特表2018-538770IP Force 特許公報全文掲載

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-538770(P2018-538770A)
(43)【公表日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】ワイヤレス電力伝達システムとワイヤレス通信車両システムとの間の共存動作のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/80 20160101AFI20181130BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20181130BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20181130BHJP
   H04B 5/02 20060101ALI20181130BHJP
   B60R 16/04 20060101ALI20181130BHJP
   B60R 25/24 20130101ALI20181130BHJP
   B60C 23/04 20060101ALI20181130BHJP
   B60K 1/04 20060101ALI20181130BHJP
   B60L 11/18 20060101ALI20181130BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   H02J50/80
   H02J50/10
   H02J7/00 301D
   H04B5/02
   B60R16/04 S
   B60R25/24
   B60C23/04 N
   B60K1/04 Z
   B60L11/18 C
   E05B49/00 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-513668(P2018-513668)
(86)(22)【出願日】2016年9月2日
(85)【翻訳文提出日】2018年3月14日
(86)【国際出願番号】US2016050209
(87)【国際公開番号】WO2017048540
(87)【国際公開日】20170323
(31)【優先権主張番号】14/858,273
(32)【優先日】2015年9月18日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】アルベルト・ガルシア・ブリス
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア・ルーベン・リー
【テーマコード(参考)】
2E250
3D235
5G503
5H125
5K012
【Fターム(参考)】
2E250AA22
2E250BB08
2E250BB29
2E250BB34
2E250BB46
2E250CC06
2E250DD06
2E250FF23
2E250FF27
2E250HH01
2E250JJ03
3D235AA01
3D235BB41
3D235CC15
3D235HH08
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA06
5G503GB08
5G503GD04
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC27
5H125BE02
5H125CC06
5H125DD02
5K012AB03
5K012AC06
5K012AC08
5K012AC10
5K012AE13
(57)【要約】
車両のシステムとのワイヤレス通信のための方法および装置が提供される。一実装形態が、車両のシステムとのワイヤレス通信のための装置を含む。装置は、車両のシステムから信号を受信するように構成された第1のアンテナを含む。装置は、第1のアンテナが外部磁場によって飽和されるかどうかを決定するように構成されたプロセッサを含む。プロセッサは、第1のアンテナが飽和されるとの決定に応答して、第1のアンテナまたは第2のアンテナのうちの少なくとも1つに、第1のアンテナが外部磁場によって飽和されることを示すフレームを送信させるようにさらに構成される。フレームは周期フレームである。プロセッサは、トリガ信号を受信したことに応答して、装置を識別する識別フレームを送信するようにさらに構成される。ワイヤレス電力送信機が、フレームを受信したことに応答して、ワイヤレス電力送信を低減または中止するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のシステムとのワイヤレス通信のための装置であって、前記装置が、
前記車両の前記システムから信号を受信するように構成された第1のアンテナと、
プロセッサであって、
前記第1のアンテナが外部磁場によって飽和されるかどうかを決定することと、
前記第1のアンテナが飽和されるとの決定に応答して、前記第1のアンテナまたは第2のアンテナのうちの少なくとも1つに、前記第1のアンテナが前記外部磁場によって飽和されることを示すフレームを送信させることと
を行うように構成されたプロセッサと
を含む、装置。
【請求項2】
前記フレームが周期フレームである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記プロセッサが、トリガ信号を受信したことに応答して、前記装置を識別する識別フレームを送信するようにさらに構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1のアンテナが飽和されることを示す前記フレームが、前記識別フレームと比較して異なるパターンを有する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
ワイヤレス電力送信機が、前記フレームを受信したことに応答して、ワイヤレス電力送信を低減または中止するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記フレームが、前記外部磁場の周波数よりも高い周波数において送信される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
バッテリーをさらに含み、前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナのうちの少なくとも1つが、前記バッテリーを充電するのに十分な、前記外部磁場からのワイヤレス電力を受信するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記装置が、リモートキーレスエントリフォブ、リモートキーレスエントリシステムと通信するように構成されたハンドヘルドデバイス、およびタイヤ空気圧管理システムのうちの1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
車両のシステムとのワイヤレス通信のための方法であって、
第1のアンテナが外部磁場によって飽和されるかどうかを決定するステップと、
前記第1のアンテナが飽和されるとの決定に応答して、前記第1のアンテナが前記外部磁場によって飽和されることを示すフレームを送信するステップと
を含む、方法。
【請求項10】
前記フレームが周期フレームである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
トリガ信号を受信したことに応答して、識別フレームを送信するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のアンテナが飽和されることを示す前記フレームが、前記識別フレームと比較して異なるパターンを有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ワイヤレス電力送信機が、前記フレームを受信したことに応答して、ワイヤレス電力送信を低減または中止するように構成された、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記フレームが、前記外部磁場の周波数よりも高い周波数において送信される、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のアンテナおよび第2のアンテナのうちの少なくとも1つを介して、前記外部磁場から、バッテリーを充電するのに十分なワイヤレス電力を受信するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
コードを記録した非一時的コンピュータ可読記録媒体であって、前記コードが、実行されたとき、車両のシステムとのワイヤレス通信のための装置に、
前記装置の第1のアンテナが、外部磁場によって飽和されるかどうかを決定することと、
前記第1のアンテナが飽和されるとの決定に応答して、前記第1のアンテナが前記外部磁場によって飽和されることを示すフレームを送信することと
を行わせる、非一時的コンピュータ可読記録媒体。
【請求項17】
前記フレームが周期フレームである、請求項16に記載の媒体。
【請求項18】
前記コードが、実行されたとき、さらに、前記装置に、トリガ信号を受信したことに応答して、識別フレームを送信させる、請求項16に記載の媒体。
【請求項19】
前記第1のアンテナが飽和されることを示す前記フレームが、前記識別フレームと比較して異なるパターンを有する、請求項18に記載の媒体。
【請求項20】
ワイヤレス電力送信機が、前記フレームを受信したことに応答して、ワイヤレス電力送信を低減または中止するように構成された、請求項16に記載の媒体。
【請求項21】
前記フレームが、前記外部磁場の周波数よりも高い周波数において送信される、請求項16に記載の媒体。
【請求項22】
前記コードが、実行されたとき、さらに、前記装置に、前記第1のアンテナおよび第2のアンテナのうちの少なくとも1つを介して、前記外部磁場から、前記装置のバッテリーを充電するのに十分なワイヤレス電力を受信させる、請求項16に記載の媒体。
【請求項23】
前記装置が、リモートキーレスエントリフォブ、リモートキーレスエントリシステムと通信するように構成されたハンドヘルドデバイス、およびタイヤ空気圧管理システムのうちの1つを含む、請求項16に記載の媒体。
【請求項24】
車両のシステムとのワイヤレス通信のための装置であって、前記装置は、
前記車両の前記システムから信号を受信するための手段と、
前記信号を受信するための前記手段が、外部磁場によって飽和されるかどうかを決定するための手段と、
前記信号を受信するための前記手段が飽和されるとの決定に応答して、前記信号を受信するための前記手段が前記外部磁場によって飽和されることを示すフレームを送信するための手段と
を含む、装置。
【請求項25】
前記フレームが周期フレームである、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
トリガ信号を受信したことに応答して、前記装置を識別する識別フレームを送信するための手段をさらに含む、請求項24に記載の装置。
【請求項27】
前記信号を受信するための前記手段が飽和されることを示す前記フレームが、前記識別フレームと比較して異なるパターンを有する、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
ワイヤレス電力送信機が、前記フレームを受信したことに応答して、ワイヤレス電力送信を低減または中止するように構成された、請求項24に記載の装置。
【請求項29】
前記フレームが、前記外部磁場の周波数よりも高い周波数において送信される、請求項24に記載の装置。
【請求項30】
電気エネルギーを蓄積するための手段をさらに含み、前記信号を受信するための前記手段および前記フレームを送信するための前記手段のうちの少なくとも1つが、電気エネルギーを蓄積するための前記手段を充電するのに十分な、前記外部磁場からのワイヤレス電力を受信するように構成された、請求項24に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、ワイヤレス電力伝達に関する。より詳細には、ワイヤレス電力伝達システムとワイヤレス通信車両システムとの間の共存動作(compatible operation)を提供することに関係するデバイス、システム、および方法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
リモートキーレスエントリシステムを含むワイヤレス通信車両システムは、ハンズフリーでのドアのロックおよびロック解除、盗難防止、キーレスイグニション、および、タイヤ空気圧監視システムなどの特定の車両システムのリアルタイム監視を含む、好都合な機能を車両のユーザに提供する。そのようなシステムは、対応車両の近傍においてハンドヘルドキーフォブ、別の共存デバイス、または他のセンサーからの信号を受信し処理することに少なくとも部分的に依存する。対応車両の近傍においてアクティブであるとき、ワイヤレス電力伝達システムは、車両リモートキーレスエントリシステム、ハンドヘルドキーフォブ、別の共存デバイス、および/またはワイヤレス通信する他の車両システム中の(たとえば、飽和)受信アンテナの性能に影響を及ぼし得る強力なワイヤレス場を生成することがある。これは、これらのシステムまたはハンドヘルドキーフォブまたは他の共存デバイスが適切な動作に必要な信号を受信し処理する能力を損なうことがある。したがって、そのようなシステムの使用の期間中にそのようなワイヤレス電力伝達システムの動作を制御する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
車両のシステムとのワイヤレス通信のための装置が提供される。本装置は、車両のシステムから信号を受信するように構成された第1のアンテナを含む。本装置は、第1のアンテナが外部磁場によって飽和されるかどうかを決定するように構成されたプロセッサを含む。プロセッサは、第1のアンテナが飽和されるとの決定に応答して、第1のアンテナまたは第2のアンテナのうちの少なくとも1つに、第1のアンテナが外部磁場によって飽和されることを示すフレームを送信させるようにさらに構成される。
【0004】
車両のシステムとのワイヤレス通信のための方法が提供される。本方法は、第1のアンテナが外部磁場によって飽和されるかどうかを決定するステップを含む。本方法は、第1のアンテナが飽和されるとの決定に応答して、第1のアンテナが外部磁場によって飽和されることを示すフレームを送信するステップを含む。
【0005】
コードを含む非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。コードは、実行されたとき、車両のシステムとのワイヤレス通信のための装置に、装置の第1のアンテナが、外部磁場によって飽和されるかどうかを決定させる。コードは、実行されたとき、装置に、第1のアンテナが飽和されるとの決定に応答して、第1のアンテナが外部磁場によって飽和されることを示すフレームを送信させる。
【0006】
車両のシステムとのワイヤレス通信のための装置が提供される。本装置は、車両のシステムから信号を受信するための手段を含む。本装置は、信号を受信するための手段が、外部磁場によって飽和されるかどうかを決定するための手段を含む。本装置は、信号を受信するための手段が飽和されるとの決定に応答して、信号を受信するための手段が外部磁場によって飽和されることを示すフレームを送信するための手段を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】いくつかの実装形態によるワイヤレス電力伝達システムの機能ブロック図である。
【図2】別の実装形態によるワイヤレス電力伝達システムの機能ブロック図である。
【図3】いくつかの実装形態による、送信コイルまたは受信コイルを含む、図2の送信回路または受信回路の一部分の概略図である。
【図4】いくつかの実装形態による、ワイヤレス電力送信ユニットの上に位置合わせされた車両の斜視図である。
【図5】いくつかの実装形態による、ワイヤレス電力伝達システムの機能ブロック図である。
【図6】いくつかの実装形態による、車両のシステムとのワイヤレス通信のための方法のフローチャートである。
【図7】いくつかの実装形態による、車両のシステムとのワイヤレス通信のための方法のフローチャートである。
【図8】いくつかの実装形態による、図4〜図7に関して前に説明した、少なくとも低周波数信号を送信および受信する際に使用するための複数のアンテナの位置を示す図である。
【図9】図4または図5のRKEキーフォブによって利用され得るフローチャートである。
【図10】いくつかの実装形態による、図9に関して説明する高周波数周期信号を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面に示す様々な特徴は、一定の縮尺で描かれていないことがある。したがって、様々な特徴の寸法は、明快のために任意に拡大または縮小され得る。さらに、図面のいくつかは、所与のシステム、方法、またはデバイスの構成要素のすべてを示してはいないことがある。最後に、同様の参照番号が、明細書および図全体にわたって同様の特徴を表すために使用され得る。
【0009】
添付の図面に関して以下に記載する詳細な説明は、本出願の特定の実装形態の説明として意図されており、実践され得る実装形態のみを表すことは意図されていない。この説明全体にわたって使用される「例示的」という用語は、「例、事例、または例示としての役割を果たすこと」を意味し、必ずしも他の実装形態よりも好ましい、または有利なものとして解釈されるべきではない。詳細な説明は、開示される実装形態の完全な理解を提供するための特定の詳細を含む。いくつかの実例では、いくつかのデバイスはブロック図の形で示される。
【0010】
ワイヤレス電力伝達は、物理的な電気導体を使用することなく、電場、磁場、電磁場などに関連する任意の形態のエネルギーを送信機から受信機に伝達することを指し得る(たとえば、電力は、自由空間を通して伝達され得る)。電力伝達を達成するために、ワイヤレス場(たとえば、磁場または電磁場)内に出力された電力は、「受信コイル」によって受信され、取り込まれ、または結合され得る。
【0011】
図1は、いくつかの実装形態によるワイヤレス電力伝達システム100の機能ブロック図である。エネルギーまたは電力の伝達を実施するためのワイヤレス場(たとえば、磁場または電磁場)105を生成するために、電源(図示せず)から送信機104の送信コイル114(たとえば、送信アンテナ回路114)に入力電力102が供給され得る。受信機108の受信コイル118(たとえば、受信アンテナ回路118)が、ワイヤレス場105に結合し得、出力電力110に結合されたデバイス(図示せず)による蓄積または消費のための出力電力110を生成し得る。送信機104と受信機108の両方は、距離112だけ分離され得る。
【0012】
一実装形態では、送信コイル114および受信コイル118は、相互共振関係に従って構成される。受信コイル118の共振周波数と送信コイル114の共振周波数が実質的に同じであるか、または極めて近いとき、送信機104と受信機108との間の送信損失は最小である。したがって、互いに極めて近くに(たとえば、場合によっては数ミリメートル以内に)配置された大型コイルを必要とし得る純誘導性ソリューション(purely inductive solution)とは対照的に、より長い距離にわたって、ワイヤレス電力伝達が行われ得る。したがって、共振誘導結合技法は、様々な距離にわたり、様々な誘導コイル構成を用いて、改善された効率および電力伝達を可能にし得る。
【0013】
受信機108は、受信コイル118が送信コイル114によって生成されたワイヤレス場105内に位置しているときに電力を受信し得る。ワイヤレス場105は、送信コイル114によって出力されたエネルギーが受信コイル118によって取り込まれ得る領域に対応する。ワイヤレス場105は、送信機104の「近距離場」に対応し得る。「近距離場」は、自由空間に電磁エネルギーを放射するのではなく、送信コイル114から電力を最小限に放射する送信コイル114中の電流および電荷から生じる強い反応場がある領域に対応し得る。「近距離場」は、送信コイル114の約1波長(または、その分数)内である領域に対応し得る。
【0014】
で説明したように、効率的なエネルギー伝達は、電磁波内のエネルギーの大部分を遠距離場に伝搬するのではなく、ワイヤレス場105内のエネルギーの大部分を受信コイル118に結合することによって行われ得る。ワイヤレス場105内に位置決めされると、送電コイル114と受電コイル118との間に「結合モード」が発現され得る。この結合が起こり得る送信コイル114および受信コイル118の周囲のエリアは、本明細書では、結合モード領域と呼ばれる。
【0015】
図2は、別の実装形態による、ワイヤレス電力伝達システム200の機能ブロック図である。システム200は、送信機204と受信機208とを含む。送信機204は、発振器222と、ドライバ回路224と、フィルタおよび整合(matching)回路226とを含み得る、送信回路206を含み得る。発振器222は、周波数制御信号223に応答して調整され得る所望の周波数において信号を生成するように構成され得る。発振器222は、発振器信号をドライバ回路224に供給し得る。ドライバ回路224は、入力電圧信号(VD)225に基づいて、送信コイル214をたとえば送信コイル214の共振周波数で駆動するように構成され得る。フィルタおよび整合回路226は、高調波または他の不要な周波数をフィルタ除去し得、また、最大の電力伝達のために送信機204のインピーダンスを送信コイル214のインピーダンスに整合させ得る。ドライバ回路224は、たとえば、電気車両のバッテリー236を充電するのに十分なレベルの電力をワイヤレスに出力するために、ワイヤレス場205を生成するように送信コイル214を通る電流を駆動し得る。
【0016】
受信機208は、整合回路232と整流器回路234とを含み得る、受信回路210を含み得る。整合回路232は、受信回路210のインピーダンスを受信コイル218に整合させ得る。整流器回路234は、図2に示すように、バッテリー236を充電するために、交流(AC)電力入力から直流(DC)電力出力を生成し得る。受信機208および送信機204は、さらに、別個の通信チャネル219(たとえば、Bluetooth(登録商標)、Zigbee、セルラーなど)上で通信し得る。受信機208および送信機204は、代替として、ワイヤレス場205の特性を使用するバンドシグナリングを介して通信し得る。受信機208は、送信機204によって送信され、受信機208によって受信される電力量がバッテリー236を充電するのに適切であるかどうかを決定するように構成され得る。
【0017】
図3は、いくつかの実装形態による、送信コイルまたは受信コイルを含む、図2の送信回路206または受信回路210の一部分の概略図である。図3に示すように、送信回路または受信回路350はコイル352を含み得る。また、コイル352は、「ループ」アンテナ、「磁気」コイル、または誘導コイル352と呼ばれることもある。「コイル」という用語は、一般に、別の「コイル」に結合するためにエネルギーをワイヤレスに出力または受信し得る構成要素を指す。本明細書で使用するコイル352は、電力をワイヤレスに出力および/または受信するように構成されたタイプの「電力伝達構成要素」の一例である。コイル352は、空芯、またはフェライトコア(図示せず)などの物理的コアを含み得る。
【0018】
コイルの共振周波数は、コイルのインダクタンスおよびキャパシタンスに基づく。インダクタンスは、単にコイル352によって作り出されたインダクタンスであり得るが、キャパシタンスは、所望の共振周波数の共振構造を作り出すためにコイルのインダクタンスに加えられ得る。非限定的な例として、共振周波数において信号358を選択する共振回路を作り出すために、送信回路または受信回路350にキャパシタ354およびキャパシタ356が加えられ得る。したがって、より大きい直径のコイルでは、共振を持続させるのに必要なキャパシタンスのサイズは、コイルの直径またはインダクタンスが増加するにつれて減少し得る。
【0019】
さらに、コイルの直径が増加するにつれて、近距離場の効率的なエネルギー伝達面積も増加し得る。他の構成要素を使用して形成された他の共振回路も、可能である。別の非制限的な例として、キャパシタは、回路350の2つの端子間に並列に配置され得る。送信コイルでは、コイル352の共振周波数に実質的に対応する周波数をもつ信号358は、コイル352からの出力ではなくコイル352への入力であり得る。
【0020】
図4は、いくつかの実装形態による、ワイヤレス電力送信ユニット(PTU)415の上に位置合わせされた車両401の斜視図である。ワイヤレス電力伝達システム400は、車両401がワイヤレスPTU415の上に位置合わせされている間、車両401の充電を可能にし得る。いくつかの実装形態では、ワイヤレス電力伝達システム400は、電力バックボーン402に接続された送信回路406を備え得る。送信回路406は、交流(AC)を電気接続部403を介して1つまたは複数のワイヤレスPTU、たとえばワイヤレスPTU415および隣接するワイヤレスPTU445に供給し得る。2つのPTUのみが示されているが、ワイヤレス電力伝達システム400はそのように限定されず、任意の数のワイヤレスPTUを備え得る。したがって、ワイヤレス電力伝達システム400は、複数の車両に対する同時ワイヤレス充電を実現し得る。
【0021】
ワイヤレスPTU415は、送信回路406からAC電流を受信するように構成された送信コイル414を備え得る。ワイヤレスPTU415は、少なくとも1つのアンテナを含み、PTU415および隣接するPTU445の動作を制御するための機能を有する、少なくとも1つのPTUリモートキーレスエントリ(RKE)回路412(たとえば、図4には2つの回路が示されている)をさらに備え得る。同様に、隣接するワイヤレスPTU445は、少なくとも1つのアンテナを含む少なくとも1つのPTU RKE回路442と、送信回路406からAC電流を受信するように構成された送信コイル444とを備え得る。複数のPTU RKE回路412/442が利用される場合、複数のPTU RKE回路412/442の各々は、PTU415/445におけるPTU RKE回路412/442のそれぞれのアンテナ上で生成されるワイヤレス場の影響を低減させるように、それぞれのPTU415/445上またはPTU415/445内の特定の位置に配設され得る。いくつかの実装形態では、RKE回路412のアンテナに関連する電子ゲインが、車両RKE回路440または関連するRKEキーフォブ450内の同様のアンテナと比較して増加され得る。本出願では、RKEキーフォブを用いてまたはそれによって実施される任意の動作は、RKEキーフォブに加えてまたはそれの代わりに、説明されたシステムに適合するようにプログラムされた、スマートフォンなど、ウェアラブル、ポータブル、またはハンドヘルドデバイスによっても実施され得る。少なくともいくつかの実装形態では、少なくとも1つのPTU RKE回路412/442は、ワイヤレスPTU415および445のうちの1つまたは複数がワイヤレス場を生成している間、動作可能であり得る。したがって、PTU RKE回路412/442は、PTU415/445の動作周波数またはその近くの周波数(たとえば、80〜90kHz)を遮断するためにフィルタリング回路(図示せず)を含むことが望ましい。
【0022】
車両401は、受信コイル418に結合された受信回路410を含み得る。受信コイル418は、PTU415の送信コイル414によって生成されるワイヤレス場内に位置するときに電力を受信し得る。車両401は、バッテリー436をさらに含み得る。バッテリー436は、受信回路410から受信された電力を後で車両401によって使用するために蓄積し得る。車両は、少なくとも受信回路410に接続されたコントローラ回路428と、少なくとも1つのアンテナ(図示せず)を備える車両RKE回路440とをさらに含む。コントローラ回路428は、少なくとも受信回路410の動作を制御する。車両RKE回路440は、アンテナ(図示せず)を有する関連するRKEキーフォブ450が車両401から特定の距離(たとえば、2〜4メートル)内で検出されたときに、ドアをロック解除することおよび/または他の有用な特徴など、車両401用のRKE機能を実現する。車両RKE回路440は、低周波数(LF)/無線周波数(RF)通信リンクを介してRKEキーフォブ450および少なくとも1つのPTU RKE回路412と通信し得る。たとえば、運転者が車両401のドアハンドルをつかんだときに、車両RKE回路440はLF信号(たとえば、21kHz、121kHz、125kHz、または135kHz信号)を送信し得る。このLF信号は、対となるRKEキーフォブ450の検出および認証を開始するために利用され得る。それに応答して、RKEキーフォブ450は、識別情報を含むRFまたは高周波数信号(たとえば、315MHz、433MHz、または866MHz信号)を車両RKE回路440に返信し得る。識別情報が、車両RKE回路440内に記憶されたまたは場合によっては車両RKE回路440に供給された認証情報と一致する場合、車両RKE回路440は、それぞれのドアをロック解除するかまたは適切なRKE機能を実施し得る。
【0023】
送信コイル414または送信コイル444のいずれかがワイヤレス場(図示せず)を生成しているとき、車両RKE回路440および/または対となるRKEキーフォブ450の適切な動作が損なわれることがある。たとえば、ワイヤレス場内に存在する強力な磁場が、車両RKE回路440のアンテナならびにRKEキーフォブ450のアンテナを飽和させることがある。フェライトコアの、たとえばアンテナのそのような飽和は、任意の周波数における他のソースからの磁場との強め合う干渉がそれぞれ、フェライトコア内で誘起される磁束の密度を増やし得るので、あらゆる周波数において発振する磁場によって生じ得、それは、コアの望ましくない飽和につながることがある。したがって、送信コイル414および送信コイル444のいずれかがアクティブである間、車両RKE回路440がRKEキーフォブ450を検出または認証しないことがある。同様に、送信コイル414および送信コイル444のいずれかがアクティブである間、RKEキーフォブ450が車両RKE回路440によって送信されるLF信号を検出することができないことがある。この理由によって、少なくとも1つのPTU RKE回路412は、(たとえば、送信コイル414または送信コイル444のいずれかによって生成されたワイヤレス場によって)それのLFアンテナが飽和されるとRKEキーフォブ450が決定することに応答して、RKEキーフォブ450によって送信された新規の高周波数周期フレームを検出すると、送信コイル414、および場合によっては送信コイル444へのAC電力の供給を遮断するように送信回路406に指示し得る。その上、いくつかの実装形態では、RKEキーフォブ450は、送信コイル414または送信コイル444のいずれかによって生成されたワイヤレス場からワイヤレス電力をハーベスティングするように構成され得る。
【0024】
図5は、いくつかの実装形態によるワイヤレス電力伝達システム500の機能ブロック図である。図5は、ワイヤレス電力伝達を制御するための、車両RKE回路562と1つまたは複数のPTU RKE回路512a〜512cとRKEキーフォブ590との間の対話について説明する。図5に示すように、伝達システム500は、それぞれ図2および図4の受信コイル218/418および受信回路210/410に対応し得る、受信回路550に電気的に接続された受信コイル554を備え得る。受信回路510は、整流器回路525に電気的に接続された整合(match)回路526を含み得る。受信コイル554は整合回路526に電気的に接続され得る。整流器回路525はDC電流をバッテリー557に供給し得る。別段に記載されていない限り、受信回路510内の各構成要素は、図2に関してすでに説明した、受信回路210内のそれぞれの構成要素に対応し、それぞれの構成要素と実質的に同じ機能を有し得る。受信回路510に電力を供給するために、エネルギーが、ワイヤレス場505を通して送信コイル514から受信コイル554に送信され得る。
【0025】
伝達システム500は、通信回路559、ユーザインターフェース560、受信回路510、および少なくとも1つのアンテナ(図示せず)を備える少なくとも1つの車両RKE回路562の各々に電気的に接続されたコントローラ回路558をさらに含み得る。いくつかの実装形態では、コントローラ回路558は車両制御ユニット(VCU)を備え得る。コントローラ回路558および少なくとも1つの車両RKE回路562は、図4に関してすでに説明したコントローラ回路428および車両RKE回路440に対応し得る。コントローラ回路558は、車両RKE回路562、通信回路559、およびユーザインターフェース560のうちの少なくとも1つからの入力に基づいて受信回路510を制御し得る。通信回路559は、PTUへのおよびRKEキーフォブ590への通信リンクを提供し得る。ユーザインターフェース560は、位置合わせのレベルまたは受信コイル554とPTUの送信コイル514との間の距離に関するフィードバックを車両(たとえば、図4に示す車両401)の運転者に提供するように構成され得る。
【0026】
車両RKE回路562は、図4に関してすでに説明したように車両用のキーレスエントリ機能を実現し得る。たとえば、車両RKE回路562は、RKE動作を開始および/または認証するための低周波数RKE信号を送信し得る。車両RKE回路562は、RKEキーフォブ590、1つまたは複数のPTU RKE回路512a〜512c、あるいは車両上の1つまたは複数のセンサーまたはアンテナ(図示せず)から、RKE動作の開始を示す入力を受信したことに応答して、低周波数RKE信号を送信し得る。
【0027】
いくつかの実装形態では、RKE回路562はまた、隣接するPTU内に位置するPTU RKE回路(たとえば、図4のPTU445内のPTU RKE回路442)からのワイヤレス信号を検出したことに応答して、LF RKE信号を送信し得る。さらに他の実装形態では、RKE回路562は、パーソナルウェアラブルスマートデバイス(たとえば、ポータブルRF対応マルチメディアプレーヤ、スマートウォッチなど)からのワイヤレス信号(たとえば、Bluetooth(登録商標)信号またはWiFi信号)を検出したことに応答して、LF RKE信号を送信し得る。また他の実装形態では、車両RKE回路562は、RKEキーフォブ590からの返答信号をトリガするためにLF RKE信号を送信し得る。車両RKE回路562ならびにRKEキーフォブ590は、ワイヤレス場505の存在によって生じるそれらのそれぞれのアンテナの飽和に起因してRKE機能を失うことがある。したがって、PTUは、(図6〜図10に関して説明するように)受信機からの低周波数RKE信号、またはRKEキーフォブ590からの新規の高周波数信号を受信し得、それに応答してPTUおよび/または少なくとも1つの隣接するPTU(たとえば、図4のPTU445)からのワイヤレス電力の送信を中止し得る。
【0028】
図5は、ワイヤレス電力送信ユニット(PTU)をさらに含む。PTUは、それぞれ図2および図4の送信回路206/406および送信コイル214/414に対応し得る、送信コイル514に電気的に接続された送信回路506を備え得る。送信回路506は、周波数制御信号523を受信する発振器523と、入力電圧信号(VD)525を受信するドライバ回路524と、送信コイル514に接続されたフィルタおよび整合回路526とを含み得る。別段に記載されていない限り、送信回路506内の各構成要素は、図2に関してすでに説明した、送信回路206内のそれぞれの構成要素に対応し、それぞれの構成要素として相互接続され、それぞれの構成要素と実質的に同じ機能を有し得る。
【0029】
送信回路506は、AC電流(たとえば、一次電流)を送信コイル514に供給し得る。送信コイル514は、一次電流に基づいてワイヤレス場505を生成する。送信コイル514と実質的に位置合わせされたとき、受信コイル518は、実質的にワイヤレス場505内に位置し得る。受信コイル554がワイヤレス場505内に位置するとき、ワイヤレス場505は、受信コイル554内にAC電流(たとえば、二次電流)を誘導する。
【0030】
PTUは、通信回路529と、送信回路506と、複数のPTU RKE回路512a、512b、および512c(以下、512a〜512c)の各々とに電気的に接続された、コントローラ回路528をさらに含み得る。通信回路529は、ワイヤレス電力受信機内の通信回路559、ならびにRKEキーフォブ590と通信するように構成され得る。PTU RKE回路512a〜512cは、図4に関してすでに説明したように、PTU RKE回路412に対応し得る。
【0031】
PTU RKE回路512a〜512cは、図6〜図10に関してより詳細に説明するように、車両RKE回路562から送信されるLF RKE信号、および/またはRKEキーフォブ590からの新規の高周波数信号を受信し得る。LF RKE信号または新規の高周波数信号を受信したことに応答して、PTU RKE回路512a〜512cのうちの1つまたは複数は、送信回路506を停止するかまたは送信回路506によって供給される電流の量を低減するようにコントローラ回路528に命令する信号を、コントローラ回路528に送り得る。送信回路506は、次いで、送信コイル514に1次電流を供給することを中止するかまたは送信コイル514への1次電流を低減し、ワイヤレス場505の強さを低減するかまたはワイヤレス場505を完全に除去し得る。いくつかの実装形態では、1つまたは複数のアクティブな隣接するPTU(たとえば、図4のPTU445)によって生成されるワイヤレス場(図示せず)が、車両RKE回路562の動作に干渉する(たとえば、車両RKE回路562内のアンテナを飽和させる)こともある。そのような場合、コントローラ回路528はまた、関連する送信回路(図示せず)に停止するように命令する1つまたは複数の制御信号を、1つまたは複数のアクティブな隣接するPTU(図4のPTU445)に送り、したがって、1つまたは複数のアクティブな隣接するPTUによって生成されるワイヤレス場(図示せず)を除去し得る。このようにして、PTU RKE回路512a〜512cのアンテナおよび/またはRKEキーフォブ450(たとえば、図5のRKEキーフォブ590)のアンテナの動作が、ワイヤレス場505または隣接するPTU(たとえば、図4のPTU445)のワイヤレス場によって損なわれないことがある。
【0032】
図6は、いくつかの実装形態による、車両のシステムとのワイヤレス通信のための方法のフローチャート600を示す。フローチャート600の方法について、本明細書では、図4および図5に関して前に説明した少なくともワイヤレス電力送信ユニットを参照して説明する。一実装形態では、フローチャート600中のブロックのうちの1つまたは複数が、たとえば、図5のPTU内のコントローラ回路528などのコントローラによって実施され得る。フローチャート600の方法について、本明細書では特定の順序を参照して説明するが、様々な実施形態では、本明細書のブロックは、異なる順序で実施されるか、または省略され得、追加のブロックが追加され得る。いくつかの実装形態では、車両(たとえば、図4の車両401)が駐車エリアに位置するときにフローチャート600が適用され得る。いくつかの実装形態では、フローチャート600の方法は、車両401のユーザが、車両401のRKE機能をアクティブ化するために車両401の表面(たとえば、ドアまたはトランクのハンドル)に接触するかあるいは車両RKEシステムの少なくとも1つの構成要素によって認識可能な何らかの他の動きまたはジェスチャーを実施するとき、利用され得る。本方法は、車両ドアハンドルアクティブ化を含む、ブロック602において開始し得る。たとえば、車両ドアハンドルのうちの1つへのユーザ接触時に、回路(たとえば、図5の車両RKE回路562)が、コントローラエリアネットワークを介したコントローラ(たとえば、図5のコントローラ回路558)へのメッセージ(たとえば、CANメッセージ)を送信し得る。本方法は、次いで、ブロック604に進み得る。
【0033】
ブロック604は、低周波数信号を受信することを含む。たとえば、いくつかの実装形態では、コントローラ回路558がCANメッセージを受信したことに応答して、コントローラ回路558は、RKE機能を実施するために利用される、前に説明したLF RKE信号を送信するように通信回路559または車両RKE回路562に命令し得る。このLF信号は、図5のワイヤレスPTU内の通信回路529および/またはPTU RKE回路512a〜512cのうちの1つによって受信され得る。本方法は、次いで、ブロック606に進み得る。
【0034】
ブロック606は、ブロック604において説明した低周波数信号のフレームを取り込むことを含む。たとえば、低周波数信号を受信すると、図5のワイヤレスPTU内のコントローラ回路528および/またはPTU RKE回路512a〜512cは、受信された信号を処理し、受信された信号によって伝達されることを意図された指示を決定し得る。本方法は、次いで、ブロック608に進み得る。
【0035】
ブロック608は、所定の時間期間の間、PTUによって車両に伝達されるワイヤレス電力を停止することまたはそれの量を低減することを含む。たとえば、低周波数信号を取り込み、RKEアクションまたはプロセスが現在行われているかまたは行われようとしていると決定すると、コントローラ回路528は、送信回路506に、所定の時間期間の間、送信コイル514に供給される1次電流を中止することまたはそれの量を低減することのいずれかを行うように命令し得る。代替として、コントローラ回路528は、隣接するまたは近くにあるPTU445の送信回路に、所定の時間期間の間、PTUの送信コイル444に供給される電力を完全に中止するかまたはそれの量を低減するように指示し得る。この所定の時間期間は、タイムアウト間隔を提供し得、それの後に、ブロック610において、送信回路506(または隣接するPTU内の送信回路)は、送信コイル514に供給される電流を再び始めるか、再開するか、またはそれの量を増加させるようにコントローラ回路528によって指示され得る。
【0036】
図7は、いくつかの実装形態による、車両のシステムとのワイヤレス通信のための方法のフローチャート700を示す。フローチャート700の方法について、本明細書では、図4〜図6に関して前に説明した少なくともワイヤレス電力送信ユニットを参照して説明する。一実装形態では、フローチャート700中のブロックのうちの1つまたは複数が、たとえば、図5のPTU内のコントローラ回路528などのコントローラによって実施され得る。フローチャート700の方法について、本明細書では特定の順序を参照して説明するが、様々な実施形態では、本明細書のブロックは、異なる順序で実施されるか、または省略され得、追加のブロックが追加され得る。いくつかの実装形態では、車両(たとえば、図4の車両401)が駐車エリアに位置するときにフローチャート700が適用され得る。本方法は、ブロック702において開始する。ブロック702、704、706、708、および710の各々は、図6に関して前に説明したように、ブロック602、604、606、608および610にそれぞれ対応し得る。したがって、ブロック710において電力伝達が再開または増加されると、フローチャート700はブロック712に進み得る。
【0037】
ブロック712は、新しい低周波数信号を受信することを含む。たとえば、ブロック704において受信された低周波数信号とは別個の、別の低周波数信号が、図5のワイヤレスPTU内の通信回路529および/またはPTU RKE回路512a〜512cのうちの1つによって受信され得る。本方法は、次いで、ブロック714に進み得る。
【0038】
ブロック714は、新しい低周波数信号を取り込み、学習することを含む。たとえば、コントローラ回路558および/またはRKE回路562は、(ちょうどブロック706において実施され得るように)この新しい低周波数信号を保存し得る。いくつかの実装形態では、後続のまたは以前に受信された信号とより容易に比較するために新しい低周波数信号の「フィンガープリント」が生成され得る。たとえば、そのような「フィンガープリント」は、新しい低周波数信号の周波数、長さ、反復間隔、振幅および近似エンベロープのうちの1つまたは複数の指示を含み得る。本方法は、次いで、ブロック716に進み得る。
【0039】
ブロック716は、ブロック712において受信された新しい低周波数信号が、反復または周期(たとえば、ポーリング)信号であるかどうかを決定することを含む。これは、ブロック704において受信された信号の取り込まれたバージョンを、ブロック712において受信された信号のブロック714において取り込まれたバージョンと比較することによって決定され得る。コントローラ回路558および/またはRKE回路562が、ブロック712において受信され、ブロック714において取り込まれた新しい低周波数信号が反復または周期信号であると決定した場合、新しい低周波数信号は、別の車両システム、たとえば、タイヤ空気圧管理システム(TPMS:tire pressure management system)からの制御信号と見なされ得る。そのような反復または周期制御信号は、将来において再び受信されることがあり、したがって、将来の認識のためにコントローラ回路528および/またはRKE回路512a〜512cによって保存され得る。コントローラ回路528および/またはRKE回路512a〜512cが、新しい低周波数信号が反復または周期信号でないと決定した場合、フローチャート700は、代替的に、別の新しい低周波数信号が受信されたとき、ブロック712に戻り得、の反復信号決定が再び実施され得る。コントローラ回路528および/またはRKE回路512a〜512cが、新しい低周波数信号が反復または周期信号でなく、代わりに、RKEシステムを介してドアをロック解除したいという要求など、単一のイベントのための低周波数信号であると決定した場合、フローチャート700はブロック708に戻り得、電力伝達が所定の時間期間の間低減または停止される。
【0040】
ブロック718は、反復または周期低周波数信号が同じ車両のシステムからの信号であるかどうかを決定することを含む。いくつかの実装形態では、前に説明したように、対応する信号(たとえば、CANメッセージ)がCAN上で送信された場合、この決定が行われ得る。ブロック718における決定が、いいえである場合、反復または周期信号は、同じ車両のシステムからの制御信号でないことがあり、フローチャート700はブロック720に進み得、反復または周期低周波数信号は、コントローラ回路558および/または車両RKE回路562によって学習され、将来の受信時に無視され得る。この信号は、ターゲット車両外の別のシステムからの周期信号であると決定されるであろうから、この信号は、ブロック720の学習および無視ステップの後、所定の時間期間の間存在しないとき、メモリから削除され得る。これに反して、反復または周期低周波数信号がターゲット車両のシステムからの信号である場合、フローチャート700は、ブロック718からブロック722に進み得、反復または周期低周波数信号は、学習され、記憶され、同じ反復または周期低周波数信号(たとえば、イモビライザー信号またはTPMS信号)の将来の受信時に無視される。
【0041】
図8は、いくつかの実装形態による、図4〜図7に関して前に説明した、少なくとも低周波数信号を送信および受信する際に使用するための複数のアンテナの位置を示す。図8に示すように、図4の車両401に各々対応する第1の車両401aと第2の車両401bとが、互いに隣接して駐車され得る。図示のように、図4および図5に関して前に説明したように、第1の車両401aは、ワイヤレス場505を介して送信コイル514からワイヤレス電力を受信し得る。いくつかの実装形態では、低周波数信号を送信および/または受信するための前に説明したアンテナは、RKEシステムのためにドアハンドルに、それの上に、またはそれの近くに位置するアンテナ802a、802b、802c、802d、および/または、元来TPMSシステムのために利用されるアンテナ804a、804b、804c、804dであり得る。したがって、少なくともいくつかの実装形態では、元来他の車両システムのために利用されるアンテナが、図4〜図7に関して前に説明した低周波数信号の送信および/または受信のために再使用され得る。
【0042】
図9は、図4のRKEキーフォブ450または図5のRKEキーフォブ590によって利用され得るフローチャート900を示す。フローチャート900は、TPMSシステムなど、他のワイヤレス通信車両システムによって、あるいはスマートフォンなど、少なくともRKEキーフォブ450の機能を実施するように構成されたポータブル、ハンドヘルド、またはウェアラブルデバイスによって、さらに利用され得る。フローチャート900は、ブロック902において、待機モードで開始し得る。フローチャート900は、次いで、ブロック904に進み、RKEキーフォブ450または509の(またはTPMSシステムなどの別のシステムの)低周波数アンテナが外部磁場によって飽和されるかどうかに関する決定が行われる。いくつかの実装形態では、磁場は、ワイヤレス電力伝達のために利用されるワイヤレス場505であり得る。決定が、はいである場合、フローチャート900はブロック906に進む。決定が、いいえである場合、フローチャートは代替的にブロック908に進む。
【0043】
ブロック906において、RKEキーフォブ450/590は、それのLFアンテナが飽和されることを示す高周波数周期フレームを送信する。この信号は、それが、必ずしもRKEキーフォブ450/590を識別し、または1つまたは複数のRKE機能のアクティブ化を示すとは限らず、単に、たとえば、RKEキーフォブ450/590のLFアンテナが飽和され、それの現在の状態ではおそらく車両401のRKEシステムからのLF信号を受信し復号することができないであろうとの指示を図4の車両401内のRKE回路412に提供するという点で、前に説明した従来の高周波数RKE信号と区別される。
【0044】
ブロック908において、RKEキーフォブ450/590は、トリガ信号が車両401のRKEシステムから受信されたかどうかに関する決定を行い得る。決定が、いいえである場合、フローチャート900は、ループしてブロック902に戻り、待機モードのままであるかまたは待機モードに遷移し得る。決定が、はいである場合、フローチャート900は、ブロック910に進み、RKEキーフォブ450/590は、高周波数識別フレームを車両401のRKEシステムに送るように構成され得る。この高周波数識別フレームは、図4に関して前に説明した識別情報を含むRF信号(たとえば、315MHz、133MHz、または966MHz信号)と同様であり得る。そのような高周波数識別フレームは、それが、必ずしもRKEキーフォブ450/590のLFアンテナが飽和されることを示すとは限らず、単に、車両RKEシステムによって復号可能であるRKEキーフォブ450/590を識別する情報の指示を含むという点で、ブロック906の高周波数周期フレームと区別可能であり得る。
【0045】
図10は、いくつかの実装形態による、ブロック906の高周波数周期信号を示すグラフ図である。図10に示すように、このグラフ図は、水平軸上で時間を示し、垂直軸上で高周波数信号1000の振幅を示す。高周波数信号1000は、複数のフレームまたはパルス1002を含み得る。複数のフレームまたはパルス1002の各々は、所定の持続時間1004を有し、反復間隔1006を用いて反復し得る。たとえば、いくつかの実装形態では、各々が所定のキャリア周波数において送信される、6つのフレームまたはパルス1002があり得る。したがって、外部磁場がLF受信アンテナを飽和したという決定に応答して、RKEキーフォブ450/590によって、または、TPMSシステムなどの別のシステムによってすべての6つのフレームまたはパルス1002が送信され得る。高周波数信号1000は、同様の対応受信デバイスにLF受信アンテナ飽和を一意に示すのに十分な、任意の搬送周波数、フレームまたはパルス1002の数、持続時間1004、反復間隔1006、および/またはコーディングプロトコルを有し得る。
【0046】
で説明した方法の様々な動作は、様々なハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素、回路、および/またはモジュールなど、動作を実施することが可能な任意の適切な手段によって実施され得る。概して、図に示した任意の動作は、その動作を実施することが可能な対応する機能的手段によって実施され得る。
【0047】
情報および信号は、様々な異なる技術および技法のうちのいずれかを使用して表され得る。たとえば、の説明全体にわたって参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場または磁気粒子、光場または光粒子、あるいはそれらの任意の組合せによって表され得る。
【0048】
本明細書で開示した実装形態に関して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実装され得る。ハードウェアとソフトウェアの互換性を明確に示すために、では様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップについて概してその機能に関して説明した。そのような機能がハードウェアとして実装されるか、またはソフトウェアとして実装されるかは、特定の適用例および全体的なシステムに課される設計制約に依存する。説明した機能は特定の適用例ごとに様々な方法において実装され得るが、そのような実装形態の決定は、本発明の実装形態の範囲からの逸脱を生じるものと解釈されるべきではない。
【0049】
本明細書で開示した実装形態に関して説明した様々な例示的なブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタロジック、個別ハードウェア構成要素、あるいは本明細書で説明した機能を実施するように設計されるそれらの任意の組合せを用いて、実装または実施され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装され得る。
【0050】
本明細書で開示する実装形態に関して説明した方法またはアルゴリズムのステップおよび機能は、ハードウェアにおいて直接、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールにおいて、またはその2つの組合せにおいて具現され得る。ソフトウェアにおいて実装される場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとして有形の非一時的コンピュータ可読媒体上に記憶されるか、または有形の非一時的コンピュータ可読媒体を介して送信され得る。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読取り専用メモリ(ROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD ROM、または当技術分野で知られている任意の他の形態の記憶媒体内に存在し得る。記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込み得るようにプロセッサに結合される。代替として、記憶媒体はプロセッサに一体化され得る。ディスク(disk)およびディスク(disc)は、本明細書で使用するとき、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザーディスク(登録商標)(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピーディスク(disk)、およびblu rayディスク(disc)を含み、ここで、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、レーザーを用いてデータを光学的に再生する。の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲の中に含まれるべきである。プロセッサおよび記憶媒体はASIC内に存在し得る。
【0051】
本開示を要約するために、本発明のいくつかの態様、利点、および新規の特徴について本明細書で説明した。必ずしもそのような利点のすべてが本出願の任意の特定の実装形態に従って達成され得るとは限らないことを理解されたい。したがって、概念は、本明細書において教示または示唆され得る他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書において教示される1つの利点または利点の群を達成または最適化するように、実装または実行され得る。
【0052】
で説明した実装形態の様々な変更が容易に明らかであり、本明細書で定義した一般原理は、本出願の要旨または範囲から逸脱することなく他の実装形態に適用され得る。したがって、本出願は、本明細書で示す実装形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書で開示した原理および新規な特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。
【符号の説明】
【0053】
100 ワイヤレス電力伝達システム
102 入力電力
104 送信機
105 ワイヤレス場
108 受信機
110 出力電力
112 距離
114 送信コイル
118 受信コイル
200 ワイヤレス電力伝達システム
204 送信機
206 送信回路
208 受信機
210 受信回路
214 送信コイル
218 受信コイル
219 通信チャネル
222 発振器
223 周波数制御信号
224 ドライバ回路
225 入力電圧信号
226 フィルタおよび整合回路
232 整合回路
234 整流器回路
236 バッテリー
350 送信回路または受信回路
352 コイル
354 キャパシタ
356 キャパシタ
358 信号
400 ワイヤレス電力伝達システム
401 車両
401a 第1の車両
401b 第2の車両
402 電力バックボーン
403 電気接続部
406 送信回路
410 受信回路
412 PTUリモートキーレスエントリ(RKE)回路
412 PTU RKE回路
414 送信コイル
415 ワイヤレス電力伝達ユニット(PTU)
415 ワイヤレスPTU
418 受信コイル
428 コントローラ回路
436 バッテリー
440 車両RKE回路
442 PTU RKE回路
444 送信コイル
445 ワイヤレスPTU
450 RKEキーフォブ
500 ワイヤレス電力伝達システム
505 ワイヤレス場
506 送信回路
509 RKEキーフォブ
510 受信回路
512a PTU RKE回路
512b PTU RKE回路
512c PTU RKE回路
514 送信コイル
518 受信コイル
523 発振器
523 周波数制御信号
524 ドライバ回路
525 入力電圧信号
525 整流器回路
526 整合回路
526 フィルタ、整合回路
528 コントローラ回路
529 通信回路
550 受信回路
554 受信コイル
557 バッテリー
558 コントローラ回路
559 通信回路
560 ユーザインターフェース
562 車両RKE回路
590 RKEキーフォブ
802a アンテナ
802b アンテナ
802c アンテナ
802d アンテナ
804a アンテナ
804b アンテナ
804c アンテナ
804d アンテナ
1000 高周波数信号
1002 フレームまたはパルス
1004 持続期間
1006 反復間隔
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【国際調査報告】

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