S−、−NH−、及び−N(R
1)−、より好ましくは−O−及び−S−から独立して選択される。最も好ましくは、X及びYはともにOであるか、又はともにSである。
【0016】
式(II)のフルフラール誘導体において、Rは、C
1〜4アルキレン基、好ましくはC
2〜4アルキレン基、より好ましくはC
2〜3アルキレン基であり、最も好ましくはC
2アルキレン基である。このアルキレン基は、1つ以上のR
1置換基で任意選択的に置換され得る。R
1は、任意選択的に1つ以上の官能基を有する直鎖型、分岐型、及び/又は環式の飽和又は不飽和の炭化水素基である。このような炭化水素基は、必要な数の水素原子に加えて、炭素原子、好ましくは1〜24の炭素原子を含む全ての化学部位を含む。直鎖型、分岐型、及び/又は環式の飽和又は不飽和の炭化水素基の例は、アルキル、アルケニル、アルキニル、芳香族基等である。炭化水素基は、任意選択的に1つ以上の官能基を有することができ、これは、炭化水素基が、O、N、及びSなどの1つ以上のヘテロ原子、又は−CO−若しくは−COO−などの官能基を含み得ることを意味する。更に、炭化水素基は、ニトロ、ニトロソ、スルホ、スルホネート、シアノ、シアナト、チオシアナト、アミノ、ヒドロキシル、カルボキシル等などの官能基で置換され得る。
【0017】
ここで、R
1の代表的な例をより詳細に説明し、これによって更に、別段に定義されない限り、本明細書を通して、特にまた他の全ての置換基に適用可能な特定の用語の定義を提供する。
【0018】
本明細書において使用される場合、「アルキル」という用語は、典型的には、必ずしも1〜約24の炭素原子、好ましくは1〜約12の炭素原子、又は1〜約6つの炭素原子、1〜約3つの炭素原子を含むとは限らないが、直鎖型、分岐型、又は環式飽和の炭化水素基を意味する。特定のアルキルが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、オクチル、デシル等、及びシクロペンチル、シクロヘキシル等などのシクロアルキル基であることを提供する。一般的には、再度必ずしもそうではないが、本明細書において、アルキル基は、1〜約12の炭素原子を含む。「低級アルキル」という用語は、1〜6つの炭素原子のアルキル基を意図し、「シクロアルキル」という特定の用語は、典型的には4〜8つ、好ましくは5〜7つの炭素原子を有する環式アルキル基を意図する。「置換アルキル」という用語は、1つ以上の置換基で置換されたアルキル基を意味し、「ヘテロ原子含有アルキル」及び「ヘテロアルキル」を含み、これらの用語は、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置き換えられたアルキル基を意味する。別段の指示がない限り、「アルキル」及び「低級アルキル」という用語は、それぞれ直鎖型、分枝型、環式、非置換、置換、及び/又はヘテロ原子含有アルキル及び低級アルキル基を含む。
【0019】
本明細書において使用される場合、「アルキレン」という用語は、二官能性の直鎖型、分枝型、又は環式アルキル基を意味し、ここで、「アルキル」は、前述で定義した通りである。
【0020】
本明細書において使用される場合、「アルケニル」という用語は、エテニル、n−プロペニル、イソプロペニル、n−ブテニル、イソブテニル、オクテニル、デセニル、テトラデセニル、ヘキサデセニル、エイコセニル、テトラコセニル等など、少なくとも1つの二重結合を含む2〜約24の炭素原子の直鎖型、分枝型、又は環式の炭化水素基を意味する。本明細書において好ましいアルケニル基は、2〜約12の炭素原子を含む。「低級アルケニル」という用語は、2〜6つの炭素原子のアルケニル基を意図し、「シクロアルケニル」という特定の用語は、好ましくは5〜8つの炭素原子を有する環式アルケニル基を意図する。「置換アルケニル」という用語は、1つ以上の置換基で置換されたアルケニル基を意味し、「ヘテロ原子含有アルケニル」及び「ヘテロアルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置き換えられたアルケニル基を意味する。別段の指示がない限り、「アルケニル」及び「低級アルケニル」という用語は、それぞれ直鎖型、分枝型、環式、非置換、置換、及び/又はヘテロ原子含有アルケニル基及び低級アルケニル基を含む。
【0021】
本明細書において使用される場合、「アルケニレン」という用語は、二官能性の直鎖型、分枝型、又は環式アルケニル基を意味し、ここで、「アルケニル」は、前述で定義した通りである。
【0022】
本明細書において使用される場合、「アルキニル」という用語は、エチニル、n−プロピニル等など、少なくとも1つの三重結合を含む2〜約24の炭素原子の直鎖型又は分枝型の炭化水素基を意味する。本明細書において好ましいアルキニル基は、2〜約12の炭素原子を含む。「低級アルキニル」という用語は、2〜6つの炭素原子のアルキニル基を意図する。「置換アルキニル」という用語は、1つ以上の置換基で置換されたアルキニル基を意味し、「ヘテロ原子含有アルキニル」及び「ヘテロアルキニル」という用語は、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置き換えられたアルキニルを意味する。別段の指示がない限り、「アルキニル」及び「低級アルキニル」という用語は、それぞれ直鎖型、分枝型、環式、非置換、置換、及び/又はヘテロ原子含有アルキニル及び低級アルキニル基を含む。
【0023】
本明細書において使用される場合、「アルコキシ」という用語は、単一の末端エーテル結合を介して結合されたアルキル基を意図し、即ち、「アルコキシ」基は、アルキルが前述で定義した通りである−O−アルキルとして表すことができる。「低級アルコキシ」基は、1〜6つの炭素原子を含むアルコキシ基を意図する。同様に、「アルケニルオキシ」及び「低級アルケニルオキシ」は、それぞれ単一の末端エーテル結合を介して結合されたアルケニル及び低級アルケニル基を意味し、「アルキニルオキシ」及び「低級アルキニルオキシ」は、それぞれ単一の末端エーテル結合を介して結合されたアルキニル及び低級アルキニル基を意味する。
【0024】
「芳香族」という用語は、芳香族性についてのヒュッケル則4n+2を満たす環部位を意味し、アリール、アラルキル、アルカリール、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、又はalk−ヘテロアリール部位を含むアリール(即ち、炭素環)及びヘテロアリール(ヘテロ芳香族とも称される)構造の両方を含む。
【0025】
本明細書において使用される場合、「アリール」という用語は、別段の特定がない限り、ともに縮合されるか、直接的に結合されるか、又は間接的に結合される単一の芳香族環又は複数の芳香族環を含む芳香族置換基又は構造を意味する(異なる芳香族環がメチレン又はエチレン部位などの共通の基によって結合されるように)。別段の変更がない限り、「アリール」という用語は、炭素環構造を意味する。好ましいアリール基は、5〜24の炭素原子を含み、特に好ましいアリール基は、5〜14の炭素原子を含む。典型的なアリール基は、1つの芳香族環又は2つの縮合若しくは結合した芳香族環、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ジフェニルエーテル、ジフェニルアミン、ベンゾフェノン等を含む。「置換アリール」は、1つ以上の置換基で置換されたアリール部位を意味し、「ヘテロ原子含有アリール」及び「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置換されたアリール置換基を意味し、以下に更に詳細に記載される。
【0026】
本明細書において使用される場合、「アリールオキシ」という用語は、単一の末端エーテル結合を介して結合したアリール基を意味し、この場合、「アリール」は前述で定義した通りである。「アリールオキシ」基は、−O−アリールとして表すことができ、この場合、アリールは前述で定義した通りである。好ましいアリールオキシ基は、5〜24の炭素原子を含み、特に好ましいアリールオキシ基は、5〜14の炭素原子を含む。アリールオキシ基の例としては、限定されないが、フェノキシ、o−ハロ−フェノキシ、m−ハロ−フェノキシ、p−ハロ−フェノキシ、o−メトキシ−フェノキシ、m−メトキシ−フェノキシ、p−メトキシ−フェノキシ、2,4−ジメトキシフェノキシ、3,4,5−トリメトキシ−フェノキシ等が挙げられる。
【0027】
「アルカリール」という用語は、アルキル置換基を有するアリール基を意味し、「アラルキル」という用語は、アリール置換基を有するアルキル基を意味し、この場合、「アリール」及び「アルキル」は、前述で定義した通りである。好ましいアルカリール及びアラルキル基は、6〜24の炭素原子を含み、特に好ましいアルカリール及びアラルキル基は、6〜16の炭素原子を含む。アルカリール基としては、例えば、p−メチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、p−シクロヘキシルフェニル、2,7−ジメチルナフチル、7−シクロオクチルナフチル、3−エチル−シクロペンタ−1,4−ジエン等が挙げられる。アラルキル基の例としては、限定されないが、ベンジル、2−フェニル−エチル、3−フェニル−プロピル、4−フェニル−ブチル、5−フェニル−ペンチル、4−フェニルシクロヘキシル、4−ベンジルシクロヘキシル、4−フェニルシクロヘキシルメチル、4−ベンジルシクロヘキシルメチル等が挙げられる。「アルカリールオキシ」及び「アラルキルオキシ」という用語は、式−ORの置換基を意味し、式中、Rは、それぞれ直前で定義されたアルカリール又はアラルキルである。
【0028】
「アシル」という用語は、式−(CO)−アルキル、−(CO)−アリール、又は−(CO)−アラルキルを有する置換基を意味し、「アシルオキシ」という用語は、式−O(CO)−アルキル、−O(CO)−アリール、又は−O(CO)−アラルキルを有する置換基を意味し、この場合、「アルキル」、「アリール」、及び「アラルキル」は前述で定義した通りである。
【0029】
「環式」及び「環」という用語は、置換されていてもいなくてもよく、且つ/又はヘテロ原子含有であってもなくてもよく、及び単環式、二環式、又は多環式であってもよい脂環式基又は芳香族基を意味する。「脂環式」という用語は、芳香族環式部位とは対照的に、脂肪族環式部位を意味する従来の意味で用いられ、単環式、二環式、又は多環式であり得る。「非環式」という用語は、環構造内に二重結合が含まれない構造を意味する。
【0030】
「ハロ」及び「ハロゲン」という用語は、クロロ、ブロモ、フルオロ、又はヨード置換基を意味する従来の意味で用いられる。
【0031】
「ヘテロ原子含有基」などにおける「ヘテロ原子含有」という用語は、1つ以上の炭素原子が炭素以外の原子、例えば、窒素、酸素、硫黄、リン又はケイ素、典型的には窒素、酸素、又は硫黄で置換される炭化水素分子又は分子フラグメントを意味する。同様に、「ヘテロアルキル」という用語は、ヘテロ原子含有であるアルキル置換基を指し、「複素環式」という用語は、ヘテロ原子含有である環式置換基を意味し、「ヘテロアリール」及び「ヘテロ芳香族」という用語は、それぞれヘテロ原子含有である「アリール」及び「芳香族」置換基を意味する。「複素環式」基又は化合物は、芳香族であってもなくてもよく、更に、「複素環」は、「アリール」という用語に関して前述のように単環式、二環式、又は多環式であり得ることに留意されたい。ヘテロアルキル基の例としては、アルコキシアリール、アルキルスルファニル置換アルキル、N−アルキル化アミノアルキル等が挙げられる。ヘテロアリール置換基の例としては、ピロリル、ピロリジニル、ピリジニル、キノリニル、インドリル、ピリミジニル、イミダゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル等が挙げられ、ヘテロ原子含有脂環式基の例としては、ピロリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、ピペリジノ等が挙げられる。
【0032】
前述の定義のいくつかで示唆される、「置換アルキル」、「置換アリール」等などにおける「置換」とは、アルキル、アリール、又は他の部位において、炭素(又は他の)原子に結合された少なくとも1つの水素原子が1つ以上の非水素置換基で置き換えられていることを意味する。このような置換基の例としては、限定されないが、ハロ、ヒドロキシル、スルフヒドリル、C
1〜C
24アルコキシ、C
2〜C
24アルケニルオキシ、C
2〜C
24アルキニルオキシ、C
5〜C
24アリールオキシ、C
6〜C
24アラルキルオキシ、C
6〜C
24アルカリールオキシ、アシル(C
1〜C
24アルキルカルボニル(−CO−アルキル)、及びC
6〜C
24アリールカルボニル(−CO−アリール)を含む)、アシルオキシ(−O−アシル、C
2〜C
24アルキルカルボニルオキシ(−O−CO−アルキル)、及びC
6〜C
24アリールカルボニルオキシ(−O−CO−アリール)を含む)、C
2〜C
24アルコキシカルボニル((CO)−O−アルキル)、C
6〜C
24アリールオキシカルボニル(−(CO)−O−アリール)、ハロカルボニル(−CO)−X(式中、Xはハロである)、C
2〜C
24アルキルカルボナト(−O−(CO)−O−アルキル)、C
6〜C
24アリールカルボナト(−O−(CO)−O−アリール)、カルボキシ(−COOH)、カルボキシレート(−COO−)、カルバモイル(−(CO)NH
2)、モノ−(C
1〜C
24アルキル)−置換カルバモイル(−(CO)NH(C
1〜C
24アルキル))、ジ−(C
1〜C
24アルキル)−置換カルバモイル(−(CO)−N(C
1〜C
24アルキル)
2)、モノ−(C
1〜C
24ハロアルキル)−置換カルバモイル(−(CO)−NH(C
1〜C
24アルキル))、ジ−(C
1〜C
24ハロアルキル)−置換カルバモイル(−(CO)−N(C
1〜C
24アルキル)
2)、モノ−(C
5〜C
24アリール)−置換カルバモイル(−(CO)−NH−aアリール)、ジ−(C
5〜C
24アリール)置換カルバモイル(−(CO)−N(C
5〜C
24アリール)
2)、ジ−N−(C
1〜C
24アルキル)、N−(C
5〜C
24アリール)−置換カルバモイル、チオカルバモイル−(C
5)−NH
2)、モノ−(C
1〜C
24アルキル)−置換チオカルバモイル(−(CO)−NH(C
1〜C
24アルキル))、ジ−(C
1〜C
24アルキル)−置換チオカルバモイル(−(CO)−N(C
1〜C
24アルキル)
2)、モノ−(C
5〜C
24アリール)置換チオカルバモイル(−(CO)−NHアリール1)、ジ−(C
5〜C
24アリール)−置換チオカルバモイル1((CO)−N(C
5〜C
24アリール)z)、ジ−N−(C
1〜C
24アルキル)、N−(C
5〜C
24アリール)−置換チオカルバモイル、カルバミド(−NH−(CO)−NH2)、シアノ(−C=N)、シアナト(−O−C=N)、チオシアナト(−S−C=N)、ホルミル(−(CO)−H)、チオホルミル(−(CS)−H)、アミノ(−NH
2)、モノ−(C
1〜C
24アルキル)−置換アミノ、ジ−(C
1〜C
24アルキル)−置換アミノ、モノ−(C
5〜C
24アリール)−置換アミノ、ジ−(C
5〜C
24アリール)−置換アミノ、C
1〜C
24アルキルアミド(−NH−(CO)−アルキル)、C
6〜C
24アリールアミド(−NH−(CO)−アリール)、イミノ(−CR=NH(式中、R=水素、C
1〜C
24アルキル、C
5〜C
24アリール、C
6〜C
24アルカリール、C
6〜C
24アラルキル等)、C
2〜C
20アルキルイミノ(CR=N(アルキル)、式中、R=水素、C
1〜C
24アルキル、C
5〜C
24アリール、C
6〜C
24アルカリール、C
6〜C
24アラルキル等)、アリールイミノ(−CR=N(アリール)、式中、R=水素、C
1〜C
20アルキル、C
5〜C
24アリール、C
6〜C
24アルカリール、C
6〜C
24アラルキル等)、ニトロ(−NO
2)、ニトロソ(−NO)、スルホ(−SO
2OH)、スルホネート(SO
2O−)、C
1〜C
24アルキルスルファニル(−S−アルキル、「アルキルチオ」とも称される)C
5〜C
24アリールスルファニル(−S−アリール、「アリールチオ」とも称される)、C
1〜C
24アルキルスルフィニル(−(SO)−アルキル)、C
5〜C
24アリールスルフィニル(−(SO)−アリール)、C
1〜C
24アルキルスルホニル(−SO
2アルキル)、C
1〜C
24モノアルキルアミノスルホニル−SO
2−N(H)アルキル)、C
1〜C
24ジアルキルアミノスルホニル−SO
2−N(アルキル)
2、C
5〜C
24アリールスルホニル(−SO
2−アリール)、ボリル(−BH
2)、ボロノ(B(OH)
2)、ボロナト(−B(OR)
2(式中、Rはアルキル又はアリールである)、ホスホノ(−P(O)(OH)
2)、ホスホナト(P(O)(O)
2)、ホスフィナト(P(O)(O−))、ホスホ(−PO
2)、及びホスフィン(−PH
2)、及び部位C
1〜C
24アルキル(好ましくはC
1〜C
12アルキル、より好ましくはC
1〜C
6アルキル)、C
2〜C
24アルケニル(好ましくはC
2C
12アルケニル、より好ましくはC
2〜C
6アルケニル)、C
2〜C
24アルキニル(好ましくはC
2〜C
12アルキニル、より好ましくはC
2〜C
6アルキニル)、C
5〜C
24アリール(好ましくはC
5〜C
24アリール)、C
6〜C
24アルカリール(好ましくはC
6〜C
16アルカリール)、並びにC
6〜C
24アラルキル(好ましくはC
6〜C
16アラルキル)などの官能基が挙げられる。
【0033】
置換基が「置換された」又は「任意選択的に置換された」と記載される場合、これらのFn置換は、好ましくは、ハロ、ヒドロキシル、C
1〜C
3アルコキシ、C
1〜C
6アルキルカルボニル(CO−アルキル)、C
2〜C
24アルコキシカルボニル((CO)−O−アルキル)、カルボキシ(−COOH)、カルバモイル(−(CO)−NH
2)、モノ−(C
1〜C
6アルキル)−置換カルバモイル(−(CO)NH(C
1〜C
6アルキル))、ジ−(C
1〜C
6アルキル)−置換カルバモイル(−(CO)−N(C
1〜C
6アルキル)
2)、シアノ(−C=N)、シアナト(−O−C=N)、チオシアナト(−S−C=N)、ホルミル(−(CO)−H)、アミノ(−NH
2)、モノ−(C
1〜C
6アルキル)−置換アミノ、又はジ−(C
1〜C
6アルキル)置換アミノを含む。
【0034】
「官能化アルキル」、「官能化オレフィン」、「官能化環式オレフィン」等などにおける「官能化」とは、アルキル、オレフィン、環式オレフィン、又は他の部位において、炭素(又は他の)原子に結合された少なくとも1つの水素原子が、ここで及び前述に記載したものなどの1つ以上の官能基で置き換えられることを意味する。「官能基」という用語は、本明細書に記載の使用に適した任意の官能種を含むことを意味する。特に、本明細書において使用される場合、官能基は、必然的に、基材表面の対応する官能基と反応又は結合する能力を有するであろう。
【0035】
更に、前述の官能基は、特定の基が許容する場合、前述で具体的に列挙されたものなどの1つ以上の更なる官能基で更に置換され得る。同様に、前述の基は、具体的に列挙されたものなどの1つ以上の更なる官能基で更に置換され得る。
【0036】
本発明の好ましい実施形態において、Rは、非置換であるか、又は1つ若しくは2つ、好ましくは2つの低級アルキル、好ましくはメチル若しくはエチル、より好ましくはメチルで置換されたC
2又はC
3アルキレン基である。Rの好ましい例は、−CH
2−CH
2−、−CH
2−CH
2−CH
2−、−CH(CH
3)−CH(CH
3)−、及び−CH
2−C(CH
3)
2−CH
2−である。
【0037】
式(II)のフルフラール誘導体において、R
2は、独立して、前述で定義した通り、H、アルキル、アルケニル、又はアリールである。好ましくは、R
2は、独立して、H又はアルキルであり、より好ましくはH又はC
1〜4アルキル、より好ましくはH又はC
1〜3アルキル、更により好ましくはH又はC
1〜2アルキル、最も好ましくはH又はメチルである。更に好ましい実施形態において、R
2は、Hである。
【0038】
式(II)のフルフラール誘導体において、R
5は、R
2、−CH
2OR
2、−CO
2R
2、又は
(式中、X、Y、及びR、並びにその好ましい前述で定義された通りである)である。
【0039】
好ましくは、R
5は、R
2、−CH
2OR
2、又は−CO
2R
2であり、式中、R
2は、H又はアルキルであり、アルキルは、好ましくはC
1〜4アルキル、特にメチル又はエチルである。
【0040】
式(II)のフルフラール誘導体の特定の以下の化合物である:
(式中、R
5’は、H、メチル、−CH
2OR
2’、−CO
2R
2’、又は
であり、
R
2’は、H又はアルキル、好ましくはH又はC
1〜4アルキルであり、
X’及びY’は、ともにO又はSであり、
R’は、1つ又は2つのC
1〜4アルキル(好ましくはメチル)で任意選択的に置換されたC
2又はC
3アルキレンである)、
(式中、R
5’は、前述の通り定義される)、
(式中、R
5’は、前述の通り定義される)、
(式中、R
5’は、前述の通り定義される)、
(式中、R
5’は、前述の通り定義される)。
【0041】
式(II)のフルフラール誘導体は、例えば、フルフラールをエチレングリコール、置換エチレングリコール、又は任意の他の適切なジアルコールと反応させることによって得ることができる。また、環式ケタールの形態のフルフラールのアルデヒド官能基の保護を構成するこの反応は、当業者に知られている。保護反応は、例えば、A70アンバーリスト樹脂などの適切な触媒を用いてシクロヘキサンなどの適切な有機溶媒で行うことができる。例えば、1,3−ジオキソラン−2−(2−フラニル)である式(II)のフルフラール誘導体は、フルフラールをエチレングリコールと反応させることによって定量的に得ることができる。
【0042】
本発明によれば、フルフラール自体及びフルフラールのジアルキル−ケタール誘導体は、エチレン及びその誘導体とのディールス−アルダー付加物を形成しないが、式(II)のフルフラール誘導体は、驚くべきことにジエノフィルと反応して、式(I)のディールス−アルダー付加物を生じることが見出された。従って、本発明は、式(II)のフルフラール誘導体を式(III)のエチレン誘導体と反応させて、これにより式(I)のディールス−アルダー縮合付加物を得る方法を提供する。
【0043】
式(III)又は(III’)のエチレン誘導体は、2つの置換基R
3及びR
4を有する。これらの置換基は、独立して、H又は−CNであり、但し、R
3及びR
4の少なくとも1つは、−CNである。従って、式(III)又は(III’)のエチレン誘導体は、少なくとも1つの置換基を有する。一実施形態において、R
4は、Hであり、及びR
3は、−CNである。或いは、R
3及びR
4は、ともに−CNであり得る。ともにR
3及びR
4が−CNである場合、エチレン誘導体は、フマロニトリルのシス異性体及びトランス異性体を含む。
【0044】
式(II)の化合物と式(III)又は(III’)の化合物との間のディールス−アルダー縮合反応は、当業者に知られている通常のディールス−アルダー条件下で行うことができる。使用される特定の誘導体に応じて、縮合反応は、任意の触媒の存在下又は不存在下で且つ任意の溶媒を用いて又は用いずに行うことができる。反応は、出発化合物を所望のディールス−アルダー付加物に変換するのに十分な時間、例えば、約2又は5秒〜約6日、好ましくは約3時間〜約4日、より好ましくは約12時間〜約4日、例えば、約24時間で、約10〜約120℃、好ましくは約20〜約100℃、より好ましくは約20〜約80℃の任意の適切な温度で行うことができる。反応は、周囲圧力又は圧力を増して行うことができる。有利には、反応は、周囲圧力、例えば、約1000hPa、又は約10000hPaまで、好ましくは約5000hPaまで、より好ましくは約2000hPaまでの圧力で行われる。
【0045】
有利には、ディールス−アルダー反応は、触媒、特に既知のディールス−アルダー触媒の存在下で行われる。これらの触媒としては、ルイス酸、例えば、アルミニウム、ホウ素、亜鉛、ハフニウム、又は鉄化合物、例えば、AlCl
3、Al(Et)Cl
2、Al(Et)
2Cl、BF
3、B(Ac)
3、ZnCl
2、ZnBr
2、Zn(Ac)
2、ZnI
2、CuCl
2、Sc(OTf)
3、Bi(OTf)
3、及びBiCl
3、FeCl
3、Fe(Ac)
3、FeCl
2、及びFe(Ac)
2、ブレンステッド酸、例えば、無機鉱酸、例えば、硫酸、リン酸、硝酸、臭化水素酸又は塩酸、及び有機酸、例えば、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、又はカルボン酸が挙げられる。また、ディールス−アルダー触媒としては、スズ又はチタンのハロゲン化物、例えば、SnCl
4及びTiCl
4が挙げられる。或いは、活性炭、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、ジルコニア、又はゼオライトを使用することができる。炭素、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、ジルコニア、及びゼオライトをそのまま使用することができるが、触媒的に活性な金属又は金属化合物のための担体として使用することもできる。このような金属又は金属化合物としては、適切には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、貴金属、希土類金属が挙げられる。例えば、担体をリン酸で処理することにより、又はゼオライトのイオン交換によってその酸形態にすることにより、触媒は酸性であり得る。触媒は酸触媒であり得る。固体触媒の例としては、非晶質シリカ−アルミナ、ゼオライト、好ましくはそのH−形態のゼオライト、及び酸性イオン交換樹脂が挙げられる。液体であるか又は均一な触媒環境を生じるために適切な溶媒に溶解され得る他の適切な触媒としては、アルカンカルボン酸、アレーンカルボン酸、硫酸、リン酸、塩酸、臭化水素酸、及び硝酸などの有機及び無機酸が挙げられる。
【0046】
式(II)の化合物と式(III)又は(III’)の化合物との間のディールス−アルダー縮合反応は、式(I)のオキサノルボルネン誘導体を生じる。使用される出発化合物に応じて、得られたオキサノルボルネンは、異なる異性体として得ることができる。全ての可能な異性体は、本発明の範囲内に含まれる。
【0047】
例えば、式(II)の化合物がアクリロニトリル(R
3及びR
4の一方がHであり、他方が−CNである、式(III)の化合物)と反応する場合、得られるオキサノルボルネン誘導体は、オルト−異性体、メタ−異性体、又は両方の混合物であり得る。換言すれば、オキサノルボルネン誘導体は、保護されたアルデヒド置換基に対してオルト位又はメタ位で式(III)の化合物から生じる−CN置換基を有することができる。更に、メタ−異性体及びオルト−異性体はともに、エンド−又はエキソ−異性体として存在することができる。また、これらの可能性のある異性体は、本発明の範囲内に含まれる。
【0048】
本発明者らは、様々な異性体がNMR変位測定によって互いに区別できることを見出した。これは、実施例1.2において、1,3−ジオキソラン−2−(2−フラニル)(式(II)の化合物)とアクリロニトリル(式(III)の化合物)との間のディールス−アルダー縮合生成物として得られる4つの可能な異性体によって示される。
【0049】
様々な異性体は、2つ以上の異性体の混合物として、又は単一の異性体の形態で存在することができる。
【0050】
更に驚くべきことに、式(II)のフルフラール誘導体(式中、X及びYはともにOである)を式(III)又は(III’)の化合物と反応させると、式(I)のオキサノルボルネン誘導体の約等量のオルト−及びメタ−異性体を生成することが見出された。しかしながら、式(II)の化合物におけるX及びYがともにSである場合、反応は、式(I)のオキサノルボルネン誘導体の100%のオルト−異性体を生成する。従って、式(II)の出発化合物におけるX及びYを選択することにより、ディールス−アルダー縮合反応で得られる所望のオキサノルボルネン異性体を選択することができる。
【0051】
式(I)のオキサノルボルネン誘導体は、2−又は3−シアノベンズアルデヒド、又は2,3−ジシアノベンズアルデヒドなどの他の化学化合物の調製において有用な中間体を構成し、これは、次に以下の反応スキームにより、オルト−キシレンジアミン、メタ−キシレンジアミン(MXD)、又は1,2,3−トリ(アミノメチル)ベンゼンに変換され得る(本発明による方法の好ましい例を示す)。
【0052】
式(I)の化合物の芳香族化及び脱保護は、前述の単一の工程で行うことができる。或いは、式(IV)の所望の化合物は、式(V)の中間体を介して2工程方法で得ることができる。この別の経路は、好ましい化合物を用いた反応を再び例示する以下の反応スキームに示される。
【0053】
従って、また、本発明は、式(IV)
(式中、
Xは、任意選択的に置換されるヘテロ原子であり、
R
2は、独立して、H、アルキル、アルケニル、又はアリールであり、
R
3及びR
4は、独立して、H又は−CNであり、但し、R
3及びR
4の少なくとも1つは、−CNであり、及び
R
5は、R
2、−CH
2OR
2、又は−CO
2R
2、又は
であり、
式中、Yは、任意選択的に置換されるヘテロ原子であり、
Rは、1つ以上のR
1で任意選択的に置換され得るC
1〜4アルキレン基であり、及び
R
1は、1つ以上の官能基を任意選択的に有する直鎖型又は分枝型の飽和又は不飽和の炭化水素基である)の化合物の調製のための方法に関し、これは、
a)式(I)
(式中、X、Y、R、R
2、R
3、R
4、及びR
5は、前述の通り定義される)の化合物を脱水/芳香族化して、式(V)
(式中、X、Y、R、R
2、R
3、R
4、及びR
5は、前述の通り定義される)の化合物を得、次いで式(V)の化合物を脱保護すること、又は
b)単一の工程で式(I)の化合物の脱水/芳香族化及び脱保護を行うこと
を含む。
【0054】
式(I)の化合物の芳香族化及び脱保護の反応条件は、当業者に周知である。しかしながら、驚くべきことに、式(I)の化合物の芳香族化反応は、例えば、ナトリウムメトキシド又は水酸化ナトリウムなどのメトキシド又は水酸化物の存在下において、塩基性反応条件を必要とすることが判明した。例えば、100℃の温度で約1時間、DMSOに溶解したナトリウムメトキシドを使用して芳香族化反応を定量的収率で行うことができる。アルコール、例えば、メタノール及びエタノールが他の適切な溶媒である。
【0055】
好ましくは、式(I)の化合物は、フルフラール、特に式(II)を有するフルフラールの環状ケタール誘導体を出発物質として用いて、前述の方法により得られる。
【0056】
必要に応じて、前述の方法で得られた式(IV)の化合物は、例えば、メタ−キシレンジアミン、オルト−キシレンジアミン、又は1,2,3−トリ(アミノメチル)ベンゼンなどの他の化学化合物に更に変換することができる。メタ−キシレンジアミンが所望の最終生成物である場合、式(IV)の化合物は、好ましくは、3−シアノベンズアルデヒド、式(VII’)
の化合物である。
【0057】
メタ−キシレンジアミンは、シアノ部位の水素化、及びアルデヒド部位の還元的アミノ化によって3−シアノベンズアルデヒドから得ることができる。ニトリル水素化及び還元的アミノ化は、例えば、100℃、50バールの水素で、触媒としてCo Raneyを用いて、メタノールに溶解したNH
3溶液における3−シアノベンズアルデヒド(NH
3/3−シアノベンズアルデヒド比約19)を反応させることにより、同時に行うことができる。或いは、ニトリル水素化及び還元的アミノ化は、以下の反応スキームに示すように続いて行うことができる。
【0058】
同様に、オルト−キシレンジアミン及び1,2,3−トリ(アミノメチル)ベンゼンを得ることができる。
【0059】
従って、また、本発明は、式(VI)
(式中、R
6は、独立して、H、又は−CH
2−NH
2であり、但し、R
6の少なくとも1つは、−CH
2−NH
2である)のキシレン誘導体の調製のための方法に関し、これは、
式(VII)
(式中、R
7は、独立して、H又は−CNであり、但し、少なくとも1つのR
7は、−CNである)の化合物の同時又はその後のニトリル水素化及び還元的アミノ化を含み、
式(VII)の化合物は、前述の方法によって得られる。
【0060】
本発明の更なる実施形態において、式(I)及び(III)の化合物から始まり式(IV)の化合物が得られるまでの方法は、ワンポット反応として単一の工程で行うことができる。
【0061】
式(I)及び式(V)の化合物は、前述の方法において有用な新規中間体である。従って、また、本発明は、これらの化合物に関する。
【0062】
式(I)のオキサノルボルネン誘導体は、他の化学化合物の調製において有用な中間体を更に構成する。
【0063】
実際には、また、式(I)のオキサノルボルネン誘導体から得られる2−若しくは3−シアノベンズアルデヒド、又は2,3−ジシアノベンズアルデヒドは、2−シアノ安息香酸、3−シアノ安息香酸、若しくは2,3−ジシアノベンズアルデヒドに変換するができる。3−シアノベンズアルデヒド(m−シアノベンズアルデヒドとも称される)の3−シアノ安息香酸(m−シアノ安息香酸とも称される)への変換は、特に米国特許第6,262,292号明細書に記載されており、全ての目的のためにその全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる。これは、本特許表題の実施例1.6に例示されている。同様の反応条件を用いて、それぞれ2−シアノベンズアルデヒド(o−シアノベンズアルデヒドとも称される)又は2,3−ジシアノベンズアルデヒドを試薬として用いて、2−シアノ安息香酸(o−シアノ安息香酸)又は2,3−ジシアノ安息香酸を得ることができる。
【0064】
2−シアノ安息香酸、3−シアノ安息香酸、又は2,3−ジシアノ安息香酸は、次にオルトフタル酸、イソフタル酸、又はヘミメリット酸(1,2,3−ベンゼントリカルボン酸とも称される)に変換され得る。イソフタル酸への3−イソシアヌル酸の変換は、3−シアノ安息香酸を水酸化物(好ましくは水酸化ナトリウム)の水溶液に加えて、次いで少なくとも50℃の温度(好ましくは少なくとも100℃)で少なくとも10分(好ましくは少なくとも1時間、より好ましくは少なくとも3時間)にわたって加熱し、次いで冷却し(好ましくは最大で50℃、より好ましくは最大で30℃の温度まで下げ)、次いで、イソフタル酸を沈殿させるように溶液を(好ましくはpH=2以下まで、より好ましくはpH=1.5以下まで下げ)酸性化することによって実行され得る。これは、本特許表題の実施例1.7に例示されている。類似の反応条件を用いて、それぞれo−シアノ安息香酸又は2,3−ジシアノ安息香酸を試薬として用いて、オルトフタル酸又はヘミメリット酸を得ることができる。
【0065】
或いは、2−シアノ安息香酸、3−シアノ安息香酸、又は2,3−ジシアノ安息香酸は、次に2−アミノメチル安息香酸、3−アミノメチル安息香酸、又は2,3−ジ(アミノメチル)安息香酸に変換され得る。3−アミノメチル安息香酸への3−アミノメチル安息香酸の変換は、特に国際公開第2011/161615号パンフレット(特に59頁に)に記載されており、全ての目的のためにその全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる。これは、本特許表題の実施例1.8に例示されている。類似の反応条件を用いて、それぞれ2−シアノ安息香酸又は2,3−ジシアノ安息香酸を試薬として用いて、2−アミノメチル安息香酸又は2,3−ジ(アミノメチル)安息香酸を得ることができる。
【0066】
参照により本明細書に組み込まれる特許、特許出願、及び刊行物のいずれかの開示が用語を不明瞭にさせ得る程度まで本特許名称の記載と矛盾する場合、本記載が優先するものとする。
【0067】
ここで、以下の実施例によって本発明を例示するが、本発明は、これに限定されることを意図しない。
【実施例】
【0068】
実施例1
1.1 フルフリルジオキソラン合成
Dean−Starkトラップ及び磁気攪拌棒を備えた二口丸底フラスコにフルフラール(10.0g、103ミリモル)、トルエン(400ml)、及びエチレングリコール(4.5g、72.5ミリモル)を加えた。次いで、カンファースルホン酸(270mg、1.2ミリモル)を混合物に加えた。反応混合物を還流下で5時間撹拌した。次いで、混合物を室温に冷却し、NaHCO
3飽和水溶液(50ml、3回)、次いで水(50ml、3回)で洗浄した。乾燥(MgSO
4)した後、溶媒を蒸発させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/シクロヘキサン)で精製し、8.6g(85%)のわずかに黄色の液体を得た。
【0069】
1H−NMR(400MHz、DMSO):
1.2 2−(2−フリル)1,3−ジオキソランとアクリロニトリルとのディールス−アルダー反応
凝縮器及び磁気攪拌棒を備えた100mlの一口丸底フラスコに2−(2−フリル)1,3−ジオキソラン(19.80g、138.5ミリモル)を秤量した。次いで、アクリロニトリル(40.0g、746ミリモル)及びZnCl
2(2.0g、14.4ミリモル)を加えた。反応混合物を60℃で24時間撹拌した。付加物における変換率が90%、選択性が93%である1−(1,3−ジオキソラン−2−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボニトリル及び4−(1,3−ジオキソラン−2−イル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボニトリル)。
【0070】
反応混合物を減圧下で濃縮して、27gの黒色の濃い油を得た。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/シクロヘキサン)により精製して、11.7gの予想されたエンド付加物及び7gの予想されたエキソ付加物をわずかに黄色の油として得、全体的な単離収率は、70%である。これらの条件において、異なる異性体の再分割は、オルト/メタ52/48%及びエンド/エキソ66/33%である。
【0071】
1H−NMR(400MHz、DMSO):
1.3 実施例のディールス−アルダー付加物の2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)ベンゾニトリル及び3−(1,3−ジオキソラン−2−イル)ベンゾニトリルへの変換
PTFEセプタムスクリューキャップを取り付けたカルーセルチューブにエンド付加物(1.0g、5.2ミリモル)、ジメチルスルホキシド(7.5ml)、及びナトリウムメトキシド溶液(メタノール中25重量%、225mg、1.0ミリモル)を入れた。反応混合物を100℃で1時間撹拌した。冷却後、粗生成物をジクロロメタン(20ml)で希釈した。混合物を水(10ml)で洗浄した。水相をジクロロメタン(20ml)で抽出し、有機相を水(10ml、3回)で洗浄した。乾燥(MgSO4)した後、溶媒を蒸発させて840mgの油状液体(93%)を得た。メタにおけるニトリル基の僅かな加水分解は、こうした条件で観察することができる。
【0072】
1H−NMR(400MHz、DMSO):
1.4 2−ホルミルベンゾニトリル及び3−ホルミルベンゾニトリルに対する2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)ベンゾニトリル及び3−(1,3−ジオキソラン−2−イル)ベンゾニトリルの脱保護
THF(10ml)に溶解した2−及び3−(1,3−ジオキソラン−2−イル)ベンゾニトリル(200mg、1.14ミリモル)の撹拌溶液に室温で1N塩酸溶液(10ml)を加えた。混合物を80℃で1時間加熱し、室温に冷却した。反応混合物をクロロホルム(10ml、3回)で抽出した。合わせたクロロホルム溶液を乾燥させ(無水MgSO4)、濾過し、減圧下で蒸発させて、147mg(98%)の2−ホルミルベンゾニトリル及び3−ホルミルベンゾニトリルを得た。
【0073】
1H−NMR(400MHz、DMSO):
1.5 1,3−フェニレンジメタンアミンへの3−ホルミルベンゾニトリルの変換
メタノールに溶解した113gのNH3(7モル/l、d=0.779)、0.7gのRaney Co、及び7gの3−ホルミルベンゾニトリルを含むバッチ式反応器で同時水素化及び還元的アミノ化を実行し、NH3/芳香族の比は、100℃、5時間、50バールの水素で約19である。収率はメタキシレンジアミンで定量的であった。
【0074】
1H−NMR(400MHz、DMSO):
1.6 m−シアノベンズアルデヒド(3−ホルミルベンゾニトリル)のm−シアノ安息香酸への変換
26.2gのm−シアノベンズアルデヒド、40gのジオキサン、17.6gの炭酸水素ナトリウム、及び100gの水を攪拌しながら混合する。反応系の内温を50℃以下に保ちながら、pH9に調整した13.5重量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液210gを1時間にわたり滴下し、得られた混合物を更に1時間攪拌する。次いで、3.6gの尿素を加え、得られた混合物を20分間撹拌する。更に、12gの98重量%硫酸及び300gの水を加える。沈殿した結晶が形成され、これを濾過し、水で洗浄し、乾燥させて約27g(収率:約92%)のm−シアノ安息香酸を得た。純度は98%以上である。
【0075】
1.7 m−シアノ安息香酸のイソフタル酸への変換
水(26g)に溶解した水酸化ナトリウム(2.93g)の溶液に5.0gの3−シアノ安息香酸(m−シアノ安息香酸)を加えた。得られた溶液を5時間加熱し還流(115℃)した。冷却後、70mlの水を加え、95%硫酸を滴下して加えて溶液をpH=1に酸性化した。白色の固体沈殿物が形成した。白色の固体沈殿物を濾過し、10mlの水で3回洗浄した。乾燥後(60℃、10ミリバール、2時間)、5.44gのイソフタル酸(収率96%)を得た。
【0076】
1.8 イソフタル酸の3−アミノメチル安息香酸への変換
メタノール(20ml)に溶解した3−シアノ安息香酸(2g、13.59ミリモル)の溶液に0℃でラネーニッケル(0.4g)を加え、室温で1時間、H
2バルーンを用いて水素雰囲気下に保つ。完了後、反応混合物を、メタノールにおける予め洗浄したセライト(登録商標)パッドに通して濾過し、メタノールで洗浄する。溶媒を真空下で蒸発させて、表題の化合物を無色のシロップとして得る。約2gの3−アミノメチル安息香酸が得られる。
【0077】
実施例2
実施例1.2と同様
アクリロニトリルとのディールス−アルダー(DA)縮合を様々なフルフラール誘導体を用いて行い、これにより得られた種々の異性体を決定した。結果を以下の表1に要約する。
【0078】
【0079】
比較例1
フルフラールエチレングリコールケタールの代わりに、1当量のフルフラールを用いて前述の実施例1を繰り返した。結果を以下の表2に要約する。
【0080】
【0081】
前述の表に要約された条件のいずれにおいても、フルフラールとアクリロニトリルとの間の反応は観察されなかった。
【0082】
比較例2
フルフラールエチレングリコールケタールの代わりに、1当量のフルフラールのジエチルケタールを用いて実施例1を繰り返した。結果を以下の表3に要約する。
【0083】
【0084】
前述の表に要約した反応条件のいずれにおいても、フルフラールのジエチルケタールとアクリロニトリルとの間の反応は観察されなかった。
【0085】
比較例3
PTFEセプタムスクリューキャップが取り付けられたカルーセルチューブで、2−(2−フリル)1.3−ジオキソラン(0.5g、3.6ミリモル)を秤量した。次いで、アリルアミン(1.02g、17.9ミリモル)及びZnCl
2(195mg、0.7ミリモル)を加えた。反応混合物を60℃で18時間撹拌した。反応を
1HNMR分光法によってモニターした。
【0086】
60℃で18時間撹拌した後、反応は観察されなかった。
【国際調査報告】