【課題】対戦に参加してこない不参加チームの発生を抑制することで、チーム対戦の興趣性や趣向性を増大させることができ、且つ、プレイヤのゲームへの参加意識や継続意欲を高めることが可能なソーシャルゲーム等を提供する。
【解決手段】ギルド状況判断部1400は、各プレイヤのログイン状態の検知結果に基づき、各ギルドが非活性状態にあるか、活性状態にあるかを判断する。ギルド統括制御部1100は、状況判断部1400から通知されるギルド活動情報に基づき、非活性状態にあると判断されたギルド(すなわち非活性ギルド)を強制的に解散させ、解散通知部1130は、非活性ギルドの所属プレイヤに対して、所属していたギルドが解散された旨の通知を行う。
複数のプレイヤのそれぞれが所属するグループ同士の対戦ゲームを、通信回線を介して前記プレイヤが操作する前記端末装置に提供するサーバ装置が行うゲームの制御方法であって、
前記グループの活動状況が、活性状態にあるか又は非活性状態にあるかを判断するための判断基準に基づいて、前記各グループの活動状況を判断する判断ステップと、
前記判断ステップにおいて前記非活性状態にあると判断された前記グループを解散させるグループ統括制御ステップと
を備えるゲームの制御方法。
前記判断基準は、(1)一定期間以上、前記グループが他グループとの対戦がないこと、(2)一定期間以上、前記グループに所属する前記プレイヤの前記対戦ゲームへのログインがないこと、(3)一定期間以上、前記グループに所属する前記プレイヤの数が一定数を下回っていること、の少なくともいずれかである、請求項1に記載のゲームの制御方法。
複数のプレイヤのそれぞれが所属するグループ同士の対戦ゲームを、通信回線を介して前記プレイヤが操作する前記端末装置に提供するサーバ装置が行うゲームの制御方法であって、
いずれのグループにも所属していない無所属プレイヤの活動状況を検知し、検知結果と前記無所属プレイヤに関わるプレイヤ判断情報とを比較することにより、前記無所属プレイヤを前記新規グループの所属プレイヤ候補として認めるか否かを判断する判断ステップと、
前記所属プレイヤ候補と認められた前記無所属プレイヤに関わるパラメータが、設定条件を満たした場合に、前記新規グループを生成する生成ステップと
を備えるゲームの制御方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したリーグ戦を採用することで、各チームに所属するプレイヤの参戦意欲を奮起することは可能となる。しかしながら、同一リーグに属するチームが対戦に参加してこない(例えば、対戦モードに突入しても、そのチームから一切攻撃がない)場合には、相手チームの各プレイヤは、チーム間での攻撃・防御を繰り返すことによって得られるゲームの醍醐味や、連携プレイなどを通じて得られるプレイヤの連帯感などを一切得ることができず、ゲームへの参加意欲を喪失してしまう、という問題が指摘されていた。
【0007】
本発明は、以上説明した事情を鑑みてなされたものであり、対戦に参加してこない不参加チームの発生を抑制することで、チーム対戦の興趣性や趣向性を増大させることができ、その結果、ゲーム全体の活性化を図り、且つ、プレイヤのゲームへの参加意識や継続意欲を高めることが可能なソーシャルゲームを提供するゲームの制御方法、及びプログラムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明によるゲームの制御方法は、複数のプレイヤのそれぞれが所属するグループ同士の対戦ゲームを、通信回線を介してプレイヤが操作する端末装置に提供するサーバ装置が行うゲームの制御方法であって、グループの活動状況が、活性状態にあるか又は非活性状態にあるかを判断するための判断基準に基づいて、各グループの活動状況を判断する判断ステップと、判断ステップにおいて非活性状態にあると判断されたグループを解散させるグループ統括制御ステップとを備えている。
【0009】
ここで、「プレイヤ」とは、端末装置を操作するユーザであり、いわゆるクライアント−サーバシステムのクライアントにも該当する概念であって、サーバ装置のユーザ(サーバ管理者等)と区別する観点からも、これを「プレイヤ」と表記する。また、プレイヤは、一般に、自身に代えて、仮想的なゲーム空間において活動、行動、思考等するキャラクタやそれに関連付けられた適宜のゲーム媒体(以下、合わせてプレイヤキャラクタという)を通して、ゲームに参加し得る。よって、本開示において「プレイヤ」という場合、厳密にはプレイヤキャラクタを主位的に示すことがあるが、以下では単に「プレイヤ」と表記することもある。
【0010】
また、「グループ」としては、例えば、一般的な称呼として、種々の趣向を凝らした「ギルド」、「パーティ」、「チーム」、「コミュニティ」といった複数の構成員(メンバ)を有する仮想的な集合体等が挙げられる。このような「グループ」は、ゲームタイトル毎に作成・結成されてもよいし、或いは、複数のゲームタイトルを横断するような共通グループや共用グループとして、例えばプラットフォーム毎に作成・結成されてもよい。
【0011】
そして、判断ステップにおいては、各ギルドの活動状況を把握するべく、各ギルドが活性状態にあるか、非活性状態にあるかを判断する。ここで、例えばギルド対戦への参加が認められない等の理由により、ギルドとして活動が認められないと判断されると、そのギルドは、グループ統括制御部によって強制的に解散させられる。これにより、現状の問題、すなわち、ギルド対戦の開始時間が到来しても、対戦相手のギルドが存在しない、あるいは何ら攻撃してこないために、ギルド対戦に面白みや醍醐味を感じることができず、ゲームへの参加意識や継続意欲が減退してしまう、といった問題を抑制することが可能となる。
【0012】
ここで、上述した判断基準は、(1)一定期間以上、グループが他グループとの対戦がないこと、(2)一定期間以上、グループに所属するプレイヤの対戦ゲームへのログインがないこと、(3)一定期間以上、グループに所属するプレイヤの数が一定数を下回っていること、の少なくともいずれかを採用しても良い。このような判断基準を採用することで、ギルドが活性状態にあるか、非活性状態にあるかを確実に判断することが可能となる。
【0013】
さらに、上述したグループ統括制御ステップは、各グループと各プレイヤの対応関係をあらわすグループ・プレイヤ対応情報を利用して、解散させるグループに所属していた各プレイヤを特定する特定ステップと、特定された各プレイヤの各端末装置に対して、グループが解散された旨の通知を行う通知ステップとを備える態様が好ましい。このような構成を採用することで、強制解散されたギルドに所属していた各プレイヤは、例えば、強制解散後、はじめてログインしてマイホーム画面にアクセスしたときに、ギルドが解散されるとともに、自分自身が無所属のプレイヤになったことを認識することができる。
【0014】
また、別の態様として、本発明によるゲームの制御方法は、複数のプレイヤのそれぞれが所属するグループ同士の対戦ゲームを、通信回線を介してプレイヤが操作する端末装置に提供するサーバ装置が行うゲームの制御方法であって、いずれのグループにも所属していない無所属プレイヤの活動状況を検知し、検知結果と無所属プレイヤに関わるプレイヤ判断情報とを比較することにより、無所属プレイヤを新規グループの所属プレイヤ候補として認めるか否かを判断する判断ステップと、所属プレイヤ候補と認められた無所属プレイヤに関わるパラメータが、設定条件を満たした場合に、新規グループを生成する生成ステップとを備えている。
【0015】
かかる構成によれば、例えば新たにゲームを開始した無所属プレイヤ(新規プレイヤ)や解散されたギルドに所属していた無所属プレイヤ(復帰プレイヤ)について、新規ギルドの所属プレイヤ候補として認めるべきか否かを判断し、認められた無所属プレイヤが、設定条件(例えば6人以上集まった場合など)を満たした場合に、新規ギルドが結成される。ここで、ギルド対戦への意欲が高いと予見されるプレイヤを対象に、新規ギルドの所属プレイヤ候補として認めることで、ゲームへの参加意識や継続意欲を減退させてしまう、という問題を抑制することが可能となる。
【0016】
ここで、無所属プレイヤに関わるパラメータは、無所属プレイヤの数であり、生成ステップにおいては、所属プレイヤ候補と認められた無所属プレイヤの数が、規定数以上(例えば6人以上)となった場合に、新規グループを生成する態様が好ましい。
【0017】
さらに、上述したプレイヤ判断情報は、ゲームの進捗情報又は、ゲームのスコア情報である態様が好ましい。このように、新規プレイヤと復帰プレイヤとの間で、所属プレイヤ候補と認めるか否かの判断基準を変えても良い。特に、復帰プレイヤについては、プレイヤごとにゲームの進捗にばらつきがあるため、上述のごとくゲームのスコアに基づき、所属プレイヤ候補と認めるか否かを判断するのが望ましい。
また、本発明によるサーバ装置は、複数のプレイヤのそれぞれが所属するグループ同士の対戦ゲームを、通信回線を介してプレイヤが操作する端末装置に提供するサーバ装置であって、グループの活動状況が、活性状態にあるか又は非活性状態にあるかを判断するための判断基準を記憶する記憶部と、判断基準に基づいて、各グループの活動状況を判断する判断部と、判断部によって非活性状態にあると判断されたグループを解散させるグループ統括制御部とを備えている。
【0018】
また、本発明による他のサーバ装置は、複数のプレイヤのそれぞれが所属するグループ同士の対戦ゲームを、通信回線を介してプレイヤが操作する端末装置に提供するサーバ装置であって、いずれのグループにも所属していない無所属プレイヤに関わるプレイヤ判断情報を記憶する記憶部と、無所属プレイヤの活動状況を検知し、検知結果とプレイヤ判断情報とを比較することにより、無所属プレイヤを前記新規グループの所属プレイヤ候補として認めるか否かを判断する判断部と、所属プレイヤ候補と認められた無所属プレイヤに関わるパラメータが、設定条件を満たした場合に、前記新規グループを生成する生成部とを備える。
【0019】
また、本発明によるプログラムは、複数のプレイヤのそれぞれが所属するグループ同士の対戦ゲームを、通信回線を介してプレイヤが操作する端末装置に提供するコンピュータに、グループの活動状況が、活性状態にあるか又は非活性状態にあるかを判断するための判断基準に基づいて、各グループの活動状況を判断する判断機能と、判断機能によって非活性状態にあると判断されたグループを解散させるグループ統括制御機能とを実現させるためのプログラムである。
【0020】
また、本発明による他のプログラムは、複数のプレイヤのそれぞれが所属するグループ同士の対戦ゲームを、通信回線を介してプレイヤが操作する端末装置に提供するコンピュータに、いずれのグループにも所属していない無所属プレイヤの活動状況を検知し、検知結果と無所属プレイヤに関わるプレイヤ判断情報とを比較することにより、無所属プレイヤを新規グループの所属プレイヤ候補として認めるか否かを判断する判断機能と、所属プレイヤ候補と認められた無所属プレイヤに関わるパラメータが、設定条件を満たした場合に、新規グループを生成する生成機能とを実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、活動が認められないギルドについては強制的に解散させることで、ギルド対戦をより活性化させたゲームを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、以下に述べる各要素を均等なものに置換した実施の形態を採用することが可能であり、かかる実施の形態も本発明の範囲に含まれる。またさらに、必要に応じて示す上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図示の表示に基づくものとする。さらにまた、図面における各種の寸法比率は、その図示の比率に限定されるものではない。また、以下においては、理解を容易にするべく、ゲーム用の情報処理装置を利用して本発明が実現される実施の形態を例にとって説明するが、上述の如く、本発明はそれに限定されない。
【0024】
A.本実施形態
A−1.ゲームシステムの構成
図1は、本発明によるサーバ装置の好適な一実施形態を示す概略構成図(システムブロック図)である。また、
図2は、本発明によるゲームシステムの好適な一実施形態を示す概略構成図(システム構成図)である。
図1、2に示すように、サーバ装置100は、ネットワーク200に接続されたサーバ用コンピュータであり、そのサーバ用コンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムが動作することにより、サーバ機能を実現するものである。また、そのサーバ装置100と、同じくネットワーク200に有線接続及び/又は無線接続されたクライアントコンピュータ21や携帯端末22といった端末装置2とが、互いに通信可能に設定されることにより、ゲームシステム1が構成される。
【0025】
なお、ネットワーク200は、例えばインターネット等を含む情報処理に係る通信回線又は通信網であり、その具体的な構成は、サーバ装置100及び端末装置2間でデータの送受信が可能なように構成されていれば特に制限されず、例えば、端末装置2に無線接続される基地局、その基地局に接続された移動体通信網、サーバ装置に接続されたインターネット、移動体通信網とインターネットを接続するゲートウェイ装置を備えるものが挙げられる。
【0026】
サーバ装置100は、CPUやMPUといった演算処理部101、記憶装置としてのROM102及びRAM103、入力部105及び外部メモリ106が接続された外部インターフェース104、ディスプレイモニタ111が接続された画像処理部107、ディスク又はメモリデバイス等が収容又は接続されるスロットドライブ108、スピーカ装置112が接続された音声処理部109、並びに、ネットワークインターフェース110が、例えば、内部バス、外部バス、及び拡張バスを含むシステムバスといった伝送路120を介して互いに接続されたものである。なお、入力部105、外部メモリ106、ディスプレイモニタ111、スピーカ装置112等の入出力を担うデバイス装置は、必要に応じて適宜省略してもよいし、それらを備える場合であっても、それらは伝送路120に常時接続されていなくてもよい。
【0027】
演算処理部101は、サーバ装置100全体の動作を制御し、上述した他の構成要素との間で制御信号及び情報信号(データ)の送受信を行うとともに、ゲームの実行に必要な各種の演算処理を行う。そのため、演算処理部101は、いわゆるレジスタ等の高速アクセス可能な記憶領域に対して、数値演算ユニット等を用いた加減乗除等の算術演算、論理和、論理積、論理否定等の論理演算、ビット和、ビット積、ビット反転、ビットシフト、ビット回転等のビット演算等、更に必要に応じて、飽和演算、三角関数演算、ベクトル演算等を行うことが可能なように構成されている。
【0028】
また、ROM102には、一般に、電源投入後、最初に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録されており、これが実行されることにより、スロットドライブ108に収容又は接続されるディスクやメモリデバイスに記録されたサーバ用プログラムやゲームプログラムが、演算処理部101によって一旦RAM103に読み出され、そのプログラムが演算処理部101によって実行される。さらに、ROM102には、サーバ装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムやその他の各種データが記録されている。
【0029】
さらに、RAM103は、サーバ用プログラム、ゲームプログラム、及び、各種データを一時的に記憶するためのものであり、上記の如く、読み出されたサーバ用プログラムやゲームプログラム、その他ゲームの進行や複数の端末装置2間の通信に必要なデータ等がRAM103に保持される。さらに、演算処理部101は、RAM103に変数領域を設定し、その変数領域に格納された値に対しても数値演算ユニットを用いた直接演算を行ったり、或いは、RAM103に格納された値をレジスタに一旦複製又は移設格納してそのレジスタに対しても直接演算を行ったり、さらには、それらの演算結果をRAM103に書き戻したりといった処理を行う。
【0030】
また、外部インターフェース104を介して接続された入力部105は、サーバ装置100のユーザ(ゲームの提供者)が行う各種の操作入力を受け付けるものであり、入力部105としては、キーボード、タッチパッド、タッチパネルの他、例えば、音声入力装置を採用することができ、種々の操作入力、決定操作、取消操作、メニュー表示等の指示入力を行うことが可能であれば、デバイスの種類は特に制限されない。
【0031】
さらに、RAM103や、外部インターフェース104を介して着脱自在に接続された外部メモリ106には、サーバ装置100の作動状況、各端末装置2のアクセス状況、各端末装置2におけるゲームのプレイ状況や進行状態(過去の成績等)を示すデータ、端末装置2間の通信のログ(記録)のデータ等が書き換え可能に記憶される。
【0032】
また、画像処理部107は、スロットドライブ108から読み出された各種データを、演算処理部101により、又は、画像処理部107自体により加工処理した後、その処理後の画像情報をフレームメモリ等に記録する。このフレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され、画像処理部107に接続されるディスプレイモニタ111へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。また、ゲームに関する画像情報は、演算処理部101との協働処理等によって、画像処理部107及び/又は演算処理部101から各端末装置2へ送出される。
【0033】
またさらに、音声処理部109は、スロットドライブ108から読み出された各種データを音声信号に変換し、音声処理部109に接続されたスピーカ装置112から出力する。また、ゲームに関する音声情報(効果音や楽曲情報)は、演算処理部101との協働処理等によって、音声処理部109及び/又は演算処理部101から各端末装置2へ送出される。
【0034】
さらにまた、ネットワークインターフェース110は、サーバ装置100をネットワーク200へ接続するためのものであり、例えば、LANの構築に使用される諸規格に準拠するもの、アナログモデム、ISDNモデム、ADSLモデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネット等に接続するためのケーブルモデム等、及び、これらを、伝送路120を介して演算処理部101と接続するためのインターフェースとから構成される。このように構成されたゲームシステム1及びサーバ装置100において、本発明によるゲーム用のプログラムに従って実施されるゲーム(ソーシャルゲーム)の好適な一実施形態について、以下に説明する。
【0035】
A−2.ゲームコンテンツ
図3は、本発明に係る対戦リーグの概要を説明するための概念図であり、
図4は、対戦リーグの開催スケジュールを説明するための概念図である。
【0036】
図3に示すように、対戦リーグは、強さ実績(これまでの対戦成績など)に応じたリーグ編成(上部リーグU、下部リーグL)が行われており、シーズン戦の後に行われる入れ替え戦を経て、リーグの再編が行われる。
【0037】
このゲームに参加するプレイヤは、まず、「ギルド」と呼ばれる複数のプレイヤによって構成されたグループに所属する。そして、対戦リーグの開催スケジュール(
図4参照)に従って、自身の所属するギルドが同一リーグに所属する他ギルドと順次対戦し、場合によっては入れ替え戦で他のリーグに所属する他ギルドと対戦することで、ギルド王座の栄冠を目指してゆく。
【0038】
詳述すると、例えば
図3に示すギルドG3にプレイヤが所属する場合、このプレイヤは上部リーグU内の他ギルドG1、G2、G4と順次対戦する。ここで、例えば1stシーズンが終了した時点で、上部リーグU内でギルドG3、ギルドG4の勝率がギルドG1、G2よりも悪い場合、ギルドG3はギルドG4とともに入れ替え戦へ進み、下部リーグL内で勝率の良い他ギルドG5、G6と対戦する。この入れ替え戦でも、自身の所属するギルドG3の勝率がギルドG4、G5よりも悪い場合、すなわち入れ替え戦に参加している4つのギルドの中の上位2位に入れなかった場合、2ndシーズンでは下部リーグLに所属することになる(
図3参照)。この場合には、さらに次シーズン(すなわち3rdシーズン)での上部リーグUへの復活を目指し、下部リーグLに所属する他ギルドG6、G7、G8との対戦を繰り広げてゆく。
【0039】
対戦リーグの開催スケジュールとしては、例えば
図4に示すように、平日(月曜日〜金曜日)は同一リーグ内の他ギルドと対戦する「シーズン戦」を開催し、休日(土曜日、日曜日)はリーグを跨いで他ギルドと対戦する「入れ替え戦」を開催する。そして、シーズン戦、入れ替え戦は、毎日、所定の時間帯に複数回、開催される(
図4に示す「昼対戦」、「夕対戦」、「夜対戦」参照)。ここで、特に、入れ替え戦は、リーグ昇格のチャンス、あるいはリーグ降格の危機に直面しているため、各ギルドに所属するプレイヤは、シーズン戦にもまして他ギルドとの対戦への意欲が高まると思われる。よって、本実施形態では、
図4に示すように、各プレイヤがよりゲームに参加しやすいと思われる日(すなわち休日)を、入れ替え戦の日に当てている。もちろん、入れ替え戦やシーズン戦の日程、各対戦に当てる時間帯などは、ゲーム設計やプレイヤの年齢層などに応じて、適宜設定・変更可能である。なお、リーグ編成(リーグの数や1リーグ当たりの最大ギルド数など)などは、ゲームをマネジメントするゲーム運営者等が適宜設定・変更可能であることはもちろんである。次に、各プレイヤのゲームのプレイ方法、およびサーバ装置100はゲームを進行に関する制御方法を、
図1〜
図5等を参照して説明する。
【0040】
A−3.ゲームの実施手順
まず、プレイヤは、端末装置2(クライアントコンピュータ21や携帯端末22:タブレット端末やスマートフォン等)を操作し、インターネット等のネットワーク200を介して、その端末装置2をサーバ装置100に接続する。そして、プレイヤは、端末装置2を操作することにより、サーバ装置100から提供されるこのゲームを選択し、或いは、ゲームを選択する前のプラットフォーム画面にて、ID番号や暗証番号等のログイン情報を入力する。サーバ装置100の演算処理部101は、そのログイン情報を認識すると、ID番号に関連付けられたそのプレイヤ固有のマイページ画面やマイホーム画面を、端末装置2に表示する。また、ゲームの種類によっては、そのマイページ画面において、ゲームシーンとして設定された複数の場面(例えば、ロケーション、ダンジョン、クエスト等)がリストされたバナーが表示される。なお、これらのロケーション、ダンジョン、クエストといった場面は、相互に或いは個々の構造として階層化されていてもいなくてもよい。
【0041】
さらに、本ゲームでは、サーバ装置100の演算処理部101によって、マイページ画面やマイホーム画面において、プレイヤのグループである先述した「ギルド」に関するメニュー画面が表示される。本ゲームをプレイしたり本ゲームに参加したりした経験があるプレイヤは、基本的に所定のギルドに所属しており、その情報が、ROM102等の記憶部にプレイヤのID情報等の特定情報に関連付けられて記録されている。別言すれば、記憶部には、各ギルドと各プレイヤの対応関係をあらわすギルド・プレイヤ対応情報などが記録されている。演算処理部101は、その情報に基づいて、そのプレイヤが所属しているギルドの情報と、必要に応じてギルドに関する編集メニュー等を端末装置2に更に表示する。
【0042】
一方、本ゲームを初めてプレイするプレイヤや本ゲームに初めて参加するプレイヤ(すなわち新規プレイヤ)は、基本的に特定のギルドに所属していないため、演算処理部101は、かかるギルドに無所属の新規プレイヤの端末装置2に、ギルドを探索(検索)したり、新たなギルドを作成(確立)したりするためのメニュー画面を表示する。新規プレイヤはメニュー画面から逐次表示されるプルダウンメニュー等における指示にしたがって端末装置2を操作し、自分が所属するギルドを決定又は作成することができる。もっとも、新規プレイヤ等は、ギルドに参加することなくゲームを進めていくことも可能であり、この中で既存のギルドから勧誘される場合もある。この場合は新規プレイヤの端末装置2に、勧誘メッセージが表示される。新規プレイヤは表示画面に表示されるメッセージに従って端末装置2を操作することで、勧誘があったギルドに所属することができる。
【0043】
プレイヤの所属ギルドが決定又は選択されると、或いは、必要に応じて、複数のゲームリストやイベントリストが端末装置2に表示される。そして、プレイヤが本ゲームへ参加することを選択すると、プレイヤの端末装置2には、その時点で実施されているゲームの画面が表示される。これにより、プレイヤは、そのとき開催されているゲームに自由に参加することができる。なお、このとき、プレイヤの端末装置2には、各種ゲームの準備画面や導入画面が表示されてもよく、それは、静止画でも動画(フラッシュ等)でもよい。
【0044】
上述したように、ギルド対戦リーグが開催されている期間は、
図4に示す開催スケジュールに従い、サーバ装置100によってギルド対戦の実行が制御される。以下、
図5を参照しながら、ギルドG1とギルドG2によりギルド対戦が行われているときの各プレイヤの端末装置2の表示内容の一例について説明する。
【0045】
A−4.ギルド対戦
ギルド対戦が行われる際には、各プレイヤの端末装置2の画面2aに、ゲーム画像の表示領域としてフィールドF及びパレットPが表示されるとともに、各表示領域にはそれぞれの構成要素が表示される。
図5に示す例では、フィールドFに、ギルドG1(グループ)に所属するプレイヤキャラクタA1〜A6、及びギルドG2(グループ)に所属するプレイヤキャラクタB1〜B6が構成要素の一部として表示される。そして、このギルド対戦では、ギルドG1に所属するプレイヤキャラクタA1〜A6、及びギルドG2に所属するプレイヤキャラクタB1〜B6は、それぞれが一丸となって、任意のタイミングで対戦相手のギルドに攻撃等を行い、合計獲得ポイント(ダメージを与えたポイントなど)を競う形で決戦を行う。
【0046】
対戦相手のギルドに対する攻撃・防御等は、次のようにして行われる。まず、攻撃側のギルド(例えば
図5に示すギルドG1)に所属する各プレイヤは、パレットPにおいてデッキDからカードを順次選択する(捲る)。かかる操作がなされると、それぞれのカード31、32、33に表示された技、攻撃値、特定のアイテム、防御値等、及びそれらの属性や稀少度等の組み合わせに応じて、相手方のギルドG2のプレイヤキャラクタB1〜B6を攻撃し、相手に与えるダメージや自分が受けるダメージが計算される。例えば、カード31、32、33の種類や属性、稀少度が全て揃った場合や特定の組合せになった場合は、プレイヤキャラクタA1〜A6の攻撃力や防御力を増大させるとしても良い。反対に、ギルドG2が攻撃側のギルドになった場合には、攻撃側となったギルドG2に所属する各プレイヤの端末装置2の画面2aにも、同様の表示がなされ、相手方のギルドG1のプレイヤキャラクタA1〜A6への攻撃が行われる。なお、ギルド対戦中においては、ギルドG1、G2がそれぞれ使用している実行中アイテム(ダメージを回復することができる回復薬など;図示略)なども画面2aにイベントフィールドF内に表示される。さらに、ギルドG1、G2毎にHPゲージ61、63が表示され、その残存量に応じて最終的な勝敗が決せられる。
【0047】
このように、ギルド対戦においては、各ギルドG1、G2に所属する各プレイヤが一致団結して攻撃、防御を繰り返し、熱いデッドヒートを繰り広げることで、対戦ゲームの面白味や醍醐味を体感することができる。
【0048】
しかしながら、上述したように(発明が解決しようとする課題の項参照)、相手のギルドが対戦に参加してこない(つまり、ギルドの対戦時間が到来しているにもかかわらず、対戦相手となるギルドが一切、攻撃アクションを取らない)場合には、攻撃側のギルドに所属するプレイヤは何ら面白みを感じることができず、ゲームへの参加意識や継続意欲が減退してしまう、といったことが懸念される。
【0049】
そこで、本発明では、サーバ装置100が、対戦リーグに加入している各ギルドの活動状況を把握し、一定期間、活動が認められないギルドについては強制的に解散させ、これにより、ギルド対戦に参加する全てのプレイヤが、ギルド対戦に面白みや醍醐味を味わうことを可能とする。以下、このようなギルドの強制解散を実現する具体的な方法について、
図6等を参照しながら説明する。なお、
図6に示すギルドの強制解散機能は、サーバ装置100の演算処理部101をはじめとする各種ハードウェア資源が、ROM102及びRAM103、並びに外部メモリ106等の記憶媒体(記憶部)に格納されたゲームに関連するプログラム等と協働して動作することによって実現される。
【0050】
A−5.ギルドの強制解散機能
状況判断部1400は、タイマ1300等を利用して、逐次(あるいは定期的に)対戦リーグに参加している各ギルドの活動状況を把握する。ここで、「ギルドの活動状況を把握する」とは、ギルドが“活性状態”にあるか、あるいは“非活性状態”にあるかを把握することを意味し、ギルド対戦に参加していないと認められる場合には、当該ギルドは非活性状態にあると判断する。その他の場合は、ギルド対戦に参加していると認められることから、当該ギルドは活性状態にあると判断する。
【0051】
ここで、ギルドが活性状態にあるか、または非活性状態にあるか(別言すれば、ギルドが非活性状態にあるか否か)の判断基準は、例えば以下に示す基準が考えられる。
(1)所定期間(例えば1週間)、1度もギルド対戦に参加がない。
(2)所定期間(例えば1週間)、所属するプレイヤのログインがない。
(3)ギルド対戦を成立させるのに必要な最小人数(例えば2人)を下回った状態が、所定期間(例えば5日間)継続する。
【0052】
これらギルドが非活性状態にあるか否かを判断するための判断基準は、判断基準情報として記憶部1200に格納されている。例えば、判断基準情報として、上記(2)に示す“所定期間(以下の例では、1週間を想定)、所属するプレイヤのログインがない”という判断基準が記憶部1200に格納されている場合には、状況判断部1400は、タイマ1300を参照しながら、各ギルドに所属する各プレイヤのログイン状態を検知する。そして、状況判断部1400は、各プレイヤのログイン状態の検知結果に基づき、各ギルドが非活性状態にあるか、活性状態にあるかを判断する。
【0053】
図7は、非活性状態にあるギルド(以下、「非活性ギルド」という)と活性状態にあるギルド(以下、「活性ギルド」という)が同一リーグに混在している状態を示す模式図である。
【0054】
状況判断部1400は、リーグに属するギルドG1〜G6のうち、ギルドG1〜G3に属するプレイヤのログインがない状態が1週間続いていると判断すると、これらギルドG1〜G3は非活性ギルドであると判断する。一方、ギルドG4〜G6については、少なくとも1週間に1回以上、プレイヤのログインがあったことを検知すると、これらギルドG4〜G6は活性ギルドであると判断する。状況判断部1400は、このようにして検知した各ギルドの活動状況を、ギルド活動情報としてギルド統括制御部1100に通知する。
【0055】
なお、上述した判断基準はあくまで一例であり、ギルドが非活性状態にあるか否かの判断基準は、ゲーム設計などに応じて設定・変更可能である。例えば、ギルド対戦に参加したものの、ギルド対戦中に攻撃した回数が極めて少なく(例えば対戦期間に攻撃可能な回数が10回以上であったにもかかわらず、実際に攻撃した回数は1回だった場合など)、このような状態が複数回連続した場合には、上記と同様、相手側のギルドの対戦意欲を減退させるおそれがある。従って、このような場合をギルドが非活性状態にあるか否かの判断基準として新たに採用しても良く、また上記(1)〜(3)に示す判断基準や他の判断基準を適宜組み合わせて(例えば、(2)と(3)の判断基準を組み合わせて)判断しても良いのはもちろんである。
【0056】
図6に戻り、ギルド統括制御部1100は、状況判断部1400から通知されるギルド活動情報に基づき、非活性状態にあると判断されたギルド(すなわち非活性ギルド)を強制的に解散させる役割を担っており、ギルド管理部1110、プレイヤ特定部1120、解散通知部1130を備えている。
【0057】
ギルド管理部1110は、対戦リーグに参加する全てのギルドについて、各ギルド(ギルドを識別するギルド識別IDなど)と各プレイヤ(プレイヤを特定するID番号など)の対応関係をあらわすギルド・プレイヤ対応情報を管理する。さらに、ギルド管理部1110は、状況判断部1400から通知されるギルド活動情報に基づき、非活性ギルドを特定すると、この非活性ギルドを強制的に解散させるための手続きを行う。例えば、非活性ギルドについては、上述したギルド識別IDを初期化するなどしてギルドとしての機能を無効化する。この結果、例えば
図8に示すように、非活性ギルドであると判断されたギルドG1〜G3はリーグから直ちに抹消され、活性ギルドG4〜G6のみがリーグに残ることとなる。ここで、強制解散させるタイミングとしては、リーグ内での対戦に直接的な影響を及ぼさない時間帯、すなわちギルド対戦が行われていない時間帯が望ましい。なお、強制解散させることで、リーグ内のギルド数は減少(
図8に示す例では、「6」→「3」)するが、このリーグに新たなギルドを補充することなくリーグ戦を進める。もっとも、新たなギルドを補充するか否か、さらには、どのようなタイミングで非活性ギルドを強制解散させるかは、任意に設定・変更可能である。
【0058】
一方、プレイヤ特定部1120は、ギルド・プレイヤ対応情報を参照することで、ギルド管理部1110が強制的に解散させた非活性ギルドの所属プレイヤ(すなわち、解散されるまで非活性ギルドに所属していたプレイヤ)を特定する。この点、非活性ギルドの所属プレイヤをいかにして特定するかは、ゲームの設計等に応じて任意に設定・変更可能である。なお、
図7に示すように、非活性ギルドが複数存在する場合には、プレイヤ特定部1120は、非活性ギルドごとに所属プレイヤを特定することとなる。
【0059】
解散通知部1130は、プレイヤ特定部1120によって特定された非活性ギルドの所属プレイヤに対して、所属していたギルドが解散された旨の通知を行う。具体的には、解散通知部1130は、ギルド管理部1130から、解散通知対象となる各プレイヤの端末装置2の宛先情報(メールアドレスなど)を取得する。そして、解散通知部1130は、取得した宛先情報を利用して、所属していたギルドが解散された旨の解散メッセージ(例えば、
図9参照)を各プレイヤの端末装置2宛てに送信する。この解散メッセージは、
図9に示すように本ゲームの世界観を反映させたメッセージとなっており、ギルド解散後に、各ユーザがログインしてマイホーム画面にアクセスしたときに表示される。このタイミングで、各プレイヤの表示画面に表示されるギルド対戦に関わるメニューはグレーアウトとなる。各プレイヤは、この解散メッセージを見ることで、自身の所属していたギルド強制解散されるとともに、いずれのギルドにも属しない、無所属のプレイヤになったことを認識する。なお、本実施形態では、ギルド解散後に、そのギルドに所属していた各プレイヤに通知する態様を例示したが、通知タイミングはこれに限定されるものではない。例えば、実際に解散される前に、解散されるおそれがあるギルドの所属プレイヤに対し、強制解散されるおそれがある旨の警告メッセージを通知しても良い。例えば、“1週間、所属するプレイヤのログインがない”ときに、当該ギルドを強制解散するという判断基準が採用されている場合には、所属するプレイヤのログインが5日間連続して確認できない時点で、各所属プレイヤに対して上記警告メッセージを通知すれば良い。これにより、所属プレイヤは、ギルドが強制解散の危機にあることを知ることができる。もっとも、通知回数も1回に限定する趣旨ではなく、実際に強制解散されるまで、数回(例えば3日後、5日後、強制解散履行日の前など)にわたって警告メッセージを通知するようにしても良い。
【0060】
このように、一定期間、活動が認められないギルドについては強制的に解散させることで、現状の問題、すなわち、ギルド対戦の開始時間が到来しても、対戦相手のギルドが存在しない、あるいは何ら攻撃してこないために、ギルド対戦に面白みや醍醐味を感じることができず、ゲームへの参加意識や継続意欲が減退してしまう、といった問題を抑制することが可能となる。
【0061】
ところで、ギルドを強制的に解散させなければいけない理由はどこにあるか、突き詰めると、結局はギルド対戦への意欲の弱いプレイヤによってギルドが形成されている点にある。 そこで、本願発明者らは、この根本的な問題を解消するべく、ギルド対戦への意欲が高いと予見されるプレイヤ(すなわち、ギルドとしてある程度活動が見込めるプレイヤ)を対象に、ギルドを自動結成することを発案した。以下、このようなギルドの自動結成を実現する具体的な方法について、
図10等を参照しながら説明する。なお、
図10に示すギルドの自動結成機能は、サーバ装置100の演算処理部101をはじめとする各種ハードウェア資源が、ROM102及びRAM103、並びに外部メモリ106等の記憶媒体(記憶部)に格納されたゲームに関連するプログラム等と協働して動作することによって実現される。
【0062】
A−6.ギルドの自動結成機能
プレイヤ候補判断部2100は、いずれのグループにも所属していない無所属プレイヤの活動状況を検知するとともに、この無所属プレイヤを新規ギルドの所属プレイヤ候補として認めてよいか否かを判断する役割を担っている。
【0063】
ここで、無所属プレイヤは、(1)本ゲームを新たに開始したばかりであるために、まだギルドに所属していないプレイヤと、(2)強制解散によって所属していたギルドを失ったために、ギルドに所属していないプレイヤとに分類される。なお、以下では説明の便宜上、(1)によって規定される無所属プレイヤを「新規プレイヤ」と呼び、(2)によって規定される無所属プレイヤを「復帰プレイヤ」と呼ぶ。
【0064】
プレイヤ候補判断部2100は、新規プレイヤについて新規ギルドの所属プレイヤ候補として認めてよいか否かを判断する第1判断部2110と、復帰プレイヤについて新規ギルドの所属プレイヤ候補として認めてよいか否かを判断する第2判断部2120とを備えている。
【0065】
ここで、記憶部2200には、新規プレイヤを新規ギルドの所属プレイヤ候補として認めるための判断基準(以下、「第1プレイヤ判断情報」という)と、復帰プレイヤを新規ギルドの所属プレイヤ候補として認めるための判断基準(以下、「第2プレイヤ判断情報」という)とが格納されている。第1プレイヤ判断情報は、例えば「本ゲームにおけるエリア3を突破した時点」といった具合に、本ゲームのスタートからの絶対位置(いわば、ゲームの「進捗」)で規定される情報である。一方、第2プレイヤ判断情報は、第1プレイヤ判断情報のようにゲームの「進捗」ではなく、ゲームをプレイすると溜まる「スコア」で規定される情報であり、例えば「本ゲームにおけるスコアが300ポイントを超えた時点」といった具合である。
【0066】
このように、第2プレイヤ判断情報をゲームの「進捗」ではなく、「スコア」で規定しているのは、復帰ユーザは新規ユーザと異なり、ゲームの進捗にばらつきがあり(例えば、ある復帰ユーザはすでにエリア10まで進んでいる一方で、他の復帰ユーザはエリア2までしか進んでいないなど)、スタート位置からの絶対位置で規定することは難しいためである。なお、本実施形態では、第1プレイヤ判断情報と第2プレイヤ判断情報のそれぞれについて、異なるパラメータ(ゲームの「進捗」と「スコア」)を利用したが、同一のパラメータ(例えば「スコア」のみ、「進捗」のみなど)を利用しても良いのはもちろんである。さらに、他のパラメータ(例えば入手したアイテム数など)を利用したり、複数のパラメータを組み合わせて(例えば「スコア」と「進捗」など)、判断基準情報を生成しても良い。
【0067】
図11は、第1判断部2110及び第2判断部2120の機能を説明するための模式図である。第1判断部2110は、新規プレイヤのゲームの進捗を逐次監視しており、新規プレイヤのゲームの進捗(活動状況)と、記憶部2200に記憶されている第1判断情報とを比較する。そして、第1判断部2110は、ゲームの進捗が、第1判断情報に示される判断基準をクリアしているか否か、具体的には、新規プレイヤが所定のステージまで進行したか否か(例えば、本ゲームのエリア3を突破したか否か)を検知する。第1判断部2110は、ゲームの進捗が、第1判断情報に示される判断基準をクリアしていることを検知すると(
図111に示すC1参照)、この新規プレイヤを、新規ギルドの所属プレイヤ候補(
図11に示す「結成待ち新規プレイヤ」)として認定し、その旨を新規ギルド生成部2300に通知する。
【0068】
一方、第2判断部2120は、復帰プレイヤのゲームのスコアを逐次監視しており、復帰プレイヤのゲームのスコア(活動状況)と、記憶部2200に記憶されている第2判断情報とを比較する。そして、第2判断部2120は、ゲームのスコアが、第2判断情報に示される判断基準をクリアしているか否か、具体的には、復帰プレイヤが所定のスコアを超えたか否か(例えば、本ゲームにおけるスコアが300ポイントを超えたか否か)を検知する。第2判断部2120は、ゲームのスコアが、第2判断情報に示される判断基準をクリアしていることを検知すると(
図11に示すC2参照)、この復帰プレイヤを、新規ギルドの所属プレイヤ候補(
図11に示す「結成待ち復帰プレイヤ」)として認定し、その旨を新規ギルド生成部2300に通知する。
【0069】
新規ギルド生成部2300は、第1生成部2310と第2生成部2320とを備え、結成待ち新規プレイヤまたは結成待ち復帰プレイヤのそれぞれが、設定条件を満たした場合に、新規ギルドを自動結成する役割を担っている。
【0070】
図12は、新規ギルド生成部2300による新規ギルドの自動結成機能を説明するための模式図である。第1生成部2310は、結成待ち新規プレイヤの状況(例えば、人数など)を把握するための結成待ち新規プレイヤリストL1を備えている(
図12に示すD1参照)。第1生成部2310は、第1判断部2110から結成待ち新規プレイヤに関する通知を受け取ると、この通知に従って新規プレイヤリストL1に、結成待ち新規プレイヤを追加する。この第1生成部2310には、ゲーム運営者等によって設定される、新規ギルドを自動結成するための条件(設定条件)が登録されている。例えば、結成待ち新規プレイヤの数が、規定数(例えば、6名とする)に到達した場合に、新規ギルドを自動結成する等の設定条件が挙げられる。第1生成部2310は、所定時間ごと(あるいは逐次)に新規プレイヤリストL1に登録されている結成待ち新規プレイヤの数をチェックする。第1生成部2310は、新規プレイヤリストL1に登録された結成待ち新規プレイヤの数が、規定数(6名)以上になったことを検知すると(
図12に示すD2参照)、新規ギルドNG1を結成する(
図12に示すD3参照)。そして、第1生成部2310は、結成待ち新規プレイヤによって新規ギルドNG1が自動結成されたことを、新規ギルド通知部2400に通知する。
【0071】
一方、第2生成部2320は、結成待ち復帰プレイヤの状況(例えば、人数など)を把握するための結成待ち復帰プレイヤリストL2を備えている。第2生成部2320には、ゲーム運営者等によって設定される、新規ギルドを自動結成するための条件(設定条件)が登録されている。第2生成部2320は、第1生成部2310と同様にして、復帰プレイヤリストL2に登録された結成待ち復帰プレイヤの数が、規定数(6名)以上になったことを検知すると(
図12に示すD2参照)、新規ギルドNG2を結成する(
図12に示すD3参照)。そして、第2生成部2320は、結成待ち復帰プレイヤによって新規ギルドNG2が自動結成されたことを、新規ギルド通知部2400に通知する。
【0072】
なお、本実施形態では、第1生成部2310の設定条件(「結成待ち新規プレイヤの数が規定数以上になった場合」)と、第2生成部2320の設定条件(「結成待ち復帰プレイヤの数が規定数以上になった場合」)が共通する場合を想定したが、各条件をどのように設定するかは、ゲーム設計等に応じて適宜変更可能である。例えば、人数のみではなく、その他の条件(プレイヤの経験値や所持アイテムに関する条件など)を、いずれか一方の生成部または両方の生成部に設定しても良い。また、本実施形態では、結成待ち新規プレイヤと、結成待ち復帰プレイヤとを分けて説明したが、必ずしも分ける必要はない。例えば、結成待ち新規プレイヤと結成待ち復帰プレイヤの数が合計して規定数以上になった場合に(結成待ち新規プレイヤ数:「4名」、結成待ち復帰プレイヤ数:「2名」など)、これら2種類の結成待ちプレイヤが混在する新規ギルドを自動結成しても良い。なお、多数の結成待ちプレイヤが存在する場合には、ランダムに抽出して新規ギルドを自動結成しても良いが、一定期間の猶予を与えてプレイヤによる投票によって新規ギルドを自動結成しても良い。
【0073】
新規ギルド通知部2400は、新規ギルド結成部2300から新規ギルドが自動結成された旨の通知を受けとると、この新規ギルドに所属することとなった各プレイヤに周知させるべく、通知を行う。
【0074】
具体的には、新規ギルド通知部2400は、記憶部2200等から通知対象となる各プレイヤの端末装置2の宛先情報(メールアドレスなど)を取得する。そして、新規ギルド通知部2400は、取得した宛先情報を利用して、新規ギルドが結成されるとともに、その新規ギルドに所属することとなった旨の結成メッセージ(例えば、
図13参照)を各プレイヤの端末装置2宛てに送信する。この結成メッセージは、
図13に示すように本ゲームの世界観を反映させたメッセージとなっており、新規ギルド結成後に、各ユーザがログインしてマイホーム画面にアクセスしたときに表示される。このタイミングで、各プレイヤの表示画面に表示されるギルド対戦に関わるメニューがアクティブとなる。各プレイヤは、この結成メッセージを見ることで、自身が新規ギルドの所属プレイヤになったことを認識するとともに、以後は新規ギルドの所属プレイヤとしてギルド対戦に参加することが可能となる。
【0075】
このように、本実施形態では、ギルド対戦への意欲が高いと予見されるプレイヤ(すなわち、ギルドとしてある程度活動が見込めるプレイヤ)のみを対象として、ギルドを自動結成する。このため、せっかく新規ギルドを結成しても、その新規ギルドに所属するプレイヤがギルド対戦に参加しないために、対戦相手のギルドに所属する各プレイヤにゲームへの参加意識や継続意欲を減退させてしまう、といった問題を未然に抑制することが可能となる。
【0076】
また、何らかの理由により、自身の所属するギルドが強制解散させられてしまったとしても、ゲーム参加への意欲を見せることで(例えば、スコアが所定のスコアを上回るなど)、新たなギルドが結成され、そのギルドの一員として再びギルド対戦に参加することが可能となる。これにより、ギルド強制解散させられてしまったプレイヤについても、ゲームへの参加意欲等を失わずに、ゲームの面白みを体感することができる。
【0077】
なお、上述したとおり、本発明は、上記の実施の形態、及び、既に述べた変形例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない限度において様々な変形が可能である。例えば、
図1に示すサーバ装置100の構成は、処理能力等に相違はあるものの、端末装置2であるクライアントコンピュータ21及び携帯端末22についても適合する。言い換えれば、クライアントコンピュータ21及び携帯端末22を、サーバ装置100として使用することも可能である。すなわち、ネットワーク200を介して接続されているコンピュータ装置の何れもサーバ装置として機能させることができる。
【0078】
さらに、サーバ装置100においては、ハードディスクやSSD等の大容量記憶装置を用いて、ROM102、RAM103、外部メモリ106、スロットドライブ108に装荷されるメモリデバイス等と同等の機能を果たすように構成してもよく、それらの記憶装置は、RAID等による冗長化が行われていてもいなくてもよく、また、伝送路120を介して演算処理部101に接続されていなくてもよく、例えば、クラウドコンピューティングの一環として、ネットワーク200を介して別の外部装置等に接続されていてもよい。
【0079】
またさらに、サーバ装置100及び端末装置2におけるネットワークインターフェースとしては、無線LAN装置及び有線LAN装置の何れでもよく、それらは、内部に装着されていても、LANカードの如く外部デバイスタイプのものでもよい。さらにまた、端末装置2としては、ネットワーク200に接続可能なゲーム機を用いてもよく、他には、例えば通信カラオケ装置を用いることも可能である。
【0080】
加えて、ギルド対戦におけるゲーム設定も、上記の実施形態における具体例に限定されるものではない。例えば、ギルド対戦は、2つのギルド(例えば、ギルドG1、G2)間の対戦に限られず、3つ以上のギルド間の対戦としてもよい。
複数のプレイヤのそれぞれが所属するグループ同士の対戦ゲームを、通信回線を介して前記プレイヤが操作する前記端末装置に提供するサーバ装置が行うゲームの制御方法であって、
いずれのグループにも所属していない無所属プレイヤの活動状況を検知し、検知結果と前記無所属プレイヤに関わるプレイヤ判断情報とを比較することにより、前記無所属プレイヤを前記新規グループの所属プレイヤ候補として認めるか否かを判断する判断ステップと、
前記所属プレイヤ候補と認められた前記無所属プレイヤに関わるパラメータが、設定条件を満たした場合に、前記新規グループを生成する生成ステップと
を備えるゲームの制御方法。