【解決手段】動作確認用治具500は、ダミー本体部材410を保持した薬液注入装置によりダミースライド部材420がスライド移動される際に、ダミースライド部材420から受ける力によって破断する金属部材(例えば金属板510)を含む。金属部材は、薬液シリンジを保持した薬液注入装置がピストン部材をスライド移動させて薬液を生体に注入するときと同等の抗力を、ダミースライド部材420を介して薬液注入装置に与えながら破断する。
シリンダ部材と前記シリンダ部材にスライド可能に挿入されたピストン部材とを有する薬液シリンジの前記ピストン部材をスライド移動させて薬液を生体に注入する薬液注入装置の動作確認に用いられる動作確認装置であって、
前記シリンダ部材と同様に前記薬液注入装置により保持されるダミー本体部材と、
前記ダミー本体部材に対してスライド可能に設けられ、前記ピストン部材と同様に前記薬液注入装置によりスライド移動されるダミースライド部材と、
前記ダミー本体部材に取り付けられ、前記ダミー本体部材を保持した前記薬液注入装置により前記ダミースライド部材がスライド移動される際に、前記薬液注入装置に対して抗力を与える動作確認用治具と、
を有し、
前記動作確認用治具は、
前記ダミー本体部材を保持した前記薬液注入装置により前記ダミースライド部材がスライド移動される際に、前記ダミースライド部材から受ける力によって破断する金属部材を含み、
前記金属部材は、前記薬液シリンジを保持した前記薬液注入装置が前記ピストン部材をスライド移動させて前記薬液を生体に注入するときと同等の抗力を、前記ダミースライド部材を介して前記薬液注入装置に与えながら破断する薬液注入装置の動作確認装置。
前記一対の対向部の各々において、破断後に折り返された部分と破断前の部分との境界に位置する折り返し部の曲率を、前記一対の対向部が破断される際に一定値以下に維持させる曲率維持機構を更に有する請求項4乃至8の何れか一項に記載の薬液注入装置の動作確認装置。
前記曲率維持機構は、前記折り返し部において、前記破断後に折り返された部分と前記破断前の部分との間に保持された軸受部材を含む請求項9に記載の薬液注入装置の動作確認装置。
前記ダミースライド部材の移動方向に対して交差する方向へ前記動作確認用治具を前記保持凹部に対して相対的に移動させることによって、前記動作確認用治具を前記保持凹部に着脱可能である請求項11に記載の薬液注入装置の動作確認装置。
前記ダミースライド部材の移動方向へ前記動作確認用治具を前記保持凹部に対して相対的に移動させることによって、前記動作確認用治具を前記保持凹部に挿抜可能であり、
前記移動規制部は、前記ダミースライド部材の移動方向に対して直交する方向へと、前記保持凹部に対して相対的に移動可能であり、
前記保持凹部に前記動作確認用治具を挿入した状態で、前記移動規制部を前記保持凹部に対して移動させることにより、前記移動規制部によって、前記保持凹部に対する前記動作確認用治具の相対移動が規制された状態となる請求項11に記載の薬液注入装置の動作確認装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
【0020】
以下においては、説明を簡単にするため、各構成要素の位置関係(上下関係等)が各図に示す関係であるものとして説明を行う場合がある。ただし、この説明における位置関係は、動作確認装置および動作確認用治具の使用時や製造時の位置関係を限定するものではない。
【0021】
〔第1の実施形態〕
図1は第1の実施形態に係る動作確認装置400を示す図であり、このうち(a)〜(c)は側断面図、(d)は平面図、(e)および(f)は斜視図である。
図2は第1の実施形態に係る動作確認用治具500を示す図であり、このうち(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は正面図、(d)および(e)は動作確認用治具500を斜め後方から見た斜視図である。
図3は第1の実施形態に係る動作確認用治具500の材料を示す図であり、このうち(a)は側面図、(b)は平面図(下面図)、(c)は正面図である。
図4は第1の実施形態に係る動作確認装置400と薬液注入装置100の注入ヘッド110とを示す斜視図であり、注入ヘッド110に動作確認装置400を取り付ける前の、動作確認装置400と注入ヘッド110とが互いに分離した状態を示す。
図5は薬液シリンジ200と薬液注入装置100の注入ヘッド110とを示す斜視図であり、注入ヘッド110に薬液シリンジ200を取り付ける前の、薬液シリンジ200と注入ヘッド110とが互いに分離した状態を示す。
図6は薬液注入装置100の斜視図である。
図7は薬液注入システム1000の斜視図である。
図8は薬液注入装置100の表示装置105の表示画面105a(
図6)における表示の一例を示す図である。
【0022】
動作確認装置400について詳述する前に、先ず、
図7に示す薬液注入システム1000について説明する。
【0023】
薬液注入システム1000は、透視撮像装置の一例としてのCTスキャナ300と、薬液注入装置100(
図6)と、薬液シリンジ200(
図5)と、動作確認装置400(
図4、
図1)と、を有する。
【0024】
CTスキャナ300は、
図7に示すように、例えば、透視撮像ユニット301と撮像制御ユニット302とを有しており、透視撮像ユニット301と撮像制御ユニット302とは通信ネットワーク(図示略)を介して相互に通信可能に構成されている。撮像制御ユニット302は、透視撮像ユニット301の動作制御を行い、透視撮像ユニット301は、撮像制御ユニット302の制御下で生体の透視画像を撮像する。
透視撮像ユニット301によって生体の透視画像を撮影する前には、予め、薬液注入装置100によって造影剤等の薬液が生体に注入される。
【0025】
薬液注入装置100は、薬液シリンジ200(
図5)を用いて生体に薬液を注入するものであり、
図6に示すように、例えば、互いに別体に構成された注入制御ユニット101と注入ヘッド110とを有している。注入制御ユニット101と注入ヘッド110とは、例えば通信ケーブル102を介して相互に接続され、通信ケーブル102を介して相互に通信可能となっている。注入制御ユニット101は、コンピュータユニット(図示略)を内蔵しており、注入ヘッド110のピストン駆動アクチュエーター(図示略)の動作制御を行う。
【0026】
図5に示すように、薬液シリンジ200は、シリンダ部材210と、シリンダ部材210にスライド可能に挿入されたピストン部材220と、を有している。
シリンダ部材210は、円筒状のシリンダ本体211を有しており、シリンダ本体211の前端部の中央には導管部212が形成されている。シリンダ本体211の前端部における導管部212以外の部分は閉塞している。シリンダ本体211の後端は開口しており、この開口からシリンダ本体211の内部にピストン部材220がスライド可能に挿入されている。シリンダ本体211の後端には、シリンダ本体211の後端の周面よりシリンダ本体211の径方向における外方へ円環状に張り出したシリンダフランジ213が形成されている。
ピストン部材220は、棒状のピストン本体221と、ピストン本体221の後端よりピストン本体221の軸方向に対して直交する方向へ円環状に張り出したピストンフランジ222と、を有している。ピストン部材220は、シリンダ部材210に対してスライド可能となるように、シリンダ部材210に挿入されている。
【0027】
注入ヘッド110には薬液シリンジ200を着脱可能に装着することが可能となっている。
【0028】
注入ヘッド110は、互いに一体に形成された後部111と前部113とを有している。前部113の上面には、薬液シリンジ200が上方から挿入される半円筒形で上向きに開放した凹部114と、シリンダフランジ213の下部が挿入されるフランジ保持溝120と、が形成されている。
【0029】
更に、注入ヘッド110は、ピストン部材220を前方及び後方に移動させるプッシャ116と、このプッシャ116を前進及び後退させるための駆動源であるピストン駆動アクチュエーター(図示略)と、ピストン駆動アクチュエーターの動力をプッシャ116に伝達する駆動力伝達機構(図示略)と、を備えている。
プッシャ116、ピストン駆動アクチュエーターおよび駆動力伝達機構などにより、ピストン部材220を前進及び後退させるピストン駆動機構が構成されている。
【0030】
ピストン駆動アクチュエーターは、例えば、作動時にも磁界を発生しない超音波モータであり、注入制御ユニット101の制御下で駆動する。ピストン駆動アクチュエーターの動力が、ネジ機構などからなる駆動力伝達機構を介してプッシャ116に伝達されることにより、プッシャ116が前進及び後退する。
【0031】
ピストン駆動アクチュエーターは、例えば、注入ヘッド110の後部111に内蔵されている。そして、注入ヘッド110の後部111内において、ピストン駆動アクチュエーターとプッシャ116の後端部とが、駆動力伝達機構を介して相互に連結されている。プッシャ116の前端部には、ピストンフランジ222を保持する保持爪116aが形成されている。
【0032】
薬液シリンジ200を注入ヘッド110に装着するには、シリンダフランジ213の下部がフランジ保持溝120により保持されるとともに、ピストンフランジ222が保持爪116aにより保持されるように、薬液シリンジ200を上方から凹部114に挿入し、シリンダ部材210の下部の周面を凹部114により支持させる。
シリンダフランジ213がフランジ保持溝120に保持されることによって、シリンダ部材210が注入ヘッド110に対して相対的に前方に移動してしまうことが規制される。
【0033】
また、注入ヘッド110は、プッシャ116に加わる圧力、すなわちプッシャ116がピストン部材220を押圧する圧力を検出するロードセル(図示略)を内蔵している。ロードセルにより検出された圧力は、注入制御ユニット101に送信されるようになっている。
【0034】
図6に示すように、注入制御ユニット101は、表示装置105を備えている。注入制御ユニット101は、注入ヘッド110のロードセルにより検出された圧力を、表示装置105の表示画面105aにおいてリアルタイムにグラフ表示させる制御を行う。
【0035】
生体に薬液を注入するには、シリンダ部材210内に薬液が充填された薬液シリンジ200の導管部212にチューブ(図示略)の一端側を繋ぎ、チューブの他端側を生体に繋ぐ。そして、薬液シリンジ200を注入ヘッド110に装着する。その状態で、注入制御ユニット101の制御下でピストン駆動アクチュエーターがプッシャ116を前進させることにより、ピストン部材220がシリンダ部材210の内部に押し込まれ、シリンダ部材210内の薬液が導管部212およびチューブをこの順に介して生体に注入される。すなわち、薬液注入装置100は、薬液シリンジ200のシリンダ部材210を保持した状態で、薬液シリンジ200のピストン部材220をシリンダ部材210に対してスライド移動させることにより、薬液を生体に注入する。
【0036】
このとき、注入ヘッド110のロードセルは、ピストン部材220をシリンダ部材210に圧入する圧力をリアルタイムに検出し、この検出された圧力が注入制御ユニット101に送信されて表示画面105aにてリアルタイムにグラフ表示される。
【0037】
本実施形態に係る動作確認装置400(
図1)は、薬液注入装置100(
図6)の動作確認に用いられるものである。すなわち、本実施形態に係る動作確認装置400は、シリンダ部材210とシリンダ部材210にスライド可能に挿入されたピストン部材220とを有する薬液シリンジ200のピストン部材220をスライド移動させて薬液を生体に注入する薬液注入装置100の動作確認に用いられる装置である。
図4に示すように、動作確認装置400は、ダミー本体部材410と、ダミースライド部材420と、動作確認用治具500と、を有している。ダミー本体部材410は、シリンダ部材210と同様に薬液注入装置100により保持される。ダミースライド部材420は、ダミー本体部材410に対してスライド可能となるようにダミー本体部材410に設けられており、薬液シリンジ200のピストン部材220と同様に薬液注入装置100によりスライド移動される。
動作確認用治具500は、ダミー本体部材410に取り付けられる。動作確認用治具500は、ダミー本体部材410を保持した薬液注入装置100によりダミースライド部材420がスライド移動される際に、薬液注入装置100に対して抗力を与える。
動作確認用治具500は、ダミー本体部材410を保持した薬液注入装置100によりダミースライド部材420がスライド移動される際に、ダミースライド部材420から受ける力によって破断する金属部材(例えば金属板510)を含む。
この金属部材は、薬液シリンジ200を保持した薬液注入装置100がピストン部材220をスライド移動させて薬液を生体に注入するときと同等の抗力を、ダミースライド部材420を介して薬液注入装置100に与えながら、破断する。
【0038】
また、本実施形態に係る動作確認用治具500は、本実施形態に係る動作確認装置400における動作確認用治具500である。
【0040】
先ず、
図1を参照して、ダミー本体部材410およびダミースライド部材420について説明する。
【0041】
本実施形態の場合、ダミー本体部材410は、シリンダ部材210のシリンダ本体211と同等の円筒形の外形を持つダミーシリンダ430と、ダミーシリンダ430の前方に連結された治具保持部440と、を有する。
【0042】
ダミーシリンダ430は、該ダミーシリンダ430に対してダミースライド部材420が一方向にスライド可能となるように、ダミースライド部材420を保持している。なお、ダミースライド部材420がダミーシリンダ430から脱落しないように、図示しない脱落防止機構が設けられていることが好ましい。
ダミーシリンダ430に対するダミースライド部材420のスライド方向は、ダミーシリンダ430の外形の円筒形状における中心軸方向である。ダミーシリンダ430の内部には、ダミースライド部材420を軸受けする軸受部431が形成されている。これにより、ダミーシリンダ430の外形の円筒形状における中心軸方向に対して交差する方向へと、ダミースライド部材420がダミーシリンダ430に対して相対的に移動してしまうことが規制されている。
ダミーシリンダ430の後端部には、シリンダフランジ213と同等の外形を持つダミーフランジ413が形成されている。すなわち、ダミーフランジ413は、ダミーシリンダ430の後端よりダミーシリンダ430の径方向における外方へ円環状に張り出している。
【0043】
ダミースライド部材420は、一方向に長尺な棒状体421と、この棒状体421の後端部に設けられてプッシャ116からの力を受ける受部425と、を有している。受部425の後端部には、ピストンフランジ222と同等の外形を持つダミーフランジ422が形成されている。すなわち、ダミーフランジ422は、ダミースライド部材420の後端部において、棒状体421の軸方向に対して直交する方向へ円環状に張り出している。
【0044】
ダミースライド部材420は、薬液注入装置100によって前方に押し込まれるときに、棒状体421の先端部によって、動作確認用治具500の一部分(後述する押圧力受部531)を押圧し、動作確認用治具500を破断させる。
【0045】
治具保持部440には、動作確認用治具500を着脱可能に保持する保持凹部450が形成されている。保持凹部450は、例えば、動作確認用治具500をほぼ隙間無く収容することが可能な寸法及び形状に形成されている。治具保持部440において、保持凹部450の前端部を画定する部分は、移動規制部460を構成している。移動規制部460は、保持凹部450に動作確認用治具500が保持された状態で、薬液注入装置100によりダミースライド部材420が前方にスライド移動されるときに、当該スライド移動の方向へと動作確認用治具500が保持凹部450に対して相対的に移動してしまうことを規制する。
【0046】
このように、本実施形態の場合、ダミー本体部材410は、動作確認用治具500を着脱可能に保持する保持凹部450と、薬液注入装置100によりダミースライド部材420がスライド移動される方向へと、動作確認用治具500が保持凹部450に対して相対的に移動してしまうことを規制する移動規制部460と、を有する。
【0047】
保持凹部450に対する動作確認用治具500の着脱は、ダミースライド部材420の移動方向に対して交差する方向へ動作確認用治具500を保持凹部450に対して相対的に移動させることによって行うことができる。より具体的には、動作確認用治具500を上方から下方へ移動させて保持凹部450へ挿入することによって、動作確認用治具500を保持凹部450に装着することができる(
図1(e)、(a)等参照)。また、保持凹部450内の動作確認用治具500を上方へ移動させることによって、動作確認用治具500を保持凹部450から取り外すことができる(
図1(f)、(c)等参照)。
【0048】
更に、治具保持部440の前端部には、切欠形状部470が形成されている。これにより、動作確認用治具500においてダミースライド部材420により押されて変形した部分が、切欠形状部470を介して治具保持部440の前方へ突出できるようになっている(
図1(b))。また、切欠形状部470は上方に開放しており、動作確認用治具500を保持凹部450から取り外す際には、動作確認用治具500において変形した部分を切欠形状部470の上方へ抜き取ることができるようになっている(
図1(c)、(f))。
【0049】
次に、
図2を参照して、動作確認用治具500について説明する。なお、
図2(a)〜(d)の各図は使用前(一対の対向部520が破断する前)の状態の動作確認用治具500を示し、
図2(e)は一対の対向部520が破断した状態の動作確認用治具500を示している。
【0050】
本実施形態の場合、動作確認用治具500は、ダミー本体部材410に対して着脱可能な使い捨てのものである。
【0051】
図2に示すように、動作確認用治具500は、例えば、1枚の金属板510からなる。すなわち、動作確認用治具500は、例えば、金属板510を加工して得られる構造体であり、例えば、金属板510に折り曲げ加工及び切断加工を施すことによって構成されている。動作確認用治具500は、例えば、上下対称、且つ、左右対称に形成されている。
【0052】
金属板510は、例えば、互いに対向している板状の一対の対向部520と、一対の対向部520の一端部どうしを相互に連結している連結部530と、を有している。
【0053】
各対向部520は、一方向に長尺な矩形状の板状部であり、動作確認用治具500の使用時にはダミースライド部材420の移動方向に沿って配置される。すなわち、動作確認用治具500が保持凹部450に挿入された状態では、各対向部520の長手方向が、ダミースライド部材420の移動方向に沿った状態となるようになっている。一対の対向部520は、互いに平行に対向している。
【0054】
連結部530のの少なくとも一部分は、ダミースライド部材420により押される押圧力受部531を構成している。
【0055】
ここで、ダミースライド部材420の移動方向に対して直交する方向で、且つ、対向部520の面直方向に対しても直交する方向を幅方向W(
図2(a)、
図4)と称する。
本実施形態の場合、幅方向Wにおける連結部530の中央部は、ダミースライド部材420により押される押圧力受部531を構成している。
押圧力受部531は、連結部530に形成された一対の切れ目515によって、連結部530における押圧力受部531以外の部分(以下、隣接部532と称する)の各々から分離している。
【0056】
そして、押圧力受部531がダミースライド部材420によって一対の対向部520の一端部側から他端部527側に向かう方向(
図2に示される前側)に押されるときに、一対の対向部520は、ダミースライド部材420に抗力を与えながら破断される。この抗力の大きさが、薬液シリンジ200を保持した薬液注入装置100がピストン部材220をスライド移動させて薬液を生体に注入するときと同等の抗力となるように、動作確認用治具500は構成されている。
【0057】
押圧力受部531は、一対の対向部520の他端部527側に向けて凸に屈曲している。このため、ダミースライド部材420の先端部によって容易に、押圧力受部531を一対の対向部520の一端部側から他端部527側へ向かう方向に押圧することができる。
【0058】
より具体的には、押圧力受部531は、一対の対向部520の他端部527側に向けて弧状の凸形状に形成された弧状部531aと、弧状部531aと各対向部520との間に位置しているとともに各対向部520に対して平行に対向している平行対向部531bと、を有する。すなわち、押圧力受部531は、一対の対向部520の各々に対して平行に対向する一対の平行対向部531bを有する。
【0059】
一対の対向部520の各々と押圧力受部531との境界における折り返し部531cの各々は、一対の対向部520の他端部527側とは反対側(
図2の後側)に向けて凸の弧状(アーチ状)に形成されている。
【0060】
また、隣接部532の各々は、一対の対向部520の他端部527側とは反対側(
図2の後側)に向けて凸の弧状(アーチ状)に形成されている。
【0061】
また、一対の対向部520には、幅方向Wにおける対向部520の両端部に沿って、それぞれリブ521が形成されている。これにより、対向部520の保形性が向上している。
【0062】
なお、ダミースライド部材420の棒状体421の先端部の外径は、一対の平行対向部531bの対向間隔D(
図2(b)に等しい。すなわち、ダミースライド部材420において押圧力受部531を押圧する部分の、一対の対向部520の面直方向における寸法は、一対の平行対向部531bどうしの対向間隔Dに等しい。これにより、ダミースライド部材420により押圧力受部531を押圧して一対の対向部520を破断する際に、一対の平行対向部531bをそれぞれ対向部520に対して平行に維持することができる。
【0063】
金属部材には、溝が形成され、金属部材は、溝に沿って破断するようになっている。より具体的には、例えば、金属板510の少なくとも一方の面には、溝511が形成され、金属板510は、溝511に沿って破断するようになっている。本実施形態の場合、例えば、各対向部520の一方の面(外側の面)にのみ溝511が形成されている。各対向部520には、互いに並列の一対の溝511がそれぞれ形成されている。本実施形態の場合、溝511が延在する方向は、対向部520の長手方向に対して平行な方向となっている。つまり、各対向部520において、一対の溝511は互いに平行に延在している。
【0064】
次に、
図3を参照して、動作確認用治具500の作製方法の一例を説明する。
【0065】
先ず、一定の肉厚を有しているとともに、一方向に長尺な矩形状の、平板な金属板510を準備する。
次に、金属板510の長手方向における中央部、すなわち連結部530となる部分に、互いに平行で且つそれぞれ金属板510の長手方向に延在する一対の直線状の切れ目515(
図3(b))を形成する。また、各切れ目515の延長線上に溝511を形成する。
また、金属板510の長手方向に並んで形成されるリブ521の間の部分をそれぞれ切除し、金属板510の長手方向においてその切除した部分の両側に位置する部分を、それぞれ折り曲げることによって、リブ521を形成する。
次に、金属板510の長手方向における中央部を折り曲げる。この折り曲げの方向は、金属板510の長手方向に並ぶリブ521どうしが互いに対向する状態(
図2(b)参照)となる方向、すなわち
図3(a)の矢印A方向である。これにより、金属板510の一対の対向部520を互いに平行に対向した状態とする。
次に、連結部530において、一対の切れ目515の間の部分、すなわち押圧力受部531となる部分を、一対の対向部520の間の領域に向けて(
図3(a)に矢印B方向に相当する方向へ)押し込むことにより変形させて、押圧力受部531を形成する。
これにより、
図2(a)〜(d)に示す動作確認用治具500が得られる。
【0066】
金属板510の材料は、常温で固体の任意の金属又は金属化合物とすることができる。必要な抗力の大きさに応じて、金属板510の材料及び肉厚を適宜選定することができる。金属板510の材料は、単一の金属元素からなる純金属であっても良いし、合金であっても良いし、それら以外の金属化合物であっても良い。一例として、金属板510はアルミニウムにより構成することができる。
【0067】
なお、薬液シリンジ200としては、ピストン部材220を押圧する際の抗力が互いに異なる複数種類のものが存在する場合がある。その場合、必要とされる複数種類の大きさの抗力に応じて、それぞれ対応する抗力を発生する動作確認用治具500を準備することもできる。
【0068】
ここで、動作確認用治具500が発生する抗力の理想的な値の例について説明する。
【0069】
CT用の薬液注入装置100の場合、容積が100mlの薬液シリンジ200にかかる最大圧力は、例えば21kg/cm
2であり、この場合の力は168kgf(1647N)である。
一方、動作確認用治具500は、例えば1kg/cm
2以上21kg/cm
2以下程度の圧力を発生するように設計することができ、この場合において押圧力受部531を押圧して一対の対向部520を破断および変形させるのに要する力は、8kgf(78N)以上168kgf(1647N)以下程度とすることができる。すなわち、動作確認用治具500は、例えば、8kgf以上168kgf以下で破断するように設計することができる。
【0070】
また、容積が200mlの薬液シリンジ200の場合、最大圧力については、容積が100mlの場合と同じく、例えば21kg/cm
2であるが、断面積が大きい分、ピストン部材220を押圧するためにはより大きな力が必要であり、具体的には、例えば、最大圧力のときの力は350kgf(3432N)である。
容積が200mlの薬液シリンジ200を用いる場合において、上記と同様に動作確認用治具500が1kg/cm
2以上21kg/cm
2以下程度の圧力を発生するようにするには、動作確認用治具500は、16.67kgf(163N)以上350kgf(3432N)以下で破断するように設計すれば良い。
【0071】
このように、動作確認用治具500により1kg/cm
2以上21kg/cm
2以下程度の圧力を発生させるためには、動作確認用治具500は、8kgf以上350kgf以下で破断するように設計すると良い。
【0072】
動作確認用治具500の経時劣化を抑制するために、金属板510の表面には防錆処理が施されていても良い。防錆処理の例としては、メッキ処理、アルマイト処理、塗装処理、熱処理等が挙げられる。
【0073】
次に、動作確認装置400を用いた薬液注入装置100の動作確認について説明する。
【0074】
なお、動作確認装置400を用いた薬液注入装置100の動作確認は、薬液注入装置100により生体に薬液を注入する直前の点検として行っても良いし、薬液注入装置100の定期点検又は日常点検として行っても良い。
【0075】
先ず、
図1(a)および(d)に示すように、動作確認用治具500をダミー本体部材410の保持凹部450に挿入し保持させる。保持凹部450内での動作確認用治具500の向きは、他端部527が前方に位置し、連結部530が後方に位置する向きであれば良く、
図1(a)に示すように一対の対向部520が左右に並んでも良いし、
図1(d)に示すように一対の対向部520が上下に並んでも良い。保持凹部450に動作確認用治具500が保持された状態で、動作確認用治具500は、ダミースライド部材420の棒状体421の前方において、棒状体421と同軸上に位置する。
【0076】
次に、動作確認装置400を薬液注入装置100の注入ヘッド110に装着する(
図4参照)。すなわち、ダミーフランジ413の下部がフランジ保持溝120により保持されるとともに、ダミーフランジ422が保持爪116aにより保持されるように、動作確認装置400を上方から凹部114に挿入し、ダミーシリンダ430の下部の周面を凹部114により支持させる。
このようにダミーフランジ413がフランジ保持溝120に保持されることによって、ダミーシリンダ430、ひいてはダミー本体部材410の全体が注入ヘッド110に対して相対的に前方に移動してしまうことが規制されている。
また、移動規制部460によって、動作確認用治具500がダミー本体部材410に対して相対的に前方に移動してしまうことが規制されている。
【0077】
次に、実際に薬液シリンジ200を用いて生体に薬液を注入するときと同様に、薬液注入装置100を作動させる。すると、プッシャ116によりダミースライド部材420がダミー本体部材410に押し込まれる。
【0078】
これにより、押圧力受部531は、ダミースライド部材420によって、一対の対向部520の一端部側から他端部527側へ向かう方向、すなわち前方へ徐々に押されるとともに、一対の対向部520が互いに均等に徐々に破断する(
図1(b)、
図2(e)参照)。
すなわち、一方の対向部520の破断は、当該一方の対向部520に形成された一対の溝511に沿って進展するとともに、他方の対向部520の破断も、当該他方の対向部520に形成された一対の溝511に沿って進展する。
対向部520において破断が進展した部分の幅方向Wにおける中央部は、対向部520において未だ破断が進展していない部分と対向する状態となるように変形し、平行対向部531bに取り込まれる。対向部520において破断が進展した部分の幅方向Wにおける中央部は、当初の平行対向部531bに追従して、当初の平行対向部531bと同一平面上に位置するように変形する。
また、破断の進展に伴い、折り返し部531cは一対の対向部520の他端部527側へ移動する。
【0079】
このように押圧力受部531がダミースライド部材420により押される際には、一対の対向部520の他端部527が移動規制部460によって移動規制されるので、ダミー本体部材410に対する他端部527の位置は一定に維持される。
【0080】
このように破断が進展する際に、動作確認用治具500は、ダミースライド部材420を介して、薬液注入装置100のロードセルへとほぼ一定の抗力を与える。この抗力は、一対の対向部520が破断するとともに変形するのに必要な力である。なお、一対の対向部520の破断自体に要する力の大きさよりも、むしろ、一対の対向部520の変形に要する力の方が大きいと考えられる。
【0081】
このように破断が進展する際に、薬液注入装置100のロードセルは、動作確認用治具500からダミースライド部材420を介して与えられる抗力をリアルタイムに検出し、検出した抗力を注入制御ユニット101へ送信する。注入制御ユニット101の表示装置105では、このように検出される抗力の値のグラフ表示710(
図8参照)を、表示画面105aにてリアルタイムに表示する。
【0082】
ダミースライド部材420の前進は、予め設定された押圧距離だけダミースライド部材420が前進することにより停止する。なお、ダミースライド部材420の前進が停止した段階でも、一対の対向部520の破断は他端部527までは進展せず、押圧力受部531が対向部520および隣接部532と繋がった状態となるように、押圧距離は設定されている。
【0083】
動作確認装置400が発生する抗力は、薬液シリンジ200を用いて生体に薬液を注入するときの抗力と同等なので、薬液注入装置100の動作に問題が無い場合は、表示画面105aに表示されるグラフも、薬液シリンジ200を用いて生体に薬液を注入するときと同等のグラフとなる。
【0084】
オペレータは、表示されるグラフ表示710を確認することによって、薬液注入装置100の動作に問題があるかどうかを判別することができる。
【0085】
なお、グラフ表示710には、例えば、目標の圧力値を基準とした上限の圧力値および下限の圧力値をそれぞれ示すリミット圧力ライン表示711を追加しても良い。例えば、上限の圧力値は、目標の圧力値の1.1倍の値とし、下限の圧力値は、目標の圧力値の0.9倍の値とすることができる。このようにすることにより、オペレータは、薬液注入装置100の動作に問題があるかどうかをより容易に判別することができる。
【0086】
表示画面105aには、例えば、
図8に示すように、グラフ表示710の他に、平均圧力についての表示720や、その他のパラメータの表示730を行っても良い。パラメータの表示730としては、例えば、注入速度、注入量、注入時間を表示することが挙げられる。例えば、圧力を10.0kg/cm
2に設定したときに、
図8に示すように平均圧力が10.0kg/cm
2となることにより、オペレーターは、薬液注入装置100の動作に問題が無いことを確認することができる。また、注入速度を0.5ml/sec、注入量を100ml、注入時間を3分20秒と設定したときに、
図8に示すように、結果が設定値と同じとなることによっても、オペレーターは、薬液注入装置100の動作に問題が無いことを確認することができる。
【0087】
また、検出された圧力が上限の圧力値を上回るか、又は、下限の圧力値を下回るかした場合には、注入制御ユニット101がオペレーターに対して報知(音声報知、表示報知等)を行い、薬液注入装置100の校正を促すようにしても良い。
【0088】
ここで、薬液注入装置100は、例えば、電源投入時に、以下の項目について自動的にチェックを行うように構成されている。
・ピストン部材220を微量だけ前後に動かして、ピストン部材220の移動速度および移動量が正常であるかどうかを確認する。
・ピストン部材220が静止した状態で、ロードセルが検出する圧力が0(ゼロ)kg/cm
2であることを確認する。
・何れの操作ボタンも操作されていないことを確認する。
【0089】
しかし、薬液注入装置100による上記の自動的なチェックだけでは、薬液注入装置100が一定圧力での加圧状態(プッシャ116がピストン部材220を押圧しロードセルに負荷が加わる状態)でフルストローク動作が可能であるかどうかについては、確認することができない。ここで、フルストローク動作とは、例えば容積が100mlの薬液シリンジ200を用いる場合は、100ml分の注入動作の開始時から終了時までのプッシャ116の動作を意味する。
【0090】
このような事情に対し、本実施形態に係る動作確認用治具500を用いることにより、一定の圧力をフルストロークに亘りかけ続けることができる。例えば容積が100mlの薬液シリンジ200に対応する動作確認用治具500を用いる場合は、100ml分の注入動作の開始時から完了時まで一定の圧力をかけ続けることができる。
したがって、本実施形態に係る動作確認用治具500を用いて動作確認を行うことにより、(1)薬液注入装置100が検出する圧力の校正が合っているかどうかについての確認と、(2)一定圧力での加圧状態でフルストローク動作が可能か否かについての確認と、を行うことができる。特に、上記(2)の確認により、駆動力伝達機構を構成するボールネジ等のメカニカルな部分が、一定圧力での加圧状態で正常に稼働できるかを確認することができる。
【0091】
動作確認装置400を用いた薬液注入装置100の動作確認を終えたら、注入ヘッド110から動作確認装置400を取り外し、更に、ダミー本体部材410の保持凹部450から使用後の動作確認用治具500を取り外す(
図1(f)、(c)参照)。また、ダミースライド部材420を押圧する前の初期位置へとプッシャ116を復帰させる。
【0092】
以上のような第1の実施形態によれば、動作確認装置400は、ダミー本体部材410と、ダミースライド部材420と、動作確認用治具500とを備え、動作確認用治具500は、ダミー本体部材410を保持した薬液注入装置100によりダミースライド部材420がスライド移動される際に、ダミースライド部材420から受ける力によって破断する金属板510を含んでいる。そして、金属板510は、薬液シリンジ200を保持した薬液注入装置100がピストン部材220をスライド移動させて薬液を生体に注入するときと同等の抗力を、ダミースライド部材420を介して薬液注入装置100に与えながら破断する。このため、シリンダ部材210とピストン部材220との相対位置に関係なく略一定の抗力を発生する薬液シリンジ200と同等の抗力を、動作確認装置400により簡単に再現することができる。
よって、動作確認装置400を用いることにより、実際に生体に薬液を注入する場合と同様に薬液注入装置100を動作させ、薬液注入装置100の動作確認を行うことができる。従って、薬液注入装置100の動作を容易に確認することができる。
ここで、金属板510の破断(及び変形)に要する力の大きさは、温度依存性が極めて小さい。すなわち、本実施形態では、より温度依存性が小さい機構によって抗力を発生させて、薬液注入装置100の動作確認を容易且つ適切に行うことができる。
【0093】
また、動作確認用治具500が有する金属部材が金属板510であるため、一定の抗力を発生させる構造を容易に実現することができる。
【0094】
また、金属部材(金属板510)には溝511が形成され、金属部材(金属板510)は、溝511に沿って破断するので、金属部材(金属板510)の破断による抗力のバラツキを抑制し、該抗力を容易に所望の値に設定することができる。
【0095】
また、金属部材(金属板510)は、互いに対向しているとともにそれぞれダミースライド部材420の移動方向に沿って配置される板状の一対の対向部520と、一対の対向部520の一端部どうしを相互に連結している連結部530と、を有する。連結部530の少なくとも一部分は、ダミースライド部材420により押される押圧力受部531を構成している。そして、押圧力受部531がダミースライド部材420によって一対の対向部520の一端部側から他端部527側に向かう方向へ押されるときに、一対の対向部520は、薬液シリンジ200を保持した薬液注入装置100がピストン部材220をスライド移動させて薬液を生体に注入するときと同等の抗力をダミースライド部材420を介して薬液注入装置100に与えながら破断される。
このような構造の金属部材(金属板510)を有する動作確認用治具500を用いることにより、所望の抗力の再現性が向上し、且つ、破断の進展の程度にかかわらず、略一定の抗力を発生することができる。
【0096】
また、押圧力受部531は、一対の対向部520の他端部527側に向けて凸に屈曲しているので、ダミースライド部材420の先端部によって容易に押圧力受部531を一対の対向部520の他端部側へ押圧することができる。
【0097】
また、押圧力受部531は、一対の対向部520の各々に対して平行に対向する一対の平行対向部531bを有するので、初期状態の動作確認用治具500が発生する抗力と、破断が進展した状態の動作確認用治具500が発生する抗力とを略等しくすることができる。
【0098】
また、ダミースライド部材420において押圧力受部531を押圧する部分の、一対の対向部520の面直方向における寸法は、一対の平行対向部531bどうしの対向間隔Dに等しい。よって、一対の平行対向部531bどうしの対向間隔Dを維持しながら、ダミースライド部材420により押圧力受部531を押圧することができる。その結果、動作確認用治具500の破断の進展の程度にかかわらず、動作確認用治具500が発生する抗力の大きさをほぼ一定に維持することができる。
【0099】
また、ダミースライド部材420の移動方向に対して直交する方向で、且つ、対向部520の面直方向に対しても直交する方向を幅方向Wとすると、幅方向Wにおける対向部520の両端部に沿って、それぞれリブ521が形成されているので、対向部520の保形性が向上する。このことによっても、動作確認用治具500の破断の進展の程度にかかわらず、動作確認用治具500が発生する抗力の大きさをほぼ一定に維持することができる。
なお、本発明者の検討によれば、対向部520にリブ521が形成されていない場合は、
図9(a)および(b)に示すように、破断の進展に伴い、次第に一対の対向部520が互いに離間する方向へ変形することがある。一対の対向部520がこのように変形する結果、破断の進展に伴って折り返し部531cの曲率が変化してしまい、動作確認用治具500が発生する抗力の大きさが徐々に変化してしまう可能性がある。
本実施形態では、対向部520にリブ521が形成されていることにより、このような現象の発生を抑制することができる。
【0100】
〔第2の実施形態〕
図10(a)は第2の実施形態に係る動作確認用治具500を示す側断面図である。本実施形態に係る動作確認用治具500は、以下に説明する点で、第1の実施形態に係る動作確認用治具500と相違し、その他の点では第1の実施形態に係る動作確認用治具500と同様に構成されている。なお、
図10(a)においては、リブ521の図示を省略しているが、動作確認用治具500は、上記の第1の実施形態と同様にリブ521を有していることが好ましい。
【0101】
図10(b)は、曲率維持機構としての軸受部材810を有していない点で第2の実施形態に係る動作確認用治具500と相違する動作確認用治具500を示す側断面図である。
本発明者の検討によれば、動作確認用治具500の破断が進展するのに伴い、折り返し部531cの曲率が次第に大きく(折り返し部531cの曲率半径が次第に小さく)なる結果、動作確認用治具500が発生する抗力が次第に変化(増大)してしまう場合がある(
図10(b)参照)。
【0102】
そこで、本実施形態に係る動作確認用治具500は、一対の対向部520の各々において、破断後に折り返された部分と破断前の部分との境界に位置する折り返し部531cの曲率を、一対の対向部520が破断される際に一定値以下に維持させる曲率維持機構を有している。
【0103】
ここでいう曲率は、例えば、ダミースライド部材420の移動方向に対して平行で、且つ、一対の対向部520に対して直交する断面内での折り返し部531cの表面の曲率である。なお、折り返し部531cの表面とは、折り返し部531cの外側の表面としても良いし、折り返し部531cの内側の表面としても良い。
【0104】
本実施形態の場合、曲率維持機構は、折り返し部531cにおいて、破断後に折り返された部分と破断前の部分との間に保持された軸受部材810を含む。より具体的には、曲率維持機構は、例えば、軸受部材810のみにより構成されている。軸受部材810は、例えば、円柱形状のコロである。軸受部材810の外径は、対向部520と平行対向部531bとの対向間隔に等しい。
【0105】
図10(a)に示すように、軸受部材810は、破断の進展の程度にかかわらず、折り返し部531cにおいて同様の状態で保持されて、折り返し部531cの曲率をほぼ一定に維持させる。その結果、動作確認用治具500は、破断の進展の程度にかかわらず、ほぼ一定の抗力を発生することができる。
なお、対向部520の破断が進展する際には、対向部520において破断が進展した部分の幅方向Wにおける中央部、すなわち、破断後は先ず折り返し部531cとなって、引き続き平行対向部531bに取り込まれる部分は、軸受部材810の周面に沿って変形し、折り返される。また、軸受部材810は、常時、折り返し部531cの内側の曲面に接触した状態に維持される。
【0106】
なお、本実施形態では、動作確認用治具500は、後述する第3の実施形態のような押さえ部材820を有していないが、金属板510および軸受部材810の加工精度が良好であれば、押さえ部材820を有していなくても、軸受部材810を折り返し部531cにおいて安定的に保持することができると考えられる。
すなわち、
図3に示す金属板510を曲げ変形させて、
図2に示すような押圧力受部531を形成する際に、折り返し部531cとなる部分の各々の内周側に軸受部材810を配置する。これにより、押圧力受部531が軸受部材810に沿って変形することにより折り返し部531cが形成され、且つ、折り返し部531cと平行対向部531bとの境界部が、軸受部材810の周面に沿って僅かに対向部520側に向けて曲げ変形するため、金属板510は、折り返し部531cからの軸受部材810の脱落を好適に抑制する形状となる。
【0107】
以上のような第2の実施形態によれば、動作確認用治具500は曲率維持機構を有しているので、一対の対向部520が破断される際に、折り返し部531cの曲率を一定値以下に維持させることができる。よって、一対の対向部520の破断の進展の程度にかかわらず、動作確認用治具500は、略一定の抗力を発生することができる。
【0108】
また、曲率維持機構は、軸受部材810からなるので、軸受部材810により折り返し部531cの内周面を支えることによって折り返し部531cの形状を維持させることができるとともに、対向部520において破断が進展した部分の幅方向Wにおける中央部を、軸受部材810の外周面に沿ってスムーズに且つ理想的な形状に変形させることができる。
【0109】
〔第3の実施形態〕
図11は第3の実施形態に係る動作確認用治具500を示す側面図である。このうち
図11(a)は押さえ部材820と金属板510とが分離した状態を示し、
図11(b)は金属板510に押さえ部材820を組み付けた状態を示す。本実施形態に係る動作確認用治具500は、以下に説明する点で、上記の第2の実施形態に係る動作確認用治具500と相違し、その他の点では、第2の実施形態に係る動作確認用治具500と同様に構成されている。
【0110】
本実施形態に係る動作確認用治具500は、折り返し部531cからの軸受部材810の脱落を抑制するための押さえ部材820を有している。
【0111】
図11(a)に示すように、押さえ部材820は、例えば、互いに平行に対向する一対の板状部821と、これら板状部821の一端部どうしを相互に連結している連結部822と、を有している。板状部821の他端部は、軸受部材810を押さえ付ける押さえ部823を構成している。
【0112】
押さえ部材820は、例えば、一方向に長尺な金属板をその中央部において折り曲げることにより構成することができる。或いは、押さえ部材820は、樹脂成型品であっても良い。
【0113】
図11(b)に示すように、押さえ部材820をその押さえ部823から先に、前方から金属板510の一対の対向部520の間に差し込むことによって、一対の板状部821の押さえ部823によってそれぞれ軸受部材810を後方に押さえ付けて、該軸受部材810が折り返し部531cから脱落してしまうことを抑制することができる。
【0114】
なお、金属板510が破断する際には、折り返し部531cが移動するため、折り返し部531cの移動に伴い、押さえ部材820も
図11(b)における左側に移動し、常に、押さえ部材820によって軸受部材810が後方に向けて押さえ付けられた状態に維持される。
【0115】
以上のような第3の実施形態によれば、押さえ部材820によって折り返し部531cからの軸受部材810の脱落を抑制することができるので、軸受部材810によって、より確実に、折り返し部531cの曲率を一定値以下に維持させることができる。
【0116】
〔第4の実施形態〕
図12は第4の実施形態に係る動作確認用治具500を説明するための図である。このうち(a)は動作確認用治具500の平面図、(b)は動作確認用治具500の側断面図(破断前)、(c)は動作確認用治具500の側断面図(破断の進展後)、(d)は動作確認用治具500の材料を示す平面図(下面図)である。本実施形態に係る動作確認用治具500は、以下に説明する点で、第2の実施形態に係る動作確認用治具500と相違し、その他の点では第2の実施形態に係る動作確認用治具500と同様に構成されている。
【0117】
上記の第2の実施形態では、曲率維持機構が軸受部材810である例を説明したが、本実施形態の場合、曲率維持機構は、スペーサ部材830からなる。スペーサ部材830は、一方向に長尺な平板状の部材であり、樹脂などの可撓性の材料により構成されている。スペーサ部材830の幅は略一定に形成されている。スペーサ部材830は、金属板510の内側の面に貼り付けられている。より具体的には、スペーサ部材830は、対向部520の内面、折り返し部531cの内面、平行対向部531bの内面、および弧状部531aにおける前側の面に亘って連続的に貼り付けられている。
【0118】
図12(b)および(c)に示すように、軸受部材810は、破断が進展するにつれて金属板510が変形するのに伴い変形する。すなわち、軸受部材810は、金属板510の内側の面に貼り付いたまま、常に金属板510の内側の面の形状に沿う形状となるように、金属板510とともに変形する。
【0119】
これにより、スペーサ部材830は、金属板510の破断の進展の程度にかかわらず、平行対向部531bと対向部520との対向間隔をスペーサ部材830の厚みのほぼ2倍に維持させることができるとともに、折り返し部531cの曲率をほぼ一定に維持させることができる。
【0120】
図12(a)に示すように、スペーサ部材830は、幅方向Wにおいて、一対の溝511の間に配置されていることが好ましい。これにより、対向部520が破断する際に、該対向部520とともにスペーサ部材830を破断する必要がなくなるため、対向部520が破断する際におけるスペーサ部材830の剥離を抑制できる。
【0121】
本実施形態に係る動作確認用治具500を作製するには、折り曲げ前の金属板510(
図3)において、折り曲げ後に内側となる面に、
図12(d)に示すようにスペーサ部材830を貼り付ける。その後、上記の第1の実施形態で説明したように金属板510を折り曲げて、一対の対向部520と、押圧力受部531とを形成することにより、
図12(a)および(b)に示す動作確認用治具500が得られる。
【0122】
以上のような第4の実施形態によっても、第2の実施形態と同様の効果が得られる。また、曲率維持機構は、金属板510に貼り付けられたスペーサ部材830であるので、金属板510からの曲率維持機構の脱落を抑制することができる。
【0123】
〔第5の実施形態〕
図13は第5の実施形態に係る動作確認用治具500を示す平面図である。このうち
図13(a)は破断前の動作確認用治具500の平面図、(b)は破断が進展した状態の動作確認用治具500の平面図である。本実施形態に係る動作確認用治具500は、以下に説明する点で、第1の実施形態に係る動作確認用治具500と相違し、その他の点では第1の実施形態に係る動作確認用治具500と同様に構成されている。
【0124】
上記の第2乃至第4の実施形態では、動作確認用治具500が曲率維持機構を有していることにより、
図10(b)のように折り返し部531cの曲率が次第に大きくなってしまうことを抑制する例を説明した。これに対し、本実施形態では、折り返し部531cの曲率が次第に大きくなる場合でも、動作確認用治具500が発生する抗力を略一定に維持することが可能な例を説明する。換言すれば、本実施形態では、折り返し部531cの曲率が次第に大きくなる場合において、抗力が次第に大きくなってしまうことを抑制する。
【0125】
図13に示すように、本実施形態の場合、一方の対向部520に形成された一対の溝511は、その長手方向における少なくとも一部の区間では、当該一対の溝511どうしの対向間隔が、他端部527に向けて徐々に小さくなっている。ここで、当該一部の区間は、初期に破断が進展する区間である。より具体的には、当該一部の区間では、当該一対の溝511は、曲線状に形成されている。
同様に、他方の対向部520に形成された一対の溝511も、その長手方向における少なくとも一部の区間では、当該一対の溝511どうしの対向間隔が、他端部527に向けて徐々に小さくなっている。
【0126】
これにより、一対の溝511が全長に亘って互いに平行な場合と比べて、破断が進展する際における初期の抗力を相対的に大きくすることができる。よって、破断の進展に伴って、折り返し部531cの曲率が次第に大きくなっても、抗力が次第に大きくなってしまうことを抑制することができる。
【0127】
以上のような第5の実施形態によれば、対向部520に形成された一対の溝511において、少なくとも初期に破断が進展する区間では、当該一対の溝511どうしの対向間隔が他端部527に向けて徐々に小さくなる曲線状に形成されている。よって、破断の進展に伴って、折り返し部531cの曲率が次第に大きくなっても、抗力が次第に大きくなってしまうことを抑制することができる。
【0128】
〔第6の実施形態〕
図14は第6の実施形態に係る動作確認用治具入りパッケージ600を示す平面図である。この動作確認用治具入りパッケージ600は、上記の何れかの実施形態に係る動作確認用治具500と、動作確認用治具500を密封状態で収容した袋体650と、を有している。動作確認用治具500の経時劣化を抑制するため、動作確認用治具500が袋体650内に真空パッケージされているか、又は、袋体650内に窒素ガス等の不活性ガスが充填されていることが好ましい。袋体650は、例えば、樹脂製のものとすることができる。袋体650は、可視光透過性のものであっても良いし、可視光を不透過なものであっても良い。袋体650が可視光透過性である場合は、袋体650の中に動作確認用治具500が入っていることを容易に認識することができる。動作確認用治具500は、袋体650に個包装されていても良いし、複数の動作確認用治具500が1つの袋体650内に収容されていても良い。
【0129】
動作確認用治具500を使用するときは、袋体650を手で破るか又はハサミ等で切断することによって、容易に袋体650から動作確認用治具500を取り出すことができる。
【0130】
以上のような第6の実施形態によれば、動作確認用治具入りパッケージ600は、動作確認用治具500と、動作確認用治具500を密封状態で収容した袋体650と、を有する。よって、袋体650により動作確認用治具500を保護することができるとともに、動作確認用治具500の経時劣化を抑制することができる。
【0131】
〔第7の実施形態〕
図15は第7の実施形態に係る動作確認装置400を示す図であり、このうち(a)および(b)は側断面図、(c)は斜視図、(d)および(e)は正面図である。本実施形態に係る動作確認装置400は、以下に説明する点で、第1の実施形態に係る動作確認装置400と相違し、その他の点では第1の実施形態に係る動作確認装置400と同様に構成されている。また、本実施形態の場合、動作確認用治具500は、上記の第1乃至第5の何れかの実施形態と同様である。
【0132】
本実施形態の場合、治具保持部440に形成された保持凹部450は、上方に向けてではなく、前方に向けて開口している。そして、ダミースライド部材420の移動方向へ動作確認用治具500を保持凹部450に対して相対的に移動させることによって、動作確認用治具500を保持凹部450に挿抜可能となっている。すなわち、
図15(a)に示すように、動作確認用治具500を保持凹部450に対して相対的に後方に移動させることによって、動作確認用治具500を保持凹部450に挿入することができ、動作確認用治具500を保持凹部450に対して相対的に前方に移動させることによって動作確認用治具500を保持凹部450から抜去することができる。
【0133】
本実施形態の場合、治具保持部440の前端部には、ダミースライド部材420の移動方向に対して直交する方向へと、治具保持部440に対して相対的にスライド移動可能なように、スライドゲート部材480が設けられている。より具体的には、スライドゲート部材480は、例えば、治具保持部440に対して相対的に上下方向にスライド可能なように、治具保持部440に保持されている。
【0134】
スライドゲート部材480は、ダミースライド部材420の移動方向に対して直交する向きに配置された盤状の本体部481を有する。本体部481には、本体部481を前後に貫通するスライド孔482が形成されている。
【0135】
スライド孔482は、上下方向に長尺な長孔である。スライドゲート部材480を治具保持部440に固定するための固定ピン490は、胴体部はスライド孔482に差し込み可能な外径に設定され、頭部はスライド孔482を通過不能な外径に設定されている。そして、固定ピン490の胴体部が、前方よりスライド孔482を通して治具保持部440の前端部に固定されることによって、スライドゲート部材480は治具保持部440に対して上下にスライド移動可能となるように治具保持部440に保持されている。
【0136】
スライドゲート部材480の本体部481の下部には、切欠形状部483が形成されている。切欠形状部483は、治具保持部440の前端部に形成される開口405の一部を構成する。より具体的には、切欠形状部483によって、開口405の下端部を除く部分が構成されるようになっている。
一方、治具保持部440の前端部の下部の上面側には、切欠形状部483と対向する切欠形状部921が形成されている。切欠形状部921は、開口405の他の部分を構成する。
図15(d)に示すように、スライドゲート部材480が下方に下がりきった状態すなわちスライドゲート部材480が閉じた状態では、切欠形状部483と切欠形状部921とが合わさることにより、切欠形状部483と切欠形状部921との間に開口405が形成される。
図15(e)に示すように、スライドゲート部材480が上方に上がりきった状態すなわちスライドゲート部材480が開いた状態では、切欠形状部483と切欠形状部921との間に開口405が形成される点は同様であるが、切欠形状部483と切欠形状部921とが互いに離間するようになっていても良い。
【0137】
開口405は、保持凹部450と連通しており、開口405を介して保持凹部450に動作確認用治具500をに挿抜したり、開口405を介して、動作確認用治具500において前方に向けて変形する部分を、開口405の前方へ突出させたりすることができるようになっている。
【0138】
スライドゲート部材480の本体部481における切欠形状部483の縁部(上側縁部及び左右の縁部)は移動規制部485を構成している。
一方、治具保持部440の前端部における切欠形状部921の縁部(下側縁部及び左右の縁部)は移動規制部920を構成している。
移動規制部485および移動規制部920は、スライドゲート部材480が閉じた状態において、動作確認用治具500が前方に移動してしまうことを規制する部分である。すなわち、移動規制部485および移動規制部920は、薬液注入装置100によりダミースライド部材420がスライド移動される方向へと、動作確認用治具500が保持凹部450に対して相対的に移動してしまうことを規制する。
【0139】
このように、保持凹部450を有する治具保持部440に対して相対的に上下動可能なスライドゲート部材480に、移動規制部485が設けられている。従って、移動規制部485は、ダミースライド部材420の移動方向に対して直交する方向へと、保持凹部450に対して相対的に移動可能である。
【0140】
スライドゲート部材480の本体部481の下端部は、差込部486を構成している。スライドゲート部材480が閉じることにより、差込部486は、治具保持部440に形成された差込溝910に差し込まれるようになっている。差込溝910は、治具保持部440の下部上面の前端から僅かに後方の部分において、左右方向に形成された溝である。スライドゲート部材480の差込部486が差込溝910に差し込まれることにより、スライドゲート部材480が閉じた状態において、スライドゲート部材480の下部が前方に移動してしまうことが規制される。なお、スライドゲート部材480の上部は、固定ピン490によって、前方に移動してしまうことが規制される。
【0142】
動作確認用治具500を保持凹部450に挿入するには、先ず、スライドゲート部材480を開き、保持凹部450を開口405の前方から保持凹部450に挿入する。このとき、動作確認用治具500の向きは、他端部527が前方側となるようにする。一対の対向部520は上下に配置されても良いし、左右に配置されても良い。
図15に示す例では、一対の対向部520は上下に配置されている。
【0143】
図15(e)は、動作確認用治具500を保持凹部450に挿入した状態で、且つ、未だスライドゲート部材480が開いている状態を示す。なお、
図15(e)では、動作確認用治具500が保持凹部450の底面から上方に浮いた状態を示している。
【0144】
動作確認用治具500を保持凹部450に挿入したら、
図15(d)に示すように、スライドゲート部材480を閉じる。これにより、動作確認用治具500の他端部527が移動規制部485および移動規制部920によって移動規制された状態となる。
すなわち、保持凹部450に動作確認用治具500を挿入した状態で、移動規制部485を保持凹部450に対して移動させることにより、移動規制部485によって、保持凹部450に対する動作確認用治具500の相対移動が規制された状態となる。
【0145】
その後、動作確認の際にダミースライド部材420によって押圧力受部531が押圧されることによって、上記の第1の実施形態と同様に動作確認用治具500が変形する。このとき、
図15(b)および(c)に示すように、動作確認用治具500において前方に向けて変形する部分は、開口405を介して前方に突出することができる。
【0146】
動作確認が終わって動作確認用治具500を保持凹部450から取り外すときには、スライドゲート部材480を開き、動作確認用治具500を前方に移動させて保持凹部450から抜き取る。
【0147】
以上のような第7の実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0148】
〔第8の実施形態〕
図16は第8の実施形態に係る動作確認装置400を示す図であり、このうち(a)は側断面図、(b)〜(d)は斜視図、(e)は側断面図である。本実施形態に係る動作確認装置400は、以下に説明する点で、第1の実施形態に係る動作確認装置400と相違し、その他の点では第1の実施形態に係る動作確認装置400と同様に構成されている。また、本実施形態の場合、動作確認用治具500は、上記の第1乃至第5の何れかの実施形態と同様である。
【0149】
上記の第1及び第7の実施形態では、動作確認用治具500の対向部520の他端部527がダミー本体部材410によって移動規制される例を説明した。これに対し、本実施形態では、隣接部532がダミー本体部材410によって移動規制される。
【0150】
本実施形態の場合、金属板510の連結部530における押圧力受部531以外の部分の各々(隣接部532の各々)は、ダミー本体部材410に係止される被係止部を構成している。すなわち、ダミースライド部材420の移動方向に対して直交する方向で、且つ、対向部520の面直方向に対しても直交する方向を幅方向Wとすると、幅方向Wにおける連結部530の中央部が、押圧力受部531を構成している。押圧力受部531は、連結部530に形成された一対の切れ目515によって、連結部530における押圧力受部531以外の部分(隣接部532)の各々から分離している。連結部530における押圧力受部531以外の部分(隣接部532)の各々は、ダミー本体部材520に係止される被係止部を構成している。
そして、被係止部(隣接部532)がダミー本体部材410に係止されることによって、薬液注入装置100によりダミースライド部材420がスライド移動される方向へと、動作確認用治具500がダミー本体部材410に対して相対的に移動してしまうことが規制される。
【0151】
ダミー本体部材410は、ダミースライド部材420をスライド可能に保持した保持部と、保持部に設けられたスライド筒950と、一対の被係止部すなわち隣接部532の各々が係止される係止部441と、を有している。保持部は、例えば、ダミーシリンダ430および治具保持部440により構成されている。
【0152】
例えば、治具保持部440の外形は円柱状に形成されている。スライド筒950は、円筒状に形成されている。スライド筒950の内径は、治具保持部440の外径に等しい。スライド筒950は、治具保持部440の外面に沿って前後にスライド可能となるように、治具保持部440に外挿されている。すなわち、スライド筒950は、保持部に保持されているとともに、ダミー本体部材410に対するダミースライド部材420のスライド方向へと、保持部に対して相対的にスライド可能となっている。なお、スライド筒950が治具保持部440から前方に脱落しないように、図示しない脱落防止機構がスライド筒950および治具保持部440に形成されているものとする。
【0153】
ダミー本体部材410には、例えば、左右一対の係止部441が形成されている。一対の係止部441は、例えば、それぞれ円柱状に形成され、互いに同軸に配置されている。一対の係止部441は、少なくとも押圧力受部531の幅寸法以上の間隔で互いに離間している。係止部441の外周面の曲率半径と、隣接部532の内周面の曲率半径とが互いに同等となるように、係止部441の外径が設定されている。
【0154】
治具保持部440の前端部には、それぞれ係止部441を支持している支持ブラケット442が、治具保持部440の前端面より前方に突出するように設けられている。支持ブラケット442は互いに対向するように左右に並んで配置され、互いの対向面においてそれぞれ係止部441を支持している。
【0155】
スライド筒950の前端部には、スライド筒950の前端部を閉塞する板状の前端部951が形成され、前端部951の中央には、開口952が形成されている。この開口952は、動作確認用治具500が通過可能な形状に形成されている。より具体的には、開口952は、動作確認用治具500の横断面形状(例えば矩形)と相似形で、且つ、動作確認用治具500の横断面の面積よりも若干広い程度の面積に形成されている。
【0157】
動作確認用治具500をダミー本体部材410に対してセットするには、先ず、
図16(a)および(b)に示すように、動作確認用治具500の他端部527側から一対の係止部441を一対の対向部520の間に差し込んで、一対の隣接部532をそれぞれ係止部441に係止する。この状態で、動作確認用治具500は一対の係止部441を揺動軸として揺動可能である。
【0158】
次に、スライド筒950を、治具保持部440に対して相対的に、前方へ(つまり薬液注入装置100によりダミースライド部材420がスライド移動される方向)へ移動させる。これにより、
図16(c)、(d)に示すように、動作確認用治具500は、揺動するとともに徐々にスライド筒950に呑み込まれ、最終的にはダミースライド部材420のスライド方向に沿って位置決めされる。これにより、動作確認用治具500は、ダミースライド部材420の棒状体421と同軸に、該棒状体421の前方に位置決めされる。こうして、ダミー本体部材410に対する動作確認用治具500のセットが完了する。
【0159】
その後、動作確認の際にダミースライド部材420によって押圧力受部531が押圧されることによって、上記の第1の実施形態と同様に動作確認用治具500が変形する(
図16(e))。
【0160】
動作確認が終わって動作確認用治具500をダミー本体部材410から取り外すときには、スライド筒950を後退させ、係止部441から動作確認用治具500を抜き取る。
【0161】
以上のような第8の実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0162】
〔第9の実施形態〕
図17は第9の実施形態に係る動作確認装置400を示す図であり、このうち(a)は側面図、(b)および(c)は平面図(ただし、ダミー本体部材410については平断面を示している)、(d)は透視斜視図、(e)は斜視図である。本実施形態に係る動作確認装置400は、以下に説明する点で、第1の実施形態に係る動作確認装置400と相違し、その他の点では第1の実施形態に係る動作確認装置400と同様に構成されている。また、本実施形態の場合、動作確認用治具500は、上記の第1乃至第5の何れかの実施形態と同様である。
【0163】
本実施形態の場合も、隣接部532がダミー本体部材410によって移動規制される点は、上記の第8の実施形態と同じである。つまり、金属板510の連結部530における押圧力受部531以外の部分の各々、すなわち隣接部532の各々は、ダミー本体部材410に係止される被係止部を構成している。
【0164】
ダミー本体部材410には、動作確認用治具500を保持する保持凹部450が形成されているとともに、被係止部(隣接部532)の各々が係止される一対の係止部941が設けられている。
ダミースライド部材420の移動方向へ動作確認用治具500を保持凹部450に対して相対的に移動させることによって、動作確認用治具500を保持凹部450に挿抜可能となっている。
一対の係止部941の各々は、保持凹部450内に突出して動作確認用治具500の被係止部(隣接部532)の各々に係合する第1状態(
図17(b))と、被係止部の各々に対する係合が解除された第2状態(
図17(c))と、に変換可能となるよう、ダミー本体部材410に対して揺動可能に設けられている。
【0165】
より具体的には、治具保持部440には前方に向けて開口する保持凹部450が形成されている。すなわち、保持凹部450は、治具保持部440の前端面に形成された開口930を介して、外部と連通している。開口930の形状は、
図17(d)に示すように、動作確認用治具500の横断面形状とほぼ等しい矩形状に形成されている。
【0166】
また、治具保持部440には、例えば、その左部と右部の各々に、揺動部材940が設けられている。揺動部材940は、その上下にそれぞれ突出し、互いに同軸に配置された一対の軸部942を有している。揺動部材940は、一対の軸部942によって治具保持部440に対して軸支され、軸部942の軸周りに揺動可能となっている。
【0167】
例えば、揺動部材940において、軸部942よりも後方の部分には、内向きに突出する係止部941が形成されている。
図17(b)および(e)に示すように、一対の揺動部材940の係止部941どうしが互いに近づく方向へと揺動部材940が揺動することにより、一対の係止部941が第1状態となる。また、
図17(c)および(d)に示すように、係止部941どうしが互いに遠ざかる方向へと揺動部材940が揺動することにより、一対の係止部941が第2状態となる。
【0168】
ダミー本体部材410には、図示しないバネ等の付勢部材が設けられており、この付勢部材によって、常時、一対の係止部941が第1状態となるべく揺動部材940が付勢されている。
【0169】
揺動部材940の外面において、軸部942よりも前方に位置する部分は、一対の係止部941を第2状態とする際にオペレータの手指によって押し込み操作される押圧部となっている。
【0171】
先ず、
図17(c)に示すように、一対の係止部941を第2状態とする。すなわち、例えば、上記付勢部材の付勢に抗して、左右の揺動部材940の押圧部を押し込み操作することにより、一対の係止部941を第2状態とすることができる。そして、動作確認用治具500を前方から保持凹部450に挿入する。このとき、動作確認用治具500は、他端部527が前方に位置する向きとする。なお、動作確認用治具500は、その全体が保持凹部450に収容されるようになっていても良いが、動作確認用治具500の取り外しやすさを考慮し、
図17(c)に示すように、動作確認用治具500の一部分が保持凹部450に収容され、動作確認用治具500の他の一部分が保持凹部450から突出した状態となることが好ましい。
【0172】
次に、
図17(b)に示すように、一対の係止部941を第1状態とし、係止部941の各々と、それぞれ対応する被係止部(隣接部532)とを係止させる。すなわち、例えば、左右の揺動部材940の押圧部に対する押し込み操作を解除することにより、上記付勢部材の付勢に従って左右の揺動部材940が揺動し、一対の係止部941が第1状態となる。これにより、動作確認用治具500がダミー本体部材410に対してセットされる。
【0173】
その後、動作確認の際にダミースライド部材420によって押圧力受部531が押圧されることによって、上記の第1の実施形態と同様に動作確認用治具500が変形する。
【0174】
動作確認が終わって動作確認用治具500をダミー本体部材410から取り外すときには、一対の係止部941を第2状態とし、動作確認用治具500を保持凹部450から前方に抜き取る。
【0175】
以上のような第9の実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0176】
〔第10の実施形態〕
図18(a)は第10の実施形態に係る動作確認用治具の側面図、
図18(b)は第10の実施形態に係る動作確認用治具の正面図である。本実施形態に係る動作確認用治具500は、以下に説明する点で、第1の実施形態に係る動作確認用治具500と相違し、その他の点では第1の実施形態に係る動作確認用治具500と同様に構成されている。
【0177】
本実施形態に係る動作確認用治具500は、上記の第1の実施形態に係る動作確認用治具500におけるリブ521を有していない代わりに、一対の側板部540を有している。側板部540は、対向部520の幅方向における縁部(側縁部)どうしを繋ぐ板状部であり、
図18(a)に示すように、側面視において矩形状に形成されている。側板部540の材料は、十分な剛性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、金属板510と同種の金属であることが挙げられる。
【0178】
一方の側板部540の上辺は、一方の(上側の)対向部520の一方の側縁部に対して、接合部540aにおいて溶接等により接合されており、当該一方の側板部540の下辺は、他方の(下側の)対向部520の一方の側縁部に対して、接合部540aにおいて溶接等により接合されている。同様に、他方の側板部540の上辺は、一方の(上側の)対向部520の他方の側縁部に対して、接合部540aにおいて溶接等により接合されており、当該他方の側板部540の下辺は、他方の(下側の)対向部520の他方の側縁部に対して、接合部540aにおいて溶接等により接合されている。
【0179】
このため、一対の側縁部540によって、一対の対向部520の対向間隔を一定に維持させることができ、その結果、動作確認用治具500が発生する抗力の大きさを、破断の進展の程度にかかわらずほぼ一定にすることが可能となっている。
【0180】
なお、本実施形態でも、動作確認用治具500は、上記の第2又は第4の実施形態と同様の曲率維持機構を有していても良い。また、動作確認用治具500は、第3の実施形態と同様に押さえ部材820を有していても良い。また、溝511の形状は、第5の実施形態のような形状であっても良い。
【0181】
本実施形態によれば、動作確認用治具500は、一対の対向部520の側縁部どうしを繋ぐ側板部540を有している。よって、一対の対向部520の対向間隔を一定に維持させて、動作確認用治具500が発生する抗力の大きさをほぼ一定にすることが可能である。
【0182】
なお、上記の第10の実施形態では、金属板510とは別体の板状部である一対の側板部540を金属板510に対して接合することによって、一対の対向部520の側縁部どうしを繋ぐ側板部540を有する構造の動作確認用治具500を形成する例を説明した。
ただし、一対の対向部520の側縁部どうしを繋ぐ側板部540を有する構造の動作確認用治具500は、金属板ではなく、金属製の角パイプを用いて形成することもできる。すなわち、動作確認用治具500は、金属部材として、金属製の角パイプを加工して得られる構造体を含んでいても良い。金属製の角パイプを用いて動作確認用治具500の金属部材を形成することにより、製造コストの低減が期待できる。
上記の第10の実施形態に係る動作確認用治具500と同等の構造の動作確認用治具500を金属製の角パイプを用いて形成する場合、上記の第10の実施形態とは異なり、対向部520と側板部540とを接合する工程が不要となる。また、金属製の角パイプを押出加工または引抜加工により作製するための金型として、角パイプの表面に溝511を形成しながら押出加工または引抜加工することが可能な構造の金型を用いることにより、溝511を加工するための別途の工程を省略することができる。
【0183】
〔第11の実施形態〕
図18(c)は第11の実施形態に係る動作確認用治具の側面図、
図18(d)は第11の実施形態に係る動作確認用治具の正面図である。本実施形態に係る動作確認用治具500は、以下に説明する点で、第1の実施形態に係る動作確認用治具500と相違し、その他の点では第1の実施形態に係る動作確認用治具500と同様に構成されている。
【0184】
上記の第1の実施形態に係る動作確認用治具500では、一方の対向部520に形成されたリブ521と、他方の対向部520に形成されたリブ521とが互いに離間している例を説明した。
これに対し、本実施形態では、
図18(c)および(d)に示すように、一方の対向部520に形成されたリブ521と、他方の対向部520に形成されたリブ521とが互いに突き合わされて、接合部521aにおいて相互に接合されている。
すなわち、一方の(上側の)対向部520の一方のリブ521は、他方の(下側の)対向部520の一方のリブ521と接合され、一方の(上側の)対向部520の他方のリブ521は、他方の(下側の)対向部520の他方のリブ521と接合されている。
このため、互いに対向しているとともに相互に接合されているリブ521によって、一対の対向部520の対向間隔を一定に維持させることができ、その結果、動作確認用治具500が発生する抗力の大きさを、破断の進展の程度にかかわらずほぼ一定にすることが可能となっている。
【0185】
なお、本実施形態でも、動作確認用治具500は、上記の第2又は第4の実施形態と同様の曲率維持機構を有していても良い。また、動作確認用治具500は、第3の実施形態と同様に押さえ部材820を有していても良い。また、溝511の形状は、第5の実施形態のような形状であっても良い。
【0186】
ここで、リブ521の形成範囲は、例えば、押圧力受部531の全体の側方を覆う範囲とすることができる。このようにすることによって、一対の対向部520の対向間隔をより安定的に維持させることができる。また、このようにすることによって、動作確認用治具500が、第2の実施形態における曲率維持機構すなわち軸受部材810を有する場合に、軸受部材810が側方に脱落してしまうことを抑制することができる。
【0187】
本実施形態によれば、動作確認用治具500は、一対の対向部520に形成されたリブ521のうち、互いに対向するリブ521どうしが相互に突き合わされているとともに相互に接合されている。よって、一対の対向部520の対向間隔を一定に維持させて、動作確認用治具500が発生する抗力の大きさをほぼ一定にすることが可能である。
【0188】
なお、上記の各形態における各構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はない。複数の構成要素が一個の部材として形成されていても良いし、一つの構成要素が複数の部材で形成されていても良いし、ある構成要素が他の構成要素の一部であっても良いし、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していても良い。
【0189】
また、上記の各実施形態では、動作確認用治具500のみが使い捨てであり、ダミー本体部材410およびダミースライド部材420は繰り返し利用されることを想定している。ただし、動作確認用治具500のみならず、ダミー本体部材410およびダミースライド部材420も使い捨てとしても良い。
【0190】
また、上記の各実施形態では、造影剤の注入を行う薬液注入装置100の動作確認に動作確認装置400および動作確認用治具500を用いる例を説明したが、動作確認装置400および動作確認用治具500は、造影剤以外の薬液の注入を行う薬液注入装置100の動作確認にも用いることができる。