は、光軸に沿って移動することにより、無限遠物体合焦状態から最至近距離物体合焦状態までのフォーカシングを行う。そして、所定の条件を満足することにより、動画撮影に対応可能な高い結像性能を備えた小型、広角のインナーフォーカス式レンズを実現することができる。
物体側から順に配置された、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、からなり、前記第2レンズ群を光軸に沿って移動させることにより、無限遠物体合焦状態から最至近距離物体合焦状態までのフォーカシングを行うインナーフォーカス式レンズであって、
前記第1レンズ群の最も物体側には負のメニスカスレンズが配置され、
前記第2レンズ群は単レンズ成分で構成され、
前記第1レンズ群または前記第3レンズ群は、光軸に対して垂直方向へ移動させることで防振補正を行う単レンズ成分からなる防振補正レンズを備え、
以下に示す条件式を満足することを特徴とするインナーフォーカス式レンズ。
(1) 0.34≦f1/f≦1.48
ただし、f1は無限遠物体合焦状態における前記第1レンズ群の焦点距離、fは無限遠物体合焦状態における光学系全系の焦点距離を示す。
前記第3レンズ群の最も像面側には、像面側に凸面を向けた負のメニスカスレンズが配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のインナーフォーカス式レンズ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
デジタルカメラでは、動画撮影も可能なことから、動画撮影に対応した高速なオートフォーカス処理が望まれる。オートフォーカスは、まず、一部のレンズ群(フォーカス群)を光軸方向に高速で振動させて(ウォブリング)、非合焦状態→合焦状態→非合焦状態を作り出す。そして、撮像素子の出力信号から一部画像領域の特定の周波数帯の信号成分を検出して、合焦状態となるフォーカス群の最適位置を求め、その最適位置にフォーカス群を移動させる。特に、動画撮影では、これら一連の動作を高速で連続して繰り返すことが要求される。
【0007】
特許文献1に開示されたインナーフォーカス式レンズは、フォーカス群が正レンズで構成されているため重く、駆動が遅くなるため、迅速なオートフォーカスを行うことができず、動画撮影には適さないという問題がある。
【0008】
また、動画撮影時には、被写体の動作に合わせてカメラの向きを変えたり、撮影者の移動が必要になったりする場合が多いため、像ぶれが発生しやすくなる。このため、撮影レンズには、防振補正機能が備えられていることが好ましい。しかしながら、特許文献1に開示されたインナーフォーカス式レンズには、防振補正機能がない。この点からも、特許文献1に開示されたインナーフォーカス式レンズは、動画撮影には適さない撮影レンズと云える。
【0009】
特許文献2に開示されたに開示されたインナーフォーカス式レンズは、フォーカス群に負レンズを採用することでフォーカス群の軽量化が図られており、また防振補正機能も備えられていることから、動画撮影にも対応可能な撮影レンズである。しかしながら、広角化を目的としたものではないため、広角化を図るうえで必要とされる、像面湾曲、歪曲収差の補正や周辺光量の確保といった点が考慮されていない。
【0010】
また、従来、光学像を受光して電気的な画像信号に変換する撮像センサにおいては、オンチップマイクロレンズ等で入射光の効率的な取り込みをするための制限があり、レンズ側で射出瞳をある一定以上大きくして撮像センサへの入射光束のテレセントリック性を確保することが望まれていた。
【0011】
しかしながら、近年の撮像センサでは開口率の向上やオンチップマイクロレンズの設計自由度の進歩があり、撮影レンズ側に求められる射出瞳の制限も少なくなってきた。昨今のソフトウェアやカメラシステムの進歩、向上もあり歪曲収差がある程度大きく、従来では目立つものであっても画像処理により補正することも可能になってきている。
【0012】
このため、従来の撮影レンズでは、光学系後方に正レンズを配置して、テレセントリック性が確保されていたが、近年ではその必要がなくなってきており、光学系後方に負レンズを配置して撮像センサに対する光束の斜入射があってもオンチップマイクロレンズとの瞳のミスマッチ等での周辺減光(シェーディング)が目立ちにくくなってきた。また、光学系後方に負レンズを配置することが可能になったことで、光学系口径の小型化が期待できる。
【0013】
これに対して、特許文献1,2に開示されたインナーフォーカス式レンズは、いずれも光学系後方に正レンズが配置されていることから、光学系口径の十分な小型化が図られていない。
【0014】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、小型、軽量のフォーカス群および防振群を備えた、高い結像性能を有する小型、広角のインナーフォーカス式レンズを提供することを目的とする。また、動画撮影にも好適なインナーフォーカス式レンズを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズは、物体側から順に配置された、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、からなり、前記第2レンズ群を光軸に沿って移動させることにより、無限遠物体合焦状態から最至近距離物体合焦状態までのフォーカシングを行うインナーフォーカス式レンズであって、前記第1レンズ群の最も物体側には負のメニスカスレンズが配置され、前記第2レンズ群は単レンズ成分で構成され、前記第1レンズ群または前記第3レンズ群は、光軸に対して垂直方向へ移動させることで防振補正を行う単レンズ成分からなる防振補正レンズを備え、以下に示す条件式を満足することを特徴とする。
(1) 0.34≦f1/f≦1.48
ただし、f1は無限遠物体合焦状態における前記第1レンズ群の焦点距離、fは無限遠物体合焦状態における光学系全系の焦点距離を示す。
【0016】
本発明によれば、小型、軽量のフォーカス群および防振群を備えた、高い結像性能を有する小型、広角のインナーフォーカス式レンズを提供することができる。
【0017】
さらに、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズは、前記発明において、以下に示す条件式を満足することを特徴とする。
(2) 0.82≦f3/f≦3.81
ただし、f3は無限遠物体合焦状態における前記第3レンズ群の焦点距離を示す。
【0018】
本発明によれば、光学系全系の小型化を実現するとともに、結像性能をより向上させることができる。
【0019】
さらに、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズは、前記発明において、以下に示す条件式を満足することを特徴とする。
(3) 0.10≦|βr×(1−βv)|≦1.36
ただし、βrは前記防振補正レンズよりも物体側に位置するレンズ全体の合成横倍率、βvは前記防振補正レンズの横倍率を示す。
【0020】
本発明によれば、防振補正機能を備えた、より小型のインナーフォーカス式レンズを提供することができる。
【0021】
さらに、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズは、前記発明において、前記第3レンズ群の最も像面側には、像面側に凸面を向けた負のメニスカスレンズが配置されていることを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、光学系後方(像面側)の口径の小型化を促進するとともに、結像性能を向上させることができる。
【0023】
さらに、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズは、前記発明において、前記防振補正レンズが、前記第2レンズ群に隣接配置されていることを特徴とする。
【0024】
本発明によれば、防振補正レンズの小型、軽量化を図ることができる。
【0025】
さらに、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズは、前記発明において、以下に示す条件式を満足することを特徴とする。
(4) 0.16≦L1s/L≦0.60
ただし、L1sは前記第1レンズ群の最物体側面から開口絞りまでの軸上距離、Lは光学系全長を示す。
【0026】
本発明によれば、高い結像性能を維持しながら、光学系口径の小型化を実現することができる。また、ウォブリングによる撮影倍率の変化を抑制し、動画撮影にも好適なインナーフォーカス式レンズを実現することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、小型、軽量のフォーカス群および防振群を備えた、高い結像性能を有する小型、広角のインナーフォーカス式レンズを提供することができるという効果を奏する。また、動画撮影にも好適なインナーフォーカス式レンズを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0030】
本発明にかかるインナーフォーカス式レンズは、物体側から順に配置された、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、からなっている。
【0031】
本発明にかかるインナーフォーカス式レンズでは、第2レンズ群を光軸に沿って移動させることにより、無限遠物体合焦状態から最至近距離物体合焦状態までのフォーカシングを行う。このように、第2レンズ群を移動させてフォーカシングを行うことで、光学系全長の変化がなく、防塵、防音性能が高められる。
【0032】
特に、フォーカス群である第2レンズ群は、単レンズ成分で構成されることが好ましい。第2レンズ群を単レンズ成分とすることでフォーカス群の小型、軽量化が達成され、高速のフォーカシングが可能となって、動画撮影に有効である。また、フォーカス群の小型、軽量化を図ることにより、フォーカス群の駆動をつかさどる駆動手段の負荷も減少し、省電力化に資することになる。
【0033】
なお、単レンズ成分とは、単一の研磨レンズや、非球面レンズ、複合非球面レンズ、接合レンズを含み、空気層をもち互いに接着されていない、たとえば正負の2枚レンズなどは含まない。
【0034】
また、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズでは、第1レンズ群の最も物体側には負のメニスカスレンズが配置される。このようにすることで、第1レンズ群の口径の小型化を達成することができるとともに、広角化で課題となる軸外の収差、特に歪曲収差の補正にも有効である。
【0035】
また、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズでは、第1レンズ群または第3レンズ群中に、光軸に対して垂直方向へ移動させることで防振補正を行う単レンズ成分からなる防振補正レンズを備えている。防振補正レンズが単レンズ成分であることにより、防振補正レンズの軽量化を図り、防振補正時の防振補正レンズの停止位置精度を高め、良好な防振補正を実現することができる。
【0036】
さらに、本発明では、小型、軽量のフォーカス群および防振群を備えた、高い結像性能を有する小型、広角のインナーフォーカス式レンズを実現するため、上記特徴に加え、以下に示すような各種条件を設定している。
【0037】
まず、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズでは、無限遠物体合焦状態における第1レンズ群の焦点距離をf1、無限遠物体合焦状態における光学系全系の焦点距離をfとするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(1) 0.34≦f1/f≦1.48
【0038】
条件式(1)は、光学系の小型化を図り、結像性能を向上させるための条件を示すものである。条件式(1)においてその下限を下回ると、第1レンズ群の焦点距離が短くなって、球面収差がアンダー側に過大となるばかりか、後続するレンズ群の近軸結像倍率が大きくなって、後玉径が拡大し光学系の大型化につながり、好ましくない。一方、条件式(1)においてその上限を超えると、第1レンズ群の焦点距離が長くなって、光学系全長が増大し、光学系の小型化を図ることが困難になる。
【0039】
なお、上記条件式(1)は、次に示す範囲を満足すると、より好ましい効果が期待できる。
(1a) 0.46≦f1/f≦1.27
この条件式(1a)で規定する範囲を満足することにより、小型で、より優れた結像性能を備えたインナーフォーカス式レンズを実現することができる。
【0040】
さらに、上記条件式(1a)は、次に示す範囲を満足すると、より小型、高性能なインナーフォーカス式レンズを実現することができる。
(1b) 0.57≦f1/f≦1.06
【0041】
さらに、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズでは、無限遠物体合焦状態における第3レンズ群の焦点距離をf3、無限遠物体合焦状態における光学系全系の焦点距離をfとするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(2) 0.82≦f3/f≦3.81
【0042】
条件式(2)は、無限遠物体合焦状態における、第3レンズ群の焦点距離と光学系全系の焦点距離との比を規定する式である。条件式(2)を満足することにより、第3レンズ群の屈折力が適正なものとなり、光学系全長の短縮を図るとともに、良好な結像性能を有する明るい光学系を実現することができる。
【0043】
条件式(2)においてその下限を下回ると、第3レンズ群の屈折力が強くなるため、コマ収差、歪曲収差を補正することが困難になり、良好な結像性能を維持することができない。一方、条件式(2)においてその上限を超えると、第3レンズ群の屈折力が弱くなる。この場合、当該光学系全体におけるFナンバーが大きくなる傾向にあり、明るい光学系を得ることができない。この状態で明るい光学系を実現するためには、開口絞りを大きく開く必要がある。しかし、開口絞りを大きく開くと発生する諸収差の発生が顕著になることから、結像性能の良好な光学系を実現するためには、収差補正のために要するレンズ枚数が増加する。特に、第1レンズ群を構成するレンズの枚数を増加させる必要がある。光学系を構成するレンズ枚数が多くなると、光学系の小型、軽量化を図ることが困難になるため、好ましくない。
【0044】
なお、上記条件式(2)は、次に示す範囲を満足すると、より好ましい効果が期待できる。
(2a) 1.10≦f3/f≦3.26
この条件式(2a)で規定する範囲を満足することにより、小型で、より優れた結像性能を備えたインナーフォーカス式レンズを実現することができる。
【0045】
さらに、上記条件式(2a)は、次に示す範囲を満足すると、より小型、高性能なインナーフォーカス式レンズを実現することができる。
(2b) 1.37≦f3/f≦2.72
【0046】
さらに、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズでは、防振補正レンズよりも物体側に位置するレンズ全体の合成横倍率をβr、防振補正レンズの横倍率をβvとするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(3) 0.10≦|βr×(1−βv)|≦1.36
【0047】
条件式(3)は、小型の防振補正機能付きインナーフォーカス式レンズを実現するための条件を示すものである。条件式(3)においてその下限を下回ると、防振補正レンズを含むレンズ群より像面側に配置されているレンズ全体の合成結像倍率が大きくなるため、光学系のバックフォーカスが長くなり、光学系全長が増大する。一方、条件式(3)においてその上限を超えると、防振補正時の防振補正レンズの移動量が増加し、光学系口径が大きくなる。いずれにしても、光学系の小型化が阻害されるため、好ましくない。
【0048】
なお、上記条件式(3)は、次に示す範囲を満足すると、より好ましい効果が期待できる。
(3a) 0.13≦|βr×(1−βv)|≦1.17
この条件式(3a)で規定する範囲を満足することにより、より小型の防振補正機能付きインナーフォーカス式レンズを実現することができる。
【0049】
さらに、上記条件式(3a)は、次に示す範囲を満足すると、より一層小型の防振補正機能付きインナーフォーカス式レンズを実現することができる。
(3b) 0.16≦|βr×(1−βv)|≦0.97
【0050】
さらに、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズでは、第3レンズ群の最も像面側に、像面側に凸面を向けた負のメニスカスレンズを配置するとよい。
【0051】
このようにすることで、ミラーレス一眼カメラ等に用いるショートフランジバックの光学系の小型化で課題となる像面側のレンズ口径の拡大を抑制できることに加え、像面湾曲および歪曲収差を良好に補正することができる。
【0052】
また、像面側に凸面を向けることにより、像面側に凹面を向ける場合と異なり、撮像素子面における反射光が負のメニスカスレンズの像面側面で反射して、これらの面間で多重反射を繰り返し、多重反射光が撮像素子面において再結像することを防ぐことができる。このため、ゴースト等を抑制するうえでも有利になり、良好な結像性能を有するインナーフォーカス式レンズを実現することができる。
【0053】
さらに、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズでは、防振補正レンズが、第2レンズ群に隣接配置されていることが好ましい。
【0054】
防振補正能力を向上させるためには、防振補正時の防振補正レンズの停止位置精度を高める必要がある。このためには、防振補正レンズの軽量化が求められる。防振補正レンズの軽量化にためには、当該防振補正レンズの口径の小型化を図ることが有効である。
【0055】
そこで、正負正の3群構成である本発明にかかるインナーフォーカス式レンズでは、防振補正レンズを光学系中の光線径が最も小さくなる負レンズ群である第2レンズ群に隣接配置することで、防振補正レンズの口径の小型化を図ることができる。このようにすることで、防振補正レンズを単レンズ成分で構成することに加え、口径の小型化を図ることで、防振補正レンズの小型、軽量化を実現することができる。また、防振補正レンズの小型、軽量化を図ることにより、防振補正レンズの駆動をつかさどる駆動手段の負荷も減少し、省電力化に資することになる。
【0056】
さらに、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズでは、第1レンズ群の最物体側面から開口絞りまでの軸上距離をL1s、光学系全長をLとするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(4) 0.16≦L1s/L≦0.60
【0057】
条件式(4)は、高い結像性能を維持しながら、光学系口径の小型化を実現するための条件を示すものである。条件式(4)を満足することで、光学系全長に対する開口絞りの適切な位置を規定して、光学系の小型化を実現することができる。また、条件式(4)を満足することで、開口絞りに対して後方(像面側)にフォーカス群である第2レンズ群を配置することができ、ウォブリングによる撮影倍率の変化を抑制することができる。
【0058】
条件式(4)においてその下限を下回ると、開口絞りが物体側に近づきすぎて像面側のレンズ口径が拡大するばかりか、後群における軸外収差、主に歪曲収差の発生が顕著になるため、好ましくない。一方、条件式(4)においてその上限を超えると、開口絞りが像面側に近づきすぎて、前玉の有効径の拡大につながり、光学系の小型化には好ましくない。
【0059】
なお、上記条件式(4)は、次に示す範囲を満足すると、より好ましい効果が期待できる。
(4a) 0.21≦L1s/L≦0.52
この条件式(4a)で規定する範囲を満足することにより、高い結像性能を維持しながら、より光学系口径の小型化を実現することができる。
【0060】
さらに、上記条件式(4a)は、次に示す範囲を満足すると、さらなる光学系口径の小型化を実現することができる。
(4b) 0.26≦L1s/L≦0.43
【0061】
以上説明したように、本発明によれば、小型、軽量のフォーカス群および防振群を備えた、高い結像性能を有する小型、広角のインナーフォーカス式レンズを提供することができる。特に、上記各条件式を満足することで、動画撮影に好適な、より小型で高い結像性能を有するインナーフォーカス方式レンズを実現することができる。
【0062】
以下、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズの実施例を図面に基づき詳細に説明する。なお、以下の実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0063】
図1は、実施例1にかかるインナーフォーカス式レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。
図1は、無限遠物体合焦状態を示している。このインナーフォーカス式レンズは、図示しない物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G
11と、負の屈折力を有する第2レンズ群G
12と、正の屈折力を有する第3レンズ群G
13と、が配置されて構成される。
【0064】
第1レンズ群G
11は、物体側から順に、負のメニスカスレンズL
111と、所定の口径を規定する開口絞りSと、正レンズL
112と、負レンズL
113と、が配置されて構成される。負のメニスカスレンズL
111は、凸面を物体側に向けて配置されている。正レンズL
112の両面には、非球面が形成されている。負レンズL
113は、防振補正レンズとしての機能を備えており、光軸に対して垂直方向へ移動することで防振補正を行う。
【0065】
第2レンズ群G
12は、負レンズL
121により構成されている。負レンズL
121の両面には、非球面が形成されている。第2レンズ群G
12は、光軸に沿って物体側から像面IMG側へ移動することにより、無限遠物体合焦状態から最至近距離物体合焦状態までのフォーカシングを行う。
【0066】
第3レンズ群G
13は、物体側から順に、正レンズL
131と、負のメニスカスレンズL
132と、が配置されて構成される。負のメニスカスレンズL
132は、凸面を像面IMG側に向けて配置されている。負のメニスカスレンズL
132の両面には、非球面が形成されている。
【0067】
以下、実施例1にかかるインナーフォーカス式レンズに関する各種数値データを示す。
【0068】
(レンズデータ)
r
1=113.2282
d
1=1.2000 nd
1=1.48749 νd
1=70.44
r
2=17.4489
d
2=30.8462
r
3=∞(開口絞り)
d
3=1.5000
r
4=21.5581(非球面)
d
4=6.0374 nd
2=1.82080 νd
2=42.71
r
5=-37.5027(非球面)
d
5=0.5000
r
6=-124.0286
d
6=0.7000 nd
3=1.84666 νd
3=23.78
r
7=51.8966
d
7=D(7)(可変)
r
8=660.0942(非球面)
d
8=1.0000 nd
4=1.68893 νd
4=31.16
r
9=27.1042(非球面)
d
9=D(9)(可変)
r
10=35.4279
d
10=5.3771 nd
5=1.49700 νd
5=81.61
r
11=-23.5064
d
11=11.0398
r
12=-24.2416(非球面)
d
12=1.2000 nd
6=1.68893 νd
6=31.16
r
13=-71.3343(非球面)
d
13=Bf
【0069】
円錐係数(k)および非球面係数(A
4,A
6,A
8,A
10)
(第4面)
k=0,
A
4=-6.22999×10
-6,A
6=-8.29140×10
-9,
A
8=6.14663×10
-11,A
10=1.45011×10
-13
(第5面)
k=0,
A
4=2.38586×10
-5,A
6=-1.56222×10
-8,
A
8=1.10314×10
-10,A
10=-2.66652×10
-13
(第8面)
k=0,
A
4=3.39396×10
-5,A
6=-2.16547×10
-7,
A
8=9.74072×10
-10,A
10=-3.49597×10
-12
(第9面)
k=0,
A
4=4.92320×10
-5,A
6=-1.80536×10
-7,
A
8=1.03819×10
-9,A
10=-3.16605×10
-12
(第12面)
k=0,
A
4=-5.34457×10
-5,A
6=2.71957×10
-7,
A
8=-1.21898×10
-9,A
10=2.80044×10
-13
(第13面)
k=0,
A
4=-2.95059×10
-5,A
6=2.76801×10
-7,
A
8=-1.14673×10
-9,A
10=1.58937×10
-12
【0070】
(各合焦状態の数値データ)
無限遠 最至近距離(物体距離165mm)
D(7) 1.5024 4.6450
D(9) 6.5972 3.4546
f(光学系全系の焦点距離) 24.2505 23.6710
Fno.(Fナンバー) 2.0600 2.1925
ω(半画角) 42.9614 40.9431
Bf(バックフォーカス) 17.5000 17.5000
【0071】
(条件式(1)に関する数値)
f1(無限遠物体合焦状態における第1レンズ群G
11の焦点距離)=23.2809
f1/f=0.96
【0072】
(条件式(2)に関する数値)
f3(無限遠物体合焦状態における第3レンズ群G
13の焦点距離)=42.9234
f3/f=1.77
【0073】
(条件式(3)に関する数値)
βr(防振補正レンズ(負レンズL
113)よりも物体側に位置するレンズ全体の合成横倍率)=1.0412
βv(防振補正レンズ(負レンズL
113)の横倍率)=1.8479
|βr×(1−βv)|=0.88
【0074】
(条件式(4)に関する数値)
L1s(第1レンズ群G
11の最物体側面から開口絞りSまでの軸上距離)=32.0462
L(光学系全長)=85.0001
L1s/L=0.38
【0075】
図2は、実施例1にかかるインナーフォーカス式レンズの諸収差図である。図中、曲線はe線(λ=546.074nm)に相当する波長の収差を表す。また、非点収差図におけるS,Mは、それぞれサジタル像面、メリディオナル像面に対する収差を表す。
【実施例2】
【0076】
図3は、実施例2にかかるインナーフォーカス式レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。
図3は、無限遠物体合焦状態を示している。このインナーフォーカス式レンズは、図示しない物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G
21と、負の屈折力を有する第2レンズ群G
22と、正の屈折力を有する第3レンズ群G
23と、が配置されて構成される。
【0077】
第1レンズ群G
21は、物体側から順に、負のメニスカスレンズL
211と、所定の口径を規定する開口絞りSと、正レンズL
212と、正レンズL
213と、が配置されて構成される。負のメニスカスレンズL
211は、凸面を物体側に向けて配置されている。正レンズL
212の両面には、非球面が形成されている。正レンズL
213は、防振補正レンズとしての機能を備えており、光軸に対して垂直方向へ移動することで防振補正を行う。
【0078】
第2レンズ群G
22は、負レンズL
221により構成されている。負レンズL
221の両面には、非球面が形成されている。第2レンズ群G
22は、光軸に沿って物体側から像面IMG側へ移動することにより、無限遠物体合焦状態から最至近距離物体合焦状態までのフォーカシングを行う。
【0079】
第3レンズ群G
23は、物体側から順に、正レンズL
231と、負のメニスカスレンズL
232と、が配置されて構成される。負のメニスカスレンズL
232は、凸面を像面IMG側に向けて配置されている。負のメニスカスレンズL
232の両面には、非球面が形成されている。
【0080】
以下、実施例2にかかるインナーフォーカス式レンズに関する各種数値データを示す。
【0081】
(レンズデータ)
r
1=50.7966
d
1=1.2000 nd
1=1.65844 νd
1=50.85
r
2=16.4740
d
2=28.9459
r
3=∞(開口絞り)
d
3=1.5000
r
4=25.9067(非球面)
d
4=6.3217 nd
2=1.82080 νd
2=42.71
r
5=-53.0773(非球面)
d
5=1.6170
r
6=60.7371
d
6=1.7262 nd
3=1.83481 νd
3=42.72
r
7=87.3487
d
7=D(7)(可変)
r
8=108.5200(非球面)
d
8=1.0000 nd
4=1.82115 νd
4=24.06
r
9=16.1465(非球面)
d
9=D(9)(可変)
r
10=35.3691
d
10=5.9722 nd
5=1.49700 νd
5=81.61
r
11=-21.3423
d
11=11.3254
r
12=-14.6475(非球面)
d
12=1.2000 nd
6=1.68893 νd
6=31.16
r
13=-22.5821(非球面)
d
13=Bf
【0082】
円錐係数(k)および非球面係数(A
4,A
6,A
8,A
10)
(第4面)
k=0,
A
4=-1.19735×10
-5,A
6=1.30026×10
-8,
A
8=-1.46375×10
-12,A
10=1.12146×10
-12
(第5面)
k=0,
A
4=8.80828×10
-6,A
6=-2.81490×10
-8,
A
8=3.74731×10
-10,A
10=7.37631×10
-14
(第8面)
k=0,
A
4=-2.84488×10
-5,A
6=-1.38681×10
-7,
A
8=2.17840×10
-9,A
10=-9.94443×10
-12
(第9面)
k=0,
A
4=-2.96055×10
-5,A
6=-1.89514×10
-7,
A
8=1.95330×10
-9,A
10=-1.16569×10
-11
(第12面)
k=0,
A
4=3.05501×10
-4,A
6=-1.98913×10
-6,
A
8=8.91545×10
-9,A
10=-1.40504×10
-11
(第13面)
k=0,
A
4=2.76920×10
-4,A
6=-1.85115×10
-6,
A
8=7.58787×10
-9,A
10=-1.34483×10
-11
【0083】
(各合焦状態の数値データ)
無限遠 最至近距離(物体距離165mm)
D(7) 1.2067 2.5556
D(9) 5.4849 4.1360
f(光学系全系の焦点距離) 24.2496 23.3660
Fno.(Fナンバー) 2.0600 2.1468
ω(半画角) 42.7201 41.2990
Bf(バックフォーカス) 17.5000 17.5000
【0084】
(条件式(1)に関する数値)
f1(無限遠物体合焦状態における第1レンズ群G
21の焦点距離)=15.5197
f1/f=0.64
【0085】
(条件式(2)に関する数値)
f3(無限遠物体合焦状態における第3レンズ群G
23の焦点距離)=37.1019
f3/f=1.53
【0086】
(条件式(3)に関する数値)
βr(防振補正レンズ(正レンズL
213)よりも物体側に位置するレンズ全体の合成横倍率)=1.5677
βv(防振補正レンズ(正レンズL
213)の横倍率)=0.8843
|βr×(1−βv)|=0.18
【0087】
(条件式(4)に関する数値)
L1s(第1レンズ群G
21の最物体側面から開口絞りSまでの軸上距離)=30.1459
L(光学系全長)=85.0
L1s/L=0.35
【0088】
図4は、実施例2にかかるインナーフォーカス式レンズの諸収差図である。図中、曲線はe線(λ=546.074nm)に相当する波長の収差を表す。また、非点収差図におけるS,Mは、それぞれサジタル像面、メリディオナル像面に対する収差を表す。
【実施例3】
【0089】
図5は、実施例3にかかるインナーフォーカス式レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。
図5は、無限遠物体合焦状態を示している。このインナーフォーカス式レンズは、図示しない物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G
31と、負の屈折力を有する第2レンズ群G
32と、正の屈折力を有する第3レンズ群G
33と、が配置されて構成される。
【0090】
第1レンズ群G
31は、物体側から順に、負のメニスカスレンズL
311と、所定の口径を規定する開口絞りSと、正レンズL
312と、が配置されて構成される。負のメニスカスレンズL
311は、凸面を物体側に向けて配置されている。正レンズL
312の両面には、非球面が形成されている。
【0091】
第2レンズ群G
32は、負レンズL
321により構成されている。負レンズL
321の両面には、非球面が形成されている。第2レンズ群G
32は、光軸に沿って物体側から像面IMG側へ移動することにより、無限遠物体合焦状態から最至近距離物体合焦状態までのフォーカシングを行う。
【0092】
第3レンズ群G
33は、物体側から順に、負レンズL
331と、正レンズL
332と、負のメニスカスレンズL
333と、が配置されて構成される。負レンズL
331の両面には、非球面が形成されている。負レンズL
331は、防振補正レンズとしての機能を備えており、光軸に対して垂直方向へ移動することで防振補正を行う。負のメニスカスレンズL
333は、凸面を像面IMG側に向けて配置されている。負のメニスカスレンズL
333の両面には、非球面が形成されている。
【0093】
以下、実施例3にかかるインナーフォーカス式レンズに関する各種数値データを示す。
【0094】
(レンズデータ)
r
1=59.9809
d
1=1.2000 nd
1=1.62041 νd
1=60.34
r
2=16.7464
d
2=23.3740
r
3=∞(開口絞り)
d
3=7.2000
r
4=23.4500(非球面)
d
4=5.7158 nd
2=1.82080 νd
2=42.71
r
5=-53.3571(非球面)
d
5=D(5)(可変)
r
6=69.2565(非球面)
d
6=0.7000 nd
3=1.82115 νd
3=24.06
r
7=18.5013(非球面)
d
7=D(7)(可変)
r
8=33.2931(非球面)
d
8=1.0000 nd
4=1.68893 νd
4=31.16
r
9=26.3278(非球面)
d
9=1.5000
r
10=36.1037
d
10=6.0682 nd
5=1.49700 νd
5=81.61
r
11=-20.6114
d
11=11.1149
r
12=-21.5561(非球面)
d
12=1.2000 nd
6=1.68893 νd
6=31.16
r
13=-68.3787(非球面)
d
13=Bf
【0095】
円錐係数(k)および非球面係数(A
4,A
6,A
8,A
10)
(第4面)
k=0,
A
4=-1.66004×10
-5,A
6=-5.43170×10
-8,
A
8=2.00939×10
-10,A
10=-4.95458×10
-13
(第5面)
k=0,
A
4=-1.91576×10
-6,A
6=5.81292×10
-8,
A
8=-3.75639×10
-10,A
10=6.81515×10
-13
(第6面)
k=0,
A
4=3.38272×10
-6,A
6=-2.76388×10
-8,
A
8=-1.13900×10
-9,A
10=9.00318×10
-13
(第7面)
k=0,
A
4=2.39738×10
-5,A
6=-1.08643×10
-7,
A
8=-7.56657×10
-10,A
10=-4.37423×10
-12
(第8面)
k=0,
A
4=-8.15146×10
-6,A
6=-1.81322×10
-7,
A
8=2.19877×10
-9,A
10=-7.48481×10
-12
(第9面)
k=0,
A
4=-1.20490×10
-5,A
6=-2.01960×10
-7,
A
8=2.14883×10
-9,A
10=-6.88228×10
-12
(第12面)
k=0,
A
4=-5.35091×10
-5,A
6=2.40846×10
-7,
A
8=-1.22462×10
-9,A
10=2.2011×10
-12
(第13面)
k=0,
A
4=-3.96839×10
-5,A
6=2.38572×10
-7,
A
8=-9.426×10
-10,A
10=1.69354×10
-12
【0096】
(各合焦状態の数値データ)
無限遠 最至近距離(物体距離215mm)
D(5) 1.5064 2.5986
D(7) 6.9207 5.8284
f(光学系全系の焦点距離) 24.2465 23.4634
Fno.(Fナンバー) 2.0733 2.1222
ω(半画角) 43.3199 42.9121
Bf(バックフォーカス) 17.5000 17.5000
【0097】
(条件式(1)に関する数値)
f1(無限遠物体合焦状態における第1レンズ群G
31の焦点距離)=15.7602
f1/f=0.65
【0098】
(条件式(2)に関する数値)
f3(無限遠物体合焦状態における第3レンズ群G
33の焦点距離)=54.5546
f3/f=2.25
【0099】
(条件式(3)に関する数値)
βr(防振補正レンズ(負レンズL
331)よりも物体側に位置するレンズ全体の合成横倍率)=0.1132
βv(防振補正レンズ(負レンズL
331)の横倍率)=2.6018
|βr×(1−βv)|=0.18
【0100】
(条件式(4)に関する数値)
L1s(第1レンズ群G
31の最物体側面から開口絞りSまでの軸上距離)=24.5740
L(光学系全長)=85.0
L1s/L=0.29
【0101】
図6は、実施例3にかかるインナーフォーカス式レンズの諸収差図である。図中、曲線はe線(λ=546.074nm)に相当する波長の収差を表す。また、非点収差図におけるS,Mは、それぞれサジタル像面、メリディオナル像面に対する収差を表す。
【実施例4】
【0102】
図7は、実施例4にかかるインナーフォーカス式レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。
図7は、無限遠物体合焦状態を示している。このインナーフォーカス式レンズは、図示しない物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G
41と、負の屈折力を有する第2レンズ群G
42と、正の屈折力を有する第3レンズ群G
43と、が配置されて構成される。
【0103】
第1レンズ群G
41は、物体側から順に、負のメニスカスレンズL
411と、正レンズL
412と、負レンズL
413と、負レンズL
414と、正レンズL
415と、所定の口径を規定する開口絞りSと、正レンズL
416と、が配置されて構成される。負のメニスカスレンズL
411は、凸面を物体側に向けて配置されている。正レンズL
412と負レンズL
413とは、接合されている。負レンズL
414と正レンズL
415とは、接合されている。正レンズL
416の両面には、非球面が形成されている。
【0104】
第2レンズ群G
42は、負レンズL
421により構成されている。負レンズL
421の両面には、非球面が形成されている。第2レンズ群G
42は、光軸に沿って物体側から像面IMG側へ移動することにより、無限遠物体合焦状態から最至近距離物体合焦状態までのフォーカシングを行う。
【0105】
第3レンズ群G
43は、物体側から順に、正レンズL
431と、正レンズL
432と、負のメニスカスレンズL
433と、が配置されて構成される。正レンズL
431は、防振補正レンズとしての機能を備えており、光軸に対して垂直方向へ移動することで防振補正を行う。正レンズL
432の両面には、非球面が形成されている。負のメニスカスレンズL
433は、凸面を像面IMG側に向けて配置されている。負のメニスカスレンズL
433の両面には、非球面が形成されている。
【0106】
以下、実施例4にかかるインナーフォーカス式レンズに関する各種数値データを示す。
【0107】
(レンズデータ)
r
1=31.5654
d
1=1.4000 nd
1=1.59349 νd
1=67.00
r
2=16.6857
d
2=6.7441
r
3=30.6835
d
3=4.9298 nd
2=1.92286 νd
2=20.88
r
4=196.4467
d
4=1.5000 nd
3=1.49700 νd
3=81.61
r
5=12.0646
d
5=8.5002
r
6=-39.4077
d
6=0.9500 nd
4=1.84666 νd
4=23.78
r
7=18.3311
d
7=5.2475 nd
5=1.83481 νd
5=42.72
r
8=-37.1613
d
8=5.3995
r
9=∞(開口絞り)
d
9=1.3000
r
10=33.7647(非球面)
d
10=7.2414 nd
6=1.61881 νd
6=63.86
r
11=-20.5786(非球面)
d
11=D(11)(可変)
r
12=101.3252(非球面)
d
12=0.7000 nd
7=1.58313 νd
7=59.46
r
13=19.7653(非球面)
d
13=D(13)(可変)
r
14=60.8684
d
14=2.0222 nd
8=1.49700 νd
8=81.61
r
15=1468.5933
d
15=1.5500
r
16=185.2329(非球面)
d
16=3.8000 nd
9=1.49710 νd
9=81.56
r
17=-42.9547(非球面)
d
17=10.3904
r
18=-17.3765(非球面)
d
18=1.2000 nd
10=1.62263 νd
10=58.16
r
19=-21.4062(非球面)
d
19=Bf
【0108】
円錐係数(k)および非球面係数(A
4,A
6,A
8,A
10)
(第10面)
k=0,
A
4=-2.12096×10
-5,A
6=-2.32683×10
-8,
A
8=7.54664×10
-11,A
10=0
(第11面)
k=0,
A
4=1.66117×10
-5,A
6=-3.99193×10
-8,
A
8=1.28760×10
-10,A
10=0
(第12面)
k=0,
A
4=-2.20256×10
-6,A
6=-1.17681×10
-7,
A
8=3.58823×10
-10,A
10=-3.78077×10
-13
(第13面)
k=0,
A
4=4.82922×10
-6,A
6=-1.20093×10
-7,
A
8=1.06466×10
-10,A
10=-5.93216×10
-13
(第16面)
k=0,
A
4=5.93514×10
-5,A
6=-1.01507×10
-8,
A
8=-5.11953×10
-11,A
10=5.32827×10
-13
(第17面)
k=0,
A
4=3.95560×10
-5,A
6=-7.04346×10
-8,
A
8=-1.18331×10
-10,A
10=3.11147×10
-13
(第18面)
k=0,
A
4=0.000197062,A
6=-1.48374×10
-6,
A
8=4.30243×10
-9,A
10=-9.11363×10
-12
(第19面)
k=0,
A
4=0.000202908,A
6=-1.23492×10
-6,
A
8=3.23871×10
-9,A
10=-2.16836×10
-12
【0109】
(各合焦状態の数値データ)
無限遠 最至近距離(物体距離110.5mm)
D(11) 1.4993 4.6395
D(13) 8.1256 4.9855
f(光学系全系の焦点距離) 24.2502 23.1966
Fno.(Fナンバー) 2.0600 2.0600
ω(半画角) 41.9023 39.5710
Bf(バックフォーカス) 17.0000 17.0000
【0110】
(条件式(1)に関する数値)
f1(無限遠物体合焦状態における第1レンズ群G
41の焦点距離)=18.4302
f1/f=0.76
【0111】
(条件式(2)に関する数値)
f3(無限遠物体合焦状態における第3レンズ群G
43の焦点距離)=59.8980
f3/f=2.47
【0112】
(条件式(3)に関する数値)
βr(防振補正レンズ(正レンズL
431)よりも物体側に位置するレンズ全体の合成横倍率)=0.7147
βv(防振補正レンズ(正レンズL
431)の横倍率)=0.6447
|βr×(1−βv)|=0.25
【0113】
(条件式(4)に関する数値)
L1s(第1レンズ群G
41の最物体側面から開口絞りSまでの軸上距離)=34.6711
L(光学系全長)=89.5
L1s/L=0.39
【0114】
図8は、実施例4にかかるインナーフォーカス式レンズの諸収差図である。図中、曲線はe線(λ=546.074nm)に相当する波長の収差を表す。また、非点収差図におけるS,Mは、それぞれサジタル像面、メリディオナル像面に対する収差を表す。
【0115】
なお、上記各実施例中の数値データにおいて、r
1,r
2,・・・・は各レンズ、絞り面などの曲率半径、d
1,d
2,・・・・は各レンズ、絞りなどの肉厚またはそれらの面間隔、nd
1,nd
2,・・・・は各レンズのd線(λ=587.56nm)に対する屈折率、νd
1,νd
2,・・・・は各レンズのd線(λ=587.56nm)に対するアッベ数を示している。そして、長さの単位はすべて「mm」、角度の単位はすべて「°」である。
【0116】
また、上記各非球面形状は、非球面の深さをZ、曲率をc(1/r)、光軸からの高さをh、円錐係数をk、4次,6次,8次,10次の非球面係数をそれぞれA
4,A
6,A
8,A
10とし、光の進行方向を正とするとき、以下に示す式により表される。
【0117】
【数1】
【0118】
上記各実施例には、35mmフィルムカメラ換算で25mmの焦点距離をもつインナーフォーカス式レンズの一例を示した。上記各実施例のインナーフォーカス式レンズは、フォーカス群および防振群の小型、軽量化を図ることで、動画撮影に欠かせない高速なオートフォーカス処理や防振補正を良好に行うことが可能になる。特に、上記各条件式を満足することで、動画撮影に好適な、小型、広角で高い結像性能を有するインナーフォーカス方式レンズを実現することができる。