(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-523716(P2021-523716A)
(43)【公表日】2021年9月9日
(54)【発明の名称】降温フィルタロッド、その使用、及びシガレット
(51)【国際特許分類】
A24D 3/06 20060101AFI20210813BHJP
A24D 3/14 20060101ALI20210813BHJP
A24D 3/17 20200101ALI20210813BHJP
【FI】
A24D3/06
A24D3/14
A24D3/17
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2020-563976(P2020-563976)
(86)(22)【出願日】2019年3月19日
(85)【翻訳文提出日】2020年11月12日
(86)【国際出願番号】CN2019078660
(87)【国際公開番号】WO2019223412
(87)【国際公開日】20191128
(31)【優先権主張番号】201810486815.3
(32)【優先日】2018年5月21日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201810486835.0
(32)【優先日】2018年5月21日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201810486861.3
(32)【優先日】2018年5月21日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】507308153
【氏名又は名称】チャイナ タバコ フーナン インダストリアル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 潜
(72)【発明者】
【氏名】金 勇
(72)【発明者】
【氏名】譚 海風
(72)【発明者】
【氏名】李 克
(72)【発明者】
【氏名】王 詩太
(72)【発明者】
【氏名】譚 超
(72)【発明者】
【氏名】▲喩▼ 賽波
(72)【発明者】
【氏名】范 紅梅
(72)【発明者】
【氏名】劉 ▲チー▼
(72)【発明者】
【氏名】易 建華
【テーマコード(参考)】
4B045
【Fターム(参考)】
4B045BB03
4B045BB05
4B045BB06
4B045BB10
4B045BC16
(57)【要約】
主に降温顆粒を硬化成形させてなり、降温顆粒は顆粒本体と顆粒本体に被覆されたシェル層とを含み、シェル層及び/又は顆粒本体は相変化材料を含む降温フィルタロッド、その使用、及びシガレットを提供する。相変化材料を顆粒材料の表面に被覆して降温顆粒を製造し、この降温顆粒を降温フィルタロッドに成形し、一般的なフィルタロッドと組み合わせて、シガレットの生産に用いる。相変化材料及び降温フィルタロッドの使用量に応じて降温効果を制御することができ、このような形態のフィルタロッドは、工業的生産が可能であり、コストが低く、降温効果が良好であり、パフ抵抗が小さく、煙と相変化材料の接触面積が大きく、降温効果が高い。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
降温フィルタロッドであって、
主に降温顆粒を硬化成形させてなり、前記降温顆粒は顆粒本体と顆粒本体に被覆されたシェル層とを含み、シェル層及び/又は顆粒本体は相変化材料を含む、ことを特徴とする降温フィルタロッド。
【請求項2】
前記相変化材料は、PLA、ポリエチレングリコール、ステアリン酸、パルミチン酸、パラフィン、微結晶ワックス、EVA、ペンタエリスリトール、ステアリン酸−イソプロパノールエステル、ステアリン酸−グリセロールトリエステルのうちの少なくとも1種を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の降温フィルタロッド。
【請求項3】
前記シェル層は香味剤をさらに含み、さらに、前記香味剤は、香料及び/又はタバコ抽出物を含み、好ましくは、前記相変化材料と香味剤との質量比が100:(0.5〜10)である、ことを特徴とする請求項1に記載の降温フィルタロッド。
【請求項4】
前記シェル層の質量が降温顆粒の総質量の0.5〜30%を占める、ことを特徴とする請求項1に記載の降温フィルタロッド。
【請求項5】
前記顆粒本体は、植物繊維粉末及び/又は無機材料粉末を含み、さらに、前記植物繊維粉末は、タバコ粉末、トウモロコシの穂軸粉末、籾殻粉末、クルミ殻粉末、ココナッツの殻粉末、乾燥みかん皮の粉末、グレープフルーツピール粉末のうちの少なくとも1種を含み、さらに、前記無機材料粉末は、炭酸カルシウム、炭素粉末、セラミック、シリカゲル、分子篩のうちの少なくとも1種を含み、さらに、前記顆粒本体は、成形補助材料をさらに含み、前記成形補助材料は粘着剤、湿潤剤、賦形補助材料のうちの少なくとも1種を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の降温フィルタロッド。
【請求項6】
前記顆粒本体は、基体粉末、ホットメルト接着剤粉末、賦形剤、水を十分に混合した後、造粒、乾燥、篩分けをして得るものであり、前記基体粉末は、植物材料、無機材料、金属粉末のうちの少なくとも1種を含み、さらに、前記植物材料は、タバコ原料、わら、ピーナッツの殻、バガス、トウモロコシの穂軸、果皮、香料植物のうちの少なくとも1種を含み、前記無機材料は、炭粉、粘土、炭酸カルシウム、酸化ケイ素のうちの少なくとも1種を含み、前記金属粉末は、鉄粉、アルミナ、銅粉のうちの少なくとも1種を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の降温フィルタロッド。
【請求項7】
前記降温顆粒の粒子径が10〜50メッシュである、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の降温フィルタロッド。
【請求項8】
前記降温フィルタロッドの内部の有効空隙率が65〜95%である、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の降温フィルタロッド。
【請求項9】
前記降温顆粒が加熱不燃シガレットに用いられる場合、造粒方法は、押出・球状化造粒法であり、前記降温顆粒は球形又は略球形であり、かさ密度が0.8〜2.5g/mlである、ことを特徴とする請求項7に記載の降温フィルタロッド。
【請求項10】
前記降温顆粒が通常のシガレットに用いられる場合、前記降温顆粒は球形又は不定形であり、かさ密度が0.4〜1.6g/mlである、ことを特徴とする請求項7に記載の降温フィルタロッド。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の降温フィルタロッドの、シガレット生産における使用。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の降温フィルタロッドを備えることを特徴とするシガレット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、降温フィルタロッド、その使用、及びシガレットに関し、シガレット生産の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来のシガレットでは、パフするときに、シガレットの燃焼コーンが生じた熱量が主流煙によりフィルタに送られ、シガレットのパフが進むに伴い、フィルタを流れる煙の温度が高くなる。研究から、パフが終了しようとするときに、フィルタ側の煙の温度が70〜80℃と高くなり、フィルタの温度が高すぎると、フィルタの遮断効果が損なわれ、また、タバコの品質への消費者の官能評価も悪影響を受けることが明らかになる。煙温度を適切に低下させることが求められる。
【0003】
加熱不燃シガレットは、外部加熱部材を通じてタバコ製品を加熱することにより煙を発生させるものであり、通常、タバコ製品は、250〜350℃では霧化条件を満たすようになり、煙量を確保するために、通常、フィルタ側には低吸着、さらに非吸着が必要であり、高温霧化煙がフィルタを介して口腔に入るときの温度が、従来のシガレットの燃焼温度よりも高くなる。したがって、煙温度を適切に低下させることは、低温シガレットについて研究される重要な技術でもある。
【0004】
中国特許CN201510045745.4は、フィルタ側に相変化材料を添加することで煙温度を低下させるフィルタ、及びシガレットを提供しており、使用される相変化材料は水和無機塩と尿素との混合物であり、使用方式としては、アセテート繊維製フィルタにスプレーするか、又は結晶物を2つのフィルタの間に配置し、本分野で公知するのは、このような水和塩の使用方式であるが、この効果が不十分である。
【0005】
中国特許CN101396173は、シガレットのボルテックによる降温保香方法、及びそのシガレット構造を提供しており、空気に連通しているボルテックスチャネルがシガレットのフィルタの前方に設置され、それにより降温効果を果たすが、構造が複雑であり、低温加熱型の不燃シガレットに不適である。
【0006】
フィルタへの加香処理には、通常、加香顆粒、加香ワイヤやカプセルの形態が使用されている。中国特許CN101390657は、ミント徐放型のタバコ用フィルタ棒及びその生産プロセスを開示しており、香料を浸漬した綿糸を用いるような加香手段が使用されているが、持続的な加香が不可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする技術的課題は、シガレット(従来のシガレット、及び加熱不燃シガレットを含む)のパフ時に、燃焼により生じた煙の温度が高く、消費者の口腔へ灼熱感を与え、パフのエクスペリエンスに悪影響を与えることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
技術的課題を解決するために、本発明の技術案は以下のとおりである。
【0009】
降温フィルタロッドであって、主に降温顆粒を硬化成形させてなり、前記降温顆粒は顆粒本体と顆粒本体に被覆されたシェル層とを含み、前記シェル層/又は顆粒本体は相変化材料を含むことを特徴とする。
【0010】
このようにして、使用される降温顆粒はコアシェル構造を有し、表層のシェル層には、降温機能を有する相変化材料が分布している。降温フィルタロッドは、降温顆粒を必要な形状に応じて硬化成形させることにより製造でき、一定の形状で積み上げられることにより形成される降温フィルタロッドは、全体として多孔質構造になり、シガレット製品に用いると、高温煙が降温フィルタロッドを通過するときに、煙はスムーズに通過できる一方、他方では、高温煙とシェル層との接触面積が大きく、それにより、降温効率が高まり、良好な降温効果を奏することに有利となり、喫煙者のエクスペリエンスが向上する。
【0011】
好適には、シェル層だけが相変化材料を含み、好適には、顆粒本体だけが相変化材料を含有し、好適には、シェル層と顆粒本体の両方が相変化材料を含有する。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態では、前記シェル層は相変化材料で構成される。
【0013】
さらに、前記相変化材料は、PLA、ポリエチレングリコール、ステアリン酸、パルミチン酸、パラフィン、微結晶ワックス、EVA、ペンタエリスリトール、ステアリン酸−イソプロパノールエステル、ステアリン酸−グリセロールトリエステルのうちの少なくとも1種を含む。適切な相変化材料を選択することにより、コード効果を確保するとともに、良好な降温効果を奏し、それによって、降温フィルタロッド全体の降温性能が高まる。好ましくは、前記相変化材料は、PLA、ポリエチレングリコール、ステアリン酸(ステアリン酸シリーズとEVAとの混合物を含む)を含む。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態では、前記シェル層は香味剤をさらに含む。このようにして、降温顆粒のシェルには相変化材料と香味剤が含まれており、降温顆粒を一定の形状で積み上げてなる降温フィルタロッドは、全体として、煙がスムーズに通過できる多孔質構造となり、また、シガレット製品に用いると、高温煙は、降温フィルタロッドを通過するときに、シェル層との接触面積が大きくなり、煙の熱量に対する相変化材料の吸収効率が高く、降温効率が高く、良好な降温効果を奏することに有利となり、喫煙者のエクスペリエンスが向上し、また、シェル層中の香味剤は熱を受けると香りを徐々に放出し、煙とともに喫煙者の口腔に送られ、煙へ特有の味を付与し、使用者それぞれのパフ時のニーズに応えられ、相変化材料が吸熱して相変化すると、その内部の香り成分が徐々に放出され、それにより、持続的な加香作用が果たされる。一般には、香味剤が揮発して香りを発生させることは、吸熱プロセスであり、このため、煙温度の低下にも有利である。
【0015】
さらに、前記香味剤は、香料及び/又はタバコ抽出物を含み、好ましくは、前記相変化材料と香味剤との質量比が100:(0.5〜10)である。
【0016】
好適には、前記香料は、メントン、コーヒーフレーバーのうちの少なくとも1種を含み、具体的には、必要に応じて選択してもよく、また必要に応じてほかの香料としてもよい。
【0017】
さらに、前記シェル層の質量は降温顆粒の総質量の0.5〜30%、好ましくは1〜20%を占める。相変化材料の使用量を適切にすることにより、降温効果が要件を満たし、パフ中に相変化が繰り返したときにフィルタロッドのチャンネルの詰まりが回避される。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態では、前記顆粒本体は植物繊維粉末及び/又は無機材料粉末を含み、またさらに、前記植物繊維粉末及び/又は無機材料粉末の粒子径が、80〜200メッシュ、好ましくは100〜180メッシュである。
【0019】
さらに、前記植物繊維粉末は、タバコ粉末、トウモロコシの穂軸粉末、籾殻粉末、クルミ殻粉末、ココナッツの殻粉末、乾燥みかん皮の粉末、グレープフルーツピール粉末のうちの少なくとも1種を含み、植物粉末は、天然のものであり、汚染がなく、低価であり、緻密な顆粒を製造して吸着効率を低下させることができ、低温シガレットにより適用でき、また、降温フィルタロッド及びシガレット製造によるナイフへの損耗を低減できる。さらに、前記無機材料粉末は、炭酸カルシウム、炭素粉末、セラミック、シリカゲル、分子篩のうちの少なくとも1種を含み、無機材料の使用は、異臭を招くことがなく、また多孔性が部分的に活用されて、降温フィルタロッドの吸着性能を向上させ、通常のシガレットにより適用できる。さらに、前記顆粒本体は成形補助材料をさらに含み、前記成形補助材料は、粘着剤、湿潤剤、賦形補助材料のうちの少なくとも1種を含む。
【0020】
またさらに、前記接着剤は、PVP、HPC、HPMC、SCMC、変性澱粉のうちの少なくとも1種を含み、前記湿潤剤は水又はアルコールを含み、前記賦形補助材料は微結晶性セルロース及び乳糖を含む。適切な粘着剤及び湿潤剤は、製造された顆粒に良好な形態及び強度を付与できる。
【0021】
植物繊維粉末と無機材料粉末の配合比を合理的に調整することにより、降温フィルタロッドの吸着性を適切な範囲に調整するとともに、さまざまなシガレットによるニーズに応えられる。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態では、前記顆粒本体は、基体粉末、ホットメルト接着剤粉末、賦形剤、水を十分に混合した後、造粒、乾燥、篩分けをすることにより製造され、前記基体粉末は、植物材料、無機材料、金属粉末のうちの少なくとも1種を含み、さらに、前記植物材料は、タバコ原料、わら、ピーナッツの殻、バガス、トウモロコシの穂軸、果皮、香料植物のうちの少なくとも1種を含み、前記無機材料は、炭粉、粘土、炭酸カルシウム、酸化ケイ素のうちの少なくとも1種を含み、前記金属粉末は、鉄粉、アルミナ、銅粉のうちの少なくとも1種を含む。一般には、基体粉末、ホットメルト接着剤粉末、賦形剤、水の配合比については必要に応じて設定することができ、順調に造粒成形可能であればよい。植物材料を使用すると、コストをできるだけ削減させる一方、香料植物はフィルタロッドに香りを付与する役割も果たす。無機材料も金属粉末も異臭を招くことがなく、しかも、金属性粉末は降温効果の発揮により有利である。さらに、前記香料植物は、ビャクダン、沈香、チョウジ、コーヒー、ウイキョウのうちの少なくとも1種を含む。
【0023】
さらに、前記ホットメルト接着剤粉末は、EVA、TPU、PE、PA、PESのうちの少なくとも1種を含む。顆粒の成形及び顆粒棒の成形を確保するとともに、これら自体にも一定の相変化能力を有するので、相変化による降温作用をある程度果たす。降温顆粒に対する前記ホットメルト接着剤粉末の質量比が、5%〜50%、好ましくは10%〜40%であり、ほかの成分の含有量については必要に応じて調整することができる。ホットメルト接着剤の用量を適切にすることにより、十分な粘着力が確保され、過剰になると、溶融時にチャンネルの詰まりを引き起こし、降温効果を損なう恐れがある。
【0024】
好適には、前記賦形剤は微結晶性セルロース、アルファ化澱粉を含む。
【0025】
さらに、前記降温顆粒の粒子径が、10〜50メッシュ、好ましくは20〜35メッシュである。
【0026】
さらに、加熱不燃シガレットの降温に用いる場合、前記降温顆粒は、押出・球状化造粒法を用い、その形状が球形又は略球形顆粒であり、降温顆粒のかさ密度が0.8〜2.5g/mlである。球形又は略球形とすると、降温フィルタロッドの内部には、十分に複雑で連続的な煙チャンネルが形成され、顆粒密度が十分に高いと、吸着性能が最低になり、タバコの発煙量への悪影響がなくなる。
【0027】
さらに、通常のシガレットの降温に用いる場合、前記降温顆粒は、球形又は不定形であり、降温顆粒のかさ密度が0.4〜1.6g/mlである。降温フィルタロッドの内部には、十分に複雑で連続的な煙チャンネルが形成され、顆粒密度を低くすると、顆粒の内部の空隙がすべて詰まることを回避し、一定の吸着性能を維持できる。好ましくは、前記降温顆粒の水含有量が、5〜15wt%、さらに7〜12wt%である。水含有量を適切な範囲に保持することによって、パフ中にシガレットの喫煙感を良好に維持し、また、植物繊維粉末を含有する降温フィルタロッドの場合、カビの発生を防止できる。
【0028】
粒子径が適切な顆粒を含ませることによって、フィルタロッドの内部に十分な通気性を付与し、水分を適切とすると、保管しやすく、成形制御を容易にする。
【0029】
さらに、前記降温フィルタロッドの内部の有効空隙率が65〜95%である。このようにして、降温フィルタロッドは全体として多孔質構造となり、内部には複雑で連続的なチャンネルが形成されており、高温煙が降温フィルタロッドの一端から降温フィルタロッドに入ると、降温フィルタロッド内の孔隙に素早く拡散し、降温顆粒と十分に接触して熱交換し、このようにして降温が実現され、また、降温フィルタロッドにおける高温煙の移動距離が大きく、降温効果が高くなる。有効空隙率を十分にすると、フィルタロッドの内部に要求される通気性を満たす。
【0030】
さらに、前記降温フィルタロッドの内部の有効空隙率が80〜95%である。
【0031】
さらに、前記多孔質構造はハニカムのような形状である。
【0032】
好適には、前記降温フィルタロッドは通気性の良好な多孔質円柱体である。
【0033】
さらに、前記降温フィルタロッドは、降温顆粒を粘着剤で粘着して硬化成形させたものである。
【0034】
さらに、前記降温フィルタロッドは主に降温顆粒をマイクロ波又は熱で硬化成形させて得る。
【0035】
さらに、前記降温フィルタロッドには、パフ用の刻みタバコ部又は発煙部が接続され、ここで、降温フィルタロッドは刻みタバコ/発煙部に近い。
【0036】
好適には、前記降温フィルタロッドの製造方法は、
植物繊維粉末及び/又は無機材料粉末を関連する成形補助材料と混合し、造粒、ベーク、篩掛けをして、顆粒本体を得て、次に、相変化材料を用いて顆粒本体をコード処理し、降温顆粒を得るステップ(1)と、
ステップ(1)で得た降温顆粒を硬化成形させ、降温フィルタロッドを得るステップ(2)と、を含むか、
又は、
植物材料/無機材料/金属粉末のうちの少なくとも1種、ホットメルト接着剤粉末、微結晶性セルロース、アルファ化澱粉、水などを十分に混合し、造粒、乾燥、篩掛けをして、顆粒本体を得て、相変化材料を用いて顆粒本体をコード処理し、粒子径が適切な降温顆粒を得るステップ1)と、
製造した降温顆粒を一定のサイズの円柱体、つまり所望の降温フィルタロッドに成形するステップ2)と、を含むか、
又は、
植物繊維粉末及び/又は無機材料粉末を関連する成形補助材料と混合し、造粒、ベーク、篩掛けをして、基礎顆粒を得るステップ1)と、
相変化材料を加熱して溶融し、適量の香味剤を秤量して液体相変化材料に加え、高速で撹拌してせん断し、均一に混合し、混合液体材料を得て、使用に備えるステップ2)と、
ステップ2)で製造した混合液体材料をコード材料として、ステップ1)で製造した基礎顆粒をコード処理し、降温顆粒を得るステップ3)と、
ステップ3)で製造した降温顆粒を硬化成形させ、一定のサイズの円柱体にすると、加香型降温フィルタロッドを得るステップ4)と、を含む。
【0037】
同じ発明構造に基づき、本発明は、前記降温フィルタロッドのシガレットの生産における使用をさらに提供する。
【0038】
同じ発明構造に基づき、本発明は、前記降温フィルタロッドを備えるシガレットをさらに提供する。
【0039】
さらに、シガレットであって、順次接続される発煙部とフィルタを備え、前記フィルタ内には前記降温フィルタロッドが設けられている。
【0040】
好適には、前記降温フィルタロッドは、通常のフィルタロッドとを一定の割合で組み合わせると、フィルタとして通常のシガレットにも、加熱不燃シガレットにも適用でき、たとえば、2つの通常のフィルタロッドの間に配置されて、3つからシガレットろ過部(フィルタ)が構成され、この場合、すべての高温煙は口腔に入るには降温フィルタロッドを通過することになり、降温効果が確保される。使用のニーズに応じて、さまざまな通常のフィルタロッドが使用される。
【0041】
さらに、前記通常のフィルタロッドは、アセテート繊維製フィルタロッド、ポリプロピレン繊維製フィルタロッド、紙質フィルタロッド、中空棒などである。
【発明の効果】
【0042】
従来技術に比べて、本発明の技術案の技術的効果は以下のとおりである。
【0043】
(1)相変化材料を顆粒材料の表面に被覆して降温顆粒を製造し、該降温顆粒を全体として降温フィルタロッドに成形し、通常のフィルタロッドと組み合わせて、直接シガレットの生産に用いる。
(2)相変化材料と降温フィルタロッドの用量により降温効果を制御することができ、形態が簡単で新規であり、この新型フィルタロッドの形態は、工業的生産が実現されやすく、低価であり、降温効果が高い。
(3)パフ抵抗が小さく、煙と相変化材料との接触面積が大きく、降温効率が高く、喫煙者の口腔に入った煙の温度が大幅に低下し、エクスペリエンスが向上する。
(4)香味剤と相変化材料を組み合わせることにより、初めて降温フィルタロッドに加香機能も付与し、その使用価値が大幅に高まる。
(5)降温フィルタロッドの有効空隙率を制御し、非通気の希釈手段を用いて、物理的降温原理に基づいて煙の口腔に入るときの温度を大幅に低下させ、降温の程度が50%以上に達する。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下の実施例は、本発明の内容を説明することを意図し、本発明の特許範囲をさらに限定するものではない。
【0045】
実施例1
本実施例では、試験過程は、
100〜150メッシュのタバコ原料粉末100質量部、変性澱粉20質量部、微結晶性セルロース30質量部を準備し、均一に混合し、水30質量部をスプレーし、均一に混合し、混合軟材を製造するステップ1)と、
軟材を押出して球状化により造粒し、ベークして篩掛けし、20〜50メッシュのタバコ顆粒を使用に備えるステップ2)と、
PEG1500を溶融した後、タバコ顆粒の質量の10%で製造したタバコ顆粒をコードし、篩掛けして、20〜40メッシュのものとして降温タバコ顆粒を得るステップ3)と、
製造した降温タバコ顆粒を連続的にマイクロ波により硬化成形させ、周長23.5mmの多孔質円柱体とし、120mm長の降温フィルタロッドに切断するステップ4)と、
降温フィルタロッドとアセテート繊維部とを10:15の長さ比で組み合わせて、降温部が刻みタバコ側に近くなるようにシガレットに接続し、また、アセテート繊維製フィルタロッドを同じ仕様のシガレットに接続して対照とするステップ5)と、を含む。
2種のフィルタロッド付きのシガレットを点火して吸い、5番目のパフ時のフィルタロッドの出口端の温度をそれぞれ測定し、結果を表1に示す。
【0046】
実施例2
本実施例では、試験過程は、
100〜150メッシュのトウモロコシの穂軸粉末80質量部、炭酸カルシウム20質量部、HPMC10質量部、微結晶性セルロース40質量部を準備し、均一に混合し、水25質量部をスプレーし、均一に混合し、混合軟材を製造するステップ1)と、
軟材を押出して球状化により造粒し、ベークして篩掛けし、20〜50メッシュのトウモロコシの穂軸顆粒を使用に備えるステップ2)と、
質量比が1:1のステアリン酸とペンタエリスリトールを溶融し、トウモロコシの穂軸顆粒の質量の5%で製造したトウモロコシの穂軸顆粒をコードし、篩掛けして、10〜50メッシュのものとして降温トウモロコシの穂軸顆粒を得るステップ3)と、
製造した降温トウモロコシの穂軸顆粒を連続して熱硬化成形させ、周長23.5mmの多孔質円柱体とし、84mm長の降温フィルタロッドに切断するステップ4)と、
降温フィルタロッドとアセテート繊維部を7:18の長さ比を組み合わせて、降温部が刻みタバコ側に近くなるようにシガレットに接続し、また、アセテート繊維製フィルタロッドを同じ仕様のシガレットに接続して対照とするステップ5)と、を含む。
2種のフィルタロッド付きのシガレットを点火して吸い、5番目のパフ時のフィルタロッドの出口端の温度をそれぞれ測定し、結果を表1に示す。
【0047】
実施例3
本実施例では、試験過程は、
100〜150メッシュのグレープフルーツピール粉末60質量部、炭素粉末40質量部、変性澱粉20質量部、微結晶性セルロース20質量部、乳糖10質量部を準備し、均一に混合し、水25質量部をスプレーし、均一に混合し、混合軟材を製造するステップ1)と、
軟材を押出して球状化により造粒し、ベークして篩掛けし、20〜50メッシュの顆粒を使用に備えるステップ2)と、
質量比が1:1:1のPEG3000、パルミチン酸、ステアリン酸−イソプロパノールエステルを溶融し、顆粒の質量の15%で製造した顆粒コード、篩掛けして、20〜40メッシュのものとして降温顆粒を得るステップ3)と、
製造した降温顆粒を連続してマイクロ波により硬化成形させ、周長23.5mmの多孔質円柱体とし、120mm長の降温フィルタロッドに切断するステップ4)と、
降温フィルタロッドと紙質中空管部を10:15の長さ比で組み合わせて、降温部が刻みタバコ側に近くなるように低温シガレットに接続し、また、アセテート繊維製フィルタロッドを同じ仕様の低温シガレットに接続して対照とするステップ5)と、を含む。
2種のフィルタロッド付きのシガレットを点火して吸い、5番目のパフ時のフィルタロッドの出口端の温度をそれぞれ測定し、結果を表1に示す。
【0049】
検出から、本発明による降温フィルタロッドは、顕著な降温効果を奏し、従来のフィルタロッド付きシガレットに比べて、出口端の温度が50%以上低下したことが明らかになった。
【0050】
実施例4
本実施例では、試験過程は、
100〜150メッシュのタバコ原料粉末100質量部、変性澱粉20質量部、微結晶性セルロース30質量部を準備し、均一に混合し、水30質量部をスプレーし、均一に混合し、混合軟材を製造するステップ1)と、
混合軟材を押出して球状化により造粒し、ベークして篩掛けし、20〜50メッシュの降温顆粒コアを使用に備えるステップ2)と、
PEG2000を加熱して溶融し、質量比100:0.5でメントンと均一に混合し、混合液体材料を得るステップ3)と、
降温顆粒の質量の10%で混合液体材料を用いて、製造した降温顆粒コアをコード処理し、篩掛けして、30〜50メッシュのものとしてメントン含有降温顆粒を得るステップ4)と、
製造した降温顆粒を連続してマイクロ波により硬化成形させ、周長23.5mmの多孔質円柱体とし、120mm長の降温フィルタロッド部に切断するステップ5)と、
降温フィルタロッド部とアセテート繊維部を10:15の長さ比で組み合わせて、降温部が刻みタバコ側に近くなるようにシガレットに接続し、また、アセテート繊維製フィルタロッドを同じ仕様のシガレットに接続して対照とするステップ6)と、を含む。
2種のフィルタロッド付きのシガレットを点火して吸い、5番目のパフ時のフィルタロッドの出口端の温度をそれぞれ測定し、検出結果を表2に示し、また、2種のシガレットを吸って比較して評価し、結果を表3に示す。
【0051】
実施例5
本実施例では、試験過程は、
100〜150メッシュのトウモロコシの穂軸粉末80質量部、炭酸カルシウム20質量部、HPMC10質量部、微結晶性セルロース40質量部を準備し、均一に混合し、水25質量部をスプレーし、均一に混合し、混合軟材を製造するステップ1)と、
混合軟材を押出して球状化により造粒し、ベークして篩掛けし、20〜50メッシュの降温顆粒コアを使用に備えるステップ2)と、
質量比が1:1のステアリン酸とペンタエリスリトールを加熱して溶融し、質量比100:5でタバコ抽出物と均一に混合し、混合液体材料を得るステップ3)と、
降温顆粒の質量の5%で混合液体材料を用いて、製造した降温顆粒をコード処理し、篩掛けして、20〜40メッシュのものとしてタバコ抽出物含有の加香型降温顆粒を得るステップ4)と、
製造した降温顆粒を連続して熱硬化成形させ、周長23.5mmの多孔質円柱体とし、84mm長の降温フィルタロッド部に切断するステップ5)と、
降温フィルタロッド部とアセテート繊維部を7:18の長さ比で組み合わせて、降温部が刻みタバコ側に近くなるようにシガレットに接続し、また、アセテート繊維製フィルタロッドを同じ仕様のシガレットに接続して対照とするステップ6)と、を含む。
2種のフィルタロッド付きのシガレットを点火して吸い、5番目のパフ時のフィルタロッドの出口端の温度をそれぞれ測定し、結果を表2に示し、また、2種のシガレットを吸って比較して評価し、結果を表3に示す。
【0052】
実施例6
本実施例では、試験過程は、
100〜150メッシュのグレープフルーツピール粉末60質量部、炭素粉末40質量部、変性澱粉20質量部、微結晶性セルロース20質量部、乳糖10質量部を準備し、均一に混合し、水25質量部をスプレーし、均一に混合し、混合軟材を製造するステップ1)と、
混合軟材を押出して球状化により造粒し、ベークして篩掛けし、20〜50メッシュの降温顆粒コアを使用に備えるステップ2)と、
質量比が1:1:1のPEG3000、パルミチン酸、ステアリン酸−イソプロパノールエステルを加熱して溶融し、質量比100:2でコーヒーフレーバーと均一に混合し、混合液体材料を得るステップ3)と、
降温顆粒の質量の15%で混合液体材料を用いて、製造した降温顆粒コアをコード処理し、篩掛けして、20〜40メッシュのものとして降温顆粒を得るステップ4)と、
製造した降温顆粒を連続してマイクロ波により硬化成形させ、周長23.5mmの多孔質円柱体とし、120mm長の降温フィルタロッド部に切断するステップ5)と、
降温フィルタロッド部と紙質中空管部を10:15の長さ比で組み合わせて、降温部が刻みタバコ側に近くなるように低温シガレットに切断し、また、アセテート繊維製フィルタロッドを同じ仕様の低温シガレットに接続して対照とするステップ6)と、を含む。
2種のフィルタロッド付きのシガレットを点火して吸い、5番目のパフ時のフィルタロッドの出口端の温度をそれぞれ測定し、結果を表2に示し、また、2種のシガレットを吸って比較して評価し、結果を表3に示す。
【0054】
検出したところ、本発明による降温フィルタロッドには、非常に明らかな降温効果があることが明らかになった。
【0056】
実施例で記載された内容については、これらの実施例が本発明を明確に説明するために過ぎず、本発明の範囲を制限しないとみなされるべきであり、当業者が本発明を閲覧して本発明に対して行うさまざまな同等の形態の修正はすべて本願の添付の特許請求の範囲により制限される範囲に属するものとする。
【国際調査報告】