特許第5649667号(P5649667)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヤフー株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5649667-情報処理装置及び方法 図000002
  • 特許5649667-情報処理装置及び方法 図000003
  • 特許5649667-情報処理装置及び方法 図000004
  • 特許5649667-情報処理装置及び方法 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5649667
(24)【登録日】2014年11月21日
(45)【発行日】2015年1月7日
(54)【発明の名称】情報処理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20141211BHJP
【FI】
   G06Q30/02 150
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-796(P2013-796)
(22)【出願日】2013年1月8日
(65)【公開番号】特開2014-134834(P2014-134834A)
(43)【公開日】2014年7月24日
【審査請求日】2013年6月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼松 晴雄
【審査官】 川口 美樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−171224(JP,A)
【文献】 特開2012−216087(JP,A)
【文献】 特開2002−271855(JP,A)
【文献】 特開2002−329139(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ページ内に表示される広告を端末に表示させる広告表示手段と、
前記広告ごとに、選択操作までの所要時間の集計を行う集計手段と、
前記集計の結果に基いて、前記広告の表示継続時間の制御を行う制御手段と、
前記広告ごとにページ内の表示位置を取得する手段と、
を備え
前記集計手段は、取得された前記表示位置ごとに、前記広告について前記所要時間を集計し、
前記制御手段は、前記表示位置ごとの集計の結果に基づく前記表示継続時間の制御を行う
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記広告ごとに前記表示にかかる時刻を取得する手段を備え、
前記集計手段は、取得された前記時刻が属する時間帯ごとに、前記広告について前記所要時間集計し、
前記制御手段は、前記時刻が属する時間帯ごとの集計の結果に基づく前記表示継続時間の制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記広告は、前記端末においてページ内に表示されるものであり、
前記広告の表示先の前記ページに含まれる情報内容の特徴を取得する手段を備え、
前記集計手段は、取得された前記特徴ごとに、前記広告について前記所要時間計し、
前記制御手段は、前記特徴ごとの集計の結果に基づく前記表示継続時間の制御を行う
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記ページ内に複数の広告がある場合、当該複数の広告の表示継続時間のうち最大の表示継続時間で前記複数の広告を切り替える
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
ページ内に表示される広告を端末に表示させる広告表示処理と、
前記広告ごとに、選択操作までの所要時間の集計を行う集計処理と、
前記集計の結果に基いて、前記広告の表示継続時間の制御を行う制御処理と、
前記広告ごとにページ内の表示位置を取得する処理と、
をコンピュータが実行し、
前記集計処理は、取得された前記表示位置ごとに、前記広告について前記所要時間を集計し、
前記制御処理は、前記表示位置ごとの集計の結果に基づく前記表示継続時間の制御を行う
ことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネット広告の表示に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信ネットワークを介して表示される所謂ネット広告において、広告がクリックされる割合すなわちクリック率を高める工夫がされている。例えば、商品等の同じ広告対象物について、広告のデザイン(いわゆる広告クリエイティブ)が複数存在する場合に、それらを最初はランダムに配信し、その結果、クリック率の高い広告を優先して配信する最適化などである。
【0003】
このように複数の広告を表示して比較するような場合を含め、同じページに複数の広告を順次又は同時に切り替え表示することも行われる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−230226号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来、同じページに広告を切り替え表示する際の切り換え周期は一律固定だったため、ページあたりに表示できる広告数に柔軟性がなく、表示できる広告の数を増やすことは困難であった。
【0006】
本発明の目的は、広告の切り替え周期を柔軟化することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的をふまえ、本発明の一態様(1)である情報処理装置は、広告を端末に表示させる広告表示手段と、前記広告ごとに、選択操作までの所要時間の集計を行う集計手段と、前記集計の結果に基いて、前記広告の表示継続時間の制御を行う制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の他の態様(5)である情報処理方法は、上記態様を方法のカテゴリで捉えたもので、広告を端末に表示させる広告表示処理と、前記広告ごとに、選択操作までの所要時間の集計を行う集計処理と、前記集計の結果に基いて、前記広告の表示継続時間の制御を行う制御処理と、をコンピュータが実行することを特徴とする。
【0009】
本発明の他の態様(2)は、上記いずれかの態様において、前記広告は、前記端末においてページ内に表示されるものであり、前記広告ごとにページ内の表示位置を取得する手段を備え、前記集計手段は、取得された前記表示位置ごとに、前記広告について前記所要時間の集計及び集計の結果に基づく前記表示継続時間の制御を行うことを特徴とする。
【0010】
本発明の他の態様(3)は、上記いずれかの態様において、前記広告ごとに前記表示にかかる時刻を取得する手段を備え、前記集計手段は、取得された前記時刻が属する時間帯ごとに、前記広告について前記所要時間の集計及び集計の結果に基づく前記表示継続時間の制御を行うことを特徴とする。
【0011】
本発明の他の態様(4)は、上記いずれかの態様において、前記広告は、前記端末においてページ内に表示されるものであり、前記広告の表示先の前記ページに含まれる情報内容の特徴を取得する手段を備え、前記集計手段は、取得された前記特徴ごとに、前記広告について前記所要時間の集計及び集計の結果に基づく前記表示継続時間の制御を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、広告の切り替え周期を柔軟化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態について構成を示す機能ブロック図。
図2】本発明の実施形態におけるデータ例(ログデータ)を示す図。
図3】本発明の実施形態におけるデータ例(集計結果)を示す図。
図4】本発明の実施形態における処理手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」と呼ぶ)について図に沿って例示する。なお、背景技術や課題などで既に述べた内容と共通の前提事項は適宜省略する。
【0015】
〔1.構成〕
図1の構成図は、本実施形態における情報処理装置1(「本装置1」とも呼ぶ)を示す。本装置1は、通信ネットワークN(インターネット、携帯電話網など)を介し、端末Tにおいてウェブページ内に表示される広告を選択及び配信するサーバ装置である。広告は、ディスプレイ広告やバナー広告などと呼ばれる画像広告であって、クリック課金のものを想定するが、これら以外の広告に適用してもよい。
【0016】
本装置1は、コンピュータの構成として、CPUなどの演算制御部6と、主メモリや補助記憶装置等の記憶装置7と、通信ネットワークNとの通信装置8(通信機器や通信アダプタなど)と、を有する。
【0017】
また、端末Tは、スマートフォンなどの携帯端末、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPCなどのクライアントシステムで、上記に準じたコンピュータの構成に加え、内蔵充電池、音声通話、位置測位などに関する処理機能や、タッチパネル機能付き表示画面などを備える。
【0018】
本装置1では、記憶装置7に記憶したコンピュータプログラムを演算制御部6が実行することで、図1に示す各要素を実現する。このうち、ログ記憶手段55は、広告配信のログデータ(例えば図2)を記憶する手段であり、結果記憶手段65はログデータの集計結果(例えば図3)を記憶する手段である。
【0019】
記憶手段は、記憶装置7上のファイルなどに限らず、ネットワーク・コンピューティング(クラウド)によるリモート記憶でもよい。また、記憶手段は、データの格納領域だけでなく、データの入出力や管理などの機能を含んでもよい。また、本出願に示す記憶手段の単位は説明上の便宜によるもので、適宜、構成を分けたり一体化できる。また、明示する記憶手段以外にも、処理の対象、ワークエリアや結果などの記憶手段を適宜用いる。
【0020】
なお、図中(例えば図1)の矢印は、データや制御などの流れについて主要な方向を補助的に示すもので、他の流れの否定や方向の限定を意味するものではない。例えばある方向のデータ取得の前後に、データ要求や確認応答(ACK)が逆方向に発生し得る。
【0021】
また、記憶手段以外の各手段は、以下に説明するような情報処理の機能・作用(例えば図1)を実現・実行する処理手段であるが、これらは説明のために整理した機能単位であり、実際のハードウェア要素やソフトウェアモジュールとの一致は問わない。
【0022】
〔2.作用〕
上記のように構成された本装置1と端末Tの協働による広告の表示に関する処理のうち、本実施形態に特に関わる部分を図4のフローチャートに示す。
【0023】
〔2−1.ログデータの記録〕
まず、本装置1の広告表示手段20が、広告を端末Tに表示させる(ステップS11)。本装置1が広告を端末Tに表示させるには、広告自体を端末Tへ直接送信する態様でもよいし、本装置1で広告の選択のみを行い、選択された広告を別の図示しない広告提供元サーバから端末Tへ提供する態様でもよい。
【0024】
後者の態様の場合、例えば、本装置1からは、広告表示用のタグを含むHTML等のマークアップファイルを端末Tのブラウザへ送信したり、端末Tに導入され広告表示機能を持つアプリへ広告の表示を指示するコードを送信し、それらブラウザやアプリが広告提供元サーバから画像などの広告データを取得し表示する。
【0025】
端末Tでの広告の表示は、広告に対応する表示継続時間がカウントされる間だけ継続し(ステップS12)、その表示継続時間が満了すると(ステップS13:「YES」)別の広告の表示となる(ステップS11)。
【0026】
端末Tで広告を切り替えるには、本装置1から切り替えのタイミングに合わせて指示データを端末Tへ送信してもよいし、広告毎の表示継続時間や後続の広告のデータなどを予め本装置1から端末Tへ送信し、端末Tにおいてスクリプトなどによる動作の制御で実現してもよい。
【0027】
表示継続時間は後述のように、広告に対する選択操作までの所要時間の集計結果に基づいて制御されるが、ログデータの蓄積や所要時間の集計に先立って適用する表示継続時間の初期値としては、例えば一律10秒や30秒などに適宜定める。このような初期値を、広告のサイズ、広告の外観上の特徴、表示対象とするユーザの属性などに基いて、機械学習または人手で決定してもよい。
【0028】
そして、表示継続時間満了前に(ステップS13:「NO」)、操作検出手段30が、送信された広告に対する選択操作(指などによるタップ操作やマウスクリックなど)がされたことを検出すると(ステップS14:「YES」)、位置等取得手段40が、位置等取得手段40は、操作された広告毎に、ページ内で広告が表示された表示位置と、広告の表示にかかる時刻と、広告の表示先のページに含まれる情報内容すなわちコンテンツの特徴と、を取得する(ステップS15)。
【0029】
そして、ログ記録手段50は、上記のように広告毎に取得された表示位置と、時刻と、特徴と、と共に、その広告が選択操作されるまでの所要時間と、をログデータとしてログ記憶手段55に記憶させる(ステップS16)。図2は、ログデータの例で、表示された広告を識別する広告IDごとに対応付けて、広告の表示位置、時刻、表示先の特徴、選択操作までの所要時間の情報を表している。
【0030】
ここで、広告の表示位置は、画面内の位置座標など具体的な位置でもよいが、図2に例示するように、上部、下部などの別として取得もしくは記憶させてもよい。また、広告の表示にかかる時刻は、例えば、広告が端末へ送信され時刻や表示された時刻などであり、図2の例のように具体的日時などの時刻でもよいが、時刻が属する9時台、10時台などの時間帯や、午前、午後などの別として取得もしくは記憶させてもよい。
【0031】
また、特徴は、例えば、コンテンツのカテゴリ、ジャンル、文字又は画像の量や割合を含むコンテンツの種類、量などであり、図2の例では、画像中心か文字中心かの別を表している。特徴としては、広告の選択(引当てなどと呼ばれる)のため引当てに先立って取得するコンテンツの特徴語や、特徴語に基づいて判断されるコンテンツのカテゴリやジャンルなどを流用してもよい。
【0032】
これら表示位置、時刻や特徴を取得するタイミングは、選択操作の後には限られず、表示される広告全てについて予め取得しておき、選択操作を待ってログデータとして記憶させてもよい。
【0033】
選択操作までの所要時間は、例えば、広告が端末Tから要求された時点、広告が端末Tへ送信された時点、または広告が端末Tで表示された時点から、選択操作が端末Tで行われた時点または選択操作が本装置1へ伝達された時点までの所要時間である。この所要時間は、端末T側で動作するスクリプトやアプリ、もしくは本装置1の機能、またはこれらの協働により特定する。
【0034】
〔2−2.集計と表示時間の制御〕
このように記憶されたログデータを基に、集計手段60は、広告ごとに、選択操作までの所要時間の集計を行い(ステップS17からS19)、集計結果を結果記憶手段65に記憶させる。所要時間を集計するタイミングは(ステップS17:「YES」)、例えば、所定時間毎や、夜間バッチ等の定周期、サーバ負荷低下時や、ログデータが所定量蓄積されたときなどが考えられる。
【0035】
所要時間の集計は、ログ記憶手段55に記憶されている表示位置ごと、時刻が属する時間帯ごと、及び特徴ごとに行う。ここでいう時刻が属する時間帯は、ログデータに記憶されている時刻を基に集計の時点で判定してもよいが、ログデータ内の時刻が時間帯として記憶されている場合は、その値毎に集計すればよい。時間帯は、何時台などの狭義の時間帯に限らず、曜日の別や季節など時間に関する属性を含めてもよい。
【0036】
図3は、集計結果の例で、広告IDごとに、表示位置(画面の上部または下部の別)と、時間帯(午前、午後、夜間の別)と、表示先の特徴(画像中心または文字中心の別)と、の組合せに対応し、選択操作までの平均所要時間が対応付けられている。図3のデータ例は、説明のために、広告IDごとに表示位置、時間帯、特徴という階層順で示したが、階層は他の順でもよく、また階層構造も必須ではない。
【0037】
上部または下部などの表示位置は、広告を表示するページの縦横画素数もしくはそのようなページを表示する端末の画面における縦横画素数と、広告の縦横の画素サイズと、の関係から所定の基準で定める。基準は例えば、ページもしくは端末の画面の縦画素数の半分に当たる水平線から、広告の高さのうち所定割合が上に位置していれば上部とみなすなどである。
【0038】
そして、制御手段70が、集計の結果に基いて、すなわち集計された広告ごとの所要時間に基いて、広告の表示継続時間の制御を行う。例えば、あるAバナーの集計結果として、表示後4秒の時点に選択操作の山があって5秒以降は選択操作が急速に減る場合、表示後5秒まで表示し、それ以降は他のバナー(例えばBバナー)を引き当てる。
【0039】
この場合、例えば、端末Tでブラウザやアプリが起動され広告を含むページを表示しようとする時点で、制御手段70は広告送信手段20に、Aバナーの画像等のデータと共に表示継続時間:5秒の旨の指定を端末Tへ送信させる。また、制御手段70は広告送信手段20に、Aバナーの表示後、遅くとも表示継続時間である5秒が到来する前に、後続の例えばBバナーとそれに対応する表示継続時間の指定とを、端末Tへ送信させる。
【0040】
この場合、端末Tではブラウザやアプリが、Aバナーの表示後(ステップS11)、表示継続時間である5秒のカウントダウンを開始し(ステップS12)、満了すれば(ステップS13:「YES」)次のBバナーに表示対象を切り替える(ステップS11)。
【0041】
表示継続時間の制御は本装置1の側で行ってもよい。その場合は、広告送信手段20がAバナーの画像等のデータを端末Tへ送信した後、制御手段70は、Aバナーが選択操作された旨の情報が端末Tから送信されてくるのを待ち受ける(ステップS14)。
【0042】
そして、制御手段70は、表示継続時間満了までに(ステップS13:「NO」)、Aバナーが選択操作された旨の情報を端末Tから受信しなかったとき(ステップS14:「NO」)、次に表示する広告(例えばBバナー)を端末Tへ送信し表示させる(ステップS11)。
【0043】
制御手段70は、このような表示継続時間の制御を、表示位置ごと、時間帯ごと、かつ、特徴ごとに行う。例えば、図3に例示する集計結果に含まれるAバナーについて、表示位置が「上部」、時間帯が「午前」の部分をみると、特徴が「画像中心」の場合の平均所要時間は4秒、「文字中心」の場合の平均所要時間は6秒である。
【0044】
平均所要時間に1秒足した時間を表示継続時間とする場合、例えばAバナーをページ「上部」に「午前」に表示する場合、画像中心のページにおいては4秒+1秒=5秒間選択操作されなければ次の広告に切り替える。同じ広告、表示位置、特徴でも時間帯が「午後」になると平均所要時間は10秒となり、表示継続時間は11秒となる。
【0045】
但し、集計された所要時間が所定限界値以上の場合は限界値で切り替える。また、動画広告は、集計された所要時間が短くても、少なくとも最初の1回のアニメーション再生が終了するまでは切り替えない。また、一画面に複数の広告がある場合は、それぞれ独立した表示継続時間でスクリプトなどにより広告を切り替えることが望ましいが、表示継続時間が最長の広告に合わせて一斉に切り替えてもよい。
【0046】
〔3.効果〕
(1) 以上のように、本実施形態では、広告の表示後選択操作されるまでの所要時間を広告ごとに集計し(例えば、図4のステップS17からS19)、それを基に広告の表示継続時間を変化させる(ステップS12からS13)。これにより、広告が表示後選択操作までの所要時間がクリエイティブやページ内での表示位置に応じて異なることに対応でき、広告の切り替え周期を柔軟化し、表示できる広告の数を増やすことができる。
【0047】
(2) また、本実施形態では、選択操作までの所要時間の集計とそれに基く表示継続時間の制御を、ページ内における広告の表示位置ごとに行う(図4のステップS18及びS12、図2及び図3)。これにより、広告の表示位置が目立つページ上部なのかスクロールしないと見えないページ下部なのかといった表示位置に起因する所要時間の違いを反映した高精度な制御が可能となる。
【0048】
(3) また、本実施形態では、選択操作までの所要時間の集計とそれに基く表示継続時間の制御を、時刻が属する時間帯ごとに行う(図4のステップS18及びS12、図2及び図3)。これにより、時間帯に起因する所要時間の違いを反映した高精度な制御が可能となる。
【0049】
(4) また、本実施形態では、選択操作までの所要時間の集計とそれに基く表示継続時間の制御を、広告が表示されるページに含まれるコンテンツの特徴ごとに行う(図4のステップS18及びS12、図2及び図3)。これにより、ページのコンテンツの特徴に起因する所要時間の違いを反映した高精度な制御が可能となる。
【0050】
〔4.他の実施形態〕
なお、上記実施形態や図の内容は例示に過ぎず、各要素の有無や配置、処理の順序や内容などは適宜変更可能である。このため、本発明は、以下に例示する変形例やそれ以外の他の実施態様も含むものである。
【0051】
例えば、所要時間の集計や、表示継続時間の制御は、ユーザの属性や広告自体の特徴をに応じて制御してもよい。ユーザの属性は、例えば、年齢性別などのプロファイル項目、広告の選択操作までの平均時間、興味関心の対象カテゴリを表わすデータなどである。広告を選択操作する率(クリック率)が所定以下のユーザに対してはクリック課金ではなく表示数ベースのいわゆるインプレッション課金の広告を順次切り替えて表示してもよい。
【0052】
広告自体の特徴は、縦横サイズなどのほか、見た目の派手さや動きの激しさなどのインパクトを、予め人手や機械学習などで評価した値が考えられる。また、本発明の適用対象は、ウェブページに表示する広告に限らず、ゲームその他のコンテンツのページ内に表示する広告でもよい。また、ログデータを記録する機能と、それを集計する機能とをそれぞれ異なるサーバで実現してもよい。
【0053】
また、本発明の各態様は、明記しない他のカテゴリ(方法、プログラム、端末を含むシステムなど)としても把握できる。方法やプログラムのカテゴリでは、装置のカテゴリで示した「手段」を「処理」や「ステップ」のように適宜読み替えるものとする。また、「手段」の全部又は任意の一部を「部」(ユニット、セクション、モジュール等)と読み替えることができる。
【0054】
また、実施形態に示した処理やステップについても、順序を変更したり、いくつかをまとめて実行しもしくは一部分ずつ分けて実行するなど変更可能である。また、個々の手段、処理やステップを実現、実行する端末などのコンピュータは共通でもよいし、手段、処理やステップごとにもしくはタイミングごとに異なってもよい。
【0055】
また、本出願で示す個々の手段は、外部のサーバが提供している機能をAPI(アプリケーションプログラムインタフェース)やネットワーク・コンピューティング(いわゆるクラウドなど)で呼び出して実現してもよい。さらに、本発明に関する手段などの各要素は、コンピュータの演算制御部に限らず物理的な電子回路など他の情報処理機構で実現してもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 情報処理装置(本装置)
6 演算制御部
7 記憶装置
8 通信装置
20 広告表示手段
30 操作検出手段
40 位置等取得手段
50 ログ記録手段
55 ログ記憶手段
60 集計手段
65 結果記憶手段
70 制御手段
N 通信ネットワーク
T 端末
図1
図2
図3
図4