(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-100660(P2015-100660A)
(43)【公開日】2015年6月4日
(54)【発明の名称】識別装置
(51)【国際特許分類】
A63H 29/22 20060101AFI20150508BHJP
A63H 33/00 20060101ALN20150508BHJP
【FI】
A63H29/22 B
A63H33/00 P
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-245673(P2013-245673)
(22)【出願日】2013年11月28日
(11)【特許番号】特許第5633858号(P5633858)
(45)【特許公報発行日】2014年12月3日
(71)【出願人】
【識別番号】513300772
【氏名又は名称】平井 秀邦
(74)【代理人】
【識別番号】100157912
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 健
(74)【代理人】
【識別番号】100074918
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬川 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】平井 秀邦
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150BA11
2C150BA43
2C150BA52
2C150DF01
2C150DG01
2C150EE02
2C150EE05
2C150EF25
2C150FB04
(57)【要約】
【課題】RFIDシステムなどの高価な装置を使用することなく、安価に製作できる識別装置を提供する。
【解決手段】装置本体20は、静電容量を検出するセンサ電極23を複数配設したセンサ面22を備える。識別体10には、複数の導電スポット12を導電線13で接続して形成した認識パターンが設けられる。前記装置本体20のセンサ面22に前記識別体10の認識パターンを対面させることで前記認識パターンによって前記複数のセンサ電極23を互いに電気的に接続して静電容量を変化させ、この静電容量の変化を基に前記装置本体20が前記認識パターンを識別する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コマやカードなどの識別体と、前記識別体のIDを識別するための装置本体と、を備えた識別装置であって、
前記装置本体は、静電容量の変化を検出するための複数のセンサ電極を配設したセンサ面を備え、
前記識別体には、複数の導電スポットを導電線で接続して形成した認識パターンが設けられ、
前記装置本体のセンサ面に前記識別体の認識パターンを対面させることで前記認識パターンによって前記複数のセンサ電極を互いに電気的に接続して静電容量を変化させ、この静電容量の変化を基に前記装置本体が前記認識パターンを識別可能としたことを特徴とする、識別装置。
【請求項2】
前記導電スポットは、2または3ごとに前記導電線で接続されていることを特徴とする、請求項1記載の識別装置。
【請求項3】
同一の前記識別体の認識パターンを回転させて前記装置本体のセンサ面に対面させることで、異なる識別結果となることを特徴とする、請求項1又は2記載の識別装置。
【請求項4】
同一の前記識別体の認識パターンを裏返して前記装置本体のセンサ面に対面させることで、異なる識別結果となることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の識別装置。
【請求項5】
コマやカードなどの識別体のIDを識別するための識別装置であって、
静電容量の変化を検出するための複数のセンサ電極を配設したセンサ面と、前記センサ電極における静電容量の変化を基に識別体のIDを識別する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、所定の静電容量の変化を検出した前記センサ電極の組み合わせによって識別体のIDを識別することを特徴とする、識別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コマやカードなどの識別体のIDを識別することができる識別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コマやカードなどの識別体にIDを付与し、このIDを識別装置で識別して所定の動作を実行する玩具が知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、トレーディングカードやフィギュア、プラモデルなどの玩具体にそれぞれ種別情報を付与し、この種別情報をゲーム装置で読み込むことにより、所定の音声や表示を出力する構成が記載されている。なお、識別情報の読み込みには、バーコードやRFIDを使用することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−000581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したように、従来の識別装置ではバーコードやRFIDを使用することが一般的であった。
【0006】
しかしながら、バーコードは水濡れや擦過に弱いという欠点があり、また、バーコードを印刷するための領域を確保しなければならず、外観に影響を与えるという問題があった。
【0007】
この点、RFIDを使用すればバーコードのような問題は発生しないが、装置が高価であるため、製造コストに関して制約の多い玩具などの分野においては、より安価な識別装置が求められていた。
そこで、本発明は、RFIDシステムなどの高価な装置を使用することなく、安価に製作できる識別装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、以下を特徴とする。
【0009】
(請求項1)
請求項1に記載の識別装置は、コマやカードなどの識別体と、前記識別体のIDを識別するための装置本体と、を備えた識別装置であって、前記装置本体は、静電容量の変化を検出するための複数のセンサ電極を配設したセンサ面を備え、前記識別体には、複数の導電スポットを導電線で接続して形成した認識パターンが設けられ、前記装置本体のセンサ面に前記識別体の認識パターンを対面させることで前記認識パターンによって前記複数のセンサ電極を互いに電気的に接続して静電容量を変化させ、この静電容量の変化を基に前記装置本体が前記認識パターンを識別可能としたことを特徴とする。
【0010】
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。
すなわち、前記導電スポットは、2または3ごとに前記導電線で接続されていることを特徴とする。
【0011】
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、上記した請求項1又は2記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。
すなわち、同一の前記識別体の認識パターンを回転させて前記装置本体のセンサ面に対面させることで、異なる識別結果となることを特徴とする。
【0012】
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、上記した請求項1〜3のいずれかに記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。
すなわち、同一の前記識別体の認識パターンを裏返して前記装置本体のセンサ面に対面させることで、異なる識別結果となることを特徴とする。
(請求項5)
【0013】
請求項5に記載の識別装置は、コマやカードなどの識別体のIDを識別するための識別装置であって、静電容量の変化を検出するための複数のセンサ電極を配設したセンサ面と、前記センサ電極における静電容量の変化を基に識別体のIDを識別する制御手段と、を備え、前記制御手段は、所定の静電容量の変化を検出した前記センサ電極の組み合わせによって識別体のIDを識別することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明は上記の通りであり、装置本体は、静電容量を検出するセンサ電極を複数配設したセンサ面を備え、識別体には、複数の導電スポットを導電線で接続して形成した認識パターンが設けられ、前記装置本体のセンサ面に前記識別体の認識パターンを対面させることで前記認識パターンによって前記複数のセンサ電極を互いに電気的に接続して静電容量を変化させ、この静電容量の変化を基に前記認識パターンを識別する。すなわち、複数のセンサ電極間を識別体の認識パターンで接続することで、1のセンサ電極から他のセンサ電極へと電流を流し、静電容量の変化を発生させる。そして、このように静電容量の変化が発生したセンサ電極を検知し、検知したセンサ電極の組み合わせによって認識パターンを識別する。
【0015】
このような構成によれば、RFIDを使用しなくても、従来型の静電容量センサを使用して安価に識別装置を製作することができる。また、静電容量式のセンサを使用しているので、識別体の認識パターンの表面を絶縁体(紙や合成樹脂など)で覆うことができ、識別体の外観に影響を与えることなくIDを付与することができる。
【0016】
また、請求項2に記載の発明は上記の通りであり、前記導電スポットは、2または3ごとに前記導電線で接続されている。導電スポットの数は、認識パターンによって任意の数に設定されるが、センサ電極の静電容量を変化させる必要があるので最低数は2であり、最大数はセンサ電極の数である。本発明は、導電スポットの数が2以上のいくつであっても、2または3の導電スポットを導電線で接続したものを組み合わせることで認識パターンを構成している。言い換えると、4以上の導電スポットを一本の導電線で接続したものが存在しない。このようにすれば、導電線による接続のパターンをシンプルにすることができるので、量産を容易とすることができる。
【0017】
また、請求項3に記載の発明は上記の通りであり、同一の前記識別体の認識パターンを回転させて前記装置本体のセンサ面に対面させることで、異なる識別結果となるので、同一の識別体を使用して異なる動作をさせることも可能となり、玩具等のバリエーションを豊富にすることができる。
【0018】
また、請求項4に記載の発明は上記の通りであり、同一の前記識別体の認識パターンを裏返して前記装置本体のセンサ面に対面させることで、異なる識別結果となるので、同一の識別体を使用して異なる動作をさせることも可能となり、玩具等のバリエーションを豊富にすることができる。
【0019】
また、請求項5に記載の発明は上記の通りであり、静電容量を検出するセンサ電極を複数配設したセンサ面と、前記センサ電極における静電容量の変化を基に識別体のIDを識別する制御手段と、を備え、前記制御手段は、所定の静電容量の変化を検出した前記センサ電極の組み合わせによって識別体のIDを識別する。すなわち、複数のセンサ電極間が接続されたときに、別の電極へと電流が流れるために静電容量の変化が発生する。そして、このように静電容量の変化が発生したセンサ電極を検知し、検知したセンサ電極の組み合わせによって認識パターンを識別する。このような構成によれば、RFIDを使用しなくても、従来型の静電容量センサを使用して安価に識別装置を製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】識別装置の内部構造を示すブロック図である。
【
図3】識別体の例を示す図であって、(a)第1の識別体の表面図、(b)第1の識別体の認識パターンを表す図、(c)第2の識別体の表面図、(d)第2の識別体の認識パターンを表す図、(e)第3の識別体の表面図、(f)第3の識別体の認識パターンを表す図、(g)第4の識別体の表面図、(h)第4の識別体の認識パターンを表す図である。
【
図4】第1の変形例を示す図であって、(a)識別体の表面図、(b)識別体の認識パターンを表す図である。
【
図5】第2の変形例を示す図であって、(a)識別体の表面図、(b)表面を上にした場合の識別体の認識パターンを表す図、(c)識別体の裏面図、(d)裏面を上にした場合の識別体の認識パターンを表す図である。
【
図6】(a)第3の変形例に係るセンサ面22を示す図、(b)第4の変形例に係るセンサ面22を示す図、(c)第5の変形例に係るセンサ面22を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施形態について、図を参照しながら説明する。
本実施形態に係る識別装置は、
図1に示すように、コマやカードなどの識別体10と、識別体10のIDを識別するための装置本体20と、を備えている。
【0022】
識別体10には、複数の導電スポット12を導電線13で接続して形成した認識パターンが埋め込まれている。この認識パターンは識別体10のIDとして使用可能なものであり、各識別体10で異なるパターンが設定されている。この認識パターンを構成する導電スポット12及び導電線13は、いずれも導電性の材料で形成されており、後述する複数のセンサ電極23を電気的に接続できるように、センサ電極23の位置に対応して配置されている。
【0023】
なお、本実施形態においては、カード状の識別体10を使用しており、例えば2枚の表面材で認識パターンを挟み込むようにして形成されている。こうしたカード状の識別体10を製作する方法としては、例えば一方の表面材の裏側に導電インクなどで認識パターンを印刷し、他方の表面材を貼り合わせるようにしてもよい。
【0024】
また、カード状の識別体10を製作する別の方法としては、例えば一方の表面材の裏側に導電線13を配置し、この導電線13の上に型抜きした導電性の薄片(アルミ箔などの金属片)を貼り付けて導電スポット12を形成し、認識パターンが構成できたら他方の表面材を貼り合わせてもよい。
【0025】
表面材は紙や合成樹脂などの絶縁体で形成すればよく、表面には任意の図柄等を配置することができる。そして、内部の認識パターンは外部から視認できないようになっている。
【0026】
装置本体20は、
図1に示すように、識別体10を載置するためのセンサ面22を備えている。このセンサ面22の裏側には、静電容量の変化を検出するための複数のセンサ電極23が配設されている。センサ面22の表面は、紙や合成樹脂、ガラスなどの板状の絶縁体で構成されており、センサ電極23に直接触れることができないようにセンサ電極23を覆っている。
【0027】
また、この装置本体20は、
図2に示すように、装置本体20の作動を制御する制御手段21と、この制御手段21からの信号に基づいて所定の動作を行う出力装置24と、を内蔵している。
【0028】
制御手段21は、例えば、CPUを中心に構成されてROM・RAM等を備えた装置であり、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、各種の制御を実行する。具体的には、本実施形態に係る制御手段21は、前記した複数のセンサ電極23の静電容量の変化を監視し、所定の静電容量の変化が発生したセンサ電極23を特定する。そして、所定の静電容量の変化を検出したセンサ電極23の組み合わせによって、識別体10の認識パターン(すなわちID)を識別するようになっている。
【0029】
出力装置24は、例えばスピーカなどの音声出力装置である。なお、出力装置24としては、音声出力装置に限らず、LEDや液晶ディスプレイなどの視覚表示装置などでもよい。この出力装置24は、制御手段21からの信号に従って所定の出力動作を実行する。例えば、制御手段21が識別体10を認識したときに、その識別体10に応じた音声を出力装置24が出力するようになっている。
【0030】
本実施形態に係る装置本体20は、
図1に示すように、9つのセンサ電極23を備えている。この9つのセンサ電極23は互いに独立して設けられており、例えば人間がセンサ電極23に触れてアースされた状態となることによって静電容量の変化が検出されるようになっている。ただし、本実施形態においては、従来のように人間がセンサ電極23に触れることで静電容量を変化させるのではなく、センサ面22に識別体10の認識パターンを対面させることで静電容量を変化させるようにしている。
【0031】
すなわち、識別体10の導電スポット12は、センサ電極23と対応する位置に、センサ電極23の数(9つ)を最大数として配置されている。これらの導電スポット12は、
図3に示すように、複数(2または3)ごとに導電線13で接続され、認識パターンを形成している。このように形成された認識パターンが装置本体20のセンサ面22に臨むように識別体10をセンサ面22に載置すると、認識パターンによって複数のセンサ電極23が電気的に接続される。
図2に示す例においては、S1〜S9までの9つのセンサ電極23のうち、S1とS3とが電気的に接続され、S4とS6とS9とが電気的に接続される。このように複数のセンサ電極23が電気的に接続されると、接続された別のセンサ電極23へと電流が流れるため、静電容量の変化が発生する。例えば、S1においてはS3へと電流が流れて静電容量の変化が発生し、S3においてはS1へと電流が流れて静電容量の変化が発生する。このように静電容量の変化が発生したセンサ電極23を制御手段21が検出することで、検出したセンサ電極23の組み合わせによって認識パターンを識別する。なお、装置本体20が検知するのは静電容量の変化が発生したセンサ電極23の組み合わせであり、どのセンサ電極23が導電線13によって接続されているのかは検知しない。このような識別方法によれば、複数のセンサ電極23から2以上のセンサ電極23を選択した場合の組み合わせの数だけIDを作成することができる。
【0032】
本発明は、例えば
図3に示すような知育玩具に応用することができる。この
図3に示す応用例では、果物を描いたカードを識別体10として用意し、それぞれのカードを装置本体20のセンサ面22に載置したときにそのカードに描かれた果物の名前が出力装置24から出音される。すなわち、
図3に示すように複数の異なる種類の果物を表示するカードに、それぞれ異なる認識パターンを付与し、そのカードに応じた音声出力をするように構成できる。具体的には、
図3(a)のカードをセンサ面22に載置すると、
図3(b)に示す認識パターンが識別され、「りんご」という音声が出力装置24から出音されるように構成できる。
【0033】
なお、本実施形態においては、導電線13の太さがセンサ電極23の静電容量の変化に影響を与えない程度の太さとなっているため、
図3(b)や
図3(g)に示すように導電線13がセンサ電極23の上を通過するような場合でも、通過しているセンサ電極23の静電容量の変化は検出されない。よって、導電線13がセンサ電極23の上を通過しないように迂回させて配置する必要がないので、導電線13を直線的に配置することができ、識別体10を容易に製作することができる。
次に、本実施形態の変形例について説明する。
【0034】
図4は、識別体10の変形例を示す図である。この
図4に示す変形例においては、同一の識別体10を回転させてセンサ面22に載置することで、装置本体20の識別結果が異なるように構成されており、装置本体20がそれぞれの識別結果によって異なる動作を実行するようになっている。例えば、
図4に示すように、表面に複数の果物の絵を表示したカードの場合、そのカードをどういった角度でセンサ面22に載置するかによって異なる音声出力をするようにしてもよい。具体的には、りんごの絵が上にくるようにセンサ面22に載置した場合には「りんご」と出音し、みかんの絵が上にくるようにセンサ面22に載置した場合には「みかん」と出音し、ぶどうの絵が上にくるようにセンサ面22に載置した場合には「ぶどう」と出音し、いちごの絵が上にくるようにセンサ面22に載置した場合には「いちご」と出音するようにしてもよい。
【0035】
図5は、識別体10の別の変形例を示す図である。この
図5に示す変形例においては、同一の前記識別体10を裏返してセンサ面22に載置することで、装置本体20の識別結果が異なるように構成されており、装置本体20がそれぞれの識別結果によって異なる動作を実行するようになっている。例えば、
図5に示すように、表面と裏面とで異なる果物の絵を表示したカードの場合、そのカードをどちらの面を上にしてセンサ面22に載置するかによって異なる音声出力をするようにしてもよい。具体的には、りんごの絵を上にしてセンサ面22に載置した場合には「りんご」と出音し、みかんの絵を上にしてセンサ面22に載置した場合には「みかん」と出音するようにしてもよい。
【0036】
なお、上記した実施形態においては、カード状の識別体10を例に説明しているが、本発明の実施形態としてはこれに限らず、例えば人形体などの立体的な識別体10としてもよい。このような立体的な識別体10の場合、底面部などに認識パターンを形成すればよい。このように形成すれば、例えばボードゲームなどで使用するコマを識別体10とし、ボードゲームの盤面を装置本体20として構成することができ、ボードゲームの盤面にコマを置くだけで、そのコマの認識パターンが読み込まれてコマに応じた音声出力等をすることも可能である。
【0037】
また、装置本体20を変身ベルト玩具とし、変身ベルト玩具に装着するメダルや鍵などを識別体10とすれば、変身ベルト玩具に所定のメダルや鍵などを装着すると効果音が出るようにすることもできる。また、変身ベルト玩具に装着したメダルや鍵などを回転させると、別の認識パターンが読み込まれて、特別な効果音が出るようにすることもできる。
【0038】
なお、センサ面22の形状やセンサ電極23の配置は
図1に示すような正方形に限らず、目的に応じて様々な配置とすることができる。例えば、
図6(a)に示すように、センサ面22の形状を非対称形状にし、この非対称形状に合うように識別体10の載置面を形成すれば、決められた方向でしか識別体10をセットできないため、識別体10が間違った方向でセットされることを防止できる。また、
図6(b)に示すように、センサ電極23をセンサ面22の所定の方向に偏って配置すれば、識別体10が間違った方向でセットされた場合には認識パターンが読み込まれないようにすることができるので、例えば知育玩具などにおいて所定の方向でセットした場合にのみ認識パターンが識別されて正解音を出力するようなことも可能となる。また、
図6(c)に示すように、センサ電極23を円形や円弧状に配置すれば、識別体10を少しずつ回転させて異なる識別結果とすることができるので、例えば識別体10を回転させることでストーリーが展開していくような玩具を製作することもできる。
【0039】
以上説明したように、本実施形態によれば、装置本体20は、静電容量を検出するセンサ電極23を複数配設したセンサ面22を備え、識別体10には、複数の導電スポット12を導電線13で接続して形成した認識パターンが設けられ、前記装置本体20のセンサ面22に前記識別体10の認識パターンを対面させることで前記認識パターンによって前記複数のセンサ電極23を互いに電気的に接続して静電容量を変化させ、この静電容量の変化を基に前記認識パターンを識別する。すなわち、複数のセンサ電極23間を識別体10の認識パターンで接続することで、1のセンサ電極23から他のセンサ電極23へと電流を流し、静電容量の変化を発生させる。そして、このように静電容量の変化が発生したセンサ電極23を検知し、検知したセンサ電極23の組み合わせによって認識パターンを識別する。
【0040】
このような構成によれば、RFIDを使用しなくても、従来型の静電容量センサを使用して安価に識別装置を製作することができる。また、静電容量式のセンサを使用しているので、識別体10の認識パターンの表面を絶縁体(紙や合成樹脂など)で覆うことができ、識別体10の外観に影響を与えることなくIDを付与することができる。
【0041】
また、導電スポット12は、2または3ごとに導電線13で接続されている。導電スポット12の数は、認識パターンによって任意の数に設定されるが、センサ電極23の静電容量を変化させる必要があるので最低数は2であり、最大数はセンサ電極23の数である。本実施形態では、導電スポット12の数が2以上のいくつであっても、2または3の導電スポット12を導電線13で接続したものを組み合わせることで認識パターンを構成している。言い換えると、4以上の導電スポット12を一本の導電線13で接続したものが存在しない。このようにすれば、導電線13による接続のパターンをシンプルにすることができるので、量産を容易とすることができる。
【0042】
また、
図4で説明したように、同一の識別体10を回転させて装置本体20のセンサ面22に対向させることで、異なる識別結果となるようにすれば、同一の識別体10を使用して異なる動作をさせることも可能となり、玩具等のバリエーションを豊富にすることができる。
【0043】
また、
図5で説明したように、同一の識別体10を裏返して装置本体20のセンサ面22に対向させることで、異なる識別結果となるようにすれば、同一の識別体10を使用して異なる動作をさせることも可能となり、玩具等のバリエーションを豊富にすることができる。
【符号の説明】
【0044】
10 識別体
12 導電スポット
13 導電線
20 装置本体
21 制御手段
22 センサ面
23 センサ電極
24 出力装置
【手続補正書】
【提出日】2014年8月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コマやカードなどの識別体と、前記識別体のIDを識別するための装置本体と、を備えた識別装置であって、
前記装置本体は、静電容量の変化を検出するための複数のセンサ電極を配設したセンサ面を備え、
前記識別体には、複数の導電スポットを導電線で接続して形成した認識パターンが設けられ、
前記導電スポットは、前記センサ電極と1対1の関係となるように配置され、
前記装置本体のセンサ面に前記識別体の認識パターンを対面させることで前記認識パターンによって前記複数のセンサ電極を互いに電気的に接続して人体を介することなく静電容量を変化させ、この静電容量の変化を基に前記装置本体が前記認識パターンを識別可能としたことを特徴とする、識別装置。
【請求項2】
前記導電スポットは、2または3ごとに前記導電線で接続されていることを特徴とする、請求項1記載の識別装置。
【請求項3】
同一の前記識別体の認識パターンを回転させて前記装置本体のセンサ面に対面させることで、異なる識別結果となることを特徴とする、請求項1又は2記載の識別装置。
【請求項4】
同一の前記識別体の認識パターンを裏返して前記装置本体のセンサ面に対面させることで、異なる識別結果となることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の識別装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コマやカードなどの識別体のIDを識別することができる識別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コマやカードなどの識別体にIDを付与し、このIDを識別装置で識別して所定の動作を実行する玩具が知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、トレーディングカードやフィギュア、プラモデルなどの玩具体にそれぞれ種別情報を付与し、この種別情報をゲーム装置で読み込むことにより、所定の音声や表示を出力する構成が記載されている。なお、識別情報の読み込みには、バーコードやRFIDを使用することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−000581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したように、従来の識別装置ではバーコードやRFIDを使用することが一般的であった。
【0006】
しかしながら、バーコードは水濡れや擦過に弱いという欠点があり、また、バーコードを印刷するための領域を確保しなければならず、外観に影響を与えるという問題があった。
【0007】
この点、RFIDを使用すればバーコードのような問題は発生しないが、装置が高価であるため、製造コストに関して制約の多い玩具などの分野においては、より安価な識別装置が求められていた。
そこで、本発明は、RFIDシステムなどの高価な装置を使用することなく、安価に製作できる識別装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、以下を特徴とする。
【0009】
(請求項1)
請求項1に記載の識別装置は、コマやカードなどの識別体と、前記識別体のIDを識別するための装置本体と、を備えた識別装置であって、前記装置本体は、静電容量の変化を検出するための複数のセンサ電極を配設したセンサ面を備え、前記識別体には、複数の導電スポットを導電線で接続して形成した認識パターンが設けられ、
前記導電スポットは、前記センサ電極と1対1の関係となるように配置され、前記装置本体のセンサ面に前記識別体の認識パターンを対面させることで前記認識パターンによって前記複数のセンサ電極を互いに電気的に接続して
人体を介することなく静電容量を変化させ、この静電容量の変化を基に前記装置本体が前記認識パターンを識別可能としたことを特徴とする。
【0010】
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。
すなわち、前記導電スポットは、2または3ごとに前記導電線で接続されていることを特徴とする。
【0011】
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、上記した請求項1又は2記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。
すなわち、同一の前記識別体の認識パターンを回転させて前記装置本体のセンサ面に対面させることで、異なる識別結果となることを特徴とする。
【0012】
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、上記した請求項1〜3のいずれかに記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。
すなわち、同一の前記識別体の認識パターンを裏返して前記装置本体のセンサ面に対面させることで、異なる識別結果となることを特徴とする。
【0013】
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明は上記の通りであり、装置本体は、静電容量を検出するセンサ電極を複数配設したセンサ面を備え、識別体には、複数の導電スポットを導電線で接続して形成した認識パターンが設けられ、前記装置本体のセンサ面に前記識別体の認識パターンを対面させることで前記認識パターンによって前記複数のセンサ電極を互いに電気的に接続して静電容量を変化させ、この静電容量の変化を基に前記認識パターンを識別する。すなわち、複数のセンサ電極間を識別体の認識パターンで接続することで、1のセンサ電極から他のセンサ電極へと電流を流し、静電容量の変化を発生させる。そして、このように静電容量の変化が発生したセンサ電極を検知し、検知したセンサ電極の組み合わせによって認識パターンを識別する。
【0015】
このような構成によれば、RFIDを使用しなくても、従来型の静電容量センサを使用して安価に識別装置を製作することができる。また、静電容量式のセンサを使用しているので、識別体の認識パターンの表面を絶縁体(紙や合成樹脂など)で覆うことができ、識別体の外観に影響を与えることなくIDを付与することができる。
【0016】
また、請求項2に記載の発明は上記の通りであり、前記導電スポットは、2または3ごとに前記導電線で接続されている。導電スポットの数は、認識パターンによって任意の数に設定されるが、センサ電極の静電容量を変化させる必要があるので最低数は2であり、最大数はセンサ電極の数である。本発明は、導電スポットの数が2以上のいくつであっても、2または3の導電スポットを導電線で接続したものを組み合わせることで認識パターンを構成している。言い換えると、4以上の導電スポットを一本の導電線で接続したものが存在しない。このようにすれば、導電線による接続のパターンをシンプルにすることができるので、量産を容易とすることができる。
【0017】
また、請求項3に記載の発明は上記の通りであり、同一の前記識別体の認識パターンを回転させて前記装置本体のセンサ面に対面させることで、異なる識別結果となるので、同一の識別体を使用して異なる動作をさせることも可能となり、玩具等のバリエーションを豊富にすることができる。
【0018】
また、請求項4に記載の発明は上記の通りであり、同一の前記識別体の認識パターンを裏返して前記装置本体のセンサ面に対面させることで、異なる識別結果となるので、同一の識別体を使用して異なる動作をさせることも可能となり、玩具等のバリエーションを豊富にすることができる。
【0019】
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】識別装置の内部構造を示すブロック図である。
【
図3】識別体の例を示す図であって、(a)第1の識別体の表面図、(b)第1の識別体の認識パターンを表す図、(c)第2の識別体の表面図、(d)第2の識別体の認識パターンを表す図、(e)第3の識別体の表面図、(f)第3の識別体の認識パターンを表す図、(g)第4の識別体の表面図、(h)第4の識別体の認識パターンを表す図である。
【
図4】第1の変形例を示す図であって、(a)識別体の表面図、(b)識別体の認識パターンを表す図である。
【
図5】第2の変形例を示す図であって、(a)識別体の表面図、(b)表面を上にした場合の識別体の認識パターンを表す図、(c)識別体の裏面図、(d)裏面を上にした場合の識別体の認識パターンを表す図である。
【
図6】(a)第3の変形例に係るセンサ面22を示す図、(b)第4の変形例に係るセンサ面22を示す図、(c)第5の変形例に係るセンサ面22を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施形態について、図を参照しながら説明する。
本実施形態に係る識別装置は、
図1に示すように、コマやカードなどの識別体10と、識別体10のIDを識別するための装置本体20と、を備えている。
【0022】
識別体10には、複数の導電スポット12を導電線13で接続して形成した認識パターンが埋め込まれている。この認識パターンは識別体10のIDとして使用可能なものであり、各識別体10で異なるパターンが設定されている。この認識パターンを構成する導電スポット12及び導電線13は、いずれも導電性の材料で形成されており、後述する複数のセンサ電極23を電気的に接続できるように、センサ電極23の位置に対応して配置されている。
【0023】
なお、本実施形態においては、カード状の識別体10を使用しており、例えば2枚の表面材で認識パターンを挟み込むようにして形成されている。こうしたカード状の識別体10を製作する方法としては、例えば一方の表面材の裏側に導電インクなどで認識パターンを印刷し、他方の表面材を貼り合わせるようにしてもよい。
【0024】
また、カード状の識別体10を製作する別の方法としては、例えば一方の表面材の裏側に導電線13を配置し、この導電線13の上に型抜きした導電性の薄片(アルミ箔などの金属片)を貼り付けて導電スポット12を形成し、認識パターンが構成できたら他方の表面材を貼り合わせてもよい。
【0025】
表面材は紙や合成樹脂などの絶縁体で形成すればよく、表面には任意の図柄等を配置することができる。そして、内部の認識パターンは外部から視認できないようになっている。
【0026】
装置本体20は、
図1に示すように、識別体10を載置するためのセンサ面22を備えている。このセンサ面22の裏側には、静電容量の変化を検出するための複数のセンサ電極23が配設されている。センサ面22の表面は、紙や合成樹脂、ガラスなどの板状の絶縁体で構成されており、センサ電極23に直接触れることができないようにセンサ電極23を覆っている。
【0027】
また、この装置本体20は、
図2に示すように、装置本体20の作動を制御する制御手段21と、この制御手段21からの信号に基づいて所定の動作を行う出力装置24と、を内蔵している。
【0028】
制御手段21は、例えば、CPUを中心に構成されてROM・RAM等を備えた装置であり、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、各種の制御を実行する。具体的には、本実施形態に係る制御手段21は、前記した複数のセンサ電極23の静電容量の変化を監視し、所定の静電容量の変化が発生したセンサ電極23を特定する。そして、所定の静電容量の変化を検出したセンサ電極23の組み合わせによって、識別体10の認識パターン(すなわちID)を識別するようになっている。
【0029】
出力装置24は、例えばスピーカなどの音声出力装置である。なお、出力装置24としては、音声出力装置に限らず、LEDや液晶ディスプレイなどの視覚表示装置などでもよい。この出力装置24は、制御手段21からの信号に従って所定の出力動作を実行する。例えば、制御手段21が識別体10を認識したときに、その識別体10に応じた音声を出力装置24が出力するようになっている。
【0030】
本実施形態に係る装置本体20は、
図1に示すように、9つのセンサ電極23を備えている。この9つのセンサ電極23は互いに独立して設けられており、例えば人間がセンサ電極23に触れてアースされた状態となることによって静電容量の変化が検出されるようになっている。ただし、本実施形態においては、従来のように人間がセンサ電極23に触れることで静電容量を変化させるのではなく、センサ面22に識別体10の認識パターンを対面させることで静電容量を変化させるようにしている。
【0031】
すなわち、識別体10の導電スポット12は、センサ電極23と対応する位置に、センサ電極23の数(9つ)を最大数として配置されている。これらの導電スポット12は、
図3に示すように、複数(2または3)ごとに導電線13で接続され、認識パターンを形成している。このように形成された認識パターンが装置本体20のセンサ面22に臨むように識別体10をセンサ面22に載置すると、認識パターンによって複数のセンサ電極23が電気的に接続される。
図2に示す例においては、S1〜S9までの9つのセンサ電極23のうち、S1とS3とが電気的に接続され、S4とS6とS9とが電気的に接続される。このように複数のセンサ電極23が電気的に接続されると、接続された別のセンサ電極23へと電流が流れるため、静電容量の変化が発生する。例えば、S1においてはS3へと電流が流れて静電容量の変化が発生し、S3においてはS1へと電流が流れて静電容量の変化が発生する。このように静電容量の変化が発生したセンサ電極23を制御手段21が検出することで、検出したセンサ電極23の組み合わせによって認識パターンを識別する。なお、装置本体20が検知するのは静電容量の変化が発生したセンサ電極23の組み合わせであり、どのセンサ電極23が導電線13によって接続されているのかは検知しない。このような識別方法によれば、複数のセンサ電極23から2以上のセンサ電極23を選択した場合の組み合わせの数だけIDを作成することができる。
【0032】
本発明は、例えば
図3に示すような知育玩具に応用することができる。この
図3に示す応用例では、果物を描いたカードを識別体10として用意し、それぞれのカードを装置本体20のセンサ面22に載置したときにそのカードに描かれた果物の名前が出力装置24から出音される。すなわち、
図3に示すように複数の異なる種類の果物を表示するカードに、それぞれ異なる認識パターンを付与し、そのカードに応じた音声出力をするように構成できる。具体的には、
図3(a)のカードをセンサ面22に載置すると、
図3(b)に示す認識パターンが識別され、「りんご」という音声が出力装置24から出音されるように構成できる。
【0033】
なお、本実施形態においては、導電線13の太さがセンサ電極23の静電容量の変化に影響を与えない程度の太さとなっているため、
図3(b)や
図3(g)に示すように導電線13がセンサ電極23の上を通過するような場合でも、通過しているセンサ電極23の静電容量の変化は検出されない。よって、導電線13がセンサ電極23の上を通過しないように迂回させて配置する必要がないので、導電線13を直線的に配置することができ、識別体10を容易に製作することができる。
次に、本実施形態の変形例について説明する。
【0034】
図4は、識別体10の変形例を示す図である。この
図4に示す変形例においては、同一の識別体10を回転させてセンサ面22に載置することで、装置本体20の識別結果が異なるように構成されており、装置本体20がそれぞれの識別結果によって異なる動作を実行するようになっている。例えば、
図4に示すように、表面に複数の果物の絵を表示したカードの場合、そのカードをどういった角度でセンサ面22に載置するかによって異なる音声出力をするようにしてもよい。具体的には、りんごの絵が上にくるようにセンサ面22に載置した場合には「りんご」と出音し、みかんの絵が上にくるようにセンサ面22に載置した場合には「みかん」と出音し、ぶどうの絵が上にくるようにセンサ面22に載置した場合には「ぶどう」と出音し、いちごの絵が上にくるようにセンサ面22に載置した場合には「いちご」と出音するようにしてもよい。
【0035】
図5は、識別体10の別の変形例を示す図である。この
図5に示す変形例においては、同一の前記識別体10を裏返してセンサ面22に載置することで、装置本体20の識別結果が異なるように構成されており、装置本体20がそれぞれの識別結果によって異なる動作を実行するようになっている。例えば、
図5に示すように、表面と裏面とで異なる果物の絵を表示したカードの場合、そのカードをどちらの面を上にしてセンサ面22に載置するかによって異なる音声出力をするようにしてもよい。具体的には、りんごの絵を上にしてセンサ面22に載置した場合には「りんご」と出音し、みかんの絵を上にしてセンサ面22に載置した場合には「みかん」と出音するようにしてもよい。
【0036】
なお、上記した実施形態においては、カード状の識別体10を例に説明しているが、本発明の実施形態としてはこれに限らず、例えば人形体などの立体的な識別体10としてもよい。このような立体的な識別体10の場合、底面部などに認識パターンを形成すればよい。このように形成すれば、例えばボードゲームなどで使用するコマを識別体10とし、ボードゲームの盤面を装置本体20として構成することができ、ボードゲームの盤面にコマを置くだけで、そのコマの認識パターンが読み込まれてコマに応じた音声出力等をすることも可能である。
【0037】
また、装置本体20を変身ベルト玩具とし、変身ベルト玩具に装着するメダルや鍵などを識別体10とすれば、変身ベルト玩具に所定のメダルや鍵などを装着すると効果音が出るようにすることもできる。また、変身ベルト玩具に装着したメダルや鍵などを回転させると、別の認識パターンが読み込まれて、特別な効果音が出るようにすることもできる。
【0038】
なお、センサ面22の形状やセンサ電極23の配置は
図1に示すような正方形に限らず、目的に応じて様々な配置とすることができる。例えば、
図6(a)に示すように、センサ面22の形状を非対称形状にし、この非対称形状に合うように識別体10の載置面を形成すれば、決められた方向でしか識別体10をセットできないため、識別体10が間違った方向でセットされることを防止できる。また、
図6(b)に示すように、センサ電極23をセンサ面22の所定の方向に偏って配置すれば、識別体10が間違った方向でセットされた場合には認識パターンが読み込まれないようにすることができるので、例えば知育玩具などにおいて所定の方向でセットした場合にのみ認識パターンが識別されて正解音を出力するようなことも可能となる。また、
図6(c)に示すように、センサ電極23を円形や円弧状に配置すれば、識別体10を少しずつ回転させて異なる識別結果とすることができるので、例えば識別体10を回転させることでストーリーが展開していくような玩具を製作することもできる。
【0039】
以上説明したように、本実施形態によれば、装置本体20は、静電容量を検出するセンサ電極23を複数配設したセンサ面22を備え、識別体10には、複数の導電スポット12を導電線13で接続して形成した認識パターンが設けられ、前記装置本体20のセンサ面22に前記識別体10の認識パターンを対面させることで前記認識パターンによって前記複数のセンサ電極23を互いに電気的に接続して静電容量を変化させ、この静電容量の変化を基に前記認識パターンを識別する。すなわち、複数のセンサ電極23間を識別体10の認識パターンで接続することで、1のセンサ電極23から他のセンサ電極23へと電流を流し、静電容量の変化を発生させる。そして、このように静電容量の変化が発生したセンサ電極23を検知し、検知したセンサ電極23の組み合わせによって認識パターンを識別する。
【0040】
このような構成によれば、RFIDを使用しなくても、従来型の静電容量センサを使用して安価に識別装置を製作することができる。また、静電容量式のセンサを使用しているので、識別体10の認識パターンの表面を絶縁体(紙や合成樹脂など)で覆うことができ、識別体10の外観に影響を与えることなくIDを付与することができる。
【0041】
また、導電スポット12は、2または3ごとに導電線13で接続されている。導電スポット12の数は、認識パターンによって任意の数に設定されるが、センサ電極23の静電容量を変化させる必要があるので最低数は2であり、最大数はセンサ電極23の数である。本実施形態では、導電スポット12の数が2以上のいくつであっても、2または3の導電スポット12を導電線13で接続したものを組み合わせることで認識パターンを構成している。言い換えると、4以上の導電スポット12を一本の導電線13で接続したものが存在しない。このようにすれば、導電線13による接続のパターンをシンプルにすることができるので、量産を容易とすることができる。
【0042】
また、
図4で説明したように、同一の識別体10を回転させて装置本体20のセンサ面22に対向させることで、異なる識別結果となるようにすれば、同一の識別体10を使用して異なる動作をさせることも可能となり、玩具等のバリエーションを豊富にすることができる。
【0043】
また、
図5で説明したように、同一の識別体10を裏返して装置本体20のセンサ面22に対向させることで、異なる識別結果となるようにすれば、同一の識別体10を使用して異なる動作をさせることも可能となり、玩具等のバリエーションを豊富にすることができる。
【符号の説明】
【0044】
10 識別体
12 導電スポット
13 導電線
20 装置本体
21 制御手段
22 センサ面
23 センサ電極
24 出力装置